平成26年度
特許出願技術動向調査報告書(概要)
トレーニングマシン
平成27年3月
特
許
庁
問い合わせ先
特許庁総務部企画調査課 知財動向班
電話:03-3581-1101(内線2155)
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第1章 調査概要 第1節 技術概要 1. 対象となる技術の範囲 本テーマの対象となるトレーニングマシンは、筋肉や関節を発達強化する装置、心肺 能力、動作の敏捷性または姿勢維持能力向上および身体の特定部分の筋肉や関節を鍛錬 する装置といった運動能力を向上させるための装置並びに鍛錬のための指示を与える装 置および鍛練のデータ管理といった鍛錬に関する情報機器である。 情報技術を活用した機器としては、例えば、ランニングの際に腕に装着して走行距離 や走行速度などの運動情報や心拍数などの生体情報を記録、表示するウェアラブルデバ イス、ゲーム機と組み合わせて運動とともにゲームが進行するような運動の動機付けの 機能を持った装置も含まれる。具体的には以下の5つである。 (1) 筋肉や関節を発達強化するための鍛錬装置 代表的な装置としては、最も広く知られているウェイトスタック型のレジスタンス マシン、チューブ、ダンベル、フリーウェイトなどが挙げられる。負荷に着目した装 置である。 (2) 心肺能力、動作の敏捷性又は姿勢維持能力の強化のための鍛錬装置 代表的な装置としては、トレッドミルやエアロバイク、バランスボール、乗馬式運 動装置、ラダートレーニング(ミニハードル)などが挙げられる。 (3) 身体の特定部分に適合する鍛錬装置 代表的な装置としては、腹筋運動補助具やプッシュアップバーのような小型のもの が多く家庭用など幅広いエクササイズに応用できる点が特徴的である。 (4) 鍛錬に関する指示を与えるための装置 代表的な装置は、ウェアラブルデバイスである。運動者が体重などを入力したり、 機器が運動情報を検知し、集めた情報を処理して成果の可視化、個人に合わせた運動 支援をしたり、トレーニングマシンに組み込まれ運動メニュー・機器や運動者の情報 などを表示する鍛錬に関する視覚的指示を与えるための装置としてディスプレイ等が あり、聴覚的指示を与える装置としてはスピーカー、ヘッドホン等がある。 (5) データ管理装置等と連携した鍛錬装置 上記の鍛錬装置(1)~(3)に視聴覚インターフェイスなどのデータ管理装置と 情報の授受を行うインターフェイスが備えつけられている機器である。(4)と同様に、 運動者の情報を取り込み、成果の可視化、個人に合わせた運動支援を実現する。 能動的に運動を行って鍛錬する装置が対象であり、傷病者、障がい者、高齢者など が使用するリハビリ装置のなかで筋力の回復を能動的に行うための装置も含まれる。本
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安定状態での受動運動、生活活動、特定のスポーツスキル向上、単なるストレッチは 対象ではない。例えば下記のようなマシンは対象外となる。・EMS(Electrical Muscle Stimulation):受動運動のため対象外 ・図 1- 1 のような仰臥位での鍛錬装置:受動運動のため対象外 ・前屈専用のイス:単なるストレッチ運動のみのため対象外 ・生活における歩行補助装置:鍛錬要素がないため対象外 (ただし、能動的鍛練を伴う歩行補助装置は対象) ・運動情報を利用した医療機器:鍛練が目的ではないため対象外 図 1- 1 体幹機能調整器具(特開 2009-268866) (側面図) (平面図) 2. 本調査における技術俯瞰図 運動不足に起因する傷病は、高血圧、心疾患、糖尿病など数多くあり、超高齢社会の 到来が間近に迫っているわが国では、極めて深刻な問題である。 2020 年の東京オリンピック開催決定で運動に対する関心が高まる良い機会でもあり、 より使われるトレーニングマシンの開発が望まれる。 一方、フィットネスクラブの会員数は年々増加傾向にあるが、いかに運動を継続でき るようにするかが大きな課題といえる。 また、世界で最も高齢化が早く進む日本では、リハビリや介護予防、高齢者のロコモ ーティブシンドローム予防などが重要な課題であり、トレーニングマシンの技術の発展 が貢献できる余地も大きいと考えられる。わが国でリハビリ、介護予防、高齢者のため のトレーニングマシンが発達すれば、産業として世界の中で優位性が確保できると考え られる。従って、リハビリ、介護予防、高齢者のためのトレーニングマシンの技術開発 を促進することが課題と言える。 以上を鑑みて図 1- 2 に本調査で扱うトレーニングマシンの技術俯瞰図を示す。 軸
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図 1- 2 技術俯瞰図 3. 技術の変遷 1960 年代にノーチラスマシンが登場し、1970 年代にはノーチラスマシンが本格的に普 及し始めるとともに、アイソキネティックマシンが登場した。1980 年代には、負荷とし てウェイトだけでなく油圧、空気圧、電磁抵抗を用いるものが登場した。1990 年代には、 動作の軌道や使い勝手の改善がなされたウェイトスタックマシンが登場し、油圧、空気 圧、電磁抵抗を用いるものは高齢者向けが中心になった。近年ではウェイトスタックマ シン全盛となり、更にフリーウェイトも多くなってきている。 トレーニングマシンは、リハビリでも多く活用されている。1945 年頃に膝の剥離骨折 患者にレッグエクステンションエクササイズを適用し治癒したことが始まりとされる。 最近ではユーザーとマシンの情報からマシンを制御したり、トレーニング履歴・実績 情報の管理やネットワークを介して双方向通信によりトレーニングプログラムを提供し たりといった IT 機器を組み込んだトレーニングマシンが登場してきている。トレーニン グ中に身に着けて走行距離・速度のような運動情報や心拍数などの生体情報をリアルタ イムでユーザーに知らせるウェアラブルデバイスも商品化されている。更に体験型ゲー ム機のようにユーザーに動機付けを与えるものも実用化されている。トレーニングマシンの技術俯瞰図
応 用 産 業 装 置 ・ シ ス テ ム 技 術 医学 ・身体情報 ・運動情報 などの取得 人間工学 高負荷 健康増進 ヘルスケア 付加価値の 多様化創出 ・チューブ ・ダンベル ・フリーウェイトなど ①筋肉や関節の発達強化 ・トレッドミル ・エアロバイク ・ミニハードル ②心肺能力、敏捷性、 姿勢維持能力強化 ・レジスタンスマシン ・ハンドグリップ ③身体の特定部分に適合 鍛錬装置 機器構造 アスリート IT技術 ・信頼性、安全性、 耐久性の向上 ・小型化、操作の簡便さ、低価格化 ・身体への負担軽減 ・社会的受容性の向上 ・inputの多様化(医療・食事等) ・outputの多様化(ベネフィット拡充) 課 題 ロボット工学 生理学 フリーウェイト 運動学 スポーツ理論 情報工学 従来型トレーニング 次世代トレーニング(情報の利用、多機能化) ・インターフェイス搭載型 ・センサー搭載型 ・運動補助ロボット ⑤データ管理装置と連携した 鍛錬装置 鍛錬の管理・支援 ※①~⑤は仕様書対応部分 肉体強化 応用産業の多様化 健常者 高齢者 傷病者 多機能化 ・ウェアラブル機器 ・携帯端末 ④鍛錬指示装置 ②3D高速振動マシン 乗馬式運動装置 負荷方式 ・IT技術・ロボット工 学との融合 ・医療・生理学に基 づく開発 ・新トレーニング理論 に基づく開発 新スポーツ理論 情報の利用 (1)個人に合わせた 運動支援 (2)成果の可視化 多機能化 (1)柔軟性向上 (2)痛みの緩和 (3)バランス改善 (4)回復能力向上 生体力学 input input ①ファンクショナルトレーナー 体幹トレーニング機器 ③初動負荷鍛錬装置 ストレッチマシン 無・低負荷本
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第2章 市場環境調査 第1節 トレーニングマシンの市場動向 トレーニングマシンの市場規模は世界で 67 億ドル(1 ドル 120 円換算で 8,040 億円) である。PHYSICAL FITNESS EQUIPMENT (Global Industry Analysts, Inc. 2014 年)によ ると、国別では米国が最大で 49%、次いで欧州が 33%である。日本は 2.3 億ドルで 4%で あった。世界の市場の推移を見ると図 2- 1 のようになっている。全体として、市場は拡 大傾向にある。図 2- 1 トレーニングマシン市場の推移(世界)
(出所:Global Industry Analysts, Inc. PHYSICAL FITNESS EQUIPMENT 2014 年 9 月発行に加筆) 図 2- 2 に世界のトレーニングマシンの顧客別内訳(2007 年)を示す。市場規模は世 界で 6,000 億円(2007 年)となっている。家庭用が最大で 72%であり、そのうちの汎用 品が 58%、ハイエンド商品は 14%を占める。事業者用は二つに分かれており、フィットネ スクラブや軍隊等の比較的強度の高い運動をするセクターでは 22%で、ホテルや学校な どのセクターでは 6%であった。 図 2- 2 世界のトレーニングマシンの顧客別内訳(2007 年) (出所:http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/60876/000119312508084563/dex991.htmに加筆) ※1 事業者用①:フィットネスクラブ、軍隊、非営利セクタークラブなど ※2 事業者用②:ホテル、学校、会社専用ジム、スパなど 2012 年の製品別売上内訳を図 2- 3 に示す。トレッドミルが 39%、エリプティカルが 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 2006年度 (実績) 2007年度 (実績) 2008年度 (実績) 2009年度 (実績) 2010年度 (実績) 2011年度 (実績) 2012年度 (実績) 2013年度 (予測) 2014年度 (予測) 2015年度 (予測) 2016年度 (予測) 2017年度 (予測) 2018年度 (予測) 2019年度 (予測) 2020年度 (予測) US m ill io n $ 事業者用① ※1 22% 事業者用② ※2 6% 家庭用(ハイ エンド) 14% 家庭用(汎用 品) 58% トレーニングマシンの顧客別内訳 トレーニングマシン 市場規模 6,000億円
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21%、エクササイズバイクが 16%となっており、有酸素運動を目的としたトレーニング マシンが 81%を占めた。 図 2- 3 フィットネス機器の製品別売上内訳(2012 年)(出所:Global Industry Analysts, Inc. PHYSICAL FITNESS EQUIPMENT 2014 年 9 月発行に加筆) 第2節 トレーニングマシンメーカー動向 世界市場におけるメーカーのシェアと売上高(2007 年)を図 2- 4 に示す。アイコン 社は 16.6%(約 1,000 億円)でトップであり、次いでライフフィットネス社(約 600 億 円)とノーチラス社(約 600 億円)が 10.0%で続いている。 図 2- 4 世界の主要企業売上額の市場別内訳(2007 年) (出所:http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/60876/000119312508084563/dex991.htmに加筆) トレッドミル 2,632 39% エリプティカル 1,447 21% エクササイズバ イク 1,060 16% ステップマシン/ ステアクライマ 321 5% ホームジム 859 13% フリーウェイト 392 6% 市場規模(2012年) 6710 million $(US) 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 売 上 額 ( 億 円 ) 企業名
企業別の売上額
北米事業者向け 北米以外の事業者向け 一般消費者向け 千億円 二千億円本
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第3節 応用産業の動向 トレーニングマシンの主要な販売先の 1 つはフィットネスクラブである。国内のフィ ットネスクラブの売上高の推移を図 2- 5 に示す。 日本のフィットネスクラブの市場規模は、4,000 億円強で推移していることがわかる。 図 2- 5 国内のフィットネスクラブの売上高推移 (出所:株式会社クラブビジネスジャパン、「日本のクラブ業界のトレ ンド 2010 年版」、「日本のクラブ業界のトレンド 2011 年版」、「日本の クラブ業界のトレンド 2012 年版」を基に、NSRI 作成) 厚生労働省の健康日本21では、健康寿命の延伸を重要課題として位置づけ、その方 法の一つとして介護予防が上げられている。また、平均寿命と健康寿命のギャップを埋 めることにより、介護費用の増加も抑制が期待できるとも述べられており、介護予防の 取り組みとして筋力アップを目的としたトレーニングも挙げられている。このことから、 トレーニングマシンの新たな応用産業の一つとして介護事業が考えられる。厚生労働省 の「公的介護保険制度の現状と今後の役割(H25)」によると国内の介護保険の総費用は 年々増大しており、2000 年度に始まった介護保険制度の給付額(総費用額)は、当初の 3.6 兆円から 2013 年度には 9.4 兆円に達している。 経済産業省の次世代ヘルスケア協議会では、生活習慣病の運動療法として、減量運動 プログラムを挙げており、また生活習慣病にかかる医療費削減のため、フィットネスク ラブ等の利用を挙げている。このことから、トレーニングマシンの新たな応用産業とし て医療分野での活用が考えられる。厚生労働省の「国民医療費」統計表によると日本の 生活習慣病に対する医療費の総費用は、5.5 兆円で高止まりしている。 4,272 4,220 4,157 4,087 4,142 4,095 4,124 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000 2006年度 2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 国 内 売 上 高( 億 円)- 7 -
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第3章 特許動向調査 第1節 調査方法 トレーニングマシンに関する特許出願について、全体動向調査(出願及び登録)、技術 区分別動向調査、出願人別動向調査、注目特許とその変遷の調査を行った。 本章では特許情報検索、全体動向調査、出願人別動向調査及び技術区分別動向調査の 方法を概説する。 1. 特許情報検索特許情報データベースは、英国 RWS Group 社と minesoft 社が提供する PatBase を用 いた。検索式は資料編に掲載する。対象期間は優先権主張年ベースで 1996~2012 年とし た。なお、PatBase では公報単位での最先の優先権主張年についてのデータを取得する ことが出来ないため母集団を決定するためにデータ処理を行った。詳細は資料編に掲載 する。 公報発行国(地域)(出願先)は日米欧中韓豪台カナダに限定した。欧州の範囲は後述 の第2節に記載した。該当ファミリー件数は 29,997 件。国内外の内訳は、日本への特許 出願があるファミリーが 6,510 件、日本への特許出願が無いファミリーが 23,467 件であ る。 検索を実施したのは 2014 年 11 月 6 日で、調査対象期間である 2012 年の末から 18 カ 月が経過して間もない。特許が公開されてから PatBase にデータが収録されるまでには、 発行国からデータベース会社にデータ提供されるまでの期間と、データベース会社の作 業期間を要する。また PCT 出願の各国移行のずれ等で全データを反映していない可能性 が高い。従って、本調査報告書における 2011 年、2012 年出願のデータは、真の数値よ り少ないであろうことに留意されたい。 PatBase では当該公報が分割出願か否かという情報は得られなかった。また、分割出 願の取り扱いは各国公報によって異なり、一意的ではない。なお、日本へ出願された特 許について調査しところ、親と子の出願番号は異なり、また、出願日は現実の出願日と されていた。集計の際は別々にカウントしている。 2. 全体動向調査、出願人別動向調査 特許データの解析にあたっては、まずトレーニングマシンに関係のない特許を除外す る、いわゆるノイズ落としを行った。調査対象の 29,997 件中、ノイズは 12,621 件でノ イズ率は 42.0%であった。(ノイズとして多かったのは、マッサージ器、スポーツスキル 向上装置、受動運動装置、治療器具である。) 残ったパテントファミリー17,376 件が全体動向調査の対象で、その中に含まれる出願 件数は、合計 30,239 件である。出願人国(地域)籍は筆頭出願人の国(地域)籍を公報 から目視で確認して取得した。出願人属性(共同出願人含む)は公報を目視して出願人 名称から判断した。出願人別出願件数ランキングと共同出願分析は、全出願人を分析対 象とした。出願人名称については表記ゆれの修正と、グループ企業の親会社への帰属の ため名寄せを行った。なお、グループ企業と親会社の国籍が異なる場合は、親会社の国 籍に統一した。また、米国においては出願人と発明者が同一のため個人名であることが
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明らかな場合でも出願人住所等から企業に所属していることが明らかになった場合は、 企業に名寄せした。主要な名寄せの結果は資料編に記載した。 出願人国(地域)籍を「欧州国籍」とする国は、以下に示す EPC 加盟 38 カ国である。 また出願先として「欧州」とするのは、EPC 加盟国のうち PatBase に収録されている 35 カ国と欧州特許庁(EPO)である。 【EPC 加盟 38 カ国(2014 年 12 月現在)】 オーストリア、ベルギー、ブルガリア、スイス、キプロス、チェコ、ドイツ、デンマ ーク、エストニア、スペイン、フィンランド、フランス、英国、ギリシャ、クロアチア、 ハンガリー、アイルランド、アイスランド、イタリア、リトアニア、ルクセンブルク、 ラトビア、リヒテンシュタイン、モナコ、マルタ、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、 ポルトガル、ルーマニア、セルビア、スウェーデン、スロベニア、スロバキア、サンマ リノ、マケドニア旧ユーゴスラビア、トルコ、アルバニア 【欧州とみなす発行国(PatBase に収録されている EPC 加盟国 35 カ国と欧州特許庁)】 オーストリア、ベルギー、ブルガリア、スイス、キプロス、チェコ、ドイツ、デンマ ーク、エストニア、スペイン、フィンランド、フランス、英国、ギリシャ、クロアチア、 ハンガリー、アイルランド、アイスランド、イタリア、リトアニア、ルクセンブルグ、 ラトビア、モナコ、マルタ、オランダ、ノルウェイ、ポーランド、ポルトガル、ルーマ ニア、セルビア、スウェーデン、スロベニア、スロバキア、サンマリノ、トルコ及び欧 州特許庁 第2節 全体動向調査 1. 日米欧中韓豪台カナダへの特許出願 (1)日米欧中韓豪台カナダへの特許出願動向 調査対象期間(優先権主張年 1996 年~2012 年)における、トレーニングマシンに 関する日米欧中韓豪台カナダへの特許出願件数推移及び比率を図 3- 1 に示す。日米欧 中韓豪台カナダへの出願件数合計は 26,401 件であった。出願先では米国が 37.1%と最 多で、大きくはなれて欧州が 20.0%、次いで日本が 12.7%、韓国が 9.9%、中国が 9.7%、 豪州が 3.7%、カナダが 3.6%、台湾が 3.4%である。合計の件数の推移は 2004 年までは 上昇傾向で、2004 年以降は横ばい傾向である。個別の出願先国(地域)別の推移では 日本は減少傾向で、中国、韓国への出願は上昇傾向である。 出願人国(地域)籍別出願件数推移及び比率を図 3- 2 に示す。米国籍が 33.1%と最 多で、大きく離れて欧州が 19.9%次いで日本が 14.4%、台湾国籍が 11.3%、韓国籍が 10.1%、 中国籍が 6.2%である。カナダ国籍、豪州国籍はそれぞれ 2.2%、1.1%であった。 台湾国籍は 9.9%で出願先国(地域)別の比率 3.4%を 6.5 ポイント上回っている。個 別の出願人国(地域)籍別推移を見てみると、出願先国(地域)別と同様に、韓国籍、 中国籍からの出願件数が伸びており、日本国籍からの出願件数は減少傾向である。- 9 -
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図 3- 1 出願先国(地域)別特許出願件数推移及び比率(日米欧中韓豪台カナダへの出願) 図 3- 2 出願人国(地域)籍別特許出願件数推移及び比率(日米欧中韓豪台カナダへの出願)本
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(2) 出願先国(地域)別出願人国(地域)籍別出願件数収支 日本、米国、欧州、中国、韓国、豪州、台湾、カナダへの出願における、出願先国 (地域)別出願人国(地域)籍別の特許出願件数収支を図 3- 3 に示す。矢印の太さは 件数に比例している。日本はどの国に対しても収支はプラスである。米国の出願収支 は、欧州、中国、豪州、カナダに対してはプラスであるが、日本、韓国、台湾に対し てはマイナスである。特に台湾から米国への出願は 1,596 件で、米国から台湾への出 願は 143 件のため大幅なマイナスである。中国、カナダ、豪州はこの三カ国間の間で の収支を除くと、全て収支はマイナスである。 図 3- 3 出願先国(地域)別出願人国(地域)籍別特許出願件数収支(日米欧中韓豪台カナダへ の出願) 日本国籍 2,760件 82.3% 米国籍 228件 6.8% 欧州国籍 180件 5.4% 中国籍 12件 0.4% 韓国籍 73件 2.2% 台湾国籍 46件 1.4% 豪州国籍 8件 0.2% カナダ国籍 10件 0.3% その他 35件 1.0% 日本への出願 3,352件 日本国籍 316件 3.2% 米国籍 6,348件 64.9% 欧州国籍 785件 8.0% 中国籍 72件 0.7% 韓国籍 139件 1.4% 台湾国籍 1,596件 16.3% 豪州国籍 69件 0.7% カナダ国籍 259件 2.6% その他 202件 2.1% 米国への出願8,885件 日本国籍 210件 4.0% 米国籍 771件 14.6% 欧州国籍 3,629件 68.8% 中国籍 38件 0.7% 韓国籍 55件 1.0% 台湾国籍 380件 7.2% 豪州国籍 35件 0.7% カナダ国籍 54件 1.0% その他 104件 2.0% 欧州への出願 5,274件 日本国籍 178件 6.9% 米国籍 354件 13.8% 欧州国籍 169件 6.6% 中国籍 1,484件 57.7% 韓国籍 70件 2.7% 台湾国籍 274件 10.7% 豪州国籍 10件 0.4% カナダ国籍 6件 0.2% その他 25件 1.0% 中国への出願 2,569件 日本国籍 139件 5.3% 米国籍 83件 3.2% 欧州国籍 54件 2.1% 中国籍 7件 0.3% 韓国籍 2,290件 87.9% 台湾国籍 14件 0.5% 豪州国籍 3件 0.1% カナダ国籍 1件 0.0% その他 15件 0.6% 韓国への出願 2,606件 日本国籍 53件 5.4% 米国籍 383件 39.4% 欧州国籍 247件 25.4% 中国籍 9件 0.9% 韓国籍 28件 2.9% 台湾国籍 33件 3.4% 豪州国籍 147件 15.1% カナダ国籍 22件 2.3% その他 51件 5.2% 豪州への出願 973件 日本国籍 110件 12.4% 米国籍 143件 16.1% 欧州国籍 32件 3.6% 中国籍 2件 0.2% 韓国籍 4件 0.4% 台湾国籍 589件 66.2% 豪州国籍 2件 0.2% カナダ国籍 3件 0.3% その他 5件 0.6% 台湾への出願 890件 日本国籍 32件 3.4% 米国籍 418件 44.1% 欧州国籍 157件 16.6% 中国籍 8件 0.8% 韓国籍 5件 0.5% 台湾国籍 46件 4.9% 豪州国籍 16件 1.7% カナダ国籍 238件 25.1% その他 28件 3.0% カナダへの出願 948件 316件 210件 178件 139件 53件 110件 32件 228件 771件 354件 83件 383件 143件 418件 180件 785件 169件 54件 247件 157件 32件 12件 72件 38件 7件 9件 2件 8件 73件 139件 55件 77件 28件 4件 5件 8件 69件 35件 10件 3件 16件 46件 1,596件 380件 274件 14件 33件 46件 10件 259件 54件 6件 1件 22件 3件 2件- 11 -
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第3節 技術区分別動向調査 1.運動者別-出願人国(地域)籍別出願件数 日米欧中韓豪台カナダへの出願における運動者別に見た出願人国(地域)籍別の出願 件数比率と件数推移を図 3- 4~図 3- 10 に、出願人国(地域)籍別の運動者別特許出願 件数比較を図 3- 11 にバブル図で示す。件数の推移を見てみると、健常者以外の推移で は不規則な変動が目立つ。 出願人国(地域)籍別の比率を見てみると、アスリートについては米国国籍が 44.1% で全体(図 3- 2)と比較してその比率を高めている。一方、日本国籍は傷病者、障がい 者、高齢者、要支援・要介護者、ジュニアで出願件数比率を高めており、特に高齢者で は 48.6%と半分近くを占めている。 高齢者の出願人国(地域)別出願件数推移を見ると、2004~2007 年の間にそれまでの 2 倍に達する 200 件前後で推移している。この時期に日本国籍の出願人から集中的な出 願がある。出願人国(地域)別の出願件数比率では、日本国籍が最大で 48.6%、大きく 離れて米国籍が 16.2%、韓国籍が 11.0%、欧州国籍が 9.8%である。出願件数比率で韓国 籍が欧州国籍を上回っている。 ジュニアの出願人国(地域)別出願件数推移を見ると、25~81 件の間で推移している が、2007 年は日本国籍からの出願件数を大きく伸び 81 件である。韓国籍からの出願は 2006 年以降から目立つようになり、10 件程度で推移している。出願人国(地域)別の出 願件数比率では、日本国籍が最大で 29.9%次いで米国籍が 21.2%、欧州国籍が 15.8%、韓 国籍が 13.8%である。韓国籍の出願件数比率が欧州国籍に迫っている。 図 3- 4 アスリートの出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへの出願)本
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図 3- 5 健常者の出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへの出願) 図 3- 6 傷病者の出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへの出願)- 13 -
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図 3- 7 障がい者の出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへの出願) 図 3- 8 高齢者の出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへの出願)本
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図 3- 9 要支援・要介護者の出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへ の出願) 図 3- 10 ジュニアの出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへの出願)- 15 -
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図 3- 11 運動者別-出願人国(地域)籍別出願件数 2. 鍛練目的別-出願人国(地域)籍別出願件数 出願人国(地域)籍別の鍛練目的別出願件数を図 3- 12 にバブル図で示す。 姿勢維持能力向上、歩行訓練、美容・アンチエイジング、筋萎縮防止、ストレス解消、 認知症予防、メタボ解消で日本国籍出願人の出願件数が最も多い。本
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図 3- 12 鍛練目的別-出願人国(地域)籍別出願件数 3. 機能性の向上別-出願人国(地域)籍別出願件数 出願人国(地域)籍別の運動者別出願件数を図 3- 13 にバブル図で示す。- 17 -
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図 3- 13 機能性の向上別-出願人国(地域)籍別出願件数 4. 情報機器別-出願人国(地域)籍別出願件数 日米欧中韓豪台カナダへの出願における情報機器の出願人国(地域)籍別の出願件数 比率と件数推移を図 3- 14 に、出願人国(地域)籍別の情報機器別出願件数を図 3- 15 にバブル図で示す。 出願件数の推移は上昇傾向である。国籍別で見てみると、韓国籍と台湾国籍は増加傾 向である。 次に、比率についてみる。日本国籍は米国籍と並んで最大の 26.2%で、次いで欧州国 籍 23.9%であった。本
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図 3- 14 情報機器の出願人国(地域)籍別出願件数比率と推移(日米欧中豪台カナダへの出願) 図 3- 15 情報機器別-出願人国(地域)籍別出願件数- 19 -
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第4節 出願人別動向調査 1. 出願人別出願件数上位ランキング(全体) 1996~2012 年に日米欧中韓豪台カナダに出願された 26,401 件を母集団とする出願人 別の出願件数上位ランキングを表 3- 1 に示す。首位はパナソニックの 620 件、2 位はナ イキで 313 件、以下 ICON IP INC が 292 件、ノーチラスが 289 件、テクノジムが 261 件 と続く。上位 10 社のうち、6 社が欧米国籍のトレーニングマシンメーカーである。台湾 国籍の企業が 6 位、7 位に登場している。 なお、共同出願の場合は、全ての出願人を 1 件としてカウントしている。この後のラ ンキングについても同様である。 表 3- 1 出願人別出願件数上位ランキング(日米欧中韓豪台加への出願) 2. 技術区分別出願人ランキング (1) 情報機器の出願人ランキング 情報機器の出願人ランキングを表 3- 2 に示す。ナイキが首位で 253 件、2 位がパナ ソニックで 114 件である。全体と比べると、首位と 2 位が逆転している。出願人の数 は日本国籍が 4 人、米国籍が 2 人、欧州国籍が 4 人である。 表 3- 2 情報機器の出願人別出願件数上位ランキング(日米欧中韓豪台加への 出願) 順 位 出願人名称 出願 件数 1 パナソニック 620 2 ナイキ(米国) 313 3 ICON IP INC(米国) 292 4 ノーチラス(米国) 289 5 テクノジム(イタリア) 261 6 ジョンソンヘルステック(台湾) 185 7王国梁(WANG LEAO、WANGGUOLIANG)(台湾) 184 8 BRUNSWICK CORP(米国) 168 9 プリコー(米国) 159 10Stearns Technologies Inc.(米国) 140 日米欧中韓豪台カナダへの出願 順 位 出願人名称 出願 件数 1 ナイキ(米国) 253 2 パナソニック 114 3 Polar Electro OY(フィンランド) 95 4 アディダス(ドイツ) 84 5 セイコーエプソン 65 6 Royal Philips(オランダ) 64 7 オムロンヘルスケア 62 8 テクノジム(イタリア) 58 9 ICON IP INC(米国) 48 10 カシオ計算機 46 日米欧中韓豪台カナダへの出願
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(2) 技術区分別出願件数 ① 動機付け+情報機器別の出願件数 スポーツ関連企業についてみると、トレーニングマシンメーカーである ICON IP INC、テクノジム、プリコーは、運動への動機付けの出願が活発である。コナミ株式 会社も同様である。特にテクノジムは情報機器の出願も活発で、さらに情報機器の 種類についてもバランスがよいことが特徴的である。ナイキはウェアラブル、アデ ィダスは携帯端末、サトウスポーツプラザはインターフェイス、コナミ株式会社は PC の出願件数が多い。 図 3- 16 動機付け+情報機器(スポーツ関連企業) 電機メーカーについてみてみると、セイコーエプソン以外の企業では運動への動 機付けの出願が多い。セイコーエプソン、Royal Philips、カシオ計算機はウェアラ ブル、パナソニック株式会社はインターフェイス、ソニーはウェアラブルとインタ ーフェイス、日立製作所は PC とインターフェイスの出願が多い。 0 50 100 150 運動への動機 付け 携帯端末 PC ウェアラブル インターフェイ ス ナイキ 0 20 40 60 80 運動への動機 付け 携帯端末(情 報機器) PC ウェアラブル (情報機器) インターフェイ ス アディダス 0 20 40 60 80 100 運動への動機 付け 携帯端末(情 報機器) PC ウェアラブル (情報機器) インターフェイ ス ICON IP INC 0 5 10 15 運動への動機 付け 携帯端末 PC ウェアラブル インターフェイ ス テクノジム 0 5 10 15 20 運動への動機 付け 携帯端末 PC ウェアラブル インターフェイ ス サトウスポーツプラザ 0 5 10 15 20 25 運動への動機 付け 携帯端末(情 報機器) PC ウェアラブル (情報機器) インターフェイ ス コナミ 0 5 10 15 20 運動への動機 付け 携帯端末(情 報機器) PC ウェアラブル (情報機器) インターフェイ ス プリコー- 21 -
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図 3- 17 動機付け+情報機器(電機メーカー) 第5節 注目特許とその変遷 1. 注目特許選定の仕方 出願人が引用する特許よりも審査の際に引用される特許のほうが客観的と考えられる ので審査官の被引用回数を第一の指標とした。被引用回数の上位 50 位までを検討対象と した。次に、ファミリーの出願国数を第二の指標とした。更に事業者・商品としての影 響度の大きさを考慮した。例えば、ナイキのウェアラブルデバイス(US20100767288)、 任 天 堂 の 体 験 型 ゲ ー ム 機 に 影 響 を 与 え た と 考 え ら れ る ジ ュ ニ ア を 対 象 に し た 特 許 (US19980161990)も注目特許として取り上げた。 技術区分としては、今後の事業展開の増加、出願数の増加が考えられる「ウェアラブ ル」、「情報機器」、「動機付け」、「認知症」、「乗馬運動装置」から選定した。 2. 注目特許の整理 (1) 情報機器 ユーザーに動作状況や身体生理状態等様々な情報を提供して効果的な鍛練をさせる ことが情報機器を組み込んだトレーニングマシンの特徴である。中でも潜在的需要が 大きいと考えられる体重管理・ダイエットに関する技術に注目した。 HEALTHETECH 社の US20020296656 の安静時代謝量と運動時代謝量を測定し、食事で 摂取したカロリー量と対比させてポイント制でユーザーにフィードバックするという 思想のうち代謝量計算をする思想がタニタ社の JP2006-252501「消費カロリー測定装 置」にも共通の考え方であるといえる。JAMES R MAULT (HEALTHETECH 社)の US20020078044 の"SYSTEM AND METHOD OF PERSONAL FITNESS TRAINING USING INTERACTIVE TELEVISION"の双方向テレビでユーザーにトレ ーニングプログラムを提供し、ユーザーが家庭の双方向テレビに体重・体脂肪・ダイ 0 20 40 60 80 運動への動機 付け 携帯端末(情 報機器) PC ウェアラブル (情報機器) インターフェイ ス パナソニック 0 10 20 30 40 運動への動機 付け 携帯端末 PC ウェアラブル インターフェイ ス セイコーエプソン 0 5 10 15 20 25 運動への動機 付け 携帯端末 PC ウェアラブル インターフェイ ス Royal Philips 0 5 10 15 20 運動への動機 付け 携帯端末(情 報機器) PC ウェアラブル (情報機器) インターフェイ ス カシオ計算機 0 2 4 6 8 10 12 運動への動機 付け 携帯端末(情 報機器) PC ウェアラブル (情報機器) インターフェイ ス 日立製作所 0 5 10 15 20 25 30 運動への動機 付け 携帯端末 PC ウェアラブル インターフェイ ス ソニー
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エット目標を入力し、フィットネスセンターに送信するという思想のうち、ユーザー に体重管理用プログラムを提供する思想が、PHILIPS 社の WO2009IB53609"METHOD FOR WEIGHT MANAGEMENT"にも共通の考え方であるといえる。 (2) ウェアラブルデバイス 情報機器のひとつであるウェアラブルデバイスは、やはりユーザーに動作状況や身 体生理状態等様々な情報を提供して効果的な鍛練をさせることが特徴である。中でも 先駆者であるナイキの腕時計型のウェアラブルデバイスの特徴である身体活動センサ ー・活動量表示・GPS 機能・腕時計型が開示されている特許を中心に整理した。 ナイキ社のウェアラブルデバイスの代表的な特許は、US20100767288 の"ATHLETIC WATCH"と考えられる。 GPS 機能については、ウェアラブルデバイスとは言えないが、自転車に搭載するもの と し て US1990459736 “Sports computer with GPS receiver and performance
tracking capabilities”(出願人:FRY WILLIAM R)に開示されている。
腕時計型とセンサー付きの思想は、セイコーエプソン社の US19990284932「運動指 標測定装置」に開示されている。
ナイキ社の活動量表示機能付き・センサー付き携帯端末の思想は、Fitbit 社の US201213667229"PORTABLE MONITORING DEVICES AND METHODS OF OPERATING SAME"にも 共通の考え方であるといえる。 また、センサー付き携帯端末に運動の動機付けとして楽曲を提供するようにしたも のにナイキ社の US20070848988「アスレチックパフォーマンス感知および/または追 跡システムならびに方法」があり、注目される。 (3) 動機付け バーチャルリアリティで室内でも室外の感覚を起こさせるものおよび単独でフィッ トネスマシンを使用しながら遠隔地で同様にエクササイズしているユーザーと仮想競 技するもの、体験型ゲーム機に代表されるゲーム機と連携したものが代表的である。
バーチャルリアリティでは、REAL VISION 社の US19980077242「位置検出を用いたリ アルタイムシミュレーション」が早く出願されている。
バ ー チ ャ ル リ ア リ テ ィ の ひ と つ と い え る 仮 想 競 争 が MICROSOFT 社 の US20070934522"MOBILE EXERCISE ENHANCEMENT WITH VIRTUAL COMPETITION"で開示され ている。仮想競争の思想は、プリコー社の US20090572444"EXERCISE COMMUNITY SYSTEM" にも共通の考え方である。 体験型ゲーム機の特許と考えられるのが任天堂の US2009560632「情報処理システム、 プログラム、および情報処装置」である。歩数計の CPU がゲーム装置から受信した画 像データ、音声データに基づいて、揺動センサーによる検知結果に応じた所定の画像 出力、音声出力を LCD、ブザーから生じさせるものである。運動とゲームを組み合わ せたという意味では、同じ任天堂の US19980161990「ゲーム機能付き歩数計」がある。 振動検出器から振動が検出されると、歩数カウンタの計数値が進むとともに、歩数カ ウンタの計数値に基づいて表示器に表示されているキャラクタの表示状態が変化 する ものである。
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(4) リハビリ・高齢者用 安全が課題の中で大きな位置を占めており、ユーザーの状態を検知して報知するま たはさらに進んでトレーニングマシンの動作を制御するものが注目される。 日立製作所の US19970940010「歩行訓練装置並びに歩行訓練システム」は、トレッ ドミル上での歩行訓練を補助するため駆動機構を持ったサポートアームを有するもの であり、ユーザーの位置・アームに掛かる力などを検出して速度を変化させ、サポー トアームを駆動するものである。ユーザーの状態を検知する思想は、Siemens 社の US19990415844"Method and system for monitoring the posture of a user at a training apparatus"にも共通の考え方 であると言える。 ユーザーの状態により機器を制御する思想は、本田技研工業の JP2006-298178「移 動性能試験装置」にも共通の考え方であるといえる。 第4章 実用新案動向調査 第1節 調査方法 1.実用新案情報検索 トレーニングマシンに関する実用新案出願について、全体動向調査(出願及び登録)、 技術区分別動向調査、出願人別動向調査、注目実用新案とその変遷の調査を行った。 本章では実用新案情報検索、全体動向調査、出願人別動向調査、技術区分別動向調査 の方法及び実用新案制度を概説する。
実用新案情報データベースは、英国 RWS Group 社と minesoft 社が提供する PatBase を 用いた。検索式は資料編に掲載する。対象期間は優先権主張年ベースで 2008~2012 年と した。なお、PatBase では公報単位での最先の優先権主張年についてのデータを取得す ることが出来ないため母集団を決定するためにデータ処理を行った。詳細は資料編に掲 載する。 発行国(地域)(出願先)は日中韓台独に限定した。該当件数は 8,510 件。国内外の内 訳は、日本への実用新案出願があるファミリーが 311 件、日本への実用新案出願が無い ファミリーが 8,199 件である。 検索を実施したのは 2014 年 11 月 6 日で、調査対象期間である 2012 年の末から 18 カ 月が経過して間もない。実用新案が公開されてから PatBase にデータが収録されるまで には、発行国からデータベース会社にデータ提供されるまでの期間と、データベース会 社の作業期間を要する。また PCT 出願の各国移行のずれ等で全データを反映していない 可能性が高い。従って、本調査報告書における 2011 年、2012 年出願のデータは、真の 数値より少ないであろうことに留意されたい。 PatBase では当該公報が分割出願か否かという情報は得られなかった。また、分割出 願の親と子の取り扱いは各国公報によって異なり、一意的ではない。なお、日本へ出願 された実用新案について、親と子の出願番号は異なり、出願日は現実の出願日とされて いた。集計の際は別々にカウントしている。
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2. 調査対象国の実用新案制度 各国の特許制度と実用新案制度の違いを表 4- 1 に示す。実体審査は韓国ではあるが、 それ以外の調査対象国では無い。 表 4- 1 調査対象国の特許制度と実用新案制度の違い 特許 実用新案 保護対象 発明 (日中韓台独共通) (自然法則を利用した技術的 思想の創作のうちの高度なも の) 考案(日中韓台独共通) (自然法則を利用した技術的思想の 創作で物品の形状、構造又は組み合 わせに係る考案に限る) 実体審査 実体審査有あり 日中韓台独共通 無審査:日中台独 実体審査有:韓 権利存続期間 出願日から 20 年 出願日から 10 年 第2節 全体動向調査 1. 日中韓台独への実用新案出願動向 (1)日中韓台独への実用新案出願動向 調査対象期間(優先権主張年 2008 年~2012 年)における、トレーニングマシンに 関する日米中韓台独への実用新案出願件数推移及び比率を図 4- 1 に示す。日中韓台独 への出願件数合計は 6,813 件であった。出願先では中国が 74.9%と最多で、大きくは なれて、台湾が 11.7%、次いでドイツが 5.4%、韓国が 4.4%、日本が 3.6%である。合計 の件数の推移は 2008 年から 2012 年の間一貫して上昇傾向である。個別の出願先国(地 域)では、中国のみ出願件数推移は上昇傾向である。 出願人国(地域)籍別出願件数推移及び比率を図 4- 2 に示す。中国籍が 66.6%と最 大で、大きく離れて、台湾が 22.8%、さらに離れて韓国が 3.9%、ドイツが 3.3%、日本 が 2.1%であった。 中国籍の出願件数比率は 66.6%で出願先国(地域)別の出願件数比率 74.9%と比較す ると 8.3%下がっている。日本とドイツについても同様で、出願件数比率はそれぞれ 1.5%、2.1%下がっている。一方台湾は、出願先国(地域)別の出願件数比率は 11.7% であるが出願人国籍別で見ると 22.8%であり、出願件数比率は 11.1%高まっている。 図 4- 3 には、出願先国(地域)別-出願人国(地域)籍別の出願件数をバブル図で 示す。台湾国籍の出願動向が特徴的で他の国籍からの出願と比較すると、自国以外の 国(地域)にも活発に出願をしている。一方ドイツ国籍の出願人からは中国への出願 が 1 件あるのみで、そのほかの国(地域)への出願は見られなかった。- 25 -
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図 4- 1 出願先国(地域)別実用新案出願件数推移及び比率(日中韓台独への出願) 図 4- 2 出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率(日中韓台独への出願) 844 1,188 1,305 1,498 1,978 500 1,000 1,500 2,000 2,500 2008 2009 2010 2011 2012 出 願 件 数 出願年(優先権主張年) 日本 中国 韓国 台湾 独逸 合計 優先権主張年 2008~2012年 出願先国・地域 日本 247件 3.6% 中国 5,104件 74.9% 韓国 300件 4.4% 台湾 794件 11.7% 独逸 368件 5.4% 合計 6,813件 注)2011年以降はデータベースの収録の遅れ、PCT出願の各国以降のずれ等で、 全出願データを反映していない可能性がある。本
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図 4- 3 出願先国(地域)別-出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び比率(日中韓台 独への出願) (2) 出願先国(地域)別出願先国(地域)籍別出願件数収支 日本、中国、韓国、台湾、ドイツへの出願における、出願先国(地域)別出願人国 (地域)別の実用新案出願件数収支を図 4- 4 に示す。矢印の太さは件数に比例してい る。台湾はどの国に対しても収支がプラスであり、特に台湾から中国への出願は 545 件で、中国から台湾への出願は 21 件のため大幅なプラスである。また、日本に対して も 97 件の出願があり、日本への出願での出願件数比率では台湾国籍が 39.8%を占める。 ドイツ国籍からの出願は、中国への 1 件の出願を除くと他国への出願は見られない。- 27 -
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図 4- 4 出願先国(地域)別出願人国(地域)籍別実用新案出願件数収支(日中韓台独への出願) 第3節 技術区分別動向調査 1.運動者別-出願人国(地域)別出願件数 日中韓台独への出願における運動者別に見た出願人国(地域)籍別出願件数推移及び 出願件数比率を図 4- 5~図 4- 8 に、出願人国(地域)籍別の運動者別出願件数を図 4- 9 にバブル図で示す。 件数推移を見てみると、健常者、傷病者、障がい者、高齢者の出願件数推移は上昇傾 向である。 次に出願件数の比率を見てみると、全ての運動者で中国籍からの出願件数比率が最大 であり、全体(図 4- 2)と比較すると、健常者以外の運動者で台湾国籍は比率を下げて いる。 傷病者を見てみると、全体(図 4- 2)の出願件数比率と比較して、中国籍とドイツ国 籍の比率が高まっており、台湾国籍の比率が下がっている。出願件数推移は、増加傾向 である。 高齢者を見てみると、全体(図 4- 2)の出願件数比率と比較して、日本国籍、韓国籍 11件 39件 4件 7件 1件 2件 1件 1件 21件 中国籍 11件 3.0% 台湾国籍 116件 31.5% 独逸国籍 221件 60.1% その他 20件 5.4% 独逸への出願 368件 中国籍 4件 1.3% 韓国籍 257件 85.7% 台湾国籍 39件 13.0% 韓国への出願 300件 日本国籍 2件 0.3% 中国籍 21件 2.6% 台湾国籍 759件 95.6% その他 12件 1.5% 台湾への出願 794件 日本国籍 9件 0.2% 中国籍 4,493件 88.0% 韓国籍 7件 0.1% 台湾国籍 545件 10.7% 独逸国籍 1件 0.0% その他 49件 1.0% 中国への出願 5,104件 日本国籍 134件 54.3% 中国籍 9件 3.6% 韓国籍 1件 0.4% 台湾国籍 97件 39.3% その他 6件 2.4% 日本への出願 247件 116件 9件 9件 545件 97件本
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の出願件数比率が高まっている。出願件数推移は増加傾向である。 要介護支援・要支援者を見てみると、全体(図 4- 2)の出願件数比率と比較して、日 本国籍、中国籍、韓国籍の出願件数比率が高まっている。 ジュニアを見てみると、全体(図 4- 2)の出願件数比率と比較して、日本国籍、中国 籍の出願件数比率が高まっている。 図 4- 9 を見てみると、台湾国籍では健常者の出願件数が他の運動者の出願件数と比較 して際立って大きい。日本国籍では、健常者の出願件数は 5 カ国中 5 番目であるが高齢 者の出願件数は 2 番目である。ドイツ国籍では、健常者の出願件数は 5 カ国中 4 番目で あるが、傷病者の出願件数は 3 番目である。 図 4- 5 健常者の出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率(日中韓台独へ の出願) 図 4- 6 傷病者の出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率(日中韓台独へ の出願)- 29 -
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図 4- 7 障がい者の出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率( 日中韓台独 への出願) 図 4- 8 高齢者の出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率(日中韓台独へ の出願)本
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図 4- 9 運動者別-出願人国(地域)籍別出願件数 2. 機能性の向上別―出願人国(地域)籍別出願件数 日中韓台独への出願における機能性の向上別に見た出願人国(地域)籍別実用新案出 願件数推移及び出願件数比率を図 4- 10~図 4- 12 に、出願人国(地域)籍別の機能性 向上別の出願件数を図 4- 13 にバブル図で示す。 出願件数推移を見てみると、いずれの項目でも出願件数の推移は上昇傾向である。特 に構造の簡易化の出願件数は一貫して上昇している。 国(地域)籍別の出願件数比率を見てみると、いずれの項目でも中国籍の比率が最大 で、次いで台湾国籍の出願件数比率が高い。 構造の簡易化を見てみると、全体(図 4- 2)と比較して、中国籍の出願件数比率が 81.5% まで高まっている。一方で、台湾国籍の出願件数比率は下がっている。 図 4- 13 を見てみると、日本国籍以外では利便性の出願件数が最大である。日本国籍 では安全性の出願件数が最大である。その他に、構造の簡易化、効率性などの件数が多 い。日本国籍では、負荷の最適化の出願件数が 3 番目に多い点も特徴的であるといえる。- 31 -
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図 4- 10 運動への動機づけの出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率( 日 中韓台独への出願) 図 4- 11 利便性の出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率(日中韓台独 への出願)本
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図 4- 12 構造の簡易化の出願人国(地域)籍別実用新案出願件数推移及び出願件数比率( 日中 韓台独への出願) 図 4- 13 機能性の向上別―出願人国(地域)籍別出願件数- 33 -
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第4節 注目実用新案とその変遷 1. 注目実用新案選定の仕方 特許同様に引用の多い実用新案ほどその実用新案に近い実用新案が出願され、注目度の 高い実用新案といえる。出願人が引用する実用新案よりも審査の際に引用される実用新案 のほうが客観的と考えられるので審査官の被引用回数を第一の指標とした。被引用回数の 上位 50 位までを検討対象とした。 特許の場合、出願国(地域)数が多いものを優先的に選定したが、実用新案はほとんど が第 1 国への出願のみであり、出願国(地域)数は考慮しないことにした。 更に商品として多く使用されているものを考慮した。 技術区分としては、多く選択されている「利便性」、「構造の簡易化」、「リハビリ」と「高 齢者」の和集合から選定した。 第5章 研究開発動向調査 第1節 研究開発動向 論文・学会誌調査のデータベース検索サイトには、株式会社ジー・サーチの JDreamⅢ と Elsevier 社の Scopus を用いた。調査期間は 1996 年から 2013 年とした。検索式(詳 細は資料編に掲載)による一次絞り込みの結果、JDremⅢでは 1,566 件、Scopus では 1,297 件を検出した。抄録を読み、目的と無関係の論文を除外した。トレーニングマシンに関 係する論文(以下、関係論文)の中から、国際的に主要とされた Scopus 検索の国際誌等 38 資料に掲載の文献に限定し、240 件の関係論文を分析に供した。 図 5- 1 研究者所属機関国(地域)籍別論文発表件数推移および論文発表件数 比率本
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図 5- 2 研究者所属機関国(地域)籍別論文発表件数推移および論文発表件数 比率 主要国際誌に限定せず、関係論文数 680 件を母数とした。 第2節 トレーニングマシン用途の多様化 図 5- 3 に主要とされた論文誌に限定した場合の技術区分(上位概念)のうち、運動者 の構成比率を示す。傷病者、障がい者が健常者の半分以上ある。マシン別ではトレッド ミルやフィットネスバイクを用いた研究が多いことがわかる。 図 5- 3 技術区分(運動者)の構成比率(本図項目値の総計が 100%)- 35 -