調 査 資 料
地域資金循環表に関│す る
ア ンケー ト調 査結果 につい て│ 土
居
英
二
は じ め に
本稿は,静岡大学人文学部経済学科国民経済計算研究室が,昨1983412月 末から1984年 1月 に全国│の都道府県庁の主として所得推計担当課に対して行なった,「地域資金循環表 に1関するアンケー ト調査結果Jをまとめたものである。
御協力いた│だいた方々には,予定 した結果の御報告の時期が半年近 く遅れて御迷惑をか けることとなってしまった。研究室において,送付されてきた各県の資金循環表の分析′. 各府県の過去の作成経験フォロー,および地域資金循環表の推計資料の所在と推計方法の 検討に手間どったため,結果の報告の時期が遅 くなってしまった。
調査結果とともにのちに述べる覚え書きは,こうした作業の中1間1的なとりま とめ で あ
(1)
る 。1.調 査 の 概 要
①調査主体 静1岡大学人文学部経済学科国民経済計算研究室
②調査の目的 地域資金循環の構造を分析する手法の研究・ 開発のため,各都道府県の 地域資金循環表の作成経験を調査し,あわせ今後の作成意向を尋ねる。
③調査対象 各都道府県庁の主として所得推計担当課・ 係 (後1出一覧表参照) '
0調査方法 郵送調査 │
⑤調査時期,1983年
12月
26日〜19躍年 1月15日◎調査項目 (D資金循環表作成経験の有無(①ある②作成申③なし
)
脚注 (0この作業は,杉原啓介君 (本学卒業生, 生)との共同作業で行なわれた。本稿は,
現1静岡県庁勤務),二村和孝君 (本学学 その中1間経過の筆者によるとりまとめで
法経研究33巻
74(83)
表1. 地域資金循環表に関│するアンケー1卜集計結果
(昭和58年
12月
26日アンケー ト用紙発送)
4)③と答えられた方,今後,資金循環表を作成 する予定がありますか。 1
② い い え
○
○
○
○
○ 3)②と 答え ら
れ た方,何年度 をめどに作成を お考えですか。
5)①と答 え ら れた方,何年度 をめどに作成を お考えですか。
法経研究
121設
間{Jで, (3)141 ″
151設
問141で,「①あるJと答えた方,作成年 (度)?
.「②作膵申」1答えた方,何年事をメドに?
「③いいえ」と答えられた方, 今後, 資金循環表を作成する 予定の有無(①はい②いいえ③検討中
)
「①はい」 と答えられた方,何年度をメ ド̀に作成をお考えで すか ?
⑦回収状況 47都道府県のうち44都道府県か ら回収 (表1。および末尾参考資料参照
)
(参考)調査依頼昭和58年
12月
26日 殿静岡大学人文学部経済学科 国民経済計算研究室 静岡大学助教授 土居英二 拝啓′ますます御清栄のこととお慶び申し上げます。
静岡大学人文学部経済学科国民経済計算研究室では,現在「地域 (静岡県)資
金循環表の設計と推計」というテーマで研究に取 り組んでおります。地域資金循 環表は,すでにいくつかの県で作成されておりますが,都道府県民所得統計や壕 域産業連関表のような十全な推計方法が確定されておらず,今後の各地の経験交 流が重要な課題であると思われます。
そこで,私共が静岡県の資金循環表を作成するにあたって,各地の曝験を参考
にさせていただきたく,はなはだ勝手なお願いですが,右記のアンケー トにお答 え下さい。
なお,このアンケー ト結果については(できれば各地の推計方法も)折り返し ご報告し各地の経験交流のお役に立てたいと思います。
*御寄贈について
ω有料の資料や,お送 りいただくための郵送代は御請求 ください。
l 121送付は下記あてにお願いします。
〒422 静1岡市大谷836 静岡大学人文学部経済学科 土居英二
*な お,不明な点は,下記に御照会下 さい。
雪 0542‑37‑1111(静 岡大学代表番号).内線983 土居英二宛
76 (81)
なお,②調査目的について若干3付言しておこうち現在かなりの都道府県が,都道府県 別の所得推計や産業連関表を作成しており,その新SNA方式ヽの転換もおこなわれてい る。順序だけを考えれば,地域経済計算研究の次の大きな課題は, 地域資金循環表 (新
SNA方式では,金融勘定を含む完全な形での「制度部門別資本調達勘定」)であろう。
ただ,地域資金循環表の作成については,調査結果でも明らかなように,鹿児島県を除 いて,現在殆どの都道府県が作成していない。この理由は,都道府県レベルでの新SNA
方式での経済計算の歴史がごく浅いこともあるが,むしろそれ以上に地域資金循環表の意 義・ 利用価値にかかわる問題と,推計にまつわる諸問題が,大きくたちはだかっていると おもわれる。
調査結果をみたのち:こ うした問題について,若千の検討をくわえてみよう。
2.調査結果 の概要
資金循環表の作成経験 《設間
1・
設問2・ 設問)作成経験は,製都道府県9,ち10県 (岩手´富城,広島,佐賀,宮崎′鹿児島)から,
「ある」 と回答をみた。し現在作成 しているの1す1界 く鹿児島)で│る 。他資料も参考にし なが ら,こ れまで作成 された都道府県 レベルの資金循環表について,筆者の知 り得た もの を一覧表にすれば,表2の とお りとなる。 ̲
なお
,1こ
の表 1を 作成するにあた っては,日本銀行金融研究所の松浦宏氏か ら,資料の 紹介をは じめ,多大な御協力をいただいた。表 2の 下段の神奈川県以下の文献は,松浦氏 の資料紹介によるものである。また,各県の回答者の方 々か ら,こ れまで作成 された貴重 な報告書をお送 りいただいたことも,過去の作成状況脅まとゅぅ,えで,大変助けとな?た。
ただ,都道府県の回1答で,表2の 中段以下のような「漏れ」がでた可能性があるとすれ ば, お調べいただいた 回答者の労苦の多い御協力にもかかわ らず,(1)古 い資料の所在不 明,121何回かの担当者の交代´
131都
道府県庁以外の機関による推計 (例えば,北海道は,北海道拓殖銀行作成),141試 算的推計で正式なものでない′ などの理由によるものだと思 われる。
また,筆者の手元には,作成者・ 出典の不確かな昭和45年度の京都府のマネーフロー表 があるが,これ以外にも,まだまだ筆者の知 らない地域資金循環表の作成経験があると思 われ る。お教えいただきたい と思 う。
121 なお,松浦氏より,石固定夫氏『地域経済と資金循環』(地銀協, 昭和44年度金融経
■:■ 1,1表 2
資金循環表の作成予定 懺 間
4・
設問│ゆ
今後の作成予定につャヽての 都道府県の国答状況l■,表3のとおりである。この表3は, アンケートの設1間の設定のミスで,螂 のある6県 く表.1)・については尋 ねてい な い。 ・ 1 1 `│ ‐ :til l ・
表3 地域資金循環表の今後の作成予定 く作成経験の無し`詭都遣薦県ギ宮城 │ 都道府県名 年度 (昭和
)
.作成 者 . 備
考 一
L岩 .手
2.宮 城 3.広 島
4佐 賀
5。宮
崎
・6.鹿 児 島
45‑49 39‑47
40・
‐4654 '
4142■‐
一県県 県 一県 県 県
今回アイケ=卜 回答
7.山 El
8.富 山 9 JL海 道
121富
城(追加) {戯委κ追加) 10t愛 媛 11.沖 縄31′‐? 35〜? 35〜
38 38〜
38〜
37・
・・ 県 県 県 県 県
幣譴ヴ鶴輻皐伊財 :
Noo L 1981/5)に よる。
│:it'′1,itl ij iT
2神 奈 川│
191北 海 道 ω 沖 縄
靱 35‑45,53 郎
,391 150b51
『金融財政事情書
1976ノ
6/甲1 1r『たくぎん調査月報』
1969/5,
『 金融財政事情』‐ 191910′7/7 臓鵜震ニュニス』1966/5 :
「 ヤネーフロ■からみた沖縄県1の1金
1融構造』1978/1:
項 目 都
道
.
府 県 名1,・ 作成予定あり 兵庫 C・C和∞年度か ら
):・
・・・・・・1県2.検 討 中 青森・ 石チII・福井・ 静岡・ 愛知 ̀滋賀1島根 。徳島・ ●Jll 愛媛・ 高知 1熊本・ 富城………・Ⅲ……13県
3。 作成予定なし その
frL… .…
..::..……25都道府県 毬│(79)表 2の とお り,これまで作成経験をもらていない田都道府県のうち,今後,比較的明確 な形で作成予定を持 っている県は,兵庫‐1県と少ない。検討中の県は13県にのぼるが,予 定の無い所 も25都道府県にのぼ っている。 ̲
3.各県 地 域 資 金 循環 表 の比 較
この節ではし比較的最近の年度について作成 された県別資金循環表を とりあげて,いく つかの点について考察 してみたい。ただ,県民経済計算が新SNA方式に転換 されつつあ り,資金循環表も今後作成 されるとすれば,新しい方式で推計 されるか と思 うが,これま での経験はさまざまな面で教訓 とされ うると考え られる。詳細は省略せざるをえないが, 各地の経験の特色は以下のとおりである。
■鹿児島県(55年度
)
■佐賀県 (54年度)
■岩手県 C48年度)
①県民所得金融統合表 (経常・ 資本・ 金融勘定
)
②金融取引表
③金融連関表
④金融資産負債残高表
①金融取引表(相手先別
)
②金融資産負債残高表
(″ )
①県民所得金融総合表 (経常・ 資本・ 金融勘定
)
(付表一部門別純増減表)
②金融連関表
(付表一資産負債残高表)
金融機関→主に照会調査 法人企業→金融機関へ照会 個人→主に全国値分割方法
個人→1世帯平均値X世帯数
0)地域資金循環表作成の課題
概略,以上のようにみて くると,地域表作成にあたっては,下の図のようなっ基本資料 と方法が採用されていることがわかる。いいかえれば,①金融機関の理解と協力,②公共
金融機関 公共部門 法人企業 個人 県外 照 会 調 査 決 算 資 料 法人企業統計
金融機関・ 農漁協・ 市町村へ の詳細な「取引相手先」をふ くむ照会調査
法人企業→法人企業統計 個人→既存資料
金融機関→照会資料 法人企業→法人企業経済調査
{J 地域資金循環表の種類
121 推計方法の特色
法経研究33巻2号 (1984年) ・
部門内部での金融資産負債関係資料収集への理解と協力:i③「法人企業統計」1の存在がま ず必要である。これらはいずれも現実的な困難をかかえていて,①地方自治体と金融機関 とは,行政施策の点で交流が少ないこと,②公共部Flの決算様式が必ずしも貸借対照表形 預 島:島iLゞ異:Iご [F』餘 鱗 雲 越 鶴 :FlP`早
lキ F,夕
でいつ疇 的また,上の図のように,‐④推計方法上,「個人部門」 と「県外部門」 の計数はなかなか 把握 しに くいこ とも事実である。 , ヽ
これ らの諸課題のうち,①② は地域資金循環表の作成意義についての,各方面の理解が 決定的な役割をはたすであろうし,こ の ことは④の概念上の1問題 とも密接に関る問題で も ある。 :‐
「統計行革」の環境下で,①の制約がますます大きくなっているが,県民各層の金融上 の悩みや,金融的施策への期待を議論の出発点に しなが ら,どうした二‐ズと現実にこた え うる地域に根ざ した勘定形式の開発・ 研究への努力が,さまざまな制約をのりこえる説 得力を築 きあげると思われる。(了
)
(追記)調査への御協力,末尾にな りま したが,厚く感謝 しお礼 もうしあげます。
(参考資料)│「地域資金循環表に関す るアンケー ト調査」回答者名簿 :
1.北海道 〒060 札幌市中央区北3条西6丁目 北海道庁開発調整部統計課所得統計係 2.青 森 〒030青森市長島 1丁 目1‑1
青森県庁企画部統計課調査分析班= │
3.岩 手 〒020 盛岡市内丸10番1号
岩手県庁企画調整部統計調査課調査分析係 4.宮 城 〒980 仙台市本町3丁目8‑1
宮城県庁企画部統計課所得統計係・
5。 秋 田 〒010 秋田市山王4丁目1‑1
秋EB県庁企画調整部情報統計課企画解析 担当 6.:山 形 〒990 山形市松波2丁目8‑1
山形県庁企画調整部統計調査課統計解析係 7.福 島 〒960 福島市杉妻町2‑16
福島県庁企画調整部統計調査課分析班 8.茨 城 〒310 水戸市三の丸1‑5■8
茨木県庁企画部統計調企画分析 グループ
9。 栃 木 〒320 宇都宮市塙田卜1‑20 80 (77)
罐醜 011=231‑4111
電酔 0177‑22‑1111
籠醗
0196二
51‑3111篭r 0236‑30二2180
竃野 0245‑21‑1111
罐夢 0292‑21‑5505
するアンケー ト調査結果にう て 栃木県庁企画部統計課解析編集係 會 o286=23つZ21 ・す
10̀群 馬・T3711前橋市大手1町1・ l―f l l ' 「 : : │
群馬県庁企画部統計課分析普及係 ・ ヽ感11磁
つ詳1111(触76)・
11・ 埼 玉'〒釦61浦和市高砂3‐15‑1 1 1‐
埼玉県庁企画財政部統計課経済分析係 =´ `雪 磁鑢124‑21■ (2189) 12.千 葉‐〒260‑91 千葉市市場町1‐1 ‐ ‐ 1
千葉県庁企画部統計課企画指導係 雷 lo472■23‑2216 ‐
13。 東 京■〒
100・
東京都千代圏区丸の内鈍 二1 :・ ・東京都庁総務局統計部統計調整潔 : 雷 o3‐212ヽ 111(21721) 14.富 1山 1〒
98σ
‐富山市新総1画輪
1‑7・ ̀│‐ 111ヽ
「富1山鍼 報課経済動態係 雷 o764‑31‑4111
15‐.石
力1 守o20金 沢希広坂2・ 1‐
1 = │
・:.福 丼 彰矮 巡 鐵 撃 軍『 雫 厠 勁 倭 1岬 宅Ⅲ 血
始 山 築 '鑽 綸魃 重T網隆剛畔縣'■ 密 甲 毛H■
1 E長
鼻蝉楊鷺鐵柩絋財聰加= b,7・
7‑llllC3351D「り岐量…野野時隔 離報企画係
:rT 0262‑32‑Ol血
11
m膨 鑽
嚇 ‐■■1 錫 了卿 出又 楊
岬:当 IIF硼宥劉裁T6 「
2三 墨 TT 分析担当
‐
̲■
o5241‑21蝋
守 "¨
郎.滋 賀「 景 雲 諫所軋
雫 │ :早 同 慟・ 型9
2.大 詰
・
馳『 係 .■ ‐写 Ψ 守 鋤詈 i
な兵庫寧『歴
6■
■‐警ΨttTロ
な 串六瞑鯰憲 ■
3宣監・
法経研究錦巻
27.和歌1山 〒640 和歌山市小松原通1‑1
和歌山県庁企画部統計課企画指導班 雪 0734‑32‑4111 28.鳥 取 〒680 鳥取市東町1‑220
鳥取県庁企画部統計課企画調整係 雷 0857‐ 26‑7107 29.島 根 〒690 松江市殿町
1
島根県庁企画部統計課所得統計係 雪 0852‑22‑5070 30.岡 山 〒700 岡山市内山下2‑4‑6
岡山県庁企画部統計管理課福祉統計係 審 0862‑24‑2111 31.広 島 〒739 広島市中区基町10‑52
広島県庁企画振興部情報統計課国富所得統計係 雪 082‑228‑2111 32.山 口 〒753 .山口市滝町l‑1 =
山口県庁企画部統計課調査係 雪
083‐
9‑22‑3111 33.徳 島 〒770 徳島市万代町1‑1 1徳島県庁企画調整部統計課企画調整担当 軍 0886‑21‑213o 34.香 川 〒760 高松市番町4‑lTlo
香川県庁企画部統計調査課 審 0878‑31‑1111
35。 愛 媛 〒790 松山市一番町4■ ‑2
愛媛県庁統計調査課企画解析係 奮 0899‑41‑2111 36.高 知 〒780 高知市丸 ノ内1‑2‑20
高知県庁企画部統計情報課 管 0888‑23‑1111 37.福 岡 〒810 福岡市中央区天神1‑1‑1
福岡県庁企画開発部調査統計課企画分析係 雪 092‑781‑1111 38̀佐 賀
:::まl護蘊 ]::];)析係 嘔貯 0952‑24‑2111
39。 長 崎 〒850 長崎市江戸町2‑13
長崎県庁総務部情報統計課企画分析係 雪 0958‑24‐1111
40.熊 本 〒862 食資本市水前寺6‑18‑l
熊本県庁企画開発部統計調査課所得解析班 雪 0963766‑1111
41。 大 分
]:::1護 ::詈1多ゝ析係 電界 0975,36‑1111 42.宮 崎 〒880 宮崎市橘通東2‑10‑1
宮崎県庁企画開発部
43.鹿児島 〒892 鹿児島市山下町14‑50(山 口氏
)
鹿児島県庁企画部情報統計課企画分析係4。
沖 縄 〒900 沖縄県覇市泉崎l‑2‑32 沖縄県庁企画開発部統計課企画分析堡82(75)