• 検索結果がありません。

パーキンソン病病因遺伝子産物LRRK2によるRab7L1リン酸化に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "パーキンソン病病因遺伝子産物LRRK2によるRab7L1リン酸化に関する研究"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

[課程-2] 審査の結果の要旨 氏名 藤本哲太 本研究はパーキンソン病病因遺伝子産物であるLRRK2 による Rab7L1 リン酸化の詳細 を生化学的に解析するとともに、その機能的意義を解明することを目的として検討を行 い、下記の結果を得ている。 1. 精製組換えタンパク質を用いたin vitro の検討から、LRRK2 が Rab7L1 を直接リン 酸化することが示された。また、細胞内においてもLRRK2 キナーゼ活性依存的に Rab7L1 がリン酸化されたことから、Rab7L1 は細胞内における LRRK2 の基質であ ることが示唆された。 2. 野生型と異なりゴルジ体への局在がみられない T21N、Q67L 変異型 Rab7L1 は LRRK2 によるリン酸化を受けないことから、Rab7L1 はゴルジ体において LRRK2 によるリン酸化を受ける可能性が示唆された。 3. LRRK2 による Rab7L1 リン酸化部位を同定するため、Rab7L1 配列内の各セリン・ スレオニン残基をアラニンに置換したRab7L1 変異体を用いて Phos-tag SDS-PAGE による解析を行ったところ、S72A 変異型 Rab7L1 において LRRK2 キナーゼ活性依 存的なリン酸化の消失が認められた。また、リン酸化Ser72 Rab7L1 特異抗体を作出 して検討したところ、LRRK2 キナーゼ活性依存的な Rab7L1 リン酸化の増加が認め られた。従って、LRRK2 による Rab7L1 のリン酸化部位は 72 番目のセリン残基で あると考えられた。 4. FPD 変異型 LRRK2 による Rab7L1 リン酸化について解析を行い、使用した 6 つの FPD 変異型 LRRK2 において共通して細胞内での pSer72 Rab7L1 リン酸化が増加す ることを見出した。 5. Rab7L1 がtrans-Golgi の形態制御に関与することが報告されていることから、 LRRK2 による Rab7L1 の 72 番目のセリン残基のリン酸化がtrans-Golgi の形態制 御に修飾的に影響を与える可能性を想定し、免疫細胞化学的な検討を行った。その結 果、野生型Rab7L1 やリン酸化部位欠損型の S72A 変異型 Rab7L1 を発現させた細胞 では、TGN が核近傍に集簇した形態を示した。一方、リン酸化模倣型の S72E 変異 型Rab7L1 を発現させた細胞や、LRRK2 と野生型 Rab7L1 を共発現させた細胞では TGN が細胞質に散在した形態・分布を示した。この結果から、LRRK2 は Rab7L1 のSer72 リン酸化を介して、trans-Golgi の形態を制御している可能性が示唆され た。

(2)

以上、本論文はLRRK2 が細胞内において Rab7L1 の 72 番目のセリン残基をリン酸化 し、そのリン酸化を介してtrans-Golgi の形態の制御に関与していることを明らかにし た。本研究から得られた知見は、LRRK2 の機能ならびに PD 発症の分子機構解明に示唆 を与えるものと考えられ、学位の授与に値するものと考えられる。

参照

関連したドキュメント

で完全に非品化させると、リン酸化物は溶解してしまぃ、結晶構造がある程度残る必要を

これまで報告のなかった非翻訳領域 (UTR)

位の glycogen synthase kinase-3β や casein kinase1α によるリン酸化が

SL 生合成変異体シロイヌナズナを用いた RNAseq によってリン酸トランスポーターの 働きを制御する PHO2

Soil

      緒    言

6 耐放射線損傷に優れていること。

次に, CD4.A と CD4.B のブタのゲノム DNA について CD4 の全コーディング領域(exon 2-10) をシークエンスした。検出された塩基配列を既登録ブタ CD4