台湾における市民の学びを通じた地域づくりの特質
─台北市社区大学での学習活動の展開から─
山口 香苗
キーワード:生涯学習、地域づくり、台湾、社区大学
【要 旨】本稿は、台北市南港社区大学における市民の学習活動の実態を明らかにすることを通じて、台湾 における学習を通じた地域づくりの特質を考察することを目的とするものである。戒厳令解除間もない1990 年代の台湾では、生涯学習政策の促進と教育改革運動の隆盛の中で、市民の学びを通じた新たな社会づくり を目指し、生涯学習施設である「社区大学」を全土に設置した。社区大学は、市民の学びを地域課題解決や 地域づくりにつなげていくことを目指すものであり、これまでの研究で、社区大学が市民に様々な地域課題 解決学習や地域づくり活動を促していることが報告されてきた。しかし、市民がそこでの学びによって、実 際にどのように地域に関わるようになっているのかについては、ほぼ明らかにされていない。そこで本稿で は、台北市南港社区大学での市民の学習活動の実態を明らかにし、市民がどのように地域づくり活動に関わっ ているのかを分析することを通じて、学びを通じた地域づくりの特質を考察した。研究の結果、楽しい学び による自己充実と他者や社会への信頼感が学びの過程で生まれることで、市民は自らの生活や地域に必要な 学習活動を自ら組織していくようになっていることが明らかとなった。ここから、学びを通じた地域づくり は、自己充実のための自由な楽しい学びの徹底と、楽しいからこそ生まれる市民の自発性によって展開され ていくことに特徴があるといえる。
はじめに
本稿は、台北市南港社区大学における市民の学習活動の実態を明らかにすることを通じて、台 湾における学習を通じた地域づくりの特質を考察することを目的とする。
台湾では、1987年の戒厳令解除による政治体制の民主化と、急速に進むグローバル化や科学技 術の進歩といった社会変化を背景に、生涯学習社会の建設に向けた動きを開始した。1998年3 月、教育部(日本の文部科学省に相当)は白書「学習社会に向けて」を公刊し、学習の機会を整 備するための行政的な動きとして、生涯学習政策を促進していった1)。戒厳令解除によって個人 が自由に能力を発揮できるようになった社会において、個人の知識水準の向上が重要であると認 識されたこと、そして知識の獲得は、個人の自己実現だけでなく社会の永続的な発展をもたらす という考えのもと、市民の学習が重要視されるようになったといえる。
また、1990年代の台湾は、戒厳令解除後の自由と民主の空気の盛り上がりの中、社会の諸制度 の柔軟化・自由化を目指す数多くの社会運動が繰り広げられた時期でもあった。この時期の社会 運動の主翼を担ったのが、「四一〇教育改革運動(以下、教育改革運動)」である。教育改革運動 は、1994年4月10日、台北市内でのデモ行進をきっかけに始まったことからこのように呼ばれて おり、当時、台湾大学教授であった黄武雄が発起人となり、教育改革を志向する大学教授や民間
団体、市民が集まり、戒厳令下に構築された教育体制の柔軟化を政府に求めたものである2)。こ れをきっかけに、新たな教育・学習機関として設置されたものが、今回注目する社区大学であ る。
社区大学は、教育改革運動を主導した黄の社会改革思想をもとにして構想され、1998年から設 置が始まり、2020年時点でその数台湾全土に89か所にのぼる3)。設置理念を「知識の解放と市民 社会の実現」とおき、市民に学習の機会を提供することで自覚的市民を育成し、それによって市 民参加型の社会をつくることを目指すものである。社区大学は、高等教育機関として構想された 名残から「大学」との名称を残しているものの、1990年代の生涯学習政策の促進を背景に、地方 政府によって実際には生涯学習施設として設置された。さらに、市民が社会的・心理的なつなが りをもって暮らす地理的空間としての「地域」を意味する用語である「社区」が名称にあるよう に、社区大学は、市民が地域について学び、地域課題に対して意識を高め、地域や社会に参画し ていくことを促すものでもある4)。つまり、1990年代の生涯学習政策の促進と、教育改革運動を 背景にもつ社区大学は、市民に多様な学習と地域課題解決のための学習を提供することを通じ て、市民による地域づくりを促す教育・学習機関として台湾に置かれているといえる。
先行研究では、社区大学での学びと地域づくりに関する論考は、社区大学が市民に地域課題解 決のための学習活動を促していることを中心に取り上げてきた。例えば、王馨苡(2009)や李瑋 婷(2013)は、社区大学が様々な組織と連携し、市民に地域課題を把握するための講座を提供す るとともに、学んだことを地域づくり実践に移していくよう市民に促していることを明らかにし ている5)。また、社区大学の主管機関である地方政府は、社区大学が地域課題学習と地域づくり のための数多くの実践を展開していることを報告している。例えば、台北市政府教育局の楊碧雲 ら(2017)は、台北市の12の社区大学全てが地域課題を把握して講座を計画するとともに、様々 な地域組織と協力関係を築きながら、地域づくり活動を行っていることに言及している6)。
これらの論考は、これまで社区大学は、市民社会の実現や地域課題解決を主眼においているも のの、実際には利用者である市民からの需要の高い趣味的な学習を多く展開してきたため、社区 大学の設置理念を重視する啓蒙主義的な立場から、「理念と現実の乖離」として批判され、学習 内容を趣味的なものから社会課題や地域課題といったいわゆる公共的なものへと改善すべきであ ると指摘されてきたことに対応する形で論述されている7)。そのため、これらの研究は、社区大 学が地域課題解決のための多様な講座や学習活動を計画し、市民に促していることを示している ものの、市民がどのように地域課題学習や地域づくり活動に取り組んでいるのかといった、市民 の実態までは十分にとらえていない。
近年、社区大学では、趣味的な学習を基盤に、市民による地域づくりの学習活動が展開されて いる様子が見られる。市民がなぜ、どのように学習活動に取り組んでいるのかということ、つま り市民による社区大学の活用実態や市民の動きを明らかにすることは、社区大学における市民の 学びを通じた地域づくりの実態を明らかにするために不可欠な作業といえる。
こうした台湾における市民の学びを通じた地域づくりの実態を明らかにすることは、日本の公 民館等の社会教育施設における学習活動のあり方にも示唆を与え得るものと考える。2018年12月 21日の中央教育審議会答申「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策につ
いて」において、近年の地域コミュニティの衰退を背景に、今後の公民館の役割として、住民が 主体的に地域課題を解決するために必要な学習を推進する役割や、学習成果を地域課題解決につ なげる役割を強化する必要性が述べられている8)。社会教育・生涯学習施設における学習活動を 地域づくりにつなげることは、日本においてもより一層重要視されるようになっているのである。
以上の課題意識をもとに、本稿は、台北市南港社区大学における市民の学習活動の実態を明ら かにすることを通じて、学習を通じた地域づくりの特質を考察することを目的とする。第1に、
黄をはじめとする教育改革者たちの社区大学構想の内容と、台北市政府による社区大学の設置・
整備過程を概観し、社区大学の構想者と設置者の双方が、社区大学と地域との関係をどのように 考えていたのか明らかにする。そして第2に、台北市南港社区大学を事例に、社区大学がどのよ うに市民に地域づくりに関わる学習を促し、そして市民はそれにどのように取り組んでいるのか 明らかにする。ここでは、社区大学の促進によって実施されている地域課題解決学習や地域づく り活動だけではなく、市民による自発的な学習活動がどのように生まれているのかという点も含 めて見ていくこととする。そして、これらを総括して、市民の学びを通じた地域づくりの特質を 考察する。
本稿で、台北市南港社区大学に着目する理由は以下の通りである。まず、台北市は1998年に台 湾で最も早く社区大学を設置した地方政府であり、台湾全土に社区大学のモデルを示すととも に、12行政区のすべてに社区大学を設置し、市民の学習を積極的に促してきた。そして、台北市 12か所の社区大学のなかでも南港社区大学は、市民の自発的な地域づくり活動が見られるように なっているためである。
方法は、文書資料分析と、南港社区大学学習者へのインタビュー(2015年)および副校長への インタビュー(2015年、2019年)分析とする。
1.社区大学の設置理念と「地域」
教育改革運動の主導者である黄は、本来、社区大学を成人に大学レベルの教育・学習の機会を 提供する高等教育機関として構想した。そこには、戒厳令下において高等教育を受ける機会を与 えられなかった一般市民に大学レベルの教育・学習の機会を与えることで、政治や社会課題に自 覚的な市民を育成し、市民を社会に参画させ、市民社会を形成するという目的があったためであ る9)。
こうした黄の考えを支持する大学教授や社会運動団体ら(以下、教育改革者)が、地方政府に 社区大学の設置を呼びかけていったことで、社区大学は台湾全土に普及していくこととなるが、
最も早く社区大学を設置した台北市は、実際に社区大学を設置する際、当時の生涯学習政策の推 進という方針を背景に生涯学習施設として置き、市民に自由な文化教養学習の機会を提供すると ともに、生活に身近な地域課題を学ぶ講座や学習活動を促進していった。教育改革者は社区大学 での大学レベルの学術学習を重視していたが、設置者である台北市は、ここにおいて生涯学習の 推進を強調したといえる。ただ、地域課題に関する学習を重視していた点では、教育改革者と台 北市の考えは一致していたといえる。
まず本節では、黄の社区大学構想と、台北市政府の社区大学の設置・整備の実態から、社区大
学の構想者と設置者が、社区大学と地域との関係をどのように考えていたのか見ていくこととす る。
1.1 社区大学の設置理念からみる地域の位置づけ
社区大学の設置理念は、黄の思想をもとに、「知識の解放と市民社会の実現」と設定されてい る。これには、次のような意味がある。
まず、「知識の解放」とは、ひとつに、一般市民に高等教育の機会を与えることを意味する。
台湾では戒厳令下においては、高等教育機関への進学の機会は一部の経済的な上級階層にしか与 えられてこなかった。しかし、1960年代の経済発展によって、市民の経済的な上昇がもたらさ れたことで、民主化後の1990年代には大学進学希望者が急増していた。黄はこうした状況を鑑 み、一般市民にも高等教育の機会を開放することは、市民の知的欲求を満たすのみならず、社会 改革の基礎となる市民の知的水準を高めることになると考え、社区大学の設置を呼びかけた10)。 また、「知識の解放」のもうひとつの意味は、「経験から生み出された知識」を重視することであ る。黄は、戒厳令下の学校教育で教えてきた、抽象的で標準化され、個人の特殊経験を削ぎ落と した知識類を「パッケージ化された知識」と呼び、これらは社会改革のために必要な人々の独 立思考、批判的思考を生み出し得ないものであるとした。一方で、社会改革に必要な知識とは、
人々が経験を中心にして、絶えず共鳴や衝突を経ながら構築に参加していくことで作り上げられ ていく知識のことであり、これを「経験知識」と呼び重要視した11)。
つまり、社区大学の設置理念の「知識の解放」とは、大学教育の機会を一般民衆に開放するこ とで、知識を上級階層の手から解放すること、そしてここで解放される知識は、上述した「経験 知識」であるべきという意味がある。
そして、黄は、このような「経験知識」を基盤にもつ市民が公共課題に積極的に関与し、行政 施策に影響を与えていく社会のことを市民社会とし、この実現を目指した12)。それが、設置理念 の後半部、「市民社会の実現」の意味である。この実現のために、黄は、社区大学に学術類、生 活芸能類、社団活動類の3つのカリキュラムをおくとした。カリキュラムの内容は以下のようで ある。
学術類は、市民が人文科学・社会科学・自然科学を学び、批判思考能力を獲得するもの、生活 芸能類は、生活に必要な技術や生活を豊かにするための文化教養を学び、生活内容の充実をはか るもの、社団活動類は、市民が「社団」すなわち社会団体を組織し、公共事務に参加するもので ある13)。黄は、なかでも社団活動類での学習活動は、人々の「公共領域を開くもの」である必要 があるとし、例として、地域のでき事を掘り起こして記録し、地域新聞を刊行する「地域新聞 社」、地域の歴史や文化・伝承・歴史的建造物などを調べる「地域文化歴史社」、地域で活動を行 い、市民の需要を把握したり、地域の図書館や文化センター、児童公園、集会所などの設計や配 置、道路計画や植樹などに関わり、市民が理想とする地域環境をつくる「地域計画社」など、市 民が地域について知り、地域課題を掘り起こしていくための学習活動の展開を挙げている14)。つ まり、黄は、社団活動類では市民が社会団体(以下、社団)を組織し、生活拠点である地域の公 共課題に参加していくことで「公共領域が開かれる」と考えたのであり、これによって市民の行
政施策への参画を期待したといえる。
このように見ていくと、黄は、市民が生活芸能類で文化教養を学び、生活を充実させながら、
学術類で学術的な知識を獲得することで、公共への意識を高め、そして、社団活動類で社団を組 織し、地域の公共事務に関与していくようになることで、市民社会の形成がなされていくという 理想をもっていたことがわかる。つまり、黄の社区大学構想の中で、地域は、市民が政策や行政 施策に関与していくために、まず初めに関わるべき基盤と考えられたといえる。
黄とともに社区大学の設置を進めた一人である顧忠華も、社区大学での学習と地域の発展は密 接に関連しているべきであると述べている。顧は、社区大学で人間関係やネットワークを構築す るとともに、黄が述べるような「地域新聞社」「地域計画社」「地域景観社」「地方文化歴史社」
などに市民を参加させ、自発的に地域の公共事務に関心をもつ市民を育てることは重要であり、
これは「地域自治の源」をつくることになると述べている15)。顧は、社区大学が市民に地域への 自発的関与を促すことで、地域自治が育つことを期待したのである。
このように、社区大学の構想者は、市民の地域に対する意識を育み、市民が地域に関わってい くようになることを重要視した。ここには、地域という市民の生活の足元をスタートにして、行 政施策に関与していくという理想があったといえる。
1.2 台北市による社区大学における地域課題解決学習の促進
こうした社区大学の設置理念が提出されてから、台北市政府教育局は社会教育科(現:生涯教 育科)を担当部局として、1998年9月、台湾で最も早く社区大学を設置し、その後6年の間に12 か所まで増設した。しかも、上述のように、生涯学習政策の促進が開始された当時において、社 区大学を大学としての高等教育機関ではなく、市民に自由な学習の機会を提供する生涯学習施設 とし、台北市の生涯学習政策の一環として設置を進めていった。
台北市は、社区大学設置の目的を「地域の資源と力を結合し、人文性、公共性、思考性、生活 性を有する生涯学習講座を提供し、そして、地域に対する意識をもち、社会の公共事務に参加す る公民を育成すること」としている16)。さらに、「「公共領域を開き、民間との連携を発展させる」
「地域を活性化し、社会を創造する」ことは、本市の社区大学の重要な促進理念である。知識の 操作訓練だけでなく、重点は公共領域を開き、市民に学ばせ、それを地域で発揮する、社会に貢 献する、これが生涯学習の最高目標である。そのため、本市は社区大学の設置主旨を、市民に生 涯学習講座を提供し、市民の人文的素養と生活知識を向上させ、地域発展のための人材と公民を 育成することとする」とも説明している17)。
つまり台北市は、社区大学を生涯学習施設として置き、市民に生涯学習の機会を提供し、そし てそこでの市民の学びを地域発展に生かすというように、生涯学習と地域発展、地域づくりをつ なげたといえる。
こうした方針は、台北市の行政規則にも規定され、1999年に台北市が社区大学の設置運営開始 の根拠として制定した「台北市政府社区大学の試行運営に関する実施要点」には、社区大学を設 置する目的として、「市民に生涯学習講座を提供し、民衆の人文的素養と生活知識を向上させ、
地域を発展させる人材及び現代社会の公民を育成する」と明記した18)。
このような方針のもと、台北市は社区大学のカリキュラムとして、黄の構想を基に学術類、生 活芸能類、社団活動類の3種類を置き、学術類として学術講座、生活芸能類として文化教養講座 を開設した。そして、社団活動類は市民が自発的に地域課題に取り組む社団を結成することを求 めたが、実際には生活芸能類の文化教養講座で趣味学習をしている学習者たちが、その延長とし て社団を結成していった。そのため、社区大学の公共課題学習を強化すべく、台北市は、社区大 学に、市民に地域課題を学ばせるための社団を組織させるとともに、地域課題解決学習や地域づ くりを主とした公共的な内容の講座を集めてコースとし、市民に履修を促していった。例えば、
自然環境について学ぶ講座を集めた「環境コース」や、地域づくりに関する講座を集めた「地 域発展コース」、多文化共生や国際社会への理解を促す「国際社会コース」、「ボランティア育成 コース」などを社区大学のカリキュラムとして設定した19)。これらコースは市民からの需要が低 く、次々と廃止になったが、その後も、市民の地域課題解決や公共課題の学習を促進していっ た。2008年時点の蔡のまとめによると、台北市社区大学で計画・実施された地域課題を内容とす る講座・学習活動は、主に、地域の高齢者への手助けや交流を行うもの、商店街の活性化を行う など地域経済を視野に入れるもの、地域ボランティアの育成を行うもの、自然環境の保護を行う もの、「新住民」と呼ばれる東南アジアからの配偶者や労働者への教育・学習支援を行うものが ある20)。
つまり、台北市は、教育改革者たちが提出した「市民社会の実現」という理念や、「公共事務 への参加」という理想を、環境問題や高齢者支援、移民との共生といった市民生活に身近な地域 課題の学習活動として実現することで、社区大学と地域との距離をより近いものにしたといえ る。
さらに、2010年に教育部が、少子高齢社会の到来や科学技術の進歩などといった急速な社会情 勢の変化を背景に、学習を軸とした地域づくりによって持続可能な社会の形成を目指す「学習型 社区試行計画」を提出したことに合わせ、台北市は2011年から「学習型都市建設」政策を開始 し、市内の学校や図書館、高齢者学習センターなどの教育施設の他、文化局所管の「地域づくり センター」や、社会局所管の住民自治組織などとも連携した地域づくりを目指すようになった。
この際に、行政が活用したのが社区大学であり、台北市は、12か所の社区大学内に「地域学習 サービスセンター」という組織を置き、この組織が、部局を越えた地域づくりのために連携をと る際の窓口役を担うこととした21)。つまり、社区大学は、多部局が連携して総合的に地域づくり を行うことを主導する立場に置かれたといえ、これによって市民の学習を通じた地域づくりを促 す役割が、社会的により一層求められるようになったといえる。
このように、台北市は、社区大学を市民に生涯学習の機会を提供する生涯学習施設として設置 し、生涯学習と地域づくりの概念をつなげ、法的にもそれを明記した。そして、環境問題や高齢 者支援、移民との共生などといった、市民生活に身近で具体的な地域課題の学習活動を計画・実 施し、社区大学により地域性をもたせたといえる。
それでは、こうした台北市の社区大学の方針をもとに、実際の社区大学ではどのような講座や 学習活動が作られ、そして市民はどのように地域づくり活動を展開するようになっているのか、
次節以降で見ていくこととする。
2.南港社区大学の教育理念と講座 2.1 南港社区大学の概要と教育理念
本項では、まず南港社区大学の概要をとらえておきたい。
台北市の社区大学は、すべて公設民営であり、中学校・高等学校の校舎内に入居する形態を とっている。そのため、開講時間は多くの講座は学校が終了した後の平日夜7時から9時半まで であるが、設置学校の空き教室の増加や、学習者の高齢化に伴い日中の開講が望まれるように なっており、近年は日中に開講する講座も増加している。
南港社区大学は、2000年に台北市南港区の市立中学校内に置かれた社区大学であり、2003年か ら、キリスト教系の財団法人「致福感恩文教基金会」に委託運営されている。2019年の統計によ ると、学習者数は5
,
273名、開講講座数は年間349講座である。学習者の7割は女性であり、年齢 層は60歳以上が約4割を占めている22)。経費は、台北市政府教育局および教育部からの補助がそ れぞれ1割程度あり、約7割は学習者からの学費収入である。南港社区大学の教育理念は、2000年の設置当初から現在まで一貫して、「愛の発揮、南港の営 造、「黒郷(黒い町)」からの脱却、「明珠(美しい町)」の創造」であり、この4つのフレーズに はそれぞれ意味がある。一つ目の「愛の発揮」とは、南港社区大学の委託運営団体であるキリス ト教系の財団法人の趣旨に影響を受けた表現であり、市民に多様な講座を提供することで、自己 成長や生活の質を向上すること、これによって社会的弱者や移民、高齢者などへの差別や偏見を 取り除くという意味がある。二つ目の「南港の営造」は、社区大学が講座提供の拠点だけでな く、地域学習の拠点となること、つまり、市民が地域課題に関心をもち、地域づくりをしていく ようになるという意味である。三つ目の「「黒郷(黒い町)」からの脱却」は、環境学習を重視 し、自然環境豊かな地域をつくるということである。高度経済成長期の南港区には、黒煙を上げ る工場が立ち並んでおり、「黒郷(黒い町)」と呼ばれてきたという経緯があり、これを自然豊か な地域に変えていくという意味がある。そして四つ目の「「明珠(美しい町)」の創造」は、地域 住民が地域を活性化させ、健康に暮らせる地域づくりをしていくという意味がある23)。
ここから、南港社区大学は、市民への多様な講座の提供によって、市民の自己充実と生活の質 を向上させ、そしてこれを基礎にして社会的弱者や高齢者への労りの気持ちを育むとともに、自 然環境保護の活動を展開していくことで、市民自ら地域に関わり、住みやすい地域を作っていく ようになること目指しているといえる。台北市が重視している学びを通じた地域づくりという内 容に合致する教育理念を設計しているといえる。
2.2 開講講座の特徴とその背景
南港社区大学は上述の教育理念のもと、学術・生活芸能・社団活動類の多様な講座を開設して おり、なかでも、運動や美術、語学といった生活芸能類の講座が多い。2019年度前期の開講講座 を示すと、表1のようになる。
ここからわかることは、開講講座は趣味的なものが多いということである。ここには、学習者 からの需要が高いのは趣味的・文化的な講座であり、それらを主とする生活芸能類がひときわ多 く開講されているということがある。上述のように、教育改革者や行政、研究者たちは、社区大
学の学習者には地域課題に関わる学習を促しており、趣味的な講座が多い現状を理念と実践の乖 離として批判的に捉え、改善を促してきた。
しかし、南港社区大学では、生涯学習施設である社区大学が、市民に関心のない内容を学ばせ ることはできないこと、また、「市民に好きなことを自由に学べることの楽しさを感じてもらう ことが大切である」24)という考えのもと、市民の需要をもとにした講座を開講している。この理 由としては、需要の高い講座を開き、学習者を集めることで社区大学の運営を安定させる面があ
参考:台北市南港社区大学HP(http://www.nangang.org.tw/front/bin/home.phtml、最終閲覧 2020/7/22)より筆者作成。
表1 台北市南港社区大学の2019年前期開講講座一覧
るといえるが、社区大学が戒厳令解除後の民主社会の形成を目指して置かれたこととも関係があ るといえよう。つまり、戒厳令下には一般市民には広く学習機会が提供されてこなかったため、
社区大学は多くの市民に学びの機会を提供し、学ぶこと自体の楽しさを享受してもらうことを重 視しているということがある。しかも、社区大学職員が「市民の地域への関心を育てるには、ま ず、自己を充実させる必要がある」25)というように、学びを地域づくりへと移行させていくため には、学習者が必要とする学びが重要であるという認識が存在しているといえる。
3.学習活動と地域づくりの展開
それでは、本節で学習活動の実態を見ていきたい。
3.1 講座から地域づくり実践をともなう社団活動への展開
自己充実のための趣味的な学びは、その後、学習者有志での社団の組織や、地域づくりに関わ る新たな学習活動へと展開するようになっている。
南港社区大学では、生活芸能類の油絵講座から「油絵と写生社」、パソコン講座から「
peopo
市民新聞社」、ダンス講座から「民族ダンス社」、散髪技術を学ぶ講座から「ボランティア散髪 社」が組織されている。「生態環境記録社」や「自然生態と人文社」は、学術類・自然科学の複 数の講座で学んだ学習者を中心にして組織された社団である。講座から社団組織化の状況を整理 すると、図1のようになる。社団を組織しているのは、比較的、地域活動を実行しやすい環境保護を主とする講座が多いと いえる。例えば、「生態環境記録社」は、社区大学近郊の山でハイキングをしながら、山の植物 を観察する学習活動や、原生植物を保護し育てる活動を26)、「自然生態と人文社」は、地域内を 流れる渓流沿いの道や山の中の歩道を歩きながら、生態環境や地域文化を学び、地域ガイドとな るための学習などを続けている27)。これらの学習活動は、南港社区大学の教育理念の一つである
「「黒郷(黒い町)」からの脱却」を実現するものでもあるともいえる。
また、これらの社団は、近隣の社区発展協会と呼ばれる住民自治組織とともに、渓流の生態調 査や記録、渓流沿いに住む高齢者への昔の渓流の様子の聞き取り、昔の渓流の写真を収集し地域 資料として残すといった活動に取り組むようにもなっている28)。つまり、社団の学習者たちは、
社区大学に通っているわけではない地域住民や、地域の子どもたちとも交流をするようになって いるのであり、これによって地域の自然と文化を守る住民集団が形づくられることになっている といえる。社区大学の学習者対象29)ではない子どもを交えた学習活動になっていることは、地 域の次世代育成という意味でも有意義な活動であるといえよう。
また、社団と社区発展協会は、同様の環境保護活動をしている他の社区大学とともに自然環境 保護の討論会を開催し、地域や渓流の未来像を話し合うなど、地域に対する意識を住民たちが共 有していくための作業も行っている。この討論会には、行政職員らも参加しており、住民と行政 が意見を交わす場になっており、住民の声を行政に届ける場としても機能することが期待されて いる30)。
また、環境系だけでなく、ダンス講座やパソコン講座も社団となり、地域活動を展開してい る。ダンス講座の学習者を中心に「民族ダンス社」が結成されており、講座ではダンス技術を学 ぶことが中心であるが、社団は地域でのイベントに出向いてダンスを披露し、地域住民と触れ合 う活動や、高齢者の健康維持のためのダンスを創作し、地域の高齢者施設で教える活動などをし ている。また、パソコン講座で学んだ学習者を中心に、「
peopo
市民新聞社」が結成されている。この社団では、学習者が市民記者として、地域のでき事や地域課題を取材し、ニュースビデオを 自作する活動をしている。この社団は、社区大学側が組織を促し成立したものであるが、市民記 者として地域活動を行うことを希望する学習者たちによって、自主的な社団運営がなされてい る。さらに、「ボランティア散髪社」は、講座で散髪技術を学んだ学習者が、社団を組んで、地 域の老人ホームに入居している高齢者にボランティアで散髪に行き、交流するという活動を行っ ている。この活動は老人ホームから大変好評であり、何度も出張依頼が来ているという31)。
かつての南港社区大学では、多くの社団は、主に生活芸能類の講座で趣味学習を経た学習者が その延長として組織し、趣味をより深めていくものとして存在してきたが、現在、社団は統合や 解体を繰り返し、地域実践をともなうものとして新たに組織されるようになっている
32)。これは、
講座での学習を地域実践へと結びつけたい社区大学が、地域課題解決学習をともなう社団の結成 を教師や学習者に促してきたということがあるが、地域実践を学習者が希望していることで可能 となっているといえる。なぜなら、地域課題の学習に関心のない学習者は、講座では学んでいた としても、それが地域課題解決学習や地域づくり活動をともなう社団へと変化し、参加が促され ると学習に参加しなくなることが多いためである33)。つまり、講座が社団となり、地域実践をと もなう学習活動を展開するようになっているのは、社区大学の促進に加えて、学習者の地域への 関心の高まりがあると考えられるのである。
図1 講座からサークルへの展開例
参考:台北市南港社区大学HP(表1と同様)より筆者作成。
実際に学習者からは、社団に加入する動機は「仲間との親睦を深めたい」34)、「技術や知識の向 上」35)といった自己充実への思いがあるが、学びの過程で、「前は見ても何も思わなかった地域 のことやものを気にするようになった」というような自己変化を感じているという声もある36)。 講座から地域実践をともなう社団が組織され、継続して学習活動が行われるようになっているの は、楽しい学び、自由な学びによる自己変化や仲間の獲得などを経て、地域実践に関わろうとい う想いをもつ学習者が一定数生まれているということがあると考えられるのである。
3.2 福祉を中心とした地域づくり活動の自発的創造
講座での学びから地域実践をともなう社団活動へと展開し、地域住民をも巻き込んだ地域づく り活動が実施されるようになっていることに加え、近年は、学習者が自ら結成したい社団を社区 大学に提案することで、新たな社団が組織され、地域づくり活動が動き出すという例も見られる ようになっている。
その例として、「高齢者安全ボランティア社」がある。この社団は、南港社区大学で社団活動 をしていた学習者たちが、2018年に新たに結成した社団である。学習者たちが社団活動をして いくなかで、地域に認知症の高齢者や老老介護が増えていることに気がつき、それを懸念して、
「認知症高齢者や介護家族をサポートするために何か学びたい」という要望を南港社区大学に提 出したことで結成された37)。その後、認知症の高齢者に接するには、ある程度の専門知識や技術 が必要であるということから、社区大学は専門家を講師として招き、認知症について学ぶ連続講 座を開講している。これまでは、社区大学が計画した講座で学習者が学んだ後に、社団が結成さ れることが一般的であったが、ここでは、学習者の意向に基づいて社団が結成された後に講座を 開設し、専門的な知識を学ぶという新たな形態をとっている。この社団のメンバーは、結成時点 では社区大学の学習者だけであったが、その後、認知症の増加問題に関心をもつ地域住民も加わ るようになり、学習者の広がりが見られるようになっている38)。
そして社団は、地域福祉の充実にも資する活動を行うようになっている。
台湾では、急増する認知症高齢者とその家族への支援が社会課題となっており、衛生福利部
(日本の厚生労働省に相当)は、2014年に「認知症予防ケア政策綱領および行動指針」を公布し、
2017年から、「地域認知症ケアサービス拠点(以下、ケア拠点)」と呼ばれる地域の福祉拠点を設 置する政策を進めてきた。これによって、地域の医療・福祉施設や、民間団体などが、ケア拠点 の設置を進めている。この動きを背景に、「高齢者安全ボランティア社」は、近隣の医療機関と の共同でケア拠点を設置し、学習者がそこでボランティア活動をするというかたちで地域の高齢 者福祉の取り組みに関わるようになっているのである39)。こうした教育と福祉を架橋する活動は、
台北市が目指す部局を超えた地域づくり活動でもあるといえる。
こうした学習活動の展開から、南港社区大学では、社区大学による市民への講座の提供という 段階から、市民による学習活動の創造という段階へと進んでいるということができよう。いわ ば、市民は、自らの生活に必要な学習活動を組織するために、社区大学をうまく使いこなし始め ていると考えられるのである。そして、このことは、教育改革者たちが社区大学を設置した目的 である、市民が公共事務に参画していく社会を実現していくものとも考えられるといえよう。
おわりに
本稿では、市民の学習を通じた地域づくりの特質を考察するために、台北市南港社区大学にお ける市民の学習活動の実態を明らかにしてきた。まず、明らかになったこととして、以下の2点 が挙げられる。
1点目として、社区大学構想者と設置者の地方政府が、社区大学と地域との関係をどのように 考えたのかということである。
社区大学を構想した教育改革者たちは、社区大学を高等教育機関として置き、学術的知識を基 盤にもつ市民を育成し、社会参加を促すことを目指した。教育改革者たちは、地域を市民の生活 に最も近い、社会参加を訓練するための拠点と考えた。一方で、実際に社区大学を設置した地方 政府は、生涯学習の促進という政策的背景のもと、社区大学を生涯学習施設として置き、市民の 自由な学びを促し、その学びを地域づくりに活用することを目指した。この過程で台北市は、自 然環境保護や高齢者支援、多文化共生などの具体的な地域課題を提起し、社区大学により地域性 をもたせたといえる。
2点目は、台北市南港社区大学での学習活動の実態である。どのように市民に地域づくりに関 わる学習活動を促しているのか、また、市民はそうした学習活動にどのように取り組んでいるの かということである。
南港社区大学の実態からは、社区大学は、市民に対して地域課題解決学習を促すものの、まず は、市民に学ぶことの楽しさを享受させることを重要視していることが明らかとなった。社区大 学が市民に地域課題解決学習を促したとしても、市民に関心がない場合、学習活動は展開されな いためである。そして、市民の実態としては、学びの過程で学ぶ楽しさを享受し、仲間を作り、
自己を充実させていっており、また「これまで気がつかなかった地域のことに気づく」というよ うな自己変化を経ることで、学習活動のフィールドを、社区大学内だけでなく地域へと広げた り、日常生活に必要な学びを自ら組織したりしていくようになっている。
ここから、社区大学を例にした学びを通じた地域づくりの特質として、まず市民の自己充実の ための、楽しい自由な学びの徹底と、その過程で獲得した他者や社会への信頼や生活への新たな 気づきが基礎にあるということがいえよう。市民は、自らが楽しいと思うことや、学びによって 自らの生活に必要だと気がついた事がらだからこそ、自主的に実践を組織していっているのであ る。楽しさが基礎にあるがゆえ、地域づくり実践では市民の自発性を基盤にすることができると いう点に特徴があるといえよう。
しかし、検討すべき課題も残されている。本稿では、社区大学における学習を通じて、市民が 楽しさや生活の必要から地域づくり実践を展開していく姿をとらえた。しかし、楽しい学びや生 活に必要な学びからは、自身に身近な内容以上のもの、すなわち社会構造や政治経済のあり方を 問う内容といった学習活動にはつながってはいないのである。社区大学での学びが、市民の地域 や社会に対する問題意識をどのようにさらに拡大させていき得るのかについては、今後の検討課 題としたい。
※本稿は、日本学術振興会科学研究費補助金(研究活動スタート支援)「台湾における住民主導
の地域づくり実践を通じた市民社会形成に関する研究」(課題番号19
K
23297、研究代表者:山 口香苗、2019〜2020年度)による研究成果の一部である。【注】
1)教育部『邁向学習社会白皮書』1998
.
3、pp.
2-
3。2)黄武雄『台湾教育的重建:面対当前教育的結構性問題』遠流、1996、
pp.
20-
25。3)社区大学全国促進会
https://www.napcu.org.tw/index.html
(最終閲覧2020/
8/
27)。2002年制定の生 涯学習法に規定されたことで、法的にも正式に生涯学習施設として位置づいている。4)「社区」とは、英語
community
の台湾における訳語である。その意味は、地理的に集住している 人々が、人々の間に社会的・心理的なつながりを形成し、その地域の一員という意識をもって生 活している地理的空間のこととされる。陳其南「社区総体営造的意義」『水沙連』2、1995/
10、pp.
8-
12。5)例えば、王馨苡「社区大学推動社区営造之研究:以台北市文山社区大学為例」中国文化大学市政 及環境計画学系修士学位論文、未出版、2009、李瑋婷「社区教育与社区営造如何共構?以台南社 区大学台江分校為例」屏東教育大学社会発展学系修士学位論文、未出版、2013。
6)楊碧雲、張徳永、呉碧霜編『学習型城市与社区学習』台北市政府教育局、2017。
7)例えば、林振春「社区大学的危機与挑戦」『社教雙月刊』106、2001、
pp.
41-
44、徐敏雄「1998−2007年台北市社区大学学術類課程発展之研究」楊碧雲編『台北市社区大学十年回顧与前瞻』台北 市政府教育局、2008、
p.
159など。8)中央教育審議会答申「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興方策について」
2018
/
12/
21、pp.
20-
22。9)例えば、戒厳令下の1976年時点の高等教育機関の浄在学率(18歳〜21歳人口÷大学在学中の18歳〜
21歳人口×100)は9%、黄が教育改革を訴えた1994年時点で26%、教育改革10年後の2004年に は53%となっている(中華民国統計資料網より)。戒厳令下において高等教育を受けられるのは経 済的な上級階層のみであったとされる。
10)黄武雄『社大文庫001 学校在窗外』左岸文化、2003、
pp.
276-
279。11)同上、
p.
114。12)黄武雄「我們要辦什麼様的社区大学?地方政府設置社区大学計画通案」顧忠華編『成人的夏山:
社区大学文献選輯』左岸文化、2004、
p.
22。13)同上、
pp.
29-
37。14)同上、
p.
30。15)同上、
p.
140。16)楊碧雲、蔡傳暉、李鴻瓊編『台北市社区大学教学理念与実務運作(一)』台北市政府教育局、2000、
p.
64。17)同上、
p.
71。18)「台北市政府試辦社区大学実施要点」中華民国88年7月13日台北市政府 府教六字第8804476500号 函。台北市政府教育局『台北市88学年度 社区大学評鑑報告』2000
.
7、p.
85。この法規は、2007 年に「台北市社区大学設置及管理辦法」となったが、第1条で、社区大学の設置目的として「台 北市政府は18歳以上の市民に生涯学習の機会を提供し、人文的素養と生活知識を向上させ、健全 な公民の育成と地域の発展を促進すること」と、内容を引き継いだ。「台北市社区大学設置及管理 辦法」2007年8月21日台北市政府(96)府法三字第09631650300号令、台北市政府教育局『台北市 社会教育法規彙編』2007、p.
325。19)台北市政府教育局『台北市社区大学是什麼?』2002。
20)蔡素貞「従全国社大観点看台北市社大的発展与困境」上掲書『台北市社区大学十年回顧与前瞻』
pp.
103-
131。21)楊碧雲「台北市学習型城市推動策略与発展:以智慧城市為基礎、邁向6
D
城市」台北市政府教育 局『学習型城市与社区学習』2017、p.
13。22)「教育統計通訊」台北市政府教育局、2020
/
7/
24。23)黄栄護「南港社区大学〜水岸城市・永続社区」上掲書『学習型城市与社区学習』
pp.
169-
170。24)南港社区大学副校長・曹錫智氏への聞き取り(2015
/
3/
18)。25)同上。
26)上掲論文、黄栄護、
p.
171。27)台北市政府教育局『台北市103年度社区大学優良課程教学観摩手冊』2014、
p.
84。28)「社区発展協会」と呼ばれる住民自治組織は、地域課題に取り組むために、住民たちによって組織 されている任意組織である。現在は、社会局から衛生福利部社会救助及社工司所管となっており、
統計によると、2019年の台湾全土における社区発展協会数は6
,
919か所、台北市は375か所成立し ている。活動内容としては、行政体系の末端である里(日本の自治会に類似)の幹事育成研修に 加え、高齢者クラブ、母親教室、見守り隊、伝統芸能保存などが行われており、福祉拠点や図書 館を併設している箇所もある(「2019年推行社区発展工作成果」より)。29)社区大学は、学習者を18歳以上の成人としてきたが、2017年から、年齢制限を廃止し、子どもの 参加も認めた。ここには、2019年に全面開始された「12年国民基本教育」がある。高校入試の撤 廃によって、学校教育のカリキュラムが柔軟になったことで、生徒・児童への社区大学での学習 を促したり、社区大学が中学校や高校の部活動に関わったりなど、18歳以下の子どもたちの教育 や学習にアプローチする動きが見られるようになっている。謝国清「「年齢解放」的社大、会変成 児童才芸班嗎?」『独立評論』2017
/
7/
2。30)台北市南港区九如里の久如社区発展協会執行長・謝建志氏への聞き取り(2019
/
12/
20)。および上 掲論文、黄栄護、p.
172。31)南港社区大学副校長・曹錫智氏への聞き取り(2019
/
12/
20)。32)同上。
33)同上。
34)南港社区大学の社団学習者への聞き取り(2015
/
10/
31)。35)同上。
36)同上。
37)南港社区大学副校長・曹錫智氏への聞き取り(2019
/
12/
20)。38)南港社区大学副校長・曹錫智氏の書面回答(2020
/
7/
25)。39)「南港社大在地創新落実文化治理」『中国時報』2020