【韓国】
8 月の市場動向トピックス
夏休みシーズンの 8 月に訪日韓国人旅行者数の単月過去最高記録を更新 韓国では、7 月中旬から 8 月中旬にかけて学校や会社の夏休みに伴う訪日旅行市場の最繁 忙期となる。今年は繁忙期直前の 6 月に中東呼吸器症候群(MERS)による一時的な訪日 旅行需要の落ち込みが見られた。しかしながら、すぐに年初からの勢いを取り戻し、7~8 月につ いては 6 月の反動需要を含め、例年以上の夏休み需要が見られた。円安の継続や、光復節 50 周年に伴い急遽設定された 8 月 14 日(金)から 16 日(日)にかけての 3 連休も追い風とな り、単月過去最高の訪日者数を記録した。9 月に控える今年の秋夕(チュソク、旧盆)連休(9 月 26 日(土)~29 日(火))は、昨年から法制化された振替休日制の恩恵で 4 連休となってお り、旅行会社へのヒアリング等も考え合わせると、例年以上の訪日韓国人旅行者数が期待で きる。 中東呼吸器症候群(MERS)の韓国のインバウンドへの影響 5 月に発生した MERS は韓国のインバウンドに大きな打撃を与え、6 月の訪韓外国人観光客 数は前年比で 41.0%の大幅減、さらに 7 月では前年比 53.5%と深刻な影響を受けた。 しかし、7 月末には事実上の終息宣言が出され、文化体育観光部では 8 月下旬から外国人 旅行者向けのショッピング観光イベントを実施するなど、様々な事業を積極的に展開しており、 8 月の実績は前年比 25%の減と回復の兆しが見えている。ただし、完全な回復までには今しば らくの時間を要するとみられる。 円安基調の継続 先月の流れから引き続き円安基調で推移。最安値が 8/10 の 100W=10.74 円(100 円 =930.92W)、最高値が 8/24 の 100W=9.97 円(100 円=1003.12W)。円安により、訪日旅行に おける消費に割安感が感じられる状況が続いている。8 月の主なプロモーション活動
旅行会社や航空会社、船舶会社との連携により、オンラインバナー・動画広告、新聞広告、 地下鉄広告、SNS、雑誌広告など幅広く共同広告を展開し、様々なテーマでの日本各地へ の旅行需要を喚起した。 韓国で人気の化粧品ブランド「エスティローダー」とのタイアップによる訪日旅行キャンペーンを展 開し、直島など現代アートを巡るツアーをキャンペーン当選者への賞品として広く周知することで 訪日旅行を促進した。 旅行会社等との共同広告 民間企業とのタイアップキャンペーン【中国】
8 月の市場動向トピックス
単月で過去最高の 591,500 人が訪日 8 月の訪日中国人数は前年同月比 133.1%増の 591,500 人となり、単月として過去最高記録 を更新した。2013 年 9 月以降、24 か月連続で当該月の過去最高を更新している。 訪日クルーズの増加、航空路線網の拡充 クルーズによる訪日客数は昨年 8 月の約 32,000 人(14 隻)から約 133,000 人(53 隻)に大幅 増加。また、航空路線も 7 月に引き続き 8 月に天津-羽田、鄭州-成田、深圳-関空線な どが新たに就航しており、路線の拡充が訪日旅行増加に寄与している。 「抗日戦争勝利 70 周年」による影響は軽微 9 月 3 日の「抗日戦争勝利 70 周年」記念日に向け、テレビや新聞、インターネットなどを通じ 愛国心を煽る多くのプロパガンダが流れたものの、訪日旅行に与える悪影響は軽微であった。 上海株の暴落や人民元切り下げによる訪日旅行市場への影響は見られていない 上海株は 6 月の市場最高値から 8 月末までに約 4 割下落したほか、人民元も計 3 回、率に して 4.65%の切り下げが行われたが、8 月の訪日旅行市場への影響は確認できていない。8 月の主なプロモーション活動
JNTO の微信・微博で、主要ターゲット層である女性訪日リピーターのファンを対象にした上海で のオフ会参加者を募集し、抽選で選ばれた 40 名が参加した。当日は有力ブロガーによる九州 紹介や在上海の自治体等による九州クイズ大会、プレゼント抽選会に加え、消費者行動調 査を兼ねた訪日旅行に関する参加者同士の意見交換およびアンケートを実施した。上海での オフ会は昨年に続き 2 回目の開催であるが、本イベントの様子は、複数のメディアで報じられた ほか、SNS を通して参加者自身からも多く発信され、訪日旅行への関心の高さをうかがわせ た。 ショートムービー「恋恋九州」が 8 月 4 日に JNTO ウェブサイトで公開。九州を舞台に日本人と 中国人との交流を描いたもので、今後イベントでの公開や抜粋版のシネアドや地下鉄広告等 での展開を予定。なお監督には中国でも有名な永田琴を迎え、主演女優には中国で人気急 上昇中の施予斐を起用している。(URL:http://www.welcome2japan.cn/vj/kyushu/lljz) 上海でのオフ会での活発な意見交換 JNTO ウェブサイト内の「恋恋九州」の紹介ページ【台湾】
8 月の市場動向トピックス
8 月として過去最高を記録 8 月として過去最高の 313,900 人を記録し、31 ヶ月連続で各月の過去最高を更新した。7 月 に引き続き夏季休暇による需要が大きく、家族旅行や FIT 層の訪日が好調だった。 LCC の増便 今夏も LCC の新規就航や増便が相次ぎ、訪日客層の裾野拡大や FIT リピーターの再訪、ま た、高雄など特に台湾南部からの需要増加が今後期待される。 【参考】7‐9 月の LCC 新規就航 7 月 高雄-関西便、台北-関西便 タイガーエア台湾 高雄-関西便 スクート 8 月 桃園-羽田便 ピーチ・アビエーション 9 月 高雄-成田便 タイガーエア台湾8 月の主なプロモーション活動
8 月 18 日から 20 日にかけて、台北、台中、高雄の各都市で現地旅行会社を対象に訪日旅 行セミナーを開催。新しい観光スポットやビジット・ジャパン事業のプロモーションなどの情報を提 供し、新たな商品造成を促進した。 8 月 19 日から 9 月 15 日まで四国地方の広告宣伝事業を実施した。20‐30 代の独身層に向 けて、台湾の若手人気女優の紀培慧(テレサ・チー)を起用したショートムービーを軸に新聞、 WEB 広告や TVCM などを展開し、旅行会社を通して四国地方への送客を促している。 訪日旅行セミナー 四国プロモーションの新聞広告原稿【香港】
8 月の市場動向トピックス
単月として過去最高を記録、前月に引き続き夏休みによる旅行需要が増加 8 月の訪日香港人数は、前年同月比 88.8%増の 141,500 人と、同月過去最高を更新し、訪 日香港人観光客数は 31 か月連続で同月過去最多を記録した。7 月に引き続き 8 月は夏休 みによる旅行需要が大幅に増加する月であり、航空券やツアー価格は高騰しているものの、家 族やグループがそろって休暇を取得できるこの時期の旅行の需要が依然高く、訪日旅行者数 の増加に繋がった。 航空路線の季節増便や運行再開、大手旅行会社によるチャーター便の実施 夏休みの訪日旅行需要に対応するため、各航空会社は通常ダイヤに加え、日本線の増便を 行った。さらに、ドラゴン航空が 12 年ぶりに香港-広島便の運航を週 2 便で再開し、大手旅行 会社 EGL ツアーズも長崎へのチャーター便を 6 本運航する等、地方への旅行需要の高まりを 後押ししている。8 月の主なプロモーション活動
JNTO 香港事務所の Facebook(https://www.facebook.com/visitjapanhk)のさらなる新規ファン 数の増加を目的として、訪日旅行の自分撮り写真を募集し、Facebook 上の投票で 1 位を獲得し た方には日本行きの航空券や宿泊が当たるキャンペーン『夏日自拍大激賞-趣拍日本』を実施し た。応募期間は 8 月 20 日(木)~31 日(月)の 12 日間で、Facebook 上で告知した。地獄谷野 猿公苑や高千穂峡、東京スカイツリー等、日本の様々な地方の観光地での自分撮り写真が投稿 された。 割引航空券の販売 『趣拍日本』 Facebook での告知画面 『趣拍日本』 告知ショートムービー【タイ】
8 月の市場動向トピックス
当該月の過去最高を継続的に記録 8 月として過去最高の 31,300 人を記録し、対前年比 6.6%増となった。8 月はタイ市場にとって オフシーズンであり、昨年 8 月に比べ、4 連休がなかったことや昨今の景気後退の影響を受けて、 一桁の伸び率となった。8 月中旬にはタイ国際旅行フェアへの出展やセミナー商談会の実施、6 月に招請したアーティスト「LIPTA」のミュージックビデオを You Tube オフィシャルサイトで公開する など、旅行商品の販売促進や訪日旅行意欲の増進を図った。また、8 月 1 日より全日本空輸 がバンコク~成田線をダブルデイリー化し、週 7 便から週 14 便となったことも増加に寄与した。8 月の主なプロモーション活動
秋季の旅行促進と需要喚起を目的として、8 月 13 日~15 日にタイ・バンコクで開催された 「Thai International Travel Fair#17(TITF♯17)」へ日本からの観光関係事業者 37 団体と共 にジャパンパビリオンを形成して出展し、日本観光情報の発信を行った。 また、8 月 14 日午後にはフェア会場にてタイ旅行事業者等向けセミナー商談会を実施した。セ ミナーでは、6 月に東京で開催されたアジア商談会と合わせて実施した旅行会社招請のコース 内容について、招請へ同行したバンコク事務所職員より詳細紹介を行った。 6 月に岡山、倉敷、姫路、神戸へ招請したタイで人気のアーティスト「LIPTA」のミュージックビデ オが You Tube オフィシャルサイトで公開がされ、訪日意欲の喚起を図った。 TITF#17 出展の様子 ミュージックビデオによる情報発信
【シンガポール】
8月の市場動向トピックス
前年同月比52.6%増の12,600人。12ヵ月連続で各月の過去最高を更新 円安、燃油サーチャージ安が引き続き継続する中、本年は8月9日に建国50周年を迎え、その 前後に休日が設定されたことで、8月7日~10日が4連休となったことや、併せて各航空会社に よる特別運賃プロモーションが展開されたことにより、例年に比べて、海外旅行需要が旺盛とな った。 内部要因としては、7月に共同広告を展開のうえで、同月に実施された旅行博「Travel Revolution」へ出展するなど、大手旅行会社からの訪日特別料金の商品提供などを引き出し、 訪日旅行の露出拡大と早期刈り取りが奏功した。訪日商品の販売実績も前年と比較し堅調 であった。また、当地では、地方自治体等によるプロモーションが継続的に行われており、こうした プロモーション活動が日本のプレゼンスを高め、訪日需要を徐々に底上げしている。8月の主なプロモーション活動
8 月に JNTO シンガポール Facebook で投稿した訪日情報で、Like 数 1 位を獲得したのは 8 月 22 日に投稿した、日本の城と紅葉を紹介した記事(31 万 3 千人リーチ、11,691Likes)で、2 位は 8 月 13 日に投稿した、お得に日本を旅することを紹介した記事(68 万 2 千人リーチ、 11,506Likes)だった。訪日は近年の円安で以前に比べると割安感が出ているものの、基本的 に韓国、タイ、台湾などの競合国への旅行と比べて価格が高いこともあり、お得に訪日旅行を することに対するニーズは根強い。 Facebook での情報発信
【マレーシア】
8 月の市場動向トピックス
前年同月比 23.8%増の 12,300 人 8 月の訪日マレーシア人は対前年同月比 23.8%増であり、8 月として過去最高の 12,300 人を 記録した。韓国で発生した MERS(中東呼吸器症候群)に伴い、先月に引き続き訪韓旅行の キャンセルが相次ぎ、一部、日本へ旅行先のシフトがあったと考えられる。閑散期の FIT 対策と して、航空会社や OTA が各種プロモーションを実施し、訪日旅行ローシーズンにおける需要の 掘り起こしに繋がった。一方、GST6%(物品・サービス税)導入、リンギット安、ナジブ首相の資 金流用問題など、政治・経済の不安は依然として継続しており、国民の消費意欲は減退して いる。このような情勢を反映し、マレーシアからのアウトバウンドはマイナス基調にあるが、訪日旅 行については対前年比増と堅調に推移している。8 月の主なプロモーション活動
8 月 7 日(金)~8 月 9 日(日)の 3 日間、ジョホールバルで開催された旅行博「MATTA JOHOR 2015」に初出展した。総来場者数は昨年より 20%減の 14,000 人であった。来場者か らはゴールデンルートに関する質問の他、リピーターから観光施設の開園時間や入場料等、詳 細な問い合わせも多く、同市場における訪日旅行への注目度の高まりが感じられた。 新規構築を行ったマレーシア向けウェブサイト(http://www.jnto.org.my)の認知度向上を図るた め、マレーシア大手小売店である AEON 社とタイアップした消費者向けキャンペーンを 8 月 3 日 (月)から開始した。マレーシア国内の AEON 各店舗及びモール内小売店舗約 2600 店に新規 サイトの URL を掲載したキャンペーン告知ツールを設置し、ウェブサイトへの誘導及び周知を行っ た。 5 月に北海道から九州まで計 17 日間の撮影を行った、マレーシア人タレントJihan MUSE がホ ストをつとめるムスリム向け TV 番組「Jejak Jupun Jihan」が 8 月 19 日(水)からケーブルテレビ 局 AstroRia、MayaHD にて放映を開始した。全 12 回にわたり日本全国の魅力を同番組を通 じて紹介する。(Astro:マレーシア全世帯数の約 52%にあたる 350 万世帯が契約している、同 国最大の衛星放送 TV 局) MATTA JOHOR 出展の様子 ‘ 消費者向けキャンペーン (左)AEON モールに設置された デジタルサイネージ (上)キャンペーン WEB サイト【インドネシア】
8 月の市場動向トピックス
訪日者数 9,800 人、インドネシアからのアウトバウンド市場が減速する中、堅調な伸びを維持 8 月のインドネシア人訪日者数は、前年同月比 15.9%増の 9,800 人となった。経済成長の減 速や昂進するルピア安(1 米ドル=14,000 ルピア台に突入)により消費者の購買力低下が進み、 海外旅行需要が減少する中、訪日旅行は堅調な伸びを維持している。2014 年 3 月のジャカ ルタ事務所開設以降の現地旅行業界やメディアとのネットワーク拡大、旅行フェアや共同広告 を通じた継続的なプロモーションが成長を下支えしている。インドネシアからの主要渡航先の中 でも、年初からの累計で日本は唯一 2 桁以上の大幅増を記録している。 日インドネシア文化経済観光交流団派遣が決定 去る 6 月 12 日にインドネシア政府が観光目的で訪問する日本人の査証免除を導入したこと を機に、日本・インドネシアの相互交流を促進するため、国会議員や自治体、産業界、観光 関係者等による 1,000 名規模の交流団を 11 月にジャカルタへ派遣することが決定された。 JNTO は、ジャパン・トラベル・フェア、観光交流拡大シンポジウム、訪日旅行商談会を主催し、 二国間の観光交流拡大を図る予定である。8 月の主なプロモーション活動
8 月 18 日ジャカルタ、19 日スラバヤ、21 日メダンにて、インドネシアの現地旅行会社と、日本の 自治体、ランドオペレーター、ホテル、観光施設等との商談会を開催した。日本からは、ジャカル タ 35 団体、スラバヤ 30 団体、メダン 24 団体が参加し、インドネシア側参加者(ジャカルタ 99 社 227 人、スラバヤ 76 社 120 人、54 社 79 人)と熱心な商談が行われた。 商談会の他、日本側参加者による観光地や施設、サービス等のプレゼンテーションも行われた。 各会場とも新たな観光地に関する情報を求める参加者が集まり、特にジャカルタでは満席にな る回も出るほどの盛況ぶりであった。各都市とも、日本以外の国へのツアーが減少する中、好 調な訪日旅行の取り扱いを増やしたい旅行会社が増えていると考えられる。 商談会の様子 セミナーの様子【豪州】
8 月の市場動向トピックス
8 月として過去最高を記録 豪州は、前年同月比 36.8%増の 17,900 人と、8 月として過去最高を記録した。例年 8 月は日 本の酷暑が敬遠され閑散期となる傾向にあったが、訪日プロモーションの効果もあり、年間を通 じた需要への拡大がみられ、今後年間を通じた需要の平準化を期待したい。8 月 1 日~8 月 10 日には、カンタス航空の成田‐ブリスベン線と羽田‐シドニー線の新規就航に合わせ、新聞や ウェブサイト、Facebook 等に PR 広告を掲載するなど共同広告事業を行い、訪日需要喚起を 図った。8 月の主なプロモーション活動
8 月 8 日、9 日の 2 日間にわたり、シドニーにおいて日本アニメ/マンガの祭典「SMASH!」が開 催され、JNTO は訪日観光の PR ブースを出展した。会場が市内から 30 分ほど離れた郊外で あったにもかかわらず、当日は、カラオケ大会、ゲーム、声優のサイン会、優勝者に日本航空提 供の往復チケットが贈られるコスプレ大会などが行われ、アニメ・漫画のキャラクターに扮した来 場者は 2 日間で約 16,000 人(前年比 23%増)と大変な賑わいをみせた。ブース来場者は若 年層の女性が多かった。中には、訪日経験者や直近で訪日予定という人も見られ、依然として クールジャパン人気がオーストラリアでとても高いことを実感した。 8 月 1 日からカンタス航空がシドニー=羽田、ブリスベン=成田の 2 便を新規就航したことを記 念し、同社と共同で新聞「Courier Mail」に日本特集記事を掲載した他、カンタス航空の E メー ルを利用したダイレクトメール(EDm)の発信、Facebook での情報発信などを実施した。 食をテーマとしている雑誌「Gourmet Traveller」に日本特集記事を掲載し、全国各地の日本 食を紹介している。下)Gourmet Traveller および Courier Mail の記事 左)SMASH 出展ブースの様子