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列 とオメガ 3 系 列 の 多 い 食 品 も 分 けられておらず 主 菜 においてオメガ 系 列 の 多 い 肉 と オメガ 3 系 列 の 多 い 魚 が 区 別 されていないことが 問 題 であった 食 品 成 分 表 を 比 較 したところ 日 本 と 比 較 して 中 国 においては 肉

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Academic year: 2021

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脂質栄養に関する日中比較とオメガ 3 系列脂肪酸の生理機能に関する研究

家政教育専修 2514029 黄 鐘倩 1.はじめに 日本では過去 60 年間に食生活の欧米化により脂質摂取量が 3 倍以上に増大し、メタボリ ック症候群や生活習慣病が増加した。こうした量的変化の弊害はよく認識されているが、 脂質栄養の質的変化についてはあまり着目されていない。脂肪酸には、体内で生合成可能 な飽和・一価不飽和脂肪酸と、生合成できず食事からの摂取が必要な必須脂肪酸であるオ メガ 6・オメガ 3 系列多価不飽和脂肪酸がある。オメガ 6 系列からは強い生理活性を持つ ホルモン様物質が作られ、炎症やアレルギー反応を促進する。一方、オメガ 3 系列からは 弱い生理活性のものが作られるので、これらの反応を抑制する。また、ドコサヘキサエン 酸(DHA)などオメガ 3 系列は脳に濃縮され神経機能に必須であり、DHA が転写因子の活性 を調節していることが新たな研究成果として見出されている。このように、必須脂肪酸バ ランスは各種疾患予防を考える上で重要な生理的意義を持っている。 本研究では、科学的知見に基づいて、国際的な比較により脂質栄養の摂取現状を分析し ながら、若年層における食生活の問題点を捉え、オメガ 3 系列脂肪に対する認識を広げ、 各種疾患を予防し健康増進にオメガ 3 系列脂肪酸の重要性を明らかにすることを目的とし た。最初に脂質栄養に関する政策や食事摂取基準の現状を日本と中国で比較し、最新の科 学的知見が反映されているかどうかを評価した。また、日本と中国で小学校の給食や大学 生の食事の調査を行い、必須脂肪酸バランスの現状や問題点について解析した。次に、オ メガ 3 系列脂肪酸の新しい生理機能として、同じ間葉系幹細胞から分化する筋細胞と骨芽 細胞に及ぼす影響について、その分子メカニズムを解析した。 2.健康・栄養政策や食事摂取基準等の国際比較 健康・栄養政策の組織を比較したところ、日本で関わっている行政機関は厚生労働省、農 林水産省及び文部科学省である。アメリカにおいては、農務省と保健福祉省が主な担い手 となっている。その一方、民間の科学会である栄養学会が行政機関の委託を受け、健康・ 栄養政策などを決めるのは中国の特徴であった。 フードガイドについては、どの国も、穀物・野菜・果物・乳製品・タンパク源(肉類、 魚介類、卵、豆類)の 5 つに分かれていた。脂質についてはアメリカと中国では考慮され ていたが、日本では全く記載されていなかった。食用油が示されてない上に、オメガ 6 系

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- 2 - 列とオメガ 3 系列の多い食品も分けられておらず、主菜においてオメガ 6 系列の多い肉と オメガ 3 系列の多い魚が区別されていないことが問題であった。 食品成分表を比較したところ、日本と比較して中国においては、肉類を赤肉類と家禽肉 類に分ける、飲料類をアルコールあり・なしに分ける、赤ちゃん用食品、飴類、即席食品 などの食品群が設定されていた点に特徴があった。また、食品成分の項目に関しては、中 国ではイソフラボンの含量が成分として明記されていること、グリセミック指数(glycemic index)が巻末に添付されていることに特徴が見られた。 食事摂取基準では、日本と中国は、タンパク質、炭水化物、脂質の摂取基準を同じレベ ルで設定していた。一方、アメリカでは、タンパク質と脂質が総エネルギーに占める割合 の上限を日中より高く設定し、炭水化物の下限を日中より低く設定していた。 脂質の摂取基準は、日本では、脂質、飽和脂肪酸、オメガ 6 系列及びオメガ 3 系列脂肪 酸の摂取量が設定されていた。中国においては、その他にオメガ 6 系列のリノール酸とオ メガ 3 系列のα-リノレン酸及び EPA+DHA の摂取量も設定されていた。アメリカでは、飽 和脂肪酸、リノール酸、α-リノレン酸及びコレステロールの摂取量が設定されていた。オ メガ 3 系列脂肪酸の摂取基準は日本が最も高い値であり、これは魚介類摂取量の多い日本 食の長所を反映したものであるといえる。 3.日中の若年層の食事摂取状況と必須脂肪酸バランスの比較調査 日中の小学生の給食の分析については、秋田市立 M 小学校と中国湖南省長沙市 F 小学校 を対象とし、それぞれ 1 か月分の給食献立を分析し、相違点を比較した。料理数から内容 物、食器まで、日本の方が中国より多様性が見られた。特に、食事に牛乳が出されるのは 日本の独特なものだと思われた。食材別ごと主菜を比較したところでは、日本側は様々な 食材を用いたことが分かった。中国側においては、豚肉、魚介類、イモ類の使用頻度が日 本より高かった(Fig. 1A)。副菜では。日本側に野菜、イモ、海藻などビタミンやミネラ ル、食物繊維の給源になるものを中心に使用していた。中国側では、野菜が炒め物として 広く使われていた(Fig. 1B)。 日中の大学生の食事摂取状況の分析については、日本は秋田大学、中国は湖南省中医薬 大学の学生を対象とし、1 週間の食事を記録してもらい、各栄養素および必須脂肪酸の摂 取量を分析して比較評価を行った。1 日栄養摂取量を比較したところ、カルシウム以外の 栄養素の摂取量はいずれも中国の方が多かった。食品群別摂取量については、穀類および 魚介類の摂取は両国で同じレベルであり、日本食の特徴の一つである魚介類はあまり食べ られていなかった。また、中国人大学生においては、肉類の摂取が日本人大学生の約 2 倍、 油脂類の摂取が約 4 倍であり、オメガ 6 系脂肪酸を多く摂取していた。

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- 3 - Fig. 1. 日本と中国の小学校給食メニューの比較 Fig. 2. 日中大学生の食事摂取の比較 三大栄養素の割合からみると、日本人大学生は炭水化物の摂取が 50%を下回り、脂質の 摂取が 30%を超えた。中国人大学生も同様に、脂質の摂取が 40%以上と高かった(Fig. 2A)。 また、両国とも穀物エネルギーより動物性タンパク質を約 2 倍多く摂取していた(Fig. 2B)。 各種脂肪酸比においては、日本人大学生は飽和脂肪酸の摂取が比較的に多かったが、中国 人大学生は一価不飽和脂肪酸の摂取が多かった(Fig. 2C)。オメガ 6 系列とオメガ 3 系列 脂肪酸比においては、どちらともオメガ 6 系列の摂取が圧倒的に多かった。特に中国にお いては、オメガ 6 系列の摂取は日本側の約 2 倍となっていた(Fig. 2D)。 4.培養細胞を用いたオメガ3系列脂肪酸の生理機能 に関する研究 マウス由来 C2C12 細胞の筋細胞への分化を調べたと ころ、DHA を 20 μM 添加した細胞では、長くて太い筋 管を形成し、筋細胞への分化が促進されることが示さ れた。また、mRNA 発現を解析したところ、α-リノレ ン酸処理により Myog の発現が顕著に上昇した(Fig. 3)。 0 2 4 6 8 10 12 14 使用回数 日本・M小 中国・F小 A)主菜 B)副菜 0 5 10 15 20 25 30 35 使用回数 日本・M小 中国・F小 0 10 20 30 40 50 60 タンパク質 脂質 炭水化物 総エ ネ ル ギ ーに 占め る 割合( % ) A)三大栄養素の割合 日本人大学生 中国人大学生 0 1 2 3 4 5 6 飽和 一価不飽和 多価不飽和 SM P 比( 10 分率) C)各種脂肪酸比 日本人大学生 中国人大学生 0 10 20 30 40 50 60 70 穀物エネルギー 動物性タンパク質 総エ ネ ル ギ ーに 占め る 割合( % ) B)穀物と動物性タンパク質の割合 日本人大学生 中国人大学生 0 2 4 6 8 10 12 14 ω6 ω3 脂肪酸の 摂取量( g ) D)ω6系列とω3系列脂肪酸比 日本人大学生 中国人大学生 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 R ela tiv e q u an tity ( M yo g /C yp a) コント ロ ー ル オ レ イ ン 酸 リノール酸 α-リノ レン 酸 ア ラ キ ドン 酸 E P A DHA パ ルミ チ ン 酸 Fig. 3. Myog遺伝子の発現

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- 4 - Myog は筋分化に重要な転写因子であり、オメガ 3 系列脂肪酸が遺伝子発現を制御し筋細胞 の分化を促進することが示された。 マウス由来 MC3T3-E1 細胞の骨芽細胞への分化を調べたところ、DHA 処理によりすると濃 度依存的に骨芽細胞への分化が促進されたことが分かった。骨芽細胞分化のマーカー酵素 であるアルカリフォスファターゼ活性を測定したところ、DHA 処理により顕著に上昇した ことから、DHA が骨代謝を促進、骨形成力を高める効果を有することが示された。 5.オメガ3系列脂肪酸の摂取がマウスに及ぼす影響の解析 マウス筋肉組織の mRNA 発 現を調べたところ、ヒラメ筋 と長趾伸筋のいずれも、脂肪 燃焼系酵素の Acox1 が魚油で 最も高かった(Fig. 4A, D)。 ミトコンドリア生合成を制御 する転写因子である PGC-1 の 発現は魚油とシソ油で高かっ た(Fig. 4B, E)。筋特異的転 写因子の Myog の発現は、α-リノレン酸含量の高いシソ油 で高かった(Fig. 4C, F)。 6.総合考察 2013 年に世界無形文化遺産に登録された和食は、栄養学的には低脂肪・低カロリーとい う特徴があり、食事摂取基準でもこの点が確認された。また、魚介類が豊富でオメガ 3 系 列脂肪酸摂取量が高いことが利点であり、その摂取基準は他国より高く設定されていた。 一方で、中国では、オメガ 6 系列含量の高い植物油を多く使用し、一般市民には必須脂肪 酸バランスはほとんど認識されていない。今後、このような脂質栄養分野における優れた 日本での研究成果を和食文化とともに国際的に広めていく必要がある。 しかし、このような日本食の利点は、子供や若者では失われつつある可能性があること が、本研究においても小学校の給食献立や大学生の食事調査から示唆された。今後、健康・ 栄養政策の類似点と相違点をと正しく把握した上で、不足点を改善し、よりよい食事摂取 方針、ガイドへ取り組んで、必須脂肪酸の基礎研究から、情報の生活者への認知までをつ なげる活動を国際的に展開していくべきだと考えられる。 本研究では、オメガ 3 系脂肪酸の生理機能に関する新たな側面を培養細胞及びマウス用 いた基礎実験により解析した。DHA やα-リノレン酸などのオメガ 3 系列脂肪酸の処理によ り遺伝子発現プロファイルが変化することで、間葉幹細胞の分化が制御されることが示さ れた。特に DHA は脂肪細胞の分化を抑制 する一方で、筋細胞及び骨芽細胞の分化 を促進することが明らかとなった(Fig. 5)。これらより、オメガ 3 系列脂肪酸が 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 2 R el at ive qua nt ity (A cox 1/ β-A ctin ) 牛脂 月見草油 シソ油 魚油 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 R ela tiv e q u an tity ( M yo g / β-A ctin ) 牛脂 月見草油 シソ油 魚油 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 R ela tiv e q u an tity ( P G C -1 α/ β-A ctin ) 牛脂 月見草油 シソ油 魚油

A) ヒラメ筋 Acox1 B)ヒラメ筋 PGC-1α C) ヒラメ筋 Myog

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 R el at ive qua nt ity (A cox 1/ β-A ctin ) 牛脂 月見草油 シソ油 魚油 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 R ela tiv e q u an tity ( P G C -1 α/ β-A ctin ) 牛脂 月見草油 シソ油 魚油 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 1.8 R ela tiv e qu an tity (M yo g/β -A ctin ) 牛脂 月見草油 シソ油 魚油

D)長趾伸筋 Acox1 E)長趾伸筋 PGC-1α F)長趾伸筋 Myog

Fig. 4. マウス筋肉組織の遺伝子発現に及ぼす食餌油脂の影響 メタボリック症候群 の予防・改善 促進 促進 抑制 オメガ3系列脂肪酸 オメガ3系列脂肪酸 骨粗鬆症の 予防・改善 筋細胞 脂肪細胞 骨芽細胞 Fig. 5. オメガ 3 系列脂肪酸による間葉系幹細胞の分化制御と 疾患予防効果

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メタボリック症候群などの生活習慣病や骨粗鬆症の予防においても重要であるという科学 的な裏付けの強化につながると考えられる。今後、このような情報を活用して、食生活の 改善に役立てられるような活動を推進することが望まれる。

Fig. 3. Myog遺伝子の発現

参照

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