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特集 ロシア経済は回復軌道に乗ったか 設された 2 点目は 極東の人口が少ないということ 人口が少ないゆえ経済規模 市場規模が小さく 投資に不利であるという点である 極東の人口は 過去 25 年の間に 人口が200 万減少している ただ 人口減少の問題は極東に限ったことではなく ロシア全土の問題でも

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Academic year: 2021

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ロシア極東・バイカル地域経済セミナー はじめに ロシアNIS貿易会では3月8日、10日に、東 京および札幌において、ロシアを代表するエコ ノミストで、ロシア科学アカデミー極東支部経 済研究所博士のパーヴェル・ミナキル氏と、イ ルクーツク研究センター博士のナターリア・ス ィソエヴァ氏を講師に招き、「ロシア極東・バ イカル地域経済セミナー」と題する講演会を開 催した。 ミナキル氏より「ロシア極東の経済:現状と 展望」、スィソエヴァ氏より「ロシアイルクー ツク州およびバイカル地域の経済発展の現状と 展望」という題で報告がなされた。以下ではそ の内容を抜粋してご紹介する。

1.ロシア極東の経済:現状と展望

P.ミナキル ロシアの東方シフト 2001年、プーチン大統領はロシアの東方シ フトプログラムを発表した。ロシア経済は、資 源の輸出に大きく依存しており、国家予算の 40%を石油・ガスの輸出に頼っている。2011年 以降、国家の資源収入が停滞しており、当時ロ シアの資源の主な輸出先はヨーロッパであっ たが、新たな市場として考えられたのが、アジ ア(特に東アジア)であった。 ロシアの貿易統計だけを見ると、2008年の 危機以降、確かに東方シフトは進んでいるこ とが分かる。過去9年間の統計では、2008年に はヨーロッパ向けが全体の52%であったもの が2016年には43%に減少、逆にアジア向けは 2008年に20%であったものが2016年には30% と増加している。 アジア諸国がロシアに求めているものは、 強い経済であり、北東アジアとロシアが経済 協力をすることになる場合、その強い経済と なるべき地域は、極東および東シベリアであ る。プーチン大統領が、2013年の年次教書演説 にて、「極東・シベリアの発展、それは21世紀 の国家的プライオリティーである」と述べ、今 後ロシアの優先的方向性は、長期間にわたっ て極東の開発にあると言われるようになった。 極東が抱える問題 極東が抱える問題点を、3つ述べたい。1点 目は、インフラが脆弱であること。2007年より、 ロシア政府は極東に巨額の公的資金を投入し、 極東やシベリアの資源を輸出するためのイン フラ建設を進めている。実際には、既に石炭、 石油、木材を輸出するための主要な幹線が建

ロシア極東・バイカル地域経済セミナー

ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所 博士 P.ミナキル ロシア科学アカデミーシベリア支部イルクーツク研究センター 博士 N.スィソエヴァ 2017年3月8日(東京)、3月10日(札幌)

特 集

ロシア経済は回復軌道に乗ったか

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設された。 2点目は、極東の人口が少ないということ。 人口が少ないゆえ経済規模・市場規模が小さ く、投資に不利であるという点である。極東の 人口は、過去25年の間に、人口が200万減少し ている。ただ、人口減少の問題は極東に限った ことではなく、ロシア全土の問題でもある。極 東地域の人口減少の原因は、地域の経済が変 貌したことにある。 かつての極東は、軍事産業を抱える巨大工 業地帯で、数万人の人々が働いていた。また、 軍事基地では、軍人や家族などが暮らしてお り、そこには大きな経済が生まれていた。1990 年半ばにそれら工場が西側に移転したことに より、人々も移転先へと移り住んだのである。 ここ10年ほどの統計を見ると、極東への移 住者数は年平均約7万人、一方極東から他地 域への移住者数は約10~11万人である。極東へ やって来るのは、新規ビジネスを求める企業 関係者が多く、また極東から出て行くのは温 暖な気候を求める高齢者や、より高い所得を 得られる地域で働きたいと希望する若者達が 多い。 3点目としては、極東の経済が脆弱であり、 加速的に発展させる必要があるという点であ る。過去8年間の極東の経済指標では、ロシア 平均と比較すると、投資の部分が劣っている。 理由は2012年APECに向けての投資が終わっ たことと、海外直接投資が鈍化したためであ る。 極東の貿易パートナー 極東とロシア全体の貿易推移を比較しても、 大きな違いはない。極東の輸出品目の大部分 を占めるのは石油ガスであるが、価格の大幅 な下落により、2015年は輸出が大幅に減少し ている。 極東の貿易パートナーは、約8割が北東ア ジアとASEAN諸国である。CIS諸国との取引に おいては、完全にストップしている状態であ るが、その理由は、経済的、金融財政的、政治 的なリスクが大きすぎること、また多額の輸 送費が掛かるという点である。さらに、もうひ とつの要因としては、CIS諸国の主要貿易パー トナーがウクライナであったことが影響して いる。こうした経済的、金融的リスクを負うこ とが出来るのは、ズベルバンクやVTB、ガスプ ロムやロスネフチといった大企業で、極東の 小さな企業にとってはあまりにも大きなリス クであり、国家も保険をかけることをしない。 北東アジアは極東地域の貿易パートナーと して、とても安定している。6~7年ほどのス パンで見ても貿易構成に変化がなく、中国、韓 国、日本の3ヵ国との貿易の割合が、それぞれ 同等である。 しかし、経済の統合を考える上で最も重要 なことは、貿易指標ではなく、資本の移動、技 術の移動、労働力である。資本の移動という点 に関しては、極東の外国直接投資の推移を見 ると、アジア太平洋地域からの極東への直接 投資は、全てサハリンプロジェクトに向けら れたものであることが分かる。2012年以降、極 東における自動車、石油化学、インフラ等のプ ロジェクトが発表されたが、投資家を惹きつ けたのはサハリンプロジェクトだけであった。 そのため、極東の課題としては、より多くの外 国投資を誘致することではなく、投資先を多 角化することである。 極東が稼ぐ方法として ロシアの場合、国家経済の占める割合が大 きいことから、地方にとって国家予算は非常 に重要である。2008年の極東連邦管区内の収 支バランスは黒字であり、歳出の50%を自前 の歳入で賄い、残り50%を連邦政府からの配 分(他地域が集めた税収)で補っていた。とい

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うのは、当時は石油収入により、政府は気前良 く極東に予算を配分する余裕があったからで ある。しかし、2015年に油価下落を受けて事態 は一転、連邦予算に石油収入が見込めなくな ったことから、極東への配分が激減し、自前で 集めた税収分しか手元に残らず、極東経済は 赤字へと転じることとなった。 国にも資金がなく、地方にも資金がない状 態下で極東を発展させるべく設立されたのが 極東発展省である。アジア諸国との発展には、 極東への資金投入が不可欠であるが、それが 可能な唯一の方法とは、極東が自前で稼ぐこ とである。ガルシカ現大臣は、そのための3つ の施策(先進社会経済発展区、ウラジオストク 自由港、極東1ヘクタール)を発表したが、そ れぞれ古いモデルを参考にした新しい施策で ある。 先進社会経済特区に関する法律が採択され た当時、この特区の投資環境作りは、シンガポ ールに劣らないものだと言われた。その法律 の内容は、確かにロシア国内の投資家にとっ て魅力的な事項も含まれているものの、非常 に重要なポイント(人件費や労働力)、そもそ も労働力が存在するかどうか、市場規模等の 部分が欠落している。 ウラジオストク自由港につ いては、1881~1916年の間に 行われたことがある政策であ る。沿海地方の15の自治体の 港湾が対象となっている。 「極東1ヘクタール」とは、 極東地域の指定された一部の 土地を無償で1ヘクタール提 供する政策で、極東の人口増 加を目的としたものである。 土地の所有3年後にその土地 を活用している証明-例えば 果物の木を植えて果樹園にし ている等の証明が必要となる。2017年3月1 日の時点の申請数は67,000件であるが、そのう ち承認を受けたのはわずか10%である。とい うのは、これまで土地の登記が正確に行われ て来なかったため、書類上の問題はなくとも 実際に足を運んでみると既に他人の所有地に なっていたり、平地のはずが窪地や沼地であ ったという事態が起こっている。しかし、これ らは技術的問題に過ぎず、最も重要な問題は 別にある。 帝政ロシア時代、1861年~1916年まで、農家 男性一人あたり100デシャーチンの耕作可能 な土地を有料で販売し(1デシャーチンあた り3ルーブル 長期償還)、移住者には補助金 を付与することで農民に極東への移住を促し た。この制度を利用し、ロシアの西側から極東 へ約90万人が移住した。当時の極東地域は農 業地帯であり、政策は農民の移住を促すもの であったが、現在は工業地帯なので、当時とは 状況や条件が異なる。またロシアの人口の大 部分は農民ではなく、都市住民である。この政 策はまだ開始したばかりであり、効果がいか ほどか今述べるのは時期尚早であるが、それ ほど大きな成果を生み出すことはないだろう。 講演するミナキル氏

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まとめに 最後の締めくくりとして述べると、極東に は魔法のようなレシピは存在しないし、また そのようなもので極東経済が活性化すること はない。そして、極東を救う魔法のレシピは、 実は全く必要がないのである。 極東には危機的な事態は何も起こっておら ず、極東にだけ起こっている特別な問題も存 在しない。つまり、極東が抱えている問題とは、 ロシア全土が抱えている投資、金融、構造、技 術等などの問題と全く同様のものである。 発展のスピードは緩いかもしれないが、極 東は他の地域に劣らずに発展している地域で ある。現在よりも発展の速度を上げる事はも ちろん可能であるが、そのためにはロシア全 土で構造的、財政・金融的、そして制度的な改 革を行わなければ、どんな魔法のようなレシ ピがあろうと、それは全く効果をもたらさな いであろう。

2.ロシアイルクーツク州およびバイカル

地域の経済発展の現状と展望

N.スィソエヴァ イルクーツク州の経済 イルクーツク州はロシア第6位の面積を有 する工業地帯である。主な工業分野は、電力、 非鉄金属、化学、原子力、製紙、微生物産業、 石油精製、木材の切り出し・加工、石炭その他 鉱物の採掘であり、ロシア国内工業生産の約 2%を占める。世界最大の淡水湖であるバイ カル湖を有し、人口は240万人(全人口の1.6%)、 人口分布は極めて偏っており州の南部に80% が集中している。 イルクーツク州は、シベリア連邦管区内工 業生産の20%を占めるが、数年前までは運輸・ 交通の割合が高かった。また、鉱物資源が豊富 に存在し、19世紀より金や石炭の採掘が行な われている。その他ロシアで重要な鉱物とさ れている雲母、鉄鉱石、ニッケル、レアメタル、 岩塩、カリウム塩、マグネサイトが採れ、州内 に37ヵ所ある石油・ガス鉱床での生産も増加 している。中でも州北部に最大のヴェルフネ チョンスク油田があり、埋蔵量は1億4,300万 t、2015年の生産量は1,500万tであった。開発 オペレーターは国営企業のロスネフチで、原 油は「東シベリア太平洋パイプライン」で東ア ジア方面へ輸出されている。州の中央にはシ ベリア最大のガス田であるコヴィクタガス田 (埋蔵量は1.5兆㎥)があり、中国までのパイプ ライン「シベリアの力」の完成後、生産開始と なる。 金の採掘量においては、イルクーツク州は 国内3位を占め、昨年の生産量は22tであっ た。州内にはロシア最大手の金採掘会社であ る「ポリュス」がある。鉄鉱石については、ウ ラル地方の企業「メチェル」が年間800万tの 生産を行なっており、ケメロヴォ州、ウラル地 方の鉄工所に供給している。チェレムホフ炭 坑で精製される石炭は、イルクーツク州の火 力発電所で使われ、年間の生産量は1,100万t 以上である。 運輸・交通分野は、シベリア連邦管区内総生 産に占める割合が16%である。イルクーツク 州には欧州と極東、東南アジア太平洋地域を つなぐ主要な幹線道路やロシア北部への輸送 海路が通っている。また、シベリア鉄道、バイ カルアムール鉄道や、アンガラ川、レナ川、バ イカル湖での定期船も運航している。 加工業は地域総生産(以下、GRP)の12%を 占め、主な分野としては化学工業、木材加工、 製鉄業、非鉄産業、機械製造業である。イルク ーツク州最大の石油精製・石油化学工場であ るアンガルスク石油化学工場の年間加工量は 1,000万tである。西シベリアからパイプライ ンで運ばれてくる石油を精製しており、同工

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場の製品はシベリアおよび極東に供給されて いる。子会社としてポリマー工場、溶媒工場、 家庭用化学製品工場、肥料工場があり、これら すべてがアンガルスクに所在し、ひとつの製 造チームを構成している。 また、「サヤンスクヒムプラスト」の塩素化 学製品は、ロシアで製造されるポリ塩化ビニ ルの40%を占めており、主に中国に輸出され ている。 木材関連の企業としては、「イリムパルプ」 社傘下のブラーツク市およびウスチ・イリム スク市の製紙工場があり、木材パルプの年間 製 造 量 は 150 万 t で あ る 。 そ の 他 「 Russian Timber Group」社傘下の木材加工コンビナート 「イギルマ」および「SEL大陸」がある。 製鉄業では「ブラーツク合金鉄工場」、「コル シュノフスキー選鉱コンビナート」(メチェル 傘下)等がある。 州の重要な産業であるエネルギー産業では、 ロシアの大手「イルクーツクエネルゴ」の傘下 に水力発電所、火力発電所、熱供給網、そして 石炭の資産を持つ。アンガラ川にある3ヵ所 の水力発電所(イルクーツク、ブラーツク、ウ スチ・イリムスク)の年間平均発電量は480億 kwhで、電力の主な供給先はイルクーツク州の 企業や家庭である。 イルクーツク州はバイカル湖に面している ため、観光業が盛んである。イルクーツクの町 自体も歴史あるシベリアの都市となっており、 バイカル湖畔では観光客の受入設備が整い、 小規模なホステルやホテルが営業している。 ただ、夏が短いので大規模な投資には向いて いない。また、観光振興のため観光特区「バイ カルゲート」が設置されている。特区の設置期 間は49年、優遇税制としては土地税を5年間、 資産税を10年間0%、また利潤税には、通常の 20%ではなく13.5%の税率を適用する。バイカ ル湖畔はバイカル自然地区に指定されており、 連邦法で中央環境ゾーンと呼ばれる沿岸地区 内では多くの活動が禁止され、厳しい条件が 課されている。 地域経済を特徴付ける主要なファクターは、 豊富な天然資源と安価な電力である。州の経 済成長の原動力となっているのは工業生産で あり、とりわけ有望なものは石油ガス工業の 構築である。ガスの資源基盤としてはコヴィ クタガス田を中心に、近隣の小規模ガス田も 加える計画である。大規模なガス管の第一歩 となるのが、「コヴィクタ-サヤンスク-イル クーツク」を結ぶ幹線ガスパイプラインの建 設である。 州の産業拡大プロジェクトとして製薬クラ スターの構築がある。イルクーツク州には人 材、新薬開発のための研究所、大学病院があり、 臨床試験も可能である。 木材産業では投資プロジェクトが20件以上 実施されており、投資総額は125億ルーブル、 主に木材加工工場への投資である。 また、新たな金鉱床の開発に関して、イルク ーツク最大の金鉱床「スホイログ」は20年間開 発許可待ちであったが、2017年1月に民間の 金採掘会社「ポリュス」および国営会社「ロス テック」のジョイントベンチャーである企業 に開発ライセンスが下った。 バイカル地域 バイカル地域は、イルクーツク州とブリヤ ート共和国、ザバイカル地方の一帯を指す。同 地域がロシアの政治上、初めて戦略的計画の 対象として登場したのは2009年、極東バイカ ル地域社会経済発展プログラムの採択時であ る。しかし現在、バイカル地域は経済・産業的 にひとつのまとまりを形成しているのではな く、それぞれ独立した経済を持ち、共有してい るのは連邦レベルでの工業インフラおよびエ ネルギーインフラである。イルクーツク州の

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GRPはザバイカル地方の4倍、ブリヤート共和 国の5倍で、ブリヤート共和国およびザバイ カル地方は、GRPに占める工業の割合がイルク ーツク州に大きく劣っている。逆に中小企業 活動では、ブリヤート共和国およびザバイカ ル地方のほうが発展している。イルクーツク 州とこれらの地域同士のバリューチェーンの つながりは極めて希薄で、ザバイカル地方よ りイルクーツク州に核物質が運ばれ、アンガ ルスク化学コンビナートで濃縮され、輸送さ れている。ブリヤート共和国からは珪岩が運 ばれ、アルミ工場でシリコン製造に使われて いる。またイルクーツク州からブリヤート共 和国へは、電力が輸送されており、ブリヤート 共和国の電力不足をカバーしている。ブリヤ ート共和国のバム鉄道のボイラー施設にはイ ルクーツク州の石炭が使われている。 イルクーツク州とザバイカルをつなぐ強い ファクターがバイカル湖で、湖の沿岸に観光 インフラ開発共通のスキームを作るという計 画や、湖の生態系保護において共通の取り組 みがある。 ブリヤート共和国 次にブリヤート共和国について紹介すると、 共和国の地域総生産の大部分を加工業が占め ており、主要産業分野は、機械製造と金属加工 である。ヘリコプターを製造している「ウラン ウデ航空工場」、「ウランウデ機関車車輌修理 工場」、「ウランウデ計器製造企業連合」等が活 動している。またブリヤート共和国にはシベ リア鉄道とバム鉄道が通っており、シベリア 鉄道からモンゴルへの支線も出ている。 エネルギー産業は地域総生産の5%を占め ており、共和国ではエネルギー事業の76%を 「グシノオジョールスク発電所」、「ウランウ デ火力発電所」、セレンギスク製紙コンビナー トの電熱併給施設の自前の電力でまかなって おり、一部をイルクーツクエネルゴから調達 している。 また、石炭、金(金鉱石)、ネフライト、ウ ラン、タングステン、珪石、蛍石、その他建設 資材用の原料が採掘されている。 ザバイカル地域 次にザバイカル地方について、主要産業は GRPの23%を占めている交通・輸送であり、域 内にはシベリア鉄道とバム鉄道が通っている。 ザバイカル地方ではウラン、金、スズ、鉛・ 亜鉛鉱石、石炭、モリブデン等が採掘され、大 型プレイヤーとしては、プリアグルンスク鉱 山企業連合:ロシア最大のウラン鉱石加工企 業がある他、ジレケン選鉱コンビナート、ノヴ ォシロキン鉱山、ハラノルスキー炭鉱等があ る。エネルギー分野ではチタ火力発電所、ハラ ノフスキー火力発電所がある。 ブリヤート共和国およびザバイカル地方の 発展の方向性としては鉱物資源の開発、レジ ャー・観光の開発があげられる。ザバイカル地 方では鉱業を振興するため先進発展ゾーンが 2ヵ所に設置されており、1ヵ所は南東部で 多金属鉱床の開発が進められていて、「ノリリ スクニッケル」が投資を行なっている。もう1 ヵ所は北部で、銅や鉄等の多様な金属鉱物を 含むウドカン鉱床およびチタ鉱床という大規 模な鉱床があり、中国資本で開発が進められ ている。ブリヤート共和国の鉱物資源ポテン シャルは比較的に低いが、ウラン、石炭、モリ ブデン、カリウム、アルミ、ネフェリン等の採 掘が行なわれている。 ブリヤート共和国は、美しいバイカル湖畔、 美しい山地、自然保護区や国立公園など観光・ レジャー開発のポテンシャルが非常に高い。 観光業振興の最大のツールとしてあるのが、 観光レジャー特区「バイカルスカヤガヴァニ」 であり、同観光特区はイルクーツク州の観光

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特区と異なり、既に新たな港湾や道路のイン フラが建設されている。しかしながら、経済危 機によって開発や入居企業の誘致が遅れてい るというのが現状である。 講演するスィソエヴァ氏(左) 東京でのセミナーの様子

参照

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