九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Astrocytes in the mouse visual cortex reliably respond to visual stimulation
園田, 啓太
http://hdl.handle.net/2324/2236119
出版情報:九州大学, 2018, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
氏 名:園田 啓太
論 文 名:Astrocytes in the mouse visual cortex reliably respond to visual stimulation (マウス視覚野のアストロサイトは視覚刺激に対し再現良く応答する)
区 分:甲
論 文 内 容 の 要 旨
アストロサイトは非常に多くのシナプスと接触しており、感覚入力を統合している可能 性がある。フェレットの一次視覚野では、アストロサイトは視覚刺激に対して周囲のニュー ロンよりも数秒遅れて反応することが知られている。しかし、マウスの一次視覚野でアスト ロサイトが視覚刺激に反応するかどうかは明らかになっていない。この研究では、覚醒下の マウス視覚野でニューロンとアストロサイトの二色同時生体内二光子カルシウムイメージ ングを行い、アストロサイトの視覚応答やその精確なタイミングについて調べた。その結 果、ニューロンは視覚刺激に対し再現良く反応したが、アストロサイトではノルアドレナリ ンを介した大きな活動がしばしばみられ、それにより小さな視覚応答の大部分が隠されて いた。選択的α1アドレナリン受容体阻害薬であるプラゾシンを投与すると、ニューロンの 視覚応答を阻害せずにこれらの大きなアストロサイト活動を大幅に減らし、アストロサイ トの視覚応答を、主に細胞体の部分で、小さいながらも一貫して検出できるようになった。
相互相関解析により、アストロサイトの視覚応答は周囲のニューロンよりも約 5 秒遅れて いると推定された。結論として、今回の研究では覚醒下マウスの一次視覚野に存在するアス トロサイトが周囲のニューロンと比べて数秒遅れて視覚刺激に反応することを明らかに し、ニューロン―アストロサイト間の情報伝達には異なる動物種間でも共通のメカニズム が存在する可能性があることが示唆された。