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小肝癌の病理肉眼型に対するGd-EOB-DTPA造影MRIと造影超音波を組み合わせた予測画像診断の有用性

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Academic year: 2021

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第 6 号様式 論 文 審 査 の 要 旨 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 氏名 小林 知樹 学位授与の要件 学位規則第 4 条第①・2 項該当 論 文 題 目

Usefulness of combining gadolinium-ethoxybenzyl-diethylenetriamine pentaacetic acid-enhanced magnetic resonance imaging and contrast-enhanced ultrasound for diagnosing the macroscopic classification of small hepatocellular carcinoma (小肝癌の病理肉眼型に対する Gd-EOB-DTPA 造影 MRI と造影超音波を組み合わせた予測画 像診断の有用性) 論文審査担当者 主 査 教 授 大 段 秀 樹 印 審査委員 教 授 粟 井 和 夫 審査委員 講 師 惠 木 浩 之 〔論文審査の要旨〕 肝癌の病理肉眼型は生物学的悪性度を反映しており、治療前に画像診断によって高い精 度で分類することができれば治療法の選択や予後予測において有用である。近年、 Gd-EOB-DTPA 造影 MRI(EOB-MRI)と Sonazoid 造影超音波(CEUS)が登場したことで、腫 瘍形態の詳細な評価が可能となり、これらを用いた肉眼型予測診断の有用性が報告されて いる。しかし、これまでに両者の診断能を比較した報告や両者を組み合わせた場合の診断 能に関する報告はない。本研究では小肝癌における EOB-MRI と CEUS の病理肉眼型に対す る予測診断能(単独と組み合わせ)を比較検討した。 対象は広島大学病院で 2010 年 1 月から 2013 年 11 月までに根治的肝切除を施行した多 血性肝癌 477 例のうち、①腫瘍径 3cm 以下腫瘍数 3 個以内、②RFA や TACE の併用なし、 ③術前に EOB-MRI と CEUS の両者が施行され主腫瘍の評価が可能、の条件を満たした 85 例である。 まず検討 1 として、切除標本の病理肉眼型を悪性度の違いから SN type(小結節不明瞭 型、単純結節型)と Non-SN type(単純結節周囲増殖型、多結節癒合型、浸潤型)に分類 した。2 人の肝臓内科医が術前に施行された EOB-MRI(肝細胞相)と CEUS(Kupffer 相) の画像を読影し、Non-SN type に対する単独および組み合わせによる予測診断能と両者の 一致率を評価した。単独のモダリティの診断能は、EOB-MRI/CEUS:AUROC 0.786/0.784、 感度 64.1/56.4%、特異度 95.7/97.8%、陽性的中率(PPV)92.6/95.7%、陰性的中率(NPV) 75.9/72.6%、正診率 81.2/78.8%であった。両者はともに中等度の診断能を示し、診断能 の差は認めなかった。またκ一致率は EOB-MRI: 0.717、CEUS: 0.638 であった。一方、両

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者の組み合わせ診断では、AUROC 0.876、感度 84.6%、特異度 95.7%、PPV 94.3%、NPV 88%、 正診率 90.6%と単独の診断に比べて診断能の向上が得られた。

次に検討 2 として、予測不一致例の内訳について解析した。予測不一致例の内訳は、 Non-SN type を SN type と過小評価した例が EOB-MRI: 87.5%、CEUS: 94.4%であり、SN type を Non-SN type と過大評価した例が EOB-MRI: 12.5%、CEUS: 5.6%であったことから、予 測不一致例の大部分は Non-SN type の過小評価に由来していた。EOB-MRI と CEUS による 肉眼型予測診断の問題点は、高悪性度の Non-SN type に対する感度が低いこと(約 40%の 例の見逃し)であった。これは Non-SN type の被膜外浸潤を検出するのに必要な EOB-MRI と CEUS の空間分解能の不足に起因し、単独のモダリティでの診断の限界と考えられた。 一方、組み合わせ診断は両者の異なる特徴から、各々の単独診断での Non-SN type(被膜 外浸潤)の見逃し例の拾い上げを可能とし、感度の改善から診断能の向上が得られた。よ って両者の組み合わせ診断は、単独診断の問題点である感度の低さ(Non-SN type の見逃 し)を相補的に改善させる有用な対策と考えられた。 以上の結果から、本論文は小肝癌の病理肉眼型の予測診断に EOB-MRI と CEUS を組み合 わせた総合画像診断が有用であることを明らかにした点で高く評価される。よって審査委 員会委員全員は、本論文が著者に博士(医学)の学位を授与するに十分な価値あるものと 認めた。

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