中国は全ての企業が12 月決算のため、今の時期は会計監査を実施中の企業が多いと思わ れます。2013 年 2 月号メルマガ(80 号)にも掲載しましたが、中国会計用語について、再 度経営管理者(財務管理者はもう少し多くの用語を使う必要がある)にとって概ねこの程 度の会計用語を知っていればよいのではと思われる代表的な会計用語の日中対訳をご紹介 します。ご参考にしてください。 あ:粗利益「毛利润(mao-li-run)」、後入先出法「后进先出法(hou-jin-xian-chu-fa)」 い:一時差異「暂时性差异(zan-shi-xing-cha-yi)」、一般管理費「管理费用(guan-li-fei-yong)」、 移転価格「转移定价(zhuan-yi-ding-jia)」、移動平均法「移动平均法(yi-dong-ping-jun-fa)」、 印紙税「印花税(yin-hua-shui)」 う:請負工事「承包工程(cheng-bao-gong-cheng)」、受取手形「应收票据(ying-shou-piao-ju)」、 売上「销售(xiao-shou)」、売上原価「销售成本(xiao-shou-cheng-ben)」、売上総利益 「销售毛利(xiao-shou-mao-li)」、売掛金「应收帐款(ying-shou-zhang-kuan)」 え:永久差異「永久性差异(yong-jiu-xing-cha-yi)」、営業収入「营业收入(ying-ye-shou-ru)」、 営業税「营业税(ying-ye-shui)」、営業利益「营业利润(ying-ye-li-run)」、延滞金「滞 纳金(zhi-na-jin)」 お:送り状「发货单(fa-huo-dan)」、親会社「母公司(mu-gong-si)」 か:外貨換算「外币折算(wai-bi-zhe-suan)」、買掛金「应付帐款(ying-fu-zhang-kuan)」、 外貨年度検査「外汇年度检查(wai-hui-nian-du-jian-cha)」、開業費「开办费(kai-ban-fei)」、 会計基準「会计标准(kuai-ji-biao-zhun)」、会計方針変更「会计政策变更 (kuai-ji-zheng-ce-bian-geng)」、外国為替レート「外汇汇率(wai-hui-hui-lv)」、回収可 能性「回收可能性(hui-shou-ke-neng-xing)」、価格表「价目单(jia-mu-dan)」、加工費 「加工费(jia-gong-fei)」、貸方「贷方(dai-fang)」、貸倒引当金「坏帐准备 (huai-zhang-zhun-bei)」、貸付金「贷款(dai-kuan)」、加重平均法「加权平均法 (jia-quan-ping-jun-fa)」、課税所得「应纳税所得(ying-na-shui-suo-de)」、割賦売上「分 期收款销售(fen-qi-shou-kuan-xiao-shou)」、過年度損益修正「以前年度损益调整 (yi-qian-nian-du-sun-yi-tiao-zheng)」、借入金「借款(jie-kuan)」、借方「借方(jie-fang)」、 為替差損益「汇兑损益(hui-dui-sun-yi)」、監査報告書「审计报告(shen-ji-bao-gao)」、 関税「关税(guan-shui)」、完成品「产成品(chan-cheng-pin)」、勘定科目「会计科目 (kuai-ji-ke-mu)」、還付「退还(tui-huan)」、関連企業「关联公司(guan-lian-gong-si)」 き:企業所得税「企业所得税(qi-ye-suo-de-shui)」、基準日「基准日(ji-zhun-ri)」、記帳 「记账(ji-zhang)」、期末残高「期末余额(qi-mo-yu-e)」、キャッシュフロー計算書「现 金流量表(xian-jin-liu-liang-biao)」 く:偶発債務「或有负债(huo-you-fu-zhai)」、繰越欠損金「结转亏损(jie-zhuan-kui-sun)」、 繰越利益「结转利润(jie-zhuan-li-run)」、繰延処理「递延会计处理(di-yan-kuai-ji-chu-li)」 け:経営者確認書「经营者确认书(jing-ying-zhe-que-ren-shu)」、計算「计算(ji-suan)」、 計上「计提(ji-ti)」、経常損益「经常损益(jing-chang-sun-yi)」、決済「结算(jie-suan)」、 決算「决算(jue-suan)」、決算日レート「期末汇率(qi-mo-hui-lv)」、欠損「亏损(kui-sun)」、 原価計算「成本计算(cheng-ben-ji-suan)」、、減価償却「折旧(zhe-jiu)」、原価法「成本 法(cheng-ben-fa)」、現金基準「现金基准(xian-jin-ji-zhun)」、源泉所得税「预提所得 税(yu-ti-suo-de-shui)」、源泉徴収「源泉征收(yuan-quan-zheng-shou)」、限定意見「保 留意见(bao-liu-yi-jian)」 こ:恒久的施設「永久性设施(yong-jiu-xing-she-shi)」、合計「合计(he-ji)」、口座「账户 (zhang-hu)」、控除「扣除(kou-chu)」、後発事象「期后事项(qi-hou-shi-xiang)」、小 <1>中谷アドバイザーの一言アドバイス(第 20 回) 進出企業支援情報
売「零售(ling-shou)」、小切手「支票(zhi-piao)」、個人所得税「个人所得税 (ge-ren-suo-de-shui)」、誤謬「错误(cuo-wu)」 さ:差異「差异(cha-yi)」、債権債務「债权债务(zhai-quan-zhai-wu)」、在庫「存货(cun-huo)」、 財務諸表「财务报表(cai-wu-bao-biao)」、債務超過「资不抵债(zi-bu-di-zhai)」、先入 先出法「先进先出法(xian-jin-xian-chu-fa)」、三項基金「三项基金(san-xiang-ji-jin)」、 残存価格「残值(can-zhi)」、残高「余额(yu-e)」、サンプリング「抽样(chou-yang)」 し:仕入「采购(cai-gou)」、仕掛品「半成品(ban-cheng-pin)」、資産「资产(zi-chan)」、 実現主義「实现原则(shi-xian-yuan-ze)」、実地棚卸「实地盘点(shi-di-pan-dian)」、支 払手形「应付票据(ying-fu-piao-ju)」、収益「收益(shou-yi)」、修正仕訳「调整分录 (tiao-zheng-fen-lu)」、出荷「发货(fa-huo)」、取得原価主義「历史成本原则 (li-shi-cheng-ben-yuan-ze)」、純資産「净资产(jing-zi-chan)」、準備基金「储备基金 (chu-bei-ji-jin)」、償却「摊销(tan-xiao)」、証憑「凭证(ping-zheng)」、正味実現可能 価格「可变现净值(ke-bian-xian-jing-zhi)」、剰余金「盈余公积金(ying-yu-gong-ji-jin)」、 仕訳「会计分录(kuai-ji-fen-lu)」、申告「申报(shen-bao)」 せ:税金還付「退税(tui-shui)」、請求書「账单(zhang-dan)」、税効果会計「纳税影响会 计(na-shui-ying-xiang-kuai-ji)」、製造原価「制造成本(zhi-zao-chen-gben)」、節税「节 税(jie-shui)」、前期繰越「前期结转(qian-qi-jie-zhuan)」、前期損益修正「前年度损益 调整(qian-nian-du-sun-yi-tiao-zheng)」 そ:総勘定元帳「总分类帐(zong-fen-lei-zhang)」、総平均法「总平均法(zong-ping-jun-fa)」、 租税条約「避免双重征税协定(bi-mian-shuang-chong-zheng-shui-xie-ding)」、損益計算 書「利润表(li-run-biao)」、損金算入「税前列支(shui-qian-lie-zhi)」、損耗「损耗(sun-hao)」 た:貸借対照表「资产负债表(zi-chan-fu-zhai-biao)」、滞納金「滞纳金(zhi-na-jin)」、耐 用年数「使用年限(shi-yong-nian-xian)」、棚卸差損「存货盘亏(cun-huo-pan-kui)」、 単価「单价(dan-jia)」、担保「担保(dan-bao)」 ち:注記「附注(fu-zhu)」、注文書「订货单(ding-huo-dan)」、帳簿「帐簿(zhang-bu)」 つ:追徴金「追征款(zhui-zheng-kuan)」、通貨「货币(huo-bi)」 て:定額法「直线法(zhi-xian-fa)」、低価法「低价法(di-jia-fa)」、定率法「定率法(ding-lv-fa)」、 適正意見「无保留意见(wu-bao-liu-yi-jian)」、デリバティブ「衍生工具 (yan-sheng-gong-ju)」、伝票「凭单(ping-dan)」、添付書類「附件(fu-jian)」 と:当期純利益「本期净利润(ben-qi-jing-li-run)」、投資総額「投资总额(tou-zi-zong-e)」、 取引「交易(jiao-yi)」 な:内部統制「内部控制(nei-bu-kong-zhi)」 に:二重課税「双重征税(shuang-chong-zheng-shui)」 は:売価還元法「零售价格法(ling-shou-jia-ge-fa)」、配当「股利(gu-li)」、配賦「分配(fen-pei)」 廃棄「报废(bao-fei)」、罰金「罚款(fa-kuan)」、発生主義原則「权责发生制原则 (quan-ze-fa-sheng-zhi-yuan-ze)」、半製品「半成品(ban-cheng-pin)」 ひ:非課税「非应税(fei-ying-shui)」、引当金「准备(zhun-bei)」、評価減「评估减值 (ping-gu-jian-zhi)」、費用収益対応「费用收益配比原则 (fei-yong-shou-yi-pei-bi-yuan-ze)」、標準原価計算「标准成本核算 (biao-zhun-cheng-ben-he-suan)」 ふ:ファイナンスリース「金融租赁(jin-rong-zu-lin)」、負債「负债(fu-zhai)」、附属明細 表「附属明细表(fu-shu-ming-xi-biao)」、振替仕訳「转账分录(zhuan-zhang-fen-lu)」、 フローチャート「流程图(liu-cheng-tu)」、不良在庫「不良库存(bu-liang-ku-cun)」、粉 飾決算「粉饰决算(fen-shi-jue-suan)」 ほ:簿価「账面价值(zhang-mian-jia-zhi)」、簿外資産「帐外资产(zhang-wai-zi-chan)」、 保守主義原則「稳健性原则(wen-jian-xing-yuan-ze)」、補填「弥补(mi-bu)」、FOB 価 格「离岸价格(li-an-jia-ge)」 ま:前受金「预收帐款(yu-shou-zhang-kuan)」、前払金「预付款(yu-fu-kuan)」、前払費
用「待摊费用(dai-tan-fei-yong)」 み:未収金「应收款(ying-shou-kuan)」、未払金「未付款(wei-fu-kuan) も:持分「股权(gu-quan)」、持分法「权益法(quan-yi-fa)」、元帳「总账(zong-zhang)」 よ:予算「预算(yu-suan)」、予定原価「预定成本(yu-ding-cheng-ben)」 ら:ライセンス契約「特许合同(te-xu-he-tong)」、来料加工「来料加工(lai-liao-jia-gong)」 り:リース「租赁(zu-lin)」、リベート「回扣(hui-kou)」、流動資産「流动资产 (liu-dong-zi-chan)」 れ:連結決算「合并决算(he-bing-jue-suan)」連結修正「合并调整(he-bing-tiao-zheng)」 ジェトロ北京進出企業支援センターアドバイザー 中谷政行 [email protected]
当コーナーでは、最近の中国における法務労務・会計税務の動きについて把握頂くた め、要点を絞ってご説明致します。 (1)『全国中小企業株式譲渡システムに関する問題についての国務院の決定』 《国务院关于全国中小企业股份转让系统有关问题的决定》 (国務院 国発〔2013〕49 号 2013 年 12 月 13 日公布) http://www.gov.cn/zwgk/2013-12/14/content_2547699.htm 同決定の主な内容、今後の注意点について、大地法律事務所に解説頂いた。 1.主な内容 (1)全国株式譲渡システムは、国務院の批准を経て、証券法に基づいて設立された全国的 な証券取引場所であり、主にイノベーション型、成長型の中小零細企業の発展にサービス を提供するものである。条件を満たす国内の株式会社は、主幹事証券会社を通じて、全国 株式譲渡システムへの登録を申請し、公開下で株式譲渡を行い、持分融資、債権融資、資 産再建等を行うことができる。(第1条) (2)全国株式譲渡システムに登録する会社が株式上場の条件を満たした場合、証券取引所 に上場取引を直接申請することができる。(第2条) (3)登録した会社が法により非上場公開会社の監督管理に組み入れられる場合、株主数は 200人を超えてもよい。株主数が200人を超えない株式会社が全国株式譲渡システムへの登 録を申請する場合、中国証券監督管理委員会は審査認可を免除する。(第3条) (4)当該決定は、投資家のリスク識別と引き受け能力に応じた投資家妥当性管理制度の設 立を要求している。(第4条) (5)国務院の関係部門は、統一・調整を強化し、中小零細企業による全国株式譲渡システ ムの利用のために、好ましい制度環境を創造する。市場建設において、税收政策に関する 事項については、原則として、上場会社の投資家に関する税收政策に照らして処理する。 外資政策に関係する場合、原則として、取引所の市場及び上場会社に関連する規定に従う。 (第 6 条) 2.今後の注意点 当該決定の施行により、民間投資のルートがさらに拡がることになり、中小零細企業の 資金調達手段が増えることが見込まれる。(全 6 条) (2)『一部行政法規の改正に関する国務院の決定』 《国务院关于修改部分行政法规的决定》 (中華人民共和国第 645 号 2013 年 12 月 7 日公布 同日施行) http://www.gov.cn/zwgk/2013-12/19/content_2548665.htm 同決定の主な内容、今後の注意点について、大地法律事務所に解説頂いた。 1.主な内容 <2>法務労務・会計税務情報
解説
解説
(1)『中華人民共和国都市・鎮土地使用税暂行条例』第7条に記載された「省、自治区、直 轄市税務機関の審査を受けた後、国家税務局に報告して認可を受ける」を次のように変更 した。「県以上の地方税務機関による認可を受ける」。 (2)『外国商会管理暫定施行規定』第7条を削除した。 『外国商会管理暫定施行規定』第9条を次のように変更した。 「外国商会の設立に係る申請は中華人民共和国民政部(以下「登記管理機関」という。)に 書面により申請し、法により登記をしなければならない。登記管理機関は、第8条に定める 全書類を受領した日から60日以内に登記の可否を決定し、登記を認める場合、登記証書を 交付する。登記を認めない場合、書面により理由を説明する。外国商会は、登記を許可さ れ、登記証書の交付を受けることで成立する。」 『外国商会管理暫定施行規定』第11条を次のように変更した。 「外国商会は毎年1月に、登記管理機関に前年度の活動状況報告を提出しなければならない。 中国国際貿易促進委員会は、外国商会が設立され活動を展開する、及び中国の関係主管機 関と連絡をとる場合、コンサルティング及びサービスを提供しなければならない。」 (3)『中華人民共和国輸出入関税条例』第39条の「税関総署の批准を経て」を「税関の批 准を経て」に変更した。 (4)『著作権集団管理条例』第15条を次のように変更した。「著作権集団管理組織が定款を 変更する場合、法により国務院の民政部門による審査認可を得た後に、国務院の著作権管 理部門が公告しなければならない。」 (5)『危険化学品安全管理条例』第 6 条第 5 号について、「鉄道主管部門は、危険化学品の 鉄道輸送における安全管理に責任を負い、危険化学品の鉄道輸送における輸送請負人及び 荷送人の資質審査認可並びにその輸送手段の安全管理に責任を負う。」を次のように修正し た。「鉄道主管部門は、危険化学品の鉄道輸送及びその輸送手段の安全管理に責任を負う。」 『危険化学品安全管理条例』第 53 条第 2 項について、「国の海事管理機構の認定する機 構による評価を経て」を次のように修正した。「貨物所有者又は代理人は、関連技術機構に 委託して評価を行い」。 2.今後の注意点 国務院は一連の行政審査認可項目を取消又は権限委譲した。企業は改正後の法規を確認 しておく必要がある。(全 16 条) (3)『政府が認可する投資プロジェクト目録(2013 年版)の発布についての通知』 《关于发布政府核准的投资项目目录(2013 年本)的通知》 (国務院 国発〔2013〕47 号 2013 年 12 月 2 日公布 同日施行) http://www.gov.cn/zwgk/2013-12/13/content_2547379.htm 同通知の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に 解説頂いた。 1.主な内容 中国では農業水利、エネルギー、外商投資等、一定の投資プロジェクトに政府の認可が 必要とされており、これらの認可が必要なプロジェクトを列記したのが「政府が認可する 投資プロジェクト目録」(以下「本目録」)である。本目録は、2004 年以降改正されていな かったが、政府機構の一層の簡素化、政府の投資管理機能の転換、資源配分において市場 に確固たる役割を果たさせること、企業投資の主体的な地位の確立等を目的(本通知前文) として、目録の改正が行われた。
解説
本目録のうち、外商投資に関しては第十二項目に記載されている。その概要及び改正前 目録との主な変更点は以下のとおり。総じていえば、政府の認可が必要となるプロジェク トが減少している。 ① 国務院投資主管部門1認可のプロジェクト: 「外商投資産業指導目録」において中国側の持分支配(相対的持分支配を含む)が 要求されおり、かつ総投資額(増資を含む)が 3 億米ドル以上の奨励類プロジェク ト、及び総投資額(増資を含む)が 5,000 万米ドル以上の制限類(不動産を含まな い)プロジェクトが該当するとしている。 つまり、奨励類プロジェクトに関しては、これまでになかった「中国側の持分支配 (相対的持分支配を含む)」が付加された及び 1 億米ドル以上が 3 億米ドル以上に引 き上げられたところが変更点である。制限類プロジェクトについては「(不動産を含 まない)」として、不動産に関連するプロジェクトを除外したところが変更点となる。 ② 省級政府認可のプロジェクト: 「外商投資産業指導目録」の制限類における不動産プロジェクト及び総投資額(増 資を含む)が 5,000 万米ドルを下回る制限類のその他のプロジェクトが該当すると している。 改正前の目録では国務院投資主管部門が認可するプロジェクト以外の外商投資プロ ジェクトは、地方政府が関連法規に照らして認可を行うとのみ規定されていた2。 ③ 地方政府認可のプロジェクト: 「外商投資産業指導目録」において中国側の持分支配(相対的持分支配を含む)が 要求されており、かつ総投資額(増資を含む)が 3 億米ドルを下回る奨励類のプロ ジェクトが該当するとしている。 改正前の目録では国務院投資主管部門が認可するプロジェクト以外の外商投資プロ ジェクトは、地方政府が関連法規に照らして認可を行うとのみ規定されていた3。 その他、①~③に列挙される以外の本目録第一条ないし第十一条に掲げられるプロジェ クトは、本目録第一条ないし第十一条の規定に基づき認可するとされ、また、外商投資企 業の設立及び変更事項は、現行の関連規定に従い商務部及び地方政府が認可するとされて いる。 なお、外商投資プロジェクトの認可については、2004 年公布の「外商投資プロジェクト 認可暫定管理弁法」が存在するが、同規則は本目録に沿わない内容が含まれることから、 同規則の改正又は新たな規則が早晩制定されるものと予想される。 2.今後の注意点 本通知は、11 月の三中全会の決定で明確に要求されている「投資体制の改革を深化し、 企業投資の主体的な地位を確立する。企業投資プロジェクトは、国家安全、生態安全、全 国規模の重大な生産力の配置、戦略的資源開発及び重大な公共利益等に関するプロジェク トを除き、一律に企業が法に従い自主的に政策決定し、政府は認可管理を行わない」との 項目を受け、制定されたものであると考えられる。本通知によって外商投資プロジェクト 分野においても、事前認可による管理から事後的な管理へと移行させることを中国政府が 意図していることをうかがうことができる。 1 国務院投資主管部門とは、国家発展改革委員会を指す(「企業投資プロジェクト認可暫定 規則」第2 条第 2 項)。 2 もっとも、2004 年公布の「外商投資プロジェクト認可暫定管理弁法」第 4 条では、投資 総額が5,000 万米ドルを下回る制限類プロジェクトについては省級発展改革部門が認可を 行うとしている。 3 もっとも、「外商投資プロジェクト認可暫定管理弁法」第 4 条では、投資総額が 1 億米ド ルを下回る奨励類プロジェクトについては地方発展改革部門が認可を行うとしている。
企業は、今後本通知を参照し、自らの行う投資プロジェクトについての認可の要否及び いずれの認可が必要かを確認する必要がある。 同目録の主な内容、今後の留意点について、天達法律事務所に解説頂いた。 1. 主な内容 本目録は、国務院投資主管部門と地方投資主管部門による審査確認(中国語:核准)の 投資プロジェクトが規定されているものである。2004 年公布の規定に比べ、今回公布の 2013 年版では主に以下の修正が示されている。 2013 年版では、外商投資プロジェクトを含む 13 の投資分野において、政府による審査確 認が要求される項目について規定されている。2004 年版に比べ、①審査確認を取り消し、 届出制に変更した項目は 19、②権限を地方政府に委譲した項目は 20、③権限を国務院の業 界主管部門に移行した項目は 10 あり、調整された項目は合計 49 である。改正後、中央政 府が審査確認権限を有する項目は、改正前より約 60%減少した。 2.今後の留意点 2004 年版に比べ、2013 年版では政府の審査確認が要求される投資プロジェクトの範囲が は大幅に減少、また、外商投資プロジェクトについては、地方政府による審査確認の範囲 が拡大された。 (4)『金融によって支持される中国(上海)自由貿易試験区建設についての意見』 《关于金融支持中国(上海)自由贸易试验区建设的意见》 (中国人民銀行 2013 年 12 月 2 日公布) http://www.pbc.gov.cn/image_public/UserFiles/goutongjiaoliu/upload/File/%E4%B8%A D%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%B0%91%E9%93%B6%E8%A1%8C%E5%85%B3%E 4%BA%8E%E9%87%91%E8%9E%8D%E6%94%AF%E6%8C%81%E4%B8%AD%E5%9 B%BD%EF%BC%88%E4%B8%8A%E6%B5%B7%EF%BC%89%E8%87%AA%E7%94% B1%E8%B4%B8%E6%98%93%E8%AF%95%E9%AA%8C%E5%8C%BA%E5%BB%BA% E8%AE%BE%E7%9A%84%E6%84%8F%E8%A7%81.pdf 同意見の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に 解説頂いた。 1.主な内容 本意見は、試験区の実体経済の発展を促進し、クロスボーダー投資及び貿易に対する金 融サポートを強化し、金融改革を深化させ、対外開放を拡大することを目的として公布さ れた(本意見前文)。 本意見は全部で 7 項目からなり、そのうち外国企業にとって特に注目に値すると考えら れる 4 項目の概要は以下の通り。 ① リスク管理に有利性がある口座体系の革新(本意見第 2 項目) 中国にありながらオフショア口座としての機能を有する自由貿易口座が導入された。 自由貿易口座には試験区内の居住者が開設する「居住者自由貿易口座」と非居住者 が開設する「非居住者自由貿易口座」の 2 種類があり、このうち「居住者自由貿易
解説
解説
口座」は、国外口座、国内貿易区外の非居住者口座、非居住者自由貿易口座及びそ の他の居住者自由貿易口座との間で自由に資金の振り替えが可能とされている(同 項目(5))。また、「居住者自由貿易口座」及び「非居住者自由貿易口座」のいずれ もクロスボーダー融資、担保等の業務を行うことができるとされ、条件が成熟した ときには口座内の人民元・外貨資金を自由に兌換することができるとされている(同 項目(6))。 ② 投融資・為替の利便性の模索(本意見第 3 項目) 投融資及びそれに伴う為替について利便性の模索が図られている。例えば、投資に 関して、試験区におけるクロスボーダー直接投資は、外貨管理に関する事前認可を 要せずに、直接銀行においてクロスボーダーでの受け取り・支払い、兌換業務を行 うことができるとされ(同項目(8))、また融資に関して、経営の必要に基づき、試 験区内に登録した外資企業等は、規定により国外から人民元・外貨資金をファイナ ンスできるとされている(同項目(11))。 ③ 人民元のクロスボーダー使用の拡大(本意見第 4 項目) 人民元のクロスボーダー使用の拡大が図られている。例えば、区内企業は、前述② でも言及している国外からの人民元資金の借り入れができるとされ(同項目(15)) 4、また自社の経営の必要に基づき、企業グループ内での双方向の人民元プーリング 業務を展開し、その国内外の関連企業のために経常項目の集中受け取り・支払い業 務の提供ができるとされている(同項目(16))。 ④ 外貨管理改革の深化(本意見第 6 項目) 同項目では、外貨管理改革として、前述②でも言及している直接投資外貨管理手続 の簡素化、具体的には直接投資に係る外貨登記及び変更登記を銀行手続に委譲し、 事後の監督管理を強化すること、取引の真実性及びデータ収集の完全性が保障され る条件下において、区内の外商直接投資に係る外貨資金の自由な元転を許可するこ と(同項目(22))等に言及している。 上記 4 項目以外では、試験区がさらに高いプラットフォームとして国際競争へ参加す ることの推進等の本意見の原則に言及している「総体原則」(本意見第 1 項目)、条件が成 熟したときの区内一般口座の小額の外貨預金利率の上限の開放等を規定している「利率市 場化の穏当な推進」(本意見第 5 項目)、区内の金融機関等にクロスボーダーの異常な資金 移動への注意義務を課した「モニタリングと管理」(本意見第 7 項目)がある。 2.今後の注意点 本意見によって明確になった上海市自由貿易試験区における金融政策は、試験区内の企 業に金融面での自由、利便性をもたらし、その活動に多くの選択肢を与えるものといえる。 このため、現在既に試験区に進出している企業はもちろんのこと、今後試験区への進出 を検討している企業においては、本意見によって明確になった金融政策を確認し、試験区 を基盤にした有利な中国業務の展開を検討することが望まれる。 (5)『クロスボーダー人民元直接投資に関連する問題についての公告』 《关于跨境人民币直接投资有关问题的公告》 (商務部公告 2013 年 87 号 2013 年 12 月 3 日公布 2014 年 1 月 1 日施行) http://www.mofcom.gov.cn/article/b/c/201312/20131200426357.shtml 同公告の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に 解説頂いた。 4 ただし、借り入れた人民元資金は、有価証券、デリバティブ商品への投資に用いてはなら ず、委託貸付に用いてはならないとされている。
1.主な内容 本公告は、クロスボーダー人民元直接投資の利便化を推進し、監督管理措置の完全化を 目的(本公告前文)として制定された。ここでいうクロスボーダー人民元直接投資とは、 国外投資家(香港・マカオ・台湾の投資家を含む)が合法的に獲得した国外人民元をもっ て中国において企業新設、増資、持分出資又は国内企業の合併・買収等の外商直接投資活 動を展開することを指す(本公告第 1 条)。 本公告は、クロスボーダー人民元直接投資における関連手続の簡素化を図ったものと考 えられる。具体的には、まず、本公告の公布に伴い廃止される「クロスボーダー人民元建 て直接投資に関する問題についての通知」(以下「旧通知」といいます)で規定されていた ①外商投資において通常必要となる関連書類に加えて課される「人民元資金源を証明し又 は説明する文書」等の提出(旧通知第 5 条第 1 項)、②人民元出資金額が 3 億人民元以上で ある場合等の商務部の審査(旧通知第 6 条)への言及がなくなっており、これらの手続が 不要となるものと予想される(もっとも、弊所において商務部等にヒアリングを行った結 果では、現時点では本公告に基づいたクロスボーダー人民元直接投資の実務対応方針は確 定していないようである。上記①②の手続が実務上不要になるか否かは、本公告に関連す る細則等の制定を待つ必要がありそうだ)。 また、本公告は国外投資家がもとの出資通貨を外貨から人民元に変更することを申請す る場合、契約又は定款変更の許可を得る必要はないとし(本公告第 5 条)、商務主管部門へ の許可の申請をしなければならないとしていた旧通知第 5 条第 2 項の内容を変更している。 なお、本公告第 3 条では、外商投資企業は、クロスボーダー人民元直接投資の資金を使 用して中国国内で直接又は間接的に有価証券及び金融デリバティブ商品に投資してはなら ず(上場企業への戦略的投資を除く)、並びに委託貸付に使用してはならないとされており、 直接投資の人民元資金は外商投資企業の通常の営業範囲内での使用が想定されていること は、従前と変更ない(旧通知第 4 条)。 2.今後の注意点 中国では、2012 年公布の「輸出貨物貿易に関する人民元決済企業管理に関する問題の通 知」によって輸出貨物貿易に関して中国内の全ての企業に人民元建てでの対外決済を認め るなど、外国所在の企業が人民元を取得する機会も増えている。本公告は、このような状 況を踏まえ、今後想定されるクロスボーダー人民元直接投資の機会の増加を視野に入れて 制定されたものと考えられる。 本公告によりクロスボーダー人民元直接投資の手続が簡素化し、より行いやすくなるも のと考えられるので、恒常的に人民元を取得する企業等においては、為替リスク回避のた めにも、クロスボーダー人民元直接投資の実施も検討に値すると考える。 (6)『銀行のトレードファイナンス業務における外貨管理の完全化に関連する問題に ついての通知』 《关于完善银行贸易融资业务外汇管理有关问题的通知》 (国家外貨管理局 匯発〔2013〕44 号 2013 年 12 月 6 日公布 同日施行) http://www.safe.gov.cn/wps/portal/!ut/p/c5/04_SB8K8xLLM9MSSzPy8xBz9CP0os3gPZx dnX293QwML7zALA09P02Bnr1BvIyNvc6B8pFm8s7ujh4m5j4GBhYm7gYGniZO_n4dz oKGBpzEB3eEg-_DrB8kb4ACOBvp-Hvm5qfoFuREGWSaOigDuOwR_/dl3/d3/L2dJQS EvUUt3QS9ZQnZ3LzZfSENEQ01LRzEwODRJQzBJSUpRRUpKSDEySTI!/?WCM_GL OBAL_CONTEXT=/wps/wcm/connect/safe_web_store/safe_web/zcfg/jcxmwhgl/jcksfhyh
解説
xgl/node_zcfg_jcxm_jck_store/8486de0042197e8581fafb3e0e4da78e%20 同通知の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に 解説頂いた。 1.主な内容 一昨年 8 月 1 月施行の「貨物貿易外貨管理法規の印刷、公布に関する問題についての通 知」により貨物貿易外貨に関する管理制度が変更5され、外貨決済が簡素化されたが、その 弊害と思われる不正な外貨資金流入が増加したため、中国政府は昨年 5 月に「外貨資金流 入管理強化関連問題に関する通知」を公布した。本通知は上記通知に続いて特にトレード ファイナンスに関するものとして公布されており、中国政府が外貨決済の簡素化に伴う弊 害対策に注力していることがうかがえる。 本通知は、各地の外貨管理部門及び銀行をその名宛人として公布したものだが、そのう ち、企業に対しても影響があると考えられる条項の概要は以下のとおり。 まず、本通知第 2 項目において、企業が銀行に対して信用状、取立て等の方式でクロス ボーダー取引に係るトレードファイナンス業務を申請した場合、銀行において、関連貿易 背景の真実性、適法性を確認し、トレードファイナンスの金額、期限と相応の貿易背景が 一致しているか否かを確認しなければならない(本通知第 2 項目(1))、特に長期のトレー ドファイナンス業務について以下のいずれかの状況が存在する場合、審査を強化しなけれ ばならない、業務の真実性、適法性に疑問がある場合、企業に取引関連契約と正本の貨物 所有権証拠の提出を要求するとしている(本通知第 2 項目(2))。 ① 融資業務が、頻度が高く、規模が大きく、取引相手が相対的に集中し、又は関連企 業であり、貿易収支における外貨と人民元の通貨ミスマッチが比較的目立つ等の特 徴を有している ② 融資に対応する商品は、それ自体の価値が高い、若しくは生産した付加価値が高い、 体積が小さく輸送しやすい、又は梱包、保管が標準化しやすい等の特徴(これらに 限らない)を有している ③ 中継貿易、転売(税関特殊監督管理区域を経由して貨物を輸入し、かつ転売輸出す ることを指す)等の形式を通じて対外貿易活動を展開している また、銀行が日常業務を行う上において、企業に上記本通知第 2 項目(2)に関連して、 取引に疑いのあることを発見した場合、遅滞なく国家外貨管理局分支局(以下「外管局」 といいます)に報告し、かつ積極的に外管局と協力して異常なクロスボーダー資金流入措 置を採るべきとしている(本通知第 2 項目(4))。 次に、本通知第 3 項目では、貨物外貨管理上の A 類企業に以下に例示される状況が存在 する場合、外管局が同企業に「リスク提示書」を発送することとされている。この場合、 企業は 10 営業日以内に状況を説明しなければならず、企業が遅滞なく状況を説明できない 場合又は合理的な解釈を行うことができない場合、外管局は「貨物貿易外貨管理ガイドラ イン実施細則」第 55 条等の規定に基づき、同企業を B 類に組み入れ、情状が深刻な場合に は C 類に組み入れて厳格な監督管理を実施するとしている。 ① 資金量と貨物量の深刻な不一致が存在する ② 中継貿易の受け取り、支払い規模が比較的大きくかつ成長が比較的速い ③ 長期トレードファイナンスの規模が比較的大きくかつ比率が高い ④ クロスボーダーファイナンスにおける利ざや取引取得の典型的な特徴を有する 5 それまでは採用されていた、貨物代金の決済時に、その都度通関実績を確認する、いわゆ る消し込み照合(中文:核销)制度が廃止された。
解説
さらに、本通知第 5 項目において、処罰力の強化として、銀行、企業が本通知の規定に 違反した場合、外管局は「外貨管理条例」等の法規に基づき処罰を科す旨、犯罪を構成す る場合、法に基づき刑事責任を追及する旨を強調している。 2.今後の注意点 上記 1 でも言及したが、本通知は、昨年 5 月の「外貨資金流入管理強化関連問題に関す る通知」に続き公布されており、中国政府が外貨決済の簡素化に伴う弊害対策に注力して いることがうかがわれる。 企業においては、当然ながら不正な外貨受け取り、支払い行為は実行するべきではない が、何らかの事由により本通知第 2 項目又は第 3 項目で列挙される状況に該当すると判断 され、資料提出、状況説明を求められる場合に備え、取引に係る関連資料の保管、管理を 徹底することが、貨物貿易外貨に関する管理制度の変更後も必須であると考えられる。 (7)『「中華人民共和国海洋環境保護法」等の 7 部の法律の改正についての決定(2013) *同決定における会社法の改正について』 《关于修改〈中华人民共和国海洋环境保护法〉等七部法律的决定(2013)》 (第十二回全国人民代表大会常務委員会第六回会議通過 2013 年 12 月 28 日公布 2014 年 3 月 1 日施行) http://www.npc.gov.cn/npc/xinwen/2013-12/30/content_1821988.htm 同決定の主な内容、今後の注意点について、KLO 投資コンサルティング(上海)有限公司に 解説頂いた。 1.主な内容 本決定では表題にあるとおり、海洋環境保護法等の 7 部の法律を改正しているが、その 中で会社法に関する重要な改正がなされている(もっとも、改正内容は既に上海自由貿易 試験区において導入が決定されていたものである6)。具体的には以下のとおり。 第一に、登録資本の払込登記制から引受登記制への転換が図られている。従前は登録資 本の払込登記制が導入されていたため、出資額の支払期限(旧会社法第 26 条第 1 項、第 81 条第 1 項等)、出資後の出資検査(旧会社法第 29 条)によって、資本の払い込みの担保を 行い、営業許可証に「実際に払い込まれた資本」の項目を記載する(会社法第 7 条第 2 項) こととされていたが、引受登記制への転換に伴いこれらの規定は削除された。 第二に、登録資本最低額の緩和が図られている。これまでは会社法において登録資本の 最低額(有限責任会社の場合 3 万元(旧会社法第 26 条第 2 項)、一人有限会社の場合 10 万 元(旧会社法第 59 条第 1 項)、株式会社の場合 500 万元)が設定されていたが、これらが 削除され、法令等で別途定めがない限り、登録資本の最低額の制限がなくなった。 その他、これまで有限責任会社における金銭による出資金額は登録資本の 30%を下回っ てはならないとされていた制限(旧会社法第 27 条第 3 項)が撤廃され、また有限責任会社 においては「株主の氏名又は名称」、「その出資額」を登記しなければならないとしていた (旧会社法第 33 条第 3 項)ところ、「その出資額」については登記が不要となった。 2.今後の注意点 登録資本の払込登記制から引受登記制への転換、登録資本最低額の緩和によって、中国 6 2013 年 9 月 26 日公布の「国家工商行政管理総局による中国(上海)自由貿易試験区建設 の支持に関する若干意見」第1 項目(1)
解説
における会社設立が容易になった。現時点では、改正会社法に基づいた会社設立に関する 実務上の取扱いを定めた法令等は制定されておらず、また改正会社法の外商投資企業設立 に対する適用の有無も明確になっていない。内国民待遇の原則に基づけば、外商投資企業 への適用が予想されるが、工商部門のほか商務部門、外貨管理部門等の各関連部門にかか わっているため、前回 2005 年の改正後と同様に、改正会社法が施行される本年 3 月 1 日ま でに何らかの法令等が公布されるものと予想される。したがって、外商投資企業設立に対 する適用の有無はそれらの法令等の公布を待つ必要がある。 なお、改正会社法によって会社設立が容易になった反面、払込登記制から引受登記制へ の転換によって、外見上の登録資本額のみが巨額で実体が伴わない会社が増加することも 想定されるので、中国企業との取引を行う際はこの点への注意が必要となろう7。 (8)『「中華人民共和国会社法」の修正に関する決定』 《关于修改〈中华人民共和国公司法〉的决定》 (全国人民代表大会常務委員会 2013 年 12 月 28 日公布 2014 年 3 月 1 日施行) http://www.mofcom.gov.cn/article/difang/jilin/201312/20131200443205.shtml 同決定の主な内容、今後の留意点について、天達法律事務所に解説頂いた。 1. 主な内容 今回の修正は主として、①登録資本の払込登記制から引受登記制への変更、②登録資本 に関する登記条件の緩和、③登録資本関連の登記事項と登記書類の簡素化である。重要な 修正条文を下表に纏めた。 修正前 修正後 コメント 第七条二項 会社の営業許可 証には会社の名称、住所、登録 資本、払込資本、経営範囲、法 定代表者氏名などの事項を記 載しなければならない。 「払込資本」を削除した。 1、従来、営業許可証の記載 事項としての払込資本が変 更された場合、営業許可証の 更新が要求されていた。払込 資本が記載されなくなるこ とにより、その変更の都度営 業許可証の更新手続を行う 必要がなくなる。 2、有限責任会社の登録資本 の最低額3万元(一人有限責 任会社の場合は10万元)が廃 止された。修正後、全株主の 引き受けた出資額を定款に 定め、登録資本とする必要が ある。理論上は定款に全株主 の引き受けた出資額を1元 と約定することも可能。 3、初期出資の最低比率に対 する要求が削除され、会社設 第二十三条 有限責任会社を 設立する場合、以下の条件を満 たさなければならない。 (二)株主の出資額は法定資本 の最低限度額に達しているこ と。 (二)号を「会社定款に 定められている全株主の 引き受けた出資額を有す ること」に変更した。 第二十六条 有限責任会社の 登録資本は、会社登記機関にて 登記された全株主の引き受け た出資額とする。会社の全株主 の初期出資額は登録資本の20% を下回ってはならず、法定登録 資本の最低限度額を下回って はならない。その残りの部分は 第二十六条 有限責任会 社の登録資本は、会社登 記機関にて登記された全 株主の引き受けた出資額 とする。 法律、行政法規および 国務院決定では有限責任 会社の登録資本の引受 7 一部の地方では、会社が自由意思により払込み済み資本金の工商局への届け出を行い、当 該情報を企業信用情報検索システムで開示するとの試みを実施しているケースがある。
解説
株主が会社成立日から2年以内 に全額払い込まなければなら ない。投資会社は5年以内に全 額払い込めばよい。 有限責任会社の登録資本の 最低限度額は3万元とする。法 律、行政法規では有限責任会社 の登録資本の最低限度額につ いてより高い規定がある場合、 その規定に従う。 け、登録資本の最低限度 額について別途規定があ る場合、その規定に従う。 立(または増資)時に資本金 を払い込まなくても会社を 設立(または増資)すること ができる。 4、法律、行政法規の別途規 定について、保険法、証券法、 商業銀行法などが挙げられ るが「国務院決定」が追加さ れ、立法上の柔軟性が示され ている。 第二十七条三項 全株主の貨 幣出資額は有限責任会社の登 録資本の30%を下回ってはなら ない。 同項を削除した。 現金出資の最低比率に対す る要求が廃止され、理論上は 100%現物または技術による 出資も可能となる(ただし、 この場合、現物または技術の 資産評価が依然として必 要)。 第二十九条 出資を払い込ん だ後、法に基づき設立された出 資検査機構が出資検査を行い、 かつ出資検査報告を発行しな ければならない。 同条を削除した。 会社設立(または増資)時、 会計士事務所の出資検査報 告(検資証明)が要求されな くなった。手続の利便化が図 られる。 第三十条 株主の初期出資が 法に基づき設立された出資検 査機構による出資検査を経た 後、全株主の指定する代表者ま たは共同して委託する代理人 が、会社登記機関に会社登記申 請書、会社定款、出資検査報告 などの書類を提出し、設立登記 を申請する。 株主が会社定款に定める 出資を全額引き受けた 後、全株主の指定する代 表者または共同して委託 する代理人が、会社登記 機関に会社登記申請書、 会社定款などの書類を提 出し、設立登記を申請す る。 また、株式有限会社についても、上述した三方面において相応の条文修正がなされた。た だし外商投資企業の設立形式は、その殆どが有限責任会社であるため、本表では、株式有 限会社に関する修正条文およびコメントの解説は割愛する。 2. 今後の留意点 登録資本の払込登記制から引受登記制への変更は、会社の資本金制度に関する規制緩和 である。ただし、会社法第三条二項によると、有限責任会社の株主は、その引き受けた出 資額を限度として会社に対し責任を負わなければならない。この意味において、株主が実 際に出資を払い込んだか否かを問わず、定款に定められている引受出資額に応じて会社に 対し責任を負わなければならない。また、登録資本制度の変更は、会社設立/変更手続に 大きな影響を与える。3 月からの施行に合わせ、会社登記管理条例、登録資本管理規定など の関連法令の修正が急務となり、これら法令の修正状況および各地工商行政管理部門の新 しい手続案内に引き続き留意する必要がある。 (9)『輸出貨物・役務に係る増値税と消費税に関する問題の公告』 《关于出口货物劳务增值税和消费税有关问题的公告》
(国家税务总局公告 2013 年第 65 号 2013 年 11 月 13 日公布 2014 年 1 月 1 日施行) http://www.chinatax.gov.cn/n2226/n2271/n2272/c593215/content.html 同公告の主な背景、内容、提言について、天津博納投資顧問有限公司に解説頂いた。 1.主な背景 輸出税金還付の管理を規範化し、輸出貨物・役務に係る税収政策を厳格に執行するため、 国家税務総局は『国家税務総局 輸出貨物・役務に係る増値税と消費税に関する問題の公 告』(以下は“公告”と言う)を発表した。輸出貨物・役務とは、輸出企業又はその他企業に より輸出する貨物(輸出貨物とみなされる場合を含む)、あるいは対外的に提供される加工・ 修理修繕の役務のことを指している。 2.主な内容 公告は、従来の内容を修正し、新たな内容を一部追加すると共に申告手続の簡略化を規 定するものである。具体的な内容は以下の通りである。 (一)明確にした内容及び修正された内容 ■ 輸出税金還付資格認定の取消について 輸出還付(免除)税金を精算していない場合、企業が輸出税還付(免除)資格認定を取り 消すことができる2つの状況をさらに明確にした。 輸出企業が、税務機関に輸出税金還付(免除)申請をしたが、未処理項目の放棄を表 明し、規定に基づき免税申請する場合は税金を精算したとみなす。 輸出企業が、合併、分割、再編などを理由とし、税金還付(免除)資格認定の取消を 申請する場合、主管税務機関にて『税金還付(免除)資格認定の取消を申請する企業 の未精算還付(免除)税金の確認書』を申告し、批准文書等の資料を提出することが できる。 ■生産企業進料加工の計画分配率について 進料加工計画分配率の確定方法を明確にした 前年度の税関の照合済の手冊がないため、当年度の進料加工業務契約分配率を確定で きない場合、直近に確定した「前年度照合済手冊総合実際分配率」を当年度の計画分 配率として使用する。 「前年度照合済手冊総合実際分配率」と当年度の実際状況に差異が大きく生じている 場合、企業は主管税務機関に当年度の予定進料加工計画分配率及び合理的な理由を書 面で提出することで、予定進料加工計画分配率を当年度の計画分配率とすることがで きる。 ■ 「合法かつ有効な証憑」の種類についての補足 免税政策を適用できる輸出貨物に係る資料(後日の審査に備える資料)の内、「合法かつ 有効な証憑」の内容を補足した 法律に基づき、貨物を競売する場合、競売人が署名した成約確認書を「合法かつ有効 な証憑」とする。 資産再編の方式で設立する場合、再編前に無償で貨物を移送した場合、資産再編に係 る書類、貨物の無償移送を証明する資料を「合法かつ有効な証憑」とする。 ■ 税金還付(免除)申請時の申告延期と免税申告への移行方法を規定した 旧規定 新規定 輸出企業は特殊原因により、申告期限通り に税金還付(免除)申告ができない場合、 申告延期の申請をしたが、免税申告期限後に 申告延期の認可がされない場合、条件的には
解説
規定に基づき申告の延期を申請することが できる。企業は申告期限前に、主管税務機 関に申請し、その後、省国家税務局までに 届出を行う。 免税申告が可能であったにも関わらず、結果 的に免税申告できないことになる。そこで、 当該輸出貨物が免税条件を満たす場合、適切 に免税申告をすべきとした。免税申告をしな い場合は、増値税の課税政策を適用する。 (二)新たに追加された内容 適用する全ての税金還付(免除)政策を放棄する。 輸出企業は税金還付(免除)政策に基づく輸出貨物・役務に係る税金還付(免除)を放 棄することができる。企業は適用する増値税免税政策又は徴税政策を選択することがで きる。但し、放棄した場合、36 ヶ月は変更することができない。 加工貿易の委託加工費の税金還付(免除)の管理を修正した。 委託加工に係る加工貿易輸出企業は税金還付(免除)の申請にあたり提供する加工費の 領収書が、加工貿易手冊に明記された企業が発行するものではない場合、輸出企業は主 管税務機関に書面による説明資料を提出し、主管税関が発行する証明書を提出する必要 がある。提出できない場合、加工費を控除または税金還付(免除)を申請することがで きない。 通関の特殊監督区域に移送された貨物を特殊監督区域内の企業、域外企業または個人に販 売する場合、輸出税金還付(免税)を申請する場合、人民元建てで決済した場合、外貨受 取証憑に代えて、人民元の受領証憑を提供することができることを明確にした。 『代理輸出貨物証明』の発行管理を強化した 代理輸出の受託企業は『代理輸出貨物証明』の発行申請にあたり、委託側の主管税務機 関から取得した『委托輸出貨物証明』を提出しなければならない。 外国貿易企業の輸出をみなし国内販売とする貨物の管理を強化する。 外国貿易企業が輸出する貨物について、みなし国内販売の取り扱いを受ける貨物に対し て『輸出貨物から国内販売に転換する証明』の発行申請にあたり、規定された証憑資料 や売上税額に係る記帳証憑のコピーを提出しなければならない。また、税務機関は『輸 出貨物から国内販売に転換する証明』を発行してはならない。 輸出税金還付証憑資料及び登録資料の管理を強化する。 国家商品検査、税関、外貨管理などの輸出貨物の関連事項について、監督、管理、審査 を実施する部門に提出する資料に、虚偽または内容が適切ではない事実が発見された場 合、輸出貨物に係る増値税の課税政策に基づき課税する。 (三)申告手続を簡便化 輸出企業が対外援助輸出税額還付(免除)申請をする場合、商務部が批准した対外援助貸 付金を使用する認可文書(「対外援助任務書」)のコピーと商務部が批准した対外合資協 力プロジェクトファンドを使用する認可文書(「対外援助任務書」)のコピーを提出する 必要がないとした。 輸出企業は、主管税務機関に免税政策を適用する輸出貨物・役務の免税申告手続にあたり、 『免税輸出貨物の役務明細表』及び電子データを提出する必要がないとした。 3.ご提言 輸出企業又はその他企業が輸出する貨物(輸出貨物とみなされる場合を含む)、あるい は対外的に提供される加工・修理修繕の役務に係る増値税の課税関係は複雑であり、また、 還付手続にはいくつかの書類の提出が必要となる。特に生産型企業が自社製品以外の貨物 を輸出する場合、みなし国内販売として増値税が課税される可能性があり、増値税のコス ト負担の観点から十分留意が必要である。また、免税放棄の選択をする場合、その後 36 か 月間はその取扱いを変更できないため、将来の販売計画や売上原価に係る増値税額等を勘 案した慎重な検討が必要となる。
従来の取引とは異なる新しい取引をする場合には、社内の従業員の知識が十分ではない 場合、事前に専門家に相談することが必要と考える。例えば、免税放棄などの重要な判断 にあたっては、従業員が目先の利益のみを捉えて判断すると、結果的に取り返しのつかな い判断ミスとなることも考えられる。また、当局へ提出する書類に誤謬や齟齬がないよう にするためには、書類の作成、チェック、収集過程を整理する必要があり、そのための社 内体制の構築が重要となる。 (10)『企業年金、職業年金に係る個人所得税の関連問題に関する通知』 《关于企业年金 职业年金个人所得税有关问题的通知》 (財政部、人力資源社会保障部、国家税務総局 財税[2013]103 号 2013 年 12 月 6 日公布 2014 年 1 月 1 日施行) http://www.chinatax.gov.cn/n2226/n2271/n2272/c608717/content.html 同通知の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所(Deloitte)に解説頂 いた。 1.主な内容 中国養老保険システムを多様化させるために、個人所得税関連規定により、企業年金及 び職業年金個人所得税に係る問題につき、下記の通り規定された。 【企業年金及び職業年金に係る個人所得税の納税処理】 企業及び国家関連政策規定の方法及び標準により、従業員のために納付した企業年 金或いは職業年金の会社負担分を個人口座に拠出する時、個人所得税を課さない。 個人が国家関連政策規定により納付した年金の個人負担分は、個人所得税課税対象 の賃金給与の4%を超過しない部分について当期の個人所得税の課税所得から控除 できる。 納付した年金の会社負担分及び個人負担分が上記標準を超過する場合、個人の給与 賃金所得に計上し、個人所得税を納付しなければならない。個人所得税は会社が源 泉徴収する。 従業員勤務先の所在地の前年度平均月給の 300%を超過する部分は年金の計算基数 となる賃金給与に計上しない。 【年金基金投資運営収益に係る個人所得税の納税処理】 年金基金投資運営収益を個人アカウントに拠出する時、個人所得税を課さない。 【年金の受領時に係る個人所得税の納税処理】 法定の定年に達した個人が本通達実施後に月ごとに年金を受領する場合、全額を「給 与薪金所得」として個人所得税を申告する;本通達実施後に年或いは四半期ごとに年 金を受領する場合、各月で按分し、月当たり受領した年金全額を「給与薪金所得」と して個人所得税を申告する。 本通達実施前に会社及び個人が既に年金を納付し始め、個人が本通達実施後に年金を 受領する場合、受領した年金から本通達実施前の個人所得税納付済み部分を控除でき、 残額に対し上述規定によって納税する。個人が年金を案分受領する場合、本通達実施 前に納付した年金金額が総金額に占める割合によって控除でき、控除した後の残額に 対し上述規定によって、個人所得税を計算する。
解説
2014 年 1 月 1 日に本通達の実施によって、『企業年金に係る個人所得税の徴収管理の関連 問題に関する通知』(国税函「2009」694 号)8、『企業年金に係る個人所得税の関連問題の 補充規定に関する公告』(国家税務総局公告 2011 年第 9 号)9が同時に廃止される。 2.企業への影響 694 号通達には年金に係る個人所得税処理は下記の通り規定されていた。 企業年金の個人納付分については、個人の当月の賃金・給与に係る個人所得税を計算 するときに控除してはならない。 企業年金の企業の納付に係る個人口座への算入部分は、個人の所得税課税収入に属し、 個人口座に算入するときには、個人の 1 ヶ月の賃金・給与(正常な賃金・給与と合算し ない)とみなさなければならず、いかなる費用も控除せず、賃金・給与所得項目として 当期の納付すべき個人所得税額を計算し、企業が費用納付の際に源泉徴収する。 企業の四半期、中間期或いは年度毎に納付する企業納付部分を計算するときには、所 属月に戻さず、1 ヶ月の賃金・給与として、いかなる費用も控除せず、適用税率により 個人所得税を計算して源泉徴収する。 本通達の実施後、企業年金に関わる個人所得税申告のタイミングは計上時から受領時に 繰り延べられる。これにより、企業年金加入者が繰延納税を享受できる以外にも、申告時 に年金を月次で賃金所得に加算する必要がなくなることにより、多くの納税者は個人所得 税税負担を多少軽減出来ることになると想定される。 なお、手続き上、企業は年金計画を建てた次月の 15 日以内に、所轄税務機関に年金方案、 人事社会保障部門に方案届出表、計画確認書及び所轄税務機関に要求されたその他の資料 を提出しなければならないことに留意すべきである。 (11)『非居住者企業の株式譲渡に係る特殊性税務処理適用の関連問題に関する公告』 《关于非居民企业股权转让适用特殊性税务处理有关问题的公告》 (国家税務総局公告[2013]72 号 2013 年 12 月 12 日公布 同日施行) http://www.chinatax.gov.cn/n2226/n2271/n2272/c616976/content.html 同公告の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所(Deloitte)に解説頂 いた。 1.主な内容 非居住者企業の株式譲渡に係る特殊性税務処理適用の管理を規範化かつ強化するため、 企業所得税法およびその実施条例、『企業再編業務の企業所得税処理の若干問題に関する通 知』(財税[2009]59 号)10の関連規定に基づき、本通達が制定・公布された。 【適用対象】 A. 非居住者企業が保有する居住者企業の持分を、100%直接支配する他の非居住者企業 に譲渡する場合。 B. 非居住者企業が保有する居住者企業の持分を、100%直接支配する居住者企業に譲渡 する場合。 【手続き上の追加規定】 8参照 URL:http://www.chinatax.gov.cn/n8136506/n8136593/n8137537/n8138502/9392845.html 9参照 URL:http://www.chinatax.gov.cn/n8136506/n8136593/n8137537/n8138502/10635569.html 10参照 URL:http://www.chinatax.gov.cn/n8136506/n8136593/n8137537/n8138502/9037699.html
解説
非居住者企業が株式譲渡において特殊性税務処理を選択する場合、株式譲渡契約お よび協議が効力を発生しかつ工商変更登記が完成してから 30 日以内に届出を行わ ねばならない。 上記 A の状況に該当する場合には、譲渡を行う側から譲渡対象となる企業所在地の 所得税所轄税務機関に届出を行う。一方、B の状況に該当する場合には、譲渡を受 ける側からその所在地の所得税所轄税務機関に届出を行う。 株式譲渡側あるいは株式譲渡を受ける側は代理人に届出事項の処理を委託できる。 代理人は届出事項を処理する際、所轄税務機関に対し届出人の書面の授権委託書を 提出しなければならない。 【提出資料】 「非居住者企業株式譲渡に係る特殊性税務処理適用届出表」 株式譲渡業務の具体的な状況説明、株式譲渡の商業目的、株式譲渡が特殊性税務処 理の条件に合致することの証明、株式譲渡前後の会社株式構成図等の資料 株式譲渡業務契約あるいは協議(外国語の場合、同時に中文訳を添付) 工商部門など関連部門による企業持株変更事項承認証明資料 株式譲渡時点での譲渡対象企業の暦年ベースでの未分配利益の資料 税務機関が要求するその他の資料 本公告施行前に発生した非居住者企業株式譲渡に適用される特殊性税務処理の未処理事 項については、本公告の規定に基づいて処理できる。『国家税務総局の非居住者企業株式譲 渡の企業所得税管理強化に関する通知』(国税函[2009]698 号)11第九条は同時に廃止する。 2.企業への影響 国家税務総局は本公告の実施を通じて特殊性税務処理の適用を選択した非居住者企業株 式譲渡に関する事項を更に明らかにし、且つ税務機関の内部レビュー及び管理規定を明確 にする意図があると考えられる。この面から見れば、本公告の発表は積極的な意義を持っ ていると言える。しかし、取引を行う前に特殊性税務処理の適用性を明確にしたい納税人 にとって、本公告は届出に要する情報及び資料についてのみのガイダンスとも言える。本 公告は特殊性税務処理の適用の新規定になるため、現在税務機関で審査中の非居住者企業 株式譲渡取引に対して審査期間が長くなるなどの可能性がある。クロスボーダー株式譲渡 の実施を目論む納税者は、特殊税務処理を適用する場合、期限内に届出手続きを行うこと が必要になる。 (12)『営業税を増値税への改革試験対象に鉄道運輸業および郵政事業を追加するこ とに関する通知』 《关于将铁路运输和邮政业纳入营业税改征增值税试点的通知》 (財政部、国家税務総局 財税[2013]106 号 2013 年 12 月 12 日公布 2014 年 1 月 1 日 施行) http://www.chinatax.gov.cn/n2226/n2271/n2272/c611767/content.html 同通知の主な内容、企業への影響について、徳勤華永会計師事務所(Deloitte)に解説頂 いた。 1.主な内容 財政部と国家税務総局は、2013 年 12 月 12 日付けで本通達を公布し、2014 年 1 月 1 日か 11参照 URL:http://www.chinatax.gov.cn/n8136506/n8136593/n8137537/n8138502/9405579.html
解説
ら鉄道運輸業と郵政業を増値税改革試験の対象範囲とすることになった。本通達の公布に よって、37 号通達12が廃止されることになった。本通達の主の内容は基本的には 37 号通達 の関連規定を踏襲しているものであるが、一部調整が見られる。37 号通達と比べたその主 な変更点を下記の通り纏めた。 【増値税課税サービスの範囲の追加】 課税サービス (税率) 追加する項目 交 通 運 輸 業 サービス 陸上運輸サービス(11%) 鉄道運輸サービス 航空運輸サービス(11%) スペースランチャー発射サービス 郵 政 業 サ ー ビス 一般郵政サービス(11%) 中国郵政集団会社及びそのグループ会社が 従事する郵便送達、郵政為替、切手発行、郵 政商品販売、郵政代理等 特殊郵政サービス(11%) その他の郵政サービス(11%) 一 部 の 現 代 サービス業 研 究開発 及び技術 サービ ス (6%) 技術コンサルティングサービス-技術テス ト、技術トレーニングサービス 情報技術サービス(6%) 業務工程管理サービス-監査管理、税務管 理、内部情報集約・管理・使用 文化創意サービス(6%) 設計サービス-ネットゲーム設計 物流補助サービス(6%) 航空サービス-航空トレーニングサー ビス 貨物旅客運輸ターミナルサービス-貨 物包装整理、鉄路関連サービス等 集配サービス 鑑定証明コンサルティングサ ービス(6%) コンサルティングサービス-翻訳サービス 【ファイナンス・リースサービスについて】 売上額を計算する際、控除できる項目には下記の内容を追加し、且つ 2013 年 8 月 1 日から執行するという遡及適用が可能である。 106 号通達 37 号通達 セール&リースバックサービ ス セール&リースバックサー ビス以外の有形動産ファイ ナンス・リースサービス 賃借人より取得した有形 動産代金・元金(賃借人 よ り 発 行 す る 発 票 が 必 要) 外部に支払った借入金の 利息(外貨・人民元建て を含む) 発行する債券の利息 外部に支払った借入金 の利息(外貨・人民元建 てを含む) 発行する債券の利息 保険代 据付代 車両購入税 貸出者が負担する有形動 産の貸付利息(外貨・人 民元建てを含む) 関税 輸入消費税 据付代 保険代 セール&リースバックサービスを提供する場合、賃借人より取得した有形動産代金・ 元金に対し、増値税専用発票を発行してはならない。 徴収直後返還政策の適用期間は 2015 年 12 月 31 日までとなる。 【国際運輸代理サービスについて】 国際運輸代理サービスを提供する一般納税者は、取得した全ての代金及び価格外費 用から国際運輸企業へ支払う国際運輸費用を控除した後の残高を売上額とする 12参照 URL:http://www.chinatax.gov.cn/n2226/n2271/n2272/c124659/content.html
国際運輸代理サービスを提供する納税者は下記条件に符合する場合、増値税免税優 遇政策を享受できる。 委託側から受領する全ての国際運輸代理収入及び国際運輸企業へ支払う国 際運輸費用で金融機関を通じて決算する場合; 国際運輸代理収入に対し委託側へ増値税普通発票を発行した場合; 免税規定は 2013 年 8 月 1 日からの遡及適用ができるが、既に増値税専用発 票を発行した場合、発票の綴りを全て回収した上、免税届出手続きを申請す ることができる。 【オフショア・アウトソーシングサービスについて】 オフショア・アウトソーシングサービスに対する免税措置の適用期間は 2018 年 12 月 31 日まで延長される。 【国際運輸サービスの定期用船、航海用船及びウェットリースサービスについて】 一定条件に符合する定期用船、航海用船及びウェットリースサービスはゼロ税率の適用 を申請できるが、106 号通達により、その申請者を下記の通り調整した。 項目 106 号通達 37 号通達 定期用船 賃貸者 賃借者 航海用船及びウェットリース(賃借者が国内 単位或いは個人である場合) 賃借者 賃借者 航海用船及びウェットリース(賃借者が国外 単位或いは個人である場合) 賃貸者 賃借者 【控除できる項目に関する移行規定】 2013 年 8 月 1 日前に、試行地域(北京市、天津市、上海市、江蘇省、安徽省、浙江省 (寧波市を含む)、福建省(アモイ市を含む)、湖北省、広東省(深セン市を含む))におけ る関連規定によって差額納税を行っていた納税者は、未控除の分を 2014 年 6 月 30 日まで は売上高から控除できるが、2014 年 6 月 30 日からは控除できない。 【簡易税額計算方法を使用できる追加項目】 映画放映サービス 倉庫サービス 積卸運搬サービス 集配サービス アニメーション企業が提供するアニメーションデザイン及び関連サービス(2017 年 12 月 31 日まで適用) 2.企業への影響 新しい増値税改革のガイドライン規定として、その重要性は言うまでもないが、関連企 業は下記の点を注意すべきである。 企業の経営状況ををレビューした上、本通達による影響を評価し、特に本通達の現 有規定と比べて調整・変更されたものに特に留意すること。 本通達の新規定をよく理解した上、関連優遇政策の申請手続きに早めに取り掛かる こと。 本通達で明確ではない内容につき、事前に所轄税務機関に照会すること。 後続の政策に注目し、必要な場合専門家の意見を聞くこと。 (13)『営業税から増値税への改革試験対象納税者の一般納税者資格認定に関する問 題の公告』 《关于营业税改征增值税试点增值税一般纳税人资格认定有关事项的公告》 (国家税務総局公告 2013 年第 75 号 2013 年 12 月 16 日公布 2014 年 1 月 1 日施行) http://www.chinatax.gov.cn/n2226/n2271/n2272/c617287/content.html