ニ ュー ラル ネ ッ トワー ク を用 い た
cFGFRP複合材料 の弾性係数推定
森 田 千 尋 *・田 口 裕 之= ・松 田
浩 *崎 山 毅 *・黄 美 ***
AnEstimationMethodfわrElasticModuliofCFGFRP CompositesuslngNeuralNetwork
by
ChihiroMORITA
*
・HiroyukiTAGUCHI**・HiroshiMATSUDA*I TakeshiSAKIYAMA*andHuangMEI***TbispaperdescribesanestimationmethodforelasticmoduliofCFGFRP(CarbonFiberGlassFiberReinfわrced Plastic)compositesusingneuralnetworksystem.TheelasticmoduliofCF,GFandmatrixareobtainedbytheexperi‑
ment,andneuralnetworksystemforestimatetheelasticmoduliofCFGFRPisconstructed.
Theestimatevaluesarecomparedwiththeanalyticalvaluesuslngnileofmixtureandexperimentalones,and也e estimatevaluesareingoodagreementwiththeexperimentalones.
1
.は じめに炭素繊維
(cF), ガラス繊維
(GF),ア ラ ミ ド繊維
(AF)な どの新素材 の技術 開発 にはめ ざま しい もの があ り,構造軽量化が要求 され る航空 ・宇宙工学の分 野 をは じめ多方面 の分野へ適用 されてい る.建設工学 分野で も鉄筋 コンクリー ト構造物 の耐久性向上 を目的 として, これ らの新素材か らなる高強度連続繊維 を用 い た繊維強化 プ ラスチ ック ( 以下
FRPと略記) に よ る鉄筋代替材 の研究 ・開発が活発 に行 われてい る.
また,近年,構造物や航空機 に自己診断機能や 自己 修復機能 を付与 してスマー ト化 ( 知能化 ・インテ リジ ェン ト化) を図 り,構造物 の耐久性能, メンテナ ンス 性能の向上 に関す る技術 開発が積極的に行われている.
例 えば,実際の構造物の健全度 を光 ファイバーなどの セ ンサーを用いて常 に監視 しようとす るヘルスモニ タ リングの研究 などは,新 しい非破壊検査技術 として注 目されている.
この ような研究 ・開発の動 向のなかで,柳田 ・武藤 らは,炭素繊 維
(cF)とガラス繊維
(GF)をエ ポキ シ樹脂 などのマ トリックスで硬化 させたイ ンテ リジェ ン トな
cFGFRP複合材料 を開発 し,実用化 の ための 研究 ・開発 を進めて きている
1卜 2)cFGFRPは炭素繊 維 (cF)
の高弾性 の性 質 とガ ラ ス繊維
(GF)の じん性 を併せ もち,鉄筋 の弾塑性 の挙動 に類似 した挙動特性 を もつ.す なわち,伸 び限界 の小 さい繊維か ら順次破断 し,伸 び限界の大 きい繊維 の破断で終局 となる挙動 を示す. これは複合材料特有 の特性 である. さらに,CFGFRPはそれ 自体が構造体 である とともに,部材 の破壊 を予知することがで きる 自己診断機能 を備 えている. これが インテ リジェン ト な材料 といわれる理由である.柳 田 ・武藤 らは,引張
り荷重 の増大 に伴 う炭素繊維
(cF)の断面 変化,あるい はその破 断 に よ り,導電性 の炭素繊 維
(cF)の電気抵抗値が変化す ることに注 目 し, この電気抵抗値
平成
12年
4月21 日受理
*構造工学科
(DepartmentofStructuralEngineering)**日本工営㈱ (
NipponKoeiCo.,Ltd.)***外国人客員研究員
(JSPSPostdoctoralFellowship,VisitingResearcher)178
森田 千尋 ・田口 裕之 ・松 田 浩 ・崎山 毅 ・黄 美
l‑300,500
E] ; I
匿三 旦
mm図
1:CFGFRP試験体
の変化率 を測定することによ り,部材の破壊予知が可 能なことを発見 した.
cFGFRPのこのような特性 は電 気抵抗値 を計測するだけの極めて安価で,かつ簡便な 方法で調べ ることがで き,既 に,鉄筋 コンクリー ト部 材 に実用化 されている.
上記 の よ うな
cFGFRPの特長 であ る,構造物 の耐 久性診断のためのセ ンサー機能に注 目して,鉄筋 コン クリー トのみならず,鋼構造物 などへの適用性 を追求 することを最終 日的 としているが,その基礎研究 とし て,本研 究で は,セ ンサ ー機 能 に必 要 な
cFGFRPの 材料設計法について実験お よび理論的な検討 を行 った ものである.材料設計法 に関する検討 としては,複合 則 とニ ュー ラルネ ッ トワー クを用 いて
CFGFRPの弾 性係数 を推定 した.
本研究では,以下の ことに注 目 して実施 した.
①
cFGFRPにおける
CF,GFの繊維体積含有比 を 決定する.
②
cF,GFお よび母材 について様 々な組み合 わせ の試験体 を製作する.
③ 適切な弾性係数 を測定するための引張試験 を行
う.④ 複合材料力学 に基づ いた
cFGFRPの材料 設計 を行 う.
⑤ ニ ュー ラル ネ ッ トワー クを用 いた
CFGFRPの 材料設計 を行 う.
表
1:CFお よび
GFの材料特性 ( 公称値) 繊維の種類
の [GPa] ElGPa] el%] TowcF[M40] 2.74 392 0.6 3
∝ 氾
cF[M30] 4.02 294 1.4 3
( X 氾
2.
試験体および実験結果
1
0×1
0mn f の断面 を有 す る
CFGFRP試 験 片 ( 図
1)を製作 した.試験片 に用 いる
CF,GFの公称物性値 を 表 1に示す.ここで
, otは引張 り強度
,Eは縦弾性係 数,Eは伸 び能力
,Towは一束 の繊 維 数 で あ る.
GFは ロー ビング繊維
(ER1150TM FⅣ67:旭 フ ァイバ ーグラス社製) を用い,マ トリックス材 には耐アルカ リ性 に便 れたエ ポキ シ樹脂 (ビス フェノール A型液 状 エポキシ樹脂,国際 ケ ミカル社製),お よびグラウ ト (2 液塑エポキシ樹脂系注入接着材,シ ョーボ ン ド 建設㈱製)の
2種類 を使用 した. また
,CF繊維 はそ の伸 び能力が異 なる
2種 ( 表
1)の
CF( ポ リアク リ ロニ トリルフィラメン ト系,東 レ社製)を使用 した.
複合材料 であ る
cFGFRPの物性値 を調べ るため に,
cF,GFお よび母材の様 々な組み合わせ の試験体 を多 数製作 し引張 り試験 を行 い
,CF,GFお よび母材 の弾 性係数 を最小二乗法 に よ り求め た.
CFRP,GFRPお よび母材 の単体引張 り試験の結果 を図
2(a)〜図
2(h)に 示す. ここに, プロッ トした+点は実験 によ り得 られ た測定値で, また直線は各試験片の弾性係数 を最小二 乗法 により求めた値である.試験結果 より得 られた物 性値 を表
2に示す.
3.
凍合則 による弾性係数の算定
まず,複合材料の力学 に基づ き,以下の手順 によ り
CFRP,GFRPお よび
cFGFRPの弾性係 数 を算 定す る.
試験体 にEのひずみ を与 えた とき,繊維 も母材 も同 表
2:引張試験結果
試験体
[GPaE
] lE
%]y [GPaqy] (a) CFGFRP
O (cF[M30]+GF[40Tows]+Matrix) 13.0 1.78 0.230(b) CFGFR
m
Z)(cF[M40]+GF[40Tows]+Matrix) 12.4 2.07 0.255 (C) cFGFRP③
(CF[M40]+GF[80Tbws]+Matdx) 22.7 1.76 0.401 (d) Matrix 0.886 1.97 0.0172 (e) CFRP(CFlM30]+Matrix)1
.58 1.03 0.0162( f )
CFRP(CF[M40】+Matrix) 1.17 0.524 0.00617 (g)GFRP(GFl40Tows]+Matrix) 13.0 1.71 0.225 (h)GFRP(GFl80Tows]+Matrix) 24.1 1.51 0.36605053221
︻雲一peorI
0 0.5 1.0 1.5 2.0 Strain閃
(a):CFlM30]+GFl40Tows]+Matrix
50 云'4,ii0
■■oqS 330
20 10
0 0 0.5 1.0 1.5 2.0 Strain【%】
(C):CF【M401+GF[80Tbws]+Matrix
0 0.5 1.0 1.5 2.0 Strain【%]
(e):CF【M30]+Matrix
5050221150︻N且p‑
r
Z 50502211︻之且pToT0 0.5 1.0 1.5 2.0 Strain【%1
(b):CF【M401+GF[40Tbws]+Matrix
0 0.5 1.0 1.5 2.0 Strain【%]
(d):Matrix
2.0
畳 1.5
7
t 〇
SJ
l.0 0.5
0
50 富'40
,.当
「くつ8 3 30
20 10 0 0 0.5 1.0 1.5 2.0
Strain【%】
(g):GF[40Tbws]+Matrix
図
2:荷重 ‑ひずみ 曲線
十+
E
=1
.17GPa 0 0.5 1.0 1.5 2.0Strain【%]
(f):CF[M401+Matrix
0 0.5 1.0 1.5 2.0 Strain[%】
(h):GFl80Tows]+Matrix
180
森田 千尋 ・田口 裕之 ・松 田 浩 ・崎山 毅 ・黄 美
じだけ伸 びると考 えてよいので,それぞれに作用する 応力はフックの法則 により,次式 を得る.
o・/‑Er
e / ,
0加‑&e m
(1)ここに
,E/,且 は,それぞれ繊維 と母材 の弾性係 数, また
qf
,OHは,それぞれ繊維 と母材 に生 じる応力であ る.繊維 と母材 の断面積 を
A/,A^ ( 全 断面積
:A‑A
f+Am) ,それ らに作用する力 を P / ,PM ( 複合材料全 体 に作用する力
:P‑P/+Ph , ) とすると次式 を得 る.
p‑q/Am+o桝AN=(E/Af+EmAm)e
v/‑%
( 2)
ここに
,Vfは複合材料 に占める繊維 の割合 ( 繊維体 積含有率)である.複合材料 としての平均応力 を計算 する と,式
(3)とな り,[ ]の中が複合材料 の弾性係 数& となる.
q c =言 ‑t
E,V/+Em( 1‑Vf ) ] e
‑&e Bl‑EfV/+A ( 1‑
Vf)式
(3)は弾性係数に関する複合則である. ここで,体積 含有率 V/は,繊 度 を
Tex[g/cm],密度 をp[
g/cnf]とす る と,式(
4)で表す こ とがで きる.体積 含有率 V/
の結果 を表
3に示す.
vf‑普 ‑趣P (4)
また
,CF,GFお よび母材の
3種類の材料 か らなる複 合 材 の弾 性 係 数 は次 式 で 求 め る こ とが で き る.
cFGFRP
の体積含有率 を表
4に示す.
表
3:複合材料の材料定数
試験片
[g繊度
/皿] [g密度
/cni]体積含有率
cF[M30](2束)
1.60×10}3 1.70 1.88×10¶3cF[M401 3.64X
1
0‑
3 1.81 2.0
1×10 3GF[40Tbws] 1.15×10‑2 2.55 0.180 GFl80Tows] 1.15×10一2 2.55 0.361
表
4 :CFGFRPの繊維体積含有率
cFGFRP
①
(CFlM30]+GF[40Tows]+Matrix) cF[M30】 GF[40Tbws] MatrixcFGFRP
②
(CF[M40]+GFl40Tbws]+Matrix) cF[M40] GFl40Tows] MatrixcFGFRP
③
(CF[M40]+GF[80Tbws]+Ma一血 ) cF[M40] GF[80Tbws] Matrix表
5:CFおよび
GFの弾性係数の算定 試験体 算定値
[GPa]公称値
[GPa] cF[M30] 369 294 cF[M40] 142 392EcFGF7eP‑EcFVcF+EGFVcF+
A, ( 1‑
Vcr‑VGF) (5)式
(3)によ り,前述の試験結果 を用いて
CF,GFの弾性 係数 を算定することがで き,それ らの値 ( 算定値) と 公称値 を表
5に示す.なお
,GFの弾性係数 の算定値 でばらつ きがあるのは
,GF[40Tbws]と
GF[80Tbws]の両方か ら算定 したためである.
次 に,表
5に示す
cF,GFの弾性係数 と引張試験 に よ り得 られた母材 の弾性係 数 を用 いて,式
(5)に よ り
cFGFRPの弾性係数 を算定する.その算定値,お よび
cFGFRPの引張試験 より得 られた弾性係数 を表
6に示 す.なお,同表下段 には公称算定値 なる,公称弾性係 数か ら算定 した
cFGFRPの弾性係 数 を示 してい る.
ここでは,母材の公称弾性係数が未知のため実験値 を 公 称 値 と して算 定 した.同表 よ り,複 合 則 に よ る
cFGFRPの弾性係数は,公称値 を用いた場合は実験値 と比べてかな り誤差があるものの,算定値 の場合は数 表
6 :CFGFRPの弾性係数
試験体 算定値
[GPa]実験値
[GPa]誤差 [ %]
cFGF
RP①
(CFRP[M30]+GFRPl40Tows]十Mat r ix)
13.2‑13.7 13.01
.54‑5.38 cFGFRP@ (CFRPlM40]+GFRPl40Tows]+Matrix) 12.7‑13.3 12. 4
2.42‑7.26 cFGFRP③
(CFRP[M40]+GFRPl80Tows]十MatriⅩ) 24.4‑25.5 22.7 7.49‑12.3試験体 公称値使用
[GPa]実験値
[GPa]誤差 [ %]
cFGF
RP①
(CFRPlM30]+GFRPl40Tbws]+Matrix) 14.8 13.0 13.5 cFGFRp②
(CFRP[M40]+GFRPl40Tows]+Matrix) 15.0 12. 4
21.0%以内の誤差であ り,実験値 を概 ね再現で きている も の とみなせ る.
4.CFGFRPの材料故計 へのニ ューラル ネ ッ トワー
クの適用
前述 の ように,複合則 に したが って
CFGFRP複 合 材の弾性係数 を算定することがで きる. しか しなが ら, 鉄筋や コンクリー トの弾性係数 は
JISの試験法で簡単に求めることがで きるの に対 して,CF,GF単体 の弾 性係数 を実験で簡単 に得 ることがで きなかった.複合 則 に よる計算 で
CFGFRpの弾性 係数 を求め る際 に, 実験値か ら
CF,GFの弾性係数 を算定 した り,公称弾性係数 を用いたのはこのためである.そのために,算 定 した
cFGFRPの弾性係 数 は必 ず しも精度が よい とはいえない.そこで, ここでは,複合則 による計算で はな く,引張試験 に よ り得 られ た
CFRP,GFRPお よび母材の弾性係数 を用いて,ニューラルネ ッ トワーク を用 いて
CFGFRP複合材 の弾性係数 を直接 的 に推論 することを試みる.
人工知能技術 の一つであるニューラルネッ トワーク は,入力値 と出力値 を学習 して微分方程式では表現で きない ような複雑 な非線形関係 を内部 に組み立てるこ とがで きる. しか も,いったん学習が終了すれば入力 値 に対す る出力値 を瞬時 に得 ることがで き,妥当な値
を推論す ることがで きる.
ここでは, この ような特徴 をもつニューラルネ ッ ト ワークを用いて,CfGFRP の材料設計 に適用で きるよ うな弾性係数推論モデルを構築す る.学習デー タには, 前述の引張試験 により得 られたデー タ ( 表
2‑表
4参
照) を活用 し, これ らの実験値 をニューラルネッ トワ ークに学習 させ る.
以下の ことに注 目 してニューラルネッ トワー クモデ ルを構築 した.
( ∋
cFGFRP複合材の弾性係数 を適切 に推論 で きる 実験 デー タを活用す る.
( 参 適切かつ合理的なニューラルネ ッ トワークシス テムを構築す る.
③ 学習回数 について詳細 に検討 し,推論精度の向 上 に努める.
( む 構築 したニ ュー ラル ネ ッ トワー クシス テム に
cFGFRP複合材の弾性係数 を推論 させてその妥 当性 を確認する.
ニューラルネッ トワー クが入力値 と出力値の間の関 係 を忠実 に再現で きるように,入力層 と出力層,中間
CFRPlM30]
CFRP【M40]
GFRP〔40TbwsI
GFRPt80TowS】 Matrix
CFGFRPO
CFGFRP◎
CFGFRP㊥
入力層 中間層 出力層
図
3 :CFGFRP複合材推定モデル表
7:各学習回数 における推論値 とその誤差
推論値
[GPa]実験値
[GPa]誤差 [ %]
1
,
000回
cFGFRPcFGFR酸 ) ①
112.2.9592 113.2.04 0.4.4462 0.210
,
0(氾回
cFGFRPcFGFRP① ②
112.2.9795 113.2.04 0.4.2344 0.1 cFGFRP③
24.10 22.7 6.17182
森 田 千尋 ・田口 裕之 ・松 田 浩 ・崎山 毅 ・黄 美
層の計
3層の階層型のネ ッ トワーク構造 とす る ( 図
3参照) .入力層 のユ ニ ッ トには表
2に示 した実験値 の
CFRP,GFRPお よび母材 (計
5個) を割 りあ て た. こ こか らニ ュー ラル ネ ッ トワー クに よ りcFGFRPの弾 性係数 を推論 させ,それ ら推論値 と実験値 とを比較す る.中間層 内のユニ ッ ト数は 80 個 とした.
各学習段 階 におけるニューラルネ ッ トワークの推論 値,実験値 との誤差お よび二乗和誤差 を調べ る と表
7が得 られた.表
7よ り学習 を重ねるに したが って二乗 和誤差や実験値 との誤差が減少 し,1 0万回学習 した場 合は,実験値 との誤差 は最大で も6% 程度である。 ま た,複合則 によ り求めた弾性係数 よりも実験値 との誤 差 は少 な くなってお り,推論値の精度が向上 している ことがわか る. これ よ り,構築 したニューラルネ ッ ト ワー クシステムは
cFGFRPの弾性係 数 を うま く推論で きることを確認で きた.
5.
ま と め
本研究 は,cFGFRPを対象 に して,構造物の耐久性 診断 を目的 とした材料設計法 について実験的お よび理 論的な検討 を行 った.その際,材料設計法 に関する検 討項 目として,複合則 とニューラルネ ッ トワークの
2通 りの方法 を用 いてCFGFRPの弾性係 数 を推 定 し, それ らの性能について追求 した ものである.ニューラ ル ネ ッ トワー クによ り得 られ たCFGFRPの弾性係 数 は,複合則 によるそれ と比べ る と精度 よ く推論で きて お り
,cFGFRPの材料設計法 においてニューラルネ ッ
トワークの有用性 を確認 した.
6.
あとがき
構造部材の力学特性 を調べ るには,その表面 にひず みゲージを貼付 して部材の欠陥や耐久性の検査が行 わ れている.精密 な計測 には,赤外線法,超音波法
,AE法 などがあるが, これ らの装置は高価で, しか も高度 な計測技術 のノウハ ウを必要 とする
3).しか し
,CFGFRPはそれ 自体が構造体であるととも に,引張 り荷重の増大 に伴 うcFの断面変化,あるい は破 断 に よ り,導電性 の炭素繊維
(cF)の電気 抵抗値が変化する. この電気抵抗値 の変化によ り部材 の破 壊 を予知す ることがで きる.CFGFRPは構造体 自体が 自己診断機能 を備 えたインテ リジェン トな材料 といえ るのである.
cFGFRPの この ような特性 は電気抵抗値 を計測す る
だけの極めて安価で,かつ簡便 な方法で調べ ることが で きる.つ ま り,専 門家でな くて も誰 にで もで きる方 法 である. また,構造体 としての特性 を併せ もつ
RCや鋼 構 造 物 の複 合 構 造 と して構 造 物 に付 加 して,
cFGFRPの初期抵抗値 を計測 してお き,経時変化 を計測す ることに しておけば,定期点検 において抵抗値が 大 きくなった構造物あるいはその部材 を,赤外線法, 超音波法
,AE法 な どによ り専 門家が精確 に検査 すれ ば,欠陥の調査が迅速 にで きるはずである. この よう な技術が開発 されれば,鉄筋 コンクリー ト部材の耐久 性向上 に大 き く貢献す るもの と考 えられる.
本研究 を遂行す るにあた り,綜合音備保障㈱武藤範 雄氏 には実験試験体 の材料か ら製作方法 などについて 懇切丁寧 にご教示戴 きました. ここに,記 して深謝 申 し上 げ ます. また,cFをご捷 供戴 きま した東 レ㈱複 合材料研究所京野哲幸氏,エポキシ樹脂 をご提供戴 き ま したシ ョーボ ン ド建設㈱岳尾弘洋氏,実験 に協力戴 きま した大学院 1年生 ( 研究当時)の山口浩平氏,大 学
4年生 ( 同)の横溝排平氏,野崎充史氏 に感謝申 し 上げ ます.
なお,本研究 は平成1 1 年度科学研究補助金 ( 奨励研 究A) による研究成果の一部 をまとめた ものであ り,
ここに謝意 を表わ します.
参考文献
[1 ]例 えば,柳 田博 明 :次世代素材 インテ リジェ ン トマテ リアルー 「 賢い材料」が築 く
21世紀の技術
‑,ブルーバ ックス,講談社,1
993[2
]例 えば,武藤範雄 ,柳 田博明,杉 田稔 :炭素 ・ ガラス複合繊維補強 コンクリー トにおける損傷 の 自 己診断,セメ ン ト・コンク リー ト
,No.576,pp.㍊‑59,1995
[3