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解剖学 1

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Academic year: 2021

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(1)

解剖生理学

神経系の構造と機能

(感覚器:視覚)

眼の構造

• 眼球の構造 :眼球は 直径25mmほどの球状で、 前後径の方が横径より少し大きい。 :前方の角膜は、他部分よりも彎曲が強い。 :後極の少し下内側で視神経につながる。 :眼球の壁は3層構造からなり、 内部に水晶体・硝子体・眼房水が含まれる。 • 眼球線維膜(外膜) :眼球壁の最外層を形成。

:コラーゲン線維を主体とする強靭な膜。

:前方の一部は透明な角膜だが、 残りの大部分は強膜は 硬く白い膜である。 P.435-.

眼の構造

• 眼球線維膜(外膜) ・強膜 :眼球外層の約5/6を占め、 血管が少なく白く見える。 :厚さは後部で厚く(約1mm)、 赤道部で薄く(約0.4mm)、 この厚さの部位差と 眼内圧のバランスで、 眼球の形が保たれる。 :強膜角膜移行部近くの内面に、 強膜静脈洞(シュレム管)があり、 眼房水の流出路となる。 P.435-.

眼の構造

• 眼球線維膜(外膜) ・角膜 :眼球の前1/6(直径約10~12mm)を占め、 厚さ約1mm、前方に凸彎する透明部。 :核膜の本体は規則的に配列した コラーゲン線維からなる。 :外表面の角膜上皮は重層扁平上皮で 角化しておらず、 強膜を覆う結膜の上皮に続く。 :後面は 前眼房に面して1層の内皮細胞が並ぶ。 :角膜刺激により、 眼瞼が反射的に閉じる事を角膜反射という。 P.435-.

(2)

眼の構造

• 眼球血管膜(ブドウ膜) :血管の豊富な膜で、 大部分を占める脈絡叢と 前方に突き出す毛様体と虹彩からなる。 ・脈絡叢 :強膜の内面にある薄い膜。 :血管と色素細胞に富み赤黒い 事で、 眼球内部を暗くして、 また眼球壁に栄養を与える。 P.435-.

眼の構造

• 眼球血管膜(ブドウ膜) ・毛様体 :脈絡膜の前方に突き出す肥厚部で、 内部に平滑筋性の毛様体筋がある。 :毛様体の内面には、約70の毛様体突起が 中心に向かって突出し、 無数の毛様体小帯(チン小帯)によって 水晶体と連結している。 :毛様体表面の上皮細胞は、眼房水の分泌を行う。 :毛様体筋は、 副交感神経(動眼神経)に支配され、 収縮すると毛様体を中央に向かって突出し、 毛様体小帯がゆるみ、 水晶体はみずからの弾力で凸度を増す。 P.435-.

眼の構造

• 眼球血管膜(ブドウ膜) ・虹彩 :毛様体の前方に突き出す、 平たい環状の膜で、 中央の瞳孔を取り囲んでいる。 :眼球の外から核膜を通して見える。 :虹彩により、水晶体と角膜の間の空間は、 前眼房と後眼房に分けられる。 :虹彩は血管・神経・色素を豊富に含み、 内部には瞳孔の大きさを調節する 2群の平滑筋がある。 :輪状の瞳孔括約筋は 副交感神経(動眼神経)に支配され、 放射状の瞳孔拡大筋は交感神経に支配される。 :黒目、茶目、青目 等の目の色は、 虹彩の結合組織に含まれる メラニン細胞の量の違いにより生じる。 P.435-.

眼の構造

• 網膜(眼球内膜) :眼球壁の最内層で、 本体をなす狭義の網膜と 脈絡膜に面する色素上皮とからなる。 ・網膜 :眼球壁の最内層部で、 感覚細胞・神経細胞・神経線維が整然と配列し、 多くの層に区別される。 :色素上皮側(外側)から、 視細胞層、双極細胞層、神経節細胞層 がある。 :双極細胞は 視細胞からの刺激を 神経節細胞に伝え、 同じ神経節細胞層にある他の神経細胞とともに、 網膜内である程度の情報処理を行う P.435-.

(3)

眼の構造

• 網膜(眼球内膜) ・視細胞 :視細胞は、杆体と錐体の2種類の感覚細胞がある。 :色素上皮に向かう突起の形により命名される。 :杆体はロドプシンという感光色素を持ち、 光の感度が高く、色を区別しない。 :光が杆体に照射されると、 フォトン(光子)がロドプシンに吸収されて 視細胞にあるGタンパク質が活性化される。 :活性化により、それまで開いていた ナトリウムチャネルが閉鎖して過分極がおきる。 :過分極による信号が視細胞を通って視覚を生じる。 :錐体はイオドプシン(アイオドプシン)という 感光色素を持ち、光の感度は低いが、 異なる色を青錐体、緑錐体、赤錐体の 3種類の錐体で感知する。 P.435-.

眼の構造

• 網膜(眼球内膜) ・視神経 :網膜の神経節細胞から出た軸索は、 網膜の最内層を通り、視神経乳頭(円板)に向かう。 :視神経乳頭で眼球を離れて視神経に入る。 :視神経乳頭には視細胞がない為、光を感じない。 :神経乳頭の外側4~5mmの場所に、 黄斑(黄色っぽい領域)があり、 中央に中心窩という軽いくぼみがある。 :中心窩は視細胞の錐体が集まり、 注視する時に視野の中心になって、 高い視力が得られる。 :網膜は中心窩の周縁で厚く、 前方に向かって薄くなりながら鋸状縁に達する。 :鋸状縁で急に極薄くなり、 毛様体の内面と虹彩後面を覆う上皮に移行。 P.435-.

眼の構造

• 眼房水 :核膜と水晶体の間には、眼房水によって満たされる眼房があり、 虹彩によって前眼房と後眼房に分けられる。 :眼房水の成分は血漿に近いが、炭酸水素イオン(重炭酸イオン:HCO3-)を多く含み、 角膜・水晶体・硝子体に栄養を与える。 :眼房水は循環しており、毛様体上皮から後眼房に分泌され、 前眼房に入り、虹彩と角膜の境界部にある強膜静脈洞に吸収される。 ・眼内圧 :眼房水の圧を眼内圧(眼圧)といい、 平均眼内圧は14~16mmHg、 正常値の上限は20~21mmHg。 :眼房水の出口が閉鎖され、 眼内圧が高まると 緑内障になり、 視細胞が障害されて失明の危険がある。 P.435-.

眼の構造

• 水晶体 :水晶体は、 直径約9mmで前後両面が凸のレンズで、 後面の彎曲が強く、 眼房水および硝子体よりも屈折率が大きい。 :前後軸は約4mmだが、 遠近調節の為に厚さを変化させ、 遠方視で薄く、近方視で厚くなる。 :水晶体の表面は弾力性のある水晶体包に覆われ、 内部の大部分は上皮細胞からなる水晶体線維が規則的に集合している。 :毛様体内面からおこる毛様体小帯が、水晶体包に付着する。 :加齢とともに水晶体は固くなり、遠近調節が困難になる(老眼)。 :高齢になると水晶体が白濁し、視力障害がおこる(白内障)。 :高度な白内障の場合、水晶体を摘出して 人工の眼内レンズを挿入することで視力を回復することができる。 P.435-.

(4)

眼の構造

• 硝子体 :硝子体は水晶体の後方にあり、 眼球の後方約3/5を占める ゼリー状の物質である。 • 眼球付属器 ・眼瞼・結膜 :一般的に瞼(マブタ)といわれる 上・下の眼瞼(ガンケン)は、 必要に応じて光を遮断し、 眼球を保護する。 :外面は皮膚、 内面は血管と神経に富む 粘膜(結膜)に覆われる。 :眼瞼の内面を覆う粘膜(眼瞼結膜)と、 眼球前面の強膜を覆う結膜(眼球結膜)は、 上下の結膜円蓋で互いに移行する。

眼の構造

• 眼球付属器 ・眼瞼・結膜 :眼瞼の内部には、硬い結合組織の瞼板(ケンバン)および、いくつかの分泌腺がある。 :マイボーム腺は、瞼板中に30~40個ある大型の皮脂腺で、眼瞼後縁に開口する。 :眼瞼前縁には瞼毛(まつげ)が2~3列ある。 :瞼毛の根部には特殊なアポクリン汗腺と脂腺が開く。 :眼窩内の上眼瞼挙筋(動眼神経支配)が上眼瞼を牽引する事で、 眼瞼裂も引き上げて眼瞼裂を開き、眼瞼裂を取り巻く眼輪筋(顔面神経支配)が、 眼瞼裂を閉じる。 P.435-.

眼の構造

• 眼球付属器 ・涙器 :涙腺は、眼球の上外側にある小指頭ほどの漿液腺である。 :涙を分泌する涙腺は 角膜の表面を覆い、乾燥を防ぎ保護する。 :涙液は内眼角に集まり、 上下の涙点から流出し、鼻涙管を通って鼻腔の下鼻道に入る。 :瞬目(シュンモク/まばたき)は、眼瞼を動かして涙液を眼球表面に 均等に広げるだけでなく、鼻涙管を収縮・拡張させて涙液を吸引する。 P.435-.

眼の構造

• 眼球付属器 ・眼筋(外眼筋) :眼窩には、眼球を動かす6つの外眼筋があり、 作用的には、4つの直筋と2つの斜筋があり、 動眼神経、滑車神経、外転神経 に支配される。 :外眼瞼挙筋は、眼球の運動は行わないが、外眼筋に含める。 ・上直筋・下直筋・内側直筋・外側直筋 :4つの直筋は、視神経管のまわりにある総腱輪からおこり、 前方に直進し扁平な腱となり、角膜縁から5~10mm後ろで眼球の強膜に停止。 P.435-.

(5)

眼の構造

• 眼球付属器 ・眼筋(外眼筋) ・上斜筋 :総腱輪からおこり、眼窩の前上内側隅に進み、 軟骨性の滑車により外後方に向きをかえ、眼球の上面に斜めに停止する。 ・下斜筋 :眼窩底の鼻側・涙嚢の直下を起始とし 外後方に走行し、眼球の外側面に停止する。 :滑車神経は上斜筋、 外転神経は外側直筋、 動眼神経は それ以外の眼筋群と上眼瞼挙筋を支配する。 P.435-.

視覚

• 視野と視力 ・視野と盲斑 :1点を注視した状態で見える範囲を視野。 :白に対する視野よりも、 色に対する視野は狭く、 緑に対する視野が最も狭い。 :注視した点から15°外側の位置に、 視細胞の無い視神経乳頭に対応して 視覚のない盲斑(盲点)がある。 ・視力 :眼の分解能を示す数値で、識別できる 最小の視角(分単位)の逆数で示す。 :視力1.0で識別できる1分の角は、 5mの距離から見た 1.5mmの長さに相当する。 P.442-.

視覚

• 色覚 :波長が400nm(ナノメートル)の紫から、 800nmの赤までの可視光線を感知できる。 :波長や組み合わせに対応する色調、 色の明るさにあたる明度、 色に白や黒が混ざって 白っぽくないし黒っぽくなった度合いを示す 飽和度(彩度)が区別できる色覚の3要素。 ・色覚異常 :色覚異常の多くは 先天性の錐体異常により色の識別が出来ない。 :色覚異常の程度により、1色覚(色覚の欠如)、2色覚(1つの色覚が欠損)、 異常3色覚(1つの色覚が鈍い)に区別される。 :錐体には赤・青・緑の3種類の感光物質のどれかが含まれているが、 赤または緑の感光物質が欠損して、赤か緑の色覚異常をおこすことが多い。 :このような赤緑色覚異常は伴性劣性遺伝を示し、多くは男性にのみあらわれる。 P.442-.

視覚

• 遠近調節 :遠近調節は、毛様体筋の収縮と水晶体の弾力により行われる。 :副交感神経の刺激で毛様体筋が収縮すると毛様体が内方に突出し、 水晶体自体の弾性によって前後の厚さを増し、視点が近方に移動する。 :中年以後は、水晶体が硬くなって弾力性を失い、 調節力が小さくなる事を老眼といい、中年以後に発生する。 ・屈折異常 :遠近調節を休止した状態で無限遠の像が網膜に結ぶ状態は正常であるが、 それ以外の状態をすべて屈折異常という。 P.442-.

(6)

視覚

• 遠近調節 ・屈折異常 ・近視:屈折力に比べて眼軸が長く、 遠方の物体の像が網膜の前方に生じてしまい、凹レンズにより矯正。 ・遠視:遠方の物体の像が網膜の背後で結び、凸レンズにより矯正。 ・乱視: (正乱視) :水平方向と垂直方向の焦点距離が違うためにおこる。 :円柱レンズによって矯正。 (不正乱視) :角膜表面に凹凸があるために生じる。 :コンタクトレンズによって矯正。 (通常、角膜を移植した際には乱視となるので、 コンタクトレンズで矯正する必要がある。) P.442-.

視覚

• 明暗順応 :明所から暗所に移ると、初めは物が見えないが、やがて見えてくる。 :この過程を暗順応といい、30分ほどかかる。 :暗所から明所に移ると、まぶしさに慣れる明順応は、1分ほどで完了する。 :明暗順応により、網膜の感度は、100万倍にも変化する。 :順応と明順応は、杆体の外節に含まれるロドプシンが、 分解されたり再合成されたりして行われる。 :ロドプシンはビタミンAからつくられる物質を含むため、 ビタミンAが欠乏すると、暗所での視力が低下する夜盲症となる。 ・外眼筋による眼球の運動 (像のぶれを防ぐ) :頭部がある方向に回転すると 反射的に眼球が逆方向に回転して、眼球の方向を一定に保つ。 :内耳の半規管からの平行覚が、大きな役割を果たす(前庭動眼反射)。 (視線を向ける) :興味のある対象に視線を移す時に衝動性動眼反射が、 身体の向きをかえる運動(定位反応)と協調しておこる。 :これにより求める像が、解像度のよい中心窩にすみやかに結ばれる。 (複視) :外眼筋の動きが障害されると、物が二重に見える。 P.442-.

視覚

• 眼球に関する反射 ・対光反射 :網膜に入る光の量により、 瞳孔の大きさが反射的に 調節される反射。 :光を斜めから瞳孔にあてると、 瞳孔が反射的に収縮する。 :暗所に移ると、瞳孔は散大する。 :瞳孔の散大・縮小による入射光量の変化は 最大でも20倍足らずで、 明・暗順応に比べてはるかに小さい。 :光を照射すると反射によって即座に縮瞳がおこる為、 強い光による網膜の障害を防ぐことができる。 :虹彩の瞳孔散大筋は交感神経により、 瞳孔括約筋は副交感神経(動眼神経、毛様体神経節経由)により収縮する。 P.442-.

視覚

• 眼球に関する反射 ・輻輳反射 :近いものを注視すると、 両眼の視軸が鼻側に寄る(内転)が、 このとき反射的に瞳孔が縮小する。 ・瞬目反射 (角膜反射) :角膜を保護する目的の反射。 :角膜や眼の周囲の皮膚にものが触れたり、 眼前に急に物体が近づいたりすると、 反射的に眼瞼が閉じる事を瞬目反射という。 :角膜の刺激による物を角膜反射といい、 中枢神経の障害を検査するのに用いる。 P.442-.

参照

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