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02 IT 導入のメリットと手順 第 1 章で見てきたように IT 技術は進展していますが ノウハウのある人材の不足やコスト負担など IT 導入に向けたハードルは依然として高く IT 導入はなかなか進んでいないようです 2016 年版中小企業白書では IT 投資の効果を分析していますので 第 2 章

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Academic year: 2021

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(1)

IT導入のメリットと手順

第2章

IT導入のメリットと手順

02

 IT投資を行っている企業と行っていない企業の直近3年間平均の売上高と、売上高経常利益率を比較 すると、図2-1のとおり、IT投資を行っている企業が行っていない企業に比べ水準が高いことが分かり ます。  また、自社ホームページの開発・活用により得られる効果を見ると、図2-2のとおり、「営業力・販売 力の強化」が最も高く、次いで、「売上の拡大」、「顧客満足度の向上・新規顧客・新市場開拓」の順と なっています。  同様に、FacebookやTwitterに代表されるソーシャルメディアサービスによって得られる効果は、 「社内の情報活用の活発化」が最も高く、次いで「営業力・販売力の効果」、「顧客満足度の向上・新規 顧客・新市場開拓」の順となっており、さらに、「業務プロセスの合理化・意志決定の迅速化」や「コス ト削減」の効果も自社ホームページの活用より高いことが特徴的です。  第1章で見てきたように、IT技術は進展していますが、ノウハウのある人材の不足やコスト負担な ど、IT導入に向けたハードルは依然として高く、IT導入はなかなか進んでいないようです。  2016年版中小企業白書では、IT投資の効果を分析していますので、第2章では、そのデータを参 考にIT導入のメリットについてご紹介するとともに、生産性向上の観点からIT導入の方向性を示 した上で、IT導入手順をご説明します。   ◆図2-1 業種別に見たIT投資有無と業務実績の関係

1.IT導入のメリット

3.0 2.9 2.1 2.0 3.8 3.8 2.7 2.3 1.6 1.6 3.3 3.6 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 全体 ) 8 1 6 = n ( ) 8 2 4 , 3 = n ( (n=83製造業3)(n=114)(n=95卸売業9()n=159)(n=1小売業09)(n=19) (n=サービス業325()n=60)(n=1,1その他98()n=266) IT投資あり IT投資なし (%) (2)IT投資有無別の企業の売上高経常利益率 2,369 2,292 3,340 2,351 1,788 1,809 1,140 876 1,783 1,229 1,002 893 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 全体 ) 8 1 6 = n ( ) 8 2 4 , 3 = n ( (n=83製造業3)(n=114)(n=95卸売業9()n=159)(n=1小売業09)(n=19)(n=サービス業325()n=60)(n=1,1その他98()n=266) IT投資あり IT投資なし (百万円) (1)IT投資有無別の企業の売上高

(2)

  ◆図2-2 自社ホームページ、ソーシャルメディアサービスの活用の効果   ◆図2-3 電子商取引による効果 52.9 40.4 37.8 10.5 9.3 9.1 6.3 4.3 3.3 3.2 2.1 0.9 0.7 13.9 30.2 19.2 24.6 18.0 39.1 10.4 13.6 13.9 10.7 16.6 20.4 3.6 3.6 10.9 0 10 20 30 40 50 60 営業力・ 販売力の 強化 売上の拡 大 顧客満足度の向 上・新規 顧客・新 市場開拓 従業員の 意欲・能 力向上 社内の情 報活用の 活発化 製品・ サービス の高付加 価値化 企業間連 携の促進ノウハウ等の明示 化・共有 化 利益率・ 生産性の 向上 コスト削 減 業務プロセス合理 化・意思 決定の迅 速化 リスク対 応・ セキュリ ティ対策 在庫圧 縮・省材 料化 実施した が期待し た効果が 得られな かった 自社ホームページの開発・活用 (n=2,066) ソーシャルメディアサービスの利用(n=338) (%) 30.7 27.6 27.3 23.8 19.9 19.3 13.6 8.3 6.4 5.6 4.4 2.7 2.4 6.3 23.2 16.9 10.5 31.5 40.4 24.0 15.4 4.9 4.9 8.2 6.7 2.6 3.0 9.7 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 コスト削 減 業務プロセス合理 化・意思 決定の 迅速化 企業間連 携の促進 販売力の営業力・ 強化 売上の 拡大 度の向上・顧客満足 新規顧客・ 新市場 開拓 利益率・ 生産性 の向上 リスク 対応・ セキュリ ティ対策 社内の情 報活用の 活発化 製品・ サービス の高付加 価値化 在庫圧縮 ・省材料 化 従業員の 意欲・ 能力向上 ノウハウ 等の 明示化・ 共有化 実施した が期待し た効果が 得られな かった EDI等のBtoB向け (n=638) (n=267)eコマース等のBtoC向け (%)  次に、電子商取引による効果を見ると、図2-3のとおり、EDI等のBtoB向け電子商取引は、「コ スト削減」が最も高く、次いで「業務プロセス合理化・意思決定の迅速化」、「企業間連携の促進」 の順になっています。  一方、eコマース等のBtoC向け電子商取引については、「売上の拡大」の割合が最も高く、次いで 「営業力・販売力の強化」、「顧客満足度の向上・新規顧客・新市場開拓」の順になっています。 (1)生産性向上とは     「はじめに」にあるとおり、県内の中小企業は、人手不足に直面していますが、この問題を短 期的に解決することは困難であるため、人手不足を前提とした省力化・合理化を進めることによ り、生産性の向上を図ることが必要です。    それでは、生産性向上とは何を指すのでしょうか。     生産性の指標として代表的なものに「労働生産性」がありますが、これは「1人当たりの付加 価値額」のことを指し、以下の算式で表されます。

2.生産性向上に向けたIT導入の方向性

1人当たりの付加価値額 =

営業利益 + 人件費 + 減価償却額

(3)

 この算式の分子は付加価値額です。労働生産性を向上させるには、①分母を縮小し、②分子を拡大 することが必要です。  従業員は、大切な経営資源「ヒト・モノ・カネ」の1つですから、分母の縮小には、従業員の削減 ではなく、業務効率の向上という視点が重要です。また分子の拡大には、付加価値を高めること、売 上を増大させるための新たな取り組みを創出することが重要です。 (2)生産性の向上に向けたIT導入の方向性     上記のとおり、生産性向上のためには、「①業務効率の向上」と「②付加価値の向上」という 2つの方向性があり、IT導入でも同じことがいえます。     ①の業務の効率化については、例えば、紙や口頭でのやりとりをITに置き換えたり、ITを 活用して社内業務を効率化するなどが考えられます。      また、②の付加価値向上については、顧客へのサービスを向上させるための顧客情報管理分析 システムの導入やWEB販売など新たな販売チャネルの創出などが考えられます。     なお、2016年版中小企業白書では、①と②の2つの方向性でIT投資をした場合の効果を、高 収益企業と低収益企業とで比較分析しており、「業務プロセス合理化・意志決定の迅速化」をは じめ、「売上の拡大」や「利益率・生産性の向上」などの面で、高収益企業が低収益企業より効 果を実感しています(図2-4、2-5)。   ◆図2-4 業務効率化のための基幹系システムの効果   ◆図2-5 付加価値向上のための基幹系システムの効果 (1)業務効率化のための基幹系システムの効果 (2)付加価値向上のための業務支援系システムの効果 47.0 41.5 33.0 28.9 21.9 18.0 11.9 11.7 11.7 10.7 6.1 5.6 4.6 2.4 39.8 47.6 31.1 29.1 21.9 18.1 7.7 10.0 11.2 10.4 6.7 5.1 4.3 1.6 0 10 20 30 40 50 60 業務プロ セス合理 化・意思 決定の迅 速化 コスト 削減 利益率・生産性 の向上 社内の 情報活 用の 活発化 営業力・ 販売力 の強化 在庫圧 縮・省材 料化 リスク 対応・ セキュリ ティ対策 売上の 拡大 の意欲・従業員 能力向上 顧客満 足度の 向上・新 規顧客・ 新市場 開拓 ノウハウ 等の明示 化・ 共有化 製品・ サービス の高付加 価値化 企業間 連携の 促進 実施した が期待 した効果 が得られ なかった 高収益企業(n=540) 低収益企業(n=508) 全体(n=2,135) (%) 50.0 35.0 33.5 33.5 32.0 31.6 29.1 20.9 16.0 16.0 11.7 11.2 5.3 3.9 42.2 27.6 24.6 20.1 34.7 27.6 23.6 16.1 13.1 15.1 6.0 6.0 7.5 4.0 0 10 20 30 40 50 60 高収益企業(n=206) 低収益企業(n=199) 全体(n=868) (%) 営業力・ 販売力の 強化 利益率・ 生産性の 向上 売上の 拡大 業務プロセス 合理化・ 意思決定の 迅速化 社内の 情報活 用の活 発化 コスト 削減 顧客満足度の 向上・ 新規顧客・ 新市場開拓 従業員 の意欲・ 能力 向上 製品・ サービ スの高 付加価 値化 在庫圧 縮・省材 料化 ノウハ ウ等の 明示化・ 共有化 リスク 対応・ セキュ リティ 対策 企業間 連携の 促進 実施した が期待 した効果 が得られ なかった (1)業務効率化のための基幹系システムの効果 (2)付加価値向上のための業務支援系システムの効果 47.0 41.5 33.0 28.9 21.9 18.0 11.9 11.7 11.7 10.7 6.1 5.6 4.6 2.4 39.8 47.6 31.1 29.1 21.9 18.1 7.7 10.0 11.2 10.4 6.7 5.1 4.3 1.6 0 10 20 30 40 50 60 業務プロ セス合理 化・意思 決定の迅 速化 コスト 削減 利益率・生産性 の向上 社内の 情報活 用の 活発化 営業力・ 販売力 の強化 在庫圧 縮・省材 料化 リスク 対応・ セキュリ ティ対策 売上の 拡大 の意欲・従業員 能力向上 顧客満 足度の 向上・新 規顧客・ 新市場 開拓 ノウハウ 等の明示 化・ 共有化 製品・ サービス の高付加 価値化 企業間 連携の 促進 実施した が期待 した効果 が得られ なかった 高収益企業(n=540) 低収益企業(n=508) 全体(n=2,135) (%) 50.0 35.0 33.5 33.5 32.0 31.6 29.1 20.9 16.0 16.0 11.7 11.2 5.3 3.9 42.2 27.6 24.6 20.1 34.7 27.6 23.6 16.1 13.1 15.1 6.0 6.0 7.5 4.0 0 10 20 30 40 50 60 高収益企業(n=206) 低収益企業(n=199) 全体(n=868) (%) 営業力・ 販売力の 強化 利益率・ 生産性の 向上 売上の 拡大 業務プロセス 合理化・ 意思決定の 迅速化 社内の 情報活 用の活 発化 コスト 削減 顧客満足度の 向上・ 新規顧客・ 新市場開拓 従業員 の意欲・ 能力 向上 製品・ サービ スの高 付加価 値化 在庫圧 縮・省材 料化 ノウハ ウ等の 明示化・ 共有化 リスク 対応・ セキュ リティ 対策 企業間 連携の 促進 実施した が期待 した効果 が得られ なかった

(4)

 しかし、「同じIT投資を行えば同じ効果が実感できる」のであれば、このような差は見られない はずです。  そこで、投資効果を得るために有義であった取組を高収益企業と低収益企業で比較すると、図2-6の とおり、「業務プロセスや社内ルールの見直し」、「従業員からの声の収集」、「IT導入に向けて の計画策定」、「研修の実施」、「導入後のモニタリング」などの面で違いが顕著であり、IT導入 の際にはこれらが重要であることがうかがえます。   ◆図2-6 IT投資の効果を見るために有意であった取組の実施状況 高収益企業(n=542) 低収益企業(n=329) 全体(n=1,715) 65.9 58.7 49.3 48.5 37.6 27.3 23.1 22.0 19.0 17.5 14.2 12.0 43.2 55.0 28.3 26.1 19.1 24.3 17.6 15.2 9.4 15.2 16.7 4.9 0 10 20 30 40 50 60 70 IT導入に 併せた業 務プロセ ス・社内 ルール の見直し IT導入の 目的・ビ ジョンの 明示 IT導入に 対しての 各事業部 門、従業 員からの 声の収集 IT導入に 向けての 計画策定 IT・業務改 善等につ いての社 員教育・研 修の実施 IT導入効 果の予測 IT導入に併せたIT を活用で きる人材 の採用・ 人材の 再配置 外部専門 家・支援機 関の活用 ITの段階 的な導入・ 導入後の モニタリ ング IT導入の ための資 金の確保 ビジネス モデルの 見直しに 併せた、 適切なIT 導入方法 の検討 IT担当部 署、CIO の設置 (%)  IT導入の手順は、その目的や導入するシステムの種類などにより若干の違いがありますが、これ までご紹介してきた内容を踏まえて、基本的な導入ステップをご説明します。  まず、自社の抱える経営課題が何であるかをできるだけ具体的に把握することが重 要です。 そのためには、業務の行われている現場を実際に見たり、従業員に問題意識 を確認する必要があります。  自社のIT導入の方向性がある程度認識できたら、これをベースに具体的なIT 導入計画を策定します。計画を練る上で、他社の事例は大変参考になりますので、 第3章(県内企業の取組事例)をご活用ください。  STEP1で自社の経営課題を特定したら、次は、これを解決するために適したIT にどのようなものがあるかを調べます。  IT導入計画にマッチした製品・サービスやこれらを提供するITベンダーを探し ます。オリジナル開発やパッケージ利用、パッケージ改良など、様々な方法があり、

3.IT導入の手順

自社経営の分析、業務分析による経営課題の抽出

IT導入計画の策定

経営課題を解決するためのIT導入の方向性の策定

製品・サービスやITベンダー等の選定

STEP1

STEP3

STEP2

STEP4

(5)

 システム導入に向けてITベンダーと具体的な商談を行う際は、自社の経営課題、 IT導入によって経営・業務改善を図るべきポイントを明確に伝え、これを解決する ためのIT導入となるような提案を求めます。投資額や運用費について明確にしてお くことも重要です。  ITベンダーからの提案内容を、経営者や実務担当者が実際の業務に照らし合わせ て、課題解決が実現できそうか、金額的に無理がないか、オーバースペックとなって いないかなど様々な角度から検討し、導入を決定します。導入の推進にあたっては、 人材配置等の体制整備も重要です。

ITベンダーとの商談

IT導入計画の推進

STEP5

STEP6

 IT導入のメリットや手順をご説明してきましたが、導入の成果を確実に実現するためのポイント として、以下のようなことが挙げられます。  ① 経営者のリーダーシップ  ② 自社の業務自体の見直しに積極的に取り組む  ③ 従業員の中にIT利活用のリーダーを育てる  ④ 積極的な外部の活用  特に、①の「経営者の強いリーダーシップ」が重要で、現場を支えている従業員の積極的な協力を得 るため、経営ビジョンを明確にするとともに、経営者自らが先頭に立って進めていくことが大切です。  これについては、経済産業省が中小企業の経営者向けに作成したテキスト「これからの経営をさら によくするために! ITの活用による経営力の向上!」が参考になります。  https://www.itc.or.jp/society/activity/articles/korekarano_keiei_index.html  また、④「積極的な外部の活用」とありますが、(公財)21あおもり産業総合支援センターなどの支 援機関では専門家派遣事業を実施していますので、ITコーディネータや中小企業診断士など、専門 家の活用をご検討ください。  最後になりますが、第3章では、県内企業の取組事例を紹介していますので、以上のポイントをど のように実現したのか、参考にしながら取り組まれることを期待します。 (注)  以上、「2017年版『中小企業白書』(http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html)」及び     「2016年版『中小企業白書』(http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H28/h28/index.html)」、     「支援者のための小規模事業者のIT利活用サポートブック(http://www.smrj.go.jp/doc/tool/H28_guidebook_re_IT.pdf)、     「IT経営ガイド(http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/gijut/it_guide/usage/usage.html)」をもとに作成。

4.IT導入の成果を確実に実現するために

参照

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