本年4月20日安倍川河口の地震について
著者 伊藤 亀雄
雑誌名 静岡地学
巻 3
ページ 32‑34
発行年 1965‑07‑11
出版者 静岡県地学会
URL http://doi.org/10.14945/00026176
本年4
月
20目安倍)1(河口の地震について伊 藤 亀 雄
この地震は 1965年4月20日の08h42m頃、安倍)1¥河口 (N34. 9度、 E138. 4度)の深さ約 40 Kmvc起った、 M (マグニチュード)6.2の地震です。
本誌の読者間しまず地震計の記象紙を見ていただく方が手っ取り早いでしょう。
静岡地方気象台の地震計には、倍率約80倍のウィ‑‑‑‑"'vレト式と、 第1図 安倍)!I河口の地震 ここK掲げた 1倍強震計(実働の3/5の記録〉とがあります。こ 静岡Kおける l倍
強震計の記象 れは、上下動、東西動、南北動の3成分ですが、いずれも近地地
! t .
D震の典型的な型を示しているだけでなく、今回の地震 K特有な性 寸司,...~・
質をもよく現わしていて、非常K興味のある記録です。
まず、 P波(縦波)の初動を見ますと、 3成分ともK非常K大 きく、特 K上下動では、閣の矢印で示すよう K上 (Up)へ2.8
∞
ρも動いています。つまり、静岡では震源からの突き上げ(密波〉
を観測したことがわかります。従って、水平動のP波が指向する 方角は震源の反対方向だということκなります。そこで、東西動 のPをみますと市これは東 (E)へ1,ぼ)()μ動いており、 また南 北動では、 Pの矢印が北(N )の方vc,1500μ動いています。今 この両成分を合成しますと、大体北北東Kなりますから、震央は
その反対方向の南南西Kあるということになります。さて、 l分間の長さは下のスクーノレのよう K、 この図では約16.8伽 Kなっていますから、 Pからs(横波)までの時間、すなわち初期微動継続時
u
W 底
s
MロS
I~ト i簡の長さ
間(七)は、静岡の場合6.3秒Kなります。これを有名な大森公式Kあてはめると、震央距離ム (Km )は、
ム 口 7 .42 x七
から、約47Kmとなります。従って、震央は静両市の南南西約47Kmの地点ということKなりますか ら、深さを無視すれば地図の上では御設崎町に近い所Kなります。しかし、水平動の方角はそれほ ど精密なものではありませんからも場合Kよっても少しズレたりすれば、震央が海中Kなる可能性 も大きいのです。気象庁が地震の直後κ津浪警報を出したのは、恐らくその点を考躍してのことで しょう。
処が、幸か不幸か、この地震は意外K震源の深さが大きかったのです。そのために大森公式で計
‑32 ‑
したムが弔 ょっ大きくなってしまったの G さt主、 して初めて決められるものですが、
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不 明浜松)
U 700I
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S 250網 代 IU 272 1 E 221'封 お
(中震)の区域が、本県 の全域をおおっているだけでなく、
く甲府宇横浜Kまで及んでいる 一方、比較的震央 K近い伊豆南部 (((II(軽震)や班(弱震)の地域 が現われていることは、一見奇異 の感を与えるかも知れません。し か い こ れ も 震 源 の 深 い こ と を 示 すーっの証左であると共花、南伊 豆の地盤の堅屈であることを意味 するものです。
最後 K、県内各所の観測結果を 第2表K示します。
Kどうもこれは深そうだという
その大きさ ことがわかります。こ
i揺でも
とは申すまでもありまぜんが、
ことは、第1図の
しています て大きい
らの距離Kよるこ K気象台付近の 地盤が軟弱であること K も関係があります。第 1 tJ'" した各所の初動方向 2留に示し
ます。
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‑33 ‑
し
第2表 各 地 の 観 測
地 名 Pの発現時 P.‑...‑S (8 ) 最 大 振 幅mm 間 08h 42m 03. s 6.3 11.ラ N
一 一
御 前 li奇 08 42 06.3 6.9 ラ~3 N
一 08 42 09.7 7.5 4.ラ N
トー…一一一
呂 08 42 10.0 7.1 3.5 五 浜 松 08 42 10.2 &ラ &ラ N
代 08 42 11.4 9.6 N
最大振幅で、網代は静岡の 1/2にも達しないのK、震度は共vcNと観測されています。これは というものが、割K大雑把なものだからでもありますが、また1つKは静岡の地盤が軟らかL、 ためK、抜動の周期が長くなるからでもありますO 従って、振幅で比較しないで、加速度で比較す
これほど大き くなります。
なお唱こ と同じ系統のものは、
ヵ
ヘ
っています。としても 1917 5月18臼04h 07m
の めてよく似た ると
までK起ったことはないと
11
されていますが、
っている人が多いようです
11 VCt‑'J:....遠江北部の地震 この地震こそ、今回のも るべき十分の理由があるのです。しかし、既 K紙 数 も尽きましたので、ここではただ、そのこと るK留めておきたいと思います。
(静岡地方気象台長)
‑ 長 一