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博(生)甲第262号

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Academic year: 2021

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論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報 告 番 号

博(生)甲第262号

氏 名

末富 正之

学 位 審 査 委 員

主査

松 尾 博 文

副査

樋 口 剛

副査

辻 峰 男

論文審査の結果の要旨

末富正之氏は、2010年4月に長崎大学学院生産科学研究科博士後期課程に社会人学生とし て入学し、現在に至っている。

同氏は、大学院博士課程においてはシステム科学を専攻し、所定の単位を取得するとと もに、家庭用の高電圧直流給電システムに関する研究を行い、その結果を学位論文「高電 圧直流給電システムに関する研究」としてまとめ、審査付論文3編を含む参考論文9編を添 えて長崎大学大学院生産科学研究科教授会に博士(工学)の学位を申請した。

長崎大学大学院生産科学研究科教授会は、これを平成2011年12月21日の教授会に付議し

、受理を決定後、上記の審査委員を選定した。審査委員は、主査を中心に論文内容につい て最終試験を行い、論文の審査及び最終試験の結果を2012年2月15日の研究科教授会に報 告した。

本論文では、高電圧直流給電システムの実現に必要な非絶縁型双方向性AC-DCコンバー タ、絶縁型双方向性DC-DCコンバータ、多入力DC-DCコンバータ、高電圧DCコンセント等の 装置とその高速デジタル制御法を提案し、実験的検討を行った。その結果、提案したそれ ぞれの装置は従来のものに比べて高効率化、高性能化を図ることができ、有用であること を確認した。

第1章では本研究の背景として、従来の交流給電方式と直流給電方式の比較を行い、高 電圧直流給電方式の特長と今後の課題を明確にした。また、省エネルギー、省資源の点か ら、家庭においても高電圧直流給電方式が有用であることが示された。

第2章では、高電圧直流バスと商用交流電力系統間の電力変換を行う双方向性のAC-DC コンバータとFPGAを用いたAC-DCコンバータの高速デジタル制御が提案され、定格4kWの 装置が試作され、実験的検討が行われた。その結果、1.4kW 時に98.4%の最大効率、定 格時に効率97.5%、定格の25%時に98.0%以上の効率を確認した。また、定格の20%から 100%の間で力率0.99以上であることが示された。

第3章では、商用低周波絶縁トランスを省くための絶縁型双方向性DC-DCコンバータの

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提案を行い、定格2kWの装置を試作した。その結果、350W 以上の出力に対して97.5%以 上の高効率が得られた。

第4章では、いくつかの太陽電池モジュールなどのように、電圧・電流容量の異なった 複数の入力電源を結合し、それらから適切な大きさの電力を取り出し、同時に出力電圧を 安定化するための新しい多入力DC-DCコンバータを提案し、定格500W の2入力DC-DCコン バータ装置を試作した。その結果、2入力の定格出力を20%から80%まで変化させた時に

、93%以上の高効率が得られた。

第5章では、DC-DCコンバータの入力側で出力電圧の安定化を行うデジタル制御方式の 提案を行い、低価格のデジタルシグナルコントローラ(DSC)を使用して、制御装置を試 作した。オープンループ時の測定値から制御関数を導き出し、それを用いて十分な出力電 圧の安定化を行えることが分かった。

第6章では、高電圧直流給電システムで用いるための高電圧直流スイッチとこの原理を 用いた高電圧直流コンセントを提案し、装置を試作した。その結果、高電圧、大電流に対 応できる直流コンセントが実現できることを示した。

以上のように、本論文は高電圧直流給電システムに関して、システムの高効率化、高性能化 に多大の寄与をするものと評価できる。

学位審査委員会は、電子通信分野において極めて有益な成果を得るとともに、エネルギーエ レクトロニクス学の進歩発展に貢献するところが大であり、博士(工学)の学位に値するもの として、合格と判定した。

また、入学後、掲載された審査付論文が3編あることから、生産科学研究科規定18条た だし書の適用が適当であると判断した。

参照

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