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硫 トラス構造の座屈(続報)

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Academic year: 2021

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(1)

79

トラス構造の座屈(続報)

奥  田  克  己

1 はしがき

 トラス構造とは多数の直線部材の結合より成る構造であって,節点はすべて剛節であ り,且つ節点以外の点に作用する外力は存在しない構造である。

 したがって,トラス構造における各直線部材の軸力は,節点をすべて滑節であると仮定 して求めたときの軸力の値と完全に一致するはずである。このような構造が弾性座屈を生 ずると,全部材が一斉に座屈し,座屈後の各部材の弾性線は一斉に曲線に変る。それ故ト ラス梼造全体の座屈を考える代りに,任意の一部材のみに着目し(これを基本部材と呼ぶ)

この部材だけの単独座屈の問題と見倣して,座屈の限界荷重を求めることができる。

 ただし,図一1のABを基本部材とすれば,節点A,Bには必ず何本かの隣接部材が接 続しているので,基本部材ABの両端末・4, Bにおける変形の条件は,単なる固定または 支持ではなく,一般}C・A, B両端はある曲げ剛さを持つ弾性支持であると考えられる。

O c=X

      図一1 2 基本部材の座屈公式

 一般に基本部材ABが座屈して,図一1の点線のごとく変形し, A, B両節点の近くで は・Mo4・MOBなる曲げモーメントが発生し, A, B節点はそれぞれρ似,90Bだけ回転し たとし,図一1に示す矢印の方向を正とすると,

    MoA=kOA gOA,  MoB=leOBfPOB      (1)

で,添字の最初の文字は部材を,後の添字は節点の記号を示す。ただし,kは直線部材の 端末における曲げ剛さで,kOA, kOBの値は隣接部材によって定まる。次に図一2に示すご とくB端にi本の隣接部材が接続している場合について考える。隣接部材iのB点におけ る曲げ剛さktBは,

(2)

80

k、B_M・・

¢)tB

cLa

(2)

c

Pi

      図一2

で,これはB端末における隣接部材としてはi部材だけが単独に存在する場合の,B端六 における曲げ剛さであり,その値は弾性論によって求めることができる。 (次節)

またB節点は剛節であるから

    %万=9tB       (3)

モーメントの釣合いから         

    M。B=ΣA・f,.      (4)

       ii−t1

式(3)に,式(1),(2)を代入して,式(4)によって,MoBとA6,Bを消去すると, B点の曲げ副 さkOBは,

       ゴ

    k。B一Σk,。       (5)

       i=1

同様に,A端にj本の隣接部材が接続する場合のA点の曲げ剛さkOAは,

        i

    k。。一Σk,.,      (6)

      i=1

 基本部材の単独座屈の限界荷重をPOOとすると, POσは基本部材の固有の常数Hoと曲 げ剛さkOA, koBによって決まり,数式でかけぽ,

     1)oσ=F(kOA, kOB, Jlo)       (7)

    ただし Ho=lo/Eolo       (8)

 ここで,koA, kOBは次元を持つので,取り扱いを簡単にするために次式のごとく無次元 の7770A, MOBとに書き換え,

    fnOA=たOAHo,   7210B=夫OBHo      (9)

 この〃zを座屈係数と呼ぶことにする。式(9)を用いて式(7)を書きかえると,

   P・σ一島。ゾ(m…m・・)        Od

さらに,

    α6a=∫(MOA, MOB)       ⑪ とおけば,式⑩は,

(3)

81

    P・・一・b・』浮゜      ・

       くの

となる。式⑪のα0σとMOA, fnOBとの間には,第一報の式㈱が成立する。この式を本報の 記号を用いて書き直すと,

    αbe・inα。σ+α。σ(・inα。。一α。σC・・α。σ)(M・A+m・B)

      +{2(1−c・・α。σ)一α。σsinα。,}fn・A・m・B−0     ⑬

o

ドA

v

41   2ー       ー

4

c

4 N

 0   8   6   4   2    0ー

 |

縫s 1

ぞ、

舎マ

ぺP

2 4   6   8   iO  12   /4

       一一→>tMcA        図一3

 この式⑬のグラフを図一3に示す。MOA,物βが知れると,上式(i9によってαoσが定ま り,これを式QZVこ代入することによってPocが求まる。また,図一1で, A端が固定とす れぽ,MOA=。。であるので,上式に代入すると,

    ・。。(・i・α。σ一・。。c・・α。,)+{2(1−…α。。)一・。・sinα・・}M・B=0 04

この式⑭のグラフを図一4に示す。

式(IZIこおいて

    。a。−7z。π・      as

とおけば,式㈱は,

(4)

82

・。

ざ→

20

18

16

1 1

14   2   0      1      ー

 8

 6

図一4

(5)

83 Poσ=770r・2Eolollo2

で,通常オイラーの公式と呼ぼれているものと一致する。

crs・

v.

3 端末における曲げ剛さk

図一2は・縫の部分図一(・ ・ ABCtg屈を考え磋本部材・を, BC麟翻枷を,点 線醜屈後の難曲線の波形を示す・隣接部」1・t・iの儲cが支持暢合と,固定暢合、こ 分けて曲げ剛さktBの導き方を説明する。      

(1)隣接部枷の他端が支持の場合

tr−一一一‖i

QiB

g

      図一5    Qic

図一5はpm−2の翻 撒を励出したもので, C端が端の場合己る.先ず,力

の釣合上QtB=QtO,かっMεσ=0であるから,

    ハ4tB=QtBlt     Mx=Q,BX+Po したがって,

2+ξ・・…iiz−・一・

ただし,  Pf=ξ♂E必 これを解くと,

    ・−A…ξ針B…ξ1・一警ex

x==0 で  Nニ0 とおくと,   .Bニ0

    x=ltで  y= O とおくと,

    ただし・       αt=ξ,1,

式⑳に,式㈲,と助を代入して,

A= MεB   Ptsinαt

0

    ツー警(sinξtX  xSlnα包   1ε)

次に,x・=ltでdN/dx == 一 {otB,式(2)から,

 AtftB= ktBPεBとすると,

    一鷲τ一劉α・c筆:1蓑inα・)

(6)

整理して,

   ll乙)慧;ll}

この式臼のφ、(α)を図一βに示す。

図一6

(7)

       85  次に,部材iの軸力が引張の場合には,図一5のPtを引張に改めて,同様にすればよ

い。

 その結果は,

で,この式⑳のφ11(α)を図一6に示す。

 (2)隣接部材iの他端が固定の場合

 図一2のC端を固定とすると,図一7になる。

宿

←一一一Ri

QB

M

   t

     一一一一   _   一

一一■

v

Vd

   Qic

図一7 したがって,

霊ゴ蕊ξ+,,, )1

これより,

;裟噺・(一・it・+QIBX)/EI・・一・

これを解くと,

y=AsinξtX+BCOSξ,X−(一M包σ+QtBx)/P,

x=o で3,=o とおくと,

B=M・B;Q・・ち

    Pt

x=o で d5,/dx=o とおくと,

    A=Q8

      1)tξ《

x=ttでS, =o とおくと,

Asinαt+Bcosα一(−Aa,c+q.x)/Pt=o 上式に,式θ,㈱と㈲を代入して整理すると,

3D

3z

(8)

86

    QεB= Z也Bξε(1−cosαt)

       Slncrt一αtcoscrt

x=ltで, dor/dx=−COtB,式(2)で{OtB=A41tB/ktBとすると,

    鷲一一Aξ・C・・crt+Bξ・S・・α・+一晋

上式に,式eg, BDと鱒を代入して,

    :竃曇悉監}

この式6Sのφ,(α)を図一6に示す。

9

s﹇D

B9

65

次に,部材iの軸力が引張の場合には,図一7のP,を引張に改めて,今と同様にすれ

ぽよい。

その結果は,

    :ごタ蕊畿

で,この式⑯のφ、!(α)を図一6に示す。

}  60

4 座屈荷重の求め方

 図一2において・座屈を考える基本部材0と部材iとの軸力PoとPtとの関係は,静力 学的釣合の条件によって決定されるから,一殻に

Pt=CtPo      BZi

で,C包は既知の定数である,式助の関係を図一8に示す。

 一般にすべての隣接部材の軸力が零である場合には,前論文1)2)の手順によってktBを 求め,これを式(5)に代入することによってkOBを,また同様にしてkOAを求め,式(9)に

よってMOA,彿OBが求まるから,式⑬または図一3を用いて,αoσを,さらに式⑮⑯に よって720およびPOσを求めることができ, POと与えられた荷重との関係Wは,静的釣 合の条件によって最初から既知であるから,結局臨界荷重▽を求めることができる。と

ころが隣接部材の軸力が必ずしも零でない場合には,Pψが未知である以上, letBの値を 決定することができないから,その後の計算を進めることができない,そこでこの場合に は.巳σの値を適当に仮定し,試算法によって臨界荷重を求めなけれぽならない。図一8は 試算法の手順を示すもので,先づ斜線は式⑰の関係を示す。

0

関係

一一ラP{

図一8

(9)

       87 この式⑰は座屈の瞬間まで成立し,

    1)tC=C,1)oo

      B⑨

但し・添字C願界座屈鐘(cri・ical・b・・kli・g 1・ad)を示し式68姻一8の点Cを示

す。

そこで,座屈鯨の求め方の手順の例として,図一2の部枷の他端c澱持で,舗

iが圧縮を受ける場合,すなわち,前節の(1)llついて説明する。

 求める座屈荷重Poc, PtCは式⑫と0θから

    P・σ=n・・2E・1・/L・2−・・σ2E・∫・/i・2        ω     P・・=n・π2Etlt/1・2・・tEllt/II2         ㈹

である・座屈樋P… P・σを求める・とと…。,・,C又は7Z。鋤を求める・とは同臆 味である・先ず部JH−iの・・σを・1・・と仮定して,蜘からP、a、を求める.次、.。,σ、を式 臼に代入し・さらに式(・)・(・)1・・代入して…9・を求め,又,同樹・してA点での,。。Aを 求め・このm・At m・Bを式⑬e・代入して…σカ・求ま》砥・の時の部材・とi、、DiEig Poa1, PtOiは

    ㌃:蕊別        eD

上式9Dを図一8での点1とする.・の上式力・式晒満たせぼ,すなわち点1カ・縮線上に 乗ればこれが求める座屈荷重.Poσの値である。もし,式臼を満たさない時は,更に部材i

のαtσをαtC2として今と同様に計算をして,

    鴛:㌻巖;}       (e

を得たとする。上式を図一8での点2とする。

 上式が式B8を満たせば,これが求める座屈荷重1)ooの値である。

 まだ,満たさない時は,満たすまで計算を試みる代わりに,図一8での点1と2を結ぶ 直線が式励直線と交わる点C(P・σ・P・c)よ腱屈荷重P・σ鰍定する・ともできる。

 また,他端Cが固定の場合も全く同様な手順にて,座屈荷重を求めることができる。

5計算例

 図一9に示す二辺からなるトラス構造に圧縮荷重Wが作用した時の座屈荷重W,を求め

る。

 ただし,A, C点は固定とする。

部材0と1の軸力1)o,P、は

    P・ =・1/百Po       ㈹

    P・一コW P・一警       @

座屈の瞬間まで・鵡と鱒1誠立すると考える.部材0と1の座屈樋P。。, P、。は式(、Z,.

⑯から

    ;ll:蕊㍑き㍑8}    臼

(10)

88

4

↑2

7

0

図一9

5 2

2  2  3

  →・n lc

   図一10

(11)

89 式⑬と倒から

    銘。σ=ンー{i n、σ       ㈹  上式のグラフを図一10に示す。

 先づ,部材1は,一端固定で他端支持の棒に近いから,フ7、c、≡2と考え,これを式⑮に 代入すると,α、c、=4.439となる。これをround numberに直して,α、σ、=4.40と仮定

した。従って,これに相当するn、σ、は1.964と仮定したことになる。従って,式臼から

    φ、(α10)=φ、(4.40)=0.259       禦力

上式を式θと式(6)に代入して,更に式(9)に代入して,

    MoB = RoBHo=RエBHo:=0.4486       ⑱

を得る。基本部材0のA端が固定であるから式⑭によって,αoσ、=4.65を得る。これを式

㈲に代入して,フZo、=2.193を得る。このnoo、=2.193とフ1、ot=1.964を図一10の点1とす る。次に部材1のα、σの値を変えたα、c2=4.70すなわちIZ,c,=2.24と仮定して全く同様に 計算すると,αoσ、=4.03すなわちnoe、=1.647を得る。このnoσ2=1.647とn、c、=2.24を

図一10の点2とし,点1と点2を結ぶ直線が式㈹の直線と交わる点が求める座屈のnoσ,

7Zlcで

    noσ=2.83    7Z1σ:=ユ.64       ag)

上式と式㈹から

       }    6・)    1)oσ==2.83π2Eolo/lo2

            P,c=1.64π2E111/1,

を得る。上式を式⑭に代入すると 求める座屈荷重Woは

    II7e == 5.66π2Eo∫o/lo2

 又は

    IIIc==1.895π2Eili/112 となる。

 参 考 文 献

く1)奥田克己:構造部材の座屈について,明星大学研究紀要理工学部第3号1997年3月 く2)塩崎恵一:トラス構造の座屈(第1報)日本機拡学会論文集No 720−10(1972)

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