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乳幼児をもつ働く母親にとっての住環境に関する研究

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乳幼児をもつ働く母親にとっての住環境に関する研究

中 島 喜代子

TheStudiesontheDwellingEnvironmentfortheWorkingMothers WhoHaveBabiesandLittleChildren

Kiyoko NAKAJIMA

1.はじめに

現在、我が国では少子化が進んでおり、男女共 同参画社会への動きも現れている。それに伴って 働く既婚女性が増加しており、今後さらにその傾 向は顕著になると考えられる。したがって、働く 女性のための社会的対策を実施することが、特に 必要となっている。働く既婚女性は家事・育児と 仕事の二重負担を抱えており、時間的な余裕もな

くオーバーワークになっているのが現状である。

これを解消するためには、一つは社会的慣習と仕 事の忙しさのため、ほとんど家事・育児に参加し ていない夫の家事・育児参加を押し進めることが 必要であり、企業の対応をさらに進展させる対策 をとらなければならない。二つ目には、夫の家事 参加という家庭内の改善策だけでは解決しきれな

い部分の問題がある。それは、地域・社会のサポー ト体制の充実であり、社会的施設の整備・充実が 急務となっている。

これまで、共働き家庭の生活や家事労働に関す る調査や研究は幾っか行われているが、外部サー ビスを中心にした研究はみられない。

そこで、本研究では、働く既婚女性の生活実態・

生活意識とその問題点をとらえた上で、社会的な 住環境面における問題点、特に、外部サービスに

ポイントを置き、その現状と問題点を探る。その ため、特に家事・育児に最も負担が重いと考えら れる乳幼児をもつ働く既婚女性を対象として調査 を実施する。また、外部サービスの立地条件に強

く関係する調査対象の居住地を、駅に近い便利な 居住地と駅に遠い不便な居住地に分けて、二つの 調査対象別に分析を行う。

本研究は、働く既婚女性をサポートする社会的 施設を整備・充実させるための、改善方向をみい だすことに役立てることができよう。

2.研究方法と調査対象の概要

1)研究方法

本研究の目的を達成するため、乳幼児を持っ働 く既婚女性を調査対象にすることとし、三重県津 市内に所在する8保育所に対して、調査を実施し

た。また、居住地による影響を考慮して、調査対 象を居住地別に分けて分析するため、保育所の所 在地によって調査対象を二つに分類した。一つは、

近鉄の津駅と江戸橋駅に近い保育所に入所させて いる母親であり、他方は両駅に遠い保育所に入所 させている母親である。前者を、「居住地が便利」

な調査対象とし、後者を「居住地が不便」な調査 対象として、分析を行う。回答者は、いずれも母 親である。

調査時期は、平成7年8月〜9月であり、有効 サンプル数は、「居住地が便利」な調査対象226 件、「居住地が不便」な調査対象226件の計452 件である(表1参照)。

表1.調査対象数

配布部数 回収部数 有効部数 居

住 地 が 便 利

さつき保育園 105 75 72

新町保育園 56 44 42

観音寺保育園 48 32 31

津市中央保育園 118 83 81

住 地 が 不 便

高茶屋保育園 143 81 77

雲出保育園 64 38 38

泉が丘保育園 68 39 37

片田保育園 89 75 74

「居住地が便利」 327 234 226

「居住地が不便」 364 233 226 全 体 691 467 452

‑109‑

(2)

2)諷査対象の概要

調査対象の概要を、表2に示す。調査対象全体 では、住宅地居住者が7割、一戸建てが7割、持 家が6割、平均部屋数5室、平均年齢は夫が35 歳、妻32歳、平均家族人数4人、核家族率8割

となっている。居住地別にみると、「居住地が便 利」な調査対象の方が、住宅地、共同立て、借家 居住者が相対的にやや多くなっている。

3.調査結果と考察

1)母親の生活と問題点 a.母親の生活時間

母親の生活時間状況を、表3に示す。母親の出 勤時間は、8時台と9時台で9割以上を占め、夫

よりやや遅く出勤している。帰宅時間は、5時台 と6時台で6割以上を占め、夫よりかなり早く帰 宅している。就寝時間は、夫、妻ともに、11時 台と12時台で7割を占めており、差はない。通 勤時間は、30分以下が9割を占め、夫よりも短

くなっている。しかし、睡眠時問は7時間以下が 7割以上を占め、夫よりも短い傾向がみられる。

すなわち、妻は、勤務に費やす時間は夫より少 なくなっているが、家庭内の仕事に費やす時間が 多いため睡眠時間が少なくなっていると考えられ る。また、夫は出勤時間が早く、帰宅時間が遅い 等、家庭に関わる時間がかなり少ない状況である

居住地が便利

居住地が不便

といえる。

b.家庭生活の状況

家庭生活の状況を、図1と2に示す。家庭にお ける団らんは、「ときどき」あるいは「はとんど ない」が併せて4割あり、平日における夕食の取 り方においても、「帰宅の遅い夫を除いて食べる」

家庭が4割を占める等、夫の家庭生活への参加度 はかなり低い状況である。

c.社会生活の状況

母親の社会活動状況とその活動動機を図3と図 4に示す。母親が、参加している社会活動は、

「自治会・町内会・婦人会」と「PTA活動」を 除いて、ほとんどみられない。

また、社会活動に参加する動機も、「地域住民 との関わりをもつため」と「住民として当然のこ とだから」が多くなっており、個人的な人間関係 や興味、自己の充実など、個人生活を豊かにする ためや、社会をよりよくするために行われること は少ない。

d.家庭生活に対する意識

母親の家庭生活に対する意識を、図5〜7に示 す。母親が、家庭に対してもっイメージは、「家 族との団らんを楽しむ場」と考える者が8割を占 め、「自己の向上のため勉強や趣味をする場所」

ととらえている者は、ほとんどない。

また、家庭生活における優先度においても、

20% 40% 60%

■圧とんと韓日 田嶋々 ■ほとんとない

図1 団らんの状況

一110‑

80% 1α)%

(3)

休日の夕食の取り方

居住地が便利

居住地が不便

0% 20% 40% 60% 80% 100%

暮家族全員で捕って食べる ■別々に食べる 囲帰宅の削、夫を除いて食べる □決まってない

平日の夕食の取り方

図2 夕食の取り方

‑111‑

(4)

居住地域

表2.調査対象の概要 家族形態 件数

地域名

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 住宅地 184 82.5 147 66.8 331 74.7

商業地 3.8

工業地 1.8

住・商・工 混合地 7.9

農業地 3.6 11.7

不明 3 6 9

全体 226 100 226 80 452 88.3

件数 住宅形式

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 一戸建て 148 65.8 184 82.5 332 74.1

連続建て(長屋) 2.0

共同建て(マンシ]ン、アパート) 32.0 15.7 23.9

不明 ロ 3 4

全体 226 100 226 100 452 100

件数 住宅様式

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 専用住宅 189 84.8 191 86.8 380 85.8

店舗併用住宅 6.8

工場併用住宅 0.7

農家 3.8

その他 2.7 2.9

不明 3 6 9

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

部屋数

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 3部屋以下 52 25.6 41 20.2 93 22.9

6部屋以下 54.9

9部屋以下 15.3

12部屋以下 6.2

13部屋以上 0.5 1.0 0.7

不明 23 23 46

全体 226 100 226 100 452 100 平均(部屋数) 5.0 5.6 5.2

件数 所有関係

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数…(%) 件数 (%) 件数 (%) 持ち家(注文住宅) 100 45.7 123 55.9 223 50.8

持ち家(分譲住宅) 14.4

分譲マンション 0.7

公団公社の分譲住宅 3;0.7

公団公社の賃貸住宅 3.6

公営住宅(借家) 5.0

民間借家 21.6

給与住宅(住宅・官舎・公社) 3,2

不明 7 6 13

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

家族形態

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 核家族 185 81.9 168 74.3 353 78.1 拡大家族 41 18.1 58 25.7 99 21.9 全体 226 100 226 100 452 100

\件数

家族人数

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 2人 9 4.0 4 1.8 13 2.9

3人 21.5

4人 45.1

5人 17.5

6人 8.8

7人 3.8

8人 0.2

10人 0 0.00.40.2

全体 226 100 226 100 452 100

平均(人数) 4.1 4.3 4.2

件数 長子の周期

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 未就学 151 66.8 141 62.4 292 64.6

小・中・高 35.0

高卒以上 ロ 0.40.4 2 0.4

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

夫の年齢

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 25歳以下 9 4.4 10 4.7 19 4.5

26〜30歳以下 17.9

31〜35歳以下 31.7

36〜40歳以下 26.7

41〜45歳以下 12.6

46〜50歳以下 3.8

51歳以上 0.5 0.5 0.5

非該当者

不明 2 7 9

全体 226 100 226 100 452 100 平均(年齢) 35.1 34.7 34.9

\件数

妻の年齢

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 25歳以下 18 8.0 23 10.4 41 9,2

26〜30歳以下 32.4

31〜35歳以下 36.7

36〜40歳以下 16.3

41〜45歳以下 4.3

46歳以下 1.1

不明 ロ 4 5

全体 226 100 226 100 452 100 平均(年齢) 31.9 31.4 31.7

‑112‑

(5)

夫の出勤

表3.母親の生活時間 妻の出勤

\件数

夫の出勤時間

居住地が便利 居住地が不便 全 休 件数i(%) 件数 (%) 件数 (%) 午前7時台以前 58 29.9 80 39.4 138 34.8

午前8時台以前 50.9

午前9時台以前 7.8

午前10時台以降 6.5

不明 32 23 55

全休 226 100 226 100 452 100

夫の帰宅

\件数

夫の帰宅時問

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数j(%) 午後4時台以前 10 5.2 12 6.0 22 5.6

午後5時台以前 3.8

午後6時台以前 20.6

午後7時台以前 22.9

午後8時台以前 47.1

午後9時台以降 27.6 22.4 24.9

不明 .34 25 59

全体 226 100 226 100 452 100

件数 夫の通勤時問

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 0分 12 6.2 9 4.3 21 5.2

1〜15分以下 31.2

16〜30分以下 36.2

31〜60分以下 19.7

61分以上 10.3 5.3 7.7

不明 32 19 51

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

夫の就寝時間

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数∃(%) 件数 (%) 件数 (%) 午後9時台以前 7 3.6 14 7.0 21 5.3

午後10時台以前 11.1

午後11時台以前 41.7

午前12時台以前 29.0

午前1時台以降 12.9

不明 31 25 56

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

夫の睡眠時間

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 6時間以下 45 23.1 39 17,3 84 1臥6

7時間以下 36,3

8時間以下 29.2

8時間を超える 4.6 5.7

不明 31 18 49

全体 226 100 226 100 452 100

件数 妻の出勤時間

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 午前7時台以前 田 5.4 14 6.6 25 6.0

午前8時台以前 47.7

午前9時台以前 36.6

午前10時台以降 9.4 9.9 9.6 無職

不明 22 13 35

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

妻の帰宅時間

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数i(%) 件数 (%) 件数 (%) 午後4時台以前 45…22.3 53 25.2 98 23.8

午後5時台以前 23.8

午後6時台以前 41.0

午後7時台以前 8.5

午後8時台以降 3.0 2.9

無職

不明 23 15 38

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

妻の通勤時問

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 0分 田 5.3 15 7.0 26 6.2

1〜15分以下 37.2

16〜30分以下 46.5

31〜60分以下 9.1

61分以上 1.9 1.0

不明 20 13 33

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

妻の就寝時間

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 午後9時台以前 23 10.8 12 5.6 35 臥2

午後10時台以前 1.9

午後11時台以前 18.0

午前12時台以前 41.8

午前1時台以降 34.4 30.1

不明 14 10 24

全体 226 100 226 100 452 100

\件数

妻の睡眠時問

居住地が便利 居住地が不便 全 体 件数 (%) 件数 (%) 件数 (%) 6時間以下 77 35.5 72 32.9 149 34.2

7時間以下 41.1

8時間以下 21.8

8時間を超える 2.3 3.0

不明 9 7 16

全体 226 100 226 100 452 100

‑113‑

(6)

「自分の生活よりも家族の生活を優先する」と考 える者が6割を越えている。

その結果、「忙しく自分の時間がもてない」、

「過労気味である」等、母親はまず自分の生活を 犠牲にしており、さらに、家族団らんや育児にも 支障を感じている者が多い。

自治会・町内会・婦人会の活動

地域の消費者活動

ボランティア活動

地域趣味の会、学習会

PTA活動

政治活動

宗教活動

その他

e.生活環境に対する意識

母親が、日常生活の中で問題と感じている点に ついて、図8に示す。母親は、日常生活の中で、

医療関係の診療時間や商店の営業時間、郵便物の 受け取り等、勤務時間との関わりで生じる部分に

問題点を多く感じている。

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0%

●居住地が便利団居任地が不便■ 全体

園3 社会活動への参加状況

地域住民との関わりを持つため

自分のネットワークを広げるため

興味・関心があるため

自己の充実、向上のため

住民として当然のことだから

生活環境の改善、故事に参加したいため

50.0% 60.0%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0%

■居住地が便利団居任地が不便● 全体

図4 社会活動への参加動機

ー114‑

60.0% 70.0%

(7)

居住地が便利

居住地が不便

0% 20% 40% 60% 80%

■家族の団欒を楽しむ場所 ■自己の向上のための舶や趣味をナる場所 囚仕事の疲れを癒す場所 ロその他

図5 家庭に対するイメージ

居住地が便利

居住地が不便

100%

0% 20% 40% 60% 80%

■ま族も大切だ机自分の生活を優先する ■自分の生活よりも京族の生活をせ先する 盟自分の生活と豪族の生活を同等と考える

図6 家庭生活における優先意識

‑115‑

100%

(8)

また、「居住地が不便」な母親は、交通の便や 公共施設の利用面にも困難を感じており、「居住 地が便利」な母親は、夜間の騒音や地域の活動へ

の参加に困難を感じている。

時間がないため豪族団らんが減る

子どもの孤独感が気になる

子どもの健康状態が気になる

忙しく自分の時間が持てない

過労気味である

子どもの看病、通暁の世話ができない

2)家事労働の現状と問題点 a.家事労働の現状

家事労働の実態と理想について、図9〜11に 示す。家事労働の分担度については、すべて母親 が担当している家庭が半数、一部分家族が担当し ている家庭が4割となっており、母親が家事労働

0.0% 20.0% 40.0%

■居住地が便利団居住地が不便■ 全体

図7 母親の生活に対する意識

交通の便が悪く、通勤等が不便 駐車場が少ない、または遠い タクシーが利用しにくい 公共施設の利用が不便である 宅配便等、郵便物の受け取りが不便である 土日の医療関係の診察時間が短く不安である 夜遅くまで営業している商店が少ない 近隣に対して夜間の掃除、洗濯の音の迷惑が気になる

共用部の掃除、ゴミ置き場の清掃に参加しにくい 自治会、婦人会等の会合や活一別こ参加しにくい

回覧板の回覧が遅くなる その他

60.0% 80.0%

0.0% 10.0% 20,0% 30.0%

■居住地が便利団居任地が不便■ 全体

図8 生活環境に対する意識

‑116‑

40.0% 50.0% 60.0%

(9)

のほとんどすべてを行っている家庭が圧倒的に多 い。したがって、母親一人が仕事と家事労働の二 重負担を抱えている現状が明確である。

しかし、家事負担を軽減するためにとられてい る現状の方策は、家族の協力と合理化機器の設備

居住地が便利

居住地が不便

によると考えている場合が多く、家庭内で行う方 策に偏っている。また、家事分担度の現状から考 えると、母親の家事負担が軽減化されているのは 現実的にはかなり小さいものと思われる。一方、

母親が理想とする家事負担軽減方策では、現状よ

0% 20% 40% 60% 80% 100%

すべて担当半分、家族が担当 国家族がすべて担当している

因 一部分、家族が担当 田 一部分、自分が担当 図9 家事労働の分担状況

豪族の協力によって

合理化の設備によって

キッチン等、住まいの改造によって

外部サービスの利用によって

地域・友人との共同、連帯によって

情報の利用、管理の強化によって

その他

特に何もしていない

0.0% 20.0% 40.0%

■居住地が便利団居任地が不便■ 全体

図10 家事労働の軽減方策(現状)

ー117‑

60.0% 80.0%

(10)

りもすべての方策についてその割合が増加してお り、外部サービスの利用を理想と考える母親が4 割に達している。

b.家事労働による影響

家事労働による影響を、図12と13に示す。家 事労働を、「家族とのふれあいであり楽しみの一 つ」と考える母親が6割存在するものの、「趣味、

家族の協力によって

合理化の設備によって

キッチン等、住まいの改造によって

外部サービスの利用によって

地域・友人との共同、連帯によって

情報の利用、管理の強化によって

その他

特に何もしていない

休息、勉強の時間をとられる」と考える母親が、

最も多い。

また、家事労働の負担がなくなったら行いたい と考える行為には、「趣味・娯楽」「休息・睡眠」

という個人的な行為とともに「家族とのコミュニ ケーションをとる」ことが考えられている。

すなわち、母親にとって、家事労働は個人生活

0.0% 20.0% 40.0% 60.0%

■居住地が便利団居任地が不便■ 全体

図11家事労働の軽減方策(理想)

趣味、休息、勉強の時間をとられる

仕事に十分に取り組めない

家族とのふれあいであり楽しみの一つ

80.0% 100.0%

0.0% 20.0% 40.0%

■居住地が便利団居任地が不便■ 全体

匡=2 家事労働による影響

一118‑

60.0% 80.0%

(11)

仕事のための勉強をする

趣味、娯楽をする

家族とのコミュニケーションをとる

地域活動に積極的に参加する

ボランティア活動をする

休息、睡眠をとる

その他

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100・0%

■居住地が便利団居任地が不便■ 全体

園13 家事労働の負担がなくなったら行いたい行為

を犠牲にする大きな負担であるが、その反面家族 のコミュニケーション手段であり、楽しみでもあ ると考えられている。したがって、家事労働の負 担軽減を図ると同時に、家族のコミュニケーショ

ン手段としてその楽しみ化を進める必要があると いえよう。

3)外部サービスの現状と母親の意識

ここまで、夫の家庭生活への関与度が低いこと、

その結果母莱削ま仕事と家事労働の二重負担を抱え て、個人生活を犠牲にしていることを、とらえて きた。このような母親の個人生活を改善していく ためには、家事労働の負担軽減化を図らなければ ならない。しかし、夫の家事労働参加に多くを望 めない現状では、家事労働の外部サービス利用を 促進させる方策を考えざるをえない。

そこで、本項では外部サービスの現状と外部サー ビスに対する母親の考え方について、検討する。

外部サービスを、表4に示すように、内容別に9 分野に分類し、サービス形式別に「来店形式」と

「宅配・派遣形式」に分類する。

a.外部サービスの立地状況

外部サービスの立地場所について、「家庭の近 く」「仕事場の近く」「通勤途中」の利用しやすい 場所と「利用しにくい場所」別に、その存在の有 無を質問した。居住地別にみた各立地場所別の立 地実態を、図14〜17に示す。

① 家庭の近くにある外部サービスの立地実態

家庭の近くに立地する外部サービスについては、

半数以上の家庭が立地すると答えている外部サー ビスが、45種類中13サービスあり、約3割を占

める。

サービス形式別にみると、全体的に来店形式で ある外部サービスの立地率が高い。

居住地別にみると、「居住地が便利」な家庭の 方に多く立地している外部サービスは、45種類 中33あり、7割以上を占める。したがって、「居 住地が便利」な家庭の方が、外部サービスを利用

しやすい状況であるといえる。

サービス分野別にみると、多く立地している外 部サービスは、買い物、食生活、公共施設の内の 金融関係施設であり、住生活や代行サービスの立 地率は低い。

② 仕事場の近くにある外部サービスの立地実態 仕事場の近くに立地する外部サービスについて は、半数以上の家庭が立地すると答えている外部 サービスは、45種類中4サービスしかなく、家 庭の近くにある場合と比べてその立地率はかなり 低い。

サービス形式別にみると、全体的に来店形式で ある外部サービスの立地率が高い。

居住地別にみると、「居住地が便利」な家庭の 方に多く立地している外部サービスは、45種類 中39サービスあり、9割を占める。仕事場の近

くでも、「居住地が便利」な家庭の方が、外部サー

‑119‑

(12)

表4.外部サービス分類

サービス分野 サ

ス 形 式 全体

来 店 形 式 宅 配・派 遣 形 式

1.食生活 持ち帰り弁当屋 食材宅配サービス

外食用の店 出前サービス

惣菜店 米屋の宅配サービス

喫茶店 酒屋の宅配サービス

4 4 8

2.衣生活 クリーニング店

コインランドリー 仕立て直し屋 衣類寝具保管店 貸衣装店

5 0 5

3.住生活 トランクルーム 掃除用品レンタルサービス

レンタカー店 掃除代行サービス

ビジネスホテル 害虫駆除サービス

ウィークリーマンション 廃品回収サービス

4 4 8

4.保育 保育園 ベビー用品レンタルサービス

乳幼児教室 ベビーシッターサービス

2 2 4

5.買い物 スーパーマーケット コンビニエンスストア デパート

3 0 3

6.教養・趣味・娯楽 サウナ風呂 カラオケボックス カルチャーセンター スポーツセンター ビデオ・CDレンタル

5 0 5

7.医療関係 病院・医院 夜間診療所 往診サービス

2 ロ 3

8.公共施設 郵便局 銀行 図書館

公民館 消費者センター

5 0 5

9.代行サービス 宅配便受け取りサービス 家事代行サービス 家政婦派遣サービス 便利屋

3 4

全 体 31 14 45

‑120■

(13)

持ち帰り弁当屋

劇食用の店 腰薬店 甥秦店

食材宅配サーヒ●ス 出前サーヒ■ス 米屋の宅配サーヒ●ス 酒屋の宅配サーヒ●ス ラリーニンク●店

コインランドリー 仕立て直し屋 衣類寝具保管店 貸し衣装店 扁初二瓦 レン如一店 ヒ'シ'獅テ鼻

ウィークリーマンション

溺除用品レン弗サーヒ●元 旦野草車掌‑ヒ'ス

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■ ぁる【国

ない

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◎各項日、上段一居住地が便利・下段一層任地が不便 叫カイ自乗検定における有意水準1%を示す

♯カイ自乗検定における有意水準5%を示す

図14 外部サービスの立地場所(家庭の近く)

121‑

(14)

獲ち隠旦垂蔓蜃▼

外重用の店 革袋旦̲̲̲̲

翠琴旦▲̲̲̲̲̲̲̲̲▼

食材宅配と単二ろ̲.‑

出前サーヒ■ス 米屋の宅配サーヒ̀ス 酒屋の宅配サービス クリーニンク●店 コインランドリー

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◎各項目、上段一居住地が便利,下段一居住地力く不便

60% 80% 100%

■霊力イ自乗検定におlナる有意水準1%を示す

■カイ自乗検定における有意水準5%を示す

囲15 外部サービスの立地場所(仕事場の近く)

122一

(15)

持ち帰り弁当屋

生食用卑店 腰薬店

喫茶店

食材宅配サーP え 出前サーヒ●ス

米屋の宅配たと二互̲̲

眉犀の宅配サヰ■ス

クリー=ンダ店 コインランドリー 仕立て直し崖 衣類寝具保管店 貸し衣装店 トラン州‑ム

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◎各項目、上段一居住地が便机下段一居住地が不便

60% 80% 100%

榊カイ自乗検定における奄意水準1%を示す

*カイ自乗検定における有意水準5%を示す

園16 外部サービスの立地場所(通勤途中)

ー123

(16)

持ち帰り弁当屋 外食用の店 惣菜店

些黍昼.̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲.

.峯村垂畢生享ユ̲̲ 出前サーヒ●ス 米屋の宅配サービス

顔屋の宅配サービス クリー=ンク●店

コインランドワー 仕立て直し屋 衣類寝具保管店 賃し衣装店 トランクルーム レンタか店 ヒ●シ●ネ始テl ウイークり一マンション 掃除用品レン抽サーヒ●ス 溺嘩代行聖ヒコ.̲.‑▲

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家事代行サーヒース 家政婦派遣サーヒ̀ス 便利屋

0% 20% 40% 60% 80% 100%

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◎各項目、上段一居住地が便利,下段一居住地が不便

**カイ自乗検定におlナる有意水準l%を示す

*カイ自乗検定における有意水準5%を示す

図17 外部サービスの立地場所(利用しにくい場所)

‑124‑

(17)

ビスを利用しやい状況である。

サービス分野別にみると、家庭の近くにある場 合と同様に、多く立地している外部サービスは、

買い物、食生活、公共施設の内の金融関係施設で あり、住生活や代行サービスの立地率は低い。

③ 通勤途中にある外部サービスの立地実態 通勤途中に立地する外部サービスについては、

半数以上の母親が立地すると答えている外部サー ビスは、45種類中4サービスしかなく、仕事場 の近くにある場合と同様にその立地率はかなり低

い。

サービス形式別にみると、全体的に来店形式で ある外部サービスの立地率が高い。

居住地別にみると、「居住地が便利」な家庭の 方に多く立地している外部サービスは、45種類 中37サービスあり、8割以上を占める。通勤途 中にある外部サービスでも、「居住地が便利」な 母親の方が、外部サービスを利用しやい状況であ

る。

サービス分野別にみると、家庭の近くにある場 合や仕事場の近くにある場合と同様に、多く立地

している外部サービスは、買い物、食生活、公共 施設の内の金融関係施設であり、住生活や代行サー

ビスの立地率は低い。

④ 利用しにくい場所にある外部サービスの立地 実態

利用しにくい場所に立地する外部サービスにつ いては、半数以上の母親が立地すると答えている 外部サービスは、45種類中3サービスである。

サービス形式別にみると、全体的に来店形式で ある外部サービスの立地率が高い。

居住地別にみると、「居住地が便利」な家庭の 方に多く立地している外部サービスは、45種類 中6サービスであるが、逆に「居住地が不便」な 家庭の方に多く立地する外部サービスは、18サー

ビスあり、利用しにくい場所にある外部サービス の立地率は「居住地が不便」な母親の方に多くなっ ている。

サービス分野別にみると、利用しにくい場所に 多く立地している外部サービスは、住生活、教養・

趣味・娯楽に関する外部サービスである。

⑤ 立地場所を認知していない外部サービス 居住地別にみた立地場所の認知率を、図18に 示す。半数以上の母親が認知していない外部サー

ビスは、45種類中12サービスあり、そのうちの 8サービスが、宅配・派遣サービスである。15の

宅配・派遣サービスの半数以上を占める。

サービス分野別にみると、立地場所を認知して いない割合が高い外部サービスは、代行サービス と住生活に関する外部サービスであり、居住地に よる差はみられない。

⑥ 外部サービスを利用しやすい立地場所 来店形式の外部サービス31種類について、母 親が利用しやすいと考える立地場所を、「家庭の 近く」「仕事場の近く」「通勤途中」「こだわらな い」のカテゴリーに分けて質問した。居住地別に みた母親が利用しやすいと考える場所を、図19 に示す。

最も利用しやすいと考えられている外部サービ スの立地場所は「家庭の近く」が多く、31種類 の内20と7割を占める。その他の11種類の外部 サービスでは、立地場所に「こだわらない」と考 えられている。「こだわらない」と考えられてい

る割合の高いサービス分野は、住生活や教養・趣 味・娯楽に関する外部サービスであり、利用が日 常的でないサービスである。

また、金融関係施設、保育園、持ち帰り弁当屋 では、「仕事場の近く」に立地している場合が最 も利用しやすいと考える母親が2割程度、持ち帰 り弁当、総菜店、クリーニング店、保育園、スー パー・コンビニでは、「通勤途中」に立地してい る場合が最も利用しやすいと考える母親が2割程 度存在する。

居住地別にみると、全体的に「居住地が便利」

な母親では、「居住地が不便」な母親に比べて、

「仕事場の近く」が最も利用しやすいと考える割 合が、やや高くなっている。逆に、「居住地が不 便」な母親では、相対的に「家庭の近く」が最も 利用しやすいと考える割合が、高い傾向がみられ る。

b.外部サービスの利用状況

外部サービス45種類について、その利用の有 無を質問した。居住地別にみた外部サービスの利 用率を、図20に示す。

45種類の内、19サービスについては、半数以 上の母親が利用したことがあり、16については7 割以上の母親が利用している。

外部サービスの分野別にみると、利用率の高い 外部サービスは、買い物関係、医療関係、公共施 設、食生活関係、と続いている。利用率の低いサー

ビスは、住生活関係と代行サービスであり、立地 率の現状と関連がみられる。

‑125‑

(18)

持ち帰り弁当屋

如転桓直̲̲̲̲.

鱒畢昼.̲̲̲̲̲̲̲.

喫茶店

食材宅茸己サーヒース 塵革竺丁皇:互̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲

米屋の宅配サーヒ●ス 酒屋の宅配サーヒ●ス タリーニンク○店 コインランドリー 仕立て直し屋

垂類寝具保管店

貸し衣装店 トランクルーム

旦卵二昼 ヒーシ●ネスホ剤 り十クリーマンシ]ン

鱒摩周重鎮夕些サニヒ:き̲̲

掃除代行サーヒ●ス 害虫駆酎‑ヒ●ス 廃品回収サーヒ●入

鹿書面

乳幼児教室

へ●ヒ○一用品レンタルサーヒ○ス へ■ヒ●‑シックーサーヒ●ス スー爪○‑マーケット コンヒーコンススけ

妻子ラ≦至‡∈

サウナ風呂 カラオケボック ス カルチャーセンター

スポー・ラセンター ヒ:軍■オ・G.Pレン弗 桓嘩∴医時

空問診車重̲̲▲▲̲▲̲▲▲▲▲▲一 往診サーヒ'乙̲̲̲̲

畢軍属 鱒行▼▼,

図書館

些琴鱒̲̲̲̲̲̲̲̲̲

頭斐者七カー

宅配便受け取りサヰ●ス

展き鎧戸聖亭二ろ̲̲̲̲̲

家政婦派遣サーヒ■ス 甥塑室…̲̲̲

■知っている 囲知らない

◎各項目、上段一居住地が便数L 下段一局任地が不便

■*カイ自乗検定における有意水準1%を示す

*カイ自乗検定における有意水準5%を示す

図18 外部サービスに対する認知状況

一126¶

(19)

持ち帰り弁当屋 外食用の店 惣菜店 喫茶店

クリーニンクー店 ]†ンランドリー

應立て直し屋 衣類雇具保管店 賃し衣装店 ヒ設クルーム 填牡握

ヒ■シ●ネ袖テル ウイークリーマンシ]ン

爆音園

ぅー障‑マーわト

コンヒ◆コンスストア

頁:Jさ:ニト

サウナ風呂 カラオケボックス 別けヤーセンター スポーツセンター ヒ●デオ・CDレン如

扇院・医埠 頭鱒琴頻野 卑便局 銀行

国章鱒▼

j肖声音セント 宅配便受lナ堅クサで互

20% 4脱 6隅 80% 100%

雷鳥に近く醐しやナい

図仕事恥近く朋し叩い■慮勤連中にあり和机や和田

こ細らない

◎各項目、上段一層任地が便利・下段一居住地が不便 **カイ自乗検定における石意水準1%を示す

*カイ自乗検定における毛意水準5%を示す

図19 車】j用しやすい外怒サービスの立地場所

一127‑

(20)

持ち帰り弁当屋 外食用の店

肇薬店

喫茶店 食材葦堅ととろ

出前サービス 米屋の宅配サーヒ■ス 酒屋の宅配サーヒ●ス クリーニンク'店 コインラ〉ドリー

旦重工垂̲ヒ畢̲̲̲̲̲̲▼

垂琴要具保管店

貸し衣装店 トランクルーム

り如二庭̲▲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲

ヒ■シ■ネスホテル ウイークリーマンシヨ〉

摘除用量担ク些ニヒニ哀

調嘩代行サーヒ■ス 害虫駆除サーヒ'ス 廃品回収サーヒース

遷育園

乳幼児教室

へ●ヒ'一用品レンタルサーヒ●ス

ぺ●ヒ■‑シックサヒ●ス

スーハ○‑マーケット コンヒ■コンスストア

亘室ラ三重

サウナ風呂 カラオケボックス

埋葬ニセンター スポー可センター ヒアオ・⊆̲叫頻 溺隆二匡鱒 夜間診療所 鷹診サーヒ'ス 畢犀星̲▲̲……

挙行 図書館

牟犀鱒 消費者セン㌻

宅配便受け取りサービス 家事代行サーヒ◆ス 家政婦顕遣サーrス

康和亘‖.

■ぁる 国ない

囲20 外部サービスの利用状況

128

榊カイ自乗検定における有意水準l%を示す

睾カイ自乗検定における有意水準5%を示す

(21)

居住地別にみると、「居住地が便利」な母親の 方が利用率の高い外部サービスは、45種類中31 サービスと7割を占めており、「居住地が便利」

な母親の利用率が高い。ここでも、立地場所が利 用率に関連する状況が現れている。

しかし、「宅配・派遣」サービスにおいては、

「居住地が不便」な母親の方が利用率の高いサー ビスが14種類中8と多くなっており、立地場所 が関係しない「宅配・派遣」サービスは、「居住 地が不便」な母親にとっては、重要な意味をもっ ているといえよう。

c.外部サービスに対する必要性評価

45種類の外部サービスに対する母親の必要性 評価を、「ぜひ必要」「あったら便利」「なくてい

い」のカテゴリーに分けて質問した。居住地別に みた、外部サービスに対する母親の必要性評価を、

図21に示す。

半数以上の母親が「ぜひ必要」と考えるサービ スは、45種類中11サービスと3割を占める。

「なくていい」と考える母親が半数近くを占める サービスは衣類寝具保管店、ウィークリーマンショ ン、トランクルームの3サービスのみであり、こ れらのサービスは、立地場所の認知率、立地率、

利用率も低い。

サービス分野別にみると、買物関係、医療関係、

公共施設等、日常的に利用するサービスに対する 必要性意識が高い。

居住地別にみると、全体的に、「居住地が不便」

な母親の必要性意識が低くなっており、外部サー ビスの立地状況が影響していると考えられる。

d.外部サービスの利用条件に対する意識 現在の状況において、利用が多くなると考える 改善条件について、サービス形式別に質問した。

居住地別にみた母親が考える改善条件を、図 22〜27に示す。

① 来店形式の外部サービスの場合

サービス時間に対する改善要求が高いサービス は、医療関係、公共施設、買物関係の外部サービ スであり、利用が多く、日常的に利用するサービ スでは、営業時間に対する改善要求が高い。居住 地別にみると、「居住地が便利」な母親の方が、

改善要求は強い。

立地場所に対する改善要求が高いサービスは、

住生活関係、衣生活関係の一部を除いて全般にわ たっており、改善要求は強い。居住地別にみると、

「居住地が不便」な母親の方が、改善要求は強い。

価格に対する改善要求が高いサービスは、全般 にわたっているが、特に利用頻度が高いと思われ るサービスにその傾向が強く、居住地による違い はみられない。

② 宅配・派遣形式の外部サービスの場合 サービス時間に対する改善要求が高いサービス は、出前、往診サービスであり、「居住地が便利」

な母親の方に、改善要求が強い。

サービス内容に対する改善要求が高いサービス は、食材宅配と代行サービスに多く、居住地によ る違いはあまりみられない。

価格に対する改善要求は、全般的に強く、居住 地による違いもあまりみられない。

e.外部サービス利用における最重要条件 現状に関係なく、母親が外部サービスを利用す るにあたって、最も重要であると考える条件にっ いて、サービス形式別に質問した。居住地別にみ た母親が考える最重要条件を、図28と29に示す。

① 来店形式の外部サービスの場合

来店形式の外部サービスについて、時間、立地 場所、価格の中で、利用する上で母親が最重要と 考える条件を検討する。来店形式の外部サービス 31種類の内、時間を最重要条件と考えるサービ スは3種類、立地場所は17種類、価格は11種類 となっており、立地場所を最重要条件と考えるサー

ビスが多い。

サービス分野別にみると、医療関係、公的施設 の内の金融関係施設では、時間を最重要条件と考 える母親が多い。また、非日常的な利用が多いと 考えられる衣生活関係や住生活関係のサービスで は、価格が最重要条件となっている。その他の食 生活、衣生活、保育、買物、教養・趣味・娯楽、

文化面の公的施設等、多くの外部サービスに対し ては、立地場所が、最重要条件と考えられている。

居住地別にみると、「居住地が便利」な母親は、

相対的に「居住地が不便」な母親よりも時間や価 格を重視する傾向が多くみられ、逆に「居住地が 不便」な母親は、立地場所を重視する傾向が多く みられる。

② 宅配・派遣形式の外部サービスの場合

宅配・派遣形式の外部サービスについて、時間、

サービス内容、価格の中で、利用する上で母親が 最重要と考える条件を検討する。宅配・派遣形式 の外部サービス14種類の内、時間を最重要条件

と考えるサービスは医療関係の1種類のみで、そ の他の13種類はすべて価格が最重要条件と考え

‑129‑

(22)

持ち帰り弁当屋

外畏旦取直̲̲̲̲̲̲

惣菜店

喫茶店

剣姫鱒賢二ろ̲̲̲

出前サーヒ:旦.‑̲.̲

米屋の宅配サーヒ■ス 眉犀些宅配サーヒ'ス クリニジク◆店

コインランドリー 仕立て直し屋

垂畢畢具保筆店

賃し衣装店

二転卸互一▲▲̲

セ塑カー店 主○シ●榊テル

ウイークリーマンシ]ン

画壇転転卸亘亘̲

掃除代行生にろ▼▼▼▼▼

害虫駆墜たところ 靡董国昭聖巨コ 厚草里.̲

乳幼児教室

へすと■一用品レンタ脚‑ヒ●ス へ●ヒ■‑シツターサーヒ■ス

ヌーハ○一マーケ外

コンヒ●二エンスストア

享;ハ○‑ト

サウナ風呂 カラオケボックス 仙チ1トセンター

スポーニとセンター

ヒ○デオ・CDレンタル

病院・匡嘩 産閤診療所 往診サーヒ●ス

車重亘ニ▲

垂行 垂車重二二

公民館

溺選者毀ヒ̲̲、▲.̲̲̲̲̲̲.

草野鱒型!翠竺タ:圭二左

家事代行サーヒ●ス

靂垂鱒準華とと二主

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0% 20% 40%

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因あったら便利 ■なくていい

◎各項目、上段一居住地が便利.下段一居住地が不便

60% 80% 100%

t■カイ自乗検定における有意水準1%を示す

*カイ白ま検定にお1ナる有意水準5%を示す

図21外部サービスに対する必要性評価

130

(23)

持ち帰り弁当屋 外食用の店

腰薬店

喫秦昼▼▼̲̲̲̲̲▼̲̲̲▼̲̲̲

̲型二⊇ク●店

⊃イ〉ランドリー 仕立て直し星 衣類寝具保管店 貸し衣装店 上ラカふ‑ム

レンタか店 上●シ●ネ袖テl

ウイークリーマンシ]ン 保育園

乳幼児教室

スーハマーマーケット ヨンヒ◆=以uけ 三:J!:二ト サウナ興員

カラオケボックス 仙チャーセンター スポーツセンター

ちニデオ・CDレン舛 病院・医院

夜間診療所

̲琴摩昼̲̲

.鱒季̲̲̲̲

国章鱒̲.̲̲̲

公民館

鱒雲量毀ヒ̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲̲

宅配便受け取りサーヒ●互

■利用する 国利用しない

榊カイ自乗検定における有意水準1%を示す

◎各項目、上段一居住地が便利・下段 居住地が不便 ■カイ自乗検定におナる有意水準5%を示す

園22 サービス時間の改善(来店形式の外部サービス)

131

(24)

■軌ける 国利用しない

出力イ自乗検定におlナる有意水準1%を示す

◎各項臥上段一居住地が便机下段一居住地が不便 *カイ自乗検定における有意水準5%を示す

図23 立地場所の改善(来店形式の外部サービス)

‑132一

(25)

られている。

全体を通してみると、最重要条件と考えられて いるのは価格、サービス内容、時間の順になって おり、居住地による違いはあまりみられない。

4.まとめ

乳幼児をもつ働く母親にとっての住環境のあり 方を検討するため、三重県津市内の保育所に入所

させている母親を対象として、調査を実施した。

その結果、以下の知見が明らかになった。

1)母親は、家族を優先した生活をしており、夫

と比べて睡眠時問が短く、自分の時間がもてずに 過労気味であるなど、自分の個人生活を犠牲にし

た家庭生活を送っている。父親の方は、在宅時間 が短く、家庭生活への参加度はかなり低い。

2)母親は、医療機関や商店のサービス時間、郵 便物の受け放り、地域活動への参加等、勤務時間 との関わりで生じる問題に、多くの困華を感じて いる。

3)家事労働のはとんどすべてを母親が担ってお り、家事負担軽減策も家庭内で行う方策に偏って いるが、理想としては外部サービス利用を考える

■利用ナる 団刊用しない

*各項目、上段一居住地が便利.下段一居住地が不便

凰24 価格の改善(来店形式の外部サービス)

133【

(26)

皇軍宣寧聖仁ろ....‑‑.

出前サーヒ●ス 米屋の宅配サーヒ●ス 酒屋の宅配サーヒ◆ス 重野用量拉夕蝉ニヒ:旦̲.

周囲岱亘聖ヒろ..̲...

睾卓撃墜鞋仁さ▼̲▼̲̲▼‑▼

廃品回収サーヒ●ス

ヘ'ヒ■一用品レンタルサーヒ●ス ヘ●ヒ●‑ラ9クーサーヒ●ス 往診サーヒ●ス

屡垂岱行生!ユ̲▼̲̲̲̲,...,.

家政婦派遣サーヒ●ス 便利l≡

食材重野聖巨二ろ̲̲̲̲̲̲̲̲

出前サーヒ●ス 華厘の宅配サーヒ■ス 濁屋の宅配サーヒ'ス 周除用品レンタルサゼス

掃除代行た巨ころ 害虫駆除サーヒ●ス 厚串国甥サーヒ●ス

ヘ●ヒ'一用品レンタルサーヒ●ス へ■ヒーーシックーサーヒ●ス 往診サーヒ'ス

家事代行とところ▼̲̲̲▼̲▼̲̲

家政婦派準とと:き▼▼▼▼▼▼

便利屋

0% 20% 4び払

■抑打る 国利用しない

◎各項目、上段一居住地が便利.下段一居住地が不便 ★■カイ自乗検定における有意水準1%を示す

*カイ自乗検定における有意水準5%を示す

図25 サービス時間の改善(宅配・派遣形式の外部サービス)

■利用し机、闘利用ナる

◎各項日、上段一層住地が便利.下段一居住地が不便

図26 サービス内容の改善(宅配・派遣形式の外部サービス)

‑134‑

(27)

食材宅配サーヒ●ス 出前サーヒ●ス 米屋の宅配サーヒ●ス 酒屋の宅配サーヒ●ス

溺勝男暴投型l聖阜コ̲̲

掃除代行サーヒ●ス 害虫駆除サーヒ●ス

虜品回収サーヒ●ス 1:奥:二用品レンタルサゼス

ヘ●ヒーーシ,クーサーヒース 往診サーヒ●ス 革事典草生巨ころ 家政婦派遣サーヒ●ス 便利屋

■瑚ナる 因軸用しない

*各項目、上段一居住地が便利.下段一居住地が不便

凰27 価格の改善(宅配・派;童形式の外部サービス)

母親が増加している。

4)外部サービスの立地場所の現状において、

「家庭の近く」に立地しているサービスは比較的 多いが、「仕事場の近く」「通勤途中」に立地して いるサービスは少ない。サービス形式別にみると、

来店形式のサービスに比べて宅配・派遁形式のサー ビス立地が少なく、認知すらされていない場合が 多い。サービス分野別にみると、いずれの場所に ついても、買い物、食生活、金融関係施設の立地 率は高いが、性生活や代行サービスの立地率は低

い。居住地別にみると、「居住地が便利」な家庭 の方が、いずれのサービスについても、利用しや すい場所での立地率が高く、外部サービスの利用 が行いやすくなっており、居住地による差が大き

い。

5)外部サービスが利用しやすい立地場所と考え られているのは、「家庭の近く」が、圧倒的に多 い。非日常的な利用に関わるサービスについては、

立地場所に「こだわらない」と考える母親が多い。

6)外部サービスの利用状況は、その立地状況と の関連が強く、多く立地しているサービスについ

‑135

ては、利用も多くなっている。居住地別にみると、

来店形式のサービス利用は、「居住地が便利」な 母親に多く利用されている。宅配・派遣形式のサー

ビス利用は「居住地が不便」な母親に多い傾向が みられ、外部サービスの立地率が低い「居住地が 不便」な母親にとっては、宅配・派遣形式のサー

ビスがもつ意味は大きい。

7)外部サービスに対する必要性意識は、利用し やすい場所の立地率や利用率の高いサービスに対 して高い。また、立地率が少ない「居住地が不便」

な母親の必要性評価ほ低い。

8)現状において、利用が多くなると考える改善 要求については、サービス時間に対しては日常的

に利用するサービスに多く、「居住地が便利」な 母親の方に多い。立地場所については、サービス 全般にわたっており、「居住地が不便」な母親に 多くみられる。宅配・派遣サービスでは、サービ

ス時間について「居住地が便利」な母親に多く、

価格に対する改善要求は、全般的に強い。

9)外部サービス利用において、最重要条件と考

えられているのは、来店形式のサービスの場合、

(28)

持ち帰り餐皇室

外食用の店 惣菜店 喫茶店

クリーニンク●店 コインランドリー 仕立て直し屋 衣類寝具保管店 賃し衣装店 土塁今生‑ム レンタカ一店 ヒ'シーネス虎テ1 ウイークリーマ〉シュン

照睾国 乳幼児教皇 スー爪'一マーケ,ト コンヒ◆=Dススけ

〒▲∧●斗 サウナ風呂

カラオケボックス 仙チャーセンター スポーツセンター ヒ●デオ・CDレ沖几 病院・医翠▲̲̲

夜間診療所

牟犀鱒 消毒巷センター

宅配便受け畢牲吏:さ

0% 2び払 40% 60% 80% 100%

管弗剛

圃場所・所在増 ■コスト・個桟

◎各項個、上良一居住地が便利.下段一居住地が不便

榊カイ自乗検定における有意水準l%を示す

■カイ自乗検定における奄意水準5%を示す

囲28 外部サービスに対する最重要条件(来店形式の外部サービス)

立地場所が最も多く、各サービス分野にわたって おり、「居住地が不便」な母親の方にその傾向が より強くなっている。サービス時間は日常的利用 のサービスに多く、「居住地が便利」な母親の方 に多い傾向がある。非日常的利用のサービスでは 価格が最重要条件となっている。宅配・派退形式 のサービスの場合、価格が最重要条件となってお

り、居住地による違いはみられない。

以上のように、乳幼児をもつ働く母親は、個人 生活を怯牲にして、家庭生活を維持しており、家 事労働の負担を軽減することが、非常に重要になっ ている。しかし、現状では、家事労働の軽減化は、

家庭内の軽減化方策に限られており、ほとんど大

きな実効をあげていない。

したがって、外部サービス利用を押し進めるこ とほ、家事負担を軽減させる上で大きな効果が期 待できる。

しかし、「居住地が不便」な母親にとっては、

利用しやすい場所に立地されている外部サービス が少なく、利用が困難な状況になっている。その 分、宅配・派遣サービスで捕っているが、このサー

ビスの立地率も少ない現状である。立地場所は、

来店形式の外部サービスに対する必要条件として も最も重視されており、これらを家庭の近くの利 用しやすい場所に多く立地させることが、外部サー

ビスの利用を多くし、家事負担の軽減化を進める ことに大きな効果をもたらすといえる。

ー136‑

(29)

食材宅配サーと㌃さ

出前サーヒ●ス 米屋の宅配サーヒ●ス 酒屋の宅配サーヒ●ス

漫曝用量担夕哩±ニき̲̲̲

旦嘩燕行たと∴ろ

貴重撃墜た巨ころ̲̲̲̲̲▲̲̲

廃品回収サーヒ■ス

てit●‑用品レンタルサー〔;i

へ●ヒ■‑シックーサーヒ●ス

華夢竺二巨モ亘‖▲

家畜代行サー巨Ti 家政婦派遣サービス 便利屋

■サービスの行われる剛・野菜印 圏

サービス内繹

コスト鵬

◎各項8、上段一敵地が便利.下段▼居住地が不便

図29 外部サービスに対する最重要条件(宅酉己・派遣形式のサービス)

1)クリエイティプ ハウジング プロジェクト:

「メンタルネワトワーク居住を創る」一都市に おける「働く女性」の住まい方と住環境に関す る調査研究報告‑、アーバンハウジング ディスフォーラム、昭和62年

2)共働き家族研究所:「家事のゆくえー外部

サービスの利用と家庭処理の比較を通して‑」、

旭化成工業

3)楠田洋子:「子供のいる共助きの暮らしにつ いての調査 その4 コミュニケーション状況 からの分析」、日本建築学会大会学術講演梗概 集、1991

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参照

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