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製造業 における環境問題対策 と競争優位性 との関係

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論文 「製造業 における環境問題対策 と競争優位性 との関係81

製造業における環境問題対策 と競争優位性 との関係

AStudyofCompetitiveAdvantagesandEnvironmentalProblemsforManufacturlng

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

荒 井 勝 義

< 目次 >

は じめに

第 1章 製造業が対応すべ き環境問題 ト1 製造業が対応すべ き環境問題 とは 1‑2 戦略 を立案す る上での考慮すべ き要因

第2章 3つの基本戦略 と環境対策 との取 り組みにおける比較 2‑1 3つの基本戦略 と環境対策 との取 り組み における比較 とは 2‑2 競争の基本戦略 と環境対策の組み合わせ

第3章 戦略 による競争 とオペ レーシ ョンによる競争 3‑1 戦略 による競争 とオペ レーシ ョンによる競争 とは 3‑2 環境対策 とオペ レーシ ョンによる競争での費用の考 え方 3‑3 品質管理 とコス トの関係 と環境対策管理の関連

3‑4 環境対策 とオペ レーシ ョンによる競争でのアプローチの考 え方 第4章 結論

参考文献

は じめに

地球温暖化、大気汚染、有害化学物質問題 など の地球環境問題が大 きな問題 として、国 ・地域 を 越 え、その対策が早急 に求め られている。 これ ら の問題 を受 け、企業 における環境保全の取 り組み は地球環境 の悪化 に伴 い、徐 々にその重要性 を増 し、経営戟略の中に組み込 まれつつある。企業の 環境問題への取 り組みは環境保全上の効果 だけで はない。環境対策‑の技術革新や改善活動 な どの さまざまな側面の見直 しによ り、環境対策 は経済 的な効果 をもた らす もの として企業、消費者、ス テークホルダーに影響 を与 えている

本稿では、環境保全 と企業戦略の組み合 わせが 今後の企業経営 において、市場 における企業の競 争優位性 を獲得 し、確 固たる地位 を築 くことが可 能であるのかについて検証 してい きたい。その中 で も特 に、製造業の製品が市場 において競争優位 性 を獲得す ることに企業の環境対策 となん らかの

関わ りがあるのかについて焦点 を当てた。製造業 における競争優位性 とはその企業の技術力が重要 なポイン トの一つであると考 え られるが、 この よ うな製造業 を取 り巻 く状況ふ まえ、 もの造 り‑の 技術 だけではな く、それ を環境対策 に もうま く活 用す ることが必要 となって きている。 この ような 流れの中で、本稿では次 の2点の仮説 を立て、そ の検証 を試みる。

まず、ポー ター(Poter,M.E.)のい う競争優位戟 略の理論 を用い、環境対策が この戦略理論 と適合 し、企業が市場での競争優位 を獲得で きると仮定 し、その検証 を行 う。次 に、製造業 における品質向 上のためのプロセスが環境対策 を推進 させてい く プロセスにおいて、何 らかの関連がある と仮定 し、

その検証 を行 う。 これ らの結果 を踏 まえて、企業 による環境対策が地球環境問題の解決 に有益 とな るのか、市場 における競争優位性 を獲得 で きるの か とい う点で本稿 を通 じて貢献 してい きたい。

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82′ 研 究年報 第7

第1章 製造業が対応 すべ き環境問題

1‑1 製造業が対応すべ き環境問題 とは

て、位置づけ られるようになって きている。 この ことは環境対策が多 くの企業で実施 されるように なって きた背景であ り、企業 による環境対策 は図 1‑1‑1、図1‑1‑2で示す ように、消費者 をは じめ と する社会か らも重要な取 り組み と認識 されは じめ 企業 による環境対策が企業の戟略の一つ と し/ たことがその理 由で もある /

図1‑1‑1 市民が求める 「企業の社会的役割」

有効BiI答者敷 :2242

% 100

80 60 40 20 0

壁 ■‡.̀:rx

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...母.+;

出所 :内閣府 「国民生活モニター調査」平成 139月実施 p.2

巨ヨ事業 を通 じた貢献

利益 の追求 と雇用維持

□ 法令 や社会倫理厳守

口 環境保 護

■ 株主利益 の最大化

Eヨ メセナ ・社会貢献 ・ ボラ ンテ ィア 鵬 その他

図1‑1‑2今後企業が社会的信用を得るために力を入れるべきこと

有効回答音数:2242名)

80 70 60 50

$ 40 30 20 100

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∴L

<!. 竜駄 :: :=糖三溝 ∴

:内民生活モニ タ調 」平成 139月実施 p .3

田 新商品 ・サービスの開発

■ 利益 の増大

□ 顧客重視

□ 情報開示 による透 明性

■ 環境保護 国 安定配当

1 ボ ランテ ィア活動支援

□ その他

これ らの図が示す ように、企業の競争優位性 を 論 じる場合 に、環境対策 を考慮 して論ず られるよ うになって きたの も事実 として考 え られる しか しなが ら、企業側の立場か ら環境対策 について考 えてみた場合、次 の ような考 え方があげ られ る。

①環境対策 は巨額の コス トがかかる、(∋従業員の 意識改革 な どに対す る教育 に関す る問題 、(勤企業 の取 り組み を周囲に認知 させ る企業努力、④ 環境 に負荷 をかけない製品 を設計、製造す るための費 用の問題 、などである。これ らの問題 を解決 し、/

企業の競争力 を高めるためには、一部の事業部 だ けではな く、全社的な戦略が求め られて くる。 こ の4つの項 目だけでは企業 に対 して、大 きな負担 となるが、以下の項 目が企業 に大 きなメ リッ トを もた らす ことは十分 に可能である。

・対外的な信用の向上

・企業内の意識 ・意欲の向上

・規制‑の適応能力

・技術力 ・販売力の向上

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論文 「製造業における環境問題対策と競争優位性との関係」 83

・環境対策企業 としてのブラン ド

本稿では、ポー ターのい う競争戦略 に環境対策 を組み込 んだ場合、 どの ような影響が現れるのか について考察 してい く。

1‑2 戦略 を立案する上 での考慮すべ き要因 企業が戦略 を立てるとい うことは、その企業が 市場 においてある目的 を達成す るために用いる も のである。その 日的 とは、ポー ターは競争戦略 に ついて次 の ように述べ てい る。「自社 と他社 とは 違 った ものにす ることであ り、他社 とは違 った一 連の企業活動 を慎重 に選 び、独特の価値 を組み合 わせて提供す ることである

I 。

」 そ してこの戦略の 内訳 としては、全体 としての 「戦略」 と全体 を構 成す る 「要素」 に分 けることがで きる。その要素 は、研究開発、製造、マーケテ イング、資材購 入、

財務、販売、人事管理 とい った ものである。 そ し て、本論文で研究課題 としている環境対策 を戟略 に取 り入れるためには、環境対策 を戟略構成要素 の一つ として組み入れる必要がある。

次 に環境対策 を企業の戟略 とす るためには外部 要因 と内部要因を見極める必要がある。なぜ な ら、

企業の戦略 を実際 に実行するには、企業内部 お よ び、外部の影響 によ り、その実行度合い、成功度 合いが変わって くるか らである。企業の内部 と外 部の要因には どの ような ものかについて次の よう な形で考察す る

競争戟略 を実行す る上で、外部要因 となる もの は、社会か らの期待 、その業界 における好機 と脅 威 などである。 この外部要因 と環境対策 をリンク させ る と、社会か らの期待 は環境 に負荷 をかけな い製 品 な どを通 しての地球環境保 全 が あげ られ る。業界 における好機 と脅威 は次の ように考 える ことがで きる。好機 について、 まず好機 は地球環 境が悪化す るにつれ、消費者 をは じめ、 さまざま なところか ら環境保全 の声があが る。その環境保 全 とい う社会的な責任 を製品に活か し、消費者 を は じめ、市場か らの信頼 を得 ることがで きる。次 に、脅威では環境保全 とい う声が消費者、市場か ら企 業 に対 して大 きな影響 力 を持 つ ようになれ ば、企業 はその対策 をせ ざるをえな くなる。そこ

で問題 となるのは、環境 に負荷 をかけない製品 を 製造す るための巨額の研究開発費が企業経営 に大

きな負担 となることである。 しか しなが ら、 日本 お よび、国際的に環境保全 に対す る機運 は確実 に 高 まってお り、環境負荷 を低減する製品づ くりは 避けて通れない状況 にもある。 さらに、研究開発 費 を負担す ることが困難である企業 にとって、財 政的問題 は大 きな脅威 となって くる。企業が環境 戦略 を企業戦略の一つ として策定 し、実行す るこ とは企業 に とって、消費者、市場か ら信頼 を得 る とい う側面 において、競争優位性 を獲得する要因 の一つになる

内部要因は企業の特徴 、資金源、技術 、ブラン ド、人的資産、物的資産 などの面で、競争相手 と 比較 して、 どの ような違いがあるのか とい うこと である。外部要因と内部要因のそれぞれ を具体的 に示す ことがで きれば、企業の総合的な戦略の実 行 に指針 を示す ことがで き、 さらに企業が採用で

きる競争戟略の限界 を決める要素 ともなる。

第2章 3つの基本戦略 と環境対策 との取 り 組みにおける比較

2‑1 3つの基本戦 略 と環境対策 との取 り組 み に お ける比較 とは

本稿では、製造業 における環境戦略 と企業の競 争優位性 との関係 を明 らかにすることを目的 とし ている。その関係 を明 らかにす るために、ポー タ ーの競争優位戦略の コンセプ トを用いる。地球環 境問題の対応が企業経営 に影響 を与 えるようにな って きている。 この環境対策 とい う要因をネガテ ィブな要因ではな く、ポジテ ィブな要因 として捉 え、行動す ることで次の ようなことが考 えられる。

企業 が環境 問題対策 を競 争優位 戦略 に結 びつ け て、戟略 として構築 し、市場 において競争優位 を 獲得で きるのか とい うことである。製造業 におけ る環境対 策 と競争優位戟 略 のあ り方 を考 える前 に、ポー ターのい う競争戦略 を説明する。 この基 本 をなす もの といえば、 コス トリー ダー シ ップ、

差別化 、集 中化 をあ げる こ とがで きる2。 この3 つの基本戟略 と環境対策 を取 り入れた環境戦略 を 論 じる前 に、これ ら3つ をそれぞれ定義づけたい。

1ポー ター 「戦略の本質」 ダイヤモ ン ドハ ーバー ドビジネス レビュー Vol.24 No.2 1999 p.58 2ポー ター F競争 の戦略』 ダイヤモ ン ド社 1995 p.56

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84 研究年報 第7

そ してこれ らの競争戦略 と環境対策 を比較 した場 合、それぞれの戟略 は どの ように変 わって くるの か検討 したい。

1) コス トリーダーシップ戦略

市場 において、競争相手 よ りもコス ト効果で最 優位 に立つ とい うものである。 このためには効率 の良い生産設備 を積極 的 に活用 し、 コス トの削減 を目指す とい うものである。 さらに研究 開発 やサ ー ビスの面で もコス トを最小 限に切 りつめること

も必要 とされる。

環境対策 をコス トリーダーシップ戦略 に組み込 んだ場合、 どの ような効果があ らわれるのだろ う か。例 えば、 自動車産業 におけるハ イブ リッ ドシ ステムを考 えてみる。各 自動車 メーカーは、環境 対策の基礎研研究や技術 開発 を進めている。燃料 電池車 と並 んで環境先進技術 の象徴 ともいわれる ハ イブ リッ ドシステムを開発す るためには巨額の コス トがかかる。その コス トを吸収す るため に自 社で製品化 した もの を外部供給 し、システムの販 売収入 と量産 によるコス トダウンを実現 し、市場 において コス ト競争力 を高めるのである。その要 因は販売過程や量産のための製造工程 における技 術 の蓄積 による学習効果 による ものである。

コス トと環境設計面で考 えた場合、製品側 の部 品使用方法 を見直す ことで使用済み部品 を再利用 し、原材料 コス トを削減す るこ とが可能 となる

また部品の再利用 を考 え、 よ り分解 しやす く、組 み立て易 い製品 を設計す ることで、作業の簡素化 に貢献 し、分解、組み立て工程 おけるコス トの低 減が可能 となる。そ して製品使用後、分解 し、再 利用す る ときに も、分解 しやす く、再利用 しやす くな り、 よ り環境 に負荷 をかけない もの造 りがで きる。 また製造 に必要 な水 ・油 などの資源や製造 工程 での排 出物の低減 を期待で き、製造 コス トの 減少の要因 となる。そ して コス ト面で競争相手 よ りも優位 に立つ ことがで きれば、非常 に有効 な戟 略 となる と考 え られる

2)差別化戦略

自社 の製品やサー ビス を差別化 して、その業界

の中で特異 だ と見 られる何 か を創造 しようとする 戟略である。その特異性の報償 として、他社 よ り も高い価格、す なわち価格 プ レミアムがつ くので ある。差別化 のための方法 には、次の ような形が ある。ブラン ドイメージの差別化や技術の差別化 、 製品特徴 の差別化 などがある。差別化 に成功 した 場合、 コス トリー ダーシ ップ とは異 なるポジシ ョ ンを市場 において築 くことがで きる。それは消費 者、顧客か らその企業製品ブラン ドへの忠誠心で ある。企業製品‑の絶対的な信頼 をより強固にす るためには、基礎研究、高品質の素材、徹底 した 顧客主義 を行 う努力が必要 となって くる

市場 にお ける買 い手が非常 に重要 だ と思 う特 性、例 えば、環境技術 開発費やブラン ドイメージ 向上、技術 、製品の差別化の コス トを製品に転嫁

しやすい。その理由はコス トの概念が一番重要で はな く、 このニーズ を満たす ことは他社 にはで き ない とい う体制 を認知 させ ることだか らである。

差別化戟略 を環境対策 に組み込 んだ場合、 コス ト リーダーシップ戟略 よ りも組み こみやすい。その 理由は、次の通 りである。環境問題 は単一な問題 ではな く、さまざまな要因によ り構成 されている。

買い手側が重要だ と認識す る問題が多数 ある場合 は、成功する差別化戦略の数 も多 くなる。戟略の 数 とい う面 を比較 した場合 には、 コス トリーダー シ ップ戦略 は業界 内で一つ に限 られ るの に対 し て、差別化戦略はその業界では一つだけにとどま らないか らである。 しか しなが ら、差別化 を持続 す るためには、顧客のニーズに徹底 して応 えた製 品を作 り出す技術力が求め られる。

例 として、日産 自動車 における2003年度3月度 国内乗用車販売計画台数 をあげてみ る。販売計 画 台数 の うち、80%を超低 一排 出ガス車 にす る とし ている3。この販売計 画 と差別化 とのかかわ りは、

企業の提供す る製品のほ とん どが一番厳 しい認定 制度 をパスす ることで、市場、顧客 にその企業の環 境 に対す る認識 や対応度 を示す ことで、他 の企業

との差別化 を図 り、競争優位 を得 るのである。

3)集中戦略

企業の製品の種類 、特定の市場 な どに対 して、

企業の資源 を集 中する戦略である。その形 として、

3超 ‑低排 出ガス車 とは、国土交通省の低排 出ガス車認定制度で、排 出ガス低減量が最大の 「平成12年基準排 出ガス75% 減 レベル」 をクリア した低公害車の ことである。

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論文 「製造業における環境問題対策 と競争優位性 との関係」 85

コス トリー ダー シ ップ戦 略 、差 別化 戦 略 は市 場全 体 で の効 果 を上 げ る こ とを 目標 と してい るが 、集 中戦 略 は市 場 の 中で も特 定 の ターゲ ッ トだけ に焦 点 をあて る もので あ る。市 場 にお け る ターゲ ッ ト を広 くした 同業 者 よ りも、狭 い ター ゲ ッ トに絞 る 方が 、 よ り効 果 的で 、 よ り効 率 の高 い 良い戦 いが で きる とい う前提 か らこの戦 略 が有効 とな る

集 中戦略 を用 い、環境 対 策 の市 場 に焦 点 をあ て る こ とが一番有効 なの はニ ッチ市 場 で あ る。 そ の理 由 は現在 の環境 ビジ ネス の市 場 とい う もの はそれ ほ ど大 きい もの で は な く、市 場 の 1セ グ メ ン トに

表2‑2‑1 競争 の基 本戦 略 と環境対策 の組 み合 わせ

す ぎないか らで あ る。 また、現在 の段 階 で は、企 業 の製 品別売 り上 げか ら、環境対 策 商 品 と今 まで の商 品 を比較 して も、や は り環境対 策 に焦点 をあ て た商 品の売上 比率 は微 々た る もので あ る。 この こ とは 自動車 会社各社 が販売 してい る電 気 自動 車 並 び にハ イブ リ ッ ド車 の販売 量 を通常 の車 に環境 対 策 を施 し、 あ る程 度 の環境負荷 を低 減 させ た車 種 の販 売 量 と比 較 して もわか る。 以 上 を含 め て 、 環境対 策 とい う集 中戦略 はベ ンチ ャー企 業 サ イズ の会社 で は有効 か も しれ ないが 、企 業 の規模 が大 き くな る に連 れ て、 コス トリー ダー シ ップ戦 略 、

基本戦略 必要な経営資源 必要な組織 目標 環境対策で拳 嘩‑垣:れ勢準準

トリ

ーッ戦略ーシ ・労働力の綿密な監督・低 コス トの流通システム・製造を容易にする製品設計・工程エンジニア リングの熟 投 資と資金 源 ・厳密なコス ト統制コン トロー ルは\頻度多 く詳細に・組織 と責任 をはっきりさせる・厳密に定量的目標 を実現 した

場合の報奨制度 束I.奉l賛壷寿II十PP:;

差別化戦略 ・強力なマーケテイング能力・製品エンジニア リング ングのうまい調整・R&D・定量的測定による幸、製品開発、マーケテイ馴賞 嫁経醸顛車牽尋車キ車テ粟を季軽索二=十 甘軒ずタ革労単音車載轟

造的直感 ・高熟練工、科学者や創造的人 字嘩壊阜帝鍵簸狩蜜*:.:顧窮 間を惹 きつける快適 さ 韓碑吟簡単.I.=;:‑;I.‑.=.I:.≡

・基礎研究力

・高品質またはテクノロジー

主導 という評判は他の事業経験からの熟練の・業界内の歴史が古 く\また 独自の組み合わせ・流通チャネルからの強い協

集中戦略 ターゲッ トに適合するように・上記の政策 を特定の戦略を ‑ゲッ トに適合するように組み・上記の政策 を特定の戦略をタ

出所 : ポータ‑ 『競争の戦略』 ダイヤモン ド社 1995 p.63より加筆

(6)

86 研 究 年 報 7

差別化戦略比べ、その戦略の成功の可能性 は小 さ くなってい くのである。環境市場がそれほ ど成熟 していない現在の段 階では、規模の大 きい企業全 体で この戟略 をとり、競争優位 を獲得す ることは 困難である。 しか し、環境問題が大 きな社会問題 となっている現在、環境対策 を実施 しないことは 企業 にとって大 きな リスクを背負 うこととなる。

2‑2 競争の基本戦略 と環境対策の組み合 わせ 今 まで述べ たことをポー ターのい う基本競争戦 略 とそれに対する環境対策で求め られる資源 をま とめてみた ものが表2‑2‑1である4。 この表 を参考 に しなが ら、3つの戟略 と環境対策 を実行す る/

表 2‑2‑2 環 境 対 策 に取 り組 む上 での課 題

上で、どの ような問題が生 じるのか考 えてみたい。

は じめに、 コス トリーダーシップ戦略、差別化 戦略、集 中化戟略 に環境対策 をそれぞれに組み込 んだ場 合 について考察 を行 う。その結果 、 まず、

集中戟略 については、ベ ンチ ャー企業 などでは集 中戦略 は大 きな効果 をもた らし、その企業の ター ゲ ッ トとしている市場 で競争優位性 を獲得するこ とは可能であると考 え られる。

次 に、 コス トリーダーシ ップ戦略 と環境対策の 組み合わせか らわかることは次の通 りである。環 境対策技術の開発 に巨額の コス トがかか り、その 開発費 を製品販売 によって回収で きるのか どうか とい う問題 が あ る。 この点 につ い て、表2‑2‑2 (環境対策 に取 り組 む上での課題)で示す5。 /

(構成比 :%)

コス トアツプ 人材不足 技術不足 足資金不 消章者 .取引先の認識不足 認知 され 行政の関に く 与不足

63甥

鉄鋼 70̲5 34.4 29.5 6,6 3.3 6.6 1,6

資料 :ニ ッセ イ基 礎 研 究 所 「MonthlyReport」 2001.4p.5よ り作成

全産業 の うち、約63%が環境対 策 を取 り組 む 上での課題 はコス トア ップと回答 している。 この ことか ら、低価格で環境負荷 を低減可能 な技術 、 素材が これ といって見あた らない現在の環境 では この戦略 を単独 で用 いることは難 しい といえる。

しか し、 3‑3(品質管理 とコス トの関係 と環境対 策管理の関連)の中で考察する ように、品質管理 と同様 の プ ロセ スで イニ シ ャル コス トはかか る が、環境対策活動が うま くいった場合、 トー タル コス トは下がる。 この ような事例が この戦略 を成 功 に導 く足がか りになるのではと考 えられる。

最後 に、差別化戟略 との関係 であるが、先 に述 べ たコス トリー ダーシップ戦略、集 中戦略 と比較 した場 合、最 もその実現可能性が高 い といえる。

その理由は、例 えば、現在の製品 と環境対策 を施 した製品では、明 らかに環境へ与 える負荷が少 な い とい うこ とをは じめ、図 ト11 市民が求め る

「企業の社会的役割」 で示 している とお り、約 /

7割が環境保護 をあげ、図 ト1‑2今後企業が社会的 信用 を得 るために力 を入れるべ きことの項 目で も 約7割が環境保護 と回答 している。 これ らのこと か ら、環境対策 を施 し、その負荷 を低減 させ る製 品は市場 において もっとも消費者、顧客 に受 け入 れ られやす く、その企業の社会的信用 を得 るため に効果のある戦略 と考 え られる。他の戦略 に比べ ると、差別化 とい う面で市場 における競争優位性 の獲得 には、最 も効果がある と考 えられる。

以上の ことか ら環境対策 において も、ポー ター のい う競争優位戦略の理論 に当てはめることが可 能である。広範 囲かつ複雑 な環境問題対策 を3つ の戦略 にそれぞれ分け、有効 な対策 とす るための 過程 として、ポー ターのい う理論 は有用である と 思われる。製造業 において も環境対策 を戦略の一 部 と して策定 し、実行す ることによ り、企業 は市 場 において競争優位 を獲得す ることが可能 となる

と考 えられる。

4ポー ター 『競争 の脚ダイヤモ ン ド社 1995 p.63 5ニ ッセ イ基礎研 究所 「MonthlyReport」 2001.4p,5

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論文 「製造業における環境問題対策と競争優位性との関係」 87

第3章 戦略による競争 とオペ レーシ ョン効 率 による競争

3‑1 戦 略 に よ る競争 とオペ レー シ ョン効率 に よ る競争 とは

今 まで は競 争 の基本 戟略 と して、「コス トリー ダー シ ップ」、「差別化」、「集 中」 とい う3つの戦 略 と環境対策 を比較 しなが ら、議論 を進 めて きた。

しか しなが ら、 1990年代 後半 で は、 ポー ター に よる競争優位戦略 には新 たな議論 が行 われる よう にな って きた6。 それ は3つ の基本 戦 略 を 「戦略 に よる競争」と 「オペ レー シ ョン効率 に よる競争」

とい う2つ の競 争 優 位 戟 略 に分 類 した こ とで あ る。 「差 別化」 と 「集 中」 が 「戦略 に よる競 争」、

「コス ト」 に関す る問題 が 「オペ レー シ ョン効率 に よる競争」 とい うフ レームワー クの中で検討 さ れ るこ とになる。 ポー ターのい う2つの戦略 は次 の通 りであ る了。戦略 にお け る競 争 とは、特 色 の あ る製 品やサ ー ビスを提供 し、市場 において独 自 のポジシ ョンを築 き、他 の企業 と競争す る方法 で ある。 オペ レーシ ョン効率 とは、同 じ力あるいは

似通 った活動 を競合他社 よ りもうま く行 うこ とを 意味す る。さらに企業の戟略の中核 となることは、

競合他社 と競争 を行 う上 で、他社 とは異 なる方法 で事業 を進 めることである。製造業が環境 問題 の 対策 において、優れた業績 を達成 し続 けるため に は、ポー ターのい う理論 の中で さらに検討 を行 い、

今 までの進 めて きた議論 にどの ような影響 を もた らすのか を明 らかに してい きたい。

市場 において、競争優位性 を獲得す るためには、

オペ レーシ ョン効率 のみでは優 れた業績 を残す こ とは不可能であ り、戦略 による競 争が どの程度効 果 を発揮 す るか とい うことが競争優位性 を獲得で きる分かれ 目となる。 この ようなこ とか ら、その 2つ の フ レーム ワー クの 中には、 コス トと品質 に 関わる問題 、消費者 ・顧客 に提供す る価格 と して 表 す こ との で きない価値 を議 論 す る こ とに よっ て、何 らかの問題解決 となる。 この戦略 に よる競 争 とオペ レー シ ョン効率 に よる競争 とい う2つの フ レー ム ワー クを表 した ものが図3‑4‑1の競 争 の 要素 と競 争戟略 の関連 であ る8。 こ こでの問題 点 は、 コス ト ・品質、集 中、差別化 を同時 に達成す るためには何が必要 なのかが問題 となる。

6 ポー ター 『日本の競争 戦略j ダ イヤ モ ン ド社 2000 7 同掲書

8 金子秀 「日本企業 の競争優 位戦略再論」創価経営論集 Vol.26 No.1 2001 p.118

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88 研究年報 第7

3‑2 環境対策 とオペ レー ションによる競争 での 費用の考 え方

ここでは 「オペ レーシ ョン効率 による競争」 と 環境対策関連の中で、 どの ような問題が浮上 して くるのかについて考察す る。 このことは戦略 を実 行す るにあた り、企業独 自のポジシ ョンを選択 し、

それに応 じて企業活動 を調整す ることだけではな く、戦略の実行 によ り、企業 は消費者 ・顧客 に価 値 を提供す る上で、 トレー ドオフを行 うことも考 える必要がある とい うことである。つ ま り、一方 のポジシ ョンを増強 したければ、他方 を減 らさな ければな らない場合である。 この ような トレー ド オフは環境対策の戦略化 を考 える上で、 どの よう な影響があるのだろ うか。 トレー ドオフ的な見方 を企業の環境対策 に取 り入れた見方 を表 した もの が表3‑2‑1であ り、それ を元 に次 の ような考 え方 が可能 となる。一つは、環境負荷低減の技術 開発 のための コス トは企業 に巨額の コス ト負担 を強い る。 この負担 によ り、企業の競争力の低下 をも/

たらす場合 もある。 このことか らコス トと環境技 術 開発 は トレー ドオフの関係であるといえる。

次 に、環境対策 と企業の経済性 とは矛盾す る と い う考 えである。例 えば、既存の製造技術 を前提 に した上では、製品の製造工程 か ら排 出 される汚 染物 質除去のための設備 を設置す るこ とである。

この対策が コス トアップの要因にな り、競合他社 との競争 において優位性 を喪失 しまう可能性があ るとい うことである。そ して競争優位性 を得 るた めに企業 としては、経済性 を失 わず に、コス トア ップ要因をで きる限 り回避 しようとす る行動 をと る。具体的には、既存 の製造工程 を前提 に し、そ の製造工程 か ら排 出される廃棄物 を処理、 コン ト ロールす るための技術 を新 たに設置 した とす る。

この ことを企業側 か らみた場合、新 たな追加 コス トを増加 させ る要因である とい う見方 となる。 コ ス トと技術 開発 の トレー ドオフの関係 もあ り、企 業の既存の製造 プロセス全体の改善活動 を行 うこ とによって、企業 は環境問題 に対処 しようとい う

行動 をとる /

表32‑1 環境対策 の コス トと競争 力 との関係 従来の考え方

コス ト増‑競争力低下と仮定 した場合 現在の考え方

環境対策 コス ト 競争力

制御技術の追加 I I

3‑3 品質管理 とコス トの関係 と環境対策管理 の 関連

トレー ドオフについて述べ るにあた り、環境対 策 とコス トとの関係 の前 に、品質 とコス トとの ト

レー ドオフについて説明す る。品質 とコス トの関 係 は伝統的な生産方式では、品質の向上 にはコス トがかか り、 また技術が必要であ り、ある一定の 欠陥品は認め ざるを得 ない とい う考 え方 を前提 と していた。 この考 え方が品質 とコス トとの トレー ドオフの関係 の基 となっていた。 しか しなが ら、

トヨタ生産 システムに代表 されるように、 フォー ドシステムの ような伝統的な考 え方、生産方式 に も次の ような変化の彼が押 し寄せ、新 しいアプロ ーチが採用 されるようになって きた。そのアプロ ーチ とは、品質向上 は技術 的な ものでな く、管理 的な ものであるとい うこと、問題解決のためには

継続 的な改善 を必要 とす ること、この ようなアプ ローチ を通 じて、製品の欠陥 を限 りな くゼ ロにす ることな どである。

この新 しいアプローチ を採用 し、実行す ること によって、品質向上 とコス トは トレー ドオフの関 係 にあ った ものが、それほ どコス トがかか らず に 製品の品質向上が可能 となって きたのである。な ぜ、この トレー ドオフの関係が解消 されたのか と 考 える と次の ように説明で きる。トヨタ生産 シス テムに代表 されるように必要 な ものを必要なだけ 製造 し、生産工程 における加工や、検査 などでムダ を取 り除 くことである。その結果 として、余計 な在 庫 を抱 えることもな く、工程数 も削減で き、コス ト

を削減で きる。品質向上 との関連 は検査工程 を省 くためには、加工の精度 を高める必要がある。加工 の精度 を高めるためには部品や素材 を見直す必要 が求め られて くる。品質 を向上 させ、コス トを削減

(9)

論文 「製造業における環境問題対策と競争優位性との関係

89 す る とい う トレー ドオ フに対応 す るため には、問

題 となっている原 因 を解 明 し、一つ一つの工程 、作 業 を見直 し、改善活動 を行 うことであ る

次 に品質 とコス トの トレー ドオフ解消 のため に 用 いた考 え方 を環境対策 とコス トの トレー ドオフ に も用 いるこ とがで きるのか について検証 してい く。 この二つの関係 を検証す る理 由は次 の通 りで ある。製品の品質管理 は製造 プロセス を経 て、市 場 に出て行 くとい う流 れ を持 つ。企業の内部 か ら 外部へ とい う流 れ と、地球環境 問題 に対 して も企 莱‑ の影響 、地球全体‑ の影響 とここで も内部 と 外部 の流れがある。 この流 れの中で何 か共通 の要 因が あるのではないか とい う理 由であ る。さらに、

地球環境 問題 に対 して、製品の使用 を通 じて及ぼ す影響 を企業 の品質管理 において改善で きたな ら ば、品質管理 と環境対策管理 の間に何 か共通 の要 因があるのではないか と理 由 もあ る。

富士 ゼ ロ ックスの会長である小林 陽太郎氏 は品質 管理 と環境 問題 との関係 について次 の ように述べ ている9

「富士 ゼ ロ ックスで全社 的品質管理 (TQC) 活動 をス ター トさせ た とき、 コス トをかける と 品質は よ くな り、 コス トを下 げる と品質 は悪 く なる と思 っていた しか し、その考 え方 は正 し くは なか った。環境 の問題 は、 このT(〕C活動 の話 と似 た点が多 い。環境 は企業 の品質 を考 え る うえで、重要 な要素 になってい る

。 」

この品質管理 と環境問題 との関係 の考 え方 も含 め、環境対策 とコス トの トレー ドオフの関係 を表 3‑3‑1の品質管理 とコス トの内訳 と比較 しなが ら、

どの ような結論 が導 かれ るのかについて考 えてみ る。 は じめ に表3‑3‑2で の品 質管理 にお け る コス トの考 え方 について説明 し、次 に品質管理 におけ るアプローチ について環境対策 を組み合 わせ なが ら説明す る。

この表が示すそれぞれの項 目については次 の通 りであ り、管理 コス トは予 防、評価費用 を合 わせ た もので、損失 コス トは内部 、外部 における損失 費用 を合計 した ものである。 また これ ら全 て を足 した ものが品質管理 における トー タル コス トとし て表す ことがで きる。

①予 防費用 :品質計画費用 、新製品批評費用、訓 練費用、作業工程計画費用、

品質に関す るデー タ収集費用 、 プロ ジェク トの改 良費用

② 評価費用 :材料受 入検査費用、作業工程検査費 用、最終製 品検査費用 、品質管理研 究費用

(勤内部損失費用 :廃棄費用、再作業費用 、 ダウ ン グ レー ド費用、再 テス ト費用、不稼働 費用

④外部損失費用 :品質保証費用、 ク レーム対応費 用、損害費用 、再販売費用、製品に対 す る不信度 は不買 につ なが る

表3‑3‑1品質管理の トータルコス ト要因 予防費用 管理 コス ト 品質管理のトータルコス ト 評価費用

内部損失費用 損失 ∃ス ト

表3‑3‑2 環境対策管理の トータルコス ト要因 環境悪化予防費用 環境対策 環境対策管理の 環境対策評価費用 管理 コス ト トータルコス ト

環境対策内部損失費用 環境対策損失 コス ト

9日経ビジネス ・日経エコロジー共同特別編集版 「企業共生の条件」2002.10.21 p.27

(10)

90 研 究年報 7

品質管理 の トー タル コス トには、上記 の4項 目 によ り構成 されている。これ らの項 目け 環境対策」 をつ けてみた場合 、品質管理 の手順 と同 じような 道筋 を通 ることが可能か どうか を検証 してみる。

表33‑1で それぞれ につい て述べ た と同様 に、

それぞれの項 目ごとに環境対策 を加 え、その関わ りを考 えてみる。

①環境悪化予防費用 :環境対策計画費用、環境対策 製 品批評費用、ISO14000シ リーズ取得 の ための教 育費用 、環境負荷 が低減 さ れ た工程計 画費用 、ライフサ イクルア セスメン トに関す るデー タ収集費用 例) リサ イクルを促進す るための コス

ト、社 会的な取 り組みのための コス ト な どがあげ られる。

(∋環境対策評価費用 :リサ イクル素材比率検査費 用、最終製品環境適応検査費用、環境 対策研究費用

例) ライフサ イクル全体 における環境 に与 える影響測定費用 などである。

(参環境対策内部損失費用 :廃棄費用、再作業費用 例 )ISO認証取得 に関連 した費用、工 場内の塗装工程 におけるシンナーな ど の溶液回収装置や廃水処理装置の設置 費用 などである。

④環境対策外 部損 失 費用 :環境 対 応 品質保 証 費 用、 クレーム対応費用、損害費用 例) リサ イクルが容易 な組み立 て、分 解のための設計費用、環境 リスク、環 境 ブラン ドな どである。

環境対策管理の トー タルコス トの要因を考 える 上で、まず、予防 と対策 を行 うことが重要である

その理由は次の通 りである。(∋予防 と対策 を行 う

ことで損失費用 は不要 となる。②予防 と対策が不 十分であれば、損失費用が発生す る確率が高 くな る。

この製造業 における環境対策管理 コス トを明確 に表す ことは、企業経営 に次の ような影響がある。

一つはそれぞれの H的のために必要 としたコス ト とその効果 を定量的に把握す ることによ り、 よ り 効果的な環境対策活動 に結 びつけ、経営判断の尺 度 と して役立 てることである。次 に社員 に対す る 環境対策 をさらに進め るためのモチベー シ ョンを 高め るための ツール として役立 てることである。

最後 に、広範囲でのステー クホルダーに対す る企 業の環境対策の考 え方やその結果 を情報発信 する ことで、企業経営 に対する理解 を深めて もらうこ とである。

3‑4 環境対策 とオペ レー ションによる競争 での アプローチの考 え方

ここでは先 に述べた環境対策 と費用の考 え方 を うけ、環境対策の行動 をとるためにどの ようなア プローチ をとるべ きか について考 えてい く。その 中で、伝統的なアプローチ と新 アプローチを比較 しなが ら、品質向上のため に用いたアプローチが 環境対策 にも通用するのか どうかを考察する。 ま た品質管理 におけるアプローチ方法が 転換 したの と同様 になぜ 、環境対策が大 きな注 目を浴びるよ うになった きっかけ も考 えてみる。

品質管理 において表3‑4‑1に示す品質 と環境対 策 におけるアプローチ方法の ように伝統的なアプ ローチか ら新 アプローチ を経て、品質が向上 した とい うことをもとに し、環境問題対策 に もこの よ うなアプローチが有効 であると仮定 し、検証す る。

伝統的な環境対策 アプローチが事後的な対策であ

表34‑1 品質管理 と環境対策管理におけるアプローチ方法

碍蝉鞄を品質管理 ( 環境) ≡ ‑ ■ . ̲ ≡ " ' P I q : . . , = : : ̲ l = ∋ : . . ア7. . 甲「筆

事後的 事前的

嘩壁入可能な品質 (環境対策) レベル 排出物ゼロ 1泉 ≡.:A.観避 開護解

口口質管理 (環境対策)のコス ト コス トと品質智哩 (環境対策)

..竜泉 牢才サ車車重索も孝女オ 軒 ■′ 注 :カッコ内は環境対策にあてはめた場合

(11)

論文 「製造業における環境問題対策と競争優位性との関係」 91 った場合、 (例 えば、製造工程 な どでの排出ガス、

排水の末端処理 など)新 アプローチでは、事前的 となる。このことを例 にあげると末端で排出ガス、

排水 を清浄、ろ過 していた もの を製造工程の前か ら廃棄物 となる もの を出 さない仕組み にす ること である。 またこの項 目には 「検査」、「予防」 も事 後、事前的対策 に含 まれる

次 に 「受 入可能 な品質 レベ ル」 と 「欠陥ゼ ロ」

との アプ ローチか らわか る こ とは次 の通 りであ る。前者では、ある程度の失敗や欠陥 を見越 して いることに対 し、後者では、製造工程、製品にお いて、欠陥はゼ ロとい うことである。余計 な排 出 物 ‑環境負荷 と考 え られてい る現在 においては、

伝統的アプローチでは、環境負荷 につながる と同 時 に、同条件では必然的に新 アプローチ よ りも多 く作 らなけ]/いざな らないことか ら前者ではコス ト ア ップ、後者ではコス トダウンの要因 となる

製造業の品質管理 において伝統的なアプローチ か ら新 アプローチに変化 していった大 きな背景 と は次の2つが考 え られ る。それはオイルシ ョック による省エ ネが求め られたことや、 日本国内のみ にならず、世界 中で高品質低価格の製品 を供給す ることで、競争優位性 を維持、向上 させ るとい う 2つの大 きな要 因に よ り、 アプローチの方法が進 化 していった と考 え られる。それに対 し、環境対 策 におけるアプローチの変化 は、地球環境サ ミッ

トや京都議定書 による要因が大 きい。 さらに細か く考 えてい くと、次 の ような要 因が考 え られ る

一つ はISO14000シ リーズの取得 が ヨーロ ッパ を は じめ、 ビジネスを行 う上で、必須の ツール とし

て認識 されて きていることである。次 に、環境規 制が法律 として施行 されつつあることである。企 業 はそれに対応するために改善 を必要 とし、環境 規制 に必要 なコス ト以上の利益 を生み出すための 対策 を企業 は考 える。 このことは研究開発 による 技術革新、 日々の改善活動 の中か ら、製品、製造 プロセスな どに活か し、環境負荷低減 を達成 して い くことである

ポー ターのい う 「オペ レーシ ョンによる競争

を中心 に述べ たが、 ここか らわかることは、品質 向上のためのプロセス と環境問題対策 におけるプ ロセスには共通項が多 くある とい うこ とである

さらにある外 的要因 を受け、そ こを転換期 として 急速 に変化 してい く様子 も同様 のプロセスを通 っ ている と考 えらjlる。その外 的要因 とは品質向上 においてはオイルシ ョックや品質や価格 における 製品の世界 中における競争激化であ り、環境対策 で は地球環境サ ミッ トや京都議定書 な どである

これ らの要因を受け、品質、環境対策が向上 して い く様子 を表 したのが図3‑4‑1の品質管理 の変遷 と製造業の環境対策の変化である。 この図をとお し、 また現在の 日本企業の製品の競争力 を考 えた 場合、 日本の製造業 においては、外的要因による 変化への対応が非常 にうまい といえる

第4章 結論

本稿 においてその 目的であった、製造業が市場 において優位性 を獲得す るために、企業の環境対 策が競争優位性の獲得 に有効 となるのか をまとめ

図3‑4‑1 品質管理の変遷 と製造業の環境対策の変化

l品質管理

l

lレベルア

ッ プl

l製造業における環境対策 l レベルア ップ

(12)

92 研究年報 第7 てみた。

製造業 における品質管理活動 について、 コス ト をかける と品質は向上 し、 コス トを下げる と品質 は低下す る と考 え られていた。 しか し、品質管理 の新 しいパ ラダイムを創造す ることによって、品 質向上 にはコス トをかけな くて も顧客の求める品 質は確保で きるようになった。

環境問題 に も同 じことがいえ、環境対策 には巨 額の コス トが必要である とい う考 え方か ら、 コス トをそれほ どかけな くて も、環境改善の効果 を得 ることが出来 る とい う発想 の転換が必要 となって きた。 また、環境対策 に積極 的に取 り組 んでいる 企業であることを社会か ら認知 されれば、企業そ の ものの全体の品質 とい える企業競争力が必ず向 上す る と考 え られる。 この ように環境対策 は企業 の競争力 を考 えるうえで、重要 な要素 にな りつつ ある

これ らをふ まえ、本稿 における結論 として次の 2点 をあげる

(∋環境対策 において も、ポー ターのい う競争優位 戦略の理論 に当てはめることが可能である。広 範 囲かつ複雑 な環境 問題対策 を3つの 戦略 にそ れぞれ分 け、有効 な対策 とす るための過程 とし て、ポー ターの理論が応用可能であることの提 示 を試みた。戦略 をコス トリーダーシップ、差 別化、集 中、の観点か ら分析 し、競争優位性 を 獲得す ることについて説明 を行 った。本研究 に お ける環境対応 を企業 の環境戦略 として策定、

実行す る上で も、本論文で述べ たの と同様 の手 法、プロセスによ り、競争優位 を獲得す ること が可能である と考 える。製造業 において も環境 対策 を戦略の‑つ として策定 し、実行すること により、企業 は市場 において競争優位 を獲得す ることが可能 となることを提示 した。

(∋品質向上のためのプロセス と、環境問題対策 に おけるプロセスには共通項が多 くある。 この共 通のプロセスを環境対策 に関連 させて、そのア プローチの手法 を提示 した。品質管理の概念が 新 しいパ ラダイムによって変革 した ように、環 境対策管理 において も、環境対策 にはコス トが かかるといった概念か らの脱却が必要 になって

くる

最後 に、今後の課題 として次の ようなことが考

えられる。企業経営での リス クと環境問題 の関わ りを考 える と、引 き起 こして しまった環境破壊 な ど企業が背負 う環境面での リスクは非常 に大 きい もの ともなる。 この リスクを回避 し、健全 なる企 業経営 を行 うために も、企業での環境対策の戦略 化 は必要 となる。 さらに、製造業の抱 える環境問 題 だけではな く、地球環境問題全体 を通 して、 さ まざまな問題 を解決 していかなければな らない。

環境問題 といって も、それぞれの国や地域が抱 え る問題やその解決へ向けた優先度が異 なる。その 中で も、共通の認識 として、政府、企業、顧客や 消費者の レベルでそれぞれが抱 える環境問題 に対 する理解 を深 め、議論 し、実践 に移す ことが地球 環境問題 の解決 に向けた大 きな一歩 となると考 え

られる

(13)

論文 「製造業における環境問題対策と競争優位性との関係」 93

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参照

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