本学一部学生の入学時における体格・体力について : 運動適性検査の結果から
著者 安藤 純光, 田村 義男, 冨田 公博, 笠井 淳, 國井 和彦
出版者 法政大学体育研究センター
雑誌名 法政大学体育研究センター紀要
巻 11
ページ 51‑58
発行年 1993‑03‑31
URL http://doi.org/10.15002/00004909
本学一部学生の入学時における体格・体ノノについて-迎仙適性検査の結果から-
本学一部学生の入学時における体格・体力について
--運動適性検査の結果から-
安藤純光(法政大学)
田村義男(法政大学)
冨田公博(法政大学)
笠井淳(法政大学)
田井不|I彦(法政大学)
はじめに
本学一部(趾間部)保健体育では、昭jlill34イli以来伽|き、新人41iを対象にJ[I課体育授業開始時に連 iii)適性検査を実施してきた。11('|定内芥は、身長・I'Mrなどの一般形態計i1Ill、IlilTiili品・背筋力などの 機能i1Ill定、走・跳・役など連動能力である。』lz成4イlミ度から反復横跳び・爪直跳び・立位体iiillillを 加えて111'|定をした。そして、これらの資料を体育実技や識義に積極的に活)l'し、学('ミlL1身が入学時 の体力を認識し、学とMミii1iにおいて迎動・スポーツなどを穣極i1りにl1Xl)組むことによって、将来の 生活設計における健康liMや身体的lL1己管lill1に(1tかせるための基礎資料に役立てている。
il1ll定期IlIiは亘lz成4年4月1211(金)~4)]22Ⅱ()三l)まで各学部授業の'1細iUiに実施し、illll定場 所は、法政大学多摩総合グランド及び総合体育館で行なった。
il1ll定項|]
・形態
身長身体発育の最M§本的な健育の発育脂標て゛あI)、身体「1<j作業能力を計iill'Iする。
体重身体の発育充実を示す指標となる計11('|である。
胸囲胸囲の大小は、胸型の大小ととい二器官の大小及び、機能と密接な関係があり、Ⅱ乎吸・11而 環機能について亜要な'111接(1<]計illllである。
座高人体エオ、ルギーの原、i肋である|ノリ|臓諸器官を包含している』lllHjl1fの長さに関迎するので、形 態学:的よりも4M11学的機能に意ILkを持つ及育としての計illllである。
・機能
I1ilj活量肺iiIi量の優劣は、体ノ川の全身持久性に影粋するものである。
背筋力上I釦下肢・'1(lリ部の筋肉の総合ノノであり、姿勢の保持や遮1li1jにmlj:被関わる全身の筋ノノの指 標でもある。
-51-
法政大学|′|侭育研究センター紀要
握力上肢の静的筋力を計illllする。
反復枇跳全身敏捷性を計illlIする。
垂直跳Iljill筋のパワーを計il1llする。
立位体前屈体の前屈の柔軟性を計i11llする。
・運動能力
男子-100m・女子-50mスピード・'瞬発力・走力などを計11(lIする。
男子-800mスピードと心llilj機能を含めた全身持久性の計i1lllをする。
走|幅跳脚筋を主体とする全身のパワー(瞬発力)を計測する。
砲丸投身体全体の筋力と敏捷性、|瞬発力などを計ilIllする。
これらの項目の「l'て゛男子800m・砲丸投げは昭和34年から法政大学独自に計illllしているものである。
平成4年度体格・体力運動能力の結采
-学部間の比較一
表-1は、女子の学部別、年令別の形態を示したものである。身長では、経済学部の19才が 160.3cmで他学部よりやや高く、体重では、工学部の18才が53.4kgが最も高い値を示し、低かった のは、文学部の19才の49.7kgであった。I1lilllMでは、経営学部の19才が82.1cmで僅かながら高い数値 を示した。座高では、各学部IlIIには、著しい差はみられなかった。
表-2は、男子の学部別、年令別の形態を示したものである。身長では、工学部・経済学部の20 才が高く、それぞれ172.4cmと172.1cmであった。体求て゛は、社会学部の20才が66.7kgで高く、文学 部の20才が約5kg低く、有意な差であった。胸囲では、社会学部の20才が90.7cmて゛高いのに対して、
法学部の18才の86.1cmが最も低く有意な差であった。131亙高では、各学部寸各年令と690cmを越えて おり著しい差はみられなかった。
表-3は、女子の機能・運動能力を示したものである。肺i舌最では、工学部の18才の2751.6mlで 高く、社会学部の19才の2434.11,1が肢も低く、その叢はおよそ318,1で有意な差であった。背筋力 では、こ[学部の18才が81.6kgと高く、経済学部の18才の62.2kgが最も低かった。また、工学部の18 才と19才はともに他学部に比べ高い伽を示した。掘力の左では、経営学部の19才の27.5kgが高く、
工学部の19才は約4kgも低かった。握力の右では、継営学部の19才の30.2kgは他学部に比べ、高い 値を示した。また文学部の18才は3kgも低かった。反復横跳びでは、工学部の18才の40.3回で最も 高く、経営学部の19才はそれより約41iTl下|Ⅱ1つた゜蕪ii1l:跳びでは、法学部の18才・’9才の43.8cmが 最も高く、工学部の19才の39.4cmが低かった。立位体前屈では、社会学部の18才と経営学部の19才 は共に16.5cmであった。最も低かったのは工学部の18才で13.2cmであった。50m走では、経営学部
-52-
平成4年度入学時の運動適性検査機能、運動能力 女子 表-1
難l奉一雲eン繩一一等一山苛二菫・萱一一MJ勺〔’億薑|篝ご棄三I
里9||芝、|盲 j’1
Ulq】
H
』AC{Lul L-J
S,D|
’Maxl
l②牢I
8
平成4年度入学時の運動適性検査機能、運動能力
男子 表-2歪1lb 3
.nhJ
長、|翠聖g|覇四m|富
個一塵
学音焔 法昌台部 文昌 2部 経H倉:学部 経済学部 社会学部 工昌;宮部
士一一一 齢 18 19 18 19 18 19 18 19 18 19 18 19
人 数 90 35 246 61 46 11 108 26 146 45 64 15 身長(c、)
Mean S、,
Max Ni、
159.2 5.26 170.4 147.8
159.0 4.23 168.3 149.5
159.0 4.75 172.9 145.5
158.4 4.63 170.2 145.5
158.8 4.5 173.2 149.5
158.8 4.34 163.5 148.2
158.5 5.52 170.5 134.8
1603 4.97 172 152
159.2 5.36 175.1 143.4
159.1 4.53 168.2 150.3
158.8 4.07 166.4 147.3
158.9 6.41 175.5 151.8 体重(Kg)
Mean S・,
Max Ni、
51.2 5.35 66 38.5
50.5 4.43 63 41
50.4 5.8 82 37.5
49.7 4.44 63 40
50.2 5 65 43
52.0 2.63 55 49
52.0 6.72 70 38
50.7 5.92 63 42
49.9 5.12 70 40
51.7 7.69 74.5 38
53.4 7.26 83 4L5
51.9 6.45 64 40.2 旬囲(c、)
Mean S‐,
Max Min
80.9 3.32 88 71
81.2 2.94 89 76
81.6 3.96 101 70
80.5 3.45 87 73
80.6 3.58 89 72.5
82.1 3.69 88 77
81.1 4.31 93 72
79.8 3.74 89 73
8q3 3.67 97 73
8L7 4.93
93 70
82.3 4.29 98 74.5
80.7 5.02 93 71
■_
坐 高
(c、)
Mean S,,
Max Ni、
85.5 2.9 94 79
84.8 3.18 91.8 76.5
85.0 2.9 93 78
85.2 3.08 94 77.7
85.0 2.88 92-3 78
84.9 2.25 882 80.7
85.1 2.89 92.3 76.8
85.6 2.91 90 802
85.3 3.06 94.5 78.9
85.0 2.38 89.9 80.2
85.2 2.9 96.2 79.5
85.1 3.55 93.4 79.3
法政大学体育研究センター紀要
の19才の8.56秒が最も速く、工学部の19才はその他より0.48秒も遅かった。走ⅢWi跳びて゛は、工学部 の18才の366.2c11Iで品も高く、社会学部の19才はその他より約59cm低く有意な差がみられた。砲丸 投げでは、経済学部の19才の483.1cmが厳も高く、低かったのは文学部の19才で、その差が約100cm で有意な差がみられた。
表-3平成41li度入学時の運動適性検査機能、辿1lijj能力女子
B5Ul3100137001370[ 4001350013500
】UlI80UlI4[)【 ]【
U,(
54298760593 111311522 8 9 1 24 34 45
B,[
B」
H LJ
3.8118.8718.8418.8218.8 8
必-2一閃一加一M-2
fLiil
]OlZO[
計l-lg当iii1戸|=猯
M1表-4は、リ)子の機能・運動能力を示したものである。lliljl舌量では、工学部の20才の3955.01,1が 銭も高く、低かったのは社会学部の20才で、その差は約350m'1であった。背筋力では、Ii学部の18 才の139.0kgが商〈、文学部の18才の122.5kgで岐も低かった。また、工学部は、各年齢において他
学部より高い{lhを示していた。文学部は他学部と比べ各年lll6共低い値を示していた。握力の左て゛は、
経営学部の18才の44.0kgが高く、社会学部の19才の41.9kgが最も低かった。握ノjの右では、I学部 の20才の47.3kgと経`意学部・経済学部が共に47.2kgと薦jい値を示していた。反復横跳びでは、経営
-54-
本学一部学生の入学時における体格・体力について-迦動適性検査の結果から-
+味倶狸繍倒/粗謹綱轌墾掴煽鋼e逃朴ぺ囲叶寸橿片
ヨヰ
l
IIWI
-55-
法11文入学体育研究センター紀要
学部の18才の45.41m|が高い値であった。最も低かったのは、法学部の20才で、その差は約41m|で有 意な差がみられた。正頂:脚こびては、経済学部の18才の59.5cmがiWiい値を示し、法学部の20才の53.2 cmが舷も低い値を示した。立位体iiiimでは、総営学部の18才の10.9cmが高く、法学部の20才はその 他より約6.5cm低くイj「意な差がみられた。100m疋では、経'哲学部の18才の13.82秒が最も速く、二[
学部の20才の14.63秒が肢も遅い{|/iであった。800m走では、社会学部の18才の183.9秒が最も速く、
遅かったのは、経営学部の20才の202.()秒であった。地''1m跳びでは、経営学部の18才の462.6cmが高 く、肢も低かったのは、法学部の20才で、その差は約53cmで有意な差であった。砲丸投げでは、二[
学部の20才の812.1cmが肢も商いIl/lを示し、文学部の19才の771.8cmが低いIiliであった。
まとめ
「|]本人の体力標準値(都立大学身体適性学1i)「)4版」の資料を参考にして、本学学生の形態.
機能・体力・運動能力を考察するならば、次のようなことが考えられる。
本学学生の入学時における体格・機能・迎jil1能ノ」において女子では、身長.座商て゛全国ユド均仙
(以1〈平均{|/[という)より僅かに商いIi/[を示しているが、体重・1MリⅢ'て゛は、各学部やイIi令間にやや 差異がみられ、平均(lIhよりnillっている。機能・迎仙能力においては、Il11J1iiWr量.背筋力.握ノ」は平 均値より低い値を示している。反復横跳び・乖iii跳びは、平均(lliに近いlil1を示している。柔軟性の 立位体前屈は、平均{l([より下|Ⅱ|ってお')、身体の硬さがう力、がえる。瞬発ノノの50mや走|幅跳びは、
]二学部の18才、経営学部の19才が平均(1/[より高い値を示している。
機能.連動能力では、ネ|:全学部と工学部の18才が共に平均(iriよ')高いIil[であった。
男子では、身長d体重・'1(lqlljI1・川(商で各学部・年令IlUに他かな差異がみられるものの、ほぼ全l玉|
』1z均([/〔(以~ト平均(i([という)の水準(二あった。機能・述動能力では、肺ii轍と背筋力が平均lilIより 杵し〈下|Ⅱ|っていた。乖Ⅱ'1:跳びは、各イド今で平均化されているが、平均(iIIl〔より低い{1(〔て゛あった。心 Ihlj能ノル筋肉全体の総合発揮能ノjがやや劣っているuU、われる。立位体iMi肌は、平均(idより極めて 劣っており、柔軟性の不足が他の機能や述川ヒノノの低-1,.に影響していると思われる。反復横跳び.
走幅跳びは、平均(i(〔を各イ|i令とい、・liilってお')、敏捷性や瞬発ノノにおいてやや劣っているといえる。
表-5は、各種の形態指数て゛ある。ローレル指数は、身体充実指数として使われ、,lQl、格.筋肉.
内臓諸器官・組織等の発fif状態を示し、また、栄養状態をも示すものである。女子では、平均値よ り全年令とも低い値て゛ある。リ)イて゛は、女イヒ対象に平均(i([よりl」Ⅱ1っている。ポールドウイン指 数とは、背筋力上形態との机関が高いので、身踵をⅢいて背筋)Jを指数化することである。本学学 生は、リ)女共に身長はilIIびているが背筋力が劣っている傾|(Tlにあると`思われる。
-56-
表-5形態指数
正I童/垂「自龍 ローl/ノレオ百ヨビヌ
18才19才20才18才19才20才18才19才20才18才19才20才18才9才20才18才19才20才
B-ZZl5U
72.8793.6490.6995.31 9511.96 【JIP△▲。
39-59189 ]912061L941194
1m「I
鯛■=士■色と
立華部125.45 31.7650.82 51.07、371.49144-28 9hJ▲JIl【][
44-081出-4718
E亙示i三三I
1.311.2441.144029
学部 49-91ノと
男 子 ローレル指数
18才 19才 20才 比体重
18才 19才 20才 比胸囲
18才 19才 20才 比背筋
18才 19才力 20才
ホ`‐ル 18才、;ウィン指!§
19才【
20才 体重
18才/垂直跳 19才 20才
文学音] 125.6 128.4 123.6 36.76 37.23 36.14 51.26 51.73 51.34 1.95 1.96 2.02 71.6 72.81 72.87 93.64 90.69 95.31 経営学部 127.2 126.4 127.6 37.12 37.03 37.24 51.64 51.4 51.99 2.06 1.94 1.94 76.35 71.85 72.25 91.17 89.59 89.15 経済学部 127.5 127.3 126.3 37.46 37.08 37.42 51.46 51.67 51.48 2.02 1.94 1.96 75.55 71.88 73.39 92.68 91.79 90.99 社会学部 127.8 126.5 132.9 37.65 37.2 38.96 51.51 51.14 52.98 2.1 1.95 1.86 78.96 72.49 72.37 89.94 8a56 82.61 工学部 124.7 126.5 129.0 36.75 36.81 38.34 5 1 ● 2 -0 51.7 52.26 2.2 2.2 2.06 80.96 80.95 78.89 93.98 91.72 85.93
|法学部’127.41130.31129.3136.93137.45138.22150.56150.71151.3712.0711.9711.96176.57173.67174.87189.67186.41180.971
女 子 ローレル指数
18才 19才 比体重
18才 19才 比
18才胸囲
19才 比背筋力
18才 19才 ボールト`ウィン指数 18才 19才 体重/
18才垂直跳 法学部 126.9 125.5 32.16 31.76 50.82 51.07 1.37 1.4 44.03 44.47 88.55 86.73 19才
文学部 125.4 125.1 31.7 31.38 51.32 50.82 1.4 1.39 44.28 43.5 85.71 86.32 経営学部 125.4 129.9 31.61 32.75 50.76 51.7 1.33 1.35 42.13 44.08 83.47 83.65 経済学部 0.6 123.1 32.81 31.63 51.17 49.78 1.2 1.32 39.24 41.67 82.5 84.62 社会学部 123.7 128.4 31.34 32.5 50.44 51.35 1.31 1.24 41.14 40.29 83.97 81.24 工学部 133.3 129.4 33.63 32.67 51.83 50.79 1.53 1.53 51.39 49.9 78.65 75.92
法政大学体育研究センター紀要
参考文献
日本人の体力標準値第4版不昧堂 日本人の体力杏林書院
体力の診断と評価大修館書店 体育測定体育の科学社
法政大学体育研究センター紀要第6,8,9,10号法政大学体育研究センター
11111 12345 111--
-58-