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α位に不斉四置換炭素を有するアミン類の新規触媒 的合成法の開発

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

α位に不斉四置換炭素を有するアミン類の新規触媒 的合成法の開発

米嵜, 凌平

http://hdl.handle.net/2324/4060104

出版情報:九州大学, 2019, 博士(創薬科学), 課程博士 バージョン:

権利関係:やむを得ない事由により本文ファイル非公開 (2)

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氏 名 米嵜 凌平

論 文 名 位に不斉四置換炭素を有するアミン類の新規触媒的合成法の開発 論文調査委員 主査 九州大学大学院薬学研究院 教授 大嶋 孝志

副査 九州大学大学院薬学研究院 教授 平井 剛 副査 九州大学大学院薬学研究院 准教授 谷口 陽祐 副査 九州大学大学院薬学研究院 講師 森本 浩之

論文審査の結果の要旨

米嵜氏は、窒素上無保護ケチミンを求電子剤とした位に不斉四置換炭素を有するアミン類の新規 触媒的合成法の開発に取り組んだ。位に不斉炭素を有するアミン類は医薬品や有用な天然物中にみ られる構造であるため、合成化学および医薬化学において非常に重要な化合物群の一つである。中 でも不斉四置換炭素を有するアミン類はその合成難度の高さから、効率的な合成法の開発が強く望 まれている。そのようなアミン類を合成する有用な方法の一つとして、不斉触媒を用いたケチミン に対する求核付加反応が挙げられる。一般的にケチミンに対する触媒的不斉求核付加反応では、反 応性の向上や立体制御を目的として窒素上に保護基を有するケチミンを用いている。そのためより 有用な窒素上無保護のアミン類を得るために求核付加反応を行なったのちに脱保護を行う必要が あり、ステップ数の増加や廃棄物の生成により反応の有用性が低下し、環境調和性の面で改善の余 地を残していた。そこで、窒素上無保護ケチミンを用いることができれば、脱保護過程を経ること なく目的の窒素上無保護のアミン類を合成可能なため、有用な反応となりうる。しかし、一般に用 いられている保護基を有するケチミンに比べ、基質の反応性が低く、立体の制御が困難であり、さ らには目的物として得られる無保護のアミン類の反応系中における安定性が低く、触媒毒にもなり うることから無保護のケチミンを用いた触媒反応開発はほとんど行われていなかった。そこで、窒 素上無保護ケチミンを用いた触媒反応の発展を目的とし研究に着手した。

米嵜氏ははじめに窒素上無保護ケチミノエステルに対する Friedel-Crafts アルキル化反応の開 発を行なった(Chem. Eur. J. 2018, 24, 15211. 第一著者) 。本反応で新規に合成した3位のみに置換基

を有するC1対称BINOLリン酸触媒を用いることで高収率・高エナンチオ選択的に窒素上無保護非

天然二置換アミノ酸誘導体の合成に成功した。また反応機構解析により、高いエナンチオ選 択性の発現に触媒と基質間のCH-相互作用が重要であることを明らかにした。

次にロジウムキラルジエン触媒および求核剤としてアリールボロン酸を用いることで、

Fridel-Crafts アルキル化反応では適用が困難であったイサチン由来の窒素上無保護ケチミンに対す

る高収率・高エナンチオ選択的なアリール化反応の開発に成功し、ビルディングブロックとして有 用な様々なアミノオキシインドール誘導体合成が可能となったChem. Asian. J. 2020, 15, 499. 第 一著者)。さらに反応機構解析により、ジエン配位子上のアミド部位とケチミンが水素結合を形成

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することにより本反応の高い反応性およびエナンチオ選択性発現に重要であることを明らかにし た。

最後に、窒素上無保護ケチミンの窒素原子の求核性の高さに着目した反応開発を行なった。ジア ゾ化合物とロジウム触媒から生じる求電子性のロジウムカルベノイドに対して無保護ケチミンを 用 い る こ と に よ りジ ヒ ド ロ オ キ サ ゾ ー ル を 高 収 率 で 得 る こ と に 成 功 し たmanuscript in

preparation. 第一著者)。本反応は、前述の反応では適用困難であった不活性ケチミンを用いること

が可能であるため、今後の無保護ケチミンを用いた反応開発の知見となりうる。

以上のように、米嵜氏は博士論文にふさわしい研究結果を十分に得ており(筆頭論文2報、1報投 稿準備)。本審査における発表・質疑・応答も博士の学位を授与するに十分なものであったと考え られ、博士(創薬科学)の学位に値すると認める。

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