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家庭における技術革新に関する研究(第2報)

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(1)

家庭における技術革新に関する研究(第2報)

家庭における技術革新の依存と適応を左右する要因

中島喜代子・成田 美代・湯川 隆子

増田 智恵・吉本 敏子

TheStudiesonTechnicalImprovementinHome(Part2) TheCauseThatInfluencetheDependenceand AdaptationonTechnicalImprovementinHome

KiyokoNAKAJIMA,MiyoNARITA,TakakoYuKAWA, TomoeMASUDA,TosikoYosHIMOTO

我々の家庭生活を取り巻く、急速な技術革新の進展の状況の中で、生活の向上とともに様々 な問題が生じている。そこで、こうした技術革新への依存の実態と適応の実態を左右する要

因について明らかにすることを目的として調査を実施した。団地と農村の主婦を対象として、

1994年1月〜2月にかけてアンケート調査を行い、団地1,111世帯、農村918世帯の有効サ ンプルを得た。分析の結果、次のような知見が得られた。

モノ所有による技術革新への依存は、空間的に余裕があり、家事の合理化が必要な場合に 大きい。家庭生活の合理化や技術革新に対する態度が積極的・肯定的な場合にも、依存度は 大きくなる。サービス使用による技術革新への依存は、家庭生活の合理化が特に切実でない 家族状況の場合に大きく、サービス使用は現実には家庭生活の合理化に対して大きな比重を

もっていないと考えられる。しかし、家庭生活の合理化方策や技術革新に対する積極的・肯 定的な態度が大きく影響しており、現状では意識面のリードが大きい。

技術革新に対する適応については、年齢、夫・妻の職業等との関連が部分的にとらえられ るが、全体としては核家族や団地居住者等においてメリット評価とデメリット評価の両側面 で生活への大きな影響を示しており、技術革新に対してより意識的に関わっていることが技 術革新に対する適応を左右する大きな要因になっていることが明らかになった。

1.はじめに

技術革新によって、家庭とりまく製品は、パー ソナル化、システム化、装置化、小型化・軽量化 あるいは大型化、高性能化・機能の複合化等が生

じており、これによって使用の簡便化とともに、

いっでも、どこでも、誰でもという、時間、空間、

使用者の選択性が増加した。同時に、時間や労働 力面に対する軽減化を生み、生活にゆとりが生じ てきた。これによって、消費者の中に個性化、多

様化、楽しみ化への要求が大きくなってきてい る1)〜6)。しかし、一方で、製品の仕組のブラッ

クボックス化によって、一度故障等のトラブルが あると対応し切れなくなっている。また、モノの 過度な持ち込みによる住空間の圧迫・混乱等もあ る。このようなモノ自体に関わる問題だけでなく、

使用者個人の精神・心理面あるいは肉体機能面へ の障害、家庭における家族関係や家計への障害、

さらに社会における環境問題やディコミュニレー ション、プライバシーの侵害等への障害等も現れ

‑219‑

(2)

ような要因によって左右されるのかを明らかにす ることは、この問題を解明する上で、大きな意義 があると考えられる。

そこで、本報では、第1報で報告したモノの所 有とサービスの使用、および各生活領域を代表さ せて調査した6品目のうち「保育サービス」を除

いた「洗濯機」「電子レンジ」「電話」「クレジッ トカード」「自家用自動車」の5品目に対するメ リット評価とデメリット評価を左右する要因にっ いて検討する。保育サービスを分析対象から除い たのは、モノに対する評価とサービスに対する評 価には、かなりの評価基準の違いがあるためであ

る。

また、本論文の立場として、適応することが無 条件に良いことであるとは考えない。不適応の状 況が、今後の技術革新のあり方を考える上には大

きな意味があると考える。

2.研究の方法

調査方法、調査対象等は第1報と同様である。

モノ所有については、「衣生活」、「食生活」、

「住生活」、「生理・衛生」、「AV機器・事務機器」、

「住宅設備」の6領域別にその所有品目数を算出 した(各領域の具体的な調査品目については第1 報を参照されたい)。サービス使用については、

「家庭経営」、「衣生活」、「食生活」、「住生活」、

「家族関係」、「趣味等」の6領域別にその使用数 を算出した(各領域の具体的な調査サービスにつ いては第1報を参照されたい)。また、所有して いる5品目に対するメリットとデメリット評価に ついては、第1報で示した適応分析軸a人間発 達軸(al精神・心理面、a2肉体機能・健康面)、

b生活の合理化・効率化軸(bl時間面、b2空間 面、b3経済性面、b4労働力面)、Cモノ自体の性 格軸(cl性能・機能・取り扱い難易度、C2修理・

補修、トラブル時の対応)、d家族・社会軸(dl 家庭内、d2家庭外)のal〜d2の各軸の各側面 別に調査した5品目を合計してその評価項目数を 算出した(具体的な評価項目の内容は、第1報を 参照されたい)。評価項目数の算出の仕方は、「特 に思う」「思う」「思わない」の3選択枝の中から

「特に思う」「思う」に回答したものについてカウ

(居住地域、居住年数、部屋数、延床面積)、家事 合理化の状況(家族の協力、外部サービス等の利 用、便利な道具の導入、情報利用の強化、地域・

友人との共同、住まい・台所の改造)、技術革新 に対する態度(技術革新を家庭に取り入れること に対する態度、技術革新と人間発達との関わりに ついての考え)の4側面であり、これらの要因別 にモノ所有、サービス使用、メリット評価とデメ

リット評価の領域あるいは軸別各側面の個数を算 出し、技術革新に対する依存と適応の実態を左右 する要因について検討した。

3.調査結果と考察

1)モノ所有品目数、サービス使用数、メリット とデメリットの評価数の傾向について

モノ所有品目数

各領域別のモノ所有品目数を、図1に示す。

「衣生活用品」、「食生活用品」、「住生活用品」、

「生理・衛生用品」については、その平均所有品 目数は、全調査品目数のほぼ中央に位置しており 全品目の約5〜6割所有されているが、「AV機器・

事務機器」と「住宅設備」は中央より少ない方に 片寄っており、「AV機器・事務機器」で約4割、

「住宅設備」で約3割の所有で全体的に所有品目 数は少ない傾向がある。

サービス使用数

各領域別のサービスの使用数を、図2に示す。

各領域の平均サービス使用数が各領域の全調査サー ビス数に占める割合は、約1〜4割となっており、

モノ所有の場合よりもかなり少なくなっている。

特に「家族関係」のサービス使用は少なく、「食 生活」領域のサービス使用はやや多い。

メリット評価数

各適応分析軸の各側面別のメリット評価数を、

図3に示す。各側面における平均メリット評価数 が全調査メリット評価数に占める割合は約2〜5 割である。評価数の割合が高いのは、「生活の合 理化・効率化」軸の時間面(bl)と労働力面(b 4)、モノ自体の性格軸の性能・機能・取り扱い難 易度面(cl)であり、逆に少ないのは人間発達軸

(a)と家族・社会軸の家族への影響面(dl)で ある。

ー220‑

(3)

1 2 3 4 5 8 T

個数

A.衣生活用品(平均5.3)

%

】(D

8】

■)

五)

O 1 2 :】 1 5 6 7 8

個数

D.生理・衛生用品(平均4.5)

2 1 る 8 1() 12 11 16 Ⅰ8 21

個数

1 2 3 1 5 8 丁 8 91(〉llI2131115161T1819

個数

B.食生活用品(平均10.9)

1(I12111618 20 22 2J126 28

個数

% ED

さ)

t)

E.AV機器・事務機器(平均11.9)

図1 モノ所有数の傾向

Z 3 1

個数

A.家庭経営(平均4.4) B.衣生活(平均3.3)

2 3 1 5 7 8 g 1011121311

個数

D.住生活(平均3.5)

,(

】の

00

1町

m

1 2 3 1 5 8 丁 8 910111213151617181i120

個数

E.家族関係(平均2.3)

図2 サービス使用数の傾向

すなわち、技術革新に対しては、時間面、労働 力面の軽減化とモノ使用の簡便化を評価している が、使用者個人の精神的、肉体的機能の発達や家 族のコミュニケーション等への影響に対する評価 は低い。

・宮÷デメリット評価数

各適応分析軸の各側面別のデメリット評価数を、

図4に示す。各側面における平均デメリット評価

2 1 6 8 10 Ⅰ2 14 16 Ⅰ8 20 22

個数

C.住生活用品(平均11.5)

,(

l∝l

n

8)

t)

p

1 2 3 1 5 6 T 8 9

個数

F.住宅設備用晶(平均2.5)

2 3

偶数

C.食生活(平均2.6)

2 3 ▲ 5 6 7 8 01011121311151818

個数

F.趣味など(平均4.7)

数が全調査デメリット評価数に占める割合は約 1〜2割であり、メリット評価の場合より少なく なっている。その中でもややデメリット評価が多 いのは、生活の合理化・効率化軸の経済性面 (b3)と家族・社会軸の社会への影響面(d2)で ある。

すなわち、技術革新によって、経済的な圧迫や 社会への影響について、問題意識を感じていると

‑221‑

(4)

1 2 3 1 5

個数

al.人間発達軸:精神・心理面 (平均1.7)

1 2 3 ▲ 5 も

個数

% l山

■)

2 3 ■ 5

個数

1 2 3 1

個数

5 8 8 g lO ll

a2.人間発達軸:肉体機 bl.生活の合理化・効率化軸:

能・健康面(平均1.2) 時間面(平均6.1)

個数

b2.生活の合理化・効率 b3.生活の合理化・効率化 化軸:空間面(平均1.7) 軸:経済性面(平均1.3)

8 1 2 3 4 5 6 丁 6 9 10 1112 1a

個数

cl.モノ自体の性格軸:性能・機 能取扱い難易度(平均5.3)

% l(刀

0

3 4

個数

b4.生活の合理化・効率化軸:

労働力面(平均2.9)

1 2 3 1 5 6 T $ 0 10 11

個数

dl.家族・社会軸:家族内 (平均2.3)

図3 メリット評価数の傾向

考えられる。

2)モノ所有を左右する要因

各生活領域におけるモノ所有の品目数と家族条 件(家族人数、家族型、夫職業、妻職業、妻の年 齢)、空間条件(居住地域、居住年数、部屋数、

延床面積)、家事合理化の状況(家族の協力、外 部サービス等の利用、便利な道具の導入、情報利 用の強化、地域・友人との共同、住まい・台所の 改造)、技術革新に対する態度(技術革新を家庭 に取り入れることに対する態度、技術革新と人間 発達との関わりについての考え)の4側面との関 連を分析する。

家族条件

各生活領域のモノ所有について、各家族条件の カテゴリー別に算出した平均所有品目数を、図5 に示す。「AV機器・事務機器」、「衣生活用品」、

% l(D

■)

0 2 3

個数

d2.家族・社会軸:

家庭外(平均1.3)

「生理・衛生用品」「食生活用品」では、家族人数 の多い方が所有品目数が増加し、同時に拡大家族 の方が所有品目数が多くなっており、家族構成に よる影響が大きい。しかし、住生活用品や住宅設 備等世帯単位での使用が多いものについては影響

は顕著でない。

また、「衣生活用品」、「AV機器・事務機器」、

「食生活用品」、「住生活用品」等多くの生活領域 で、若年層に所有品目数が多い傾向がみられる。

妻の職業では、「AV機器・事務機器」、「衣生 活用品」、「住生活用品」、「住宅設備用品」等多く

の生活領域において、有職の場合に、所有品目数 が多くなっている。夫の職業では、「食生活用品」、

「住生活用品」、「生理・衛生用品」、「AV機器・

事務機器」等多くの生活領域で、管理職や自営業 に所有品目数が多くなっているが、「衣生活用品」

では、農業や自営業に所有品目数が多い。

ー222‑

(5)

% lm

覆〉

0

E〉

O 1 2 3 1 5 ̀ 丁 8

個数

al.人間発達軸:精神・心理面 (平均0.9)

% lα)

8】

p

0 1 00

個数

b2.生活の合理化・効率

)〈

l00

Ⅹl

0 1 2 3 1 5

個数

a2.人間発達軸:肉体的機能 健康面(平均0.9)

5

個数

2 3

個数

ヽ lm

p

1 2 3

個数

bl.生活の合理化・効率化 軸:時間面(平均0.6)

2 3 1 5 8 7 8 9 1(】12 14

個数

b3.生活の合理化・効率化軸:b4.生活の合理化・効率化 cl.モノ自体の性格軸:性能 化軸二空間面(鞘0‑2)経済性面(平均1.6)

!〈

t)

Jl

O I 2 3 4 5

個数

c2.モノ自体の性格軸:修理・補修・

トラブル時の対応(平均0.7)

軸:労即摘(平均0.3) 機能取扱い難易度(平均1.7)

,〈

l00

白:l

t)

ⅩI

3 1 5 0 1

偶数 個数

dl.家族・社会軸:家族内 d2.家族・社会軸:

(平均0.8) 家庭外(平均0.5) 図4 デメリット評価数の傾向

拡大家族

7人〜

5人6人 3人4人

1〜2人

家族人数 家族型

核家族

51歳〜

46〜50歳 41〜45歳 36〜40歳 20〜35歳

芸理由務謂宮の

業門職業職妄働業他職 農専管自事璧一自そ無

7て:.一

妻年齢 妻職業 夫職業

衣生括用品 ‑住生活用晶 →ユー一生理衛生用晶 一一書‑一食生議用品 こ‑ヱトー一任宅設備 ‥・AV機器・事務機器

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図5 モノ所有数と家族条件との関連

‑223‑

(6)

農村

16年〜

‖〜15年

6〜10年

1〜5年

居住地域 居住年数

‑一衣生活用品 ‑★一任生活用品 一一口一生哩衛生用品

‑‑■‑一食生括用品 =ニ合一一任宅設備 ‑‑ムー AV機器・事務機器

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す

図6 モノ所有数と空間条件との関連

空間条件

各生活領域のモノ所有について、各空間条件の カテゴリー別に算出した平均所有品目数を、図6 に示す。

「衣生活用品」、「食生活用品」、「AV機器・事 務機器」は農村地域に所有品目数が多く、同時に 居住年数が長い場合に多くなっている。「住生活 用品」、「住宅設備用品」については、団地居住者 で所有品目が多く、居住年数の短い場合に多くなっ ており、新興住宅や建築年度の新しさが大きな要 因になっている。

部屋数、延床面積に共通して、住宅が広い場合 に各生活領域において所有品目数が多くなるが、

特に、「衣生活用品」、「食生活用品」、「住生活用 品」、「AV機器・事務機器」において顕著である。

家庭生活の合理化に対する方策

各生活領域のモノ所有について、各家庭生活の 合理化に対する方策の有無別に算出した平均所有 品目数を、図7に示す。

家庭生活を合理化するためにとっている方策に ついて調査した。方策の内容は、1家族の協力を たかめる(家族協力)、2外部サービス・外部委 託の利用(外部サービス利用)、3便利な道具

(家電製品を含む)の導入(便利な道具導入)、4 情報利用・管理の強化(情報利用)、5地域・友 人との共同・連携(地域共同)、6住まい・台所 などの改造(住まい改造)、の6側面であり、そ れぞれについて行っているかどうかを問うている (以下の文中では、()のように略す)。

全ての生活領域において、「便利な道具導入」

や「住まいの改造」を行っている場合に所有品目 数が多くなっている。また、「食生活領域」では

「家族協力」を行っている場合に、「住生活領域」、

「住宅設備」、「AV機器・事務機器」では「情報

利用」を行っている場合に所有品目数が増加して

いる。

すなわち、モノや空間によって生活の合理化を 図っている場合には全般的にモノの所有が増加し、

新しい合理化方策である「情報利用」を行ってい る場合には、住関係やAV用品が増加している。

また、家族のコミュニケーションや楽しみ化とっ ながる「家族協力」を行っている場合には、家族 共同的性格の強い食生活領域の所有が増加する傾 向があるといえる。

技術革新に対する態度

各生活領域のモノ所有について、各技術革新に

‑224‑

(7)

しない

A.家族協力 B.外部サービス利用 C.便利な道具導入

D.情報利用 E.地域共同 F.住宅改造

衣生括用品 一任生活用晶 一」コ一生哩衛生用品

‑」■一一食生活用品 二言‑‑一住宅設備 ‑‑‑‑‑ム AV機器・事務機器

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図7 モノ所有数と家庭生活の合理化方策との関連

‑225‑

(8)

その他ついていけない

取nノ人九ない

世同並みー岳甘ソ人九る

で壷り入九る

A.技術革新の家庭へ B.人間の技能 の取り入れ

D.人間の知的能力 E.人間の情操・感性

C.人間の個性

整い

わからない

F.人間関係・家族関係

・壬 衣生活用晶 一任生活用晶 ‑1ユー一生理衛生用品

‑」■‑一食生括用品 =ニ宅卜ユー住宅設備 ↓AV機器・事務機器

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図8 モノ所有数と技術革新に対する態度との関連

‑226‑

(9)

拡大家族

7人〜

6人 5人 4人 3人

1〜2人 核家族

51歳〜

46〜50歳 41〜45歳 36〜40歳 20〜35歳

白り

ノーヾ

芸理由務

業門職業職

販売

サービス ①ぼ①①α

白]

般労働

家族人数 家族型 妻年齢 妻職業 夫職業

‑‑‑‑‑一号一 家庭経営叫・塵・仙食生活 ‑‑{ト一家族関係

‑一闊‑一衣生活 培二=住生活 ‑‑‑ 趣味など

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図9 サービス使用数と家族条件との関連

対する態度のカテゴリー別に算出した平均所有目 数を、図8に示す。

技術革新に対する態度として、技術革新を家庭 に取り入れることに対する考え方を調査している。

回答は、1技術革新をできるだけ取り入れて、生 活を便利にしたい(取り入れる)、2技術革新は 世間並に適度に取り入れたい(世間並に取り入れ

る)、3技術革新によって、人間や生活に歪みが でてくるので、できるだけ取り入れないようにし

たい(取り入れない)、4技術革新にはついてい けない(ついていけない)、5その他、の5カテ ゴリーから1つを選択する方法をとった(以下の 文中では()内のように略す)。また、技術革 新が人間発達に対する関わりについての考えを調 査した。人間の発達の側面として、1人間の技能、

2人間の個性、3人間の知的能力、4人間の情操 や感性、5人間関係や家族関係、の5項目につい て、それぞれ「促進する」「低下させる」「わから ない」の3選択から1つを選択する方法とした。

技術革新の家庭への取り入れに対して積極的な 場合に、「生理・衛生用品」を除く全ての生活領 域でモノ所有が増加している。

「食生活用品」、「住生活用品」、「住宅設備用品」

については、人間発達の多くの部分と関連してお り、技術革新が人間発達を促すと考える場合にモ

ノ所有が増加している。また、人間発達面のうち、

人間関係・家族関係を豊かにすると考える場合に は、生活の全ての領域におけるモノ所有が増加し ている。すなわち、食や住の部分におけるモノ所 有は、特に技術革新に対する態度との関連が強く、

また、人間発達面の中で、個人の能力等と異なる 人間関係・家族関係という人のコミュニケーショ

ン部分に対しても技術革新が良い影響を与えると 考える場合には、モノ所有の増加に対して大きな 影響があるといえる。

以上のように、モノ所有は、家族条件や空間条 件が大きく影響している。すなわち、空間的に余 裕があり、家庭生活の合理化を必要とする家族条 件がモノ所有に影響している。また、若い世代に

モノ所有が多く、建設年度の新しい家庭に多い。

さらに、家庭生活の合理化をモノや空間によって 図ろうとしている場合にモノ所有が多く、技術革 新を家庭に積極的に取り入れ、技術革新が人間発 達に与える影響を肯定的にとらえる場合に、モノ 所有が増加するといえる。

3)サービス使用を左右する要因

各生活領域におけるサービス使用の項目数と家 族条件(家族人数、家族型、夫職業、妻職業、妻

ー227‑

(10)

農村

個数3

①⑤

①①①16年〜

‖〜15年

6〜10年

1〜5年

A.居住地域 B.居住年数

10室〜

8室9室 7室 6室 5室

1〜4室 70坪以上60〜70坪50〜60坪40〜50坪30〜40坪20〜30坪20坪未満

C.部 D.住宅の延床面積

→‑‑一家庭経営山・い血・‑一食生活 →}‑一家族関係

‑一路‑一衣生活 一亡告こ二住生活 ‑‑‑ 趣味など

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図10 サービス使用数と空間条件との関連

の年齢)、空間条件(居住地域、居住年数、部屋 数、延床面積)、家事合理化の状況(家族の協力、

外部サービス等の利用、便利な道具の導入、情報 利用の強化、地域・友人との共同、住まい・台所

の改造)、技術革新に対する態度(技術革新を家 庭に取り入れることに対する態度、技術革新と人 間発達との関わりについての考え)の4側面との 関連を分析する。

家族条件

各生活領域のサービス使用について、各家族条 件のカテゴリー別に算出した平均所有品目数を、

図9に示す。

家族人数では、3〜4人の家族で、家族型では、

核家族でサービス使用が多くなっている。

妻の年齢では、「家庭経営」や「住生活」サー ビス等家事労働に関係の強いサービスでは、高齢 層に使用が多くみられ、「趣味など」のサービス 使用は、若年層に多い等、生活領域によって違い

がみられる。

妻の職業では、「家庭経営」、「住生活」、「食生 活」等へのサービス使用は、無職あるいはパート の場合に多くなっている。夫の職業では、「家族 関係」を除く他の生活領域の諸側面において、専

門職、管理職でサービス使用が多くなっている。

すなわち、あまり家庭生活の合理化が必要な家族 条件でない場合やホワイトカラー層でサービス使 用が多くなっているといえる。

空間条件

各生活領域のサービス使用について、各空間条 件のカテゴリー別に算出した平均使用項目数を、

図10に示す。

居住地域では、「家族関係」のサービスを除く 他の生活領域の諸側面に対するサービス使用にお いて、団地居住者の方が多くなっている。同時に、

居住年数も長くない場合にサービス使用は多くなっ ている。

部屋数、延床面積等の住宅の広さの側面では、

「衣生活」、「食生活」、「住生活」サービスについ て、中規模の場合に使用が多くなっており、モノ 所有の場合のような空間的な余裕とは関連が無い といえる。また逆に、空間的余裕が無いことによっ てモノ所有よりもサービス使用に依存するという 関連もみられない。

家庭生活の合理化に対する方策

各生活領域のサービス使用について、各家庭生 活の合理化に対する方策の有無別に算出した平均

一228‑

(11)

A.家族協力

D.情報利用

B.外部サービス利用

E.地域共同

C.便利な道具導入

F.住宅改造 十家庭経営叫・ふ・山食生活 ‑⊂トー一家族関係

‑‑む‑一衣生酒 亡ナチニー住生活 一趣味など

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 囲11サービス使用数と家庭生活の合理化方策との関連

‑229一

(12)

ビス」によって図る場合に多くなっており、「家 庭経営」、「衣生活」、「住生活」、「家族関係」のサー

ビス使用は、「情報利用」あるいは「地域共同」

によって家庭生活の合理化を図る場合に多くなっ ている。しかし、「趣味など」のサービス使用は、

家庭生活の合理化方策との関連はみられない。す なわち、家事労働との関連が強い生活領域におい ては、「外部サービス」や「情報利用」「地域共同」

等の家庭外での社会的合理化方策をとる場合に、

サービス使用が多くなるといえる。

技術革新に対する態度

各生活領域のサービス使用について、各技術革 新に対する態度のカテゴリー別に算出した平均所 有品目数を、図12に示す。

技術革新を家庭に取り入れることに積極的な場 合に「家庭経営」や「趣味など」のサービス使用

が多くなっている。また、技術革新と人間発達と の関わりに対する考えとの関連では、技術革新が 人間の技能を促進すると考える場合に「衣生活」

のサービス使用が増加する。同時に、人間の個性 に対しては「住生活」サービス使用が、人間の知 的能力に対しては「家族関係」を除く生活領域諸 側面のサービス使用が、人間関係・家族関係に対 しては「衣生活」サービスの使用が増加している。

すなわち、モノ所有の場合ほど顕著ではないが、

技術革新を家庭に取り入れることに積極的な場合 にサービス使用が増加し、技術革新が人間発達を 促進すると考える場合にサービス使用が増加する 傾向がある。しかし、儀式・行事との関わりの強 い「家族関係」へのサービス使用については、技 術革新に対する態度との関連はみられない。

以上のように、サービス使用を左右する要因は、

モノ所有の場合と大きく異なっている。空間条件 として空間的余裕あるいは狭さとの関連はなく、

むしろ、サービス機関の立地条件による側面によ る影響が強いと考えられる。また、家事合理化を 特に必要としないと考えられる専業主婦の場合に サービス使用が多い。また、妻の高齢層でサービ ス使用が多く、モノ所有が若年層に多かったこと と合わせて考えると、高齢層はモノ所有によって 生活の合理化を図るよりもサービス使用による解 決を図っていると考えられる。

革新の家庭への取り入れに積極的で、人間発達面 との関連も肯定的な場合にサービス使用が多くな るといえる。

4)メリット評価を左右する要因

各適応分析軸の各側面におけるメリット評価数 と家族条件(家族人数、家族型、夫職業、妻職業、

妻の年齢)、空間条件(居住地域、居住年数、部 屋数、延床面積)、家事合理化の状況(家族の協 力、外部サービス等の利用、便利な道具の導入、

情報利用の強化、地域・友人との共同、住まい・

台所の改造)、技術革新に対する態度(技術革新 を家庭に取り入れることに対する態度、技術革新

と人間発達との関わりについての考え)の4側面 との関連を分析する。

家族条件

各適応分析軸の各側面のメリット評価数につい て、各家族条件のカテゴリー別に算出した平均評 価数を、図13に示す。

家族人数との関連はあまり顕著ではないが、家 族型では、核家族の場合に「生活の合理化・効率 化軸(b)と「家族への影響」(dl)に対して、

メリット評価数が多くなっている。

妻の年齢では、「肉休機能・健康面」(a2)、

「労働力面」(b4)に対するメリット評価数は高 齢層で多く、「時間面」(bl)に対するメリット 評価数は若年層で多くなっている。また、「性能・

機能・取り扱い難易度」(cl)に対しては、若年 層と高齢層の両端で、メリット評価されている。

妻の年齢では、「空間面」(b2)、「労働力面」

(b4)に対するメリット評価数は有職者に多く、

「肉体機能・健康面」(a2)、「経済性」(b3)、「家 族への影響」(dl)に対するメリット評価数は専 業主婦に多い。夫の職業では、「生活の合理化・

効率化」(b)に対するメリット評価数は専門職・

管理職で多く、「人間発達軸」(a)と「家庭外へ の影響」(d2)に対するメリット評価数は、農業・

自営で多くなっている。

空間条件

各適応分析軸の各側面のメリット評価について、

各空間条件のカテゴリー別に算出した平均評価数 を、図14に示す。

「精神・心理面」(al)、「生活の合理化・効率

‑230‑

(13)

その他ついていけない

取り入れない

世間並みに取り入れる

できるだけ取り入れる

A.技術革新の家庭へ の取り入れ

わからない

D.人間の知的能力

B.人間の技能

わからない

E.人間の情操・感性

伸ばす

C.人間の個性

F.人間関係・家族関係

家庭経営叫・塵・叫食生活

‑‑0一家族関係

‑‑坤‑一衣生活 一丁告二住生活 ‑‑‑ 趣味など

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 囲12 サービス使用数と技術革新に対する態度との関連

‑231‑

(14)

個数 7人〜6人5人4人3人1〜2人

A.家族人数

核家族

B.家族型

51歳〜

46〜50歳 41〜45歳 36〜40歳 20〜35歳

C.妻年齢

D.妻職業

個数

般労働

販売・サービス

農林漁業

E.夫職業

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図13 メリット評価数と家族条件との関連

化」(b)、「性能・機能・取り扱い難易度」(cl)、

「家族への影響」(dl)に対するメリット評価数 は、団地居住者で多くなっている。しかし、部屋 数、延床面積等の住宅の広さとの関連はみられな

い。

家庭生活の合理化に対する方策

各適応分析軸の各側面のメリット評価について、

各家庭生活の合理化に対する方策の有無別に算出 した平均評価数を、図15に示す。

家庭生活の合理化を積極的に行おうとしている 家庭では、どのような合理化の方策をとる場合に

‑232‑

(15)

農村

16年〜

‖〜15年

6〜川年

1〜5年

10室〜

8室 9室 7室 6室 5室

1〜4室 70坪以卜60〜70坪50〜60坪40〜50坪30〜40坪紺〜30坪20坪未満

A.居住地域 B.居住年数 C.部 D.住宅の延床面積

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図14 メリット評価数と空間条件との関連

個数

おいても、全ての面においてメリット評価が高く なっている。

技術革新に対する態度

各適応分析軸の各側面のメリット評価について、

各技術革新に対する態度のカテゴリー別に算出し た平均評価数を、図16に示す。

技術革新を家庭に取り入れることに積極的な場 合に全ての面についてメリット評価が多くなって

いる。

人間発達面との関連は、基本的に人間発達を促 進すると考える場合に、メリット評価が高い。

5)デメリット評価を左右する要因

各適応分析軸の各側面におけるデメリット評価 数と家族条件(家族人数、家族型、夫職業、妻職 業、妻の年齢)、空間条件(居住地域、居住年数、

部屋数、延床面積)、家事合理化の状況(家族の 協力、外部サービス等の利用、便利な道具の導入、

情報利用の強化、地域・友人との共同、住まい・

台所の改造)、技術革新に対する態度(技術革新 を家庭に取り入れることに対する態度、技術革新

と人間発達との関わりについての考え)の4側面 との関連を分析する。

家族条件

各適応分析軸の各側面のデメリット評価につい て、各家族条件のカテゴリー別に算出した平均評 価数を、図17に示す。

家族人数が3〜4人の中規模の家庭で、デメリッ ト評価が多い。家族型では、「モノ自体の性格軸」

(c)を除き、他の諸側面に対して核家族の場合に、

デメリット評価数が多くなっている。

妻の年齢では、「精神・心理面」(a2)、「時間 面」(bl)、「空間面」(b2)、「社会への影響」

(d2)に対して、高齢層でデメリット評価が多い。

妻の職業では、「精神・JL、理面」(a2)、「空間 面」(b2)、「社会への影響」(d2)に対して、専 門職・管理職でデメリット評価数が多く、「モノ

自体の性格軸」(c)に対しては、自営業と→般職 でデメリット評価が多い。また、社会への影響 (d)に対しては、専門職・一般職・自営業で、

デメリット評価数が多くなっている。

空間条件

各適応分析軸の各側面のデメリット評価につい て、各空間条件のカテゴリー別に算出した平均評 価数を、図18に示す。

「人間発達軸」(a)、「モノの性格軸」(b)に

‑233‑

(16)

A.家族協力 B.外部サービス利用 C.便利な道具導入

個数

D.情報利用 E.地域共同 F.住宅改造

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す

図15 メリット評価数と家庭生活の合理化方策との関連

‑234‑

(17)

A.技術革新の家庭へ B.人間の技能 C.人間の個性 の取り入れ

ーーー■一一一‑ 「

6

わからない

D.人間の知的能力 E.人間の情操・感性 F.人間関係・家族関係

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図16 メリット評価数と技術革新に対する態度との関連

冊235‑

(18)

拡大家族7人〜

6人 5人 3人4人

1〜2人

個数 核家族 51歳〜46〜50歳41〜45歳36〜40歳20〜35歳

ヾ.】卜

農専

理由務 業門職業職

般労働

販売・サービス

A.家族人数 B.家族型 C.妻年齢 D.妻職業 E.夫職業

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図17 デメリット評価数と家族条件との関連

16年〜

〓〜15年

6〜10年

1〜5年

10室〜

9室 8室 7室 6室 5室

1〜4室

A.居住地域 B.居住年数 C.部

70坪以上

60〜m坪

50〜60坪

40〜50坪

30〜40坪

20〜30坪

20坪未満

D.住宅の延床面積

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 園18 デメリット評価数と空間条件との関連

一236‑

(19)

A.家族協力 B.外部サービス利用

D.情報利用

C.便利な道具導入

E.地域共同 F.住宅改造

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図19 デメリット評価数と家庭生活の合理化方策との関連

‑237‑

(20)

A.技術革新の家庭へ の取り入れ

わからない わからない

B.人間の技能 C.人間の個性

わからない

D.人間の知的能力 E.人間の情操・感性 F.人間関係・家族関係

○内の数字は平均値の差の有意差水準を示す 図20 デメリット評価数と技術革新に対する態度との関連

‑238‑

(21)

対して、団地居住者の方がデメリット評価数が多 い傾向がある。また、居住年数も一定程度の居住 年数の段階で、デメリット評価数が多い。

部屋数や延床面積等の住宅の広さでは、住空間 面(b2)に対して、狭い方がデメリット評価が 多くなっている。

家庭生活の合理化に対する方策

各適応分析軸の各側面のデメリット評価につい て、各家庭生活の合理化に対する方策の有無別に 算出した平均評価数を、図19に示す。

家庭生活の合理化に対する方策を積極的に行う とする場合に適応の多くの側面に対して、デメリッ ト評価が多くなっている。特に、「外部サービス 使用」「情報活用」「地域共同」等の家庭外での合 理化方策をとる場合と「住まいの改造」の場合に

は、多側面に対してデメリット評価が多くなる傾 向がみられる。

すなわち、家庭生活の合理化に対する方策を積 極的に行う場合には、メリット評価が多くなると 同時にデメリット評価も多くなるといえる。

技術革新に対する態度

各適応分析軸の各側面のデメリット評価につい て、各技術革新に対する態度のカテゴリー別に算 出した平均評価数を、図20に示す。

技術革新の家庭への取り入れに対して、否定的 な場合、「精神・心理面」(al)、「時間面」(bl) に対してデメリット評価が多くなっている。

技術革新が人間の発達面に対する影響について の考えでは、人間発達のいずれかの側面に対して 技術革新が悪影響を及ぼすと考える場合には、

「家族への影響」(dl)に対してデメリット評価 が多くなる傾向がある。また、人間の技能の発達 を低下させると考える場合には、「労働力面」

(d4)に対するデメリット評価数が多くなり、人 間関係・家族関係を貧困にすると考える場合には、

「人間発達」(a)に対するデメリット評価数が多 くなる。さらに人間の個性や情操・感性の発達を 低下させると考える場合には、「肉体機能・健康 面」(a2)に対するデメリット評価が多くなって

いる。

すなわち、技術革新が家庭生活や人間発達に悪 影響を与えると考える場合には、技術革新に対す

るデメリット評価が多くなり、適応が阻害される と考えられる。

4.まとめ

家庭生活における技術革新に対する依存と適応 の実態を左右する要因について検討するため、団 地と農村を調査対象として調査を実施し、団地1, 111世帯、農村918世帯の有効サンプルを得た。

分析の結果、次のような知見が得られた。

1)各生活領域におけるモノ所有品目数は、衣・

食・住の生活用品と生理・衛生用品については、

全調査品目の5〜6割所有されているが、AV機 器・事務機器と住宅設備はやや少ない。また、各 生活領域におけるサービス使用数は、全調査サー

ビス数の1〜4割で、モノ所有の場合より少なく、

家族関係サービスは特に少ない。

2)各適応分析軸の各側面におけるメリット評価 数は、全メリット調査数の2〜5割で、生活の合 理化・効率化のうち、時間面および労働力面の軽 減化を評価し、モノの性能・機能・取り扱い難易 度に対しても評価が高い。しかし、人間発達と家 族への影響については、評価が低い。一方、デメ

リット評価数は、全デメリット評価数の1〜2割 であり、技術革新に対しては、全体的に評価する 傾向が強いといえる。ただし、経済性の面と社会

への影響については、問題意識をもっている現状

がとらえられた。

3)モノ所有による技術革新への依存は、空間的 に余裕があり、家事の合理化が必要な家族条件の 場合に大きくなる。また、年齢的に若い世代で建 築年度も新しい家庭での依存度も高い。さらに、

家庭生活の合理化をモノや空間によって行おうと している家庭でも依存度が高く、技術革新の家庭 への取り入れが積極的で、技術革新が人間に与え る影響を肯定的にとらえる家庭でも依存度が大き くなっている。

4)サービス使用による技術革新への依存は、サー ビス機関の立地場所が比較的近接している団地の 場合に依存度が高く、年齢的には高齢層で依存度 が高くなっている。しかし、モノ所有による技術 革新への依存の場合と異なり、核家族や専業主婦

の家庭等、家事合理化を切実に必要としない家庭 での依存度が高い。また、家庭生活の合理化を社 会的な解決によっている家庭においても依存度が 高く、技術革新の家庭への取り入れに積極的で、

人間発達との関連も肯定的な場合に依存度が高く

なっている。

5)技術革新に対する適応状況を分析するため、

一239‑

(22)

対してメリット評価が高く適応傾向がみられる。

また、肉体的な衰えと関連する肉体機能・健康面 および労働力面に対しては、高齢層でメリット評 価が高く、日常生活が比較的忙しい若年層では、

時間面に対するメリット評価が高くなっており適 応傾向がみられる。労働力面に対しては妻が有職 者の場合に、家族への影響に対しては専業主婦の 場合にメリット評価が高く適応傾向がみられる。

夫の職業では、ホワイトカラー層では、生活の合 理化・効率化に対してメリット評価が高く、ブルー カラー層では人間発達面や社会への影響面でメリッ

ト評価が高く適応傾向がみられる。さらに、家庭 生活の合理化を積極的に行おうとしている家庭や、

技術革新の家庭への取り入れに積極的で技術革新 が人間発達を促進すると考える家庭でメリット評 価が高く適応傾向がみられる。

6)技術革新に対する不適応の状況を分析するた め、各適応分析軸の各側面についてのデメリット 評価数を基に検討した。相対的にメリット評価が 高く適応傾向が強くみられた核家族や団地居住者

は、デメリット評価も多く不適応の傾向も同時に みられる。また、高齢層、専業主婦の家庭で、デ

メリット評価が多く不適応傾向がみられる。夫が ホワイトカラーの場合、人間発達面においてデメ リット評価が多く、ブルーカラー層ではモノの性 格面に対してデメリット評価が高く不適応傾向が みられた。住宅が狭い場合には、空間面に対する

デメリット評価が多く不適応傾向がある。さらに、

家庭生活の合理化を積極的に行う場合や、技術革 新の家庭への取り入れに否定的で、技術革新が人 間発達に与える影響を否定的にとらえる場合にも デメリット評価が多く不適応傾向がみられる。

状態よりも意識面による影響が大きいといえよう。

技術革新に対する適応については、年齢、夫と 妻の職業等と部分的な関連がみられるが、全体的

に、技術革新に適応を示す家庭において不適応の 状況も同時に現れており、単純に適応家庭と不適 応家庭とに色分けできない状況である。すなわち、

技術革新に対して、より意識的に関わっている場 合には適応と不適応の両側面が現れるといえよう。

このことば、家庭生活の合理化方策を積極的に行 なおうとする家庭で顕著に示されており、技術革 新に対する態度との関連が非常に大きいことから

も理解されよう。

1)水牛くらぶ編:モノ誕生「いまの生活」、晶 文社、1990

2)商品科学研究所+CDI:生活財生態学Ⅲ 3)経済企画庁総合計画局編:21世紀居住の展

望と課題、S62

4)鈴木徳彦:住文化の科学、S62

5)日本住宅総合センター:21世紀を目指す住 宅技術、1993

6)ミサワホーム総合研究所:21世紀の生活ト レンド、1989

7)小此木啓吾:一・五の時代、筑摩書房、1987

以上のように、技術革新に対する依存について は、モノ所有による場合は、家庭生活の合理化が 必要な家族条件やモノを所有しうる空間条件によっ て大きな影響を受けている。しかし、サービス使 用による場合は、家庭生活の合理化が、特に切実 でない家族条件の家庭の方が多く依存している状 況がみられる。このことば、サービス使用の状況 が、まだモノ所有の状況に追いっいておらず、家 庭生活の合理化に対して、あまり大きな比重をもっ ていないこと、あるいは家庭生活の合理化以外の

‑240‑

参照

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20~29 歳 30~39 歳 40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 20~29 歳 30~39 歳40~49 歳 50~59 歳 60~69 歳 70 歳以上 5. 10 15 20 25

家族の協力 外部サービス 便利な道具 情報利用管理 地域・友人 住まいの改造 特に何もしていない. 家族の協力 外部サービス

1971 1973 1975 1977 1979 1981 1983 1985 1987 1989 1991 1993 1995 1997 1999 200 1 0. 10 20 30 40 50 60 70 80

1104 昭和43年12月 日 立 4,000 J= \ ち3,000 コ樹 蓋2,000 1,000 0 ヒ 亜当 男卓 80 70 60 50 40 メ 30LJ 20 10 温水循環量5J/血in

100  90  80  70  60  50  40  30  20 

打合わせ不足 経験不足 安全設備不設置 無理な作業・運転 作業手順書等の未整備 技量未熟 事前調査不足 体調不良 機器整備不良 無理な工程 不注意.

-80  -70  -60  -50  -40  -30  -20  -10