アメリカにおけるツーリスト市場の研究
その他のタイトル The Tourist Market in U. S. A.
著者 河村 宜介
雑誌名 關西大學經済論集
巻 4
号 1
ページ 18‑43
発行年 1954‑04‑15
URL http://hdl.handle.net/10112/15807
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アメリカにおける麒光機腿
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む す び
スト市場の研究
アメリカは︑その国内の観光事業
(T ou ri st in du st ry ) J ; d ついても︑また国際観光事業においてもその規模の大き た点から言って他の詳外国に較べて決して遜色を見たいすぐれた観光国であり︑アメリカ人は批界第一の旅行愛好
国民であb
︑そしてまた他の観光諸外国に年々多数のアメリカ人観光客を輸出しているいわゆる観光客輸出国たる の点においては決して他にその比を見ることのできない大きな特色をもった国である︒
その国内観光事業の規模の大きなことを知るためには︑年間六
000
万人のアメリカ人が国内各地の観光地を旅
行して一
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億ドル以上の金額を消費し︑国内には四
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万台の自動車と世界の三分の一の鉄道を有し︑さらに
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で
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アメゾカにおける観光機闊
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また彼等が宿泊するところのホテルは一万五
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及び︑その室数は一四
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万室に達していることを知れば十分 つぎに︑国際観光事業についていうたらば今日アメリカを訪れる謡外国人の観光客数は︑年間三
0
万人
︵カ
ナダ
︑ メ キ ジ
n人を含まない︶
に達し︑これらの人達は二十批紀後半における批界の救世主としてのアメリカがもつところ の︑いわゆるアメリカ文明に陛目するばかりでたく︑更にその豊かで豪華た観光資源と観光施設に驚歎して帰るの さらにまた観光客の輸出国としてのアメリカを見るたらば︑今日海外を旅行するアメリカ人観光客の数は年間約
二00
万人︑その観光消費額は約一0
億ドルに達するものと見られてしる︒これらのアメリカ人観光客とその観光 消費額とは︑世界各国の観光事業にとつての文字通りの﹁ドル箱﹂であり︑今日アメリカとアメリカ人とを除外し
て批界の観光事業を語ることはできない現欣である︒
アメリカにおける観光事業を管掌する連邦政府機関としては︑国内観光資源を管轄する内務省国立公園部と︑国 際観光事業を所管する商務省旅行課との二つの機関があって︑それぞれ国内と国際の立場から観光事業の推進に当 つている︒また全国的た民間協力機関としては︑全国観光協会
( N a t i o n a l A s s o c i a t i o n s o f T r a v e l O f f i c i a l s , N•A.
T. o. ) および全米旅行あつ旋業者協会
(A me ri ca n S o c i e t o f y T o u r i s t A g e n t s
A.s.T•A.)たどがある。.
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る︒
右のうち前述のとおり政府観光機関としては︑内謗省国立公園部と商務省旅行課との二つがあるが︑前者はもっ ぱら国立公園その他の観光資源の保存行政に当るものであるから︑ここでは后者についてのみのべておく︒
︵←商務省旅行課臼
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第二次世界大戦後の︑疲弊と混乱のうちにある民主主義国家を援助するというアメリカ経済政策が碓立されるに 至つて︑観光事業の重要性がひろく一般に認識され︑その結果︑アメリカ政府各省間の観光事業の発逹をはかるた めの共同研究︑企画が実施されるに至った︒そして︑観光事業は貿易の重要な一部門をなすものであるとの理由に よつて︑その主たる役割は商謗省によつて行われるべきものであるとの結論に到達した︒ここにおいて︑中央観光 行政機関として商務省国際貿易局情報部のうちに旅行課
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が設けられるに至った︒
商務省旅行課の目的は︑﹁国際旅行が貿易の発展︑財政の安定︑絡済上の諒解に寄与する点にかんがみ︑その促・
進発展をはかるために政府機関と民間旅行業界との間に立つてその間を斡旋調盤する﹂ことである︒その機能は︑
一九四八年外国援助法第一0七条D
項に規定されている事項を実施 商務長官と経済協力局長官との両者によって︑
する資任を負はされていることである︒その内容は﹁合衆国市民のマーシャルプラン参加諸国えの旅行及びそれら 国内の旅行を促進発展せしめるために︑公私の旅行機関︑その他に対して便利を与えこれを援助すること﹂である︒
つぎにその組織は︑政策に関するもの︑旅行膵害に関するもの︑旅行の促進発展に関するもの︑旅行施設に関す るもの及び旅行市場に関するものに大別することができる︒そしてこれらの仕事のうち政策に関するものについて は︑商務省内に設けられている旅行諮問委員会及び関係各省によって構成されている各省間旅行委員会
鯉済外交政策に闊する大統領の賀行委員會のうちの外國旅行に閥する委員會と稲せられるもの︶ アメリカにおけるツーリスト市場の研究︵河村︶
において︑いずれもアメ
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︵正式には
21
註
(1
)
運轍省観光部﹁欧米践光事悔の調査に闊す・る報告﹂二九頁
⇔民間の協力機関 政府の奨励政策に力づけられ︑この目的に副うべく努力しているものにアメリカン・エキスプ>スを始めとする 民間の旅行斡旋業者があり︑海外に渡る大部分のアメリカ人旅行者はこれらの業者の手を径て送り出されているの である︒彼らは経営利潤を追求する上から秋極的に旅行需要の喚起︑誘致宜伝︑更に円滑たサービスと︑想像以上 の努力を払つてをり︑アメリカ海外旅行者の増減は一に彼らの努力に懸つているといつてよい︒
アメリカにおけるツーリスト市揚の研究︵河村︶ d
旅行市場係
(1) 作成する︒ d
.旅
行施
設係
︱ ︱
︱
観光事業の最も基本的な政策を決定する機関であり︑商務省旅行課がその中心となつているのである︒つぎに︑諸
外国との協力問題については官設旅行機関国際同盟(Inter~ational
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︶を通じて行い︑また経済協力局の海外機関のうちに商務省旅行課の下部機構ともいうべき海外旅行代 表がおかれている︒なお旅行課はつぎの四つの係に分れている︒
旅行障害係国際旅行にとつて障害となっている一切の事項に関する情報を集め︑調査し︑解決策を研究し︑a o
結論を得たものについて所要の箇所に対し勧告をたす︒
b
旅行促進係内外における旅行促進運動や計画に関する情報を集め︑助成の必要について研究し︑民間業界の 調盤に当り︑また低廉た団体旅行運動を奨励する︒
一切の旅行施設に関する情報を集め研究を行い︑所要の勧告を行う︒
内外の旅行市場に関する情報を集め︑官民の関係機関と協力して旅行勤態に関する各種の資料を
Cアメリカン・エキ︳^プど^︵
Am er ic an E x p r e s s )
アメリカにおけるツーリスト市場の研究︵河村︶
A
全米旅行あつ旋業者協会
(A me ri ca n S o c i e t o f y T o u r i s t Agents
S A .T .A ) 事業遂行の為め毎年大会を開き︑一九四九年で第十九回の大会を迎え︑古い歴史をもつている︒アメリカ旅行業 者の地位と利潤の保全を目的として相互に団結し︑交通業者︑ホテル業者に対して︑旅客獲得の為めには旅行斡旋 業者は必ず必要なものであり︑その為め手数料制度は益々廣汎に高率に普及されねばならぬと主張してきた︒
彼等は旅行を売ることを共同の目的とする故にその国際旅行たると国内旅行たるとを問わず︑凡そ利潤のある限 り積極的であり︑旅行を阻害する要因を徹底的に排除する為の協同努力を惜しまない︒加うるに批界各国の渇望す るアメリカ人客は多く彼等の手によって送り込まれることを思えば︑A.s.T.A.の動向は世界観光事業界注 目の的となっているのは当然で︑世界各国の業者もォプザーバーとして多数出席している︒
B
全国観光協会
( N a t i o n a l A s s o c i a t i o n s o f T r a v e l f f O i c i a l s N . A . T . O . ) 然し乍ら一方国内旅行関係者は必ずしも全面的に政府の海外旅行奨励政策に満足の意を表して居らず︑例えば全 国観光協会は︑欧洲復興の為めアメリカ人の海外旅行を促進し︑その推進︑宜伝の為め業者に資金を供与するとい う法律案の議会通過を阻止する決議をして反対気勢をあげてお
b
︑両者対立の一面を物語っている°旅行に国民所 得の何劣が使用されるかはその時の経済朕勢に左右されるのであって︑外国旅行消費と国内旅行消費とは著しく利 害相反するものではないという考え方が一般であったが︑アメリカのように中産階萩位まで簡単に外国旅行が出来 るようになると︑必ずしもしかく簡単ではないという一つの証左と見られる︒
英国のトーマス・クック社と泣んで世界最大の旅行業者であり︑泄界各国に一四
0の海外事謗所を持ち︑ ︱
1 1
その下
アメッカにおけるジー,ス}市場の研痴盆河村︶ 日国立公園ー
│
l優れた自然と景観
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ー︑代理店に至つては幾千と数知れぬ程である︒
海外に渡るアメリカ人の大部分が同社の斡旋を利用するばかりでたく︑外国人の利用者も幕しい数に上つている︒
その創案︑発行によるどフベラース・チェックは世界有数の信用証券として旅行者の手により至るところにバラ撒
(1)
かれ遠隔地旅行の促進に寄与するところが大きい︒
註
( 1 )
今年は︒^ッケージ・ツーアの年で︑誰も彼もが旅行業者︑ホテル︑細會社︑鐵道︑航空會社を訪れ︑全額彿込み料金は
手頃な4のでアメリカ人が行けない値段のところはなかった︒トーマス・クックやアメリカン・=クスプレスの如き世界的 だェイジェントは︑圃体旅行の大きな噌加を報告している︒例えば︑クック祗では國内旅行は一九五二年の一0ー一五%噌 であると言っている︒ヨーロッペ旅行は二0
%の
噌加
であ
る︒
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20︑
19
53
)
アメリカにおける観光査源 アメリカはあまりに太きた国である上に観光資源も多いためか︑アメリカを視察する人々はとかくこの国の風景
を見のがし勝ちの傾き如あるが︑アメリカも日本や︳^ィ︳^などと同様批界まれに見る優れた風景国であり︑しかも
多くの景藤地を持ち︑それを完全に利用して観光国としての優位を保ち︑政府も国民も力を協せて︑その天然自然 の美をまもb
永久に保存するために︑精神的にも物質的にも大きた犠牲を払つているのである︒
ナイヤガラ瀑布は批界横滝の王者であり︑アメリカの代表的風景に違いないが︑アメリカには︑まだまだ︑それ に優るとも劣らぬ大景勝地如沢山あって︑しかもその大部分は︑日本から最も近い太平洋岸沿いの各地に集中して
24
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特
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国 立 公
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︵一 九五
0年現在︶ アメリカにおけるツーリスト市場の研究︵河村︶
N a t i o n a l Pa rk
C 國立公園︶だけに
いるのである︒それはかの有名なロッキー大山脈を中心に沿岸諸州を連ねて辞える山岳埠帯で︑この方面がどれだ
け自然美に恵まれているかという が西部沿岸地方に存在しているこ
( 1 )
とでそれを知ることが出来よう︒
国立公園の制度は︑風景擁誰と 観光資諒開発の立場から近年わが 国にも重要国策の一っとなってい るが︑世界に於いてこの施設を取 り入れたのはアメリカであって︑
一八七二年イエローストン大噴水 高原を最初の国立公園に指定して 以 来
︑ 全 米 第 一 紋 風 景 地 で あ る とどまらず︑地質学︑人類学︑生
物学︑歴史などに関連を持つ八十 公園二十八の中で︑十八箇所まで ことは︑現在指定されている国立
一 一四
28.
アメ
y︐力におけるツーリスト市楊の野究︵河村︶
國立公園体系
アメリカ國立公園局の管理に風する地域 1949年6月30日現在
(エーカー)面 積
11,683,915.25 16,251.12 9,764,329.42 27,167 .48・ 70;369.66
4,578.65 735.98 箇 所 敷
國 立 公 園 國立歴史公園 國定記念地
(Monument) 國立軍事公園 國立記念公園 國立古職楊公園 國立古職楊 國 家 記 念 物
(memorial) 國立史蹟地 國 立 墓 地 國立逍路公園 國立首都公園
2,096.84 5,377.n 222.01 103,641.16 30,5鉛.52 計
其他の地域 國立休養地 國立史蹟地 模範休養地
計
2,063,'197 .oo
船.oo
16,673.68
6 2,079,910.68
総 計 23,789,141‑88
︱ ︱ 五
グ ラ ン ド
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グレート・スモrキー
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= ナ ン ド ア マ ン モ ス
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一九
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一九 四0年 一九四0年
一九四四年
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ワ イ オ ミ ン グ 州
ニュー•メキジコ州
テ ネ ッ ジ ー 州 ヴ ァ ー ジ ニ ア 州 ケ ン ク ッ キ ー 州 ウ ジ ン ト ン 州 ミ ジ ガ ン 州 カリフォルニア州 キ サ ス 州 白 ゲ 州
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︵
國定
記念
地︶
して︑多額の経費を投じてその擁 誰方法を講じ︑すべての風兼地を
﹁青天教室﹂と称して国民精神高
揚の道場としている︒
し か も ア メ リ カ で は ているほどで政府も将来内閣に
﹁ 国 立 公 園 省﹂を設けて専任の長官をおかんとするよう な非常な意気込を示している°従つてこれが 種々国内産業にもよい影響を与えてその健全 た発達を促し︑国立公園や︑国家紀念物の経 営を正しい意味の
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5 ,
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考え方から絶えず積極的な改善を施し︑種々 な学術的施設を作っているため︑アメリカ経
28 5 86
1 1 2 6
ー
9 2 0 3 1 1 1 4 3 1 2
7 ー
180
21,709,231‑20
を見よ﹂という言葉を一つの愛国的槙語とし
フ テ
"
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氷 河 山 岳 鐘 乳 洞 山 岳 と 森 林 高 原 史 蹟 鐘 乳 洞 氷 河 山 岳 大 湖 と 島 渓 谷 と 森 林 熱 帯 性 高 原 熱 帯 性 温 地
A m e r i c a F i r s t
"﹁まづアメリカ s ょ
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に指定 六 ヶ 所 の 天 然 景 勝 を
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26
いったいわが国では︑山水を賞するにも背から﹁一瓢を携えて﹂行くという習慣があり︑観光地といえば一種の
﹁遊び場﹂であるかのように思い︑またその民衆心理に迎合するような俗悪な施設があり勝ちであるが︑この点で はアメリカに学ばねばならない点が多々あることは否定することはできない︒
たとえば首都ワシソトソの日本桜の満開期には︑各鉄道が特別列車を増発するというほどの賑わいを呈するが︑
花見客で酒を飲むようた人もたく︑況んや︑泥酔して高歌放吟するようた無作法を演ずるものは決して見られない︒
特に国立公園などは神聖な霊地として︑あくまでも自然を尊重し︑自然を愛好する姿が見られ文化性の高い国民性
を感じさせられる︒
⇔観光資源としての工場
1
工場見学旅行 施設もまた国家的観光賓源の一つであって︑毎年数百万のアメリカ人が全国にわたつて案内者附旅行に参加し︑彼
等が平常店で買う商品を生産している工場を見学する︒商務省合
De
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) の概算によると︑工場 見学にやつてくる人の数は︑年間一︑
000万乃至四︑000
万に上り︑就中夏休みの間が最も多い︒
これらの工場の種類は︑肉の罐詰工場や自動車組立工場から織物やレーヨン工場︑ビール醸造所︑或は採鉱坑に 至るまで非常に多岐にわたつている︒多くの会社では熟練した案内係を置いて︑参観者にくまなく見せるようにし
アメリカにおける観光は風景だけではない︒ 註
C 1
>日米通信社﹁世紀のアメリカ﹂八六頁
済の上にも素晴しい成果を牧めている︒
ニューイソグラソドの海岸やグラソド・キャンョソと同じく︑
アメリカにおけるツーリスト市揚の研究︵河村︶
一 一 六
工場
27
アメリカにおけるツーリスト市場の研究P河村︶
てやる︒なかには見学がすんだ後で客に無料で︑試食などさせるための特別室を設置している所もある
0勿論この
工場における敏待は意味のないことではない︒第一に︑企業家は一般に消費者大衆との関係を改善することを常に 心掛け︑また顧客を獲得する最善の方法の一つは個人的接願によるということを知つている︒その上︑
として大衆の関心が生産業界の活勁欣況を見学したいということに集つているからである
o n ネティカット州のプ リッヂポート商業会議所の実施した世論調査によれば︑質問を受けた人の六五疹は地方工場設備を参観したい意向 を持つていた︒更にほかの都市で同様の調査をしたところ︑その率は更に高かった︒
或る種の産業では︑工場見学ということが︑既に数十年もの間の年中行事となっているところもある︒そして毎 年数十万人の見学者が︑ミシガソ州の大自動車工場を訪れている︒これらはデトロイトの郊外にあるフォードの巨 大たリヴァー・ルージュ工場や︑ジェネラル・モータースの諸工場である︒後者の中にはフリントにあるビューイ
'ッ
クや
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ーの工場︑ラソシソグにあるオールズモ.ビル工場︑及び︒ホソティアグ工場などがある︒その他全国に あるジェネラル・モータ
1‑
︿の諸工場のうち︑定期的に︑予定の立てられた一般のための見学旅行を持つているも
マサチュセッツ州のフレーミソガム︑及びカリフォルニア州のサウー︿ゲ ィトにあるビューイック・オールズモビル・ボソティアクの組立工場がある︒
シカゴの屠殺場近くにあるスヰフト及びアマア両織詰会社も同様の集団旅行を主催している︒
この工場見学迎動の起原はニューヨーク州東部ナイガラ藻布附近にあるナショナル・ビスケット会社の製粉工場 であるが︑ここは一九
00
年工場が創設された時に見学旅行も始められた︒今日では︑客を案内するために月曜か ら金曜まで五人の係員が常駐している︒
一九四九年は二万五000
人以上の人がこの工場を参観し︑それぞれグリ
のに
は︑
=一ュージャーシー州の
l J } )
デン
︑
︱ ︱ 七
一般の傾向
グン・リヴァーにある木綿および人絹のペプレル工場がある︒ 有名たチョコレート工場は年日から参観者に人気がある︒ 品の陳列館に案内される︒ アメリカにおけるツーリスト市楊の研究︵河村︶
ームと果物つきのセリアルを饗応された︒ミシガソ州のバトル・クリークにあるジェをスル・フード会社のポスト
・セリアル工場でも二万五000
人の参観者が見学旅行に来たが︑その中の一万五
000
人は夏の間であった︒連
続して実施しているこのバトル・クリーク見学は約一時間半かかる︒そして参観者には紀念にこの会社の製品をお
士産として贈呈され︑また熱い︒ホスタムを饗応され︑ボスタム・セリアル会社の創設者であるポスト氏所有の美術
食品製造会社はその工場の衛生的たことを廣く大衆に知らせることに努力している︒そしてそれらの工場は︑参
観者のために常に室を用意している︒ジェネラル・フード会社は︑ホーポケンのマッグスウエル・︿ウス・コーヒ
1
工場
︑ マサチュセッツ州ドーチ
H
‑︿クー・ベーカー・チョコレート工場︑及びマサチュセッツ州ォレソヂのマイ.
︱︱ュート・タ︒ヒオカ工場等に対し平日の定期的見学を実施している0ペンシルヴァニア州南東部にある^ーシーの
会社の事業の正規の一部門として実施され︑また予めたんらの手配も必要でないこれらの見学は︑何も特別の計
画もいらずに休暇旅行のスケジュールに入れることかできるので︑休暇を過す人々に人気がある︒マサチュセッツ
サチュセッツ州のフォール・リヴァー及びヴァージニア州グンヴィルの
州サレムのペコット綿織物工場︑同じくマ
一方アメリカゴム会社の多くの工場では︑訪問者は予め時間を約束しなければならない︒もつともタイヤとコー
ドの二工場︑即ちジョージア州ホーガ
y‑︿ヴィルとテネシー州`ンエルビイヴィルにある工場は︑就業中すべての訪
問者に開放されている︒東︒ヒッツバーグにあるウエスティング︿ウス電気会社の工場では旅行者はなんらの予約な
ニ八
29
1におけるタービンと発電機︑
ート・ウエインにおける小電勤機と変圧器︑クリーヴランドにおける電球等である︒
プス
ト︑
︱ ︱ 九
ロスアンジェル一︿南部の
しに見物することが出来る︒またジェネラル電気会社は︑東部及び中西部にある少くも六つの大工場において定期 的に見学の便をはかつている︒その熟練した案内者達は︑各種の製造過程につき客に説明する︒即ちシュ︑たクタデ
シラキューK
におけるテレヴィジョソとラジオ・セット︑
ヂポートにおける家庭器具︑ペンシルヴァニア州エリーにおける冷蔵庫とディー王ル機関車︑イソディアナ州フォ
コネティカット州プリッ
また︑全国のピール醸造ー所では一
00
万人の訪問者を迎える︒そして訪問者を厚遇することにおいてこれらの醸 造所を凌駕するものは殆どたい︒ウイスコンシソ州ミルウォーキーにおいては︑大会社として四指にあげられる︒ハ
シュリッツ及びミラーの何れをも見学者は選ぶことができる︒プラッツ醸造所は︑その新しい過詰工場で︑
年に一万人の参観者を扱った︒ここでは要所要所に展望台を造ったが︑この費用に五
0
万ドルを要した︒機械の騒 音がひどくて案内の説明がよく聞きとれない所では︑予め用意された説明が拡声器から放送されるようになってい
る0
見学団は一日中続いてやつてきては︑ビールや軽い欽物が供される素晴しいバーに導かれる︒セソトルイスに あるアンヒューザー・プッシュ工場でも︑参誤者に対して同様に工夫をこらした接待方法を準備している︒
或る地方に工場見学旅行を計画する時︑訪問者が最も信頼のできる案内が得られるのは︑その地方の商業会議所 である︒そこでは公開されている工場︑及びその参観時間に対する指示が与えられる︒モソタナ州にあるバット及 びヘレナの商業会議所はその地方にある金鉱や銅鉱をまわるに便利た予備知識を与えてくれる
0
商業組合なども常 に会員業者の名簿を埜えて観光客の質問に快く応じている︒例えば西部沿岸においては︑
葡萄園地帯から北はアステイ地方までずつと拡がつているカリフォルニアの葡萄酒醸造地方についての予備知識は︑
アメリカにおけるツーリスト市揚の研究命匹村︶
一九四七年
一九四八年
l九四九年
一九
五0年
戦 年
前 別
H
アメリカの国内観光事業
A
国内観光客数と消費額 アメリカ人は世界第一の旅行国民であり︑したがつて︑その国内観光事業も泄界第一の規模を誇り︑他のアメリ
(1)
カ産業に比較して今やその最大の産業の一っとなっている︒全米各地にわたり廣大な面稼を占める二十八の国立公 園︑その他州立公園︑郡立公胴をはじめとして︑海に︑山に︑高原に︑その国内観光盗源は無数であり︑自動車︑
航空機︑鉄道等の近代的交通機関︑娯楽施設等も完備して︑アメリカこそまさに二十世紀を代表する一大観光国で
あるということができる︒
今日︑アメリカにおける国内観光客数とその消費額に関する正碓な統計はなく︑穂々の資料によつてこれを推計
すると大体次の表に示すようになる︒
観光客敷
四0
00
萬人
四000萬人
五000
萬人
六五00萬人
六0
00
萬人 観光消費額
五0億ドル
八0
億ド ル・
10
八億ドル
ー一 七億 ゞ・ ル
ー ニ
0億ドル
四 ア メ リ カ に お け る 観 光 市 揚 分 析
サンフランシスnの葡萄酒研究所から得ることができる︒ アメリカにおけるツーリスト市場の研究0河村)
1 0
31
二五%ニニ%
一七
%
︱二
%
九%七
五% %
三%
またアメリカ内務省国立公園部の調査によると︑右公園部が管轄する国立公胚︑その他の各紋公闘および史蹟︑
名勝︑天然紀念物等の国内観光資源花訪れた観光客数はつぎの通りである︒
一九
四八
年
一九
四九
年・
ニ四︑四六三︑六五三人
二六
︑二
九三
︑阻
︱︱
) " I
一 人 次 に
︑ ア メ リ カ 人 が
︑ そ の 国 内 観 光 旅 行 の 費 用 に 消 費 す る と こ ろ の
︑ 年 間 一
00
億 ド ル を 超 え る い わ ゆ る 観 光 泊 費 額 が
︑ 如 何 た る 方 面 え 流 れ る か を 見 る と
︑ 大 体 次 の 表 に 示 す よ う た も の で あ る
︒ レストラン・カフエー 小蜜商店 ホテル.宿泊所
ガゾリン販賣所
刷場・娯築楊
乗 物
菓子・飲料
そ の 他
註
C 1 )
アメリカ合衆國四八州のうち半数の州では︑観光事業は第一︑第二又は==位にあるQ國際観光悔報第六八琥三四頁︶
B
国 内 観 光 客 と 観 光 施 設
1
交 通 機 関 ア メ リ カ 人 国 内 観 光 客 が そ の 旅 行 に 利 用 す る 交 通 機 関 を 見 る に
︑ 約 三 人 半 に 一 台 の 割 合 で
000四
万台の自勤車 をもつている国である点からしても︑次の表に示される通り︑自動車を利用する者が圧倒的に多い︒
アメリカにおけるツーリスト市場の研究冒盆河村︶
レJ .
ツ ー リ ス ト ホ ー ム
モ テ
ホ テ
Jレ
ニ四
・O
%
八•六ク
三・
八ク
従業員数は六
0
万人︑その給料は年額一〇憶ドルを超えている︒
ア メ リ カ に お け る ツ ー リ ス ト 市 場 の 研 究
︵ 河 村
︶
2
宿 泊 施 設
四二0•五0萬ドル
八二
・‑
0萬
ドル
一六
四
・‑
0萬
ドル
‑=
七・
七
0萬
ドル
二九
・O
0萬
ドル
一、七〇九•五0萬ドル
旦
宿泊施設の大宗をなすものはいうまでもなくホテルであり︑今日アメリカのポテルは全国にわたつて一五︑
0 0
0
を数え︑その室数は一四
0
万室といわれている︒アメリカのホテル事業はその投資額五〇憶ドル︑同国第七位の 産業とたつている︒またその宿泊客数は年間二偉七五
00
万人に上り︑平均宿泊日数は二日となつている︒ホテル いまアメリカ人国内観光客の宿泊施設剌用率をその糠別毎に見ると次の表に示す通りである︒
行
國 内 航 舶 外國行佃舶
計
飛
機 ス
,,, 鐵 鹿 プ 自
台 動ル
マ 逍 車 ン 車
︱ニ
・七
%
JO
・八
%
三•四%
三・一%
二•O彩 五
・O
% 六・八〇萬ドル
六 一 1 1 ‑ 0
%
九六
九・
︱︱
‑ 0 萬
ド・
ル 交通機関別利用率及び消費額︵遭
5麟
臼鐸
虹︱
33
アジア諸國人
アメッカにおけるッ
iリスト市場の研究0河
村︶
南アメリカ諸國人 北アメリカ人
四一
七︑
O l l i
O
01
八︑七九九 三四︑五四九
九︑九六〇 一般には国際観光事業という言葉は︑ トレーラーコーチ友人親せき宅
⇔ ア メ リ カ の 国 際 観 光 事 業 ア
メ リ カ に つ い て 国 際 観 光 事 業 と い う 言 葉 を 用 い る 場 合 に は
︑ 右 の よ う な 普 通 の 意 味 の 他 に
︑ さ ら に ア メ リ カ 人 観 光 客 の 海 外 え の 輸 出 と い う こ と に も 関 係 し て 来 る
︒ こ れ は ア メ リ カ が 批 界 最 大 の 観 光 客 輸 出 国 で あ る と い う こ と か ら 当 然 生 れ て く る 一 つ の 大 き な 特 徴 で あ る
︒ し か も こ の 後 者 の 方 に 一 層 大 き な 意 義 を 含 む こ と が
︑ ア メ リ カ 国 際 観
光事業の特異性である︒
A
外 国 人 観 光 客 数 と 消 費 額 今 日 ア メ リ カ は 世 界 最 大 の 文 明 国 の 一 つ で あ り
︑ 世 界 で 最 も 豪 華 な 観 光 資 源 と 観 光 施 設 の 所 有 国 で あ る
︒ し か し て︑この国を訪れる諸外国人観光客数は次の表に示される通り約一︱
1 0
万を数えている︒
(1)
1九四九年におけるアメリカ入国の外国人観光客数
ヨーロッパ諸國人
ヽJ ー
キ ャ ン プ
山
屋
五一
・九
ク
四•三ク
六•Oク
一一七•四ク
外国人観光客の受入れに関係する事業という意味に理解されるのであるが︑
1 11 1
1 1