【韓国】
6月の市場動向トピックス
旅客船舶沈没事故の影響による自粛ムードの緩和 船舶事故から 2 カ月が経過し、最低水準まで落ち込んでいた消費心理指数は 6 月になって若干 改善し、メディアによる報道も落ち着きを見せており、韓国全土の自粛ムードも通常に戻りつつあ る。船舶での旅行に対する需要は依然として厳しい状況にあるものの、夏季休暇に向けて個人 旅行は回復傾向にある。 6 月の祝日(顕忠日)による 3 連休 6 月 6 日(金)は祝日(顕忠日)となり、土日と合わせて 3 連休となった。また 6 月 4 日(水)は韓 国統一地方選挙による法定公休日で、5 日(木)に休暇を取得すれば 5 連休となることにより海 外旅行が促進された。 円安傾向の持続 継続した円安傾向が、訪日旅行の割高感解消に寄与している。6月の主なプロモーション活動
6 月 9 日~9 月 30 日にかけて、J-Route ウェブサイトにて、訪日旅行の際に撮影した写真やエピ ソードを投稿するキャンペーンを実施し、情報発信の強化、訪日意欲の喚起を図っている。またキ ャンペーンの継続した取り組みとして、投稿された写真やエピソードに対する人気投票を、秋冬時 期(10 月以降)に展開する予定である。 6 月 18 日~7 月 1 日にかけて、韓国のソーシャルコマース「クーパン」と連携して、個人向け訪日旅 行商品の販売促進企画キャンペーンを展開している。キャンペーンでは、商品購入者向けのプレ ゼントキャンペーンと並行して、J-route Facebook へ「いいね!」をすると日本への航空券とホテルが 当たるキャンペーンを同時に実施している。 6 月 14 日~7 月 13 日の約1カ月、韓国の主要な映画館である CGV とメガボックスにおいて、動 画広告を約 3 万回上映し、日本の夏の観光魅力の PR を行った。旅行会社の訪日旅行商品と 連携した動画も制作し、一部併せて放映した。 フォト・エピソード投稿キャンペーン クーパンとのタイアップ 劇場広告【中国】
6月の市場動向トピックス
6 月はクルーズ船 6 本が寄港 今シーズンから新たに上海発日本寄港便を就航させたプリンセス・クルーズと中国海南航空 グループの所有する海娜(ヘナ)号に加え、ロイヤル・カリビアンが寄港し、6 月は合計 6 本のク ルーズ船(推計約 1 万 7,000 人)が日本を訪れた。 航空座席供給量の増加 5 月 28 日から 10 月 25 日までの予定で就航する天津~静岡便のチャーター便に加え、6 月 1 日より天津~沖縄便が新規就航した。その他、上海~那覇便、上海~新千歳便の増便 や、機材大型化などにより、座席供給量の増加が続いている。 夏休みの家族旅行が好調な滑り出し 6 月下旬から学校の夏季休暇が始まり、家族連れによる訪日団体旅行が好調な滑り出しを 見せている。6月の主なプロモーション活動
6 月 27 日~29 日に開催された「北京国際旅遊博覧会(BITE)」に VJ ブースを出展した。 共同出展者 10 団体とともに、旅館を模したジャパンパビリオンを形成するとともに、ブース内に 現地旅行会社用のカウンターを設置し、訪日旅行商品の販売促進を支援した。併せて、日 本側、中国側それぞれ 10 団体ずつの商談会を開催し、多様な訪日旅行商品造成の促進 を図った。 オフィスビルなどのエレベーター横のビジョンや空港内ビジョン、屋外 LED ビジョンなど多くの人の 目に触れる場所に動画広告を出稿し、訪日旅行の魅力を訴求した。 「北京国際旅遊博覧会(BITE)」の様子 空港内ビジョンでの動画広告【台湾】
6月の市場動向トピックス
夏季シーズン対策 6 月下旬から学校休暇が始まり、家族旅行の需要が一気に高まっている。夏季は訪日旅行 者の増加により、日本国内のバスや宿泊施設の手配が困難となっている。国土交通省では、 6 月末日までの期限付きで実施していたバスの臨時営業区域の設定を 11 月末まで対象期 間を延長し、需給バランスの均衡化対策を行っている。 仕入れ価格が大幅値上げ 航空運賃の高騰に加え、バスや宿泊施設の仕入れ価格の上昇により、旅行会社各社は訪 日旅行商品を概ね 3,000~5,000 元程度値上げしている。一方、エバー航空による 6 月から の台北~沖縄便開設や、各社の夏季チャーター便、臨時便などの増便計画による座席供 給量の拡大もあり、旅行会社に対するツアー販売への負荷も高まっている。6月の主なプロモーション活動
6 月 3 日~5 日、台北市、台中市、高雄市で教育旅行現地説明会を実施した。台湾側の 学校関係者と日本側の自治体・教育旅行関係者が一堂に集まり、訪日教育旅行誘致に 向けて意見交換を行った。また、台湾国際教育旅行連盟 薛(セツ)総会長に対して、日台 間の教育旅行交流促進への貢献に感謝し、JNTO 理事長より感謝状および記念品を贈呈 した。 6 月 17 日~18 日、台北市、台中市、高雄市で、旅行会社を対象としたバスや免税制度の 変更点や今後の VJ 事業予定などの説明会を実施した。免税制度変更について、多くの旅 行会社からの関心が寄せられ、活発な議論が展開された。 6 月 25 日に、台北市でスポーツ商談会を実施し、日本の新たな魅力としてマラソンやサイクリ ング旅行の PR を行った。台湾ではサイクリングやマラソンが日常的なスポーツとして人気が高く、 日本で開催されるスポーツ大会への参加を含めたツアー造成に向けて、日本各地のマラソン、 サイクリングイベント主催者と、旅行会社や台湾スポーツ団体との商談、情報交換が行われ た。 6 月 29 日に、台北市で一般消費者向けに東北(岩手、秋田)のショートムービー上映会を 開催した。今年の台湾向けデスティネーション・ターゲットの一つである東北を舞台として、台 湾の有名ブロガー親子が食、温泉、観光地、体験などをストーリー仕立ての映像で紹介し た。 角館(秋田)を旅するブロガー親子 旅行会社向け説明会【香港】
6月の市場動向トピックス
6 月として過去最高を達成、17 カ月連続で各月の過去最高を記録 6 月の訪日香港人数は 78,100 人と、6 月として過去最高を記録した。2013 年 2 月から 17 カ月連続で各月の過去最高を記録している。 夏休みシーズンを避けた旅行需要が活発化 6 月は夏休みの繁忙期を避けた旅行需要が高まるシーズンで、定期航空路線の増便や LCC の就航などが追い風となり、団体旅行、個人旅行とも好調であった。6月の主なプロモーション活動
6 月 12 日~15 日、香港で最大の旅行博覧会である「香港国際旅遊展(ITE)」(来場者 数:4 日間で約 8 万 8,000 人)が開催され、ジャパンパビリオンとして共同出展者 25 団体(49 ブース)とともに出展した。12 日午後には隣接する会場で商談会を開催し、日本側 35 団体、 香港側 31 団体が参加した。 VJ 香港のキャンペーンサイトをリニューアルし、6 月 19 日に公開した。鉄道やレンタカーを使った自 由気ままな旅を提案する『Rail & Drive』のコンセプトを中心に、今月は四国を巡る鉄道の旅や日 帰り果物狩り体験記などを掲載した。「香港国際旅遊展(ITE)」盛況する VJ ブース
ステージイベントの様子
【タイ】
6月の市場動向トピックス
活発化する LCC のタイ~日本路線参入 6 月 27 日に格安航空会社(LCC)のジェットスターのバンコク~福岡便が新規就航した。 JNTO バンコク事務所の旅行相談窓口への問い合わせ件数も増加し、九州地方についての 問い合わせは通常 5%~10%程度のところ、6 月は約 25%となった。今後、エア・アジア X、ノッ ク・エアなども日本路線に参入する予定である。 好調を維持するインセンティブ旅行 5 月 22 日のクーデター発令後に出されていた夜間外出禁止令は、6 月 13 日に全面解除と なった。夜間外出禁止令発令期間中には一部の政府系団体のインセンティブ旅行が中止に なったものの、タイ民間企業のインセンティブ旅行については堅調に推移した。ヒアリングによる と 60 名以上の 6 月の訪日インセンティブ旅行は、9 団体 1,052 人となっており、このうち 100 名を超える団体は 5 団体であった。業種は、銀行と建設会社などで、行き先は東京・箱根、 が 6 本、札幌・富良野・小樽のツアーが 3 本であった。6月の主なプロモーション活動
取材支援を行った SNS サイト「We Love to Go」の九州取材分(別府、湯布院、黒川、熊本 城など)が Facebook に掲載され、日本のスイーツなどが紹介された。
【シンガポール】
6月の市場動向トピックス
2014年 3 月から 4 カ月連続で各月の過去最高を記録 現地旅行会社、航空会社へのヒアリングによると、ワールドカップの影響で海外旅行需要が低 迷であったとのコメントも一部寄せられたものの、3 月に開催された旅行博「NATAS」や羽田便 増便に合わせて実施した訪日プロモーションが奏功し、訪日シンガポール人数は 2014 年 3 月 から 4 カ月連続で過去最高を記録した。6月の主なプロモーション活動
6 月の JNTO シンガポール事務所への旅行相談には、沖縄の伊平屋伊是名諸島に関する 問合せなど、これまでになかった地域への質問が寄せられ、訪日旅行への関心の深まりが傾 向として見られる。 6月25日に、九州観光推進機構が主催する九州観光セミナー、商談会が開催された。現地の旅 行会社からは28社、45名が参加した。 ●● 九州観光セミナー、商談会の様子【マレーシア】
6月の市場動向トピックス
前年同月比 73.4%増、6 月として過去最高を記録! 昨年 7 月から開始された査証免除以降、訪日マレーシア人数は顕著な伸びを記録している。 加えて、以下の理由により、6 月の訪日需要が喚起された。 ・長期の学校休暇(5 月 28 日~6 月 15 日)に伴い、家族旅行を中心とした海外旅行需要 が増加 ・エアアジア X による中部路線強化に向けたプロモーション料金での航空券販売(6 月 2 日~ 15 日が対象期間) ・旅行会社によるオフシーズンを狙ったプロモーション料金のツアー販売が、特に個人旅行者の 需要を喚起 短期滞在査証免除の効果 昨年 7 月より実施されたマレーシア人に対する短期滞在査証免除について、旅行者の間で 広く浸透した結果、若年層の間で訪日旅行への関心が高まった。6月の主なプロモーション活動
マレーシアの代表的なエンターテイメントチャンネル ASTRO にて放送される、日本の観光地を 紹介する番組の取材支援を行った。マレーシアの人気タレントが北海道~九州の各地を訪 れ、多様な日本の観光地とその魅力を紹介する。9 月初旬から 11 月にかけて毎週放映され る予定で、さらなる訪日旅行の認知向上と需要喚起に繋がることが期待される。 取材の様子【インドネシア】
6月の市場動向トピックス
6 月の訪日インドネシア人数は前年同月比 6.1%増を記録 6 月の訪日インドネシア人数は 15,700 人で、前年度同月比 6.1%増と、堅調な伸びを記録し た。6 月の増加要因としては以下が挙げられる。 ・現地大手旅行会社との共同広告による需要喚起が奏功するとともに、学校休暇時期のツ アー催行が増加 ・航空会社によるプロモーション料金の提供と、共同キャンペーンによる個人旅行需要の増加 ・新規就航(2013 年 11 月:ガルーダインドネシア航空ジャカルタ~関空便、2014 年 3 月: ANA ジャカルタ~羽田便、2014 年 6 月:ガルーダインドネシア航空ジャカルタ~羽田便)およ び増便(2014 年 6 月:JAL ジャカルタ~成田便ダブルデイリー化)による航空座席供給量の 増加 ・好調なインセンティブ旅行 インドネシア市場の状況 インドネシア経済の成長鈍化や、旅行商品の販売通貨である米ドルに対するルピア安の進 行、今年 3 月~4 月に宿泊施設やバスの確保ができず損失を出した一部の旅行会社による 訪日旅行の販売手控えなど、訪日旅行に影響を与えるマイナス要因がある。加えて 6 月とし ては、祝日による飛び石連休があった 5 月下旬や、レバラン休暇の始まる 7 月下旬への旅行 需要のシフトが一部影響したものの、訪日旅行需要の下支えにより 6 月の訪日インドネシア 人数は堅調に推移した。6月の主なプロモーション活動
6 月 25 日、ちば国際コンベンションビューロー、神戸国際コンベンション協会、沖縄観光コンベ ンションビューローの参加を得て、訪日インセンティブ旅行に特化した「Japan Incentive Travel Seminar」をジャカルタにてはじめて開催した。現地の旅行会社など 37 社 67 名が参加し、熱 心にプレゼンテーション、商談に参加する姿が見られ、訪日インセンティブ旅行に対する強い 関心が感じられた。【豪州】
6月の市場動向トピックス
訪日豪州人数、3 カ月連続で各月の過去最高を記録 例年 5 月~8 月はオフシーズンとなるが、その時期の需要喚起を狙った共同広告プロモーショ ンの効果もあり、6 月も訪日旅行の人気が継続している。4 月から 3 カ月連続で、各月の過 去最高を記録した(これまでの 6 月としての過去最高は、2005 年の 18,463 人)。 オンライン・トラベル・エージェント(OTA)の競争が激化 豪州資本の OTA のひとつである Wotif は、宿泊予約の分野において地元マーケットの強み を発揮し豪州国内で高いシェアを有していたが、国際的な競争の激化により、世界最大手 の Expedia に買収されることが発表された。Wotif は日本の宿泊施設との契約数も増やして いたところであり、訪日旅行においてもよく利用されているサイトの一つであった。6月の主なプロモーション活動
5 月~8 月のオフシーズンを狙った新規の訪日旅行商品造成を目的として、訪日旅行を取り 扱う旅行会社 8 社を対象に、訪日視察旅行を実施した。6 月 1 日~7 日の 5 泊 7 日で、 中部地方(名古屋、長野、妻籠、馬篭、下呂温泉、高山、白川郷)、北陸地方(金沢、立 山)などを巡った。この時期としては比較的涼しく過ごしやすい地域を紹介することで、参加者 からは視察エリアに対する好感を得ることができた。 5 月 28 日~6 月 2 日、ヒルトンホテル・シドニーと日本航空の主催で、インセンティブ旅行を 企画する企業や会議イベントなどの企画会社(Professional Conference Organizers)の計 7 社を対象とした訪日視察旅行を実施した。JNTO は訪日視察における国内移動の支援を 行った。ヒルトンホテルの施設がある東京や小田原などを訪れたほか、日本文化体験が行わ れた。参加者の多くは初来日であったため、街の清潔さ、公共交通機関の正確さ、日本人 のおもてなしなどが好印象とのことであった。視察旅行を機に、MICE のデスティネーションとして 日本が選択されることが期待される。 訪日視察旅行:白川郷での集合写真 ヒルトンホテル・シドニー&日本航空主催 MICE ファムトリップの様子【米国】
6月の市場動向トピックス
6 月の訪日米国人数 87,900 人、単月として過去最高を記録 1 月~2 月ほど前年同月比の伸びは顕著ではなかったが、本格的な夏休みシーズンの到来と ともに、為替の安定や消費者向け送客プロモーションなどの継続的な VJ 事業が実を結び、 単月として過去最高を記録した。6月の主なプロモーション活動
6 月 6 日に、アリゾナで開催された業界向け旅行博「Tour & Travel Exchange」に VJ 事業と して参加した。2 日間で 24 社と商談したほか、香港、台湾両政府観光局と共同でアジアデス ティネーションセミナーを開催し、在米ツアーオペレーターへの情報発信を行った。 6 月 27 日に、消費者向けニュースレターを配信し、夏の訪日旅行者向けのお祭りや花火の 情報発信、更なる需要創出の為、夏季のラストミニッツプロモーションの告知を行った。 香港、台湾両政府観光局との共同セミナー 消費者向けニュースレター
【カナダ】
6月の市場動向トピックス
6 月として過去最高を記録 6 月の訪日カナダ人数は 12,700 人と、6 月として過去最高を記録した。3 月下旬からの ANA のバンクーバー~羽田便の新規就航や、円安の継続に加えて、旅行会社各社の訪日旅行 商品の売れ行きが好調であったこともあり、4 月から 3 カ月連続で各月の過去最高を記録し た。 旅行会社の選ぶお薦め都市ランキング旅行業界誌を出版している「Baxter Travel Media」が、旅行会社の社員 5,000 人以上を対 象に行ったアンケート調査の結果を発表した。世界のお薦め都市ランキングでは、1 位パリ、2 位バルセロナ、3 位アムステルダムと上位は欧州の都市が占め、アジアの都市は 11 位バンコク、 15 位香港、25 位北京、26 位ハノイとなった。日本は 31 位に京都、33 位に東京がランクイン した。Best Tourism Board という観光局に関する調査もあり、JNTO はアジアの中で 1 位に選 出された。
6月の主なプロモーション活動
ANA のバンクーバー~羽田便の新規就航をカナダの一般消費者に PR するため、バンクーバ ー中心部に 26 の看板広告を掲出したほか、Fodors などの有力旅行関連サイトでバナー広 告を掲載した。また、旅行業界内での認知度の向上を図るため、「Travel Courier」などの旅 行業界誌での共同広告を実施した。 メディアや旅行業界関係者を対象に、ニュースレターを配信した。今回は、カナダ国内での日 本イベントの情報、北海道のラベンダー開花情報、佐渡島や USJ などの最新情報をリリース し、訪日旅行喚起を図った。 British Columbia 州の新聞「The Province」に訪日記事が大きく掲載された(JNTO トロント 事務所にて取材支援)。