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佛教大学総合研究所紀要 2001(別冊)号(20010731) 095星明「日韓中の青年における不公平認知の特徴について (日・韓・中における社会意識の比較調査)」

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(1)

9

5

日韓中の青年における

不公平認知の特徴について

r rr 符刀

はじめに

ここでは,不公平の認知に関する一連の質問を取りあげ,日韓中

3

カ国の不公平認 知の棺違をみるO 一般には,韓国は儒教の影響が根強くあり,制震のなかにも,意識 や行為のなかにも儒教倫理があるO 実際に,韓国ではこれまでに中国であったような 嬬教に対する大々的な批判を経験したことがない。儒教は韓国で男女の匿別,年齢の 序弼,身分の序列などの規範となり,それらは人々に性別不公平や年齢による不公平 の気持ちを抱かせていると。中国は新中閣の成立以来,

I

日社会のパックボーンであっ た需教を否定し,共産主義の国づくりを臣指した。そのなかには当然,あらゆる 別,不平等,不公平の解消が含まれているO 毛沢東の男女平等をうたう「半辺天

J

, 部小平の貧富の差は一時的であって「紅眼病j になってはならないという主張もあっ

t

:

:

.

o したがって,中国には基本的に不公平,不平等はないと。そして,日本は江戸期 の支配者層に受容された儒教,明治期から昭和敗戦までの天皇制,その後の欧米流の 民主主義の導入,経済発展,高学歴化,女性の社会進出などが混合しあって不公平の 気持ちは強くないと。 しかし,実際はどうなのか。現在,実際に日韓中の青年が不公平についてどのよう な気持ちをもっているかを知りたい。これを明らかにすることが本稿の呂的であるO ここではこの目的のために,主として調査データを読むという非常に眼定されたこと を行なうが,現在不公平は社会的公正との脈絡で,また階層との関連で多くの研究が ある。それらのいくつかの知見はここでも採り入れた。上の呂的のために

3

カ国

8

対象集団の不公平認知の単純統計,不公平認知と各質問項目との棺関係数をみなが ら,比較分析を行ない,これら対象集団の不公平認知の特徴をみる。 不公平認知に関する質問項目は次のとおりである。

(2)

96

1

?

g

教大学総合研究所紀要別冊 目・緯・中における社会意識の比較務査 開

2

3

あなたは,次のような不公平が,いまの日本にあると患いますか。(韓国質問 紙は韓国,中国質問紙は中国となる) (a)性別による不公平 (b)年齢による不公平 (c)学置による不公平 (d)殺業に よる不公平 (e)貧富の差による不公平 (f)家柄による不公平 (g)人麓・民族・ 国籍による不公平(臼本質問紙,韓国質問紙のみ) (g)戸籍による不公平(中国質 問紙のみ) (h)地域による不公平(韓国質問紙のみ) 1.そう思う 2. ややそう思う 3. あまりそう思わない 4. そう患わない 5. ど ちらともいえない 9. 質問文の意味がわからない

1.不公平の認知とは何か

具体的に比較分析に入る前に,まず不公平認知の形成メカニズム,不公平認知の定 義,不公平と社会的現実との関わり,先行研究の知見などについて述べておきたい。 人間は生活が安定し,そして生きていることが幸せで、あることを願う。自分の罵す る社会や集団で生活の安定や幸せを得ることができれば,大部分の人は現状に満足を 感じるだろう。そして,少数の人は他の人びとや他の毘の人び、との生活の安定や幸せ にも考えが宝るだろうO 自分の生活が安定しているという気持ち,幸せであるという気持ちに影響を与えた り,関連している諸要国のなかに平等・不平等,公平・不公平という現実や意識があ るO また,この平等・不平等,公平・不公平は人びとの現状の生活の満足・不満足に 関連したり,影響を及ぼす。このように,平等や公王子は自分の生活の質に基本的に関 わってくることがらであるし,それらは他の人びと,集団,社会との関連で成り立つ のである。だから,人び、とは平等・不平等,公平・不公平に対して俗人的関心も,社 会的関心ももつのである。 いま,夫婦と学齢期の子ども 2人の 4人からなる家族で,夫婦合せて40万日本円の 月技がある完全に平等な集閣を想定してみようO 家族l人当り 10万日本円ずつ配分さ れる。そして,家族全体として出費を各人均等部で負強する。残金は,共同名義で管 理するO この家族は,カネという lつの経済的指標からみれば,平等であるO そして,この 事実としての平等を全員が納得して,受容していれば平等が公正の原理になっている といえるO しかし,

4

人の誰もが,あるいは誰かが不平等で、あると認識しているかも しれない。この不平等の認識は,集自になんらかの対正、をもたらす。そうしなけれ

(3)

日韓中の資王手における不公平認知の特徴について 患 明

9

7

ば,メンバーの欲求充足が困難になり,集団の維持・存続が危なくなるからである。 その対応、のIつは,不平等の認識そのものを良しとせず,その認識がメンバーに生起 しないような社会化プロセスが働くことがあるし,またたとえその認識が生起したと しても集団の権力でその認識を消滅させることがあるO このことは全体主義的な集屈 にみられる。

2

つ自の対応、は,集団の運営への献身や経済的貢献に比例して配分の額 そのものを決めること,及びその決め方や,その配分方法を決定する権限をもたせる 方法である。この方法は公平という。人は集団に貢献している賀量に応じた報掛,例 えば地位,お金,権力,尊敬などを受けていると思えば,あるいは現在ないし将来に おいて貢献しうる機会(例えば,能力が発揮できる,適性に見合った地位や役割)が 与えられていると思えば,この集団は公平であると認識するし,そうでない場合は不 公平であると認識する。認識であるから,実際には費獄に比例した報醗や機会を与え られていても,不公平と認識する場合もあるし,また逆にそれらが与えられていなく ても公平と認識する場合があるO したがって,不公平の認識は個人の理念やおかれた 社会的状況に左右されるがゆえに,多分に相対的であり,動態的である。 しかし,上に挙げた

l

つ自の対

.

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芯は入び、とになんらかの強力な庄力があるとか,あ る人物やその人物を中心とするグループそれ自体やその考えに人び、とが↑見服している とか,ある一定の主義や思想、によってパーソナリティの形成が行なわれたかなどによ る場合以外は,通例ではレアーケースとしても差し支えがない。 それでは,このような不公平認知はどのようなメカニスムで形成されるのであろう か。古学田千恵が先行

3

研究を整理し,踏襲しているのでここではそれを援用してお 図1-1 不公平認知の基本プロセス

区王互~

匪 盟

国豆

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匡 亙 誼

出所:音字沼千五三, 1998,男性の性別不公平認知,宮野勝編,公王子感と社会;1皆層, 1995年SSM 調査シリーズ(研究成果報告書)第8巻, 1995年 SSM調査研究会, p.1l2.

1

主:公王子理念と現状認知との問の矢印(↑↓)は展が挿入した。というのも,元の闘では, 公正王室念のみで,あるいは現状認知のみで不公平認知に受る場合のみが図示されている からであるつ理念と認知とで問でどちらを強調するかという比較考量や葛藤を図示して おきたいからである。

(4)

9

8

係数大学総合研究所紀要5Jljf昨 日・韓・中における社会意識の比較調査 きたい1)。 この不公平認知の形成メカニズムからわかるように,不公平認知は個人がとやのよう に社会や集自をみているかを示している。つまり,個人が当該社会や集団をどのよう にみているかを知ることができるO そして,より重要なことは不公平認知は単に意識 のレベルに止まらず¥もちろんこの認識が広まることや深まることによって不公平の 構造は変化するが,時に劇的に諸個人に当該社会や集団の不公平の構造を変動させる 行動をとらせることもある。 これまでの議論から,ここで不公平認知の暫定的定義を我々の調査紙の質問文及び 本稿での分析目的に照らして,筆者は次のようにしておきたい。すなわち,不公平認 知とは,

f

邸入Aが所属する集屈ないし社会から,その集団ないし社会へ儲人A自ら が貢献していると,あるいは個人Aからみて(諸)他人Bが貢献していると考える に見合う社会的資源が配分されていないと考える持,あるいは配分が期待される チャンスが与えられていないと考える時,個人A自らの公正理念あるいは社会の公 正理念を意識的か無意識的に参照するか否かを関わず,その事実を不公平であるとす る意識である。この定義は不公平認知が絶対的,由定的でなく格対的,流動的である こと,不公平の意識を生じさせるのは自ら置かれた状況のみならず,他の人々の置か れた状況でもあることを含んでいるO したがって,我々の質問紙の関

2

3

の設問内容を 満たしている。 さて,今日の社会を不公平という観点でみてみようO 筆者の目からみて,次のよう な事象に不公平を感じる。日本の社会においては,ここ数年来の,経営綴織体はリス トラの一環としての人員整理では雇用をめぐって首切りにあう人とあわない人,男性 と女性,若年者と壮年者,少子高齢化に伴う扶養負担などをみてもわかるように個々 の組織を超えて負担する側と給付を受ける領U,家族内ではケアーを主として担う人と 担わない人,また,依然として日本国籍所持者と在日外菌人との選挙権や社会保障の 差などといった事象である。世界においては,先進工業毘による二酸化炭素の大量排 出による地球環境への負荷と後進閣のそれとの差, IT革命の患恵を受ける人と受け ない人との差などといった事象であるO

1

)

先行

3

研究とは海野道部・斉藤友里子,

1

9

9

0

,公王子j容と満足感一一社会評価の構造と社会 的地位,原純繍編,階層意識の動態(現代日本の階層構造

2

,第

5

主主

(

p

p

.9

7

-

1

2

3

)

,東京 大学出版会,木村邦博,

1

9

9

5

,階層社会のしくみに関するイメージと不公平感,佐藤俊樹 縞,階層・移動研究の現在(平成6年度科学研究焚補助金・総合研究 (A)研究成泉報告 書)第

6

(

p

p

.

7

8

-

1

0

1

)

及び富野勝,

1

9

9

7

,公正観の論理構造,行動計量学

2

4

-

1(

4

6

)

p

p

.

4

8

5

7

を指す。

(5)

日韓中の青年における不公平認知の特徴について 星 明

9

9

不公平については,公正配分の理論のなかで,また個別的・具体的な社会的状況の なかで,多くの議論がなされている。例えば,日本社会学会の

SSM

調査は,

1

9

8

5

年 から不公平の調査を開始した。間淵領吾は,

8

5

年と

9

5

年の

SSM

調査及び社会的公正 プロジェクトの公正観調査の分析結果を次のようにまとめている2)。 ①〔性別による不公平〕惑:大卒・高卒,ホワイトカラーに多い。 @[年齢による不公平〕感:男性に多い。 ③〔学壁による不公平]感:寓性による違いが見られない。 ④〔職業による不公平〕感:大卒,ホワイトカラーに多い。 ⑤〔貧富による不公平〕感:男性,中高年層,大王手,ホワイトカラーに多い。 ⑤〔資産による不公平]感:高威信層に多い。 ⑦〔身分・家柄による不公平〕感:高威信層に多い。 ③〔地域による不公平〕感:男性,若年層・高年層に多い。 ⑨〔思想・信条による不公平〕感:高威信に多い。 ⑮〔国籍・人種・民族による不公平〕感:

2

0

代前半・

2

0

代後半,政令指定都市に多

また,

1

9

8

1

年から

1

9

9

4

年までの,全国の男女有権者を対象にした各種の調査では, 次のことが指摘できるという3)。ここでの関心に照らして,簡単にまとめると次のよ うであるO ①最も多いのは常に学歴による不公平感(

7

割)であるO ②領域別不公平惑は概ね平行して増減しており,領域にかかわらず類似した推移の 仕方を示しているO ③ほとんどの領域別不公平感は, 80年代後半から

9

1

年 末 頃 ま で 増 加 し (5~ 6 割),その後は

9

4

::9三までやや減少傾向

(

4

~

5

謡)にある。例外は,国籍・人 種・民族による不公平で‘

9

4

年まで増加

(

9

1

年の

2

割強から

4

割へ)しているO

SSM

謂査に対して,我々の調査の特鍛は東アジアの

3

カ国

8

対象集団を比較して いること,そして

1

8

歳から

2

5

歳までの大学生及び青年に隈定していることにある。 ところで,社会は人々の性格をつくり,またその時代的特酸も人々の一定の性格を 2 ) 間

i

脳 反 乱

1

9

9

8

,不公平感の趨勢一

a

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存調査の2次分析一一,

8

野勝編,公平感と社会 階層,

1

9

9

5

SSM

調査シリーズ(研究成来報告書)第

8

巻,

1

9

9

5

SSM

調査研究会, p.177o 3 ) 向上, pp.173-176o

(6)

100 骨

t

教大学総合研究所紀姿3lji母 日・韓・中における社会意識の比較調査 つくるO 社会的性格論や世代論はそれらをあっかうO また,意識調査というものは, 調 査 時 期 の 社 会 的 , 政 治 的 , 経 済 的 な 状 況 か ら 影 響 を 受 け る こ と が あ る し , そ れ ら の 状 況 と 関 連 す る こ と が あ る 。 例 え ば 経 済 的 不 況 時 に お け る 日 本 人 の 理 想 的 な 仕 事 の 条 件 は 高 い 収 入 か ら 失 業 の 心 配 の な い こ と へ と い っ た 変 化 ベ 在 ユ ー ゴ ス ラ ビ ア 中 国 大使錯誤爆に直面した時の中国人の国家意識の高まり 韓 国 の 金 大 中 大 統 領 の ノ ー ベ ル平和賞受賞を開いた韓思人の国民としての誇りの増大などである。したがって, 年 が 育 っ て き た 社 会 的 背 景 や 調 査 時 期 の 時 代 的 背 景 を 知 る こ と は 重 要 で あ る 。 本 来 な らば,社会的背景については,いくつかの変数を選び,それらとの関連をみるべきで あるがお,ここでは,とりあえず 1990年 か ら 我 々 が 謂 査 を 実 施 し た 1999年 ま で の 10年 間の

3

カ国の時代的背景をデータの解釈の際に必要に応じてみることに止めたい品)。

2

.

領域別不公平認知

ここでは,

8

対 象 集 団 の 領 域 別 不 公 平 認 知 の 単 純 集 計 か ら , そ れ ぞ れ の 集 団 の 特 般 をみる。 4) NHK放送文化研究所編, 2000,現代日本人の意識構造(第 5版),日本放送協会出版会, pp.141-147

5) E.フロムの社会的性格論, D.リースマンの大衆社会における他人指向タイプ, K.マン ハイムの存在被拘束性などと異なって,統計約手法による仕事は殊のほか少ない。これまで に次の濁淵領警と海野道郊の論述があるに過ぎない。防淵領吾, 1996,社会的不公平感の趨 勢 役論調査の時系列分析,中央大学社会科学研究所編,日本人の公iE綴,中央大学社会 科学研究所研究報告第17i, p子 p.79-1010 [司氏, 1998,不公平感の趨勢一一既存調査の 2次 分析一一,宮野勝編,公平感と社会階層, 1995年 SSM調査シリーズ(研究成果報告書)第 8巻, 1995年 SSM調査研究会。 Mabuchi,Ryogo, 1999,“Contemporary Trends in Perceptions of Fairness in Japan : Secondary Analysis of Public Opinion Survey Date from 1973 to 1998", Pa -per presented at the Annual Conference of ISA RC28.間i閉鎖喜子, 2000,不公平感が高まる社会 的状況は何か一一公正観と不公平!容の震史,海野道郎総,公平感と政治意識(日本の階溜シ ステム 2),東京大学出版会, pp. 151-1690

Umino, Michio, 1998,“A Sense of Fairness in Modern Japan : An Evaluation of Stratification System", 1吉野勝綴,公平感と社会階段, 1995年 SSM調変シリーズ(研究成条報告苦手)第 8 巻, 1995年 SSM調査研究会, pp.57-73. しかも,もっとも新しい潤淵の者述においても,社会的不公平!容を分配に関する人々の評 俄である仮定した上で,不公平イメージの比率と社会指標 (GDP前年比・食業倒産件数・ 失業率-新規求人倍率・有効求人倍率・窪

i

民負按率・租税負担率・社会保障負お率・産業賃 金絡差・都心までの王子均所婆時間といった経済的資源に関する指擦のみ)しか扱うことがで きなかったとしている。閤淵は租税負担率(相関係数0.80),食業倒産率 (-0.74),有効求 人倍率 (0.69),新規求人倍率 (0.66),都心までの平均所要時間 (0.66),国民負担率 (0.60)の絶対伎が相対的に高いこと,そして「これら五つの変数すべてに共通する点は, 景気が好いときほど不公平イメージを抱く人が多い

J

ということを指摘している(関淵鎮 2000, pp.163-166)o 6 ) このような方法は, NHK放送文化研究所編, 2000,前掲苦手, pp.22-24や竹内実, 1987, 現代中国の展開,日本放送協会出版会, pp.56-116などにみられる。

(7)

日 韓 中 の 青 年 に お け る 不 公 平 認 知 の 特 徴 に つ い て ~ 明 101 図2-1-1 8対 象 集 団 の 領 域 別 不 公 平 認 知 * 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0

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千~.. ~..

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そう思うjと「ややそう思う」の合計。 一+ー性別による不公平 一優一年齢による不公平 一傘一学墜による不公平 一誠一E襲撃による不公平 一繁一蓄電2蓄の量産による不公浮 一争"家柄による不公平 一+一人種・民主義・園幸蓄による不公平{中 図を量生() 関2-1-2戸 籍 に よ る 不 公 平 認 知 ( 中 国

l

議2-1-3 地 域 に よ る 不 公 平 認 知 ( 線 図 の み ) の み ) 80.0 80.0 事、、 @ @ ¥ 刊 ¥

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60.0 『可i> 40.0 北君主学業 北京綴書室 )oJjl韓 山3霊 大邸 会州

i

-

←戸籍による不公平│ 1-← 綿 に よ る 不 公 平 │ 上の国2-1の3つの留から次のようなことがわかる。 1)不公平認知を全体的にみれば,高い}I買Iに80%代が学鹿,職業,貧富の差, 70%代 が性別,地域(韓国費関紙のみ), 60%代が年齢,人麓・民族・国籍

(

8

本質問紙と 韓国質問紙のみ)である。続いて,家柄が約50%と (中国質問紙のみ)が約40% であるO このように,大きくみれば,不公平を認知する青年が多い。また,韓留と巨 本はそれぞれの不公平が比較的拡散しているのに対して,中閣は不公平認知の高い領 域(貧富・職業・学歴),つまり業績的領域と低い領域(性別・家柄・年齢),つまり 帰属的領域の

2

つのグループにはっきりと分かれている。 2) 3カ留の不公平認知では,韓国が一番高く,中間7)が一番低い。日本は中間にあ

(8)

102 係数大学総合研究所紀要別問 臼・韓・中における社会意識の比較調交 る。

3

) 日 本 は8), 貧 富 の 差 に よ る 不 公 平 認 知 が 相 対 的 に 低 い 。 日 本 よ り 抵 い の は 中 国 農 村であるO また人種・民族・国籍による不公平認知は韓国よりも高い。 4 ) 韓 関 は , ほ ぼ す べ て の 不 公 平 認 知 が 一 番 高 い 。 例 外 は , 家 柄 に よ る 不 公 平 で あ る。

5

)

中 閣 は , 学 生 が 一 番 不 公 平 認 知 が 高 く , 農 村 青 年 が 一 番 低 い9)。職業青年{土中間 に あ る 。 し か し , 農 村 青 年 が 低 い と い っ て も ほ と ん ど が30%を超えているO 例 外 は 年 齢 に よ る 不 公 平 が 河 南28%, 山 東26%, 戸 籍 に よ る 不 公 平 が 河 南25%, 山 東18%であ る。 農 村 の デ ー タ を ど の よ う に 解 釈 す る か に つ い て は , 経 柏 龍 の 意 見 が 参 考 に な ろ う10)。 経 は 農 村 の 劣 悪 な 状 況 を 述 べ て い る 。 劣 悪 な 状 況 だ か ら , そ こ で の 農 村 青 年 は 7) 不公平と関連する中間人の満足感でみると, 1998年 8~9 月の時点、で,

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中間の現状j に,満足35%,不満足16%,一段49% (張被・羅

1

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ミ長編, 1998,国民心態訪談,中国物資土台 j夜干上, p.l)0

r

今の生活に満足か」満足27%,まずまず満足37%,やや不満23%,不満113% である(広島県の中国新開社のギャラップ (GaIlup)社への委託調査, 1999年11月北京と上 海で実施された。 http://www.ch自goku-np.co.jp/yoro日/tOOOl16d.html)。 また, 1996年 3月実施の 19緩から 35歳の3万人調査による

f

あなたは現在の中国社会が 人々に提供している成功の機会は公正,平等だと怠いますか」という間について,改革開放 以前と比べて,そして西洋の発達した悶と比べての隠答は次のようである。 改革調放以前と比べてより公正・より平等429右,差はない35%,より不公平・より不平等 15%,わからない 896,西洋の発途した医!と比べてより公正・より平等26%,差はない 29%,より不公平・より不平等19%,わからない26%である。このデータから,改革照放に よる成功の機会の公正,平等への影響は肯定的であるが,@i羊社会と比較した持は依然とし て中国社会は不公正,不平等であると感じていることがわかる(中国青少年研究中心・中間 青少年発展恭金会, 1997, r字国青少年発渓状況研究報告(1996),中閲青年出版社, p.1l2)。 8 ) 児烏和人は,日本人の不公平感が醸成される社会一一心理的基盤のlつを,生活全般に対 する日本人の満足感の国際的特質にみることができるとしている。それは,幸福に遠慮しが ちな臼本人の国民性や悲観的形容認の多さが

i

裁足感の要求水準を高めていること(したがっ て,不公平惑を高くさせている),読査回答のi祭,積緩的肯定塁手が低く現れがちな反応傾向 (したがって,満足感の表現可能性を低める),などといった満足!惑を低めている文化的要因 を指摘している(児島和人,意識変動における対立と自己変事, NHK t詮論調査部編,現代 臼本人の意識構造(第3版),日本放送協会出版会, pp.1l6-167)。児島の指摘する性格差と 何時に,国別の語感

2

をも比較ilJf究ではi可様に注意すべきである。この指摘は日本のデータを 解釈するときに常に念頭に霞くべきであろう。 9 ) 1992~ 1993年におけるや殴青年の生滋の快適度には一定の差があるO快適度は満足感,ひ いては不公平の認知と隠わるので挙げておきたいo

r

非常に快適

J

学生3.8%,農村青年 15.1 %,集団企業勤務青年9.5%,

r

やや快適

J

学生45.6%,農村青年35.7%,集団企業勤務 青年50.1%,

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やや心配や圧迫があるj学生42.2%,農村青年33.9%,集回全業勤務青年 32.3%,

r

非常に圧迫があるj学生4.4%,農村青年 13.4%,集団企業勤務青年4.6%から (黄志堅, 1996,当代青年的生活方式,

Z

を志怒 .

i

議岳・李反主編,定向新

E

士紀的中間青年, 中国和王子出版社, p.36),我々はここから農村青年の両緩端への集中化,そして学生と職業 青年の中間点への集中化合みることができる。 10) 経柏龍,2

0年9fl6臼,当今中酪十大教育不公平,(http://www.89-64.com!main/messages/)。 経柏龍教授は,かれは全国農村教育に関する国家レベルの研究課題の研究主任であるが,ノ

(9)

日韓中の青年における不公平認知の特徴について 昼 明 103 不 満 や 不 公 平 を 感 じ る , と 理 解 す る こ と を 我 々 の デ ー タ は 拒 否 す る 。 農 村 青 年 が

8

対 象 集 団 の な か で , も っ と も 不 公 平 認 知 が 低 い か ら で あ る 。 な ぜ で あ ろ う か 。 我 々 は こ の 理 由 と し て 次 の 要 国 を 考 え て い る11)。 ① 青 年 の 相 対 的 剥 奪 ( 期 待 水 準 と 達 成 水 準 と の 格 差 ) が 少 な い こ と ( 比 較 準 拠 集 団 が近隣であり,期待水準が相対的に低い, し た が っ て 達 成 水 準 も 低 い の で 不 公 平 を 感 じない), ②その基礎には都市と比較して,農村の社会階層構成が平準であること, ③ 過 去 の 農 村 社 会 と 比 較 し て , 現 在 の 農 村 は 豊 か に な っ た と い う こ と を 経 験 的 , 具 体的に実感していること(例えば, 1949年 以 前 の 父 や 被 父 の 世 代 と 比 較 し て )12)。 ④ 農 民 の 伝 統 的 な 欲 求 段 階 は , 歴 史 的 に 長 期 に わ た っ て 生 理 的 欲 求 に 留 ま っ て き た ので,未だに高次元の尊敬欲求や自己実現欲求に移行していないこと, ⑤ 中 層 農 民 の メ ン タ リ テ ィ ー は , 紳 士 ( 上 層 の 支 配 層 ) に 対 し て 従1)聞に服従するこ とに価値を霞いてきたこと13), ⑦ 中 国 の 社 会 体 制 で あ る 社 会 主 義 が 価 値 を 置 く , 平 等 と い う 観 念 が 浸 透 し て い る こ と , な ど が 要 国 と し て 考 え ら れ る 。 こ れ ら の 諸 要 因 は 個 々 に 独 立 し て 存 在 し て い る の ¥次のように現在の中国の抱える教育不公平を挙げている。 I都市の敦子守と農村の教育 2重 点学校教脊と一般学校教育 3学校教育と家庭教育, 4:5母子生徒数育と女子生徒数育 5成 績の良い生徒数育と良くない生徒教育 6進学教育と験業教育 7知識重視数脊と技能三重視 教育である。我々の考察に関わるのは1と4である。農村の学校教員の質,設備,教育水準 は依然として1960年代初期の都市のレベルだという。薬王手き廃核の建物と背もたれのない腰 掛け,手作りの鉄棒(木製)以外に何も設備のない農村の学校と大教護に数百台の音量新裂コ ンピュータがある都市の学校を例にあげ,まさに天と地の格差があるという。また,性別不 公平については就戦特にもみられるように会践的な問題であるが,農村では特に,全国 I億 80∞万人の非識字者のうち, 3分の 2は女性であり,その大部分は農民である。また, 1990 年のや閣の第4図人口センサスも次のような数字を鳴らかにしている。 15歳から29歳の人口 3億5000万人中,

I

文盲,半文言

J

は6.1%, 2135万人である。「文盲,半文畜」のなかで女 性の占める割合はなんと75.1%である。単光諮らは

f

この現象は,わが国が事実上男女不平 等であることを光分説明している」という。そして,都市の

f

文富,半文言

J

1.60%に対し て,農林のそれは7.77%である(単光忍・陸建肇主編, 1994,中国青年発展報告,遼家人民 出版社, pp.74-75)

ll) ここでの不公平!惑の形成は

J

主体的なものであるO より一殺的には,理念内部化仮説,自弓 利益iE当化仮説,認知によるバイアス仮設,時代要因仮説の4つの仮説がある(宮野 勝, 2000,公平潔念はどのように形成されるか一一概念の務理と日本の位置付け一一,海野 道郊編,話I掲苦手, p.101)。 12) 李景

i

莫, 1929,北王子郊外之郷村家庭, j有裕子訳, 1998, ~ヒ平郊外の農村家庭,佐々木街 綴・解説,中国の家庭・郷村・階級(社会学調査研究会書15),文化書房博文社では農民の 貧しさ (pp.35-64),知識の低さ (pp.67-76) の実態が報告されているし,毛沢東, 1931, 爽国県調査,南裕子訳, 1998,興国県調主t,佐々木篠

I

編・解説,問委では人口の1%の地主 と5 %の笈農による 80%の土地所有, 20%の中農によるお%の土地所有,そして60%の貧農 による5 %の土地所有が示され,搾取階級(地主,富農)による農民の生活全般にわたる搾 取の実態が調査されている (pp.132-187)。 13) Hsiao-tong F巴,i,1953, China's Gentry, The University of Chicago Press, pp.77-90.

(10)

104 偶数大学総合研究所紀要別滞 日・韓・中における社会意識の比較読査 でなく,相互に関連し合っているといえる。 ま た , 大 学 生 の デ ー タ を ど の よ う に 解 釈 す る か に つ い て は , 劉 慶 龍 ら の 論 考 が 参 考 になる14)。 こ こ で , 不 公 平 を 表2-1の よ う に 帰 属 と 業 績 の 匿 別 に よ っ て 類 型 化 し て み る と , 対 象 集 団 の 特 徴 を み る こ と が で き るO 表2-1から, 1) 日 本 は 業 績 的 不 公 平 認 知 よ り 帰 属 的 不 公 平 認 知 が 擾 位 で あ る こ 表2-1 帰属・業績別不公平認知の類型と対象集団 帰属的不公平認知 性別による不公平 大!Ifi>会州>京都>(大仮)>北京学生>北京総業>河南>山東 年齢による不公平 大郊>(大阪)>全什

1

>

京都>北京職業>北京学生>河南>山東 家柄による不公平 北京学生>(大阪)>京都>大郎>北京職業>金州>河南>山東 人種・民族・悶絡による不公平(日本と韓国のみ) 京都>(大阪)>大郎>会州 戸籍による不公平(中閣のみ) 北京学生>北京職業>河南>山東 地域による不公平(韓国のみ) 全ナ

1

'

1

>

大路 業績的不公平認知 学歴による不公平 大潟>全汁

1

>

京都>(大絞)>北京学生>北京職業>海南>山東 職業による不公平 大郎>全州>北京学生>京都>(大阪)>北京職業>河南>山東 貧富の羨による不公平 大郎>全ナト

1

>

北京学生>北京職業>(大阪)>京都>河南>山東 注:大阪は参考である。 14) 劉慶龍らは 1997年春,会問 8つの省市の約 100大学, 15

0人の学生を対象に実施された意 議言電査から,大学生の意識と行動を次のように描写している。つまり,

r

.

.

・H ・学生らは国家 の大事に大きな関心をもっている。特に,中国の国際的な地位とそれに影響する大事に関心 をもっている。改革開放及び党の路線,方針,政策を擁護し,政治綬済の発震がよくなると みている。劉家,集団と個人との問の潟係を正篠に認識できており,積核的な進攻の人生観 をもっている。社会に貢献する有用な人物になることを大いに切望している。但し,注意す べき不良傾向や早急に解決が待たれる問題がある。……

J

とある。それらは社会主義制度に ついて正確な知識としっかりした信念をもっていないこと,社会主義公有lliljが中心的な位翠 にあることについて認識が媛味なこと,拝金主義者がいること,悩みをもっ者がいること, 激しい市場競争に見合った学習に自分が不向きという苦悩があること,大学の数学条件に改 善婆認が高いことである(鋭慶龍・張存療・黄建鋳, 1998, 1997~ 1998年:中国大学生的動 向,汝{含

f

也編,中国社会形勢分析与預

m

u

,社会科学文献出版社, pp.342-354)。

(11)

日韓中の青年における不公平認知の特徴について 獲 明

1

0

5

と,逆に2) 韓国は帰属的不公平認知より業績的不公平認知が優位であること, 3) 中国も韓国と同様に,帰属的不公平認知より業績的不公平認知が優位であることがわ かる。さらに国のなかの対象集出ごとにみると,1)京都は大肢(参考)より業績的 不公平認知が多いが,帰属的不公平認知は大阪と京都は差がない。

2

)大部は全ナト

i

よ り帰寓的,業績的不公平認知のほぼすべてにわたっていずれも多い。例外は,全ナト!の 方が多い帰震の地域不公平認知だけである。

3

)北京学生は,中国のなかで帰属的, 業績的不公平認知のほぼすべてがいずれも多い。例外は,北京職業の方が多い帰属の 年齢不公平認知だけである。 4)河南と山東は帰属,業績のすべてにわたって不公平 認知がもっとも少ない。そして,山東は河南より不公平認知が少ないという順序も不 動である。

3

.領域別不公平の認知のなかみ一一相関係数か

ここでは

8

対象集団によって,領域別不公平の認知のなかみがどのように違うか を相関係数からみる。相関係数をみることによって,例えば京都と会ナ

H

f

中学校の 生徒会長は男子に向いている j としない人 つまり生徒会長は女子に向いているとす る人,あるいは向き不向きは性聞に関係ないとする人に性別不公平があるという人が 有意に多い。また,全ナト

i

では「息子は跡継ぎとして必要である

J

としない人に性別不 公平があるとする人が有意に多いのに対し,山東では

f

息子は跡継ぎとして必要で、あ る

J

とする人に性別不公平があるとする人が有意に多い。つまり,京都と全ナ

H

は「男 性中心

J

(一)の人に性別不公平の認知をしている人が多い。また,全ナ

H

は「イエ中 心

J

(…)の人に性別不公平の認知をしている人が多いのに対して,山東は逆に「イ エ中心

J

の人に性別不公平の認知をしている人が多いなどといったことがわかるので ある。 問

2

3

のすべての不公平領域と問

6

(親子・友人関係),間

ll(

トラブル処理),間

1

2

(信{印),照時(人の死後)を徐くすべての荷,及び属性とでは日(性別),

F

6

(父 親の学睦), F7 SQ (父親の職業), F 9 (母親の学藍), F10 (母親の職業), F13 (家 族の年間収入)との棺関係数(こと

0

.

1

5

話,

5

%水準で有意・南側)をみたO セルは

6

4

,相関項目が総計

2

5

0

以上もあるので,ここでは表を省略し,結果のみを挙げてお きたい。 各セルの個々の項目は多岐にわたるので,まずそれらを次のようにカテゴリーに分 けたうえで,各対象集鴎の不公平のなかみをみることにする。

(12)

1

0

6

偽教大学総合研究所紀要別冊 臼・韓・中における社会意識の比較調査 (基本的価値) 権威主義 「権威のある人々には常に敬意を払わなければならないj,

r

若い人の望みは多少おさ えても,高齢者を大切にするべきであるj,

r

高齢者は早めに引退して,若い者に地位 や権限を譲るべきであるj(一) 自己本位 「その日その臼を,自由に楽しく暮らすj,

r

(あなたは,年老いた窺の面倒をみるつも りがありますか)一切面倒をみるつもりはない」 規黙主義 「自分のしたいことをするためには ルール破りも仕方がないj(一) 錨別主義 「会社の社長が親戚や南郷の者たちを優遇しでも仕方がないj 限定的人間関係 「一応の礼儀を尽くす程度のつきあいj(兄弟姉妹,親戚),

r

気軽に話したり一緒に遊 べるつきあいj(友人),

r

会ったときに,あいさつする程度のつきあいj(隣近所の 入) 努力主義(<社会的寵分原理)

f

まじめに努力するより,要領よくふるまう方が得をするj

(一)

15) (家庭・男女関係) イエ中心主義 「息子は跡継ぎとして必要で、あるj,

r

親が反対する結婚はしてはいけないj,

r

結婚し ていない人は仕事をするよで信用できないj,

r

結婚したら子供をもつべきであるj, 「子供がいれば離婚すべきでない

J

祖先祭杷 「祖先の墓参りは定期的にするべきであるj 15) この設問は,回答者が理念としていることと現実にどのようになっているかが思答者のな かで援味になっていると忍われる。例えば,富野勝lま,配分原理をめぐる公平感について理 想の配分原理と現実の配分原理のギャップを指摘している。つまり,理想、の配分原理の第 l 伎は努力 57%,2 f立は実綴に対して,現実の配分原理の第

l

f

立は実綴53%, 2 f立は努力 19% である。 1吉野勝, 2000,公平原惑はどのように形成されるか一一概念の整惑と臼本の位置づ け

J

,海野道郎編,公平感と政治意識(臼本の階層システム 2),東京大学出版会, pp.9

o

-950

(13)

日韓中の青年における不公平認知の特徴について 獲 明 107 男性{憂先 「父親は一家の主人として威厳をもち,母親は父親をもりたてて,心から尽くしてい るム「女性と男性は,各々の特性に正、じた教育をすべきである

J

(:t),

r

軍 隊 は , 女 性にふさわしくない

J

r

中学校の生徒会長は男子に向いているj 性 解 放 「学校で伺性愛のことも教えるほうがよい

J

r

結 婚 と は 関 係 な く 男 女 の 性 交 渉 は 許 さ れる」 (政治) 脱物質主義的 「経済を発展させる

J

(一) 調 和 主 義16)

i

(

身近な問題を

1

0

人稜度で話し合う場合)自説を言い合い多数決できめる

J(

-

)

ナショナリズム [日本(韓闇,中間)人であることに誇りを感じる

J

(愛着心)17),

r

自国に国有の文化 は継承されるべきである

J

(愛着心),

r

西 洋 文 化 は 物 欲 に か ら れ , 競 争 が 激 し く , 人 間を豆いに敵対的にさせる文化である

J

(優越感),

r

国 際 化 す る 社 会 と い え ど も 民 族 意識は大切にするべきである

J

(愛着心),

r

アジア型の社会を人類全体の模範とする べきである

J

(優越感) グ口一パリズム

r

(

国 際 社 会 で 国 家 が 外 交 を す る 場 合 ) 自 国 の 利 益 を 重 視 す る べ き で あ る

J

(一),

r

国 連のような国際機関の働きはこれから重要になる

J

,日間際社会で国家が外交をする 場合)世界全体の利益を重視するべきである

J

政治参加指向 16) 押村高は

f

欧米で, 11間人はそれだけで価値あるものとみなされるのに対して,アジアでは 一人では繁栄を築けず,集団の調和に車買ってしか個人が成泉を生み出すことができないと考 えるjと指摘している(押村高, 1998,

r

アジア的価俵

J

の行方…ーデモクラシーをめぐる アジアと西洋の対話,天児慧編,アジアの21世紀一…歴史的転換の位指,紀伊国屋書}古, p.168)。しかし,この指摘は我々の調査には当てはまりが惑い。跨題解決の方法を向うた 我々の質問では,議論多数決/妥協・折合は日本京者~46%/53% ,日本大阪39%/60% ,韓 国49%/51%,北京学生64%/31%,北京殺業63%/32%,河南65%/35%,山東73%/27% で,全体では54%/44%であり,意識のレベルでは調和より多数決が優位である。留別にみ ると,日本は多数決<調和,韓協は多数決キ調和,中閣は多数決>調和である。 17) 情緒的一体感と対外的優越感という2つの観点は, NHK放送文化研究所編の現代日本人 の意議構造(前掲誉)のものを採用した。

(14)

108 偽教大学総合研究所紀要別冊 目・韓・中における社会意識の比較調査

f

政治のことは政治家にまかせておけばよい

J

(一),

I

これからの社会では,自主的な 市民活動が重要になる」 徳治主義

I

(

昔松などの最高指導者が政治を行なう場合)自己の徳性に基づいて行なう方がよ し、j (未分類) 物質主義 「死んだ人からの臓器移植は積極的に進めるべきであると思う

J

I

(環境問題を解決す るためには,どのようにすればよいと患いますか)豊かな生活をしたいという人間の 欲望を制摂する

J

(一),

I

(環境問題を解決するためには,どのようにすればよいと思 いますか)政府が適切な対策をとる」 経済倫理 「金もうけに手段のよしあしは問題でない

J

(一) 外国人との付き合い

I

(

外関人があなたのすぐ燐に引っ越してきたとき,どのようなつきあいをしたいと思 いますか)違和感があるので積極的にはっきあわないj 政治課題 「囲内の治安や秩序を維持するム「留民の福祉を向上させるふ「学問や文化の向上を はかる

J

I

盟民が政治に参加する機会を増やす」 自国イメージ

f

よい政治が行なわれている

J

(日本,韓国質問紙),

I

政治が安定している

J

(中国質 問紙),

I

経済的に豊かであるふ「誇りを持てる文化・芸術があるふ「世界の平和に 獄しているム「発展途上国の援助に積極的に取り総んでいる

J

I

地球環境問題に積極 的に取り組んでいる」 このようなカテゴリーの基準で

8

対象集団の領域別不公平認知のなかみをみると, 次のような特徴がみえてくる。 ①京都:

8

つの項目しか相関がなく,大郎の

3

つ,北京学生の

6

つに次いで少な し、。 性別不公平認知 lこ「男性優先

J

(-)が,貧富不公平認知に「政治参加指向

J

が 相関しているO

(15)

g韓中の青年における不公平認知の特徴について 援 明 109 ②大阪(参考):

3

3

項目が相関している。そのなかでも,とくに学歴不公平認知と 貧富不公平認知に多くの項目との相関がみられる。学歴不公平認知は「規則主 義

J

(一)と「権威主義

J

(一)との,貧富不公平認知は「イエ中心主義

J

r

規則 主義

J

(一),

r

祖先祭記

J

(一),

r

努力主義

J

(一)との相関がある。 ③大路:相関する項自は

3

つに過ぎず

8

対象集毘でもっとも少ない。性別不公平 認知に「女性jが,年齢不公平認知に「規則主義

J

(一)が,学歴不公平認知に 「ナショナリズム

J

(愛着心)が相憶しているのみである。 ④全ナ

H

:相関する項目は

1

0

であり,性別,学歴,貧富そして人謹・民族・関籍の不 公平認知に棺関している。性別不公平認知は「女性

J

r

男性優先

J

(一),

r

イヱ 中心主義

J

(-)と,学歴不公平認知は「福祉の向上

J

r

良い政治が行なわれて いる

J

(…)と,貧富不公平認知は「ナショナリズム

J

(愛着心)と,人種・民 族・国籍不公平認知は

f

途上国の援助に取り組んでいる

J

(一)との相関があ る。 @北京学生:

6

つの項目としか相関がない。性別不公平認知に「女性」との栢障が ある。家柄不公平認知には 4つの境目,すなわち「グローパリズム

J

(一),

r

下 層

J

r

イエ中心主義

J

r

学問文化の向上

J

(-)との相関がある。また,貧富不 公平認知には「性解放」との相関がある。 ⑥北京職業:全部で42項毘が相関している。これは中国農村に次いで多い。性別不 公平認知を除く,すべての領域別不公平認知に「ナショナリズム

J

(愛着心) (一),

r

自己本位

J

r

グローパリズム

J

(一)との相関がみられる。そして,戦 貧富,家柄そして人撞・民族・国籍の不公平認知に

f

グローパリズム

J(

-

)

との棺関があるO 性別不公平認知は「女性

J

r

政治参加指向

J

(-),

r

環境問題 に 取 り 組 ん で い る

J

(一)と,年齢不公平認知は「男性優先

J

r

規 尉 主 義j (一),

r

努力主義

J

(一),

r

権威主義

J

(一)と,学監不公平認知は「男性優先」 と,職業不公平認知は

f

男性優先

J

r

物質主義

J

(臓器移植肯定),

r

権威主義j (一),

r

性 的 解 放

J

r

政治が安定している

J

(一)と,貧富不公平認知は[下 ,

r

性解放

J

r

規部主義

J

(-),

1

r

留別主義

J

(一),

r

政治が安定している

J

(一)と,家柄不公平認知は「経涜倫理

J

(一),

r

政治が安定している

J

(

-

)

「形式的関係

J

(近隣)と,人種・民族・閏籍の不公平認知は「性解放

J

r

経済的 に豊か

J

(一)と相関がある。 ⑦河南:

8

0

填目もの相関がみられるO 主成分分析によっても

1

つの成分しか抽出さ れなかったこともあり,ここでは危検率1%以下の相関のみを取りあげるo

r

(16)

110 偽教大学稔合研究所紀要別冊 目・緯・中における社会意識の比較調変 j嘗

J

がすべての不公平認知に,そして「低校入jが4つの領域の不公平認知にみ られるが,これは山東の

f

高収入j,

r

両親専門管理職

J

の多さと比較して河南の 特設である。また,

r

物質主義j (環境問題は政府が対策)は河南のみの特徴であ る。性別不公平認知は「形式的関係j (親戚),

r

イエ中心主義j,

r

性解放j,

r

権 威主義j,

r

脱物質主義j (政治課題),

r

世界平和に貢献j (一)と,年齢不公平認 知は「男性優先j,

r

政治が安定j (…)と,学歴不公平認知は「性解放j,

r

政治 参加指向j と,戦業不公平認知は「努力主義j (一)と,貧富不公平認知は

f

努 力主義j (一)と,家柄不公平認知は「男性優先j,

r

規票日主義j (一),

r

努力 義j (…),

r

政治が安定している

J

(一)と,人撞・民族・国籍の不公平認知は 「男性優先j,

r

ナショナリズム j (懐越感),

r

政治が安定している j (…),

r

グ ローパリズム j (一)との穏爵カfある。 ③山東:河南以上の相関する項目がある。主成分分析によっても

1

つの成分しか抽 出されなかったこともあり,ここでは危積率1%以、下の格関のみを取りあげるO 所属階!曹の高い人が多くの領域の不公平認知と相関するのが河南と対照的であ る。また,出来だけの特徴として

f

徳治主義

J

r

祖先祭記j18)が不公平認知と相関 している。また

5

つの不公平領域で「グローパリズム

J

(-)との格関がみら れるO 性別不公平認知は,

r

外国人と付き合う

J

r

形式的人間関係

J

(親戚,友 人),

r

ナショナリズム

J

(愛着心) (-),

r

権威主義

J

r

個別主義

J

(一),

r

脱物 質主義j,

r

政治が安定している

J

(一)と,年齢不公平認知は

f

男性優先j,

r

努 力主義

J

(-),

r

政治参加機会の増加j,

r

経済的に豊か

J

(一),

r

途上国の援助に 叡り組んでいる j と,学歴不公平認知は「形式的人間関係j (友人),

r

男 性 優 先j,

r

政治参加機会の増加j,

r

経済的に豊かj (…),

r

途上閣の援助に取り組ん でいる

J

と,職業不公平認知は「物質主義

J

(一),

r

イエ中心主義j (一),

r

性解 放j,

r

政治参加機会の増加

J

r

経済的に豊か

J

(…),

r

途上閣の援助に取り組ん でいる

J

と相関がある。貧富不公平認知は[形式的人間関係

J

(母方),

r

イエ中 心主義

J

(一),

r

死ねば罪なし

J

r

ナショナリズム

J

(優越感+愛着心),

r

経済的 に豊か

J

(一)との相関がある。家柄不公平認知は「形式的人間関係

J

(母方), 「自己本位

J

r

政治参加指向

J

(…),

r

ナショナリズム

J

(優越感),

r

経済的に豊 18) 将政和J土中国人の気質として崇被,忍露首,寛大, ~.尤蓑,知足,礼儀,続出,勤勉,節約, 友情,国子,頑阪の12を挙げている。彼が第lに挙げる崇視(祖先崇拝は)は,我々の調査 では山東で当てはまりがよい(利政和,

1

9

4

1

,中沼人の生活風景,皇関青年教育協言宗,

p

p

.

5

5

78)。

(17)

日韓中の

7

寄年における不公平認知の特徴について 塁 月号

1

1

1

J

(一) との棺関があるO 人 種 ・ 民 族 ・ 国 籍 の 不 公 平 認 知 に 「 イ エ 中 心 主 義

J

との相関がみられる19)。 注) (-)は対径を示す。例えば,権威主義(ー)は,反権威主義ないし非権威主義を示す。

おわりに

これまで

3

カ毘

8

対 象 集 団 の 不 公 平 認 知 の 特 徴 を み て き た 。 不 公 平 の 事 実 は 社 会 が っ く り だ し , 不 公 平 の 認 知 も 社 会 が っ く り だ す 。 し か し , 当 該 社 会 に 存 在 す る 不 公 平 の 事 実 と そ の 社 会 の 人 々 の 不 公 平 認 知 は 一 致 し な い 。 中 国 の 農 村 青 年 の 場 合 が そ う で あ っ た 。 し か し な が ら , 我 々 が2000年8月 に 山 東 省 青 島 の 農 村 で 実 施 し た と ア リ ン グ 諦 査 で は 「 高 齢 者 に 不 公 平 が あ る

J

( 新 し く 開 い た 土 地 に 建 っ た 家 に は 若 い 世 代 が 多 く 住 み , 古 く て 狭 い 家 に 高 齢 者 が 住 ん で い る ) と い う 女 性 の 発 雷 が あ っ た20)。 し か し , そ の 場 の 青 年 か ら も 共 産 主 義 青 年 罷 幹 部 の 誰 か ら も , そ の 発 言 は 苔 定 さ れ な か っ た 。 部 小 平 の

f

先 富 論 」 の 教 え が 浸 透 し て い る こ と を 感 じ たO 先 に , 中 盟 の 不 公 平 認 知 の 特 鍛 と し て , 不 公 平 認 知 の 高 い 領 域 ( 貧 富 ・ 職 業 ・ 学 歴 ) と 低 い 領 域 ( 性 別 ・ 家 柄 ・ 年 齢 ) と が は っ き り と 分 か れ て い る こ と を 指 摘 し た 。 こ れ も 条 件 が 整 っ た 人 が 一 足 先 に 豊 か に な り , 次 は あ な た が 豊 か に な る 順 番 だ と い う 先 富 論 か ら す れ ば , 人 々 の 19) 山東入の性格は,劉徳増, 1997,山東人, W東人民出!坂社のなかで,その悠久の歴史から さまざまに論じられている。張天麟, (年代不詳), ~í命山東人的性格,

r

山東人は中奈良族の 文化の長子である

J

(p.261),

r

山家人の血統のなかには,二人の人物がかれの心を支配して いる。 l人は孔子,もう l人は梁山泊である。子

L

予は山東人の道徳、を高尚にするが,問時に 一切のことがらに対して恐綴する癖を作って,その結系山東人をして古いしきたりに涜じこ もって進歩を求めようとしないようにしてしまった。また梁山泊は山東人に正義を発擬させ るが,追い詰められると思わぬ非理性的な行動を容易くとってしまうようにしてしまったj (pp. 263-264),張司王, 1988,北雷雨身,

r

w

東人の家のきまりは非常に多く,男子中心主義 で,人を怠切れさせてしまう

J

(p. 228), ~J 徳増 f現在の III 東人は以前と変らず尊卑長践的 な差別秩序をもち,自己を欠いている

J

(p. 229),呉金鼎, 1947,

U

I

東人与山東,

r

山系人の 特性の一つは患いきりがいいこと二つは正復であること,……三つは郎性廉潔で品行 方まなこと

J

(pp.244-259)といったごとくである。 20) 四)1/省のある青年は「人として生れたからには,都市の人も農民も平等であるべきだとい う

J

,そしてそのために次の6つの提案をしている。 1)土地の箆有を廃止すること。土地の耕作者ーの所有とし,自由に売買できる。都市住民 は暫く土地の分配に参加させない。

2

)

国有企業はすべて競売にかけること。売れた金{立国 民に平均して分配する。 3)戸籍制度を廃止し,国民は自由に他所へ移れるようにする。 4) 22業税や各稜の不合壊な負担金を廃止し,都市と農村一律に俄入所得税を徴収し,その税率 も都市と農村悶じとするo5)政府機構を削減し,県クラスの区域には政府の官僚を配援し ないで,住民の自治を実行する。 6)統一的な社会保滋体系をつくること。都市と農村を分 けないで,失業者は最低の生活補効金を受け, 1前60歳になれば養老補助金を受ける (http: II www.bignews.org/20010203.txt)

(18)

112 係数大学総合研究所紀要別問 臼・韓・中における社会意識の比較調査 不公平の気持ちを減少させることになる。つまり,業績的な貧富・職業・学歴はやが て自分も獲得できるのだと。 京都,韓国,北京の学生簡の各不公平領域の認知とそのなかみは大雑把にみれば大 体類似した傾向をもっといえるが,中間の学生と農村青年とはやはり違う。端的にい うと,一つは農村青年の不公平認知の相対的低さであり,他の一つは伝統的要素(イ エ中心主義,男性器先,徳治主義,先祖祭寵など)を否定しでも不公平を認知してい ない場合が相対的に多いことである。 ここでは不公平の認知のあらわれかたを扱ったo

3

カ国

8

対象集団の特鍛について は一定明らになった。今後,不公平に関する一群の変数にどのような共通した因子が 滞在するかを陸子分析によってみること,そしてその国子負荷量と諸変数との関連を みること,社会的出来事の指標化を行ないそれとの意識の関連をみること,不公平を 従属変数にしてどのような変数の影響を受けているかを重回帰分析でみることを行な いたいと患っている。 また,不公平認知それ自体の特般をみることが主であったので,その特鍛の背景に ついてはまだ不充分な説明しかできなかったO いずれも私の次の課題としたい。 私は不公平認知が社会によって形成されるといっ視点とともに,この不公平認知が 社会や集団の構造を変えるという規点が重要だ¥思っている。世界青年意識調査によれ ば,日本の青年が日本の一番の社会問題は不公平の拡大(存在)だと考えている。し かし,青年はそれに対して異議を申し立てていない。なぜであろうか。これも私の次 の課題としたい。 文 献 吉字国千恵、, 1998,男性の性別不公平認知,宮野勝編,公平!容と干士会階層, 1995年 SSM調査シ リーズ(研究成条報告書)第 8巻, 1995年 SSM調査研究会。 海野道郎・斉藤友里子, 1990,公平感と満足感一社会評悩の構造と社会的地位,原給率書編,

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