神経難病に対する挑戦
~リハビリテーションの必殺技~
佐藤病院リハビリテーション科 理学療法士 藤本義道 H29/1/25
~死を待つ以外に方法はないのか~
頭部外傷 11/24転落
横浜市大病院→佐藤病院転院 1/13
(筋緊張のコントロールやパターン改善 を目的として,起居動作練習や坐位保持 練習を行なった. また,装具を作成して,積極的に立位・ 介助歩行練習を継続. 嚥下練習も 自宅での生活に密着した自主トレメ ニューの継続.どのような症状? リハサマリーでは寝たきり?
転院10日後
(筋緊張のコントロールやパターン改善 を目的として,起居動作練習や坐位保持 練習を行なった. また,装具を作成して,積極的に立位・ 介助歩行練習を継続. 嚥下練習も 自宅での生活に密着した自主トレメ ニューの継続.何もできない?
頭部外傷 転倒12/6
みなと赤十字病院→佐藤病院転院 1/20
(筋緊張のコントロールやパターン改善 を目的として,起居動作練習や坐位保持 練習を行なった. また,装具を作成して,積極的に立位・ 介助歩行練習を継続. 嚥下練習も 自宅での生活に密着した自主トレメ ニューの継続.どのような症状? 寝たきり?
転院 1日後
(筋緊張のコントロールやパターン改善 を目的として,起居動作練習や坐位保持 練習を行なった. また,装具を作成して,積極的に立位・ 介助歩行練習を継続.何もできない?
転院 3日後
(筋緊張のコントロールやパターン改善 を目的として,起居動作練習や坐位保持 練習を行なった. また,装具を作成して,積極的に立位・ 介助歩行練習を継続.何もできない?
どこに行っても良くならない患者様を
何とかするのが
佐藤病院リハ科の役割か?
それぞれの,時期と病状に合わせたリハビリ提供を
こんな場合あなたならどうしますか?
小脳梗塞後,何度も誤嚥性肺炎を繰り返している.
その後約半年間食事を摂取していない.
本人は食事への希望が強い.
セラピストの葛藤
このまま食事を開始しない ↓ 危険も少ないし,事故を起こし て責任を問われることもない リスクギリギリ,どの程度まで できるか挑戦する ↓ 事故の危険性があり,責任を 問われるかもしれないさて,あなたならどちらの行動を起こしますか?
症例 Aさん
44歳 男性 診断名 小脳梗塞・クモ膜下出血 四肢・体幹運動失調,嚥下障害,構音障害 要介護5 約2年間のリハビリ病院入院後在宅復帰する. 退院後も食事もできず,できることは皆無,ベッド上寝たきりの状態を 余儀なくされていた. 問題 夫婦関係の崩壊,嫁・姑問題の悪化,本人の心の閉じ込めから,子 供との関係もなし. 父親としての役割見失う,社会との孤立(社会的役割の喪失・生きて いる意味の喪失),絶望感 母親にあたり,高齢な母親の精神的・肉体的負担,心の負担 子育て・介護・嫁・姑問題,金銭問題から妻のストレス増大理学療法開始時所見と問題点
①食事 介助 5 ②椅子・ベッド間の移乗 軽介助 10 ③整容 介助 0 ④トイレ動作 介助 5 ⑤入浴 介助 0 ⑥平地歩行(車椅子駆動) 車椅子 5 ⑦階段昇降 全介助 0 ⑧更衣 介助 5 ⑨便禁制 介助 5 ⑩尿禁制 介助 5 平成19年11月13日 外来理学療法開始(1/W). 発症より3年経過. 小脳症状や以下の問題を合併. 動作や姿勢保持およびADLは,すべて困難もし くは全介助のレベル. 小脳出血 健側斜凝視 水平性眼振 めまい、嘔吐、 体幹失調、同側上下肢失調 12歳 女性 Br stage左上下肢体幹Ⅱ ①食事 全介助 0 ②椅子・ベッド間の移乗 全介助 0 ③整容 介助 0 ④トイレ動作 全介助 0 ⑤入浴 介助 0 ⑥平地歩行(車椅子駆動) 全介助 0 ⑦階段昇降 全介助 0 ⑧更衣 全介助 0 ⑨便禁制 全介助 0 ⑩尿禁制 全介助 0 Problems #1.四肢・体幹筋緊張低下 #2.四肢・体幹協調性低下 #3.呼吸・嚥下障害 #4.構音障害 #5.筋力低下 #6.ADL・活動性低下主なADL Barthel index 0点 起居動作 坐位・立位保持 困難 移動動作 車椅子 全介助 歩行動作 困難 身の回り動作 食事 全介助 (経鼻栄養) 排泄 全介助 (おむつ) 更衣 全介助 整容 全介助 入浴 全介助
良くすることも使命
良くならない人を何とかするのも使命
明らかな目標を目の前にして,
努力あるのみ
自身にあった努力の仕方を習得しなければならない
左後方へ転倒を繰り返しているのは難病疾患が原因?
どんな生活・介護を過ごせるか? サービスをどう導入するか?訪問リハ 多系統萎縮症 寝たきり
リハビリだけやって,帰りますか?変性疾患
確定診断が非常に難しい
神経難病
ALS神経難病
ALS神経難病
どのくらい良くなる?
神経難病
どのくらい良くなる?
若くして命のカウントダウンを
宣告されている人に,
どのように向き合いますか?
~リハビリテーションの必殺技~
ただ同情して,他人事と考えますか?
多系統萎縮症(OPCA/SDS)MSA-C
46歳男性.平成24年に自律神経症状により発症.転倒を繰り返す. 平成25年11月,慈恵医科大学病院により上記診断. 平成27年1月より車いす生活となる. 平成27年8月20日訪問リハビリ開始.http://www.treatneuro.com/archives/487
http://www.nanbyou.or.jp/entry/3659
http://cmedicalcenter.net/survey/%E5%A4 %9A%E7%B3%BB%E7%B5%B1%E8% 90%8E%E7%B8%AE%E7%97%87/ 脳組織内の コエンザイ ムQ10が低 下している ことがわか りました。 今後どのような生活をして, どんな経過をたどるのか?SCDのリハビリテーション
SCDに対するリハビリ改善率
必ず廃用要素と伸びしろがある
神経難病
99%良くなるんです!
本来の疾患 後からついてきたもの 全部含めて今のパフォーマンス 治療開始 ROM制限,筋力低下, 体力低下 etc… 治療開始 治療開始 経過を考えることが非常に大切! 絶対的体力は必須! どの時点で治療開始するかで,考え方は異なる神経難病
ALS病状と介護
本来の疾患 介護両者ともに考慮が必要(医療・介護の知識)
リハビリ経過 2年経過
わかっているつもりは怖い?
やはり病状は進行している
進行疾患とあきらめて,
維持的なリハビリをすることしか
できないのか?
(新薬)ロバチレリン
• タルチレリ
http://www.kissei.co.jp/abouts/rd_shinyaku/ 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)作 用塩野義製薬株式会社が創製した甲状腺刺
激ホルモン放出ホルモン(TRH)誘導体.
中枢神経系に分布するTRH受容体に結合
し、
アセチルコリン及びドパミンなどのモノ
アミンの神経伝達物質の遊離を促進して、
神経系を活性化させる作用
が期待される.
様々な薬剤知見
決定的な効果は得られていない
コエンザイムQ10
食事や栄養からの可能性を探る
多くの可能性を秘めている?
難病の最新治療
ストレスがきっかけ? 生活習慣病と関連が?
異常蛋白の発現抑制
異常蛋白の分解促進
異常蛋白の凝集阻害
異常蛋白のミスフォールディング抑制
神経栄養因子等による細胞保護,細胞死抑制
Ips細胞等を用いた再生医療
神経変性疾患
筋萎縮性側索硬化症(ALS) パーキンソン症候群 パーキンソン病 アルツハイマー病 進行性核上性麻痺(PSP) ハンチントン病 多系統萎縮症(MSA) 黒質線状体変性症(SND) シャイ・ドレーガー症候群(Shy-Drager症候群) オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA) 脊髄小脳変性症(SCD) プリオン病 多発性硬化症etc…
⇒評価表 http://www.sigmaaldrich.com/japan/lifescie nce/cell-biology/rbi/neurodegenerative.html神経変性疾患
⇒評価表神経変性疾患とは簡単にいうと、壊れたタンパク質が神
経細胞の中にたまってしまう病気である.
蓄積した
変性タンパク質
は、徐々に細胞の機能を障害
して、最終的に
細胞死
を誘導する.
代表的なものとしては、アルツハイマー病、パーキンソ
ン病、ポリグルタミン病といったものがある.
また、脊髄小脳変性症は、ふらつきなどの小脳失調症
状が現れるが、異常に伸長したポリグルタミン変性蛋白
質が小脳・脳幹・脊髄にたまることが原因であると考え
られている.
http://www.ls.toyaku.ac.jp/biomed_keyword#kwd19主な細胞死と特徴
⇒評価表 http://sawagikyou.holy.jp/nature/kiken/yobo u/Apotosis/apotosis.html脳内BNDF(脳由来神経栄養因子)
⇒評価表 http://seseragi-mentalclinic.com/bdnf/ http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/genome300/ BDNF.html ①感染症 ②自己免疫機序 ⑥興奮毒性細胞死と フリーラジカル産生 ③神経毒の摂取, 産生 ④神経栄養因子の欠乏 ⑤プログラムされた細胞死 の活性化(アポトーシス) ⑥ミトコンドリア機能 不全を含む フリーラジカル産生 ①感染症 ②自己免疫機序 ③神経毒性の摂取,産生 ④神経栄養因子の欠乏 ⑤プログラムされた細胞死 の活性化(アポトーシス) ⑥興奮毒性細胞死とフリー ラジカル産生 ⑥ミトコンドリア機能不全を 含むフリーラジカル産生神経細胞死
の原因
①感染?
⇒評価表横断性脊椎炎
Transverse Myelitis
http://www.christopherreeve.org/site/c.niKTL3PMLtF/b.4637203/k.5F44/271782602924615330343962028814__Transverse_Myelitis.htm 横断性脊髄炎(TM)は,脊髄の一部分が横方向にわたって炎症を起 こすことによって発生する神経障害である. 「脊髄炎」は、脊髄の炎症を意味し、「横断」とは、単に炎症の発生す る部位が脊髄の横断面であることを示す. 横断性脊髄炎の正確な原因はまだ判明していないが,脊髄を損傷さ せる炎症は,ウィルス感染症,特異免疫反応,または脊髄にある血管 への血液流不足によって起こることがある.②自己免疫疾患?
⇒評価表③神経中毒?
⇒評価表④神経栄養因子の欠乏?
⇒評価表脳由来神経栄養因子
(BDNF; Brain-derived neurotrophic factor)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B3%E7%94%B1%E6%9D%A5%E7%A5%9E%E7 %B5%8C%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9B%A0%E5%AD%90 http://www.tmig.or.jp/J_TMIG/genome300/BDNF.html http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/subs-neurotrophin.html#bdnf https://pdbj.org/mom/68 http://www.cris.hokudai.ac.jp/cris/research/ob/ob_innovative/matuoka.html