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韓 国 にお け る独学学位 制度 の展 開

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韓 国 にお け る独学学位 制度 の展 開

は じめ に

周 知 の 通 り韓 国 で は家 産 を蕩 尽 して で も 自 らの子 女 を上 位 学 校 に進 学 させ る教 育 風 土 が あ り、̀崇 文 好 学'は 民族 の誇 り とされ て きた。 一 方 で 学 歴 至 上 社会 を背 景 と した 過 剰 な大 学 進 学 熱 や 学 閥 主 義 は 、教 育 改 革 を め ぐる論 議 の 中 で 教 育 発 展 の 阻 害要 因 の 一 つ と して 繰 り返 し指摘 され て きた 。韓 国 にお け る教 育 政 策 の核 心 的 な課 題 の一一つ は高 等教 育 の 量 的 要 求 に対 す る制 度化 に あ り、 文 教 関係 者 が い か に腐 心 して きた か教 育 白書 な ど各 種 の報 告 書 か ら うか が う こ とが で き る。

1990年 には̀独 学 に よる学 位 取 得制 度 に関 す る法 律'(以 下 、 独学 学 位 法)が 施 行 され て い る。 制 度 の趣 旨 は 「高 等 学 校 を終 え た後 に大 学 に進 学 しな くて も、 自学 自習 を通 じて で あ る とか 、 あ るい は 多様 な教 育機 関 で の修 学 、 また は教 育 放 送 メ デ ィ ア な どを活用 して 学 習 した後 に、 一定 の段 階別 国家 試験 を経 て学 士 学 位 を取 得 で き る よ うに す る」 とい う もの で あ る。 同制 度 に よ り2007年2月 まで に約1万 人 が 学 士学 位 を取 得 して い る。

t}

独 学 学 位法 にっ いて は既 に 日本 で も紹 介 され て い るが 、 国家 試 験 に よ る学 位 授 与 とい う̀中 国 に ほ ぼ 同様 の高 等 教 育 独 学 試験 が あ るだ けで、

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世 界 的 に も珍 しい'と 言 わ れ る制 度 が 、 なぜ 韓 国 で 導 入 され たの だ ろ う か 。 そ こで本 稿 で は、 まず 教 育 政 策 諮 問会 議 の構 想 を 中心 に制 度 導 入 に

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至 る背 景 と経 緯 を検 討 しよ う と思 う。 また制 度 の概 要 を ま とめ る と とも に、独 学 学 位 検 定 院 か ら公 表 され た資 料 な どを も とに施 行 後16年 経 過 し た 近 年 の 動 向 を考 察 しよ う と思 う。

1.独 学 学 位 法 制 定 の背 景 と経 緯

独 学 学 位 法 の淵 源 は1982年 、 憲法 へ の̀国 家 に よ る生 涯 教育 の振 興 義 務'の 加 筆修 正 に求 め られ る。 生 涯教 育 条 項 の明 文化 につ いて 、 「国 民 は 生 涯 にわ た り継 続 的 に教 育 を受 け る機 会 を新 しい基 本 権 の一つ と して 保 障 され る こ とにな った。(中 略)現 行 の教 育制 度 全 体 が 生 涯教 育 の理 念 と

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原 理 に基 づ いて根 本 的 に刷 新 され ね ば な らな い」 と意 義 づ け られ る。 こ の 憲法 規 定 は以後 の 教 育 政 策 を理 念 的 に支 え方 向 づ け る もの と理 解 され

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な けれ ばな らない。長年 の懸 案で あった社会教 育法 や幼児教育振 興法(1982 年)、 生 涯 教 育法(1999年)な どの法整 備 、 また放 送通 信 大 学 の拡 充 や 開 放 大 学 の設 置(1982年)、 単 位 銀 行 の制 度 化(1998年)な ども その..

と して位 置 づ け られ る。 独 学 学 位 法 の第1条 に は̀生 涯 教 育理 念 の 具 現 を 目的 とす る'と 謳 って お り、 同法 が憲 法 理 念 を も とに生 涯 教 育 体 制 を 確 立 す るた めの施 策 で あ る こ とを明 示 して い る。

独 学 学 位制 度 が 論議 の組 上 に あが っ た の は1980年 代後 半 で あ る。 世 界 的 な教 育 改 革 論 議 の潮 流 の 中で 、韓 国で も1985年 に大 統領 直属 の教 育 改 革 審議 会 が 設 置 され 、2年 半 にわ た り改 革 方 案 が 広 範 に論 議 され た 。 ま た 文教 部(口 本 の文 科 省 に あ た る。 現在 は教 育 人 的資 源 部)か ら 『教 育 改 革長 短期 推 進 計 画 』 が 発 表 され るな ど様 々 な政 策 構 想 が 示 され た 。 審 議 会 の最終 報 告 書 で 示 され た̀10大 教 育 改革'の 一・つ に、 「全 て の 国民 が 学 習 す る社 会 の た め に生 涯 教 育体 制 を確 立 す る こ と」 が 盛 り込 まれ 、 教 育政 策 諮=問会議 や 中央 教 育 審 議 会 に引 き継 が れ た。

この うち教 育政 策 諮 問 会 議 は大統 領 の諮 問機 関 として1989年2月 に発

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韓 国 における独 学学位制度 の展 開

足 し、 各 省 庁 に また が る長 短 期 の教 育政 策 に 関 す る改 革 案 を提 示 す る こ とを 目的 と した。 その 基本 方 向 と して、 ① 既 存 の枠 組 み で 惰 性 的 に 回転 す るだ けで な く、 新 た な制 度 お よび政 策 的次 元 か ら社 会構 造 の変 化 を 幅 広 く受 容 す る。 ② 国 民 の多様 な教 育 的要 求 を 充 足 させ るた め に教 育 制 度 の画 一 性 と閉鎖1生を脱 皮 し、 個 性 と潜 在 能 力 を伸長 させ る。 ③ 各 級 学 校 に お い て は創 意 性 と道 徳 性 、 情 緒 文 化 な どを 実 践 的 に強 調 す る こ とに よ

り、 教 育 本 来 の機 能 を強 化 で き る よ う根 本 的 な措 置 を と る。 ④ 教 育 発 展 が 推 進 され る よ うに教 育 財 源 を安 定 的 に確 保 し、 国民 の正 しい教 育 観 を

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形成 す る との4項 目を掲 げて い る。 これ らの文脈 か ら制 度 的 な 陥穽 に あ っ た 当 時 の 韓 国教 育 の一 端 を垣 間 見 る こ とが で き る。 それ は独 学 学 位 制 度 と関連 す る放 送 通 信 大 学 、 開放 大 学 に関 す る政 策 か ら も うか が うこ とが で き る。

文 教 部 は1972年 に生 涯 教 育機 関 と して 、2年 制教 育 課程 の韓 国放 送 通 信 大 学 を ソ ウル大 学 に付 設 して い る。 同大 学 は1981年 に学 士課 程 を設 置 し翌82年 に単 独 の国 立 大 学 と して分 離後 、 現在 に至 る まで韓 国 にお け る 高 等 教 育 の量 的 拡大 の一 翼 を担 って きた。 一 方 、 開放 大 学 は1982年 に英

国 の オ ー プ ン ・ユ ニ バr..シ テ ィ構想 を取 り入 れ 、 勤 労 者 に高 等教 育 のx 会 を開放 す る こ とを 目的 に制 度 化 され て い る。 開 学 当初 は入 学資 格 を就 業1年 以 上 の 高 卒 者 に限定 し、 経 済 的 事情 に よ り正 規 の大 学 に進 学 で き な い者 に大 学 教 育 の機 会 を優 先 的 に提供 し、 継 続 教 育 機 関 と して の役 割 が期 待 され た 。 文 教 部 は 「開放 大 学 が 一般 社 会 に広 く知 られ その真 価 が 認 め られ れ ば、1980年 代 に開放 大 学 時代 が 到 来 す る こ とに な り、 わ が 国 の教 育制 度 に新 しい大 きな変 革 が誘 発 され る と予 見 され る。 開放 大 学 が 定 着 す れ ば進 学 の激 しい波 は次 第 に お さ ま り、 教 育 財 政 面 で もその しわ

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寄 せ が緩 和 され る」 と展 望 した。

教 育法 で は放 送 通信 大 学 と開 放 大 学 を̀一 定 の学 校 教 育 を終 えた り中

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断 した 者 で 、 学 術 また は専 門 知 識 、 技術 の研 究 と練 磨 の た め に教 育 を継 続 して 受 け よ う とす る者 に、 大 学 あ る い は専 門大 学 教 育 の機 会 を付 与 す る こ とを 目 的 とす る'と 規 定 して い る。 しか し、 設 立 後 の 経 過 を見 る限 り文教 部 が 期 待 に沿 う方 向 に展 開 した とは言 い難 い。 開放 大 学 で は̀開 放'と い う名 称 を 忌避 す る学 生 か らの強 い要 望 に よ り、1988年 か ら工 業 大 学 や産 業 大 学 な どに校 名 の変 更 を余 儀 な くされ 、 学 校 運 営 にお い て も 放 送 通 信 大 学 と ともに一 般 大 学 化 を強 めて きた。 両 大 学 は̀正 規 の 大 学

の画0性 、硬 直 性 、 閉 鎖1生を緩 和 す るた めの 制 度 的 な代 案 と して継 続 教

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育 の理 念 を反 映 して 設 立 され た大 学'で あ り、 一般 大 学 を指 向 す る こ と は本 来 の理 念 か ら逸 脱 す る もの で あ る。 大 学 教 育 の 量 的 な拡 大 に腐 心 し なが らも、 本 来 の 理念 か ら乖 離 した もの とな って いた 。

この よ うな状 況 下 で 独 学 に よ る学位 取 得 とい う新 た な構 想 が浮 上 した の で あ る。 諮 問 会 議 は制 度 導 入 の必 要 性 につ いて 、 ① 伝 統 的 な 国 民 の教 育 熱 に よ り大 学 就 学 率 が 持 続 的 に伸 び て お り、 その 需 要 を充 足 す るた め に は大 学 の入 学 定 員 を無 制 限 に拡 大 す る しか な いが 限 界 が あ る。 ② 学 歴 社 会 の副 作 用 と もい うべ き大 学 に進 学 で きな い人 々 の 疎 外 感 と不 満 が加 重 して い る。 ③ 大 学 入 試 が 激 化 し下級 学 校 も教 育 の 本 質 か ら離 れ 入試 中 心 とい う不 正 常 な方 向で 運 営 され て い る。④ 能 力 が あ る者 が独 学 な どの 多 様 な通 路 で 学 位 を取得 で き る こ とにな れ ば一 石 多 鳥 の効 果 が望 め る。

⑤ 大 学 教 育 の機 会 を生 涯 に か けて拡 大 す る こ とに よ り生 涯 教 育 の理 念 を

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具 現 し、 大 学 進 学 の 過 剰 な欲 求 を解 消 す る こ と 一 な どを あ げて い る。

これ らの文 脈 か ら、 独 学 学 位 制 度 は学 歴 社 会 を背 景 と した大 学 入試 中 心 の歪 ん だ教 育 制 度 を生 涯 教 育 の 理念 か ら是 正 す る意 図 が 明確 にな る。

また諮 問会 議 は高 等 教 育 の 問題 点 につ い て 、 専 門 大 学 の質 的 な秀 越 性 を 高 め る こ とに制 約 が あ る、 放送 通 信 大 学 の運 営 の効 率 性 に期 待 で きな い、

開 放 人 学 は独 自の 学 制 の 長 所 を 活 か して い な い、 一 般 大 学 は根 深 い 閉鎖

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韓国 にお ける独学学位制 度 の展開

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的 な運 営 体 制 を是 正 で きな い で い る と概 括 し、 高 等 教 育 全 般 の 制 度 改 革 が必 須 で あ る と強 調 して い る。

そ の 中 で な ぜ 独 学 学 位 制 度 が 浮 上 した の だ ろ うか 。 そ の 回 答 の 一 つ に な るの が諸 外 国 の独 学 制 度 で あ る。 韓 国 の 独 学 学 位 制 度 は、 中国 の独 学 試 験(中 国語 で は 自学 考 試)や 米 国 にお け る全 国継 続 教 育協 会 を 中心 と

した大 学 教 育 の 開放 を通 じた独 学 学 位制 度 な どに示 唆 を得 た と言 われ る。

この うち 中国 の独 学 試 験 制 度 は1981年 に施 行 され 、最 も開 放 的 な教育 シ ス テ ム として受 験 生 が 急増 し、1986年 まで の6年 間 に740万 人 が 受験 し、

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22万 人 が 短大 や 大 学 レベ ル の 卒業 証 書 を取 得 した とい う。 この 時 期 は韓 国 で 高 等 教 育 の需 要 が 急増 し教 育 改 革 を め ぐる論 議 が本 格 化 して お り、

隣 国 の独 学 試 験 制 度 に関 心 を寄 せ た の は 当然 で あ り、諮 問 委 員 は各 国 の 独学 制度 を紹 介 し、̀従 来 の大 学 の硬 直性 、 閉 鎖 性 を脱 皮 して柔軟 性 と開

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放i生を め ざす べ きで あ る'と 主 張 して い る。 韓 国 の独 学 制 度 に は試 験 対 象 の 開 放 性 や 試 験 合格 証 の 有 効 性(卒 業 証 明書 を 出 し、 国 家 に よ り独 学 者 の学 歴 を認 め る こ と)な ど、 中 国 の独 学 試 験 制 度 と類 似 して い る点 が あ り参 考 に こ とが うか が え る。

文 教 部 は制 度 導 入 の 必 要 性 に つ い て、 ① 生 涯 教 育 体 制 の 開放 型 社 会 の 建 設 、② 高 等 学 校 の 大 衆 化 に よ る高 学 歴 社 会 へ の対 応 、 ③ 大 学 教 育 の 需 要 増 大 に よ る学 位 取 得機 会 の多 様 化 、④ 大 学 進 学 に対 す る過 剰 な 要 求 の 解 消 、⑤ 自我 実 現 の 充 足 を通 じた平 等 社 会 、 能 力 社 会 の具 現 を あ げて い る。 理 念 と して は従 来 の機 関 中心 で制 度 的 ・時 限 的 な教 育 か ら、 学 習者

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中心 の 開放 的 ・生 涯 教 育 指 向 を構 想 して い る。 高 等 教 育 の 多 様 化 ・開放 化 を推 し進 め、 希 望 す る全 て の者 に官 製 学 位 を授 与 す る こ とに よ り学 歴 社 会 の是 正 を 図 ろ う とい う もの で あ る。

独 学学 位 法 の施 行 まで の経緯 は、 まず1988年 末 に大統 領 が独 学 者 の た めの 高 等 教 育 機 会 の 拡 大 に言 及 し、 教 育 政 策 諮 問 会 議 に検 討 を要 請 した

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こ とに始 ま る。 翌89年6月 、 有 力 紙 の1面 トッ プに 「大 学 に行 か な くて も学 士 にな れ る」 とい う記 事 が掲 載 され 、 国 民 の 耳 目を驚 かせ 大 学 関 係 者 を は じめ社 会 に波 紋 を起 こ した。 肯 定 的 な意見 と して は̀学 歴 重 視 の 風 潮 を解 消 して 、熾 烈 な大 学 入 試 競 争 を 間接 的 にで も冷 却 す る こ とが で

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き る点 は原 則 的 に歓 迎 され るだ ろ う'と 、 学歴 社 会 の 克 服 に一 石 を投 じ 高 等 教 育 に変 革 を もた らす こ とに期 待 を寄 せ る もの で あ っ た。

諮 問会 議 は1990年2月 に独 学 学位 制 度 を骨 子 とした̀高 等学校 後 教 育 の 多 様 化 方 案 な どを盛 り込 ん だ建 議 書 を大 統 領 に提 出 して い る。 しか し、 これ に先 立 っ1989年12月 に は̀独 学 に よ る学 位 取 得 に関 す る法 律 案'が 国 会 に提 出 され 、 文教 公 報 委 員 会 に 回付 され て い る。 ま た文 教 部 は1990年 度 の業務 報 告 の 中 に独 学学 位 制 度 の施 行 を織 り込 むな ど、諮 問 会 議 か ら答 申 され る前 に既 定 方 針 と して進 めた ので あ る。1990年3月16

日の 国会 本 会 議 に お い て、 同 法 案 は野 党 議 員 の反 論 を一 蹴 して 可 決 成 立 した 。5月 に は 同法 施 行 令 が公 示 され 、 文 教 部 か ら第1段 階 の 教 養 課 程 修 了 認定 試 験(10月)の 実施 要綱 が発 表 され るな ど矢 継 ぎ早 の措 置 が と

られ た 。 独 学 学 位 法 は人 統 領 の 諮 問 か ら試 験 実 施 まで 異例 の 速 さで 進 め られ 、 「諮 問会 議 が 教 育界 の広 範 な意 見 収 集 の た め の配 慮 を意 図 的 に排 除 し、 密 室 に お い て ご く一 部 の学 者 の 見 解 だ けを後 ろ盾 に して この よ うな

l4)

制 度 を作 り上 げた 」 「改 革案 が 妥 当 な もの と して も、 何 らの事 前協 議 もな

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く短 い手 順 に よ り採 択 され た こ とは教 育 行 政 の 民 主 化 に違 背 す る もの 」 な ど と指 弾 され た の で あ る。

独 学 学 位 制 度 に対 して最 も多 く見 られ た異 議 は 、 国会 質 疑 に あ る よ う に 「大 学 の正 規 課 程 を履 修 で きず 、 それ で も学 士 学 位 を認 定 す る必 要 が あ る時 に は放 送 通 信 大 学 や 開放 大 学 制 度 を利 用 す るべ きで あ り、 これ を その ま ま に して 他 の学 士 学 位 認 定制 度 を導 入 す る こ とは… … 放 送 通信 大

lfi)

学 や 開放 大 学 を設 置 した 目的 に背 理 す る もの」 で あ り、 既 存 の 教 育機 関

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韓 国にお け る独 学学位制度 の展開

の活 性化 を図 るべ きで あ る とい う点 で あ る。放 送 通信 大学 の関係 者 は 「 学学 位 制 が そ の理 念 や 教 育対 象 に お いて基 本 的 に軌 を 同 じ くす る点 か ら、

独 学 制 は放 送 大 が 外 延 に拡 張 した 教 育 制 度 で あ り、新 制 度 の成 功 の た め

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に は先 決要 件 として放送 大 の 内実 化 と教 育効 果 が先 取 され ね ばな らな い」

と主 張 して い る。

ま た独 学 に よ る学 位 が 果 た して社 会 に お い て 相 応 の認 定 を受 け られ る のか とい う点 が懸 念 され た。 開放 大 学 が一 般 大 学 を指 向す る よ うな矛 盾 は学 歴 差 別 の根 強 さ ゆ えで あ り、 これ を改 善 しな けれ ば単 に学 位 の氾 濫 を招 来 しか ね な い とい う もの で あ る。 さ らに国 家 試 験 とい う評 価 中心 の 制 度 は全 人 格 の 発 現 を め ざ す 生涯 教 育 の 理念 に適 うのか 、 国家 に よる学

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位 管 理 が是 認 され るのか と指 摘 され た 。

以 上 の経 緯 を跡 付 け る と、 韓 国 にお け る独 学 学 位 制 度 は、学 歴社 会 を 背景 と して 、 生 涯 教 育 体 制 構 築 の 名 の も とに̀国 民 皆 学 士'構 想 を制 度 化 した こ とが 明 らか に な る。

2.独 学 学位 制 度 の概 要

独 学 に よ る学 位 取 得 に関 す る法 律 」(1990年4月7日 公 布)は 全 文7 条 お よび 付 則 か らな る。 第1条(目 的)で は 「この法 は独 学者 に学 士 学 位 取 得 の機 会 を付 与 す る こ とに よ り生 涯 教 育 の理 念 を具 現 し、 個 人 の 自 我 実 現 と国 家社 会 の発 展 に寄 与 す る こ とを 目的 とす る」、 第2条(国 家 の 任 務)で は 「国 家 は独 学 者 が 学位 を取 得 す るた め に必 要 な便 宜 を提 供 し な けれ ば な らない 」 と規 定 し、 同 法 が憲 法 第31条 の 国家 の 生涯 教 育振 興 義 務(5項)お よび法 的整 備(6項)に 依 拠 した もの で あ る こ とを明 示 して い る。 以 下 、 試 験 の実 施 機 関(3条)、 受 験 資 格(4条)、 試験 の 段 階 お よび 科 目(5条)、 学位 授 与 等(6条)、 権 限 の委 任(7条)な ど と な って い る。2004年 の4次 改 正 で は̀不 正行 為 者 な どに対 す る措 置'(第

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5条 の2)を 新 設 して い る。

1990年5月3日 に公 布 され た 同法 施 行 令(大 統 領 令 第13000号 、 現 在 まで に10次 改定2004.5)で は、 第2条(評 価領 域)で4段 階か らな る試 験 制 度 を 定 めて い る。 また審 議 機 関 と して 教 育 界 、 研 究 機 関 、社 会 団 体 な どで構 成 され る 「独 学 学 位 運 営委 員会 」 の設 置(5条)を 定 め る と と

もに、受験 資格(7条)、 試験 方法(8条)、 試験 科 目の 免除 対象(9条)、

試験 お よび合 格者 の公 告(10条)な ど全16条 と付 則 を規 定 して い る。5 月18日 に 同法施 行 規則(文 教部 令第568号 、 現在 まで に7次 改定2006.5) を定 め るな ど関連 法規 が整 備 され た。6月 に は中 央 教 育 評 価 院 に独 学 学 位検 定 部 が 設 置 され た が 、1998年 に教 育 部 と所属 機 関 の職 制 改 正 に よ り 韓 国 放 送 通 信 大 学 に業 務 移 管 され 、 現 在 で は同大 学 の独 学 学 位 検 定 院 が 運 営 して い る。

制 度 の 管 理 組 織 は韓 国放 送 通 信 大 学 総 長 の も とに独 学 学 位運 営 委 員 会 (教養 、 専 攻 の 各 分 科 委 員 会)、 独 学 学 位 検 定 院長 をお き、 院長 の も とに 担 当 官 と試 験 管 理 、 出題 管 理 の2チ ー ム を設 置 して い る。 試験 管 理 チ ー ムの業 務 は学籍 や 試験 免 除機 関 の管 理 、受 験 資 格 審 査 、試 験 実 施 、 広 報 、 相 談 室運 営 な どで あ り、 出題 管 理 チ ー ム は教 養 ・専 攻 の 試験 科 目お よび

評価 領 域 の設 定 、 問題 開発 、 試験 結 果 の評 価 分 析 、 採 点 な どを担 当 して い る。

施 行計 画 や 受1験要綱(2007)、 規 定 集(2006)な どを も とに独学 学 位 制 度 を概 観 す る と次 の よ うにな る。 授 与 され る学 位 の専 攻 分 野 は 当初 、 国 語 国 文 学 、 英 語 英 文 学 、 経 営 学 、 法 学 、 数 学 、 家 庭 学 の6分 野 が 開 設 さ れ、1992年 に行 政学 、 幼 児教 育 学 、電 子 計 算学 、農 学 、看 護i学の5分 野 、 1995年 に 中国 語 中 国文学 が新 設 され12分 野 に な った。 この うち幼 児教 育 学 は 第3段 階 か ら、 看 護 学 は第4段 階 の み 開 設 され て い る。 また 中国 語 中国 文 学,数 学,農 学 の3専 攻 が2003年 度 か ら段 階別 に廃 止 され新 規募

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韓 国 におけ る独学学位制度 の展 開

集 を停 止 して お り、2007年 現 在 で専 攻 は9分 野 とな っ て い る。

独 学 制 度 に よ って 学 士 学 位 を取 得 す る まで に は、4段 階 を経 な けれ ば な らな い 。試 験 科 目 は第1段 階 が5科 目(国 語 、 歴 史 、 外 国語 の3科 が必 修)で 、 第2〜4段 階 は各6科 目、 合 計23科 目 とな って い る。(2004 年 か ら第2・3段 階 の必修 ・選 択 の 区分 を廃 止)。 学位 取得 まで の流 れ を 示 す と図1の よ うに な る。

各 段 階 の評 価 領 域 は次 の通 りで あ る。

教 養 課 程認 定 試 験(1段 階):大 学 の教 養 課 程 を履修 した者 が 一一般 的 に もた ね ば な らい 学 力水 準 を評 価 す る。

専 攻 基礎 課 程 試 験(2段 階):各 専 門領 域 の学 問 を研 究 す るた め に各 学 問 系 列 で共 通 して必 要 な知識 と技 術 を評 価 す る。

専 攻 深 化 課程 試 験(3段 階):各 専 門領 域 に関 して、 よ り深 化 した専 門 知 識 と技 術 を 評価 す る。

学 位 取 得総 合 試 験(4段 階):試 験 の最 終 段 階 と して 学位 を取 得 した 者 が 一 般 的 に もた ね ば な らない素 養 お よび 専 門 知 識 と技 術 を総 合 的 に評 価 す る。

『受験 要 綱 』 で は受 験 資 格 を は じめ試験 日程、 出題 方 針 、 問題 数 、 出題 形 式 、 配 点、 成 績 評 定 な どにっ い て 詳細 に掲 載 して い る。 これ らは独 学 者 に詳 細 な情 報 を公 平 に提 供 し、 円滑 な運 営 をす るた め に欠 かせ な い も

ので あ ろ う。 受 験 資格 は第1段 階 は高 等 学 校 卒 業者 、 第2段 階 は大 学 お よび専 門 大 学(日 本 の 短大 に相 当)の1年 修 了 者 、 第3段 階 は大 学 お よ び専 門大 学2年 修 了者 、第4段 階 は大学 お よび専 門大 学3年 修 了者 とな っ て い る。 教 育 人 的資 源 部長 官 が これ らに準 じ る受験 資 格 を詳 細 に規 定 し て お り、例 え ば第1段 階 で は高 等学 校 学 力 検 定 試 験 合 格 者 、 外 国 で の12 年 以 上 の 学校 教 育 課 程 修 了者 、 少 年 院 法 の 規 定 に よ る高 等 学校 に相 応 す

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図1.独 学 制 度 に よ る 学 士 学位 取 得 まで の流 れ

学 士 学 位 取 得

ユ〜3段 階

州 一はい→レ す べ て 免 除 か?

尋 と

1・2段 階 の み 免‑1か?

毒 …

・勲 モ .[

1段 階 の み

㌦ 免 除 か?騨

参 はレ 総 点 の6割 以 上 得点 、 ま たは全 科 環に合 格 した か?

t

学 位 取 得 総 合 試 験 eA4Y7Y:o(製

↑ はい 1〜3段 階 全 科 匿(17科 穏)

す べ て に合格 した か?

i.・

  f璽 麹1‑・ 難 驚 ?

↑ は 、、i

2科E1以 上 ・ 磁 ㌧

『合 格 し た か?i

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̲  ̲̲』2段 階碁不合格に

(鍛 はい一 な っ た 網 カミあ るか?

、  盤 、

1段 階 で不 合格 に な った科 囲が あ るか?

はい

はい 2科 目以 上 合 格 した か?{

醸 調 尋 …

曾蒸璽 璽 課程 免 除 に '該 当す る か?

高等学校卒業以上の学歴

出典;「 独 学 学 位 取 得試 験 受 験 要 綱 」韓 国放 送 通 信 大 学 独 学学位 検 定 院,2007

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韓国 にお ける独学学位制度 の展 開

る教 育課 程 履 修 者 な ど を列 挙 して い る。

第1段 階 か ら第3段 階 まで は試 験 科 目の免 除が あ る。 対 象 とな るの は、

国家 技 術 資 取 得 者 、 教 育 人 的資 源 部 令 が定 め る試 験 の合 格 者 、 資格 ・免 許 の取 得 者(公 認 会 計士 、経 営 指 導者 お よび技術 指 導者 、 学校 教 師 ほか)、

韓 国放 送 通 信 大 学 総 長 が 指 定 す る講座 も し くは課 程 の履 修 者 とな って い る。 また課 程 の 免 除が あ り、 教 養 課 程 で は高 等 教 育 機 関 で1年 以 上 の 教 育課 程 を修 了 す るか35単 位 以 上 を取 得 した者 、 外 国 で13年 以 上 の学校 教 育 の 課 程 を修 了 した者 が対 象 とな り、 専 攻 基 礎 課 程 、 専 攻 深 化 課 程 に

お い て も各 々規 定 され て い る。 これ に加 えて1997年 に施 行 され た 単位 銀 行制 度 に よ り、 第1段 階 で は35単 位 以 上 、 第2段 階 で70単 位 以 上 、 第

zo>

3段 階 で105単 位 以 上 を認 定 され た者 も、 そ れ ぞれ の課 程 が 免 除 され る。

年 間 の試 験 日程 は2007年 度 の場 合 、 教 養 課 程(試 験 日3月18日 、 合 格 者発 表4月19日)、 専 攻 基礎 課 程(6月10日 、7月12日)、 専 攻 深 化 課程(8月26日 、9月28日)、 学位 取得 総 合試 験(11月11日 、12月13

日)と なって い る。受験 料 は19700ウ ォ ン(受 験 料18000、 手続 き料1700) で あ る。

出題 方 針 は第1段 階 の 教養 課 程 で は 「韓 国放 送 通 信 大 学 で 告 示 され た 科 目別 の評 価 領 域 に準拠 し、 特 定 の領 域 や 分 野 が あ ま り重 視 も し くは軽 視 され な い よ うに す る、独 学 者 の就 業 比 率 が高 い 点 を勘 案 して 科 目の特 性 上 可 能 な場 合 に は学 問 的 で 理 論 的 な問 題 だ けで な く実 務 的 な問 題 も出 題 す る …」 な ど、 各 段 階 で 詳 細 に紹 介 して い る。 出題 の原 則 は、 第1・

2段 階試 験 で33問(客 観 式26問 ×2.5点 計65点 、主 観 式7問 ×5点 計35点 。 数学 や 統 計 学 な どの科 目 は別 途)第3・4段 階試 験 で は28問

(客観 式24問 ×2.5点 計60点 、主 観 式4問 ×10点 計40点)の 配 分 で あ る。 客 観 式 問題 は四者 択0、 主 観 式 問題 が第1段 階 で30字 以 内、 第 2段 階30字 、 第3段 階80字 、 第4段 階 で120字 程 度 の叙 述 式 とし、 科

(12)

目に よ り多 少 の融 通 性 を もた せ る と して い る。

合 格基 準 は、 第1〜3段 階 の認 定試 験 で は各 科 目100点 満 点で60点 上 の 得 点 と し、 科 目別 の合 格 が 認 め られ る。 第4段 階 の 学 位 取 得 総 合 試 験 は、総 点 合格 制(6科 目合 計600点 の60%〈360点 〉 以 上 の得 点 で 合 格)と 、 科 目別 合 格制(各 科 目100点 満点 の60%〈60点 〉 以上 の得 点 で 合格 。 科 目合 格 を認 め、 不 合 格 科 目 は次 回 以 降 に受 験)の 二 つ の 方 法 か

ら、 受験 者 が選 択 す る ことにな って い る。試 験 の評 定 につ いて は、第1〜

3段 階試 験 にっ い て は合 否 判 定 だ け発 表 され 、 第4段 階 の総 合試 験 の み 専 攻 別 に取 得 した 成 績 の分 布 比 率 に よ り̀A+'か ら̀D‑'ま で の 等 級 と評 点 が与 え られ る。 合 格 発 表 は独 学 学 位検 定 院 の ホ ー ム ペ ー ジで 照 会 で き、成 績 証 明 書 は韓 国 放 送 通 信 大 学 の ホ ー ムペ ー ジ を通 じて も申請 で き る。各 課 程 試 験 で 最初 に1科 目以 上合 格 す るか 免 除者 に学 籍 が 与 え ら れ、 学籍番 号 を付 与 され た者 を̀独 学 課 程 者'と して学 籍 番 号 が 生涯 に わ た り管 理 され る とい う。

独 学 者 の 自学 自習 の支 援 策 として、 独 学 情報 相談 室(地 域 大 学)を 市 ・ 道 に13ヶ 所 、 独 学 情 報 案 内 室35ヶ 所 を全 国 に設 置 して い る。 地 域 大 学

で は受 験 願 書 交 付 、 受 付 、 試 験 実 施 、 証 明書 発 給 な どの業 務 を行 っ て い る。 また独 学者 の便 宜 を 図 るた め に、 学 位 検 定 院 の ホ ー ム ペ ー ジ を通 じ て各 種 の情 報 を提供 す る と とも に̀学 問成 就 へ の 挑 戦 一 最 善 の学 習戦 略'な どを収 録 した学 習 用CDを 無 償 で配 布 して い る。

3.独 学 学 位 制 度 の展 開

1990年10月20日 、21日 の 両 日に わ た り、第1回 の教養 課 程 認 定 試験 が道 教 育 委 員 会(道 は 日本 の県 に相 当 す る行政 区域)に よ り実施 され た。

試 験 は 国語 、歴 史 、 英 語 の必 修3科 目 と、人 文 、 社 会 、 自然 科 学 の選 択 1〜2科 目の計5科 目で 行 わ れ た。 文 教 部 は当初 、 受験 者 は10万 人 前後

(13)

韓 国 におけ る独学学位制度 の展 開

にな る と予想 していたが、志願者8644人 、受」験者3416人(受 験率39.5%) と低 調 な もの とな り、 独 学 学 位 制 度 は施 行 の初 年 度 か ら期 待 とは相 反 し て 広 範 な支 持 を得 る こ とはで きなか った ので あ る。 文 教 部 は受 験 者 の 準 備 不足 を指摘 した が 、̀国 民 に周 知 す るた め の広 報 す ら十 分 にで きな か っ

21)

た 結 果 で あ り、 制 度 運 営 の 根 本 的 な 改善 策 を求 め る'声 が あが った。

表2は1990年 か ら2006年 まで の独 学 試 験 の実 施 状 況 で あ る。 第4段 階 の 学位 取 得 総 合 試験 に合 格 した学 士 学位 の取 得 者 は累 計 で9907人 で あ

り、初 めて合格 者 を 出 した1992年 以 降、年 平 均 で約700人 とな って い る。

文 教 当局 が 構 想 段 階 で 策 定 した 目標 を達 成 した とは言 い難 い状 況 が続 い て い る。 と りわ け教養 課 程 の志 願 者 は1998年 以 降長 く1000〜2000人 が 続 き停 滞 して い るが 、 これ は後 述 す るよ うに1997年 に単位 銀 行 制 度 が 施 行 され た こ とに起 因 して い る と思 わ れ る。

表3は 専 攻 別 の 独 学 学 位 取 得 の状 況 で あ る。 各 専 攻 分 野 の 中 で 国語 国 文 学 、 英語 英 文 学 、 幼 児 教 育 学 、 コ ン ピ ュー タ科 学 な ど4専 攻 の学 位 取 得 者 が 累 計 で1000人 を超 え た反 面 、低 調 な専 攻 が少 な くな い 。制 度 改 善 を検 討 す るた め2000年 に教 育 関 係 者 を 中心 とす る研 究 チ ー ムが 発 足 し、

受 験 者 数 が極 端 に低 迷 して い た 中 国 語 中 国文 学 、 数 学 、 農 学 の3専 攻 の 廃 止 を勧 告 して い る。 これ を受 け2001年ll月 の 独 学 学 位 運 営 委 員会 で 審 議iされ 、翌 年2月 に教 育人 的資 源 部 長官 の承 認 を得 て2003年 か ら段 階 別 に廃 止 を決定 し、2006年 に第4段 階試 験 が 廃 止 され た。(廃 止 され た3 専 攻 分 野 の学 籍 保 有者 は、 各段 階試 験 を継 続 して 受験 可 能)廃 止 の理 由 が 受 験 者 の低 調 さ に あ る とい う点 は 、近 年 の推 移 を見 る限 り行 政 学 な ど 他 の専 攻 に も及 ぶ こ とで あ り、 独 学 制 度 の根 幹 を揺 るが す 課 題 とな っ て

い る。

廃 止 され た3専 攻 の うち 中国語 中 国文 学 に注 目す る と、 韓 国 で は1992 年 の 韓 中国 交 樹 立 以来 、 中 国語 ブ ー ムが 沸 騰 して い る。 両 国 間 の貿 易 は

(14)

表2.独 学 学 位 取得 試 験 実 施 状 況(1990〜2006年 度)

(単位:名)

教養 課程(1段 階) 専 攻基 礎 課程(2段 階) 専 攻深 化 課程(3段 階) 学位 取 得総 合(4段 階)

志願者 受験者 合格者

志願者

受験者 合格者 志願者 受験者 合格者 志願者 受験者 合格者

199G年

8,644 3,416 1β75

(49.0)

1991 10,942 7,{謁6 4,914

(64.2) 1,890 工,302

991 (76.1)

・s

8,192 5,778

4597

(79.4)

3,485 2.54

1,741

(68.2)

2,zrs 1,757

1578

iVi i

3,972

147 (3.7)

.・

11.13

:11 3.74$

(96.7}

3,903 2,994

1,706

(51.0)

2,995 2.49

1,5i弄 (62.5}

2,097 1,SQ2

514 (28.5)

1994 19.9 13,'171

6,755

(49.1)

5,376 3,976

1,8.7

(45.7)

3,295 2,539

1,401

(55.2)

2,636 2,218

娚 f20.6)

・・ logs

7,955

3,679

(娼2) 4055

2,845 ユ,611

(56β)

2.58 1.92

1,354

(7a.5)

3,156 2,547

継 (?3.3)

1996 5,226 3,694

2,149

(58.2)

2,755 2,185

1,316

(60②

2,252 1,871 1,2ア8

(fi8.3)

2,71X? 2,211

789 (35.7)

・s ,,s

2,561

1,756

・i・

2,315 1,823

1,105

{GO.6) ii

1,518

田9 (fi4.5}

2,231 1,972 7適4

(39.7)

ユ998

2,149 1,549

π

(46.9)

1,653 1,192

852

{71.5)

1,557

!二28

(7ア.9)

2,034 1,'739

1,011 (58.1)

1999 1,489 1.14

(57.4 1β77

1,180

(fi2.0)

1,754 1,352

(70.G)

1,794 1,483

61$

(41.7?

!!1

1,642 1,232

(541} 1,552 1,115

(57の 1,72,E 1,304

1,026

('78.7)

1,967 1,617

鵬 /31.4) s41

2,394 1,72ユ

鰯 (51.5>

1,7(v 12η

・ii

1,976 1.40

1,216

(81.6)

2,2A3 1,861

属 (40.6)

2002 2,303 1,fi11

1,112

(・'1)

2,021 1,420

(65.5)

1,868 1,375

1,133

(8'x.4) Is

1,863

鰻 (48.5) 11

2,569 1,806

1,089

{6Q.3)

2,146 1,546

1,0'1 (65ユ)

1,754 1,390

1.36

(81.7)

2,0d3

..1

脳 (56.9)

2,518 1,G27

(57.0)

3,927

1:v

2,426

(78.5) 2,808 2.36 2,p14

(訂.0)

x,707 1,429

(弓2.2)

2,955 2,274

..

(69.81 #"S

F

4118膿

1 3,172 2,710

2.43 (器.9)

1,611 1,315 610 (46.4)

4,318 3,367 2,978

..,

.・ 鰯i副2,767 (7a.5) 2538

2,0i弄 (g2.i}1β94 1,651

^T"'"V

708 (51,8) 計

1'1i 09,152

39刃0

(57.7)

48,406 脚 藷

34261

27,318

20,913 (7s.$)

3角872 28,955

9,907 (342)

張2007年1月1日 現 在 、()は 合 格 率(%)

出 典1「 独 学 学 位 検 定 院 現 況 」 韓 国 放 送 通 信 大 学 独 学 学 位 検 定 院,2007,6頁

(15)

韓 国 にお ける独 学学位制度 の展 開

表3.年 度別、専攻 別 独 学制度 による学士 学位取得者数

(単 位:名 、%)

\年

1鵬 1脳 1鰯 1卿 1㈱ 2001

国 語

国文学 η 91

91 1Q9 110 7」 77

英 語

英文学

8

93

81 44 142 玉(潟

且8

],?6 工32 142 96 104

工5娼

中国語

中国文学

一 一 一 一

1 1 2 2 2 2 2 2 4 2 2

経営学

15 51 27 39 39 67 34

法学 61 13 33 28 go 31

,716

行政学

26

E 妬{田

1

26 79 17 $ 38 19 18

幼児

教育学

18 77

1(π

蛎 1狙

168 83

鵬 脚

!,5U

数学

3

1 2 !

3 2 0 3 i 1 1 0 3

家庭学

7 91 36

61

ll3 n

コ ン ピュ

ー タ 科 学 14 a 188 ZI( 319 151

王 励 1詣

170 93

五9ゐ

農 学

4

' 4 9 3 3

5 Z 3 1 3

1

看 護学 3 12 8 15

14 巧

16

39

計 (合格 率)

147 億邪ゆ

窃 伽嚇

偽3)

四 瓢の

畷 偲 の

坦皿 圃

鎚 {卿

鵬 倣 む

扇 {㎜

鰍 1!;

1

鰯 儒9}

(舩4)

研0 (46.4)

窩 (51悉》

9醐 耐2}

出 典:前 掲 書,7頁

年 毎 に発 展 を遂 げ、 海 外 留 学 先 が1位 に な るな ど各 大 学 で は 中文 科 の志 願 者 が 急 増 して お り、語 学 学 校 や 企 業 内研 修 な どで も中 国 語 ク ラスが 盛 況 だ と言 われ る。 こ う した社 会 的 需 要 を見 込 ん で 新設 され た に もか か わ

らず 、 なぜ 低 調 に終 わ って し まっ た の だ ろ うか。

(16)

まず 独 学 者 の学 習 支援 に関 わ る問題 が 提 起 され る。 も とよ り語 学 や実 技 を ともな う専 攻 は 自学 自習 を基 本 とす る独 学 者 に は学 習 上 の困 難 さが 伴 う もので あ り、試 験 中 心 の学 習 は実 質 的 な語 学 力 の 向 上 につ なが らな い点 が あ げ られ る。 例 えば放送 通 信大 学 に は多様 な教 材 と ともに、 ス クー リン グ、 イ ン ター ネ ッ ト講 義 、補 充 講義 な どが あ り、奨 学 制 度 や 学 生 会 を通 じた学 生 相 互 の連 携 な ど学 習 者 へ の支 援 が 充 実 して い る。 そ の反面 、 独 学 者 は その ほ とん どを享 受 で きず 、 独 学 制 度 の志 願 者 数 が 安 定 しな い 一 因 にな って い る と言 え よ う。独 学試 験 は学 位 取 得 の機 会 を提供 す る も の で あ るが 、 制 度 発 展 の た め に は独学 者 へ の 学 習 支 援 の保 障 が不 可 欠 で あ る こ とを示 唆 して い る。 そ れ ゆ え文 教 当局 が 独 学 制 度 の効 率 的 な運 営 と独 学 者 の学 習 支 援 を図 るた め に、全 国規 模 の 生 涯 教 育 機 関 で あ る放送 通 信 大 学 を活用 す る こ とは十 分 に考 え られ る。

同大 学 は 「高 等 教 育 の 機 会 拡 大 の側 面 か ら経 済 的 、 地 理 的 、年 齢 な ど の理 由で 大 学 教 育 を受 け られ な い 人 々 に、 遠 隔 教 育 の方 式 に よ り高 等教 育 の機 会 を提 供 す る」 との 目的 を掲 げ 、 開校 以 来35年 間 で約38万 人 の 卒 業 生 を輩 出 して お り、 文 字 通 り韓 国 に お け る最大 の生 涯 教 育 機関 で あ りア ジ ァで も有 数 の発 展 を遂 げて い る。2006年 現在 、4単 科 大 学(日 本 の学 部 に相 当、 人 文 科 学 、 社 会 科 学 、 自然 科 学 、教 育 科 学)21学 科 、 生 涯 大 学 院9学 科 に約18万 名 が 在籍 して い る。 独 学学 位 制 度 の9専 攻 分 野 (国語 国文 学 、英 語 英文 学 、経 営学 、法 学 、行 政 学、 幼 児教 育 学、 家庭 学 、 コ ンピ ュー タ科 学 、 看護 学)は 放 送 通信 大 学 の21学 科 の 中 に全 て含 まれ て お り、 独 学者 の 学 習 支援 施 設 で あ る̀独 学 情 報 相 談 室'13ヶ 所 、 独 学 情報 案 内室35ヶ 所 は、 す べ て 放 送通 信 大 学 が運 営 して い る全 国の地 域 大 学 内 に設 置 され る な ど、 放送 通 信 大 学 は独 学 試 験 の制 度 運 営 の た め に最 適 な環 境 と して活 用 され て い る。 独 学 学 位 法 の制 定 を め ぐっ て は既 存 の 生 涯 教 育制 度 を等 閑 視 す る もの とい う反 対意 見 が あ っ たが 、16年 余 り経

(17)

韓 国にお ける独学学位 制度の展開

過 した 現在 、 そ の運 営 と支 援 体 制 は放送 通信 大 学 に併 合 され た形 で 制 度 の維 持 、 発展 を図 ろ う と して お り、 こ こに韓 国 に お け る独 学 学 位 試験 の 制 度 的 な特徴 が 表 れ て い る。

一 方 、 独 学 学 位 制 度 に少 な か らぬ 影響 を及 ぼ した と考 え られ るの が 、 単位銀行(韓 国語 で学点銀行)制 度 の導 入で あ る。1997年1月13日 に 「 位 認 定 等 に関 す る法 律(第5275号)」 が 公 布 され 、 翌年3月 の 同法 施 行 令(大 統領 令 第15478号)に 基 づ き韓 国 教 育 開発 院 が業 務 を管 掌 して い る。 制 度 の趣 旨は 「学 校 だ けで な く、 学 校 外 で な され る多 様 な形 態 の学 習 お よび資 格 を単 位 と して 認 定 され る よ う に して 、 単位 が 積 も り一・定 の 基 準 を充 足 すれ ば学 位 取 得 を可 能 に す る こ とに よ り、 究極 的 に 開か れ た

22)

教 育 社 会 、 生 涯 学 習社 会 を具 現 す る こ と」 にあ る とい う。 対 象 者 は① 適 齢 期 に高 等 教 育 の機 会 を もて なか っ た者 、 ② 大 学 を 中退 あ るい は放 棄 し

た後 に継 続 して教 育 を受 け よ う とす る者 、 ③ 学 位 所 有 者 で 新 た な専 攻 分 野 を学 習 す る者 、④ 独 学 十 の段 階 別 試 験 に合 格 後 、 単 位 銀 行 制 で学 位 を 受 け よ う とす る者 とな って い る。

学 位 授 与 の要 件 と して 、学 十学 位 は̀総140単 位 以上 を履修 す るこ と、

認 定 され た 単位 が標 準 教 育 課 程 の教 養 お よ び専 門 科 目の履 修 基 準(専 必 修 を含 めた専 攻60単 位 以上 、 教 養30単 位 以 上)に 適 合 す る こ と'と

な っ て お り、 準学 士 学 位 は3年 制 準 学 士 、2年 制 準 学 士 の要 件 を各 々規 定 して い る。 この うち独 学 制 度 に関連 す る もの と して、 教 養 課 程 認 定 試 験 合 格 者 は試 験 科 目当 た り4単 位(5科 目合 計20単 位)、 専 攻基 礎 課 程 ・ 専 攻 深 化 課 程 ・学位 取 得 総 合 試 験 合 格 者 は試 験 科 目当た り5単 位(6科

目合 計30単 位)が 認 定 され る。(た だ し成 績 が60点 以上 の 科 目に限 定 、 重 複 科 目 は不 認 定 で 最 大80単 位 まで 認 定)

単 位 銀 行 は遠 隔教 育 や 国 家 公 認 資 格 、 時 間 制履 修 、 重 要 無 形 文 化 財 な どに よ る単 位 認 定 を可 能 にす るな ど、独 学 学 位 制 度 を含 め た広 範 な学 習

(18)

機 会 を包 括 す る学 位 授 与 制 度 と して 定 着 を 目指 して い る。 この制 度 を通 じた学 位 取 得 者 は各年 度 前 期 ・後 期 を合 わせ て 、1999年34人(学 土25、

準学 士9)、2000年1020人(学254、 準766)、2001年2459人(学663、

準1769)、2002年4450人(学1327、 準3123)と 急 増 して い る。2002年 に は独 学 制 度 に よ る学 士 学 位 の 取得 者 数 を上 回 って お り、現 在 もその傾 向 が続 い て い る と思 われ る。 こ う した 状 況 は何 を示 唆 して い るの だ ろ う か。 単位 銀 行 は多様 な生 涯 プ ロ グ ラ ム を履 修 し単 位 を蓄 積 す る形 式 で 毎 年 前 期 ・後 期 に認 定 の機 会 が あ り、 学 習機 会 や 時 間 に柔 軟 に取 り組 む こ

とが で き る。 一 方 、独 学 制 度 は基 本 的 に 自学 自習 に よ る4段 階試 験 に合 格 す る こ とが 求 め られ 、 また各 段 階 の試 験 は現 状 で は年1回 とな っ て お り、 単 位 銀 行 に比 べ て 制 約 が 大 きい と言 え る。何 よ りも学 位 取 得 をめ ざ す学 習者 が厳 格 な試験 を忌避 し単 位 銀 行 制 度 を利用 した と も考 え られ る。

独 学 制 度 は革新 的 な制 度 で あ っ た もの の、 試 験 主 体 の 運 営 は諮 問会 議 が 指 摘 す る従 来 の機 関 中 心 の域 を超 え る もの で はな く、 そ こに制 度 発 展 の

限界 が あ る と言 え ない だ ろ うか。

独 学 学位 検 定 院 は2007年1月 の報 告書 に制 度 の活性 化 を はか る懸 案事 項 と して、 ① 関係 法令 の 整 備 、 ② 受 験 願 書 の イ ン ター ネ ッ ト受 付 、③ 受 験 者 数 の急 変 に よ る融通 性 あ る対 応 方 案 作 成 、④3専 攻廃 止 に よ る専 攻 新 設 の必 要 性 な どを掲 げて い る。 具 体 的 に は① は施 行 令 、 運 営 規 定 な

ど関 連 法 規 ・規 則 の整 合 性 を もたせ る。 ② にっ い て は、 志 願 者 か ら窓 口 で の受 付 は時 間 的 、 経 済 的 負 担 が あ りオ ン ライ ンで の 受 付 を 求 め る要 望 が 寄 せ られ 、2007年2月 の教 養 課 程 認 定 試 験 か ら順 次 実 施 す る と して い

る。③ につ いて は、2006年 か ら司法 試 験1次 試験 の非 法 学 科 出身者 の受 験 資 格 と、2007年 か ら公 認 会 計 士 の受験 資 格 が 変 更 され る こ とに とも な う対 応 策 で あ る。④ にっ いて は、 時 代 的 に社 会 的 に受 容 者 が 求 め る専 攻 の新 設 が 必 要 で あ り、 具 体 的 な方 案 は教 育 人 的資 源 部 の研 究 が 必 要 と述

(19)

韓 国におけ る独学学位 制度の展 開

L3)

べ る に と ど ま っ て い る。

お わ りに

独 学 学 位 法 の制 定過 程 を跡 付 け る と、̀国 民皆 学 士'を 構 想 した背 景 に 学 歴 至 上 社 会 が あ らた め て浮 き彫 りに され る。 同法 を め ぐる論 議 が 高 潮 した1990年 に報 告 され た̀教 育意 識 に関 す る調査'に よれ ぼ、韓 国 で は 成 人 の43.1%が̀社 会 で成 功 す るた め に は一流 大 学 出身 で あ る こ とが非

常 に重要 で あ る'と 答 えて お り、̀重 要で あ る'と 合わせ る と全 体 の88.8%

を 占 め る。 また̀希 望 す る職 業 に就 くた め に取 得 しな けれ ば な らな い学 歴'と して、 成 人 の56.5%が 大 学 を、34%が 大 学 院 と回答 して お り、学

24)

生 の70%が̀大 学 以上 の学 歴'と 答 えて い る。 この結 果 か ら、 「国 民 の 認 識 に は̀教 育=学 校 教 育'と い う偏 狭 な教 育観 と学校 万 能 の神 話 が根 深 く残 っ て お り、 学 閥 ・学 歴 至 上 主 義 が な くな らず 、依 然 と して社 会 に

25)

蔓 延 して い る」 との従 来 の 指 摘 が 繰 り返 され る ので あ る。

独 学 学 位 制 度 は そ の緩 和 策 と して 、生 涯 教 育 体 制構 築 の名 の も と伝 統 的 な機 関 中心 の 高 等 教 育 か らの脱 皮 をめ ざ して 、 官 製 学 位 を与 え る̀国 民 皆 学 士'の 制 度 化 を意 図 した もの で あ った 。 しか し、 これ まで の 実施 状 況 の推 移 や専 攻 分 野 の廃 止 な どを見 る限 り、 当初 の構 想 に十 分 に応 え て い る とは言 い 難 い。 それ は法 制 定 の経 緯 か ら明 らか な よ うに、文 教 当 局 の制 度 導 入 の 拙 速 さ に負 う とこ ろが 少 な くな い。 独 学 に よ る学 位 取 得 試 験 とい う革新 的 な制 度 の導 入 に際 して 、 当 然 尊 重 され るべ き高等 教 育 機 関 を は じめ とす る関 係 者 の意 見 集 約 が ほ とん どな され ず 、 公 開審 議 を 省 略 す る な ど国 民 に周 知 す るた め の施 策 もな く、 見 切 り発 車 の諦 りを免 れ難 い もの で あ っ た。

一 方 で韓 国 で は単 位 銀 行 の制 度 化 な ど生 涯 教 育 体 制 の構 築 を掲 げ る政 策 が 加 速 化 して い る。 当然 提 起 され る問題 と して、 独 学 試 験 や 単位 銀 行

(20)

な どに よ り取 得 した学 士 学 位 が 、 学歴 至 上 社 会 に お い て 果 た して 相 応 の 認 定 を受 け られ るの か とい う懸 念 が あ る。2005年 に実 施 され た単 位 銀 行 の学 習者 調 査 か ら、 「制 度 に対 す る社 会 の評 価 は厳 しい。制 度 を利 用 して い る社 会 認 識 の 向上 の た め に は 単位 銀 行 制 度 に よ る学 位 の質 が要 求 され

る」 との報 告 が あ る。 独 学 学 位 試 験や 単位 銀 行 な どに よ る高 等教 育機 会 の拡 大 に は、 質 の 保 証 とい う課 題 を孕 ん で い る こ とは、 既 に独 学 法 制 定 を め ぐる論 議 で も指摘 され た こ とで あ る。 独 学 学位 制 度 や 単 位 銀 行 制 度 が 今 後 どの よ うな展 開 を見 せ るの か、 継 続 的 な考察 が 要 請 され る。

【 注 】

(韓国 語 文 献 の表 題 は 日本 語 に訳 して あ る)

1)サ 秀 一・「 第23章 韓 国 」 『 生 涯 学 習体 系 論 』東 京 書籍1991,296〜302頁 、 森 利枝 「 韓 国 にお け る独 学 に よ る学 位取 得 制 度 につ い て」 『 学位研 究 』大 学 評価 ・学 位 授 与 機 構il5号 、2001,41〜74頁 な ど

2)森 利枝 、 前 掲 書 、62頁

3)金 昇漢 「 韓 国 憲 法 の 生 涯 教 育 条 項 と意 義確 立 」 『教 育 』 中央 教 育研 究 院16 号1981,62頁

4)勇 秀 一 「 韓 国憲 法 第29条 生 涯 教 育 条 項 の 制 定 過 程 と意 義 」 『日本 生 涯 教 育 学 会 年報 』10号 、1998参 照

5)教 育 政 策諮 問会 議 「 年 次報 告書 」 『 韓 国 の教 育政 策 』 教 育科 学 社1991,548

〜554頁

6)韓 国放 送 通信 大 学 『 韓 国 生 涯 教 育体 制 の 拡 充 』1987,60頁 7)文 教 部 『 文 教40年 史 』his582頁

8)9)『 学 士 課 程 』 知 育 社 、1990‑3,30頁

10)高 益 民 「 変 動 社 会 に お け る中 国 の独 学 試験 制 度 の 変 容 」 『 京 都 大 学 生涯 教 育 学 ・図 書 館 情 報 学 研 究 』vol.5,2006,8〜9頁

ll)東 亜 日報1990.4.28

12)文 教部 『 文 教 行 政 』1990‑4,19〜23頁

13)朝 鮮 日報1990.6.30社 説

(21)

韓 国 にお ける独 学学位制度 の展 開

14)朝 鮮 日報1990.2.9

15)金 昇 漢 「 独 学 に よ る学 位 取 得 制 度 と大 学 社 会 教 育 の発 展 課 題 」 韓 国社 会 教 育 協 会 セ ミナ ー資 料 、1990,2頁

16)『 第148回 国 会 本 会 議 審 議録 』 第9号 、1990,21‑22頁

17)韓 国 放送 通 信 大 学 「̀独学 に よ る学 位取 得 に関 す る法 律施 行 令'の 立法 予 告 に対 す る韓 国放 送 通 信 大 学 教 授 団 の 意 見 具 申書 」1990,1〜2頁

18)当 時 、 韓 国 放 送 通 信 大 学 生涯 教 育 研 究所 長 で あ っ た金 昇漢 博 士 の 談 。 19)不 正 行 為 者 に対 す る措 置 は施 行 令 第13条 で規 定 した が 、2004年5月 に こ

れ を削 除 して本 法 に新設 して い る。 不 正 行 為 や 受 験 資 格 の虚 偽 記載 に 対 す る試 験停 止 ・無 効 、 受験 資 格 の3年 間停 止 な どの処 分 、聴 聞 会 の 開催 な ど を盛 り込 ん で い る。

20)試 験 の免 除 に っ い て は、 森 利枝 、 前 掲 書 、45〜58頁 に詳 しい。

21)韓 国 日報1990」021

22)教 育 人 的 資 源 部 韓 国教 育 開発 院 、 「 学 点 銀 行 」報 道 資 料 、2001‑1 23)韓 国 放 送 通 信 大 学 独 学 学 位 検 定 院 「 独 学 学 位 検 定 院現 況 」2007,12頁 24)韓 国 教 育 開 発 院 『入試 本 位 教 育 の実 像 と対 策1』1990,88〜89頁

25)経 済 科 学 審 議 会 議 『 韓 国 教 育 の診 断 と処 方 』1980

26)金 美 蘭 「 韓 国 に お け る開 放 型 高 等教 育 シス テ ム分 析 」 『日本 教 育社 会 学会 人

会 発 表 要 旨集 録 』58号 、2006,217〜218頁

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