理学療法(士)教育について
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(2) 650. 理学療法学 第 42 巻第 8 号. の低さ,また人としての在り方の低下が著しいと強く感じてい. 私は,日本の理学療法士教育は大学・大学院制度の中で行. る。教授する側として,とても責任をもって,また医療職にな. い,かつ修士課程程度の教育を必要とすると訴えてきたが,免. るための教育の提供をためらうことがままある。現場にいて考. 許取得後の理学療法士としての教育を大学教育とは別枠で外に. えるこの理由としては,18 歳人口の減少と,多分,大学進学. だすとしたら,大学教育 4 年に 1 ~ 2 年間の,必須研修制度を. 率の急上昇ではないかと思っている。高校側では,進学実績の. 構築するのがよいかな,と今は考えている。医療職である我々. 向上を狙い,加えて大学側が多様な選抜方法を設けて定員確保. の職域が,前述した広範な領域に進展してきていることを考え. に精をだしはじめると,勉強したこともないような生徒を進学. ると,コア・カリキュラムによる教授法の推進・徹底のみでは. させる高校も増えてきたのだろうと推測する。また大学は,専. 領域を網羅するにも限界があり,近未来には,技術的な専門性. 門知識の伝達に終始する受動的な授業が多く,過去,本来の大. 習得を外にだした 4 年以上の教育期間延長も必須であろうと強. 学教育では当然のことであったと考えるアクティブラーニング. く提案したい。. を文科省が推進しなければならないほど,大学は学生の能動的. これに加え,疾病や高齢などがもたらす障害に取り組むこと. な仕草を引きだす場になっていないとも考える。そういうこと. を課せられている我々の職業に,今まで踏襲されてきた医学モ. もあってか,高校と大学教育の在り方や,両者をつなぐ大学入. デル,すなわち治療医学を中心にした教育ピラミッドのシステ. 学者選抜の一体的な改革について(現在行われている,大学入. ムで,果たして我々に適切な教育モデルといえるのか,大いに. 試センター試験の廃止の件),昨年末にだされた中央教育審議. 議論する余地もあろうかとも思えてくる。理学療法士協会の教. 会の答申での,新たな「大学入学希望者学力評価テスト(仮. 育ガイドラインでは“学ぶために,学ぶための基本的な姿勢や. 称)」の新設に,一定水準以上の高校生が大学教育に則るので. 態度を早期に身につけること”を重視し,卒前の到達目標を. はないかと,私は期待している所でもある。この答申の具体的. 「理学療法の基本的な知識と技能を習得するとともに,自ら学. な内容を纏めて提示すると,①高校・大学教育の見直し,②大. ぶ力を育てる」はいい得て妙と私は考える。同時に,この目標. 学の入学者選抜における多角的評価,③「高等学校基礎学力テ. 達成には,現在の卒前臨床実習や国家試験の立つ位置も再考す. スト(仮称)」(高校での基礎学力を評価する=到達度テスト). る必要があるようにも考え,理学療法士協会や国に対しても提. を新設,④現在の大学入試センター試験を取りやめ,新たな. 案したく思っている。. 「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の新設である。. 以上,理学療法士教育の問題点を,課題として取り上げた。.
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