2次曲線の三角関数による媒介変数表示 2 次曲線(放物線・楕円・双曲線)の標準形の
x
,y
についての方程式と,三角関数によ る媒介変数表示は次のように対応している. 1.放物線 (1) 24
y
px
( ,
x
y
)
( tan
p
2
, 2 tan )
p
(2) 24
x
py
( ,
)
2
,
2tan
tan
p
p
x
y
2.楕 円 2 2 2 21
x
y
a
b
( ,
x
y
)
( cos ,
a
b
sin )
3.双曲線 (1) 2 2 2 21
x
y
a
b
( ,
)
cos
,
tan
a
x
y
b
(2) 2 2 2 21
x
y
a
b
( ,
)
tan
,
sin
a
b
x
y
説明1.放物線 (1)x
軸上に2 点F( , 0) ,
p
F(
p
, 0)
(
p
0)
とり,点Fを通り,x
軸の正の向きとの なす角が
である直線をl
とし,lとy
軸との交点A においてl
に垂直な直線をm
とす る.直線m
のx
軸との交点をB,直線l
と直線x
p
との交点をC とし,点 B を通りy
軸に平行な直線と,点C を通りx
軸に平行な直線との交点をP( ,
x
y
)
とする. 直線l
の方程式はy
(
x
p
) tan
であるから,点A(0 ,
p
tan )
において,直線l
に垂 直な直線m
の方程式はtan
'0
のとき1
tan
tan
y
x
p
したがって,点B のx
座標は 21
tan
0
tan
tan
x
p
x
p
また,直線m
と直線x
p
の交点C のy
座標は(
) tan
2 tan
y
p
p
p
よって,点P の座標( ,
x
y
)
は 2tan
,
2 tan
x
p
y
p
と表され 2 2 2 2 2(2 tan )
4
tan
4
tan
4
y
p
p
p p
px
より,点P は放物線 24
y
px
上を動くことがわかる. (2)y
軸上に2 点F(0 ,
p
) ,
F(0 ,
p
)
(
p
0)
とり,点Fを通り,x軸の正の向きとの なす角が
である直線をl
とし,l
とx
軸との交点A においてl
に垂直な直線をm
とす る.直線m
のy
軸との交点をB,直線l
と直線y
p
との交点をC とし,点 B を通りx
軸に平行な直線と,点C を通りy
軸に平行な直線との交点をP( ,
x
y
)
とする. 直線l
の方程式はy
x
tan
p
であるから,tan
'0
のとき点 A, 0
tan
p
におい て,直線l
に垂直な直線m
の方程式は x y O p -p F F-A B C Ph
¥ mx
=
p
h
1
tan
tan
p
y
x
したがって,点B のy
座標は 21
tan
tan
tan
p
p
y
また,直線l
と直線y
p
の交点C のx
座標は2
tan
tan
p
p
x
p
x
よって,点P の座標( ,
x
y
)
は 22
,
tan
tan
p
p
x
y
と表され 2 2 2 2 22
4
4
4
tan
tan
tan
p
p
p
x
p
py
より,点P は放物線 24
x
py
上を動くことがわかる. 2.楕 円 原点を中心とする半径a ( 0)
の円周上に動点Q をと り,線分OQ とx
軸の正の向きとのなす角を
とお くと点Q の座標は( cos ,
a
b
sin )
と表される. 点Q からx
軸に垂線QH を引き, QH:PH=a:b (b
0 ,
a
'b
)
を満たす点 P を直線 QH 上にとると,点 P の座標( ,
x
y
)
はcos ,
sin
b
sin
x
a
y
a
b
a
と表される.このとき 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2( cos )
( sin )
sin
cos
1
x
y
a
b
a
b
a
b
より点P は楕円 2 2 2 21
x
y
a
b
上を動くことがわかる. 3.双曲線 (1) 原点を中心とする半径a ( 0)
の円周上に動点A をとり,線分 OA とx
軸の正の向き とのなす角を
とおくと点A の座標は( cos ,
a
a
sin )
と表される.点 A における円 の接線l
とx
軸との交点をB,直線 OA と直線x
b
( 0)
との交点をC とし,点 B を 通りy
軸に平行な直線と,点C を通りx
軸に平行な直線との交点をP( ,
x
y
)
とする. 円 2 2 2x
y
a
上の点A( cos ,
a
a
sin )
における接線l
の方程式は 2( cos )
a
x
( sin )
a
y
a
x
cos
y
sin
a
(← 21 1 x x y yr ) x y O
h
Q H P ba a -a -a a x y O p -p F F-A B C Ph
¥ my
=p
であるから,x 軸との交点B の座標は
cos
'0
のと き, 0
cos
a
と表される. 一方,直線OA:y
x
tan
と直線x
b
との交点のy
座標はtan
y
b
よって,点P の座標( ,
x
y
)
は,,
tan
cos
a
x
y
b
となり 2 2 2 2 2 2 2 21
1
( tan )
cos
x
y
a
b
a
b
a
b
2 21
tan
1
cos
(← 2 2 1 1 tan cos
) より,点P は双曲線 2 2 2 21
x
y
a
b
上を動くことがわかる. (2) 原点を中心とする半径b
( 0)
の円周上に動点A をとり,線分 OA とx
軸の正の向き とのなす角を
とおくと点A の座標は( cos ,
b
b
sin )
と表される.点A における円の 接線l
とy
軸との交点をB,直線 OA と直線y
a
( 0)
との交点をC とし,点 B を通 りx
軸に平行な直線と,点C を通りy
軸に平行な直線との交点をP( ,
x
y
)
とする. 円 2 2 2x
y
b
上の点A( cos ,
b
b
sin )
における接線l
の方程式は 2( cos )
b
x
( sin )
b
y
b
x
cos
y
sin
b
(← 21 1 x x y yr ) であるから,
y
軸との交点B の座標はsin
'0
のとき0 ,
sin
b
と表される. 一方,直線OA:y
x
tan
と直線y
a
との交点のx
座標はtan
'0
のときtan
tan
a
a
x
x
よって,点P の座標( ,
x
y
)
は,,
tan
sin
a
b
x
y
となり 2 2 2 2 2 2 2 21
1
tan
sin
x
y
a
b
a
b
a
b
2 21
1
1
tan
sin
(← 1 2 12 tan sin1
) より,点P は双曲線 2 2 2 21
x
y
a
b
上を動くことがわかる. x y O a x=b -a h ¥ A B C P b -a a x y O a y=a h ¥ A B C P b b -b -b例題1.
x
軸上に定点F( , 0) (
p
p
0)
をとり,点F を通り傾きがtan
2
2
の 直線とy
軸との交点をA とし,点 A を通り,直線 AF に垂直な直線とx
軸との交点をB とする.このとき,点A に関して点 B と対称な点 P( ,
x
y
)
の軌跡を求めよ.s
直線AF の方程式はy
(
x
p
) tan
したがって,y
軸との交点の座標はA(0 ,
p
tan )
0
' のとき,点A を通り,直線 AF に垂直な直線の方 程式は1
(
tan )
(
0)
tan
tan
tan
y
p
x
x
y
p
0
y
とおくと 20
tan
tan
tan
x
p
x
p
したがって,点B の座標は 2(
p
tan
, 0)
となる.点A は線分 BP の中点であることから 2 2tan
,
(0 ,
tan )
( ,
)
( tan
,
2 tan )
2
2
p
x
y
p
x
y
p
p
これから,tan
を消去すると 2 2 2 24
tan
4
tan
4
y
p
p p
px
0
のとき,2 点 A,B は原点 O に一致するから,点 P も原点になり,上式に含まれる. よって,求める点P の軌跡は放物線 24
y
px
である.u
上の例題から, 2( ,
x
y
)
( tan
p
,
2 tan )
p
も放物線 24
y
px
の三角関数による媒介変数表示となる. 中心が原点の半径r
の円周上の点P の媒介変数表示も,OP とy
軸の正の向きとのなす角を
とすればP(
r
sin
, cos )
と表さ れる.このように角
の取り方によって,いろいろな媒介変数表 示が考えられるので,どの角が
で,どの方向を正の回転とする のかをきちんと確認することが必要である. ■ 練 習 問 題. 1.放物線 24
y
px
上の点P(
x
1,
y
1)
における接線とx
軸の正の向きとのなす角を
とおく とき,点P の座標を
を用いて表せ. 2.xy
平面上の双曲線 2 21
25
4
x
y
をC
とし,点P
tan
,
cos
B
A
は常にC
上を動くと する.ただし,2
2
であり,A,Bは定数である.更に, 0 2lim
A
tan
かつ 0 2lim
cos
B
とする.このとき,A,Bの値を求めよ. (改 上智大) x y O h A B P F 0p , 01 x y O 1 -1 1 -1 h P例題2.xy平面において,次の式が表す曲線を
C
とする. 2 24
1 ,
0 ,
0
x
y
x
y
P をC
上の点とする.P でC
に接する直線を
とし,P を通り
と垂直な直線をm
とし て,x軸とy
軸で囲まれてできる三角形の面積をS
とする.P がC
上の点全体を動くと き,Sの最大値とそのときのP の座標を求めよ. (東北大)s
C:
2 21 ,
0 ,
0
1
4
y
x
x
y
上の点 P の座標は
cos ,
1
sin
0
2
2
とお ける.したがって,接線
の方程式は
1
(cos )
4
sin
1
2
(cos )
(2 sin )
1
x
y
x
y
点P を通り
に垂直な直線m
の方程式は
1
(2 sin )(
cos ) (cos )
sin
0
2
3
2 sin
cos
sin cos
2
x
y
x
y
これから,直線m
のx
軸との交点の座標はA
3
cos , 0
4
y
軸との交点の座標はB
0 ,
3
sin
2
となるから,三角形の面積をS
は1
1 3
cos
3
sin
9
sin cos
9
sin 2
2
2 4
2
16
32
S
OA OB
ここで,0
2
であるから0
2
よって,2
2
すなわち4
のとき最大値9
32
をとり,このときの点 P の座標は1
1
,
2
2 2
である.t
2 2 21
21
24
1
4
2
x
x
x
y
y
y
0 ,
0
x
y
より 21
(0
1)
2
x
y
x
これから 2 22
2 2 1
2 1
x
x
y
x
x
したがって,C
上の点P,
1
22
a
a
における法線m
の方程式は x y O C P m S A B 1 1 2 直線axby c 0に垂直で 点(x1, y1)を通る直線の方程式は 1 1 ( ) ( ) 0 b xx a yy 2 2 2 2