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子どもにおける生と死(共同研究報告 : 臨床死生学研究) 利用統計を見る

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Title

子どもにおける生と死(共同研究報告 : 臨床死生学研究)

Author(s)

越智, 裕子

Citation

聖学院大学総合研究所 Newsletter, Vol.19-3 : 23

URL http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=2317

Rights

聖学院学術情報発信システム : SERVE

SEigakuin Repository for academic archiVE

(2)

23

【臨床死生学研究】

子どもにおける生と死

 2009年6月13日、新都心ビジネス交流プラザ4 階聖学院教室にて第1回臨床死生学研究会が開か れた。あいち小児保健医療総合センター診療科病 棟保育士/HPSJapanの田中久美子氏を講師にお迎 えした。参加人数は28名であった。

 本講師は、「子どもにおける生と死」の理解を 深めるため、200床ある診療科病棟の保育士とし て、病棟を利用する虐待児などの事例を中心に紹 介している。

 本講師は、子どもにとっての生と死は、①食欲、

②睡眠欲、③居心地、④楽しみ、⑤嬉しさ、⑥探 究心の充足で、安全基地、基本的要求の充足、自 己肯定感の確立なされるか否かによるとしてい る。また、病棟の保育士の仕事として、①入院生 活におけるストレスや不安の緩和、②子どもの個 別要求の充足、③信頼関係、④安心の場、⑤興味 関心の拡大、⑥対人関係性の構築や学習、⑦退院 後の生活確保などを上げている。そして、子ども にとっての遊びを「健康な子供時代の基本的な部 分である。遊びを通して子どもたちは言葉が発達 し、関係性に気づき、新しい課題を習得する。遊 びは感情のはけ口であり、ストレスとうまく処理 するのを助ける」ことと定義づけ、「.虐待を受け た子どもの心理」には、身体的・心理的苦痛への 対処、悲しみの癒す場所、生きる拠り所、自己表 出の機会、現実認識、自己受容、情緒的葛藤に立 ち向かう力、成長・発達を促す必要性があり、そ れを遊びの要求を通し、支援を施すことの重要性 を訴えている。

 「事例検討」では、この病棟に入院をする10代 前半の障害児、4事例を紹介している。いずれも、

虐待、自死、自殺未遂など多問題家族を背景に、

意志の伝達が苦手、友人関係がうまく築けない、

喧嘩が絶えない、非社会的行動などといった状態 像を示している。本講師は、彼らに遊びを通じ、

目に見える形で安心・自己肯定感などを与え、潜 在的な能力の発見や助長を促している。しかしな がら一方で、彼らは、依然不安定な感情など不健 康な部位も残しており、これに対し、病棟保育士 の今後の課題として、①乗り越える課題の個別 性、②様々な背景・病気を持つ子どもの共同生活 への関わり、③将来を見通した関わり、④他職種 との連携、⑤地域の学校との連携、⑥家族を中心 としたサポートの重要性と困難、⑦子どもを中心 としたチーム医療/家族ケアの必要性を上げてい る。また、「虐待を受けた子供へのケア」として、

外傷や栄養障害は短期的な治療と同時に、年数を かけた心の回復の重要性を上げ、その対応とし て、大人から愛され、尊重されることが必要であ ると述べている。また、親へのケアとして、①虐 待の背景、②現実生活からくるストレス、③夫婦 関係。環境など、④過去の被虐待体験、⑤子ども 側の要因(育てにくい・多動・障害など)などへ のケアが必要とし、子どもと親を中心にした、イ ンフォーマル、フォーマルな個人、集団が支援を 行っていることが重要であると考えている。

(文責:越智裕子 聖学院大学大学院アメリカ・

ヨーロッパ文化学研究科博士後期課程 

(2009年6月13日 新都心ビジネス交流プラザ4 階聖学院教室)

共同研究報告

参照

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