これの純投資に
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(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 1 3. ‑127ー. 「必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式. 小論では,ハロッドに代り,この問題を,彼の経済動学の体系のかなめとな っている基本方程式に組みこむ一つの試みについて,説明してみたいと思う。 第 I節では,基本的な仮定と記号について述べる。第 E節では,純投資に対 する「必要以上の償却基金」の貢献分の比率につい℃述べる。第 E節では, 「必要以上の償却基金」の問題を組みこんだ,乙/ュタインド J レの方程式につい て論じる。第 I V節では,相互にニコアンスの異なる,ヰ/ュタインドノレの方程式 とハロッドの方程式との関係について述べる。第 V節では,. I 必要以上の償却. 基金」の純投資に対する貢献の問題を組みこんだ,ハロツドの基本方程式の導 出の試みについて論じる。そして,最後に結びの言葉を述べたいと思ラ。. I 仮定と記号 まず,次のような基本的仮定を設ける。 ( 1 ) 価格インプレー乙/ョンは存在しない。 ( 2 ) 減価償却は定額法(直線法)により行われる。 ( 3 ) 固定資本における組投資は,一定の成長率 rを持つ。. 次に,以下のような,基本的な若干の記号を定める。しかし後に,必要に応 じて記号の追加をする。 y =固定資本における粗投資の成長率(連続形式). p =新資本資産の価格. t 時間 t= t aer 時点における新資本資産の建造率(適当な単位の選定により a=lと. する〉. n 固定資本の固定された現実の寿命. m =固定資本の予想される寿命. Iロ粗投資. s=組貯蓄 tはe r t となる。とれは,新資本資産の建造率が, ( 5 ) a=1とすると ,t時点における a er. 。時点において. 1 となり,その後 f の成長率で成長するととを意味する。.
(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑128ー. 第53 巻 第 2号. 314. R =置換投資. 1=純投資 ( . J ‑R) A =経済に生じている償却基金 E =純投資に対する「必要以上の償却基金」 unwantedamortisationfunds' の貢献分 (A‑R). E 純投資に対する「必要以上の償却基金」の貢献分 ここでは. t時点における純投資んに対する t時点における「必要以上の償. 却基金」の貢献分 Et(=At一九)の比率の問題について考察する。そのために t 時点における置換投資 R tと純投資 L との関係について述べる。 t時点の,貨幣額で表わされた粗投資は次のとおりである。. f. . ! t=Per . .川 わ ・ … … 日. れ … … ・ ・ …一川。……・・ …… ( 2 .1 ). u. 1. また, t 時点の置換投資 R tは ,. 1. 固定資本の寿命が nであるので , t‑n時点の. 粗投資に等しい。すなわち. Rt=Per(t‑n) …… 川"""……....・………………。いのいい ( 2• 2 ) このようにして , t 時点、の純投資 I tは次のとおりとなる。. ー か. f( It =I t一 九 =Per 1. ( 2 .3 ). それゆえ,置換投資 R tと純投資 I tとの関係は次のようになる。 Rt=~erfje r n. L. P67t(1‑75〉. 五互L-l. 1‑5LP‑l. \ R ,=~ r n‑1 e. ~=-白目ーーーー『ーーー-""刷. 2• 4 ) 一(. j 次に, J 、上の関係を基礎にして , t 時点における純投資 L に対する, 之. 必要 r. tの割合の値を導出する。 以上の償却基金」の貢献分 E ところで操業中の固定資本一単位あたりの価格は P であり,固定資本の寿命 は nである。いま,減価償却額を算出する際に予想される寿命もこの nに等し ( 6 ). ζ の節の分析は, A .ノミドリの次の文献に基礎を置いている。 A.Bhaduri,μUnwanted 明 i A m o l t i s a t i o n Funds:A mathematical Tleatment", Econo cJ o u r ' n a l,J u n e, ー 7 1 9 7 2 . PP674 . 詳しくは,前掲の拙稿を参照されたい。.
(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 1 5. 「必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式. ‑129‑. い (m=n) とし,仮定により定額法で減価償却額を算出するとする。その場 合,操業中の各固定資本資産に生じる,期間あたり,操業資産あたりの減価償 r tで 却額は, P/nとなる。そして , t時点における,固定資本資産の建造率は e. あるので. t時点、において建造された固定資本資産の期間あたりの減価償却額. P / n )eげとなる。 は( また t時点において操業中の固定資本は,その寿命が nであるので , t‑n時 点、から t時点の聞に建造された固定資本資産の総計である。すなわち , t‑n時 点に建造された固定資本資産は,ちょろど t時点において寿命が尽き , t‑n時 点以後 t時点までに建造された固定資本資産の全体は. t時点において操業中. となるのである。そこで , t時点において発生する誠価償却額の総額 A tは,こ れら t‑n時点から t時点、までに建造された各固定資本資産から発生する,期 間あたりの減価償却額の和からなる。式で表わせば次のとおりとなる。 P. At=二一. J rt. t‑n 州. P.rl. t=二戸一(1一方〉. ・ ・. 0. 川…. ・ ・ ( 2 . 5 ). これは ( 2 .3 ) 式から次のとおりとなる。. At=~" … ""0""0"" 日...""・ H ・ H ・ H ・-…・ H ・…… (2. n r また,. 6 ). ( 2 .6 )式と ( 2 .4 )式から ,t時点における純投資に対する「必要以上. tは,次のとおりとなる o の償却基金」の貢献分 E I t I t ,1 t Et=At‑R = 五r e =(友子 r nご 1. 〉 e t . . . . . .・ ・ . . . .( 2 .の 7 r に ゴ)I. この式は'マクロ一リシ展開などを用いて次のよラに変形することが出来る: /1. n r n3r3. Et=(一一一一一一 ) I ' ' ( 2 .8 ) t=(一一一一一+一一一・ t ……… ' ‑1/ ‑ ' '2 12' 7 2 0 )I この ( 2 .8 )式から言えることの一つは,n rが lよりかなり小さければ, Et !I t がほぼ1/2に等しいというととである。すなわち,純投資の約半分を. i 必要. 以上の償却基金」で賄うことが出来るということである。 ところで,減価償却額を算出する際に,企業家によって予想される固定資本 ( 7 ). 数学付録の ( 1 )を参照されたい。.
(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑130‑‑. 第 53巻 第 2号. 316. 資産の寿命を,現実の寿命に一致させることは難しい。また,堅実な経営のた めに,早めに償却をすませようとするといち意味で保守的な企業家は,予想の 寿命を意図的に現実の寿命より短くするであろう。したが!って,保守的な企業 家の場合,予想する固定資本資産の寿命 mは,現実の寿命 nより小さい。 この場合 , t時点において発生する減価償却額の総額 A tは. t‑m時点から t. 時点までに建造された各固定資本資産から発生する,期間あたりの減価償却額 の和からなる。これを式で表わせば, ( 2 .5 )式と似た形のものとなる。 ( ( 2 . 5 ) 式は m=nという前提であった). = ‑ ー (t. A t. ". J. 一. P e r t' " e r t d t = (1‑ t‑m. o : m)….,・. u. ゎ,"..…・…・ ( 2 .9 ). これは, ( 2 .3 ) 式から次のとおりとなる。. Ac I t. A t. 116Jnf11 → ‑rm. 五Y つ一一「一一五7 ・に子コ五一 r n e I t /l‑e‑. 五正. q士五二万).…………・・いい ・い"",(・ ・い帥・......(2.10) 1. l. ) 式とから ,t時点における純投資に対する「必要 0 ) 式と ( 2 .4 2 .1 また, (. tは,次のようになる。 以土の償却基金」の貢献分 E. n げ 、 ( 1 fl‑e‑ い い の … ・ ぃ( 2 . 11 … ・ ) , t""・ ‑R ,‑ = Eι =A 一 一 一 一 一 ) 一一一一… l ι, , r / lmr' l ‑ e ‑ ‑n JI e"'‑L. r ‑ 1 ‑ c. t. くr n<1の場合についての, との式から,マクローリシ展開などを用いて ,rm. 次のような近似式が得られる。. E t '.f lー l '. 必i 2 ! t ‑ .・・ ‑rf .笠と ‑2L.2 12) nー n. 0. 2 ) 2 .1 …(. t / 1 tは大きくなる 2 ) 式から直ちに言えることは, m/nが小さいほど , E ( 2 .1 ということである。すなわち,企業家が減価償却額の算出をする時,保守的で あればあるほど,純投資に対する「必要以上の償却基金」の貢献分の割合は大 きくなるのである。 2 )を参照されたい。 ( 8 ) 数学付録の (.
(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 1 7. 「必要以上の償却基金」とハロツドの基本方程式. なお当然のことながら. ‑131‑.. ( 2 .1 1 ) 式において m=nとすれば,それは ( 2 .. 7 ) 式と同じものになる。またその場合, ( 2 .1 2 ) 式は,. ( 2 .8 ) 式の括弧の. lli. 中の第 3項以下を省略したものと等しくなる。. m. I 必要以上の償却基金」と乙/コタインドルの方程式. J . 乙/":1タインドノレは,彼自身「拡張されたハロツド方程式」. と呼ぶものを. 導出し,その中に「必要以上の償却基金」の問題を組みこんでい£そこに は,手/ュタインド/レ固有の考え方というものがはっきりと現われている。ここ では,連続分析的に表現し直した彼の方程去を導出し,その特徴や問題点につ いて考えてみたし、。 以下のような記号の追加を行う。. y=粗生産物(粗産出高) Y*=能力生産 capacityproduction (資本が完全に利用され,その意味で生 産能力が完全に利用された時の粗生産物). u 能力の利用度 utilisationofcapacity (記号では y/y*で表わされ, u 1の時, y=y*である。). K=粗 資 本 ) s 貯蓄率 v= (限界〉資本一能力比率 (K/Y勺. (ただし Kとy* はそれぞれ,Kとy*. を時間 tで微分した値である〉. d(r)=粗資本との比率としての資本設備減耗(資本設備減耗は置換えに等し いので,. これは R/Kとなる。乙/ュタイシドノレは, これが r の関数であ. ると考えるのである。〉. ( 9 ). J .Steindl, Stagnationtheory and stagnation po1 icy, "Cambridge ]our al 押. ofEconomic , s . March,1 9 7 9,P . 2 . 目 日 乙ノュタイシドノレの方程式は,期間分析的な表現である。 日1 ) vュタインドノレによれば,粗資本は次のように定義される。 r ゆ川わわ粗資本は,計上 . Steindl, Matur" i t y and 済ろえの減価償却をふくむ資本財の再生産価値である。 JJ Stag仰 t i o ni n American Cゆ i t a l i s . m,1 9 5 2,P.176 (宮崎義一他訳,アメリカ資 本主義の成熟と停滞, 2 3 3ページ) ..
(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 318. 第 53 巻 第 2号. ‑132 ー. d'=組資本との比率としての減価償却 (A/K) r 最 近 n年閣の資本設備の成長率 なお,資本一能力比率. U については,その限界概念も平均概念も値が等しい. とすると,次のようになる。. v=K/Y*=K/Y* このようにして,粗資本Kは vY 来となる。 次に,. これらの記号を使って,連続形式化した νュタインド Jレの方程式を導. 出する。 ところで,利用度 U の定義式を示せば次のとおりとなる。. Y=uY*… 川 " ' " … … 一 ・ 0・ … ."……・… ・・"..""0一 ‑ 一 日 … ・ " , , ' ・ … リ( 3 .1 ) t. この式から,連続形式における Yの成長率は次のとおりとなる。. 主/Y24/uJ*/ 払..' また,粗投資. が"・. 0. …( 3 . 2). fは次のとおりとなる。. ]=K+R=vY*+d(r)K=vY*十 d(r)vY* ・……・…一… ( 3 .3 ) 1. それに対する粗貯蓄 Sは,次のとおりとなる o. S=sY+A.=sY十 d'K=sY+d'vY 来 . " 川 一 ・ ・ ・ . . " ・ ・ " . . " 山 ・, ・ ・ ( 3 .4 ) 1. ここで,粗投資. 0". Iと粗貯蓄 S とは事後的に等しいので, ( 3 .3 ) 式と ( 3 . 4 ). 式とから次のようになる。. ]=s………".."...・刷川・……一一..."均一………一‑一… (3. 5) ・ .. vY*+d(r)vY*=sY+d'vY*. ・..vY*=sY+d'vY恭 一 d (r)vY* 両辺を vY 帝で割ると,次のようになる。. ぷ=ず川 '‑d(r)"'"''''''''''''''''''. ...."""...""",..",,, " . . " " ,. . . " . . . . . ( 3 .6 ). 間 前出の rは,粗投資の成長率を表わしていたので,ことでの定義とニュアシスの違い はあるが,同じ記号を用いた。 制. 1 .V=笠盟主 主仁一笠笠 Y 互生些y * ) y一 dY .d t‑ d t ‑ d t. d (logu 十 logY* ) 一笠笠竺ムゼ~gY* _,~ー斗 Z土. d t. ‑d t. d t ‑ u 'y*.
(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 1 9. 「必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式. ‑133.‑. この ( 3 . 6 ) 式を ( 3 . 2 ) 式に代入すると,次のようになる。. j L =す一十ず u+d1‑d(め. は 7 ). とれは,乙/ュタイシドノレが「拡張されたハロッド方程式 theextendedHarrod. ii;lili‑‑iii. 叩. a t i o n J と呼んだものにあたよう). これは,別の記号を使えば,次のように表わすことも出来る。 y. u. ,A‑R. ‑y=‑u十 一 戸 十 一K S. u. ,S. 五‑ Tヲ‑u+ K . . . . . " "・肘"""・ (3. 8) 1. 次に, ( 3 .7 ) 式または ( 3 .8 ) 式で表わされる乙/;1タイシドノレの方程式の 性格について考えてみる。まず, この式は,. ( 3 .5 ) 式に現われているよろな. 粗投資と粗貯蓄の事後的均等ということが基礎になっている。これは恒等的関 係であると考えることが出来る。第 2に,能力の利用度 U というものが重要視 t i l i s a t i o nof され,その水準と相対的変化率が考慮されている。能力の利用度 u capacity という概念は,乙/ュタインドノレの旧著『アメリカ資本主義における. 成熟と停滞』においても重要な概念として用いられてい乞したがって,能力 の利用度 U を方程式に組込んでいるということは,乙/ュタイシドノレ固有のこと と考えられる。第 8に,この小論でとくに問題にしているような,. i 必要以上. の償却資金」の純投資に対する貢献分 E, を含んでいるということである。こ のこととの関連で,方程式中のパラメーターや諸変数は,すべて粗概念となっ ている。 ところで, この方程式の性質につい て,もう少し考えてみよう。もし, この 1. ju,すなわち能力の利用度の相対的変化率がゼロであ 方程式の第 l項である u れば,第 2項に含まれている. U. の水準は不変に留まる。このとき,方程式は次. のようになる。. 品 日. νュタイシドノレは,次の形で示している。 L 1Y( t)/Y(t)= =L 1u( t )/u( t )+( . sj v )u( t )+d. I ‑ d (r) c f .S t e i n d I, ' S t a g n a t i o nt h e o r ya n d ., "P.2. ( 1 5 ) S t e i n d I, M a t u r i t ya n d ., > >P .v i i,PP.4‑5,ppι6 ー7 ,P P . 122‑4 (邦訳 8ペ ージ(まえがき) 7‑9ページ, 58‑9ページ, 1 5 4ページ).
(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第 53 巻. ‑134‑. 3 2 0. 第 2号. 予=十u+d'‑d(r). ' ( 3 .9 ). 帥川. または. ヱ =iu Z r . v 十. 1. n .. しかし , u j uの値が負であれば, 第 2項の 正であれば,第 2項の. U. ・ ( 3 . 1 0 ). U は次第に低下する。逆に. ujuが. は次第に上昇する。そして, にの上昇がいつまでも続. けば, ついには U の値は lに達するであろう。 このときには,能力は完全に利 / 用されており,一種の均衡状態に達し℃いると考えられる。 この場合には, 乙. ュタインドノレの方程式は次のようになる。. ~ =‑t‑+d'‑d(r)...".". ' . " " " ' . " . " " " " " " ' . ( 3 . 11 ). さらにこれ以後,能力の利用度 U が上昇すれば. u の値は lを超え,能力の超. 過利用の状態となる。. /:ェタイシドノレの方程式とハロツドの基本方程式との関係 W 乙. νュタインドノレの方程式は,ハロツドの基本方程式といろいろな点で異なっ ている。 しカミし, 乙/ュタイシドノレ自身が彼の方程式を「拡張されたハロッド方 程式」と呼んでいるように,両者の聞には密接な関係があり,比較可能なもの である。そこでとこでは,ハロツドの基本方程式に,. 「必要以上の償却基金の. 純投資に;対する貢献」の問題を組み込む作業の準備段階として, 二人の方程式 を比較し,両者の関係を考えてみよろ。 ところで,. νュタイシド/レの方程式の基本的性格の一つは,. 前述したよう. に,事後的粗投資と事後的組貯蓄との一致ということを含むことである。ま た,式に含まれている産出高の成長率は,一応現実の成長率である。一方ハロ ツドの基本方程式には, 基本的に三種類のものがある。すなわち,現実の成長 率 G を含むものと,保証成長率(または適正成長率) G凶を含むものと, そし て自然成長率 Gnを含むものとである。 これらのうち第一のものは, これから 説明するように,事後的投資と事後的貯蓄との一致といろことから導出され,.
(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 2 1. 「必要以上の償却装金」とハロツドの慈本方程式. ‑135‑. また含まれる産出高の成長率は現実の成長率である。その意味で,乙/ュタイシ ドノレの方程式に対応ずるハロツドの基本方程式は,一応現実成長率 Gを含む第 ーの方程式である。ここで一応と言ったのは,ヰ/ェタインドノレの方程式は,保 証成長率. Gw を含むハロツドの第二の基本方程式とも関連する側面を持ってい. るからであるが,このことについては,後に述べる。 ここで,必要な記号を,次のように二つ加える。. Yn=純産出高または純所得 Sη=純貯蓄 ところで,ハロツドの基本方程式は. 3( 則 的 に お い. w 動学的経済学序品. ては,純概念で構成されていると考えられどそして,第一の基本方程式は次. 一丸一れ一. 一I一山一. n h h ↑ l'HU吋. = 口 一E C IJG. のようにし亡導き出される。. " ( 4 .1 ). …( 4 .2 ) わ. ( 4 .3 ). ただし,ここで G =. dYn/Y 均 I/. dYηC,=Sn/Yns= である。. ここには,当. 然ながら,純投資に対する「必要以上の償却基金」の貢献分 Eは考慮されてい ない。これは,ハロツドが, したがって,. この時点では,償却基金Aと置換投資が等しし. その差額である Eがゼロと考え,とくに粗概念で考える必要が. ないと考えたためであろ打 〈 幼 〉. ところで,ハロッドのより新しい書物『経済動学~. ( 19 7 3 ) においては,基. 本方程式は粗概念で構成されていると考えられる。それは,成長率弘圏内総 生産 GDPの成長率として考えているためであ. Z ?しかし,. ハロツド自身は,. そのことの詳しい説明はしていない。また, ことで国民総生産 GNP と園内総 6 ) R . .F . Harrod, To ωa r d saDynamicE c o n o m i c , s . 1948" 日 ( 1 7 ) vュタインドノレもそう解している。 c f .S t e i n d l, S t a g n a t i o nt h e o r yand., " p.2. ( 1 8 ) との場合の sは,純貯蓄と純産出高との比率としての貯蓄率である。 9 ) Cf. o p .c i t .,P .2 . 日 ( 2 0 ) R. Hanod,E c o n o m i cDynamic , s . 1973. ( 2 1 ) Cf . op. c i t .,p. 28..
(11) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 322. 第 53巻 第 2号. ‑136ー. 生産 GDPとの違いはとくに関係はないので, における現実の成長率 G は ,. この違いを無視し~経済動学』. νュタ千シドノレの粗生産物の成長率. dYjY(また. は YjY) と等しいものとしよう。 ところで,ハロツドの『経済動学』における,現実成長率を含む基本方程式 は次のとおりである。 l. す. G=. ・....",.・. 0. . . . . . " . . " " . . ( 4 .4 ). これは今述べた理由により,次のようにして導出されると考える。ただし,成 長率を連続形式で考える。. I S ・・ ・ " " ・ … . . " " ・ ・ ・"…・・・ "・・..".……・・・...・…… … . ,( 4 .5 ) ロ. t. M. -~-.. ‑L=よー・・……. L. Y. 1. u. ………"…,,"""'"''''''…… ( 4 .6 ). . L. , : . GC=S または,. G=÷ ただし G=YjY , C=]jY ,S=SjY である。ここでは,基本方程式に含まれて いるすべての概念が,粗概念である。 このハロッドの基本方程式に対応しているi/ュタインドノレの方程式は,次の ような ( 3 .9 ) 式(または ( 3 .1 0 )式)の形のものであると考えられる。. 予=‑7ud‑d(f〉 これは,. νュタインドノレの方程式. (3.9) ( 3 .7 ) について,. 能力の利用度の成長率. ~ju がぞロの場合である。したが tって能力の利用度 U は一定の水準に維持され てL、 る 。. jvは,ハロ ここで,能力の利用度 U と(限界〉資本一能力比率 U との比率 u ツドの現実の資本係数Cに等しいと考えられる。(守なわち ,v=Kjいであり,. u=YjY 水 =YjY 来とすると,次のとおりとなる。. ( 2 2 ) Cf .S t e i n d l, S t a g n a t i o nt h e oI 'Y .ノ p .2 ..
(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 323. 「必要以上の償却基金 j とハロッドの基本方程式. ‑137 ー. C= 一 -4-=~/~* =~‑ 一 一 y. 人. y/y* u. 1/C=7 一"・. lili‑‑. このようにして. ・. 0. ・・ (4. 7 ) 0. ( 3 .9 )式 お よ び ( 3 .1 0 ) 式を書き直すと, 次のようにな. る 。. G=す 十 d'‑d(r)'"". ' ' ' ' ' ' ' '" " , , " . . . " . . . ." ' " "" "",""""..","( 4 .8 ). または. E !. G=‑ 4 , + C 'K. ‑……… (4. 9 ). ハロツドの,現実成長率を含む基本方程式. ( 4 .4 )は , これら ( 4 .8 ) 式や. ( 4 .9 )式と, d'‑d(めまたは E/Kという項がないところが異なる。 したが って, ( 4 .8 ) 式および ( 4 .9 ) 式において,償却基金 A と置換投資 R が等し 「必要以上の償却基金 JEがゼロの場合に等しい。 ただし,. く ,. ( 4 . 4 ) 式は. すべて組概念で構成されていると考えられる。 次に, 乙/ュタインドノレの方程式 ( 3 .7 ) または ( 3 .8 ) 式と, ハロツドの保 証成長率 G却を含む基本方程式との関係について考えてみよう。 ハロツドのこの方程式は,. 『経済動学』. ( 19 7 3 ) においては次の形をしてい. る 。. Gwz=ー -~~ と ア " ・ ・・…"..""n..・・ ‑ … … … 凶 . " . . ・ ・ ( , , , . . . . ・ ・ . . ご い( 4 . 1 0 ) 卸. H. M. 0. H. H. H. ( 2 4 ). ここで Sdは,希望される貯蓄率 t h ed e s i r e ds a v i n gr a t i o : であり,各貯蓄主 体がその時点で行おうとする貯蓄の割合である。. Crは必要資本係数または必. h er e q u i r e dc a p i t a lo u t p u traz;であり,産出高の増分に対 要資本産出比率 t し,技術的に必要な資本の増分(すなわち投資〉の比率である。また, この式. ) 式と比較すると分るように, もし現実の貯蓄率 S が希望される貯蓄 4 .4 を ( 率. Sdに 等 し し 現 実 の 資 本 係 数. Cが必要資本係数または必要資本産出比率 Cr. 間凶間. Hanod,EconomicDy舟 amics,p . 17. O p .c .30. i t .,p O p .c . 30. i t .,p.
(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 324. 第53巻 第 2号. ‑138‑. に等しい時の成長率が,保証成長率なのである。そして , Gwは. S=Sd, C=. C .といちごっの均衡条件をみたした,均衡成長率なのである。ハロツドは, G =G叩の時,完全雇用の天井にぶつかるよろなことでもないかぎり,その一定の 成長率を維持すると考える。 ところで, これに対応する乙/ュタインド J レの方程式は, ( 3 .7 )式において,. u/uがゼロで. u=1の場合の ( 3 . 1 1 ) 式であると考えられる。すなわち,. j L z ‑ 7 + d F ‑ d ( r 〉 ここで,. (811〉. (限界)資本一能力比率. あった場合,それに対して. Uは. K/Y*である。これは,Kだけの投資が. 1 / 世倍の能力の増分 y*が発生するといろ関係を示. している。すなわち. K. v=一 .. y*. : . K / v =Y*. ,. これに対して,ハロツドの必要資本係数C .はどうであろろか。ここで ,Yだ けの現実の産出高の増分に対して,技術的に必要な資本の増分〈すなわち投 資〉制、要な投書〕と呼び, l rと表わす。そちすると. Cr=1 ト/Y . ¥Y C .= 1 . これは,産出高の増分 Yが発生すると,それに C . .を 乗 じ た だ け の 投 資 L が 必要とされ,その意味において,んだけの投資が誘発されるということを意味 rは加速度係数に当る。 する。すなわち,これは加速度原理を表わしており ,C. そこで,乙/ュタイシドノレの 序は逆になっている。. U. とハロッドの Crとを比較すると,. 考え方の j 眠. U においては,まず投資K があり,それに対して,それ. が技術的に可能な生産の能力の増分 Y畿をもたらす。他方. C .においては,ま ,. .が定ま ず産出高の増分 Yがあり,これに対して技術的に必要な資本の増分 1 ( 2 6 ) ハロッドは「正当化された投資j j u s t i f i e di n v e s t m e n t ' と呼んでいる。 C f .R . F・ Harrod, EconomicEssays,1952. p. 278.. μ.
(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 「必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式. 325. ‑139ー. る。しかし,考え方のI } 民序こそ異なれ,双方とも,資本の増分と産出高の増分 との技術的な比率を示しており,資本集約度が等しいという意味で生産技法が 等しければ, vと Cr の(直は等しいと考えられる。 そこで, v=C 3 . 1 1 ) 式を書き直すと次のよろになる。 r ということで ( ,. G=よ ‑+d'‑d(r) 、 ‑r ここで,現実の貯蓄率 S と希望される貯蓄率. Sd の 大 き さ の 違 い を 無 視 す る. と,次のようになる。. Gz‑JL十 d '‑d(r). 、 ‑ r '. ω. ・. 州. 0. …. ・・. さらに,償却基金と置換投資の額が等しし. 。. ・ ( 4 . 1 1 ). 「必要以上の償却基金 JEがゼロ. であるとすると, ( 4 . 1 1 ) 式は,ハロッドの,保証成長率を含む基本方程式と 等しくなる。 なお,乙/ュタイシドノレの方程式の変形である ハロツドの自然成長率 Gn に等しいとすると,. k. ( 3 . 1 1 ) 式において , YjYが これはハロツドの自然成長率を. 含む基本方程実 対応ずるものになるが,このことについての詳しい説明は省 略する。. v. 1"必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式. 前述したよろに,ハロツドは,. 1"必要以上の償却基金の純投資に対する貢. 献」の問題を,重要な事柄として取り扱った。しかし,この問題を,彼の経済動 学の基本方程式に!組みとむことはしなかった。また,晩年の力作である『経済 動学,11 ( 19 7 3 ) の体系の中にも,とくに現われてはいない。ハロツドの経済動 学の体系の発展の跡を調べてみた場合,その体系は,多くの文献の中で,徐々 にではあるが着実に発展し,整えられて来ていることが分る。そこで1"必要 以上の償却基金の純投資に対する貢献」の問題が,ハロツドの経済動学の体系 や,そのかなめとなる基本方程式に明示的に現われなかったのは,その機が熟 するのに,彼の寿命の余裕が無かったためではないかと思われる。 1 2 7 ) Harxod,E conomic Dynamics,pp. 27‑8..
(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 3 巻 第 2号. ‑140ー. そこで,ここではハロツドに代り. 3 2 6. r 必要以上の償却基金の問題Jを,彼の. 基本方程式に組みこむ一つの試みを示してみたいと思う。 ハロツドの基本方程式には,基本的に三種類のものがある。すなわち,現実 成長率 Gを含む方程式と,保証成長率 G叩を含む方程式と,それから自然成長 率. Gnを含む方程式とである。そして,これら三つの方程式を通じて共通な形. 式は,次の通りである。 産出高または所得の成長率×資本係数=貯蓄率。しかし,含まれている成長 率の性格が異なるにつれて,資本係数や貯蓄率の性格も異なっている。 ところで,現実成長率を含む基本方程式は現実値の諸関係を表わしており, 保証成長率を含む基本方程式は,均衡値の諸関係を表わし℃いる。そして,自 然成長率を含む基本方程式は,社会にとっての最適値の諸関係を表わしてい る。ハロツドは,最適ということの条件として,とくに完全雇用ということを 考えている。 ここではとくに,現実成長率を含む基本方程式について考えてみよう。これ は,事後の投資は事後の貯蓄に恒等的に等しいという自明の理から導出され る。. ~動学的経済学序説JJ. ( 19 4 8 ) では,この投資と貯蓄は,前述のように;純. 概念で考えている。 投資には,三種類のものがある。一つは独立投資であり,もう一つは所得水 準誘発投資である。さらにもう一つは,加速度原理によって誘発される加速度 誘発投資である。ハロツドは加速度原理をとくに動学的な原理であるとし,ま たその経済動学の体系において,加速度誘発投資をとくに重要視する。そして 基本方程式も,その基本的な形においては,加速度誘発投資以外の投資は省略 または G=sjC) に含まれている投資は, されている。すなわち, GC=s (. 加. 速度誘発投資のみなのである。 ( 2 8 ) R .F . Hanod: Comment, "Q u a r t e r l y J o u r ' n a lofE c o n o m i c s,Nov.,1 9 5 3 .. p . 5 5 4," I n f l a t i o ni n DynamicTheory, "i nS t a b i l eP r e i s ei nW a c h . s e n d e r ド ・ F e s t s c h I i f tf o I ' E I I c h Schneider,e d ., G. Bombach, W i r t s c h a f t 1 9 6 0 . 由 明 R . F. Harrod,Tow ' lr dsaDynamicE c o n o m i c s,1 9 4 8 .p . 1 2 ..
(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 「必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式. 327. ‑141‑‑. 他方,貯蓄は,家計の貯蓄と企業の貯蓄が考慮される。そして,これら事後 的な加速度誘発投資と事後的な貯蓄の一致ということから,前節でも述べたよ うに,現実の成長率 Gを含む基本方程式が導かれる。 均衡成長率である保証成長率 G山を含む基本方程式においても,そこに含ま れている投資は,加速度誘発投資のみである。 ところで,ハロツドの晩年の著書である『経済動学~. ( 1973) においては,. 前述のように,基本方程式は粗概念から構成されていると考えられる。成長 率は粗産出高の成長率であり,資本係数の分母である産出高の増分も粗概念で ある。また,資本係数の分子も当然粗投資となる。他方,貯蓄率も粗貯蓄と粗 所得との比率であると考えられる。~経済動学J においては,貯蓄の中には,. 個人(家計)の貯蓄と法人企業(企業)の貯蓄と政府の貯蓄を含んでいる。こ のようにして,現実成長率を含む基本方程式は,組投資と粗貯蓄の均等という ことから導き出されることになる。しかし,ハロツドは. I 必要以上の償却基. 金」の問題を,基本方程式におい℃とくに考慮していない。少くとも,明示的 な形では考慮していない。そこで,ここでは,. I 必要以上の償却基金」の問題. を明示的に考慮に入れて,基本方程式を導出してみよう。 前に説明したように,組投資 fは,純投資 Iと置換投資 Rとの和からなる。 すなわち,. . l =I+R… . " " ・ . . " . . … … . . " . . . . ・ " . . ・ ・ . . . ・ ・………帥 ・・ . . … …( 5 .1 ) H. H. 1. H. H. また,粗貯蓄 Sは,粗産出高(粗所得)の一定割合として定まる貯蓄部分 sY と償却基金 A との和からなると考えられる。すなわち,. S=sY十A・…… ……一……・リ川……・""'…・・…一 ( 5 .め この sYの中には,家計の貯蓄と企業の貯蓄と政府の貯蓄とを含むのである。 ここで,乙/ュタインドノレと閉じしこの粗投資と組貯蓄とは,事後的に等し いとすると,次式のとおりとなる。. . l =S ・"'…・・,,".."""…・ ・… … 一 川 … 一 0 1. ・ ・0・ " ,. . . . ( 3 .5 ). .0"'"''. ・ ・・,.""",……一ー・・刷 ( 5 .3 ) , ' , / 十 R=sY+A , ・…一.."・・… ・ 1. これを変形すると次のようになる。. u.
(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑‑142 ー. 第 53 巻. 328. 第 2号. I=sY+A‑R=sY+E…………""""..・・剛…………・…… ' " " " ( 5 .4 ) これは純投資 Iと,籾産出高の一定割合としての貯蓄部分 sY および「必要以上 の償却基金 JEの和とが,事後的に等しいということを意味している。 sY十H は,純投資 Iに等しい貯蓄部分であるので, この場合における「純貯蓄 Jの額 と考えることができる。すなわち純貯蓄の一部は,. 「必要以上の償却基金 JE. から成り, それが,純投資の一部を賄うべく貢献しているのである。この純投 資に対する「必要以上の償却基金」の比率 E//比ハロッドやノミドリの研究 によれば, 前述のように,投資の成長率や設備の寿命の妥当な値の範閤におい て , おおよそ 2分の lであるとされる。 ところで,純貯蓄を構成する残りの半分である sYの中には, 含まれている。他方,. 企業の貯蓄が. 「必要以上の償却基金 JE も,結局企業の貯蓄の一部で. あると考えられる。 しかし,両者のそれぞれの決定の原理は全く異なってい る 。 しかも,純貯蓄の中に占める Eの割合が意外に大きい。 これらのことか 「必要以上の償却基金 JEを別扱いにするのが,妥当. ら,企業の貯蓄のうち, であると考えられる。. ( 5 .4 ) のような形で考えた,純投資と純貯蓄の事後的均等関係. ところで,. を基礎にして,基本方程式を導けば,次のようになる。. I=sY十 E'・・……"・……一一……・……………………・・…・・川伸 ( 5 .5 ) 0. 1. E. 一 Y一v 一 , 一 Y. Y J , E 一一 一・ ‑τ 一=s 十一一 Y ' ; r V' Y. ー が 帥. " ( 5 .6 ). Y. ここで,粗産出高の成長率 Y/Yを G という記号で表わし,純投資 Iと粗産出 高の増分 Y との比率を Cで表わし, さらに, 出高との比率 E/Yを. 「必要以上の償却基金」と粗産. εで表わすとすると,次のようになる。. GC=s十 ε ……一……・・".'川 り " , . , . " . . , . , ー … … … ・ ・ … ・( 5 .7 ) または. G=si ε 一 一. C. 引 ' . , . " の わ 十 川 口 ..(5. 8 ).
(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 329. 「必主主以上の償却基金」とハロツドの基本方程式. ‑143‑. ここで注怠を要するのは,資本係数の分子は純投資であるのに対して, その分 母は純産出高の増分でなくて粗産出高の増分であることである。 しかしこのよ うな資本係数の概念も考えることができると思う。 また,S や εの分母も粗産 出高であることに注意すべき・である。なお, この方程式は,乙/::1.タインドノレの. i O. 方程式 ( 3 . の に お い て ,ujuがゼロである, ( 3 . 9 )式の形の場合に当る この ( 5 . 5 )式 , または ( 5 . 6 ) 式や ( 5 . 7 ) 式の利点は, 程式において1. 〉. ハロッドの基本方. 「必要以上の償却基金」 E を,明示的に組みこんだことであ. る 。 ところで, この. Sと. εの値はほぼ等し L、。というのは,. ( 5 . 5 ) 式において,. EjIはほぼ 2分の lに等しい。 したがって , sYとEとがほぼ等しいからである。 また,. εの値は,. 純投資 Iと組産出高 Y との比率 IjY (一種の投資率)のほ. 分の l である。すなわち, ぼ2. E. 1. E. 1. εz一一=‑‑・ ー と 一 一 ・ 一 一 … … … … … … …( 5 .9 ) Y 1 Y 2 Y ι. また, ハロツドの『経済動学』. ( 19 7 3 )において, 保証成長率. Grを含む基. 本方程式は次の通りである。 Sa 一一‑…。",,"川 ・・川川川・"…・……………。川… ' . . . ' ' ' ' . . ( 5 . 1 0 ) C. , t. 即 ー. h ed e s i r e ds a v i n gr a t i o,C,は,必要資本係数また れは希望される貯蓄率 t は必要資本産出比率である。 これに「必要以上の償却基金の純投資に対する貢 献分 JEを考慮に入れると, ( 5 . 8 ) 式に対応する次の式が得られる。. G. Sa十ε ,, ‑一 出 山. また,. C. ,. l. ….'(5.11). G η を含む基本方程 『経済動学』における, 自然成長率(最適成長率 ). 式は,次のとおりである。. G η =雲 ‑ " " . (… 一 日. 附 一 一 . 口 … . 口 … . " 一 … 帥 川 一 げ … … . " 一 … 仲 川 … " 川 一 . 日 … . 日 . … " 川 … υ い リ … . 一 . 一 日 一 い . " … 刷 … … 軒 川 … … わ 川 … わ … 一 " い … … 、 川 … … . い … リ … . い . … ( 川 … 一 一 吋 一 一 } 寸 一 . . t. 、 " グ. 0. v. 旧 日. G=~ε. ーι _ S. A;Y‑R;Y ̲. S. A. R. 一 一 一 C c一 C' 一 K;Y 一 C' K K 白. z. ナ u+d司 令 〉. ̲L. ム.
(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑144‑. 第53巻. 330. 第 2号. または sο=GYBC 7 1 . 0・……………….' …・…・…・ ω " . .・ ・ 川 川 . " . , ・・ これらの方程式における貯蓄率. So. …(5.13). は最適貯蓄率である。現実成長率 Gを含む. 基本方程式や, 保証成長率 G加を含む基本方程式においては, 貯蓄率は既知数. nや 既知数である G. である。しかし, ( 5 . 1 2 ) 式や ( 5 . 1 3 ) 式における. Soは ,. Crによって決定される未知数である。その点は,. 性格が基本的に異なるので. 5 . 7 ) 式や 「必要以上の償却基金」 E を含む (. ある。そこで, これら両式を,. ( 5 . 1 1 ) 式に対応するものとするため,解釈しなおすことにしよう。 ここで. Gnを ,. 労働人口の成長率と技術進歩率によって決定される,粗産出. 高の成長率とする。. .を ( 5 . 11)式の C そして C r と同じく,粗産出高の増分. に対して技術的に必要な純投資の比率と考える。 そラすると,. So. は「必要以. 上の償却基金 JEを含む, 貯蓄率の最適値となる。 最適貯蓄率. So をこのように解釈し直すと,. ハロッド体系における長期成長. 均衡の条件は,次のようになる。 Sd+ε =SO'" … . . . " . . … … ・ " , … わ. そして,. H. ・・ " " " 白 川 川 ・ ・ …………………・… (5.14) H. 0. Sd+ε >Soであれば貯蓄過剰であり,. 条件である。. 停滞すなわち長期不、況の生ずる. また,Sd十 ε<Soであれば貯蓄不足であり,長期的に景気過熱の. 傾向をもたらし,ディマシドプノレ・インプレー乙/ョンの起り易い条件である。 ところで,前に示したように,. E. E. εの{直は次のような関係にある。. 1. ε=一一=一一・一一………一……・・……・………・..… ( 5 .9 ) y 1 ‑Y したがって,純投資 Iと粗産出高 Y との比率としての投資率が与えられれば,. εの値は純投資に対する「必要以上の償却基金の貢献分JE の比率で定まる。 ハロツドによれば E/Iは , 一般に先進諸国経済において比較的大きいとすれ ば,そこにおいては, それだけ εは大きくなる。 このようにして,貯蓄過剰や貯蓄不足の問題, したがって, ある国民経済に おける,長期間にわたる好況,不況の問題は,今や, arrod. E conomicDynamics,p. 2 8 " ( 3 1 ) H. 「必要以上の償却基金の.
(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 3 1. 「必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式. ‑145‑‑. 純投資に対する貢献分JEと粗産出高の比率 εによっても,分析可能であるこ とを示すととができるのである。. V I むすび 以上のように小論では,ハロツドが取り上げた「必要以上の償却基金」の純 投資に対する貢献の問題を,ハロッドの基本方程式に組みこむ,一つの試みを 示した。 ハロッドは,置換え必要額を越える償却基金は純貯蓄の一部を形成し,純投 資のかなりの部分を賄うことを重要視した。彼によれば,投資の成長率と設備 の寿命の妥当な範囲内において,大よそ半分を「必要以上の償却基金」が賄う ととを示した。また,設備の現実の寿命に比べて償却率を定める際に仮定され る寿命の長さが長いほど,. ["必要以上の償却基金」の純投資への貢献の比率が. 大きいとした。. A .パドリは,このハロツドの分析をさらに数理的に精激化したのである が,得られた結論は,ハロツドのものとほぼ同様である。 次に,i,/ュタイシド Jレは,この問題を彼の方程式に取り入れ,さらに彼の停 滞の理論に応用している。. νュタイシドノレは,. この問題を期間分析の手法で取. り扱っているのであるが,それを連続分析の手法で取扱い,同様の方程式を導 出し,その性質について検討した。 次にこの方程式は,乙/ュタイシド J レが「拡張されたハロッド方程式」と呼ん でいるよラに,ハロッドの基本方程式と密接な関係を持っている。そこで両者 の相互関係,とくに共通点や相違点について,詳細に比較検討をした。ジュタ インドノレの方程式においては,能力の利用度という概念を使用しているところ に,一番の特徴があると思われる。また「拡張されたハロツド方程式」と自ら 呼んでいるように,. ["必要以上の償却基金」の純投資に対する貢献の問題を組. みこんでいるところが,. ["拡張された」のであり,一つの特徴なのである。. 最後に,これらの分析を基礎として,ハロツド自身が仕残した["必要以上 の償却基金」の純投資に対する貢献の問題を,基本方程式に組みこむ試みを示.
(21) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑146ー. 第53 巻 第 2号. 332. した。まず,乙/ュタインドノレにならい,粗投資と粗貯蓄は事後的に等しいとい う関係から出発し,現実成長率 Gを含む基本方程式を導出した。その場合もち ろん1"必要以上の償却基金」の純投資への貢献の問題は考慮されている。ま た , これに対応して,保証成長率 G加を含む基本方程式におい℃も,この問題 が考慮される。これらの場合において,貯蓄率は,所得または産出高の一定割 合としての貯蓄率と1"必要以上の償却基金」の率とが,ほぼ匹敵する割合で 含まれているのである。このようにして,方程式の内容はやや複雑化はしたが ζ れによって,ハロツドの勤学的分析をより充実したものにすることができ. たと考える。. 〔数学付録〕 ( 1 ) 次の式を証明する。. 会 (‑ e ! n ‑ 1 )ft す (‑ 4 5 +鴬 ̲ . . , , ' ' ' , . . . . . . . , , ' ' ) ん =. X ま ず , ーrと置くと次のようになる。(ただし , e 1十叶芸+."""".) '=. 一上一一 ̲̲1̲= = ̲• ̲ ̲ ---'~--・ x‑ 1 e ' 1e x2 , . x '. "X , X2 , . x v ( . x ) X+一一+…… 1+一一+一一+…… v ' ‑ . . . . . . 2 ! '3 ! げ ー. ,,". ノ. (ただし, v ( . x ) = = 1+と+竺十日…・・と置く) 2 ! '3 ! この v ( . x )については次のことが成立つ。 lll v(O)= 1 , 引 か よ, v"(O)=~, 〆 v V" (恥一‑.‑, v " ぺ" 3 佳 川. 一 山 一 が. ρ0. U. 川 一 日. +. ︒ 円. ( 土 ) ' = 長 ( す) H = ‑ j L + 2 5 3 2. ( 3 2 ) 香川大学経済学部藤本呑雄氏の御教示により作成した。. U.
(22) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 3 3 3. ‑147 ー. 「必要以上の償却基金」とハロッドの基本方程式 一 一 一一一一一‑+一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一+一一一一 ( + ) ' へ " v J V2. これらを用い,. V4. V3. '. V5. f(Z 〉=‑Lとして, ( x ). マクローリシ展開を行う。すなわち,. 次の式にあてはめるのである。. 1 " ( 0 )Z2+‑E . . ",f 「 ( 0 )ZS十 … … … ・ f ( x ) o. . 1 ( 0 )+ f ' ( o ) . x +ヲ「 川. したがって. 1. ~. ‑一一 =1一 一‑x十一ーが一一ーが+, N ,. V ( x ) ‑ ' 2~ '12 ‑ 720. また. 1 1 " , 1 ~ 一一一=一一・一一一=一一( 1 一一: ‑ ,x : : ‑ % 2, ‑. : ̲ , ̲x N十一 x‑1 x V e ( X )‑ ,x ¥ 2 ,1 2 , N ‑ 7 2 0 '岳十………… N' 1 1 " 4 2 .一一一一一一一=一一一一一{ 1-~% ‑ i : : : ‑x x ̲ x, e ‑ ‑ 1 % % ¥ 2, N' 1 2 ‑ 一一: 7 2 0 ' "十. ¥ ). +. X x3 12ι720. =一一一→一一. 2. l J /. 000. さらに ,x=n 1 " であるので 3 n r n8r 一 = 一 一 一 一 n r n r一 e ‑1 2 12' 7 2 0 0. ‑. ( 2 ) 次の式を証明する。. (キ(己ヨ)一片山内(1‑, + . 子. ・子.~呼出 ) It. ‑1'. (ただし ,rm くr n く 1 ). r 1‑e‑n. 一 一 n r. n r e n r‑1 e. e. r 1 (l‑e ‑mr¥ e n r( 1‑e‑m ) 一 一 一 mr(e n r r n‑l r n‑l) e r n‑l " .一 mr¥ 1‑e‑ J一 e f. m. ﹁ llJ. dv. m. e'. ft グ. ︑. ‑︑︑︐︐︐. ‑rft. n e ︑ 〆lli L. 一m l‑ グ ︑. 一T. 一 m 一 一.
(23) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第53巻 第 2号. ‑148ー. 334. )から 1 ところで ,数学付 録( ". 1. 1 ~X+ ーす2 一一ーが 一一一寸=一一(1一一2 0 + 2 ""12'" 7. ,‑1. ,. .n. x". また. x2. ,. x3. 十・ぃ…・ x=1+x+一一十一一 ! ! '3 2. ゆえに 4r 生 柿 2グ2 n 抑伊 一一二一十 ‑.~ +一二一 1 ( . . : 一一‑,=. 0 2 7 2 1 " 2' ‑1 nr'. r= n e. 制. 2 . . . 2. 制. 3 . . . 3. 1+nr 十そ二~+ーーユー十・"・・・,,"・・"リ t. 2 '6 側. 2 . . . 2. 欄. ,.. 3 3. ‑mr+二二二一一ここ二一+ ‑mr'=1. e 6 2. これらを代入することにより次式を得る。. m) m .(3n‑2 m i . . . . ) . ' ‑ 一 一 ・ 一1 一 r( n ‑r 一一 一一一・ 均 1 I ‑叫 )‑mr e ‑ 1‑ e 一一[ 2一 一一一一 n n 2 " J~' " J . n r " " l ) 1 ‑ e ( r m. 参考文献. lTleatment九 a c i t a m e h t a nFunds:A m o i t a s i t r o m A. UnwantedA J Bhaduri, l ( e,1972 n u l,J a n ' r u o cI i m o n o c E . 8 4 9 . 1 s , c i m o n o c saDynamicE d ' r a w o T , . F . R , d o r ) Har 2 (. s,1952. y a s s cE i m o n o c .,E ) Hanod,R. F 3 ( . 3 5 9 1 s,Nov., c i m 判o fEco lo a n r u o yI l r e t r u .,μCommentぺQa ) Hanod,R. F 4 ( n i e s i e r P e l i b a t S n i " , y n Dynamic Theor n i o i t a l f n ., I ) Hanod,R. F 5 ( m o B . G , . d r,e e d i e n h c hS ic rEI o tf if I h c s t s e … F ., . . . t f a h c s t r i rW e d n .e s Wach bach,1960. t, Amortisation Funds." n e m t s e v n tI e . Replacements. n . .F ) HaIIod.. R 6 ( l,March. 1970. a n r u o T c. i m o n o c E cDynamics,1973. i m o n o c E , . R ) Harrod, 7 ( , 巻第 1号 償却基金 ,霞換え および停 滞」香川 大学経済 論議,第53 r ) 篠崎敏雄 8 ( . 0 8 9 1. m, OXfOld: s i l a t i t a nC a c i ' r e m nA ni o i t a n g a t aturity andS ., M l, J d n i e t ) S 9 ( , 1952 1 1Blackwel Basi ambridge "C y, c i l o n P o i t a n g a t n TheoIY and S o i t a n g a t ., S l, J d n i e t )S 0 1 ( s,Malch. 1979. c i m o n o c lofE a n r u o I.
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