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井手, 英夫

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(1)

細円管および狭い長方形管内垂直上昇気液二相流の 流動現象に関する研究

井手, 英夫

https://doi.org/10.11501/3147903

出版情報:Kyushu University, 1998, 博士(工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:

(2)

51

2.4 新定義に基づく液体塊の速度特性

2.4.1 加重平均による波速度U mvの定義

前節までに述べた速度は液体の輸送あるいは流動様式に重要な役割を果たす大 きな波(液塊〉が小さな波と同等に扱われており, 流動特性を特徴付けるためには 最適なノマラメータとは言い難い. そこで本節ではこのことを考慮して新しい定義 に基づく液体塊速度を導入する.

図2.21(a)から(d)のそれぞれの図には, 上からJI慎に上流および下流プローブに て得られたそれぞれの液体ホールドアyプηu(t)とηD(t), その時間差から式(2.9) を用いて定めた個々の波の速度Ui(以下, スラグ流およびフロ ス流でも, 特に液体

スラグ速度あるいは液塊の速度と称すべきところ以外は, これらも含めて波速度 と表記している), 一つの波を一つの矩形波に変換した液体ホールドアッフ。7]ptllお よびこれらから得られる個々の波の質量Mi, その波が有する運動量(Mi U i)などに 対する時間変化波形を示している. ここで, 一個の波はη曲線の最大波高の50%位 置における信号の立ち上がりから立ち下がりまでの区間で表されると考え, η'pulの 値は個々の波について最大波高yに対応するホールドアッフ。ηmaxをとり, それ以外 の領域 では基底液膜厚さYBに対応するホールドアッフ。ηBで表した. なお, ηmaxお よびηBは, 正規確率紙上で基底波とじよう乱波の液膜厚さを定義した深野ら(8)の方 法に基づき, 前もって算定した値を用いた. 図中の一点鎖線はNicklinの式である.

(細円管の場合式(2.1 0), 長方形細管の場合後述の式(2.19))

上述の波速度の定義をスラグ流領域まで拡張して適用した.すなわち, 液体の輸 送の観点から重要な意味を持つ大きい液塊を重視して, 質量で重みをつけた加重 平均 波速度(以下, 平均または単に波速度と称する)および個々の波の質量をそれ ぞれ式(2.14), 式(2.15)で定義した.

U mv =

(�)

MiUd

(�) L

Mi (2.14)

Mi =ρLSiムti U i = PLSiLi (2.15)

ここで, PLは液体の密度, Siは図2.21(a) --(d)のfJpul波形のハッチングで示した液 体塊の面積を表し, 細円管の場合式(2.16)で, 長方形細管の場合式(2.17)で与えら れる. ムt iおよびLiは, それぞれ液体塊の存在時間と長さである.

(3)

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一三一一一一一・ーらー・6-一ーム一一一一ー o一一一一一

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E

ハU6ηυ AU ,,A

(

Slug

flow ) (a)

D = 2.0 mm jG = 5.0 m

/

s jL = 1.0 m

/

s

-

O

.20

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o

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.12 一_l

S

o 0

.08

tzme

.04 一斗

T -i寸

(

Slug

flow )

f

(b)

D = 0.9 mm jG = 3.0 m

/

s jL = 0.5 m

/

s

図2.21加重平均速度の定義とその例

(4)

53

E I A T IT

z 図

LLロ

ー ー

.

.50

.40

| o IMi k.g _1 l ・ IMiUi ,kgm/sj

.30 S

.20

tzme

ー­

.10

(

Froth flow

)

t

(c)

D = 4.0 mm Ja = 5.0 m

/

s JL = 0.7 m

/

s

以�札ベ川 、'-""

I I --..." '----111

ーーーーーーーー : - L;J L J J - J -- ; ; : - i - J -_.-- - J -- J

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ト ト

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J 4

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4 4

1 4

,,a ,,A さよへとQfベミ主332ミヨミ3

・ ミ

(

Froth flow

) (d)

D = 0,9 mm ja = 7.0 m

/

s JL = 0.5 m

/

s

図2.21加重平均速度の定義とその例

(5)

1コ

o

15.0 と10.0

E

・日5.0

hふ

0.0

(

a

)

Mass

-5.0t

2 4681σ62 4 681Õ52

(b)

Momentum

-5.0

話ミ 50

〉、

.ーコ� 25

エコ

ι 0 15.0 と10.0

5

・日5.0

0.0

Mi

kg

(c)

Area

20

〉、

0.0

2 4 681σ"'2 4 6810...2

MiUi

kgm/s

-5.0t-1 ] _1:-5.0

10-' 2 4 6810-<> ---10・J2 4 68l(了 2.2 4 6 810-1 0 20

Si

rn

:2 Li

m

Probabüity %

:0

= 0.9 mm

,jG

= 7.0

rn/s ,jL

= 0.5

m/s

図2.22個々の波に対する各流動パラメータの計算結果の例

(6)

細円管に対しては,

Si=π{D-(YB+ Y)} { Y - YB} (2.16)

長方形細管に対しては,

Si = A・B.ηmax - A・B.ηB (2.17)

図2.22に これらの流動パラメータの計算結果の例を管径0.9 mm, 気体のみかけ速 度jc = 7.0m/s , 液体のみかけ速度jL = 0.5m/sの場合について示す. 図には, 個々 の波に対する(a)質量, (b)運動量, (c)液体塊面積および (d)液体塊長さと速度の 関係並び にそれぞれの度数を全度数で除した存在確率分布 が表されている. 詳細 は次節で述べるが, この条件での速度の確率分布は双峰性分布であり, 速度特性 の異なる波が存在することがわかる.

2.4.2 加重平均速度と流動様式の関係

二相流の気体および液体のみかけ速度の和(jC+jL) に対する加重平均速度Umv の変化を図2.23および図2.24に示す. 図2.23は管径が6.0, 4.0, 2.0および 0.91um の細円管の結果を, 図2.24は短辺が1mmで長辺が1.0, 2.0および 5.0mm, すなわ ちアスペクト が1, 2および5の長方形細管の結果を示している.

図中の一点、鎖線および二点鎖線はNicklin(4)の関係である. 図2.23 の細円管の場 合, 一点鎖線は前出の式(2.10)において左辺のUmをUmvで、置き換えた関係である.

図2.24の長方形細管の場合, 二点鎖線は右辺第2項のドリフト速度項の管径Dを 相当直径Dhで置き換えた式(2.18)を表し, 一点鎖線は式(2.18)で右辺第2項を無視 した式(2.19) である. これらの式では後述の分布パラメータ Coおよび ドリフト係

数Kを用いて表した .

U mv = Co(jc + jL) + !{

r;瓦

, (C 0 = l. 2, !( = 0お) (2.18)

U mv = Co(jc + jL) (Co = 1.2, !( = 0) (2.19)

狭い管路の場合 Dh が小さいので, これら二つの式は図2.24に示すようにほとんど 差はない

(7)

S 6.0

4.0

2.0 4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

12.0 10.0 ぞ8.0 S 6.0

4.0

;::s 2.0

1.0

1.0 2.0 12.0

10.0 ぞ8.0

S 6.0

4.0

;::s

1.0 1.0 2.0

12.0 10.0 ぞ8.0

S .6.0

4.0

ミ 2.0

1.0

(jG+jL) m/s

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ jL) m/s

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+jL) m/s

1.0 2.0 4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ jL) m/s

図2.23加重平均速度(細円管〉

(8)

S

rn

4.0 J20

S

αコ

4.0 J20

S

rn

4.0 J20

57

8.0 6.0

-EA づfnu y

Eレ戸、J

ββ 后仏 τinunu ノ1 ・…Eq. (2.18)

一Eq.(2.19)

2 4 6 8 10 20 30 (jG+ jL)

m/s

8.0 6.0

;::γ 〆 _.._.._..-..- _.- Eq. (2.18) Eq. (2.19)

2 d品T〆,.1 .,EEJ G 6 + QOII】.,EBω 、‘,ノ 句1 nu m I''' Qd 0U ウゐ AU 43

8.0 6.0

E ti

- - d, F 7 7 一 7 : l - 一

- - .e, . 一 フ ア一 ヂ一 O 1卜lトlレUL5

ββ 后仏 TinU AU ー・・ー Eq.(2.18)

一一Eq.(2.19)

2 AUTJS‘、 .,E,d G + 6 、EEJ'oor-M .,EEd 噌i AU

m

// むδ nu ヴJH nu 司3

図2.24加重平均速度(長方形細管〉

(9)

図2.23の細円管 および図2.24の長方形細管の結果から, JLが一定でJGが増加す る場合, 一般的傾向としてU mv は式(2.10)および式(2.19)に沿って増加した後, 減少 し, さらに, JGが増加するとU mvの減少はなくなり, 再び増加することがわかる.

これらの物理的意味は次のように考えられる. すなわち, JGが比較的小さく, ほ とんどすべての液塊が十分大きくて, 管断面を充満するスラグ流の場合は, 液体 スラグと呼ばれている液塊の速度は気体スラグ速度に一致し, 従って, Nicklinの 式と良く合っている.

さらに気体流量 が増加すると, 液体スラグ内に小気ほうが充満し, 一部の液体 スラグでは気流が貫通して流れるようになる結果, その液体スラグの速度が減少 する. したがって, 液塊速度の平均値はNicklinの式 より 小さくなり始める.本報で は, このように液体スラグが気流に貫通されたものが生じた流れをフロ ス流と定 義した.

JGの増加に従って液塊は小さくなり, 気流によって貫通され, いわゆる波の性格 が強くなる. したがって, そ れまで気液の体積流量の和によってあたかも単相流的 に定まっていた液体塊速度から, 一部の液体塊は気液界面せん断力によって支配さ れる波速度に変わり, その上, 気体速度が十分には大でないため, 波の速度が低下 する. このような波 がますます増加して, 平均速度も低下を続ける.

さらにJGが増大すれば, すべての液塊が気流によって貫通されて, 液体スラグが なくなり, いわゆる環状流となるが, この流れでは気流速が高いため気流が波に 与える抗力および界面せん断力が増加して, U mv は逆に増加に転ずる. そ れでも , 波高が小さいためNicklinの式の値より, はるかに小さい速度しかとりえない.

以上の考察から, 細円管 および長方形管 で得られたU mvの結果からは速度特性 と流動様式の対応が以下のように三つの領域に区分される.

JL=一定において, JGを増加させた場合(I) U mv がほぼ式(2.10)および式(2.19)に 沿って増加するスラグ流領域, (II) (I)の場合より JGが大なる範囲で, 液体スラグ 内に小気ほうを含有し, 一部の液体スラグあるいは管断面に匹敵するほど大きな 液塊を気流が貫通して流れる結果, U mv がNicklinの式 (2.10) および式 (2.19)から 減少していくフロ ス流領域, (長方形細管の場合図2.24(a)のように, JGの増加に対 しU mvの減少割合が小さく, 図中に矢印で示したように, ほぼ一定となるまでの領 域はフロ ス流領域に含めた. ) (III) (II)の場合より, さらにJGが増加し, 大きな液

(10)

59

体塊のほとんど全てが気流によって貫通され, 小さな液塊の波だけが流れること により, U mvの減少傾向がなくなり, 再びU mvが増加する環状流領域である.

スラグ流からフ ロ ス流への境界は, 細円管の場合各JLにおける U mvの値がヱl (2.10)および式(2.19)の値の 95%となるJcで, 長方形細管の場合85%で、決定した.

これは大半の液体塊が管断面を閉塞しているものをスラグ流とし, 一部の液塊 が気流に貫通されるようになれば, フ ロス流であると判断したことになる.

2.4.3 Nicklin の式と U mvとの比較

図2.23(c), (d)にみられるように細円管の管径2.0mmおよび 0.9mmの場合, Jcが 約4. 0 m/s以下のスラグ流におけるU mvの実験値は式(2.10)より幾分大きい. これ は液体スラグ部の液体の速度分布に起因するものと思われる. この場合, U mvを 代表速度とする液体スラグのレイノルズ数から液体スラグ部の液体の流れを判断 すると, 層流から乱流への遷移はレイノルズ数が3 000 "-' 4000付近であるとして,

管径2. 0mmの場合U mvが1.5 "-' 2 m/s以下の結果および管径 0.9mmの場合3.5 "-' 5 m/s以下の結果は層流域に該当する.

したがって, Nicklinの式の場合のように液体スラグ中の液体の流れが, 乱流であ る速度分布の場合より 層流の場合は管中央部ではより高い速度となっており, そ

の部分 を気ほうが通過して, 気体スラグ速度(液体スラグ速度)がNicklinの式よ り大となるものと思われる.

また, 管径2.0mmの場合特に顕著である が, Jcが2 "-' 10 m/s付近で, u muは式 (2 .10)より かなり大きい. この場合の一例として, 前節の図2.21(a)に示したη波形

と速度の関係をみると, 比較的大きい液塊の速度は式(2.10)に近い値を示してい るが, 式(2.10)の値より かなり高い値を示す液塊も存在している. この場合の液体 スラグの速度から計算される気体スラグ長さは, プローブ位置から管出口までの 距離より大なるものも存在する. 深野ら(9)吋11)のスラグの非定常現象に関する結 果によれば, 管の最も出口端にある液体スラグの長さは時々刻々減少する ため, そ の直後の気体スラグ内の気体の膨張によって液体が加速される. この気体の膨張 によって式(2.10)より大なる速度をもっ液体塊が多くなり, 図2.23(c)のような結果 になったと考えられる.

前節での図2.14(b)のD=4mmの場合も若干この傾向がみられる. この気体の膨

(11)

が減少することに起因しているため, 表面張力の効果によって, このような液体の 流下が少ない管径0. 91nm以下ではほとんど生じない

一方, 長方形細管のスラグ流領域におけるUmvは, 図2.24(b), (c)のアスペクト 比が2以下の場合Nicklinの式(2.19)より幾分小さいが, 図(a)のアスペクト比が 5の場合, 幾分大きい値を示している. これらは液体スラグ内の液体の速度分布 について, 円管の場合との相違が考えられる. これらに関連するものとして, 式 (2.19)の分布パラメータ Coと管内の平均ボイド率との関係を第 5章で詳細に検討 しているが, その際長方形細管のスラグ流領域のU mvの実験結果から最小二乗法 を用いてCoを算定すると, Coは1.04 -- 1.26 となる結果であった.

一方, 短辺が小さくアスペクト比が大きくなると, 第5章で詳細は述べるが, 短 辺の壁面側に保たれる液体の量が増加し, すなわちホールドアップが大となり?す べり速度が増加することが考えられる. すなわち, 管壁側の液膜速度に対する気 相(気体スラグ)速度の増加に加え, 気相内に液塊を巻き込む流れ (ボイド率の減 少)の存在により?液塊の速度いいかえれば大気ほう速度を高めていることが考え られる.

表2.3は式(2.18)で1.2と記している分布パラメータCoの値について, 三島ら(12),

Aliら(13)およびJonesとZuber(14)は長方形管で, 仮屋崎ら(15)は細円管で検討した結 果を示したものである. この表から, Coが1.0から1.25と本実験結果と同様の傾向 がみられる. なお, JonesとZuberは表2.3に示す管路を用いて, ドリフト係数1{の

整理式を実験的に定め, 流動様式の遷移を検討している. 三島らも その式を用い ている. ドリフト係数lどについては, さらに第3章の第3.3節流動様式線図におい て詳述する.

(12)

表2.3 他の研究者による分布ノマラメータおよびドリフト係数等の値 Researchers

Mishima. et al. (12)

A li e t al. ( 13 ) Jones-Zuber(14) Kariyasaki et al.(15)

Dimension mm 40 x 1.07 40 x 2.45 40 x 5.00 80 x 0.778 80 x 1.465 63.5 x 4.98 1.0, 2.4, 4.9

Aspect Hydraulic ratio diameter, mm

37.4 2.08

16.3 4.62

8.0 8.89

102.8 1.54

54.6 2.88

12.8 9.24

C。 K Shapes Orientation

1.0 - 1.2 Eq.

(

3.2

)

rectangular vertical

vertical,

1.25 rectangular horizontal etc.

1.2 Eq.

(

3.2

)

rectangular vertical

1.0-1.2 circular horizontal

σコ

(13)

2.4.4 加重平均速度と算術平均速度の比較

図2.25(a.)-- (1)は細円管の結果について加重平均速度Umvと単純に算術平均した 速度Umとの比較を行ったもの で ある. これらの図 で はJLを一定として, JLが0.1お

よび0.3 m/sの場合を図(a)-- (d), jLが0.2および0.5m/sの場合を図(e)-- (h), jL

が0.7 m/s の場合を図(i)-- (1)に示している. 図中の一点鎖線はNicklinの関係式 (2.10)で ある.

図2.26( a.

)

-- (c)に示す流動写真は, それぞれ図2.25(a), (b) および (i)の条件(図 ( a)はD = 6.0rnm, jL = 0.3m/s, ja = 3.0m/s , 図(b)はD = 4.0mm, jL = O.l1'n/s,

jc = 3.0m/s , 図(i)はD = 6.0mm, jL = 0.7m/s, ja = 5.0m

/

s である) で の写真

ある.

図2.25のU7nvとUmの比較から, U mvは式 (2.10)に一致(スラグ流領域〉するJc の範囲が広いのに対して, UmはUmvよりかなり低い値を示している. 一方, 流動 写真の図2.26(c)の液体スラグ内はかなり気ほう密度が高いが 貫通されていない 液体スラグが観察される条件であることがわかる. この条件の場合, U mの変化に よれば, フロ ス流と判断されるが, U mvの変化の特徴からはスラグ流領域である と判断される.

図2.25(a) -- (1)から, 前節と同様の観点で流動様式の遷移条件を検討してみる と, フ ロ ス流へ移行するJaの値はUmvを用いた場合の方が大である. また フ ロ

ス流領域では Umvは Umより 大きいが, 環状流でJcが大きい範囲では一致する傾 向がみられる. U mvは大きい液体塊を重視した定義になっており, 大きな液体塊は 速度が大となる傾向にある結果Umv > U mとなる.

(14)

、EEF' 9u /'目、、 トll nu

nu nu

nu

ハUoofO A斗 ー と 日 ロゴ

日 ロ2.0

63

サI 'D=6.0

mm

ー-'Eq.(2.10)

1.01 1.0 2.0 4.06.08.010.0 20.0 40.0 |

(jG+ j L)

m/s

1.0 1.0 2.0 4.06.08.010.0 20.0 40.0

(jG+ j L)

m/s

10.0

∞8.0 8 6.0 J 4.0

日 ロ2.0

三;:;〔(c)

J 4.0

日 ロ2.0

nU 4・i nu 噌EA

三::;[(d)

J 4.0

ロ2.0

ハU 噌EAnu 噌EA 、‘,ノLU ,JS司、、

D=4.0

mm

_'-'-'-'Eq.(2.10)

D=2.0

mm

-Eq.(2.10)

2.0 4.06.08.010.0 20.0 40.0

(jG+ jL)

m/s

D=O.9

mm

-- Eq.(2.10)

2.0 4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ j L)

m/s

図 2.25加重平均速度Umv と算術平均速度Umの比較(細円管〉

(15)

2 叫(e)

ぞ:: s�

jE3卜(f)

4:: 日伊

/下/D=6.0 mm )↑-Älーァー'Eq.(2.10)

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ jL) m/s

L.-+: D=4.0 mm 1- 昼 I _ : -'-'-' Eq.(2.10)

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ jL) mJs

21::3ト(g)

J6.olp,

J2Y'�I-� -_ f- 弔問

i 丹11弘!!:?榊 !

J V山….v ー

(jG+ jL) mノs

(jG+ jL) m/s

433ト(i)

-"

6.0

r-

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ロ 包|〆 2.0 2.0

2123同)

-"

6.0

一4.0

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ロ2.0l 2.0 __10.0 言8.0

_.

6.0

r-

4.0

ロ 告1/ 2.01 2.。

21 33k l) J6.0 れ4.0

lノ

ロ 2.0 2.0

D=6.0 mm

| -'Eq.(2.10)

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ jL) m/s

D=4.0 mm l -'Eq.(2.10}

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ jρm/s

D=2.0 mm -|ーー-'Eq.(2.10)

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ jL) m/s

D=O.9 mm 1 -'Eq.(2.10)

4.0 6.0 8.010.0 20.0 40.0

(jG+ j L) m/s

図 2.25加重平均速度Umvと算術平均速度Um の比較

(細円管)

, つづき

(16)

ヲ ι v qu cu

n--'//

010、ノ mmm

603 a

一一一一一一/〔

D九ah

D

== 4.0mm

JL

== O.3m/s

ja

== 3.0m/s

(b)

D

、�

== 6.0mm (c)

図2.26液体ス ラグの流動写真

(

細円管

)

(17)

2.4.5 じよ う乱波および基底波の速度に対する整理式

前節において管径6.0mmから0.5mmまでの細円管内の環状流領域において, 波 速度に対する管径の影響を明らかにした. その結果によると, 波速度は管径2.0JTIlTI を境に, じよう乱波 と基底波に対応する高い速度U LHと低い速度U LLの 2種類の波 速度に分けられた. これらの速度に対する整理式を以下に検討する.

逢坂ら(16)は管径 26.0mmの水平管および水平に近い傾斜管内の擾乱波の速度GD に対する整理式として, JGが 10 -- 50 m/sで液体の温度が 8-- 25 ocの範囲で次式を 提案し, =t 30%以内の精度を持つとしている.

GD/ jL = 3.0 (ReG/ ReL) 0.78 (2.20)

速度U LHとULLの本実験結果は, 式(2.20)と同じパラメータに加えて, ウェーパ数 We(= PLjG2D/σL)の影響を考慮に入れ, 一つの式で表すことができた. 図2.27に その結果を示す. 図にはU LHとU LLはULH.L として表し, 式(2.20)の関係を破線で示

した. なお, 逢坂らの実験のウェーパ数の範囲は約3.5 X 104-- 106であった.

図 2.27から, U LHとU LLの本実験値は式(2.20)の関係に加えてウェーパ数を考慮 に入れれば, じよう乱波である大きな液体塊の速度U LHはウェーパ数が大きい範囲 で式(2.20)に漸近して約3.0 の値を持つことがわかる. U LHとU LLに対して, 得られ た整理式は式(2.21)と式(2.22)で表される.

図2.28はこれらの整理式による計算値U LHCAL, U LLCALと実験値U LHEXP , U LLEXP との比較を行ったものである. この図から, 細円管内のじよう乱波および基底波の 速度U LHおよびU LLが, これらの整理式により士30%以内の良好な精度で推定され

ることがわかる.

U LH/ jL = 27 (ReG/ ReL) 0.78We -0.21

U LL/ jL = 27 (ReG/ ReL) 0.78We -0.34

(2.21) (2.22)

(18)

67

Eq(22 Jど削

4 6 8105 2 4 6

We=凡jðDI凡

2 4

2

?、

合10.0 ω 8.0

6.Õ

、、、.o

Q)

1.0 0.8

0.6'

I '")

6 810 4.0

、__"

.

�ヘ . ...ー・2J

\、、A

E H

、__"

う乱波および基底波の速度に対する整理式

、\、、α〉

� 10.0 8.0 6.0 4.0

2.0

じよ

r、

凶〈υ.EJロ叫〈υ.44ロ

図2.27

6.0 8.0 10.0

ULH.EXP

m/s

4.0

2.0

ULL.EXP

図2.28速度の整理式

(

2.21

)

および式

(

2.22

)

による計算値と実験値の比較

(19)

2.5 第2章のまとめ

管径6.0 mmから0.5mmの6種類の細円管と短辺1.0 mm, 長辺1.0 ... 5.0 mmの3 種類の長方形細管を用いて, 鉛直上昇気液二相流における液体塊速度に対する管 径 の 影響を検討し, 個々の液体塊の速度に対する統計的整理から幾つかの特徴あ る結果を得た. さらに, 細円管および長方形細管内で出現する大きな液体塊を重 視して, 液体塊一つ一つの運動量を用いた加重平均による液体塊平均速度を定義

し, これをスラグ流から環状流までの液体塊に適用し, その変化の特徴と流動様 式との対応を検討した. これらによって得られた主な結論は以下のとおりである.

(

1)細円管の環状流領域 において, 算術平均による液体塊速度に 管径の影響がみ られた. すなわち, 気体および液体の流量条件が同ーの場合, 管径が26lnmから 2.0mmまで小さくなると液体塊速度は増加する傾向を示すが, 管径が約2.0 mmよ りさらに小さくなると, その速度は急激に減少する. この結果は表面張力に加え 粘性も速度に影響を与えていることを示唆するものである.

(

2

)

細円管の環状流領域で出現する波群の速度, 通過ひん度, 波長および波高に 対する管径の影響は以下の

(

a

)

...

(

d

)

に結論される.

(

a

)

管径が6.0 mmから0.9mmまでの実験範囲のうち, 管径が2.0 mmと1.45 mmの液体塊速度の分散と変動係数は, 他の管径における結果に比べて 大きい. この理由として, 速度の度数分布にその特徴が見い出された.

すなわち, 速度の度数分布は, 管径が6.0 mmおよび4.0 mmで正規分布 に類似した単峰性分布であり, 管径が2.0 mmおよび1.45mmでは双峰性 分布, 管径が0.9mmおよび0.5 mmでは低速度側にピークをもっ単峰性 分布を示した.

(

b

)

管径が2.0 mmおよび1.45 mm の速度の度数分布の特徴から, 細円管内 の液体塊速度はこの管径付近を境に , 二種類の速度が存在することが明 らかになった. その一つは管径が6.0 mmから約2.0 mmまで管内 に存在 する速い速度を有するいわゆるじよう乱波で構成された波群であり, 他 の一つは管径が2.0 mm付近から0.5 mmまでの遅い速度を有する基底波 で構成された波群である.

(20)

69

(c) 液体塊速度の管径による変化は液体塊の通過ひん度と波の平均波長お よび最大波高の変化にも対応している. JcおよびJLが一定の下では 径が6.0n1mから小さくなるに従って液体塊の通過ひん度は徐々に高くな るが, 管径が約2.01nmを境にしてその増加割合が急激に増大する. すな わち, 波長が長く波高も高い波から管径が約2.0 mmより小さくなると,

波長が短く波高も低い波が支配的になる. 管径が2.0 mmおよび1.45 mn1

では両方の特性を示す波群が混在する.

(d) 環状流領域で出現する二種類の波速度に対する整理式として, 管径26 mm程度の比較的大きい場合の水平管および水平に近い傾斜管に対して 提案された式に, ウェーパ数を考慮した整理式(2.21)と式(2.22) を得た.

その式によれば, :t 30%程度の精度で細円管の場合の平均速度を予測す ることができる.

(3) 液体塊速度に対して個々の液体塊の運動量から定義する新しい平均速度決定 法を提案した. この加重平均による液体塊の速度特性は, 細円管および長方形細 管において, ともに類似する傾向を持ち, 流動様式の遷移と密接に関係すること がわかった. そこで, この速度の特徴に基づいて, スラグ流, フ ロ ス流および環状 流の流動様式を定量的に区分する方法についても提案した.

文 献

(1)深野徹, 九州大学学位論文, (1974 ), 43 - 49.

(2)世古口言彦, 川上靖, 深野徹および清水英男, 気液二相流における液膜厚さ に関する研究(第1報?オリフィスの有無が液膜厚さに及ぼす影響) , 機論, 43 -373 , ( 1977 ), 3417 -3426.

(3)深里子徹, 伊藤昭彦および角口勝彦, 定電流法による液膜流の膜厚測定, 九大 工学集報, 58 -1 , (1985 ), 61 - 67.

(4) Nicklin, D. J., Will匂, J. O. and Davidson, J. F・, Two - Phase Flow in Vertical Tubes,

Trans. Inst. Chem. Engr. 40 -1 (1962), 61 - 68.

(21)

献等を引用. Gibson, A. H., On The Motion of Long Air - Bubbles in a Vertica.l Tll bes, Phil. Mag・, 26 - 156 ( 1913

)

952 - 965.

(6) Bretl悶ton, F. P., The Motion of Long Bubbles in Tubes, J. Fluid Mech., 10 ( 1961 ) 166 - 188

(7)世古口言彦, 上野隆司および田中収, 気液環状ミスト流の流動特性(第2報,

主要パラメータの相関式について) , 機論, 51 - 466 B ( 1985 ), 1798 - 1806.

(8)深野徹, 石田一実, 野村晴男, 明永弘志, 小田原博史および高松康生, 気流 を伴う水平長方形管内薄膜流の研究(第2報, 二次元波およびじよう乱波領

域の諸性質) , 機論, 46 - 409, B ( 1980 ), 1617 - 1625.

(9)深野徹, 世古口言彦および松村公治, スラグ流の非定常現象に関する研究(

第1報, 急成長を伴う上昇中の気体スラグの挙動) , 機論, 45 - 398, B ( 1979 ), 1502 - 1510.

(10)深里子徹, 松村公治, 川上靖および世古口言彦, スラグ流の非定常現象に関す る研究(第2報, 気体スラグ周辺の液膜厚さ) , 機論, 46 - 412, B ( 1980 ) ,

2412 - 2419.

(11)松村公治, 深野徹および世古口言彦, スラグ流の非定常現象に関する研究(

自然循環型気液上昇管内における気体スラグの過渡的挙動) , 九大工学集報,

53 - 5, ( 1980 ), 569 - 577

(12) Mishima, K., Hibiki, T・, and Nishihara, H., Some Characteristics of Gas - Liquid Flow in Narrow Rectangular Duct, Int. J. Multiphase Flow, 19 - 1 ( 1993 ), 115 - 124.

(13) Ali, Muhammad 1., Sadatomi, M. and Kawaji, M., Adiabatic T wかPhase Flow in N a,rrow Channels Between Two Flat Plates, Can. J. Chem. Eng・, 71 - 5 ( 1993

)

657 - 666.

(14) Jones, O.C. and Z山er, N., Slug - Annular Transition wi th Particular Refernce to N arrow Recta.ngular Ducts, Two - Phase Momentum, Heat and Mass Transfer in

(22)

Chemical, Process, and Energy Engineering Systems, 1 ( 1979 ), 345 - 355, McG Hi品11, N.Y.

71

(15)仮屋崎侃, 深野徹, 逢坂昭治および香川昌純?水平細管内の等温空気一水二相 流におけるボイド率の変動特性, 機論, 57-544, B ( 1991 ), 4036 - 4043.

(16)逢坂昭治, 森岡斎および深野徹, 水平管および水平に近い傾斜管内気液環状 二相流(じよう乱波の特性と液体輸送量) , 混相流, 6 - 1 ( 1992 ), 80 - 87.

(23)

第4章では, 短辺4-- 16mm, 長辺14 -- 160mm , 断面積が約10077?,77?,2以上の断面 が比較的大きい10種類の長方形管を用い, 管路の傾斜角を水平から鉛直まで変化 させた傾斜管内の上向き流について, さらにこれらの管路より断面が小さい細円 管(管径0.9mmおよび2mmの2種類)を含む長方形細管(短辺約1mm, 長辺1-- 5mmの3種類)を用いて鉛直二相流の摩擦圧力損失と流動現象の関係を調査した 結果を述べている. また, 第5章では, 断面が比較的大きい長方形管を含む鉛直な 狭い長方形管内の平均ホールドアップとその整理式を検討している.

本章では, これらの整理を行う前に断面が比較的大きい長方形管の傾斜管内お よび細円管(管径6-- 0.9mm )と長方形細管の鉛直管内で観察された流動様式と 流動現象の特徴について検討した. これらの特徴を以下の節では, 断面が比較的 大きい長方形管と細円管を含む長方形細管の 場合とに分けて議論した.

3.1 断面が比較的大きい長方形管内の流動現象の特徴

本節では断面が比較的大きい長方形管の水平から鉛直までの傾斜管内上向き流 で観察された流動様式と流動現象について, 流動写真を基にこれらの特徴を述べ る.

3.1.1 流動写真

断面が比較的大きい長方形管内の流動様式は, ストロボ光源を併用し視察と流 動写真 によって観察された. その結果, 水平管, 傾斜管および鉛直管内の本実験 範囲で観察された流動様式は, 以下に示す(1)-- (5)の形式に大別されることがわ かった(1)吋6)

(1)気ほう流:長辺の長さに比べかなり小さい小気ほうが管断面を均一に分布し た流れ.

(2)気ほうスラグ流: (1)より気体流量が増加した場合に形成されるもので, 液速 度の大きい管中央付近で幾つかの小気ほうが合体し長辺幅の大部分を満たす程の 比較的大きい気ほうが気ほう流中に形成された流れ. アスペクト比が大きい管路 ではこれらの比較的大きい気ほうが長辺方向に大きく揺動しながら流れ, 小気ほ うもこれに随伴する流れが観察される. なお, 大気ほう長さが長辺幅より長くなっ

(24)

73

た場合を以下に述べるスラグ流と定義した.

(3)スラグ流: (2)より気体流量が増加し, いわゆる気体スラグと液体スラグが交 互に間欠的lこ流動する流れ. 気体スラグの上昇速度が増加し, 周囲液膜との相対 運動(相対速度)によって気体スラグ後端部が乱れ, これにより生成された多数の 小気ほうと液膜の一部が液体スラグ内に流下する一方, 後続の気体スラグもこの 液体スラグ内に突入する.

(4)フ ロ ス流: (3)より気体流量がさらに増加した場合に観察され, 気体スラグ 長 さが長くなるとともに多数の小気ほうを含む液体スラグの一部が後続の気体スラ グの突入により貫通される流れ. 全体として泡だった流れを呈する.

( 5)環状流 または分離流: (4)より気体流量が増加して, ほとんど全 ての液体スラ グが気流によって貫通された流れ. 傾斜角が大きい場合 , 気相は管中央側を液相は 管壁側を流れ, いわゆる円管の場合と類似し環状流と呼称した. 傾斜角が小さい 場合, 気相と液相はそれぞれ管上部と管底部を流れるため分離流とした .

一方, これまでの研究(1)'"'-(6)におい て, 平均ボイド率&と気液の質量流量 比WG /

WLとの関係を実験的に調べ, 上述の(1) -- (5)の流動様式の存在域をこの関係図 上に表し, 流動様式の状態図につい て検討した. すなわち, アスペクト比と傾斜 角の影響がこれらの関係で整理できるかどうかを検討したが, これらの座標では 各供試管ごとに流動様式の存在領域が異なり, 良好 な遷移境界を与えることがで きなかった. このことは, 流動様式を判別する際に実際の流動現象を良好に表し得

る物理的パラメータの選択と判別基準が必要であることを示している.

まず, アスペクト比が大きい場合の流動現象がアスペクト比 の小さい管路の場 合とはかなり異なった流れであったので, これらの特徴について以下に概略する .

図3.1から図3.4にアスペクト比10の管7の場合を例iこ, それらの流動写真を示 す. 図3.1および図3.2は傾斜角が大きい場合の例として鉛直管の場合, 図3.3およ び図3. 4は傾斜角の小さい場合の例として水平管の場合である.

鉛直に対する図3.1(b), (c)の気ほうスラグ流の場合, 管中央付近で幾つかの気 ほうが合体し比較的大きい気ほうが, また図(c) -- (i)のスラグ流の場合気体スラ グが, 長辺方向に左右に揺れながら流動するので, これらの気ほうや気体スラグ

の後流はかなり撹乱され, 気ほうによ る渦現象などが観察される.

図3.1(e), (k)および(n)等で示されるようにアスペクト比が大きい場合のスラグ

(25)

れる. すなわち, Jcが増加するとともに気体スラグ先端部は細長く尖る傾向であ るが, JLが大きくなると気体スラグ先端が液塊の流入により分割され, 双子の(仮 称, 二つの〉気体スラグが形成される流れなども観察される.

図 3.2(a.) -- (g)は, 上述の気ほうによる渦現象をシャツタ速度を遅くして撮影し た場合の鉛直管の例である. 図3.2(a)-- (g)では, 気体スラグ後端部の後流に, い わゆる物体後流のカルマン渦列に類似した気ほう渦が観察される.

図3.3および図3.4は水平管〈管7)内の流動写真であり, 図3.3は管路を横長に設 置した場合, 図3.4は管路を縦長に設置した場合である. カメラの撮影方向は図の 右上iこ示しているが, 横長の場合はTop Viewを, 縦長の場合はSide Viewとなる.

これらの図から, アスペクト比が大きい水平管において, 横長の場合の流動現 象は縦長の場合と異なり, どちらかと言えば上述の鉛直の場合の流れと比較的類 似している. もちろん厳密には水平 流と鉛直流と では重力の影響が異なり, 短辺 も8mmと大きいため両者の流れが異なること は明らかである. 類似した流れと は, 管路を縦長に設置し傾斜角を小さくすると前述の気ほうによる渦現象は見ら れなくなるが, 横長の場合は傾斜角が小さい場合でも観察されることを意味して いる.

縦長の場合の流れは, いわゆる水平管内の流れと同様に気相は管上部側を液相 は管底部側を流動していること から, 気体スラグ後端部の液相内の気ほう密度は 横長の場合に比べかなり 小さく, 気液界面も比較的滑らかであり, 横長の流動現象 とはかなり 異なっている. 横長と縦長の流動現象の差異は, 二相流の摩擦圧力損失 と密接に関連しており, このことについては第4章において詳細に検討する.

(26)

jL ==

1.05

m,j

AxB

==

80.0x7.9 mrn

7.5

(a) (b) (

c

) (d) (e) (f) (g)

jG

ln

/

s

jc

m

/

s

jc m/s jc

m

/

s

jG

ln

/

s

jG n1/s jG

ln

/

s

0.20 0.40 0.56 0.79 1.06 1.40 1.39

Bubble Flow .Bubbly Slug Flow

ロC

2uvQ臼志津CZ

Slug Flow Slug Flow

図3.1 流動写真(鉛直流, 鉛直管7 )

(27)

(h) (i) 。) (k) (1) (m) (n)

jG

m

j

s

jG

m

j

s

jG

m

j

s

jG

m

j

s

jG

m

j

s

jG

m

j

s

jG

m

j

1.62 1.72 2.00 2.30 2.62 0.82 1.42

Slug Flow Froth Flow Froth Flow Bubbly Slng Flow Slug Flow

図3.1 流動写真(鉛直流, 鉛直管7 )

(28)

A x B ==

80.0

x 7.9 mm

jLニ0.30

m

j

s 77

(a)

jG==O.11 m/s (F5.6・1/60 R)

1

IB�

妻子.

時Fljlil

11 ; きさ . ・1

r・・・

75

じ民

グ:圃

w‘E -

'..

Slllg Flow

(b)

jc = 0.11

n1/只

(FG.6・1/60 s)

(晶圃

(c)

Jc = 0.25 ln/s (FG.6・1/60 s)

(d)

.Jcニ0.36 1n/‘

(FG.6・1/12G !-'

ロC

コレ円乙一-v

c-r向

届』

Slug Flow

図3.2

流動写真(鉛直流, 気ほうによる渦現象〉

(29)

(c) (f) (g)

.

h

-; = 0.3G

1n/只 jc

= 0.52 1n/只 .J口= 1.35

111/只

(F5.G・1/125メ) (F5.G・l/GOメ) (F5.G・1/125 R)

図3.2

流動写真(鉛直流,

A Slug Flow

口。コωω』市阿》区。-r陶

Froth Flow

気ほうによる渦現象〉

(30)

図3.3 流動写真(水平流, 水平管7 横長の場合〉

な)子L í.Jmnが

(b)

0.32

Bllbblc Flow

(c)

0.48

Bnbbly Slug Flow

(

e

)

0.83

(

g

)

1.30

(h)

1.55 Froth Flow

(i)

1.95 Froth Flow

。)

2.33

、Froth Flow

jL ==

1.05

77?j.ぅ

AxB

==

80.0x 1.り7nm -J

(31)

αコ o

一 - ・ 一 モ

a

Itorl71lnlnl

(b)

0.32 Slug Flow

(

c

)

0.48

Slug Flow

(d)

0.65

(e)

0.83

Slng Flow

(f)

1.13

Froth Flow

(g)

1.30

Froth Flow

(h)

1.55

Froth Flow

Carnrr刈

t

f\ow Dm'Ction

(i) 1.95

Separated Flow Separated Flow

(j)

2.33

jL

== 1.05 7n

/

s

AxB == 80.0x ï.9 7Tlm

図3.4 流動写真(水平流, 水平管7 縦長の場合〉

(32)

81

3.2 細円管および長方形細管内の流動現象の特徴

細円管(管径 6.0,...., 0.9mm)および長方形細管(短辺約1mm, 長辺1 -- 10 lnm ) 内の垂直上昇流の流動現象を解明するために本実験では, ストロボ写真(閃光時 間約20μsec)撮影とVTR( 1kHzのシャツタカメラ〉撮影を行った.

本章では第2.4.2節で提案した流動様式の判別法に基づき, 各流動様式ごとに流 動写真を整理した. 以下の節でそれらの特徴について述べる.

3.2.1 細円管の場合の流動写真

図3.5(a), (b)は気ほう流, 図3.6(a) -- (j)はスラグ流, 図3.7(a) -- (g)はフロス流,

図3.8 (a) -- (g)は環状流の流動様式における流動写真の例である. なお, これらの 流動写真で横方向の黒線は定電流プロープの電極板(真ちゅう製〉の乱反射等によ るものであり, 管径2mmおよび0.9mmの場合の白くぼけた部分は供試管がリーマ 加工され接合された面で反射した撮影光の散乱によるものである.

図3.5(a.), (b)に示すように本実験範囲(表2.4参照〉 では, 管径0.9mmの場合気 ほう流は観察されなかった. 管径2mmの場合, 記載した写真例(図3.5(b)のJL =

2.017�/ s,}c = 0.5m/ sの条件)は, スラグ流に近い流動様式に思われるが, ストロボ による視察では後出の第3.3節における 流動様式線図で示されるようにその範囲 はJLが約1m/s以上のごく狭い範囲に限られる.

図3.5から, 本実験範囲の細円管気ほう流では, 管径が小さくなるほど, いわゆ る均質流で云うところの微細気ほうは観察されず, 気ほう寸法が管径に比べて比 較的大きい傾向が観察される.

図3.6(a) -- (j)から, 細円管内スラグ流の流れの特徴が以下のようにまとめられ る. すなわち, 細円管の場合の気液界面は総じて滑らかで明瞭な界面を呈してお り, 気体スラグの連鎖がみられることやJcが約1.5m/s以下の領域では気体スラグ 後端の気液界面の曲率が下に凸な形状である. このような界面形状は, 管径が大 きい場合に比べ気体スラグの周囲液膜が流下する場合の後端部の乱れによる小気 ほうの生成が起こり にくいことが考えられる. 事実, 管径2mmおよび0.9mmの細 円管内では, 液体スラグ内に微細気ほうがほとんどみられない. このことは流動 様式の遷移にも大きく関係しており, 後節の流動様式線図においてその詳細を明

らかにする. なお, これら細円管内の液体スラグ長さも 管径が大きい場合に比べ

(33)

その分管径に対す る気体スラグの周囲の液膜厚さの比が管径が小さくなると厚く なることも特徴として挙げられる.

図3.7(a) -- (g)のフロ ス流において, 液体スラグの一部が気流によって貫通され ているか どうか, その定量的判断はこれらの写真からは困難である. すなわち こ れらの瞬間写真は数多く とったといえども実際の流動現象の全体を十分に表し得 ない. したがって, ここで は, 第2.4.2節で述べた液体塊の加重平均速度特性から フロ ス流と判断している.

管径が大きい場合の特徴として, 例えば, 図3.7(c)のD=6mmの場合, 界面がく びれ, かなり複雑な波形形状の比較的大きい液塊が形成され, 液膜内も微細な気 ほうが多数含まれているのに対して, 図3.7(c)のD=2.0, O.9mmの場合のように, 出 径が小さくなると界面が複雑 でなくなり比較的滑らか で , ゆるやかな波高のじよ う乱波が観察され, 粘性と表面張力の影響が大きいことが推察される.

図3.8(a) -- (f)の環状流において, 管中央を気相の連続相が, 管壁上を液相の連 続相が流れ, じよう乱波とリップルの流動が捉えられている.

(34)

83

D= 6 4

町1m

jL ==

1.0 111

/

S

jG ==

0.5 111

/

S

図3.5

(a)

流動写真(細円管, 気ほう流〉

(35)

2

mm

ロ。

. .・4

吋ーー

υω'H

- ・司

'圃副4

tJ;...

jL

==

1.5 m/s jG

==

0.5 m/s

図3.5 (b)

流動写真(細円管, 気ほう流〉

(36)

D= 6 4

jL

== 0.1 m

/

s

2

JG

== 0.5 m

/

s

85

o. 9

mm

図3.6 (a)

流動写真(細円管, スラグ流〉

do

. ..・4

神,.:)

υω'H

- ー司

-・4

(37)

D= 6 4

jL

==

0.1

m

/

s

2

jG二1.0

m

/

s

o. 9

mm

図3.6

(b)

流動写真(細円管, スラグ流)

ロ。

-ー司 咋ーー

υωlH

-ー司

世・・4

(38)

D= 6 4

jL二0.1

m

/

s

jG

==

2.0

m

/

s

2

図3.6

(c)

流動写真〈細円管, ス ラグ流)

87

Q. 9

mm

ロ。

. ..・4

咋,.';)

υ ω い

...・4

__.

(39)

jL

== 0.2

mjs jG

== 0.5

mjs

図3.6

(d)

流動写真(細円管, ス ラグ流〉

ロ。

.�

件一ー

υω'H

. ..吋

Q

ーー・4

CL.

(40)

D= 6 4

jL二0.2

m

/

s

2

jG

==

2.0

m

/

s

89

o. 9

m町l

図3.6

(e)

流動写真〈細円管, ス ラグ流〉

ロO

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件�

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(j)

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(b)

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(55)

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図3.8

(c)

流動写真(細円管, 環状流)

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図 2.27から, U LHとU LLの本実験値は式(2.20)の関係に加えてウェーパ数を考慮 に入れれば, じよう乱波である大きな液体塊の速度U LHはウェーパ数が大きい範囲 で式(2.20)に漸近して約3.0 の値を持つことがわかる

参照

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