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科 学 技 術 動 向

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科 学 技 術 動 向

 2013 年 3・4 月号

11 TOPICS

 2013 年 2 月、米国カリフォルニア大学ロサンゼ ルス校(UCLA)を中心とする研究グループは、広 い範囲に散在する 1 μm より小さいナノスケール

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−9

m)物質を 1 個単位で検出できる、オンチッ プ顕微鏡技術を開発したと発表した

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 可視光を光源に用いる光学顕微鏡でのナノス ケール物質の観察は、光の散乱が微弱なため困難 である。このため一般的には電子顕微鏡(SEM)

が利用されるが、設備コストが高く観察に要する 時間も長くなる。また、特に密度が低く散在する ウイルスなどの観察では、視野の狭さ(通常 0.2 mm

2

未満)にも課題があった。

 今回、研究グループは、非球面型の液体ナノレン ズを利用して散乱光と背景光のコントラストを強め る光学式のオンチップ顕微鏡技術を開発した。ガラ スプレート上に分散したナノ粒子の周囲に形成した 液体がレンズとして機能するため、従来の光学顕微 鏡のような外部のレンズ系は持たない(図表 1)。

 観察の準備としてまず、ナノ粒子を生化学用途 の液体* に分散し、これを表面に親水処理を施した ガラスプレート上に滴下する。プレートの傾きを 制御しながら液体を拡散することで、ナノ粒子の 周囲に液体が自己組織化し、厚さ 0.2 μm 以下のナ ノレンズが形成される(図表 2)。観察では、ガラ スプレートの下に光を検知するイメージセンサを 重ね、LED 等の光源から光を照射する(図表 1)。

ナノレンズによって位相が異なる複数の光が生成 し、ナノ粒子によるホログラム回折パターンが現 れる。イメージセンサの検出信号を計算処理する ことで、ガラスプレート上のナノ粒子の単体が検 出できるようになる。この方法によって、1 μm よ り小さいサイズのナノ粒子を、20 mm

2

以上とい う広い視野の中で 1 個ずつ検出することが可能と なった。研究グループでは、実際の観察例として、

ポリスチレンナノ粒子、アデノウイルス、インフ

ルエンザ A 型(H1N1)ウイルスの検出結果を示し ている。

 簡便な装置で効率的にナノスケールの粒子の検 出が可能であり、患者の検体のその場診断や、使 用できる医療機器装置に制約がある地域での診断 などの他、環境等の計測への応用も期待できる。

 2013 2 月、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を中心とする研究グループは、広い 範囲に散在するナノスケール(10

-9

m)物質を 1 個単位で検出できる、オンチップ顕微鏡技術を開発し たと発表した。ガラスプレート上のナノ粒子の周囲に形成した液体がレンズとして機能する液体ナノレ ンズを利用して、散乱光と背景光のコントラストを強める光学式顕微鏡である。従来の光学顕微鏡がも つ外部のレンズ系は不要で、簡便な装置でナノスケールの粒子やウイルスの効率的な検出が可能である。

患者の検体のその場診断や、環境等の計測への応用も期待できる。

参 考 1) O. Mudanyali et al., “Wide-field optical detection of nanoparticles using on-chip microscopy and self- assembled nanolenses”, Nature Photonics, DOI:10.1038/NPHOTON.2012.337.

トピックス 5 広範囲に散在するナノ粒子を検出できるオンチップ顕微鏡

* 0.1M Tris-HCl with 10% polyethylene glycol 600 Buffer.

図表 1 液体ナノレンズを用いたオンチップ顕微鏡

参考1 を基に科学技術動向研究センターにて作成 図表 2 ナノ粒子の周囲に形成した液体ナノレンズ

参考1 を基に科学技術動向研究センターにて作成 䜨䝥䞀䜼䜿䝷䜹䞀

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図表 1 液体ナノレンズを用いたオンチップ顕微鏡 参考1 を基に科学技術動向研究センターにて作成 図表 2 ナノ粒子の周囲に形成した液体ナノレンズ 参考1 を基に科学技術動向研究センターにて作成䜨䝥䞀䜼䜿䝷䜹䞀㻋ち㔕䠌㻕㻓㻑㻘㻃㼐㼐㻕㻌ක″䜰䝭䜽䝛䝰䞀䝌䟺びᐳムᩩ䟻䝎䝒⢇Ꮔ䝎䝒䝰䝷䜾1µm䟺ᶅᘟᅒ䟻 メニューへ戻る

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