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中国私営企業 の経営 資源分析 資金調達 と資金効率 川 井 伸 一一

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(1)

中国私営企業 の経営 資源分析

資金調達 と資金効率

一一

1課

1)「 私 営企 業 」 の あ い ま い さ

1980年 代 以 降 の中 国 経 済 の なか で 注 目 さ れ る動 向 の一 っ は,「私 営経 済 」 の急 速 な発 展 で あ る。「私 営 経 済 」 とは 旧来 の 公有 経 済(国 有 ・集 団 所 有 経 済)の 外 側 に形 成 され た私 有 制 経 済 の 一 部 で あ り,中 国 の一 般 的 用 語 法 に よれ ば,「 私 営 企 業」 の活 動 す る経 済 領 域 を指 す。中 国 の いわ ゆ る私 営 企 業 はわ れ わ れ 日本 で い う私 営 企業 と は異 な り,よ り限 定 的 に使 わ れ て い る。

す な わ ち,1988年 の 「私営 企 業 暫 定 条 例 」 に よ れ ば,私 営 企 業 は企 業 資 産 が 私 的所 有 に属 し被 雇 用 者 が8人 以 上 の営 利 的経 済組 織 を 指 して い る。 被 雇 用 者 が8人 未満 の場 合 は 「個 人経 営 」([個 体 戸])と さ れ る。 っ ま り,中

国 の私 営 企 業 は 資産 の私 的所 有 を前 提 に,一 定 の 雇 用 従 業 員 数 を 基 準 に区 分 され る概 念 で あ る とい う点 に きわ だ った特 徴 が あ る。

ま ず,こ こで は上 記 の意 味 で の私 営 企 業 が この 間 に どれ ほ ど増 大 発展 し て い るの か,ま た私 営 企 業 の最 近 の業 種 分 布 を見 て お きた い。

表1は 中国 政 府 当局(工 商 行 政 管 理 局)が1988年 の条 例 に基 づ く認 可 登 記 を正 式 に始 め てか らの数 値 を示 して い る が,私 営 企 業 が この 間 に,特 に 1993年 以 降 に急 速 に増 加 して い る こと が わ か る。1995年 末 時点 で,企 業 数 で65.5万,従 業 員 数 で956万,総 生 産 額 で2295.2億 元,営 業 収 入 額(ま た

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表1.私 営企 業 の発 展

(万件 ・万 人 ・億 元)

企 業 数 従業員数 総生産額 営 業 額 小 売 額 平均規模

従業員数

1989 9.1 164 97.4

38.8

34 18.0

90 9.8 170.2 121.8 51.5 43 17.4

91 10.8 183.9 146.6 68 57 17.0

92 13.9 231.8 205.1 113.6 91 16.7

93 23.8 372.6 422 190 15.7

94 43.2 648.4 1154 758.5 512.6 15.0

95 65.5 956.0 2295.2 1499.2 1006.4 14.6 (「中 国個 体 私 営 経 済 調 査 」1993年,6頁 。 「中国 私 営 経 済 年 鑑 」1994年,323 頁。 同1996年 版,142,321‑322頁 よ り作 成)

は販 売 総 額)で1499.2億 元,小 売 額(消 費 財)1006.4億 元 とな って い る。

企 業 あ た りの平 均 従 業 員 規 模 は1995年 の14.6人 で あ り,明 らか な 小 企 業 で あ り,ま た そ の数 は年 々少 しず つ 減少 して い る。

た だ し注 意 しな けれ ば な らな いの は,表 の 数 値 は政 府 当 局 に登 録 され た もの を 示 して い る もの の,実 際 の 情 況 を必 ず し も示 して い な い こ とで あ る。 第 一 に 「私 営 企 業 」 の 規 定 上 の 問題 性 が あ る。 前 述 の よ う に私 営 企 業 は資 産 の私 有 制 と雇 用 従 業 員 の 数 を 基 準 に して い るが,ど ち ら も現 実 の 経 営 実 態 を区 別 す る うえ で 一 定 の 困 難 が あ る。 所 有 制 にっ いて は単 一 の 所 有 制 で あれ ば問 題 な いが,異 な る所 有 制 の組 み 合 わ せ で あ る場 合 に いず れ の 所 有 制 と して 把 握 す るか に っ い て 明 確 な規 定 が な い こ とで あ る。 この 結 果,例 え ば元 来 の集 団 所 有 制 企 業 が 個 人 へ の請 け負 い経 営,リ ー ス経 営 ま た は売 却 を通 じて 一 部 資 産 を 個 人 所 有 に 移転 した 場 合,実 際 に は個 人 所 有 の比 重 が 支 配 的 で あ る に もか か わ らず 名 義上 従 来 の 集 団 所 有 制 企 業 と して 存 続 して い る場 合 が 多 い こ とで あ る。 他方,雇 用 従 業 員 の 数 につ いて は個 人 経 営 企 業 が規 模 を拡 大 させ,雇 用 人 員 を7人 か ら8人 以 上 へ 増 大 させ た 場 合,規 定 上 で は個 人 経 営 企 業 か ら私 営 企 業 へ と登 記 変 更 され るべ きで あ

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中国私営企業の経営資源分析

るが,実 際 に は困 難 で あ る。 な ぜ な ら,私 有 制 企 業 の雇 用 人員 の数 は,景 気 の変 化 や経 営 の善 し悪 しに応 じて,き わ め て流 動 的可 変 的 で あ るか らで

あ る。私 営 企 業 の労 働 者 の 転 職 率 は一 般 に50%と もい わ れ,き わ め て 高 い 水 準 に あ る(「中 国工 商 時報 」1994年2月4日)。 こ う した現 状 を 考 え る と, 一 定 時 点 に お い て雇 用 者 が7人 以 下 か8人 以 上 か を 区別 して異 な った 企 業 形 態 と して登 録 手 続 を と る こと は非 現 実 的 で あ り,ど れ ほ どの意 味 が あ る の か疑 問 で あ る(Kraus,p.145)。 こ う した非 現 実 的 な規 定 か ら,実 際 に は雇 用 従 業 員 を8人 以 上 に増 や した企 業 が 依 然 と して個 人 経 営 企 業 と して 存 続 す る場 合 も少 な くな い よ うで あ る。

第 二 に,政 策 的,社 会 的 な 背 景 か ら私 営 企 業 と して 登 録 す る こ と の差 別 的 不 利 益 を 回 避 し,条 件 の よ い経 営 環 境(資 金 ・資 材 ・土 地 の調 達,税 制 な どの 優 遇 措 置)を 確 保 す るた あ に 実 際 に は私 営 企 業 で あ る に もか か わ ら ず 私 営 企 業 以 外 の 名義 で 申請 登録 す る場 合 が 多 々 み られ る こ とで あ る。 例 え ば,一 般 的 に は社 会 主 義 形 態 と され る集 団 所 有 制 企 業 の 名 義 で 登 録 す る (紅 帽 子 をか ぶ る)事 例 が 多 いが,そ の他 個 人 経 営 企 業 と して 登 録 した り (小 帽 子 をか ぶ る),外 国 資 本 との合 弁 ・合 作 企 業 と して 登録 す る(洋 帽 子 を か ぶ る)す る場 合 もあ る。 従 って,集 団 所 有 制 企 業,個 人経 営 企 業 や 外 資 系 企 業 の な か に も,い わ ば隠 れ た私 営 企 業 が少 な か らず存 在 して い る。

以 上 か ら,中 国 に お け る 「私 営 企 業 」 の存 在 は統 計 上 十 分 に捕 捉 され た もの で は な く,そ の量 的 実 態 を把 握 す る こ と 自体 が困 難 で大 きな政 策 研 究 課 題 と もな って い る。 こ こで は,以 上 の事 情 を考 慮 しっ っ も,公 式 的 な統 計 に基 づ いて 考 察 を 進 め る。

2)私 営 企業 の 比 重

さて,前 述 の よ うに 私 営 企 業 は この 間 急 速 に発 展 しつ つ あ るが,私 営 企 業 は経 済 全体 の な か で どの よ うな位 置 を 占め て い るの で あ ろ うか 。1995年 末現 在 の私 営 企 業 の位 置 づ け に っ い て,い くっ か の 主 な項 目(主 と して統

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表2a.各 種 工 業 企 業 の 比 重(1995年) (万 件,億 元)

企 業 数

%

資 本 額

%

総生産額 %

国 有 11.8 1.6

11168.15 50.2 31219.66 33.9

147.5

20.1 4458.05 20.1 33622.64 36.6 31.42

4.3 961.01 4.3 2110.75 2.3

568.82 77.5 11820.57 12.8

6.03 0.8 4494.16 20.2 10713.97 11.6

株式制

0.55 1145.55 5.2 2727.01 2.9

734.15 100 22226.92 100 91894 100

(「中国 統 計 年 鑑 」1996年 版,401,415頁 。 「 中 国 私 営 経 済 年鑑 」1996年 版, 319,322頁 よ り作 成 。 資 本 額 の み 独 立採 算 制 企 業 を 対 象)

表2h各 種 商業 企 業 の 比重(1995年)

(万件,億 元)

商 店 数

%

販売 総額

%

62.95 4.2 26673.5 65.8

113.72 7.6 10803.1 26.6

13.89 1298.76

0.9

86.8 }325.4 o.s

2.18 0.1 595.9 1.5

0.21 0.01 180 0.5

株式制

1.19 o.os 1855.2 4.6

1496.17 100 40545.3 100

備 考:デ ー タは卸 売,小 売 業 の み

(「中国 統 計 年 鑑 」1996年 版,544,556頁 よ り作 成)

計 上 比 較 可 能 な工 業,商 業 部 門)か らみ て お こ う。

表2aに み られ る よ う に私 営 企 業 は工業 部 門 に お いて,企 業 数 の4.3%, 資 本 額 の4.3%,総 生 産 額 の2.3%を そ れ ぞ れ 占 め る。そ の 比 重 は まだ 小 さ

い と い え る。他 方,表2bに み られ る よ うに,商 業 部 門(国 内)で は私 営 企 業 は商 店 数 の0.9%,販 売 総 額 の0.8%以 下 で あ り,き わ め て 微 々 た る存 在 で しか な い。 もっ と も,私 営 企 業 に個 人経 営 企 業 を あわ せ た私 有 制 企 業 の 総 体 と して み れ ば,事 情 は大 き く異 な る。 す な わ ち,工 業 部 門 で は企 業 数

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中国私営企業 の経営資源分析

の81.8%,総 生 産 額 の15.1%を 占 め,ま た 商 業 部 門 で は 商 店 数 の87.7%

(た だ し販 売 総 額 で は0.8%)を 占 め て お り,か な り大 き な 比 重 で あ る。

3)分 析課 題

さて,本 研 究 の テ ーマ は私 営 企 業 の 経 営 構 造 を経 営 資 源 の調 達,運 用 の 面 か ら体 系 的 に検 討 す る こ とで あ る。 こ こで い う経 営 資 源 と は経 営 活 動 に 利 用 され る さ ま ざ まな 資 源 で あ り,特 に主 要 な資 源 で あ る人 材(ヒ ト),財 貨(モ ノ),資 金(カ ネ),情 報 な ど を指 す 。 本 研 究 は,こ れ らの経 営 資 源 が 企 業 にお いて どの よ う に組 織 化 され るの か を 系統 的 に検 討 しよ う とす る もの で あ る。 また 人材 につ いて は雇 用 労 働 者 だ けで はな く,経 営 の 中心 的 主 体 で あ る企 業 経 営 者 の 存 在 形 態 に つ い て も検 討 を 加 え て い きた い。 従 来,中 国 の 私営 企 業 の この面 で の研 究 は個 別 的 な調 査 検 討 はな され て い る もの の,体 系 だ った検 討 は ほ とん どな され て いな い状 況 で あ る。 この論 文 は本 研 究 の一 環 で あ り,近 年 公刊 され た 中 国側 の私 営 企 業 調 査 統 計 を重 点 的 に利 用 しつ つ特 に企 業 資金 の調 達 ・組 織 構 造 お よ び そ の効 率 性 に つ い て 検 討 す る。 検 討 方 法 の留 意 点 の一 つ と して私 営 企 業 の資 金 構 造 を他 の経 済

セ ク ター との比 較 し,こ れ に よ り私 営 企 業 の特 徴 を 明 らか に した い。

2私 営企業の登録資本動向

私 営 企 業 の創 業 認 可 時 に工 商行 政 管 理 局 に登 録 され た資 金 で あ る登 録 資 本 の動 向 に つ い て み て お こ う。 も っ と も,今 ま で の私 営 企 業 は会 社 法 に基 づ く有 限会 社 形 態 を と る場 合 を 除 き,無 限責 任 形 態 の企 業 が一 般 的 で,厳 密 な意 味 で の 資本 金 制 度 を と って い な い。 こ う した状 況 を反 映 して か,調 査 統 計 上 は一 般 に登 録 資 金 の用 語 が使 用 され て い る。 しか し,登 録 資 金 と 登 録 資 本 とは必 ず し も厳 格 に 区別 され て は い な い。 こ こで は両 者 を 同義 と して扱 う。 さ て,私 営企 業 の 登 録 資 本額 は年 々増 大 して きて い る。1988年

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表3.私 営企 業 の 登録 資 本

登録 資本

(億元) 企 業平 均

(万元)

1989 84.5 9.3

90 95.2 112.7 9.7 104.3

91 123.2 129.4 11.4 117.5

92 221.2 179.5 15.9 139.5

93

s80.7 307.7 28.6

179.9

94 1447.8 212.7 33.5 115.9

95 2621.7 181.1 40.0 119.4

(指数 は 前年=100)

(「中国 私 営経 済年 鑑 」1996年 版,321頁 。)

に 「私 営 企 業 暫 定 条 例 」 が 公 布 施 行 され てか ら後 の登 録 資 本 額 の推 移 は工 商 行 政 管 理 局 の全 国 統 計 に よ れ ば,表3の とお りで あ る。

表 か ら明 らか な よ うに,登 録 資 本 額 は1993年 以 降 か ら急 速 に 増 大 して い る。対 前 年 比 で1993年 は208%増,1994年 は113%増,1995年81%増 で あ る。 これ は,前 述(表1)の よ うに私 営 企 業 数,従 業 員 数 が と もに 1993年 か ら急 激 に増 大 して い る こ と と相 応 して い る。 一 企 業 あ た りの平 均 登 録 資 本 額 も同様 に増 大 して お り,特 に1993年 の伸 び は大 き い。1993 年 が私 営 企 業 発 展 過 程 に お け る大 きな 画期 で あ った こ とが わか る。1993年 は実 は 中国 経 済 と りわ け非 国 有 部 門 が 急 成 長 した時 期 で あ った ので あ る。

も っ と も,私 営 企 業 の登 録 資 本 額 は他 の所 有 制 セ ク ター の企 業 と比 較 す る と,す で にみ た よ う に(表2a,2b)ま だ きわ め て小 さ く,私 営 企 業 は一 般 的 に は小 型 零 細 企 業 と して位 置 づ け る こ とが で き る。

表4は1995年 に お け る業 種 別 の登 録 資 本 額 お よ び1企 業 あ た りの 平 均 登 録 資 本 額 を示 した もの で あ る。 全 体 の登 録 資 本 で は商 業 飲 食 業 が 最 も多

く,次 に製 造 業 で,こ のふ た っ の業 種 が群 を抜 い て い る。 も っ と も,1企 業 あ た りで は建 築 業 が最 も多 く,次 い で交 通 運 輸 業 が 多 い。

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中国私営企業の経 営資源分析

表4.業 種 別 登 録 資 本(1995年)

企 業 数 登録 資本 平均規模

(万) (億 元) (万元)

農林水 産業

0.69 31.5 45.6

鉱業

1.25 33.7 27.0

製造業 30.17 927.3 30.7

建築業

1.61 112.3 69.7

交 通 ・運 輪 業 0.63 32.8 52.1

商 業 ・飲 食 業 25.41 1232.5 48.5

サ ー ビ ス 業

4.69 193.8 41.3

そ の他 1.47 79.3 53.9

合計

65.45 2621.7 40.1

(「中 国私 営 経 済 年 鑑 」1996年 版,321頁 よ り作成)

3資 金 源泉

私 営 企 業 を 創 業 す る際 に必 要 な資 金(こ の 場 合,登 録 資 本 と借 入 金 を 含 め た 実 際 使 用 した 投 資 資 金 総 額)は い った い ど こか ら調達 され た の で あ ろ うか 。 こ こで は まず 創 業 時 の 資 金 調 達 源 泉 の 構 成 に っ い て み て み た い。 企 業 は資 金 需 給 バ ラ ン スか らみ れ ば一 般 的 に 資 金 不 足 の部 門 で あ る。 従 っ て,自 己 資金 だ け で は不 足 す る必 要 資金 を他 か ら調 達 しな けれ ば な らな い。

1)創 業 時 の 資 金 源 泉一 構 成 分 布

創 業 時 の 実 際 使 用 資 金 の 源 泉 に つ い て は,一 般 に 大 き く三 つ の 部 分 に分 け る こ とが で き る。 す な わ ち,自 己 資金,制 度 金 融 に よ る借 入 資金,「 民 間 金 融 」 に よ る借 入 資 金 で あ る。 自己 資 金 は個 人 また は企 業 の 自己 資 金 に よ る出 資 分,つ ま り 自己 資本 で あ り,こ の な か に は外 国 資本 投 資 も含 む 。 制 度 金 融 とは 国家 の 公式 的金 融機 関 系 統 に属 す る国家 銀 行(中 国農 業 銀 行 と 中国 工 商銀 行)と 信 用 合 作 社 に よ る貸 付 を指 す。 ま た 「民 間金 融」 とは,

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表5.私 営 企 業 創 業 時 の資 金 源 泉

(%)

調 査 自己資金 制度金融 民間金融

A遼 寧省393企 業

44.6

32.0

23.5

B河 北 省50企 業(1987年 調 査) 61.0

39.0

C湖 南56企 業 56.0 28.5

D11省97企 業(1988年 調 査) 37.0

41.0

22.0

E5省 市141企 業(1987‑88年 調 査) 55.9 36.1 8.0

F20省 区市3201企 業(1991‑92年 調 査) 49.5 42.1 34.6

G44省 区市1440企 業(1993年 調 査) 56.1 10.7 33.2

H44省 区市2564企 業(1995年 調 査) 64.7 11.8 23.5

1漸 江 省315企 業(1995年 調 査) si.o 8.9 30.1

備 考:F調 査 はサ ン プル 基 数 が 異 な るの で 合 計 が100に な らな い。 ま たG,H, 1調 査 で の数 値 は そ れ ぞ れ企 業 の 「主 要 な資 金 源 泉 」 にっ い て の比 率 を示 す 。

(出典:A‑C:劉

D

文撲 論 文 「中国 私 営 経 済 年 鑑 」1994年,61頁 。

EFGH

「中 国 的私 営 経 済 一 現 状 ・問題 ・前 景 」1989年,19‑20頁 。

「中 国 現 段 階 私 営 経 済 探 索 」1990年,265頁 。

「中 国 個 体 私 営 経 済 調 査 一 経 営 ・利 潤 ・収 入 」1993年,377頁 。

「中 国 私営 経 済 年鑑 」1994年,124頁 。

「中 国 私 営 経 済 年 鑑 」1996年,146頁 。

銀 行 ・合 作 社 の制 度 金 融 以 外 の個 人 間 の貸 付,民 間 金 融 機 関 に よ る貸 付 な どを指 す(詳 し くは後 述)。

資 金 源 泉 に関 す る調 査 統 計 は個 別 の もの を含 め る と数 多 い。 比 較 的 サ ン プ ル数 の 多 い主 な調 査 統 計 に よ れ ば,創 業 時 の資 金 源 泉 の構 成 は表5の

お り で あ る。

表 に よ れ ば,調 査 事 例 に よ り出入 りが 見 られ る もの の,最 も大 き な源 泉 が 自 己資 金 で あ る こ とは共 通 して い る。 制 度 金 融 と 「民 間 金 融 」 の 比 重 は

さ ま ざ ま で あ る が,比 較 的 サ ン プ ル 数 の 多 い 近 年 の 調 査G,H,1で は,「 主

要 な源 泉 」 と して は制 度 金 融 よ り も民 間 金 融 の ほ うが いず れ も高 い比 率 を

占 め て い る。

調 査GとHは 比 較的詳細 に創業時の資金 源泉 の具体 的構成 お よび重要 度 序 列 を 明 らか に して い る。 そ れ を示 す と図1の とお りで あ る。

(9)

中国私営企業の経 営資源分析

■ 第一源泉

■ 第二源泉 4第 三源泉

図 に よ れ ば,第 一 に 自 己 資金(労 働 蓄 積 と家 業 継 承,外 資 出 資 な ど)は い ず れ の 調 査 に お いて も50‑60%を 占 あ て い るが,自 己資 金 の う ち ほ と ん ど は前 職 に お け る 自 己 の労 働 収 入 の蓄 積 で あ る。 注 目 さ れ るの は 「家 業 の継 承 」 の項 目 で,こ れ は先 代 の事 業 経 営 に よ り蓄 積 した 資産 を相 続 ・贈 与 な ど で継 承 した こと を意 味 す る と考 え られ,1980年 代 の資 金 源 泉 と して は ほ とん ど見 られ なか った現 象 で あ る。 ま た 自 己資 金 部 分 と して海 外 直接 投 資 が み られ る こ と も近 年 の 新 た な現 象 と して 注 目 され る。

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第 二 に,銀 行 と信 用組 合 の貸 付 か らな る制 度 金 融 の比 重 は資 金 源 泉 と し て 比 較 的 低 い。 この場 合,銀 行 とは具 体 的 に 中国 工 商 銀 行,中 国 農 業 銀 行 で あ り,い ず れ も国 家 銀 行 で あ る。 信 用 組 合 は都 市 ・農 村 の信 用 合 作 社 を 指 す が,そ れ は国 家 銀 行 の指 導 下 の公 的 金 融 機 関 で あ る。

第三 に個 人 間 の金 融 を 中心 とす る 「民 間 金 融 」 が 占め る比 重 が 比 較 的 高 い こ とで あ る。 個 人 間 の金 融 と りわ け親 族 友 人 か らの個 人 的 な借 入 の 比 重 は第一 源泉 と して も第 二 源 泉 と して も,借 入 資 金 項 目 の なか で は最 大 の 源 泉 とな って い る。この 点 は他 の 調 査 に よ って も同様 で あ る(Young,p.84, p.86)。 また 「私 人 貸 付 」(個人 貸 付)と は,私 人 間 の金 銭 貸 付 を 目的 と した 伝 統 的 な 金 融 業者 や金 融 ブ ロー カ ー に よ る金 融 を指 して い る と考 え られ る。

一 般 に これ ら民 間 金 融 業 者 の貸 付 利 息 は制 度 金 融 の そ れ よ り もか な り高 く,な か に は高 利 貸 と して暴 利 を追 求 す る もの もあ る。ま た 「集 体 貸 付 」と は,地 域 の 郷 鎮 企 業,経 済 合作 組 織 各 種 の服 務 公 司 な どに よ る貸 付 を い う。

2)創 業 時 の 資金 源 泉一 業 種 別 の分 析

調 査Fに よ れ ば,創 業 時 の業 種 別 資 金 額 お よ び比 率 は表6の とお りで あ る。

表6.開 業時 の業種別資金額 と資金比率(万 元 ・%)

実行資金 自己資金比率 銀行貸付比率 民間貸付比率

工業

10.3 45.3 42.4 34.3

建築業

7.6 52.2 46.6 37.3

交通運輸

37.6 37.4

38.6

30.9

商業

11.3 51.5 41.4 38.4

飲食業

9.7 61.1 40.1 34.6

サ ー ビ ス 業

10.1 53.4 45.6 35.5

修理業

s.a 53 39.9 39.4

そ の他 16.3 53.7 46.5 37.9

平均

11.2 49.8 42.1 36.7

サ ンプ ル数 3065 3065 1392 1309

備 考:自 己 資 金,銀 行 貸 付,民 間 貸 付 の数 値 は そ れ ぞ れ サ ンプ ル基 数 が 異 な るの で,そ の 合 計 は100%を 超 過 す る。

(「中 国 個 体 私 営経 済 調 査 一経 営 ・利 潤 ・収 入 」371,379,385,391頁)

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中国私営企業 の経営資源分析

表 に よれ ば,開 設 時 の 実 際使 用 資 金 の平 均額 は交 通 運 輸 業 が 最 も多 く, 逆 に修 理 業 や建 築 業 は少 な い。 実 際 使 用 資 金 額 の 多 少 は それ ぞ れ の資 金 源 泉額 の 多 少 と基 本 的 に連 動 して い る。 ただ し実 際 使 用 金 額 は 自 己資 金 率 と マ イ ナ スの 相 関 が み られ,実 際 使 用 金 額 が 多 い ほ ど 自 己資 金 率 が相 対 的 に 小 さ い。 表 の銀 行 借 入 率 と民 間借 入 率 は調 査GやH,1な ど の数 値 と比 べ か な り高 くな っ て い るが,そ の理 由 は前 提 と な る サ ンプ ル数 か ら銀 行 借 入 の な い企 業,民 間 借 入 の な い企 業 を そ れ ぞ れ除 い て い る た め,該 当 サ ンプ ル数 が 大 き く限 定 され て い るか らで あ る。 従 って,他 の調 査 統 計 数 値 と単 純 に比 較 はで き な い。

表6は 各 業 種 別 の資 金 源 泉 の平 均 値 を示 して お り,そ れ で は資 金 源 泉 の 利 用 度 合 い の状 況 が 必 ず しも明 らか で は な い。 資 金 源 泉 の利 用 度 分 布 状 況 をみ る必 要 が あ る。 表7は,F調 査 に基 づ いて 創 業 時 の銀 行 借 入 資 金 比 率 の業 種 別 分 布 状 況 を み た もの で あ る。 数 値 は それ ぞ れ の借 入 比 率 に該 当 す る企 業 数 を 示 して い る。

表 か ら注 目 され る点 と して,第 一 に銀 行 借 入 を 利 用 して い な い企 業 が調 査 対 象 企 業 の な か で 圧 倒 的 に多 い こ とで あ る。実 に55%の 企 業(1673)が 開 設 時 に銀 行 か ら借 入 して いな い。 恐 ら くこ う した企 業 は 自 己資 金 だ け で

表7.創 業時 の業種別銀行借入率分布

0 10%以 下 40%以 下 60%以 下 超60%

合計

工業

417 32 242 108 118 917

建築

94 5 15 22 14 159

交通運輸

39 6 14 5 8 72

商業

840 51 291 147 134 1463

飲食業

43 3 14 8 6 74

サ ー ビ ス

97 s 28 12 19 162

修理業

82 12 23 16 14 147

そ の他 61 10 2 7 80

全体

1673 115 637 320 320 3065

(「 中 国 個 体 私 営 経 済 調 査 一 経 営 ・利 潤 ・収 入 」385頁 。)

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ま か な うか,ま た は 「民 間 金 融 」 を 併 せ て 利 用 す るか いず れ か で あ ろ う。

第 二 に 残 りの45%の 企 業 が 銀 行 融 資 を 受 け た が,そ の分 布 お よ び銀 行 借 入 比 率 の レベ ル は業 種 に よ りか な りの バ ラ ッキ が 見 られ る。 銀 行 借 入 比 率 の 全 体 の 平 均 水 準 は表6の とお り42.1%だ が,銀 行 借 入 率 が60%以 上 の 企 業 も少 な くな い。 一 般 的 に い え ば,企 業 規 模(実 際 使 用 資金 額)が 大 き い ほ ど銀 行 借 入 率 が 高 くな る こ と,自 己 資金 額 が 多 くな れ ば,そ れ を担 保 と して 銀 行 借 入 額 も多 くな る こ とが 知 られ て い る(「 私 営 経 済 調 査 」383 頁)。

次 に,創 業 時 の民 間 金 融 の 借 入 比 率 の分 布状 況 を み て み よ う。

表8.創 業時の民 間借入比率分布

0

5%以 下

30%以 下 50%以 下 超50%

合計

工業

529 17 187 io7 77 917

建築

97 1 26 14 12 150

交通運輸

32 1 22 ii 6 72

商業

813 26 258 205 161 1463

飲食業

48 14 8 4 74

サ ー ビ ス

98 6 30 15 13 162

修理業

89 27 15 is 147

その 他 50 2 13 8 7 80

全体

1756 53 577 383 296 3065

(「 中 国 個 体 私 営経 済 調 査 一経 営 ・利潤 ・収入 」391頁)

表8は そ れ ぞ れ の借 入 比 率 レベ ル に該 当す る企 業 数 を業 種 別 に示 して い る。 これ に よ れ ば,第 一 に 民 間 金 融 を 利 用 して な い企 業 が1756企 業 と きわ め て 多 く,対 象 企 業 の57%を 占 め て い る こ とで あ る。第 二 に,残 りの43%

の 企 業 の借 入比 率分 布 は業 種 に よ りか な りのバ ラッ キが 見 られ る。 全 体 平 均 の 借 入比 率 は36.7%で あ るが,50%を 超 え る事 例 も少 な くな い。

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中国私営企業の経 営資源分析 2)創 業 後 の資 金 源 泉

私 営 企 業 開 設 後 の経 営 年 度(具 体 的 に は1994年 度)に お け る企 業 の 資 金 源 泉 が ど の よ うに な った の か を示 した の が表9で あ る。

表9.1994経 営 年 度 の 資 金 源 泉

(%)

資金源泉 自己資金 銀行信用社 私人貸付 親友貸付 その他

基本建設

71.1

72.3

15.6 14.7

5.6 6.3

7.3 s.7

o.g

固定資産投資

80.7 82.9

9.8 9.6

3.7 4.5

5.6 3.0

0.3

流動資金

49.0

36.5

31.7 45.1

5.2 8.9

10.5 9.5

o.s

備 考:各 欄 の 上 段 がH調 査,下 段 が1調 査 に よ る デ ー タ。(「中 国 私 営 経 済 年 鑑 」1996年 版146頁,183頁)

表 に よ れ ば 第 一 に,調 査 対 象 企 業 の 自 己資 金 比 率 は企 業 創 業 時 の そ れ (表5.表6.を 参 照)と 比 べ て そ れ ぞ れ多 少 と も増 大 して お り,企 業 の 資 金 蓄 積 が 進 ん で い る こ とを 物 語 って い る。 固 定 資 産 投 資 や 基 本 建 設 投 資

(生 産性 の 新 規 設 備 投 資)に お い て 自己 蓄 積 資 金 が 大 部 分 を 占め,7‑8割 を 占 め て い る。 こ の よ うに開 設 後 の企 業 は投 資 資 金 の源 泉 と して 自 己 資金 に依 然 と して 大 き く依 存 して お り,他 人 資 金 に頼 る比 率 が 相 対 的 に低 い。

も っと も,投 資 資 金 の借 入 構 成 に関 して,企 業 創 業 時 と の比 較 で い え ば親 戚 親 友 か らの借 入 比 率 が 減 少 し,銀 行 ・信 用 組 合 か らの借 入 比 率 が増 大 し

て い る傾 向 が み られ る。 っ ま り個 人 間 の非 制 度 的 金 融 か ら制 度 金 融 の利 用 へ と比 重 が 移 行 して い る。 これ は私 営 企 業 の資 金 蓄 積 に よ る担 保 力 の強 化 や 企 業 経 営 に対 す る金 融 機 関 側 の信 用 増 大 を反 映 して い る と考 え られ る。

第 二 に,経 常 的 な流 動 資 金 の源 泉 構 成 は固 定 資 産 投 資 や 基 本 建 設 投 資 の それ と比 べ て か な り異 な って い る。 す なわ ち,自 己資 金 の比 率 が 相 対 的 に 小 さ くな り,他 人 資 金 の 借 入 比 率 が 大 き くな って い る。 流 動 資 金 調 達 に お いて も制度 金 融 が しだ い に浸透 しつ つ あ る こ と,ま た 個 人 間 の 民 間 金 融 の

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比 率 も一 定 の比 率 を 占 めて い る こ とが わ か る。

以 上 の実 態 分 析 に もとづ けば,私 営 企 業 の 資 金 源 泉 の特 徴 は,(1)自 己 資 金 が 大 き な比 重 を 占め る こ と,(2)制 度 金 融 は以 前 よ り は普 及 しつ っ あ る と は いえ,全 体 的 に は比 較 的小 さな比 重 しか 占 あ て い な い こ と,(3)民 間 金 融 は制 度 金 融 に劣 らず重 要 な位 置 を 占あ て い る こ と,特 に企 業 創 設 時 に お い て そ うで あ る。(4)創業後 資 金 源 の構 成 が変 化 し,自 己 資本 比 率 が増 大 す る と と も に借 入 にお い て 制 度 金 融 の 比 重 が 相 対 的 に上 昇 して い る こ と で あ る。 こ の よ う な資 金 源 泉 の 構 造 は も と よ り各 地域 の経 済 特 性 や経 済 の発 展 段 階 の違 い に よ り,多 少 と も異 な った 様 相 を 呈 して い る もの の,全 国 的範 囲 の私 営 企 業 の平 均 的 な状 況 を 示 して い る もの と考 え られ る。

こ う した私 営 企 業 の資 金 調 達 構 造 は国 有 企 業 の そ れ と は大 き く異 な る。

国 有 企 業 で は創 業 資 金 は(株 式 制 企 業 を 除 いて)い う まで もな くす べ て 国 家 資本 で あ る が,経 営 開 始 後 の 国 有 企 業 の 資 金 源泉 は,例 え ば1994年 度 に お い て固 定 資産 投 資 の5‑6割 以 上 が 「自己調 達 資 金 」(企 業 内 利 潤 留 保 お よ び 「予算 外 資金 」 の い う名 の財 政 的 資 金 な ど)と 政 府 予 算 資 金 で あ り, 国家 銀 行 貸 付 の比 率 は30%程 度 で あ る。他 方,流 動 資 金 につ いて は そ の約 80%以 上 が 国 家 銀行 か らの借 入 で あ る とい わ れ,そ の比 率 は きわ めて 高 い (川 井,172‑174,179頁)。 国 有 企 業 は資 金 調 達 面 で圧 倒 的 に国 家 銀 行 と国 家 財 政 に依 存 して い る の で あ る。 こ う した資 金 調 達 上 の構 造 的 相 違 は国 有 セ ク ター と私 有 セ ク ター の あ い だ の い わ ば 「二 重 構 造 」 的 状 況 を示 して い

る とい え る。

3)出 資者 構 成

す で に み た よ うに創 業 時 の 資金 源泉 の な か で 自 己資 金 部 分 が最 も大 き な 比 重 を 占め た が,自 己 資 金部 分 の 出 資者 構 成(資 本 構 成)を も う少 し詳 細 にみ て み た い。 表10は 私 営 企 業 創 業 時 お よ び94年 末 に お け る 資本 出 資者 の構 成 をみ た もの で あ る。A欄 が 創 業 時 の,B欄 が1994年 末 の 出 資者 構 成

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中国私営企業 の経営 資源分析

表10.私 営企 業 の資 本 構 成

(%〉

1調 査企業数 に占め 皿出資企業 の資本 皿調査 企業の資本総 出 資 者 る出資企業 の比 率 に占める出資比率 額 に占め る出資比率

A B A B A B

政府

2.7 2.8 35.8 26.5 1

0.7

集 団企業

3.6 2.4 43.8 28.3 1.6 0.7

他 の企 業

2.8 3.4 44.6 37.1 1.2 1.3

個人

96 96 92.4 92.4 88.7 88.7

外 資

2.8 5.5 48.8 37.2 1.4 2

大衆 出資

5.2 6.1 34.6 30.4 1.8 1.9

そ の他 5.2 6.1 46 36.9 2.4 2.3

備 考:調 査 企 業 の資 本 総 額 に 占 め る そ れ ぞ れ の 出資 比 率 は一 部 に計 算 の誤 りが み られ,修 正 した。 表 中 に お い て,1× 皿=皿 の関 係 が 成 立 して い る。

(「中国 私 営 経 済 年 鑑 」1996年,146頁)

を 示 して い る。 これ に よ れ ば,第 一 に個 人 出資 が資 本 総 額 の約90%を 占 め 圧 倒 的 で あ る。 第二 に そ の他 の 出 資分 は調 査 企 業 全 体 の 資 本総 額 か らみ れ ば きわ め て少 な い。 た だ し,こ れ は 出 資 した企 業 数 が きわ あ て少 な い こ と に よ るた め で,出 資 した企 業 の み の 資本 構 成 か らみ れ ば,3割 か ら4割 の 比 重 を 占 め て お り注 目 さ れ る。 第 三 に 資 本 構 成 は 創 業 時 と94年 末 との あ い だ で あ ま り変 化 して い な い。 そ の意 味 で は私 営 企 業 の 資本 構 成 は きわ め て安 定 的 で あ る。 た だ細 か くみ れ ば,調 査 企 業 全 体 の 資本 総 額 に 占め る比 重 に お い て外 資,他 企 業,大 衆(従 業 員 な ど)の 出資 比 率 が増 大 した の に 対 して,郷 鎮 政 府 と郷 鎮 ・街 道 の集 団 組 織 の 出資 比 率 が減 少 して い る。 こ の比 率 変 化 の要 因 につ い て は い くつ か のパ ター ンが見 出 せ る。 外 資,他 企 業,大 衆 の 出資 の場 合,投 資 対 象 の企 業 数 比 率 が 増 加 して い るの に対 して 投 資 対 象 企 業 の 出資 比 率 は低 下 して い る。 た だ し,前 者 の増 加 要 因 が大 き く(特 に外 資),全 体 と して の比 重 を増 大 させ た。郷 鎮 政 府 の場 合 は,外 資 や 大 衆 の 場 合 と同 様 の 変 化 で あ るが,投 資 企 業 の 出 資 比 率 の減 少 要 因 の ほ うが 大 き く作 用 し,全 体 と して 比 重 を 下 げ た 。 郷 鎮 や 街 道 の 集 団 企 業 出 資

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の場 合 は投 資 対 象 企 業数 比 率,投 資対 象 企 業 の 出資 比 率 の いず れ に お い て も低 下 して お り,そ の相 乗 効 果 で全 体 の比 重 を か な り下 げ て い る。

4)制 度 金 融 と民 間 金 融 1制 度 金 融 の制 約 条 件

私 営 企 業 の 資金 調 達 源 と して制 度 金 融 は なぜ 比 較 的 小 さ な比 重 しか 占め な いの で あ ろ うか。 第 一 の要 因 と して私 営 企 業 に対 す る金 融 政 策 上 の 制 約 が あ る。 特 に 国家 銀 行 は そ の政 策 と して貸 付 対 象 の重 点 を国 有 企 業 に お い て お り,実 際 固 定 資産 資 金 と流 動 資 金 の 貸 付 額 の70%以 上 は国 有 企 業 に 与 え られ て い る(楊 敬 先,48頁),ま た信 用 合 作 社 は そ の重 点 を集 団 所 有 制 企 業(郷 鎮 企 業)に お い て い る。 私 営 企 業 を含 む民 営 企 業 に対 して は国 家 銀 行 貸 付 は補助 的位 置 づ け で あ り,か な り制 限 的 で あ った。 例 え ば,中 国 農 業 銀 行 の 規 定 で は以 下 の諸 点 が 明記 さ れ た。 す な わ ち,(1)私 営 企 業 に対 して 原 則 的 に 固 定 資産 用 の貸 付 は しな い こ と,(2)個 人 経 営 企 業 へ の貸 付 は 主 に必 要 流 動 資 金 の 不 足部 分 を解 決 す る こ と,(3)貸 付 限 度 額 は 自 己流 動 資 金 の30‑50%以 下 に 制 限 す る こ と,特 に経 済 の発 展 した 地 域 で は一 般 に 30%以 下 に押 さえ る こ と,(4)流動 資金 貸 付 に つ い て返 済 期 限 を限 定 す る こ と(商 品 流 通 貸 付 は一 般 に3ヶ 月以 内最 長6ヶ 月,工 業 流 動 資 金 貸 付 は一 般 に6ヶ 月 以 内最 長1年)な ど で あ る(「中国 私 営 経 済 年 鑑 」1996年,236頁)。

こ う した 結 果,実 際 国家 銀 行 の個 人 経 営 企 業 と私 営 企 業 に対 す る貸 付 は 極 あ て限 定 的 で,例 え ば1990年 代 前 半 の統 計 で も国 家 銀 行 の全 貸 付 額 の わ ず か2.3%で あ り,都 市 の 信 用 組 合 の 場 合 もそ の 貸付 総 額 の うち の4.5%

を 占め るに す ぎな い とい う(「中国 私 営 経 済 年 鑑 」1994年 版71頁,1996年 版,138頁)。

第 二 に,私 有 セ ク タ ーに 対 して 差 別 的 な貸 付 条 件 が付 与 さ れ て い る こ と で あ る。 この 点 は上 記 の 政 策 の 反 映 とい う面 もあ ろ うが,同 時 に金 融 機 関 側 の私 営 企 業 に対 す る貸 付 リス クを 反 映 した もの と も考 え られ る。 個 人企

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中国私営企業の経営資源分析

業 と私 営 企 業 は一 般 に は規模 が小 さ く,市 場 の変 動 に 対 す る リス ク能 力 が 弱 く,事 業 の 存 続 に も不 確 定 な リス ク要 因 が 多 い。 従 って,銀 行 や信 用 合 作 社 は貸 付 の 場 合 に必 ず 保証 人 か担 保 物 件 の提 供 を要 求 す る。 しか しな が ら,実 際 に は個 人 企 業 や 私 営企 業 は 自己 資金 規 模 の 制約 な どか ら保 証 人 や 有 効 な担 保 を 提 供 す るの が 困 難 で あ る場 合 が 多 い 。 例 え ば,広 東 省 番 愚 県 の事 例 で は,集 団 所 有 制 企 業 に た いす る貸 付 に は郷 鎮 政 府 や 都 市 街 道 委 員 会 が 担 保 を引 き受 け るの に対 して,個 人 ・私 営 企 業 で はそ の よ うな 引 き受 け保 証 は なか っ た(蓑 恩 槙,195頁 。 国家 七 五 期 間 中 国 私 営経 済研 究 課題 組,196頁)。

個 人 企 業 や 私 営 企 業 に対 す る貸 付 金 利 が割 高 な の は,貸 付 リス クに対 す る金 利 プ レ ミア ムな の で あ る。 この よ うな融 資 上 の差 別 は,そ の他 の政 策 上 の 制 約 条件,例 え ば 税金 や土 地 取 得 で の制 約,業 務 範 囲 の制 限 な ど とあ い ま って,私 営 企 業 経 営 に対 す る大 き な経 済 的制 約 と な って い る と考 え ら れ る。

私 営 企 業 に対 す る経 済 的 な制 限 ・差 別 は経 営 主 に と って強 く意 識 さ れ て お り,そ の行 動 を規 定 して い る。H調 査 に よれ ば,私 営 企 業 経 営 者 は生 産 資 金 調 達 が困 難 な こと の要 因 と して,政 策 的 制 約(63.2%),企 業 自身 の原 因(16.6%),市 場 競 争(5.7%),関 係 部 門 の妨 害(5.2%)を 指 摘 して お り, 融 資 政 策 上 の制 限 を最 も強 く感 じて い る(「 中国 私 営 経 済 年 鑑 」1996年, 182頁)。 こ の政 策 的 な制 約 は,企 業 主 が 私 営 企 業 の 名 義 の か わ り に集 団 所 有 制 企 業 の名 義 で 設 立 登 記 しよ うす る(「紅 帽 子 」現 象)行 動 を 促 す 一 っ の 要 因 と な って い る。 上 述 の 「企 業 自身 の 原 因 」 と は,私 営 企 業 の な か の単 独 資 本 企 業 と共 同 出 資 企 業 が 負 債 に対 す る無 限責 任 を要 求 され る こ と,た だ し,前 述 の よ う に私 営 企 業 の 自 己担保 能 力 の制 約 か ら,外 部 か らの 借入 に慎 重 にな ら ざ るを え な い こ とを 指 して い る と考 え られ る。

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2「 民 間金 融」 の制 約 条 件

「民 間 金 融」 にっ いて は,前 述 した よ うに い ろ い ろ な形 態 が あ るが,そ の 具 体 的 形 態 につ いて は以 下 の6つ の形 態 が 指摘 され て い る(王 克忠,76‑

79頁 。 国 家 七 五 期 間 中国 私 営 経 済 研 究 課 題 組,139‑140頁 。 杜 進,188‑

190頁)。

(1)個 人 の 自由 貸借 と 「銀 背 」。個 人 の 自由貸 借 と は個 人 間 の 直接 貸 借 で あ り,一 般 に小 額 の 貸 借 で あ る場 合 は何 の手 続 もい らな い が,金 額 が 大 き く,期 間 が 長 い 場 合 に は借 用書 が要 求 さ れ る。 自 由貸 借 の利 率 は 資 金 需 給 状 況 に応 じて 変 化 す る。 この 種 の民 間金 融 は,貸 し手 と借 り 手 は互 い に熟 知 した 間 柄 で な けれ ば 貸借 が 困難 で あ り,従 って この種

の貸 借 はか な り狭 い 人 間 関 係 の あ い だ に 限 られ る。「銀 背 」 と は,こ し うた状 況 の なか で,貸 し手 と借 り手 の あ い だ を仲 介 す る個 人 を 指 す。

この金 融 仲 介 者 は貸 借 双 方 の 当 事 者 か ら信 頼 され て い るば か りで はな く,一 般 に広 範 な社 会 的 ネ ッ トワ ー ク と社 会 的信 用 と活 動 能 力 を そ な えて い る。 当初 は臨 時 的 で 一 定 の 手 続 費 を と るだ け だ が,仲 介 業 務 の 拡 大 に応 じて 次 第 に専 業 の 商 業 金 融 業 者 に転 化 して い く。

(2)「 銭 会 」。「銭 会 」は複 数 の 友 人,知 り合 い に よ る互 助 的 な組 織 で様 々 な名 称 で 呼 ばれ る。 会 員 は毎 期 に一 定 の 会 費 を 払 い込 み,そ の プー ル した資 金 を 会 員 の資 金 需 要 に基 づ き一 定 の手 続 で 払 い 戻 しを受 け る も の で あ る。 この組 織 形 式 は最 も歴 史 の 長 い・ 広 範 に み られ る民 間 金 融 方 式 で,も と もと利 息 を 計 算 しな い非 営 利性,非 市 場 的 な 互助 組 織 で あ った。 そ の後,資 金 需 要 の 拡 大 に応 じて一 部 は専 業 化 と規模 拡 大 を 進 め,利 息 を と る営 利 性 の 民 間 金 融 組 織 に転 換 した 。

(3)私 営 銭 荘 。 これ は固 定 した場 所 と専 門 職 員 を か か え た 民 間 の 金 融 専 業 経 営 者 で あ る。 預 金 金 利 と貸 し出 し金 利 の 差 に よ る利 潤 獲 得 を め ざ す営 利 性 組 織 で あ り,そ の金 利 水 準 は市 場 の 需 給 関 係 に従 う。 私 営 金 融機 関 の貸 付 利 子 は,一 般 に年 利30%以 上 の高 利 で,多 くの場 合 非 合

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中国私営企業 の経営資源分析 法 的 で あ る。

(4)非 金 融 機 構 に よ る融 資 。これ は1980年 代 以 降,多 くの農 村 に お い て 成 立 した各 種 の 「服 務 公 司 」 や 集 団 経 済 組 織 が 行 う金 融 業 務 で あ る。

この服 務 公 司 は公 司 自身 お よ び そ の所 属 下 の郷 鎮 企 業 や家 庭 工 商 業 者 の受 け取 り資金 を利 用 して,ま た高 い利 子 で 社 会 か ら預 金 を組 織 して 融 資活 動 を行 う。

(5)社 会 集 資 。 これ も1980年 代 以 降 普 遍 的 に現 れ た 資 金 調 達 方 法 で あ り,調 達 方 法 は様 々 で あ る。 例 え ば,「 帯 資入 廠 」(郷 鎮 企 業 に農 民 が 就 職 す る さ い の 出資),「 以 労 帯 資 」(郷 鎮 企 業 従 業 員 の 出 資),債 券 ・ 株 券 の発 行 な ど で あ る。 こ う した農 民 の 出資 の配 当率 は通 常 の制 度 金 融 機 関 の利 子 率 を上 回 って い る と い う。 ただ し,株 や株 式 に よ る 出資 金 は 企 業 自己 資 本 の 一 部 と考 え られ,本 稿 で は企 業 自 己 資 本 と して 扱 って い る。

(6)質 屋 の融 資 。

こ れ らの各 種 の金 融 形 式 は多 くは伝 統 的 な もので あ るが,1980年 代 以 降 の改 革 の進 展 に よ る経 済 活 性 化 と資 金 需 要 の急 速 な拡 大 に応 じて多 くの地 域 で復 活 発 展 して い る と いわ れ る。「民 間 金 融 」の一 般 的性 格 と して,(1)民 間 の資 金 需 要 に対 して 柔 軟 機 敏 に対 応 で き る こ と,(2)手 続 が 簡 単 で 容 易 に 融 資 が え られ る こ と,(3)地 域 性 が 強 く,利 用 範 囲 用 途 が 広 い こ と,(4)制 度 金 融 よ りは金 利 が 高 く,一 部 で は投 機 的 高 利 貸 的 な活 動 が み られ る こ と, (5)制度 的 透 明 性 が 低 く,非 規 範 的,個 別 的 で,非 合 法 的 部 分 も多 い こ と, な どが 指 摘 され て い る(蓑 恩槙,195頁 。国 家 七 五 期 間 中 国 私 営 経 済 研 究 課 題 組,196頁)。

3)制 度 金 融 と 「民 間 金 融 」 の 代 替 的 関 係

私 営 企 業 に と って 制 度 金 融 と 「民 間 金 融」 と の 関 係 は ど の よ う な も の で あ ろ う か。 い ま ま で の 検 討 か ら推 測 で き る ひ と っ の 仮 説 は,私 営

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表11。 銀 行 金 融 と民 間 金 融 との相 関 関係

銀行

民間

0 0‑10% 10‑40% 40‑60% 60%超

0 0‑5%

5‑30%

30‑50%

50%超

1093

8 159 212 235

48 ii 25 17 15

256 13 229 104 46

176 4 102 43 3

220 17 7s 11

1793 53 591 387 299

1707 116 648 328 324 3123

備 考:表 中 の数 字 は企 業 数 を示 す。10‑40は10%を 超 え て40%ま で の 意 味 。 (「中 国個 体 私 営 経 済 調 査 一 経 営 ・利 潤 ・収 入 」1994年,394頁)

企 業 は 制 度 金 融 が 制 限 的 で あ る た め に 自 身 の 資 金 需 要 を 十 分 ま か な う こ とが で きず,そ の不 足 分 を 「民 間 金 融 」 か ら調 達 して い る の で は な い か と い う点 で あ る。 本 来,民 間 金 融 よ り も制 度 金 融 の ほ うが 資 金 調 達 コス ト(利 子)が 低 い こ とか らす れ ば,も っ と制 度 金 融 の比 重 が 高 い は ず で あ る が,政 策 的,制 度 的 制 約 の た め 制 度 金 融 の 比 重 は 低 い レ ベ ル に と ど ま って い る。 従 って,制 度 金 融 の 制 約 条 件 が 緩 和 され て い け ば, 民 間 金 融 に 依 存 す る比 重 は相 対 的 に減 少 して い く もの と推 測 さ れ る。

この意 味 で 両 者 は代 替 的 な 関 係 に あ る と考 え られ る。 表11は 創 業 時 点 に お け る銀 行 借 入 比 率 と民 間 借 入 比 率 との 関係 を示 した もの で あ る。 これ に よ れ ば 借 入 分 布 に お け る 両 者 の 関 係 が 代 替 的 で あ る こ と が み て と れ る。 次 に,時 間 の 推 移 に と も な う両 者 の 関 係 動 向 に つ い て は,前 述 の 調 査G,Hか ら,制 度 金 融 の 借 入比 率 が しだ い に増 大 して い る こ と が わ か

る。

(21)

中国私営企業の経営資源分析

4資 本組織形態

1)資 本 組 織 形 態 の 区分 と動 向

私 営 企 業 の 資本 形 態 は,私 営 企 業 暫 定 条 例 に よ れ ば,三 っ の組 織 形 態 が 規 定 され て い る。 す な わ ち,単 独 資本 企 業(独 資),共 同 出 資 企 業(合 移,

パ ー トナ ー シ ップ),有 限 責 任 会社 で あ る。単 独 出 資企 業 は個 人 の100%出 資 に よ る もの で,資 本 形 態 で は個 人 経 営 企 業 と 同一 で あ る。 単 独 出資 企 業 は法 人 形 態 は と れず,個 人 出資 者 は負 債 に対 し無 限 責 任 を負 う。 共 同 出資 企 業 は2人 以 上 の個 人 が 共 同 出資,共 同 経 営 を行 な い,負 債 に対 して 連 帯 無 限 責 任 を負 う形 態 で,基 本 的 に合 名 会 社 と いえ るが,た だ し議 決 方 法 と して共 同組 合 と同 じ一 人 一 票 方 法 を実 行 す る こ とが 認 め られ て い る(「 中 華 人 民 共 和 国 合 彩 企 業 法 」1997年2月 採 択,同 年8月1日 施 行)。 有 限 責 任 会 社 は1993年 公 布 の会 社 法 に規 定 され た形 態 で2人 以 上50人 以 内 の 出 資 者 の 出 資 に よ り設立 し(最 低 資 本 金 の規 定 あ り),各 出 資者 が 出 資額 の枠 内 で責 任 を 負 い,企 業 が そ の法 人 資産 の枠 内 で負 債 に対 し責 任 を負 う形 態 で あ る。 た だ し,す べ て の有 限 会 社 が会 社 法 の規 定 に合 致 して い る わ け で は な い(次 頁参 照)。 三 っ の資 本 組 織 形 態 は一 般 的 な発 展 プ ロ セ スか らい え ば,単 独 出資 企 業 → 合 名 企 業 → 有 限 責 任 会 社 へ と レベ ルが 高 くな る。 以 上 三 っ の形 態 の他 に,外 国 資 本 との 合 弁 ・合 作 企 業,・株 式 会 社,株 式 合 作 制 (組 合)企 業 な どの 形 態 も一 部存 在 して い る。 さ らに,前 述 した よ う に私 営 企 業 の一 部 が 公 有 制 企 業 で あ る集 団所 有 制企 業 と して 登記 設 立 され て い る 擬 似 私 営 企 業 も少 な くな い。 従 って,私 営 企 業 の実 際上 の組 織 形 態 は実 に さ ま ざ まで あ る。

さて,上 述 の私 営 企 業 の 三 っ の 資 本 組 織 形 態 の 動 向 は図2の とお りで あ る。

図 の よ うに,単 独 資 本 形 態 が 量 的 に は最 も多 いが,そ の比 重 は傾 向 的 に 減 少 しっっ あ る。 共 同 出 資 企 業 の 比 重 も同 様 の 減 少 傾 向 に あ る。 逆 に有 限

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OnVρUくU

140

早30 e,i

20

10

0 1990

.09

●9

. o . ●● , 冒, 層・ ●● . .

一 ◆一独 資 企業 {ト 共 同 企 業

↓ 有 限 会社

19911992199319941995 年 度

図2私 営 企 業 類 型 の 比 率 変 化

(「1995‑1996年 中 国社 会 形 勢 分 析与 預 測」324頁,

「中 国 私 営 経 済 年鑑 」1996年,320頁 よ り作 成)

責 任 会 社 の比 重 は増大 しっ っ あ り,93年 に は共 同 出資 企 業 を追 い抜 き,次 第 に単 独 資 本 企 業 との 差 を縮 め て い る。 図 か ら,私 営 企 業 が 次 第 に よ り近 代 的 な形 態 へ 移 行 しっ っ あ る こ とが うか が え る。 た だ し,注 意 しな けれ ば な らな い の は,い わ ゆ る有 限責 任会 社 の な か で会 社 法 の規 定 に基 づ く規 範 的 な会 社 は,1995年 の統 計 で は全 体 企 業 数 の約53%,登 録 資 本 額 の58%

に過 ぎな い こ とで あ る(「 中国 私 営 経 済 年 鑑 」1996年 版,320頁)。

1995年 の統 計 に よれ ば,一 企 業 あ た りの 登 録 資 金規 模(お よ び雇 用 従 業 員数)を 比 較 す る と,単 独 資本 企 業 が17.5万 元(12.1人),共 同 出資 企 業 が 22.7万 元(15.3人),有 限 会社 が77.7万 元(11.8人)で,有 限会 社 形 態 の登 録 資本 規 模 が他 の形 態 よ り も抜 群 に大 き い。 有 限 会 社 が他 の二 つ の形 態 よ

り も多額 の 資金 を調 達 す る形 態 で あ る こ とが わ か る。

2)資 本 形 態 と業 種 ・立地

ど の よ う な組 織 形 態 が 採 用 され るか は,業 種 に よ り異 な る。 業 種 別 の資

(23)

中国私営企業の経営資源分析

本 組 織 形 態 の状 況 を み た の が 図3で あ る。 図3は1995年 の 全 国 的 な サ ン プル調 査(2564企 業)に 基 づ く もの だ が,傾 向 と して 資本 金 額 の大 きな業 種 で あ る不 動 産 業,電 力 ガ ス,金 融保 険 業 な どに お い て有 限会 社 の比 重 が 比 較 的 高 い。 他 方,資 本 金額 が少 な い商 業 ・飲 食 業,社 会 サ ー ビ ス業,交

日 有限会社

■ 共同経営 Z単 独資本

図3業 種 別 の 企業 形 態(1994年) (「中 国 私 営経 済年 鑑 」1996年 版,148頁 よ り作成)

郷鎮 小都市 中都市 大都市

□ 有限会社

■ 共同経営 團 単独資本

(24)

通 運 輸 業 な ど にお いて 単 独 出 資 企 業 が比 較 的 多 い。

私 営 企 業 の資 本形 態 を 立 地 との 関連 で み た の が図4で あ る。 図4に よ れ ば大 き な傾 向 と して 都市 化 の程 度 が進 む に した が って有 限 会 社 の比 率 が 高 ま り,単 独 資本 形 態 と共 同 出資 形 態 の比 率 が 低 下 して い る。 都 市 化 の 進 展 は社 会需 要 の増 大 と高 度 化 に対 応 す る生 産 規 模 の拡 大 と産 業 構 造 の 近 代 化 を伴 うの で,よ り大 きな 資金 が要 請 され,そ れ に適 した組 織 形 態 が 選 択 さ れ るの で あ ろ う。

3)資 本形 態別 の資 金 調 達

資 本 形 態 別 の 資 金調 達 構 造 に っ い て は利 用 で きる統 計 は きわ め て限 られ て い る。1993年 のG調 査 も1995年 のH調 査,1調 査 も示 して いな い。た だ 1991‑92年 のF調 査 が この点 を示 して い る。 そ れ に よ れ ば,表12の とお

りで あ る。

創 業 時 の 自 己資 金 比 率(実 際使 用 資金 総 額 に 占 め る自 己資 金 額 の比 率) で は単 独 資 本 企 業 が57%と 最 も高 く,有 限 会 社42.4%,共 同 出 資企 業 が 34.8%と 最 も低 い。 創 業 後 の1990年 で の 自 己 資金 比 率 は各 種 形 態 の企 業 で いず れ も増 大 して い るが,と くに共 同 出 資企 業 と有 限会 社 の そ れ が大 幅 な増 加 を みせ て い る。 この 種 の 企 業 の 自己 資 本 の 蓄積 が創 業 以 後 に急 速 に

表12.企 業 形 態 別 の資 金 調 連 構 成

C%) 単独 資本 共 同出資 有限会社

サ ンプ ル数

自己資金a

比率b

57.5 76.5

34.8 76.6

42.4 81.5

2988 2966

銀行借 入a

比率b

45.6 51.4

35.5 40.6

43.4 32.3

1369 894

民間借入a

比率b

39.5 40.3

29.9 56.8

29.7 27.9

1274 866 備 考:aは 創 業 時,bは1990年 時 点 の 数 字

(「 中 国 個 体 私 営 企 業 調 査 一 経 営 ・利 潤 ・収 入 」377,378,384,391頁

よ り作 成)

(25)

中国私営企業 の経営 資源分析 進 ん だ こ と を示 して い る。

借 入 比 率 にっ いて は それ ぞ れ の 集 計 サ ンプ ル基 数 が か な り異 な る の で比 較 は困 難 で あ るが,単 独 出 資 企 業 や 共 同 出 資 企 業 の借 入 比 率 が 相 対 的 に増 加 して い るの に対 して,有 限 会 社 の 借 入 比 率 はむ しろ低 下 して い る こ とが

うか が え る。

5資 金構造の比較分析

1)「 資 金 不 足 」 問 題

私 営 企 業 の 日常 的 な経 営 に お い て は 「資金 不足 」 が常 に最 大 の 問 題 の 一 っ に な って い る こ とが私 営 企 業 経 営 者 に対 す るい ろい ろな調 査 に よ って 示 され て い る。例 え ば,1995年 に実 施 され たH調 査 に よ れ ば,2564企 業 の う ち生 産 資金 の調 達 の困 難 度 に関 す る回 答 は,非 常 に困 難 と回答 した企 業 が 24.4%,や や 困 難 と 回 答 した 企 業46.1%,困 難 で な い と 回 答 し た の が 29.5%で あ った。 生 産 資 金 調 達 の困 難 度 の水 準 は そ の他 の いず れ の項 目 よ り も高 い(「 中 国私 営 経 済 年 鑑 」1996年 版,156‑157頁)。 ま た同 時 期 の漸 江 省 の315の 私 営 企 業 に対 す る1調 査 に よ って も同 様 で あ る。 す な わ ち, 生 産 資 金 調 達 の 困 難 度 に っ い て の 企 業 の 回 答 比 率 は,非 常 に 困 難 が 17.0%,や や困 難 が47.3%,困 難 で な い35.7%で あ り,資 金 調 達 の 困難 は, そ の 他 の いか な る経 営項 目よ り も高 くな って い る。(同上,182頁)。 私 営 企 業 経 営 者 に と って 生 産 資 金 の調 達 は最 大 の 問 題 点 とな っ て い る と い え よ う。 こ こで は,私 営 企 業 の 資 金 困 難 状況 お よ び 資 金 の 効 率 性 に っ いて 他 の セ ク ター の企 業 と比 較 検 討 して み た い。

2)自 己流 動 資 金 比 率

日常 的 な生 産 資 金 の調 達 困 難 は い ろ い ろ な要 素 が考 え られ る が,こ こで は流 動 資 金 に 占 め る 自 己資 金 の比 率 につ い て他 の セ ク ター の企 業 類 型 と比

(26)

表13.企 業 類 型 別 の 自 己流 動 資 金 比 率 分 布

(%)

国有企業 集体企業 外資企業 私営企業

10%未 満 53.8

13.8

29.8 45.0

10‑20% 22.0

17.1

24.1 33.2 21.3

20‑30 10.8 20.9 13.6 is.7 12.5

30‑40% 4.9 12.6 9.9 16.7 6.7

40‑50% 3.5 13.8 5.9 16.7 5.4

50%以 上 5.0 21.8 16.8 16.7 9.1

(「 管 理 世 界」1995年 第1期,155頁)

較 して み て み た い。 他 の 条件 が一 定 で あ れ ば,自 己資 金 比 率 が高 け れ ば そ れ に応 じて 生 産 資 金 調達 の 困 難 は減 少 す る と考 え られ る。 私 営 企 業 の 自 己 流 動 資 金 比 率 は低 いの で あ ろ うか。

す で に表9に お いて み た よ う に,1995年 の調 査 事 例 に お け る自 己流 動 資 金 の比 率 は49.0%で あ っ た。他 の セ ク ター の企 業 と比 較 した場 合,こ の数 字 は ど の よ うに評 価 す べ きで あ ろ うか。1994年 の2756企 業(う ち国 有 企 業 が74%,集 団 所 有 制 企 業 が13%,外 資 系 企 業 が7%,私 営 企 業5%)に す る調 査 に よれ ば,各 種 企 業 の 自 己流 動 資金 比 率 は表13の とお りで あ る。

表 に よ れ ば,最 低 ラ ン クの 自 己資 金 比 率10%以 内 に 占 め る企 業 の比 率 を み る と,国 有 企 業45.0%,集 団 所 有 制13.8%,外 資 系 企 業29.8%で あ るの に 対 して 私 営 企 業 は0で あ る。 自 己 資 金 比 率20%以 内 で み る と,国 有 75.8%,集 団 所 有 制30.9%,外 資 系53.9%で あ るの に対 して私 営 企 業 は, 33.2%で あ る。

国 有 企 業 の 自 己資 金 比 率 が き わ あ て 低 い こ とが わ か る。 恐 ら く10%程 度 の水 準 で は な か ろ うか 。 外 資 系 企 業 も国 有企 業 ほ どで はな い が,比 較 的 低 い。 そ れ に対 して私 営 企 業 の比 率 は比 較 的 高 い。 従 って,私 営 企 業 は生 産 資金 不 足 の状 態 に あ る もの の,流 動 資 金 の 自 己資 金比 率 は比 較 的 に高 い の で あ る。

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