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∞ 歯科医療の情報化に対応した情報教育を目指して

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Academic year: 2021

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歯科医療の情報化に対応した情報教育を目指して

1.情報教育の現状

歯 学 部 歯 科 矯 正 学 講 座 丸 山 陽 市

[email protected]‑u.ac.jp 

現在までに私は平成 8,9, 10年度の情報処理演習を担当してきました.演習を担当した当初,

情報教育で教えるべき事項について何も知らない状態で

L

たので,とりあえず学生が大学で利用で きる情報処理環境での基本操作の習得を基本的な目的として情報処理演習を開始しました.当時の パソコンは MS‑OOSのみで,インターネットを手軽に利用できる環境で、はなかったようなので,イ ンターネット関連の操作は unlXで行えるように,オペレーテイングシステム (MS‑OOS,unix)概 略の理解と基本操作の習得,ファイルの基本操作,テキストの作成と編集 (emacs),コンピュータ ネットワークの理解,日nacsのツールによる電子メール (mh)や電子ニュースの演習 (gnus),ホ ームページの閲覧,インターネットによる情報の検索などを 行いました.私自身, unix 4.2 BSD  の時代より unlXに慣れ親しんでいたために unlXを教えておけば間違いないと考え, unixの基本 操作習得を中心に演習を行ってきました.しかし,なかなか学生の習熟度上がらなかったのも現実 です.平成9年度からはパソコンのOSがMS‑

SからWindows95に変更されたので,演習の内容を 再検討してunlX中心から Windows95中心の演習へ方針の変更を行いました.つまり, unixの演習 はまったく行わずにWindows95中心の演習を行うようになりました.演習の基本方針は, Windows95  の基本操作習得,インターネットの活用法とマナーの習得,情報活用のための表計算や情報の可視 化としました.以上,私が担当している情報処理演習の現状ですが,情報処理の専門家ではないの で本当にこのような内容で良かったのかと日々自問自答しているところです.これからの情報教育 においてどのような教育が行われるべきかを考えるにあたって,大学で行う情報教育は単なるパソ コン教室の延長のような内容であってはならないのではないか思います.これから大学に入学して くる学生は小学校から高校まで何らかの情報教育を受け,パソコンの基本操作はある程度習得して くると思われるので,これからの初等中等教育でどのような情報教育が行われるかを考慮した上で,

大学での情報教育について十分な検討を行う時期に来ているのではないかと考えています.

2 . これからの初等中等教育における情報教育

これからの大学での情報教育について検討するには,これからの学生は初等中等教育でどのよう な情報教育を受けてくるのか知る必要があります.文部省の 情報化の進展に対応した初等中等教 育における情報教育の推進等に関する調査研究協力者会議 最終報告"によれば, 5つの基本方針 が述べられています.

(1)情報活用能力の育成

(2)教育用コンピュータ・ソフトウェアの整備 (3)学校の情報通信ネットワークの整備 (4)指導体制の充実

(5)学校を支援する体制の整備

(2) ~ (5)は情報教育の環境整備や指導,支援体制の整備であるので,情報教育の内容に関するキー

‑18‑

(2)

ワードは 情報活用能力の育成"であるようです.前述の調査研究協力者会議がまとめた 体系的 な情報教育の実施に向けて(第l次報告)"では,育成すべき 情報活用能力"として情報活用の実 践力(必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏まえて発信・

伝達できる能力),情報の科学的な理解(情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解),情報社会 に参画する態度(社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し,

情報モラルの必要性や情報に対する責任について考える,情報モラル・マナー,プライパシー,著 作権,コンピュータ犯罪,コンピュータセキュリティ,マスメディアの社会への影響)の3つを提 案しています.つまり,これからの大学生は以上のような基礎的な情報活用能力を身につけて入学 するような時代がやってくることが予想されます.従って 大学での情報教育は現在よりもより高 度な内容が要求されるのではないでしょうか.

.歯学部におけるこれからの情報教育

歯科医療を取り巻く環境でも,最近は情報化の著しい進展が認められます.大学病院レベルから 一般開業医レベルまでコンピュータは絶対に必要なツールになっているのが現状です.例えば,健 康保険の医療事務,患者データ管理などの事務処理,症例写真の画像データベース,治療のシミュ レーション,レントゲン写真に対する画像処理, CT (図 1),MRI,デジタルレントゲン写真,顎 機能検査(筋電図,岐合圧解析装置,下顎運動解析装置)での ME機器による生体信号処理, ME  機器で得られた情報の可視化(図2,図 3),インターネットによる情報発信,電子メールによる 情報交換や医療画像の転送,遠隔医療などのコンビュータネットワーク利用,医学文献データベー

スの利用などがあります.

これからの歯学部における情報教育を考える場合 以上のような歯科医療の情報化時代に即した 教育を実践すべきだと思われます.これからの初等中等教育で情報機器の基本操作や情報活用能力 の育成が行われるのであれば,歯学部での情報教育は医療情報活用能力の育成を基本方針としても 良いのではないでしょうか.このような内容であれば歯学部の情報処理演習は必修にしないと実 現できないと思われます.医療情報活用能力の育成の具体的な内容としては,以下のような項目に

なると思います.

(1)情報活用の実践力

歯科医療で発生する情報を収集・判断・処理・表現し 正しく正確に情報を発信・伝達でき る能力

(2)情報の科学的な理解

歯科医療で必要とされる画像処理や生体信号処理に関した情報技術の理解,統計的見方・考 え方やモデル化の方法,シミュレーション手法,情報の可視化手法(図2,図 3) 

(3)情報社会に参画する態度

情報・コンピュータネットワークに対するモラルやマナー,プライパシ一保護,著作権,コ ンピュータdr!.罪,コンピュータセキュリテイ

このように,情報処理の基礎から歯科に関する情報処理までを 1単位でカバーするには時間的に 無理があるようです.幸いにも,現在の歯学部では情報処理概論が必修となっているため,この情 報処理概論と情報処理演習をうまく連携させれば,以上のような内容の情報教育でも十分到達でき る教育目標であると考えられます.これからの歯学部での情報教育を充実させるには,情報処理概 論と情報処理演習の2単位を必修にして教育内容を十分に検討する時期ではないでしょうか.

‑19‑

(3)

図1 CT薗像の3次元再構築

原画像 歯列上の睦合圧分布

図2 AVSによる可視化の一例

ν 

図3 下顎運動の可視化

20

図 1 CT 薗像の 3 次元再構築 原画像 歯列上の睦合圧分布 図 2 AVS による可視化の一例 ν  図 3 下顎運動の可視化 ‑ 2 0 ー

参照

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