平成27年度
公益財団法人山口市文化振興財団
事業計画
Ⅰ 基本目標
山口市から管理運営の指定を受ける山口市民会館、中原中也記念館及び山口情報芸術センターに
おいて各施設の持つ特性を生かしながら、さまざまな文化に触れる機会、参加する機会などを提供する
企画事業を実施し、山口市における文化振興の一翼として、文化を育むまちづくりに寄与するよう努め
る。
Ⅱ 基本方針
市民自らが多様な文化活動へ参加し、芸術文化を享受できる文化環境づくりを目指し、鑑賞、参加型
及び創造型の企画事業を展開するとともに、広く文化に関する情報を収集し提供する。また、市民の自
主的かつ創造的な文化活動を促進、支援するための事業を行う。
なお、これらの事業を実施するにあたって、単年度計画に基づく事業計画の策定及び事業の実施とい
う形態のみでなく、長期的視点からの事業計画や新たな発想による事業展開をめざすとともに、これに
基づく具体事業の年次的実施による事業内容の充実に向けた取り組みを推進する。
Ⅲ 個別事業計画
定款第4条に掲げる6事業のうち、企画事業、育成・支援事業、調査研究事業、情報収集・提供及び
施設の管理運営受託事業については、以下のとおりとする。
1 企画事業
当財団が所管する山口市民会館、中原中也記念館及び山口情報芸術センターにおいて、各施設の
持つ特性を生かしながら文化振興に関する各種企画事業を実施し、文化に触れる機会、参加する機会
などの拡充を図るとともに、事務局においては、幅広い市民の皆様が楽しめる娯楽性の高い事業の企
画展開を図る。
(1) 山口市民会館
オーケストラや演劇公演など質の高い鑑賞機会の拡充を目指すとともに、市民参加型のコンサートの
開催など市民に多様な芸術文化の鑑賞機会を提供する。
(2) 中原中也記念館
中原中也を軸として、その軌跡や親交のあった人物を紹介するテーマ展示や企画展、特別企画展を
実施するとともに、中也の人と作品を分かりやすく解説し、理解を深める一助として、講演会や学芸担当
職員による読書会を開催する。また、中也が好んだ〈朗読〉をテーマにした市民参加型イベント〈生誕祭〉
を実施する。
(3) 事務局
山口市民会館、山口情報芸術センター等、市内の文化施設を活用し、広域的かつ幅広い年齢層を対
象にしたクラシック音楽、ポピュラー音楽などのコンサート、舞台芸術などの公演を実施する。
(4)山口情報芸術センター[YCAM]
YCAM は、メディアと芸術の融合をコンセプトに先端的な芸術表現に取り組むアートセンター
としての独自性を維持しつつ、文化施設の役割である「文化の振興」を担うべき市民との関わり
を意識した事業展開を進める。
○ アート事業については、“新しい芸術の創造”が市民から関心と理解を得られるよう、分かり
やすさの工夫と、身近で社会性のある題材をテーマに取り組む。
〇 芸術分野に留まらず、メディアを取り巻く様々な環境を包括した「学び」を広く提供するため、
運営体制や人材育成を市民レベルに広げ、教育ワークショップを始めとする様々な事業を施設
内外で展開していく。
○ 全ての事業においてコミュニケーションを重視し、アートを通じて市民やアーティスト、専門
家、研究者など、多くの人々が集い・学び・交流する場を生み出し、次代のまちづくりを担う感性
豊かで創造性あふれるひとづくりや、イノベーションを生み出すような人材育成に繋げていく。
2 育成・支援事業
財団友の会会員へのサービス向上を図るとともに、組織の拡充に努める。
また、市民が日常的に文化に触れ、あるいは文化活動に取り組む機会の拡充を図るため、市民の自
主的な文化活動に対し助成金を交付し、側面的に支援する事業を継続実施する。
(1) 友の会の組織化と運営
公益
財団法人山口市文化振興財団友の会「 Ars Nova Yamaguchi」(呼称:エニー)の会員につい
て、既加入者の継続加入及び新規加入の促進を図る。
① 会員期間
②
会員種別
種 別
対象者
入会金(更新時には不要)
年会費
個人会員
個人
500円
1,500円
③ 会員特典
・チケットの先行予約及び割引購入
・情報誌(4・7・10・1 月発行)及び催物案内(毎月末)の定期送付
・入会時及び更新時に YCAM シネマ及び中原中也記念館の招待券進呈
・協賛店での優待あり
④ 会員数の推移(件数)
種 別
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
個人会員
841
845
938
973
965
856
ファミリー会員
-
-
-
-
-
-
団体会員
-
-
-
-
-
-
学生会員
-
-
-
-
-
-
計
841
845
938
973
965
856
(2) 市民文化活動支援事業助成金交付事業
営利を目的としない市内の個人及び団体等が行う文化事業に助成支援するため、平成9年度に創設
した「財団法人山口市文化振興財団市民文化活動支援事業」を継続実施する。
また、市報への掲載等による広報を行い、より多くの市民の自主的かつ創造的な芸術文化活動を支
援する。
① 募集期間
平成27年3月1日~3月31日
② 助成金額
一事業につき50万円を上限
③ 審査方法
審査委員会の設置、開催
④ 申請及び採択件数の推移 ( )内は中也における文化振興
21年度
22年度
23年度
24年度
25年度
26年度
申請件数
24
18
13
27
16
26(3)
採択件数
22
17
13
25
16
21(3)
3 調査研究事業
(1) 中原中也研究
関係資料の調査、収集、複製の製作等により、中原中也研究を推進する。
(2) 自主企画事業に関する調査及び研究
公演ごとのアンケート調査を随時行い、事業企画に対する市民ニーズ等の調査研究を進める。事
業成果のまとめとしてドキュメント制作、展示・公演記録や、ワークショップパッケージ等のパブリシ
ティに関わる作業を行う。
4 情報収集・提供事業
(1) 情報誌「any」の刊行
平成9年1月から刊行している情報誌を年4回(季刊)、継続刊行する。
(2) 山口市民会館催し物案内の発行
市民会館における催し物を紹介案内する広報紙を月1回、継続発行する。
(3) 中原中也記念館館報第21号の発行
活動記録、寄稿文等を掲載する館報を年1回、継続発行する。
(4) 機関紙「中原中也研究」第20号の刊行
研究論文、エッセイ、シンポジウム記録等を掲載する機関誌を年1回、継続刊行する。
(5)山口情報芸術センター催し物案内の発行
山口情報芸術センターにおける催し物を紹介案内する広報物を継続的に発行する。
(6) ホームページの充実
財団及び山口情報芸術センター、中原中也記念館、山口市民会館のホームページにより、イベ
ント情報を随時発信する。また、平成19年4月からは財団の主催・共催公演に関して、財団及び
山口情報芸術センターのホームページからもチケット予約ができるシステムを整備、友の会への
入会・更新もホームページ上から手続き可能となっている。
5 施設の管理運営受託事業
当財団が所管する山口市民会館、中原中也記念館及び山口情報芸術センターの管理運営にお
いて、「安全、安心、快適」に利用していただけるよう適切な業務を行う。
また、山口市民会館、山口情報芸術センターにおいては、山口市条例に基づいた施設の貸与事
業を行い、利用者のニーズを踏まえた施設運営に努める。
6 企画事業一覧
区分 事業名 開催時期 内容 山 口 市 民 会 館 山口市誕生 10 周年記念事業 プラハ放送交響楽団 山口公 演 6 月 20 日(土) 18:30 開演 チェコの三大オーケストラの一つとして高い評価 のある「プラハ放送交響楽団」によるクラシックコ ンサート。ソリストにはピアニストの上原彩子氏 を迎えます。 特撰東西落語名人会 三遊亭円楽・桂文珍 二人会 10 月 12 日(月・祝) 14:00 開演 人気テレビ番組「笑点」でおなじみの三遊亭円楽 と上方落語界の大御所である桂文珍の競演し ます。 山口県交響楽団 創設 60 周年記念演奏会 12 月 6 日(日) 14:00 開演予定 創設 60 周年を迎える山口県交響楽団の記念演 奏会。第 9 回山口県総合芸術文化祭分野別フェ スティバルの一環として開催します。 小曽根真 with エリック宮城 クリスマスコンサート 12 月 10 日(木) 多方面で活躍しているジャズ・ピアニストの小曽 根真と、エリック宮城をはじめとした日本ジャズ 界のトップミュージシャンが華麗なステージを展 開します。 山口きずな音楽祭 Vol.7 12 月 26 日(土) 山口のクリスマスの歴史を音楽を通じて次世代 に伝えることを目的とした市民参加型の音楽イ ベントを開催します。 第 20 回ニューイヤー バンドフェスティバル 2016 1 月 16 日(土) 10:00 開演予定 山口県吹奏楽連盟加盟団体が、平素の練習成 果を発表するとともに、他団体の演奏を聴くこと によって演奏技術及び音楽表現力の向上めざ し、さらには、各団体の親睦を図るためのコンサ ートです。 宝くじおしゃべり音楽館 ~思い出のスクリーンミュージ ック~ 3 月 5 日(土) 17:00 開演予定 清水ミチコの司会進行で小原孝及びおしゃべり 音楽館ポップスオーケストラによる映画で使用さ れたテーマ曲、挿入曲、クラシックの名曲の演奏 を披露します。第 2 部では小原孝、島田歌穂及 びオーケストラによる共演他、地元合唱団との 共演を行います。 第 43 回市民コンサート 3 月 21 日(月・祝) 13:00 開演予定 各年度内に開催された各種コンサートにおいて 優れた成績を収めた方々や平素から熱心に音 楽活動を続けている方々を招いての「アンコー ルコンサート」を実施します。事 業 企 画 山口市誕生 10 周年記 念事業
May J. Spring Tour 2015 ~ReBirthday~ 4 月 26 日(日) 山口市民会館 2014 年公開のディズニー映画「アナと雪の女王」の 日本版主題歌を担当したことでその人気を不動の ものとした May J.(メイ・ジェィ)による初の山口コン サートを開催します。多彩な言語を操りマルチリン ガルアーティストとして活躍する彼女の圧倒的な歌 唱力とパワフルかつ澄んだ歌声が味わえます。 ストラディヴァリウス・サ ミット・コンサート 2015 5 月 29 日(金) 山口市民会館 幻の名器と呼ばれるストラディヴァリウスの響きと音 色が味わえるクラシックコンサートを 2013 年に引き 続き開催します。ヴァイオリン 7 台、ヴィオラ・チェロ 各 2 台の計 11 台を操るのは、誰もが認める世界最 高峰のオーケストラ“ベルリン・フィルハーモニー管 弦楽団”のトップメンバーたち。世界トップレベルの 技巧を継承するベルリンフィルと最高峰の楽器との 共演をお楽しみいただきます。 舞台「cocoon―憧れも、 初戀も、爆撃も、死も。」 8 月 8 日(土)・9 日(日) 山口情報芸術センター 沖縄戦線を生き抜く女子高生たちの姿をリアルに描 きだした今日マチ子の漫画『cocoon』を原作に、劇 団マームとジプシーの藤田貴大が作・演出を手が ける舞台公演です。2013 年に初演され、大きな反 響を呼んだ同作品の発展バージョンとして、東京芸 術劇場、新潟りゅーとぴあなど全国の劇場との連携 企画によりこの夏、制作・発表します。終戦 70 周年 を機に、戦争について現代から問い直します。関連 企画としてリーディングライブや藤田貴大による演 劇ワークショップなども実施します。 パギャグニーニ 2016 1 月 11 日(月・祝) 山口市民会館 スペイン・マドリードを中心に活動し、クラシック音楽 をベースにした弦楽四重奏によるパフォーマンスを 行う「パギャグニーニ」が好評を博した 2013 年公演 以来、再び山口で演奏を披露します。この度もジャ ズやタンゴ、フラメンコや映画音楽など幅広いレパ ートリーに加え、圧倒的なテクニックとユニークな演 奏スタイルで笑いと感動を提供します。
中 原 中 也 記 念 館 第 12 回テーマ展示 「中也 祈りの詩」 2 月 18 日(水)~平成 28 年 2 月 21 日(日) ※特別企画展会期中を 除く 祈りをテーマとした中也の詩は、心の奥深いところ に響く魅力があります。崇高な何ものかに対し、心 の弱さを打ち明け、今あることに感謝し、志を述べ る……。その言葉は真っ直ぐに私たちの胸まで届 き、特定の宗教の枠に留まらない普遍的な祈りの 心を呼び覚まします。 本展では、中也の祈りの詩を、《うやまう》《もとめ る》《いつくしむ》《こころざす》という4つの主題に分 類し、直筆原稿や日記、詩の初出雑誌や収録詩集 などの資料とともに紹介します。 ※第 13 回テーマ展示「外国文学」(仮) 平成 28 年 2 月 24 日(水)~平成 29 年 2 月下旬 特別企画展 「 萩 原 朔 太 郎 と 中 原 中 也」 7 月 30 日(木)~9 月 27 日(日) 日本近代詩を代表する詩人として知られる萩原朔 太郎と中原中也。朔太郎は中也より 20 歳ほど年長 で、詩集『月に吠える』で口語自由詩を確立した人 物として、中也が詩人を志した頃にはすでに詩壇で その名を知られた存在でした。朔太郎と中也は幾度 か会合で同席した程度の交流しか持ちませんでし たが、お互いを評した文章からは、それぞれの本質 を見抜き、共感を寄せていたことがうかがえます。 本展では、詩のほかに音楽・写真・デザインなどに も才能を発揮した朔太郎の多彩な個性と魅力を紹 介するとともに、朔太郎と中也の詩の特性に迫りま す。 企 画 展 Ⅰ「中 原 中 也 賞 の 20 年」 4 月 15 日(水)~7 月 26 日(日) 新鮮な感覚を備えた、優れた現代詩の詩集に贈ら れる中原中也賞。平成 8 年に創設されたこの賞が、 今年 20 回目を迎えることを記念し、中原中也賞の 歴代の受賞詩人や選考委員を紹介します。 本展では、受賞詩集に収録されている作品や受賞 詩人によるメッセージを交えながら、現在の活動状 況などもあわせて展示します。20 人の詩人がつむ ぎ出す、「今」を生きる詩の言葉。それぞれが持つ 豊かな個性と魅力的な詩の言葉を味わうことができ ます。
企 画 展 Ⅱ 「中 也 の 住 ん だ町―新宿」 9 月 30 日(水)~4 月 17 日(日) 中也は昭和 8 年より約 3 年間、東京の新宿・四谷近 辺に住んでいました。この間に、長男の誕生、第 1 詩集『山羊の歌』の出版、そして長男の死まで、30 年という彼の短い生涯の中でも極めて重大な出来 事が次々と起こりました。 本展では、その頃の中也にスポットを当て、当時の 社会風俗とともに紹介します。 屋外展示 前期 4~10 月 後期 11~3 月 中也ゆかりの山口線をイメージした枕木を敷きつめ ている中庭では、テーマ「風」にちなんだ中也の詩を 解説付きで紹介します(入場自由)。 公開講演 第 1 回 9 月 12 日(土) 第 2 回 未定 9 月は「中原中也の会」との共催により、東直子氏 (歌人)を講師に迎え、詩人と短歌に関する講演会 を行います。 中原中也を読む会 毎月第 4 金曜日 教育普及事業として実施。テーマに沿った中也の詩 を読み込んだり、記念館の展示を学芸員の解説と ともに見学するなど、気軽におしゃべりしながら、詩 の世界を楽しく味わうことができます(無料)。 中 原 中 也 生 誕 祭 「空 の 下の音楽会」 4 月 29 日(水・祝) 中也の生誕日に前庭で開催。詩の朗読を好んだ中 也にならい、自作や愛読の詩を朗読する一般参加 の朗読会と、男女ユニット、サンタラのライブコンサ ートを行います(無料)。 中也忌~墓前祭と中也 に捧げる夕べ 10 月下旬 中也の命日 10 月 22 日前後にあたる週末に、中也 が眠る「中原家累代之墓」にお参りし、夕方からは 朗読やミニコンサートなどを行い、中也を追悼しま す(無料)。 「 出 会 い ? 発 見 ?! 感 動 !! 中 也 読 本 」の 配 布 (開 館 20 周 年 記 念 事 業) 4 月下旬 平成 25 年度から編集を開始した中学生向け副読 本(平成 27 年 3 月 31 日発行)について、市内中学 校の全生徒、全教諭に配布し、授業等で活用いた だく。なお、28 年度、29 年度も、新1年生や転入生 徒・教諭に継続配布します。
【展示・WS・レクチャー】 Open Laboratory(仮) (コア期間) 7 月 18 日(土)~9 月 30 日(水) 「生きる」「暮らす」いった人々の営み(生活)や、山 口の自然環境や街など身の回りの環境に視点を置 いたテーマを設定し、アーティスト、専門家、研究 者、市民と共に今までYCAMが培ってきたメディア アートの技術やネットワークを活用した掘り起こしを 行い、新たな視点や価値の発見を行うアートプロジ ェクト(新たな表現領域の創造)を展開していきま す。具体的な例として、食料の配分の問題や環境 に負荷のかかる生産、倫理的な問題をはらんだ遺 伝子組替えなど多くの問題を抱えた「食」をテーマと して設定し市民参加型の「食のこれまでとこれから を考える」アートプロジェクトを行います。これ以外に も地域のかかえる課題を中心に様々なテーマ設定 をしていきます。 オープンラボラトリーでは、これらのプロジェクトの過 程を、展示を中心に発表し、さらに、来場された方 にわかりやすく伝えるためツールの開発やワークシ ョップ、レクチャー、ツアーパフォーマンスなどを行う ことで、様々な層の来場者に対応していきます。併 せて、展覧会の解説文の多言語化や外国人に対応 したワークショップの開催にも取り組みます。 【展示・WS】 プロミス・パーク・プロジ ェクト 11 月 14 日(土)~2 月 21 日(日) 平成 25 年に開催した、YCAM10 周年記念祭におい て制作した「Promise Park」プロジェクトは、世界で活 躍するアーティスト、ムン・キョンウォンと、建築家や 都市設計者、植物学者など様々な専門家との対話 によって 50 年後の未来の公園やそこに存在するコ ミュニティの構想を通し、文明や都市空間、社会シ ステムの在り方を問いかけるものでした。そうして平 成 26 年に開催した第2弾は、未来の公園という構 想はそのままに、そこに山口という固有性を追加す るプロジェクトを行ないました。具体的には、山口市 の現地調査を行い、山口の素材(石や山、地形等) を使って未来の公園を考えるという、リサーチの成 果を公開しました。平成 27 年は、最終成果として大 規模な展覧会を開催します。この展覧会の特徴とし ては、世界的に活躍するアーティストと YCAM が、 地域の素材を用いて芸術表現を試みるところにあ り、まさに地域そのものを芸術表現の形をとって国 際的に発信していくところにあります。 また、ムン・キョンウォンが海外のアーティストでもあ ることから、多言語対応や外国人でも鑑賞しやすい 環境を整えます。 山 口 情 報 芸 術
【開発・WS】
身体(表現)とテクノロジ ー/ダンス(仮)
8 月(予定) 2010 年 か ら 継 続 し て 行 わ れ て き た 「 Reactor for Awareness in Motion (RAM)プロジェクト」では、ダン サーの安藤洋子が培ってきた即興ダンスの考え方 を、技術者と共有し、ソフトウェア、ハードウェアでの ツール開発までおこなってきました。2014 年度に は、身体表現とテクノロジーに関心を持つ参加者を 全国から集め、サマーキャンプを開催し、身体とテ クノロジーに関する表現や取り組みに参加する個人 や団体のコミュニティ形成を後押しする活動をおこ ないました。結果、地元山口大学の研究室とのネッ トワークを持つこともできました。さらに、舞台作品 の制作を行い、研究開発から作品制作へという基 本的なスキームを得ることができました。 そこで、ここで得たコミュニティ(ダンサー、振付家、 制作者、技術者)を中心に、さらに新たな専門的人 材、振付家(ダンサー)や共同研究者、メンター(導 者)を迎えることで、身体(表現)に対するコンセプト を多様化させ、新たなツール開発と昨年まで手掛け ることのできなかった、市民向けワークショップ等を 実施していくものです。 (市民向けワークショップの開催) 今までYCAMで開発してきたツールを活用した市民 向けダンスワークショップを開催します。対象は一 般から子どもまで含むが、現在調整を進めている市 内拠点での定期的ダンスワークショップ(コミュニテ ィダンス)参加者を主なターゲットとして、関心とモチ ベーションの向上を図ります。 (ウェブサイトの拡充) 現在運用している特設サイトを拡充し、ユーザーの 使用例や参画の動向をフォローするプラットフォー ムを整備します。 ( コミュニティの拡大と人材育成の成果) 2014 年度に YCAM で開催した「RAM サマーキャン プ」をはじめ、台湾、韓国の主要なフェスティバル、 文化施設に招聘されて実施してきたワークショップ は、身体とテクノロジーに関心を持つ技術者、研究 者(大学等)、ダンサー、振付家など、様々なジャン ルにまたがる人材の交流の場として、プラットフォー ムの機能を果たしてきています。また、ここで形成さ れたコミュニティはこれからさらに発展していく手ご たえがあり、実演芸術のメディアテクノロジーを活用 した新たな可能性の創出を期待させるものです。
【共同研究・公演】 身体(表現)とテクノロジ ー/スポーツ・ハッカソン (仮) 12 月(予定) 身体表現のテーマの一つとして「スポーツ」を取り上 げ、実演芸術の専門的人材とアーティストが「スポ ーツ」の見せ方、楽しみ方を探求し、新たな競技(実 演芸術としての表現の一環)を制作します。この過 程において、人材育成を行うとともに、成果を市民 に提供し、体現していただくことで、身体とテクノロジ ーによる新たな表現の意義や可能性を伝えるもの となります。 YCAMでは、これまでも小型で高性能なデジタル機 器と身体との一体化について、研究し実演芸術にも 転用してきました。今後、世界ではこの技術がさら に進んでいくことが予想されています。その中で、技 術が身体の機能を補強し、拡張する試みはみられ るものの、その実装に向けたトライアル&エラーは まだまだ発展途上です。アスリートとの共同研究開 発における大きな枠組は、まずテクノロジーがスポ ーツに介入すること生まれるで広範囲なターゲット に向けた新たなレクリエーションと、見て楽しむスポ ーツの可能性を探求することになります。 アスリートとのコラボレーション A_「スポーツ・ハッカソン」 新しいスポーツを創造するプロセスの一つとして、 ブレインストーミングとネットワークづくりを目指した イベントを企画実施します。アスリートとアーティスト /技術者の監修のもと、既存のスポーツを参考にし ながら、技術やアイディアを結集することで新しい参 加 型 の 競 技 、 イ ベ ン ト を 発 想 し ま す 。 こ れ ま で に YCAM で開発された RAM のツールをはじめとしたソ フトウェア/ハードウェアを、実演芸術の専門的人 材などの参加者に提供し、ハッカソン形式の開発大 会を開催します。 B_「成果発表、競技会」 ハッカソンの成果として参加者が完成させた競技を 一般の市民や、子どもが体験できる機会を設けま す。日程的にはハッカソンの最終日に設定し、競技 の開発に携わったハッカソン参加者が、一般参加 者のフィードバックを受けられる機会とします。「身 体とテクノロジー」という、一般にはイメージしにくい 題材を扱う本研究開発プロジェクトにとって、具体的 な体験を通して、その意義や可能性を市民に直接 伝えるものとなるような企画を行います。
【WS】 教育普及スペース運営 事業 通年 地域のクリエイティビティをリードするには、暮らしの 中で起こる自分のアイディアを形にできる環境を整 える必要があります。まず、暮らしや自分自身を豊 かにするアイディアを持つ人材を増やすこと、そして そのアイディアを形に創造するノウハウを身につけ てもらうことです。YCAM では過去 10 年間、アーティ ストとともにアイディアを作品として創造してきまし た。その発想力や技術、ノウハウを地域に還元する ため、教育普及スペースを設置・運営し、クリエイテ ィブな人材を育成する環境を整えます。 このスペースに設置される機能は、YCAM オリジナ ルワークショップをはじめとする「あそぶ」「考える」 機能の他、メディアツールを使った創作工房による 「作る」機能があります。遊びや生活の中で生まれ たアイディアを思いきり実験し、試行錯誤する環境 を整えることで、アートの視点からアプローチする次 世代育成と地域活性化のプラットフォームづくりに 取り組みます。また、このスペースを運営するスタッ フの一部にインターンを導入することで、YCAM で得 た知識や技術をさらに地域や社会に還元する仕組 みを図ります。 【共同研究・展示】 インターラボ滞在研究事 業 Guest Research Project2014 12 月~2 月 山口市が目指す新しい文化の創造もしくは表現領 域の拡大は、YCAM が有する高い技術力や知見に 支えられています。この技術面を扱うセクションが YCAMInterLab です。このプロジェクトは、国内外の 優秀な研究者を YCAMInterLab に招聘し、特定のテ ーマに関して共同研究を行なうものです。これまで の実績としてプロジェクションマッピングのツールキ ット(2011 年)やタイムラインツール(2012 年)を開発 しました。また、これら研究の成果物をインターネッ ト上で無償公開することで、国内外のアーティストや 技術者の個人的な応用発展も推進してきたところで す。このように、作品そのものを国際的に発信する 活動ばかりではなく、「創造する」ことに不可欠な技 術面のアプローチを全国・国際的に行なうことで、 地域はもとより社会全体のクリエイティビティを底上 げし、都市のブランド力を向上させます。また、この プロジェクトで開発された成果を、YCAM 制作作品 やオリジナルワークショップ、地域イベント等へ応 用・活用していきます。
【展示・WS・シンポジウ ム・ライヴ】 ミニ・メイカー・フェア 9 月 19 日(土)、20(日) 2006 年にアメリカのシリコンバレー地区からスタート した Maker Faire(メイカー・フェア)は、ものづくりを 行う個人、機関、企業における「作り手」の発表と交 流の場として、技術を使った斬新なアイデア、ノウハ ウを共有するだけではなく、ものづくりの素晴らしさ や楽しさ、創造性を、大人から子どもまで気軽に楽 しめるイベントです。サンフランシスコで開催される Maker Faire は二日で 10 万人以上の来場者数を誇 り好評を博しています。西日本唯一の開催地である 山口では、YCAM で展開する教育普及プログラムと の連携により、幅広い年齢層の創造性に富んだも のづくりへの参加を盛り上げます。 ・展示 エレクトロニクス(電子工作)、手芸、ロボット、クラフ ト、ペーパークラフト、電子楽器、サイエンス工作、リ サイクル/アップサイクルなど、あらゆるジャンルの 自作のモノです。過去には、自作のプラネタリウム、 トランスフォーマーのように自力で変形するロボッ ト、投げられたゴミのほうに移動するゴミ箱、電子部 品で作られたアクセサリなどが展示されました。 ・ワークショップ 出展者による子供から大人まで楽しめるワークショ ップを行います。 ・プレゼンテーション、シンポジウム 出展者によるプレゼンテーション、未来のものづくり に関するシンポジウムなど開催します。 ・ライブパフォーマンス 自作楽器を用いたライブパフォーマンスを行いま す。 【ライヴ】 sound tectonics#16 9 月(予定) 「sound tectonics」は、YCAMの音楽イベントシリー ズとして開催し、国内外で活躍する演奏家を山口に 招き、他の文化施設では実現できない音響設備を 提供することで、独自のプログラムを実現し、これま で地方都市では触れる機会の少なかった音楽ジャ ンルの紹介に加え、これらの領域の技術スタッフの 人材育成の機会を提供しています。#16 でも従来 のYCAMの施設の空間的特徴を活かしたオリジナ ルのプログラム展開を目指し、他の施設との差別化 を図ったライブコンサートとします。 特に、音楽イベントシリーズ化によって固定的なファ ン層を獲得するとともに、10 代、20 代の来館者の増 加に繋げる内容、アーティストの選定を行っていき ます。併せて、教育普及とも連動したアプローチを 意図し、対象としては、地元、近隣県のサウンドア ートに関心のある一般社会人や大学生、子どもへ の表現教育も行います。 また、現在再生機器の普及により、音楽を聴取する 機会が個人的経験へと偏重している傾向を鑑み、 実空間内での演奏者の存在と、それを拡張する音 響、空間的アプローチを後押しする機会を積極的に 提供します。近年音楽制作者も、インターネットを通 じた配信を中心とした、限られた環境での音楽聴取 を対象とした制作活動を行われることが多いが、演 奏行為を他者と共有することで、出演者側にとって も新たな音楽のあり方を探るものとします。
【【ライヴ】 sound tectonics#17 2 月(予定) YCAMで同時期開催予定のデザイン、アート、エン ジニアリングの領域を横断し、新しい表現形態や発 信力によって、世界的に注目を集めるクリエイティブ カンパニー、Rhizomatiks による展示作品を使用し た、ライブ演奏、パフォーマンスを予定しています。 Rhizomatiks は 2020 年、東京オリンピック招致のた めの映像制作を手掛けるなど、各分野から注目さ れ る ク リ エ ー タ ー 集 団 で あ る が 、 Y C A M で は Rhizomatiks の中心メンバーである、真鍋大度、石 橋基らとは、開館以来、共同で作品制作やコンサー トの開催を行ってきました。日進月歩で進展する技 術革新の結果、生み出される新たなツールを、表現 手法へと落とし込み、これまでに見たことのない映 像、音響、機械機構の使用法を Rhizomatiks は提供 してきました。YCAM の制限の少ない空間の柔軟性 を活かした、実験的な作品発表が予定されており、 観測機器とそれを視覚化、可聴化するシステムを 組み合わせた空間の中で、展示作品と融合したラ イブコンサートイベントを開催します。 【シネマ】 YCAM シネマ 通年 毎週金、土、日曜日 映画を映像表現、映像芸術の視点から、巨匠から 新人作家、アニメーションからドキュメンタリーまで 幅広いジャンルの新旧の優れた作品を上映し紹介 します。新たな観客の発掘を兼ねた市民サービス 的な意味合いも含んだ集客の見込める作品も年に 数本上映し、映画愛好家だけでなく、様々な年齢層 やニーズにむけた作品を上映することで新たな観 客の発掘につなげていきます。 【シネマ】 YCAM 爆音映画祭 2015 8 月 28 日(金)~30 日 (日) 2013 年、2014 年と開催し、新たな映画の楽しみ方、 見方を提案し、来場者の多くから大変好評を博して いる YCAM 爆音映画祭を 2015 年も開催します。2 年連続で YCAM にて開催していることによって認知 も高まっており、東京・福岡・広島などからも来場者 を望めるアピール力の高いイベントです。 爆音は年 2 回に分けての開催とし、8 月の「YCAM 爆音映画祭」ではメジャー作品を含む映画作品を中 心的にラインナップします。 2015 年アメリカでの爆音映画祭の開催の準備も進 んでおり、(2 月現在)アメリカでの開催が決定すれ ば そ ち ら を 「 BAKUON WEST 」 、 日 本 は 「 BAKUON EAST」というタイトルで展開する可能性もあり、その 場合 YCAM での爆音映画祭を日本の拠点としてア ピールします。 【シネマ】 真夏の夜の星空上映会 8 月 14 日(金)~16 日 (日) 山口の真夏の恒例イベントとして定着した真夏の夜 の星空上映会は、お盆近くの金・土・日曜日3夜連 続で行なう野外映画上映イベントです。クラシック作 品、アニメ作品、現代の映画の上映を行なうことで、 幅広い年齢層や日頃映画をご覧にならない層への PR も兼ねています。したがって、上映スケジュール にとどまらず、家族や友だちとともに映画を鑑賞す ることの楽しみをより強く感じられるような演出(空 間づくりや音響の工夫、関連展示等)も行なってい きます。
【シネマ】 オリジナル映 画 制 作 事 業 通年(11 月撮影) 山口市では、映画芸術を通して豊かな暮らしを提案 すべく、幅広いラインナップの映画上映を行なってき ました。しかし、映画のメディアとしての在り方が代 わりつつある今、鑑賞の機会を設けることだけでは 将来におよぶ効果は得られないのではないかと感 じています。このため、YCAM がメディアアートを制 作する際の滞在制作という手法をとり、山口独自の 映画制作を行ないます。プロフェッショナルな観点と 経験をもちつつ、商業的な映画制作のみにとらわれ ない映画監督と協同し、山口で撮影制作する映画 を通じて、新たな映画層の発掘と地域資源の開発・ 発信を行ないます。(予定映画監督:柴田剛) プロモーション事業 通年 最近では SNS をはじめとするプロモーションの手段 も多様化してきました。このことは全国・世界に発信 することの可能性がさらに広がったことを意味して います。メディア技術に強みを持つ YCAM では、す でに SNS を含めたプロモーションも展開しており、 facebook 購読者は約 1 万人、ポータルサイトアクセ ス数は約 46 万 9000 人に達しています。また、 YCAM の芸術表現は開館当初より世界的に発信す ることを想定されているため、サイトやチラシにおい ても英語対応を考慮してきました。結果、facebook では約 4%の 400 人の登録が、またポータルサイト 閲覧者の約 7.8%の 36,723 人が外国人からのアク セスとなっています。英語にとどまらず、東アジアの 文化圏もみすえた多国語対応や、サイトと SNS など の連携性を高める仕組み等、積極的な国内外のプ ロモーションをすすめることで、さらに発信力を強め ていきます。 (ポータルサイトアクセス数 60 万アクセス) 今までの作品紹介サイ トの充実事業 通年 山口市関連サイトの中で、突出して外国人アクセス 数が高いのが YCAM の今までのオリジナル作品を ア ー カ イ ブ し た 動 画 サ イ ト 「 Re-Maks 」 (http://re-marks.ycam.jp)です(日本国外からの再 生回数 7 万 8000 回)。作品の魅力を PR していくこ のサイトを日本語・英語ともに充実させていくこと で、国内外を問わず、来館のきっかけをつくり、実際 の 鑑 賞 ・ 体 験 に つ な げ て い き ま す 。 ま た 、 こ の 「Re-Maks」は、巡回展示の広告塔の役割も担って いるため、このサイトの充実は巡回展示の可能性を 高めることに繋がります。 (再生数 9 万)