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人工標識による田植機の自動操舵に関する研究 環境資源学専攻

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2015 年度 北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会, 2 月 10 日

人工標識による田植機の自動操舵に関する研究

環境資源学専攻 生物生産工学講座 ビークルロボティクス 江戸 俊介

1.はじめに

わが国の農業は高齢化と就農人口の減少といった問題に直面している。農業機械の自動化は作業 者の負担軽減や効率向上のため近年その需要は大きくなりつつある。本研究では人工標識を用いて 田植機の自動操舵を行った。田植作業では作業機に苗を補充する人員が必要だが,自動操舵によっ て本来操縦者である人員が苗補給を行うことが出来るため省人化が可能となる。

2.人工標識と画像処理

本研究では人工標識にオレンジ色のパイロンを用い,

色による画像処理を行った。画像処理アルゴリズムでは まず標識周辺に最小限の関心領域を設定することで水面 の反射など外乱を防ぐ。次に HSV 表色系を用いた二値化 を行う。HSV 表色系を用いることで色相での判別が可能 となり,より正確に二値化を行うことが出来る。二値化 に用いるしきい値はその作業環境下で取得する仕様とし た。二値化画像で得られた白の領域をラベリングし,最 大領域の物から重心点を取得した。この重心点同士を結 んだ直線の中点と目標点とし,水田に依存する係数を与えた

数値を操舵目標角とする。また,本研究ではパイロンを2つ作業幅で接続したものを利用した。2 点を利用するメリットとして,次の行程への標識を容易に設置することができ,2 点を利用して距 離を単一カメラで概算することができるという点がある。概算の距離情報は自動停止や関心領域の 調整に利用した。

3.ソフトウェアの開発と走行結果

供試する田植機はステアリングに自動操舵用のモータが内蔵された仕様である。前部中央にカメ ラを設置した。ソフトウェアの開発では画像処理アルゴリズムをモジュール化し,並行して作成し た操舵モジュールと通信モジュールに併せて実装した。操舵モジュールでは田植機への CANBUS 拡 張メッセージを作成し,通信モジュールによって送信される。今回の研究では人工標識まで約 7m の地点で自動停止する仕様とし,直線部分のみを自動操舵で作業し,旋回は手動で行う。作業速度 は 0.65m 毎秒で行った。画像処理は田植機の大きな振動や

外乱による大きなずれが発生しなければ概ね成功していた。

走行精度の評価は自動操舵開始地点から人工標識を結ぶ直 線との誤差によって求めた。精度は RMS で約 4cm 程度の誤 差で収まる行程があり,人工標識を用いた田植機の自動操 舵の可能性が示された。しかし,極端な逆光の際はしきい 値も極端な値を取ることとなる。しきい値の扱いについて さらなる検討が必要である。また,反射等の外乱光によっ て画像の取得が失敗する際について,例外処理を行うなど の追加処理が必要であった。

図 1画像処理の例

図 2走行軌跡

参照

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