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予混合乱流燃焼に及ぼす火炎形状と局所燃焼速度の 影響

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

予混合乱流燃焼に及ぼす火炎形状と局所燃焼速度の 影響

橋本, 淳

九州大学工学機械科学機械エネルギー

https://doi.org/10.11501/3180320

出版情報:Kyushu University, 2000, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

6. 火炎形状が局所燃焼速度特性へ及ぼす影響

6.1. まえがき

これまでの研究から、 乱流燃焼時には火炎面において局所的な燃焼速度が変化してお り、 乱流燃焼速度に対する支配的な因子となっていることを明らかにした. そこで、 3 章においてはいくつかの仮定に基づき、 希釈剤を添加した種々の混合気に対してその変 化量の推定を行った. その結果、 乱流燃焼速度との聞に一定の相関を見いだすことがで きた しかしながら、 二酸化炭素添加混合気においては、 推定手法の制約から局所燃焼 速度の推定を行うことができなかった. また、 水素添加混合気においても3章で用いた 手法では推定することができない. さらに、 提案した手法は燃焼場全体としての平均局 所燃焼速度の推定であり、 火炎の局所における燃焼速度特性が実際にどのように変化し ているのか、 局所的な火炎形状とどのように対応しているのかといったことについては 検討できていない. 一方、 5章において行った予混合乱流火炎の詳細な火炎形状解析か ら、 その形状特性は希釈剤の種類などによって異なった特性を示すことがわかった. 特 に、 二酸化炭素添加混合気においては局所的な形状スケールが小さくなっており、 局所 燃焼速度特性に大きな影響を与えている可能性がある. また、 局所的な形状により、 乱 流燃焼場に対して支配的な領域とそうでない領域があることがわかった.

そこで本章では、 様々な混合気に対して適用可能で、 乱流火炎面の局所における燃焼 速度変化を直接的に解析可能な手法を開発し、 種々の混合気における火炎形状特性と局 所燃焼速度特性の評価を試みた. 実験には連続発振レーザと高速度カメラを用い、 予混 合乱流火炎の連続断層写真を撮影した. これらの連続写真をコンピュータに取り込み適 切な前処理を行った後、 開発したソフトウェアに入力することにより、 火炎面上の各検 出点における曲率、 火炎伸張、 伝ぱ速度などを算出した. 得られた結果より、 予混合乱 流火炎の局所燃焼速度特性、 及びその乱流燃焼速度に与える影響について検討を行った.

6.2. 実験装置及び手法 6.2.1. 実験装置

本実験ではB燃焼器を用いて予混合火炎の断層写真撮影を行った. B燃焼器及び用い た連続断層写真撮影システムの詳細は、 2章に示してある.

6.2.2. 実験手法

燃焼実験及び断層写真撮影は2章で示した手法に基づいて行い、 各混合気における連 続断層写真の撮影を行った. 高速度カメラの設定は秒間1000コマ、 シャツタスピード 1/10000に設定しであり、 イメージインテンシファイアのゲート幅は約18μsとした. 前

処理後画像への解析手法については、 以下の各節において示す.

92

(3)

6.2.3. 混合気組成

本実験で用いた混合気の組成を、表6.1 の(a)、(b)、(c)に示す. これらは層流燃焼速度 を15cm/sもしくは25cm/sに揃え当量比を変化させた混合気であり、 表6.1 (a)には、 水 素、メタン、プロパンのいずれかを燃料とする燃料ー酸素ー窒素混合気を示しである. ま た表6.

1

(b)には、 燃料ー酸素に窒素、 アルゴン、 二酸化炭素、 ヘリウムのいずれかを希 釈剤として添加した混合気、表6.1 (c)には、 水素添加メタン混合気を示しである.

表中、ゅは総合当量比、 ゐは水素の添加割合、SLOは層流燃焼速度、DF/Doは燃料と酸 素の、DM/Doは希釈剤と酸素の拡散係数の比、 。。は熱拡散率、 vは動粘度、 Le は不足成 分の拡散係数Dd に基づくルイス数(=αo/Dd)、 Tpは定圧断熱燃焼温度、 Tvは定容断熱燃焼 温度、Pmは理論断熱燃焼圧力を表す. また、混合気名の表記法は、

2.9.に示した手法に

基づく.

6.2.4. 乱れ場の条件

断層写真を撮影する乱れ場の条件としては、Wrinkled Laminar Flameが存在すると考え られるU'/SLOが約2程度の燃焼条件とした. 本実験範囲における乱れ場の特性値は、 縦 方向積分尺度々が約2.8mm、テイラースケールλgが約1.8mm、積分尺度に基づくレイノ ルズ〉数Reが約60程度であった.

(4)

\。+:‘

FlIel&

Mixture Tnert Gas

H09・15N 0.90 HiN2 M098-15N 0.98 CH4/N2 P07-15N 0.70 CJHg斤�2 P114・15N 1.14 C3Hg/N2

P15-15N 1.50 CJHg月九

FlIel&

Mixture 4 Inert Gas

M07-15N 0.70 CH4斤\)2 M09-15N 0.90 CH4汗�2 Mll・15N l.10 CH4尽J2

M07-15A 0.70 CH4/Ar M09-15A 0.90 CH4/Ar

M11-15A 1.10 CH4/Ar M07-15C 0.70 CH4/C02 M09-15C 0.90 CH4/C02 Mll-15C 1.10 CH4/C02 H05-25N 0.50 H2斤�2 トI05-25A 0.50 H2/Ar H05-25C 0.50 H2/C02 H05-25H 0.50 HiHe

Mixture

M07-15NH204 0.70 恥107・15NH206 0.70 M07-15NH210 0.70 M098-15NH202 0.98 M098-15NH204 0.98 M098-15NH206 0.98 M098-15NH210 0.98

Table

6. 1

Properties of恥1ixtures (a)

Fuel/O/N2 Mixtures

九10la1' Fraction S LO

DF/Do DM/Do α。

Fuel O2 Inert Gas cm/s mm2/s

l.00 0.56 6.94 15.88 2.933 1.634 29.605

1.00 2.04 10.51 14.84 1.053 l.013 21.032 1.00 7.14 29.05 14.94 0.569 0.937 19.652 1.00 4.39 23.82 15.34 0.573 0.901 19.317 1.00 3.33 13.70 14.99 0.585 0.894 18.441

(b) Fuel/O/lnert Gas Mixtures

Molar Fraction S LO

DF/Do DM/D 。。

mm2/s Fue1 O2 Inert Gas cm/s

1.00 2.86 11.14 15.38 1.054 1.009 21.034 1.00 2.22 10.82 14.91 1.053 1.012 21.030

l.00 1.82 9.46 15.15 1.053 1.013 21.044

l.00 2.86 17.71 14.52 1.079 1.014 20.978 1.00 2.22 17.56 14.52 1.078 ト018 20.979 1.00 1.82 15.45 14.86 1.077 1.021 20.994 1.00 2.86 6.29 15.10 1.120 0.978 13.869

1.00 2.22 5.67 15.27 1.107 0.978 13.744

1.00 1.82 4.91 15.20 1.097 0.975 13.801

1.00 1.00 7.10 24.69 2.946 1.392 29.026

1.00 1.00 9.70 25.00 3.261 1.450 28.939

1.00 1.00 4.50 25.39 3.195 1.342 20.739

1.00 1.00 10.50 24.55 1.803 1.323 152.318

(c) FuellH/O/N2 Mixtures

OH Mola1' Fraction S LO α。

H2 CH4 C3H8 O2 N2 cm/s mm2/s 0.4 0.40 0.60

\て\こ\2.00 9.40 15.10 23.269

0.6 0.60 0.40 1.57 8.49 14.83 24.843

1.0 1.00 0.00

----

0.71 7.14 15.26 29.240

0.2 0.20 0.80

----

1.74 9.19 15.00 22.187

0.4 0.40 0.60

----

1.43 8.50 14.80 23.573

0.6 0.60 0.40 九--.... 1.12 7.41 14.96 25.473

1.0 1.00 0.00

----

0.51 6.63 15.32 30.004

V Le Tp Tv PI/I

mm2/s K K Kgf/cm2

17.236 0.411 1237.78 1514.89 4.94 15.536 0.887 1935.75 2308.65 8.03 14.757 1.586 1806.13 2182.53 7.78 14.568 0.892 1872.11 2282.06 8.35 14.088 0.871 1895.22 2321.98 9.25

V Le Tp Tv Pm

mm2/s K K Kgf/cm2

15.537 0.886 1804.59 2176.89 7.55 15.534 0.887 1891.55 2272.11 7.89 15.548 0.934 1892.54 2296.00 8.08 14.238 0.902 1796.47 2416.90 8.40 14.202 0.903 1864.91 2480.40 8.64 14.208 0.974 1855.57 2511.98 8.82 10.381 0.706 1884.93 2139.13 7.43 10.274 0.706 2023.84 2268.03 7.93 10.291 0.779 2045.16 2305.19 8.22 17.116 0.402 1176.12 1437.42 4.71 15.233 0.386 1239.94 1737.02 5.76 10.888 0.331 1175.47 1334.12 4.27 82.420 1.112 1183.99 1660.58 5.53

V Tp Tv PI/I

mm2/s K K Kgflcm2

15.972 1665.68 2021.83 6.90 16.283 1569.09 1910.38 6.44 17.158 1200.20 1467.98 4.80 15.768 1919.71 2293.18 7.91 16.040 1824.03 2196.55 7.49 16.423 1747.69 2115.94 7.11 17.324 1276.13 1562.32 5.08

(5)

6.3. 実験結果及び考察 6.3.1. 火炎構造の観察

撮影した各断層写真は、章末にまとめて示す.各連続写真の撮影間隔は約lmsである.

いずれの写真からも、 用いた乱れ場の条件における各混合気の乱流火炎構造は基本的に 連続した火炎面を持つWrinkled Lan1Înar Flameであることがわかる. また、 火炎の局所 的な形状と燃焼特性の聞には一定の傾向が観察できる. 以下ではそれらについて比較す る.

(1)燃料ー酸素ー窒素混合気

まず、 城戸らによって乱流燃焼実験の行われた[城戸他 , 199 4 , 1 995, 1997 a]燃料・酸素・

窒素混合気に対して連続断層写真撮影を行った結果を、 写真6. 1 の(a)'"'-'(e)に示す. (め から順に、 当量比0.9の水素混合気、 当量比0.98のメタン混合気、 当量比0.7、1.14、1.5 の混合気における乱流火炎断層写真を示しである.

各写真から、 いずれの混合気においても、 時間経過にしたがし1大きく成長する火炎素 面とそうでない領域が存在することがわかる. 本実験で用いた乱れ場は基本的には

Wrinkled Laminar Flameの存在する領域であり、Single Sheet領域から初期のMultiple Sheet 領域への遷移点付近[城戸他, 1997 b, 1998]であると考えられ、火炎伝ぱ初期において、火 炎面は大きなエネルギーを有する積分尺度程度の乱れにより湾曲し始める. その後、 局 所的に火炎伝ぱ特性が変化し、 未燃ガス側へ突出した領域はより成長し、 既燃ガス側に 突出した領域は停滞気味となっていることがわかる. この傾向は特に当量比0.9の水素、

当量比1.5のプロパン混合気などにおいて大きく、 火炎構造が二極化していることがわ かる. 一方、 希薄なプロパン混合気においては未燃ガス側に突出した領域の成長も見ら れるものの、 既燃ガス側に突出した領域との差異はあまり大きくなく、 火炎面平滑化現 象が観察できる.

(2)燃料.酸素・希釈剤混合気

写真6.2、

6.3、 6

.4に、 層流燃焼速度

15cmlsのメタンー窒素ー希釈剤混合気において撮

影された乱流火炎の連続断層写真を示す. それぞれ窒素、 アルゴン、 二酸化炭素を添加 した混合気の写真であり、(a)、(b)、( c)には当量比

0.7、 0.9

1.1

の場合における撮影結 果を示しである. ただし、 当量比1.1の窒素添加メタン混合気においては燃焼可能で、あ

るものの、質の良い断層写真撮影を行うことができなかったため掲載していない.

まず各写真から、 上述した燃料-酸素・窒素混合気の場合と同様に、大きく成長してい る火炎領域と停滞している火炎領域が存在することがわかる. また、 二酸化炭素を添加 した混合気においては局所的な火炎形状スケールが小さく、 特に当量比1.1においては アルゴン添加混合気とくらべて大きな差異があることがわかる. これは、 5 章で乱流火 炎の形状特性解析から得られた結果と一致する.

(6)

写真6.5及び6. 6に、 当量比0.5の各種希釈剤を添加した水素混合気において撮影さ れた層流火炎と乱流火炎の連続写真を示す. これらの混合気は層流燃焼速度を25cm/s に揃えてあるが、乱流火炎では乱れ強さを制御することによりがïSLOはほぼ2.8程度の値 に設定しである. 各図(a)'"'-'(d)に、 それぞれ希釈剤として窒素、 アルゴン、 二酸化炭素、

ヘリウムを添加した場合の断層写真を示しである.

まず、 層流火炎における断層写真から、 いずれの希釈剤を添加した場合においても希 薄水素混合気における不安定性[STREHLOW, 1984]が発生しやすくなっており、 特に二 酸化炭素を希釈剤として用いた場合にその傾向が顕著であることがわかる. この傾向は、

点火後のかなり早い時期から発生している.

一方、 乱流火炎における断層写真から、 水素混合気においてもやはり火炎形状による 伝ぱ特性の差異が観察でき、 未燃ガス側に突出した領域の成長度合いが大きいことがわ かる. また、 いずれの希釈剤を添加した場合においても、 既燃ガス側に残る未燃ガスの 筋が発生していることが観察できる. それらの筋は、 点火後かなり早い時期から発生し ており、 既燃ガス部内に取り残されていっている. 一方、 二酸化炭素添加混合気におけ る房状火炎は、 このような特性とは異なった伝ぱを示していた. 水素混合気全般で発生 する未燃ガスの筋が上述したように既燃ガス部に取り残されていきながら火炎が成長 しているのに対し、 メタン、 水素いずれの二酸化炭素添加混合気においても、 その房状 火炎部は既燃ガス側で大きな曲率を持つ領域も含め、 どちらかというと全体的に早く伝 ばしていることが観察できた. また、 他の希釈剤を添加した場合と比較して、 その未燃 ガス側に突出した領域の伝ぱ特性は活発であることも観察された. 上述した房状火炎の 伝ぱ特性は、 既燃ガス側に突出した領域は二酸化炭素混合気で、は割合的に少ない上に 未燃ガス側に突出した領域が横方向にも伝ぱし、 取り残された未燃ガス部を両側から消 費しやすくなっているためと考えられる. 一方、 ヘリウム添加混合気においてはその火 炎面形状がかなりなめらかなものとなっており、 点火後初期の段階で形成された形状が 火炎の伝ぱ進行にしたがっても保たれ、 火炎局所による燃焼特性の差異はあまり大きく ないことがわカユる.

(3)水素添加混合気

写真6.

7、 6. 8に、 水素添加混合気における断層写真撮影結果を示す. それぞれ当量

比0.7、

0.98

のメタン混合気における撮影結果であり、 混合気名末尾に水素添加率を示

してある.

当量比0 .7 のメタン混合気においては、 水素添加率の増加にしたがし、若干火炎形状ス ケ」ノレが小さくなっていることが観察できる. また、 連続写真を比較した結果、 水素添 加率が大きい領域で、は未燃ガス側に突出した領域の成長度が大きいことがわかる. さら に、 既燃ガス側に残る未燃ガス部も発生し始めていることが観察できる. 一方、 当量比 0.98のメタン混合気においては、 水素添加率の増加にしたがし1火炎面が不安定なものと

96

(7)

なってきていることがわかる. 全体的な火炎構造自体には大きな差異は見られないもの の、特に水素添加率0.6以上からは局所的な伝ぱ特性が低下していることが確認できた.

水素添加混合気においては、 希釈剤の種類を変化させた場合と異なり水素添加率の増加 にしたがって断熱燃焼温度がかなり低下する. したがって、 これらの傾向を一概に判断 することはできないが、 既燃ガスの膨張などの効果を考慮、したとしても、 局所燃焼速度 特性の大きな変化が起こっているものと推測できる.

上述のように、 予混合火炎の連続断層写真撮影結果から、 その定性的な傾向が明らか となった. そこで、 本研究ではこれらの撮影された断層写真に対して画像解析を行い 局所的な火炎形状と燃焼特性の関係について定量的な評価を試みた. そこでは、 火炎形 状特性として火炎面の局所曲率及び火炎伸張を算出し、 局所燃焼特性を評価するため、

撮影された連続断層写真から火炎の各検出点における伝ぱ速度を求めた.

6.3.2. 局所燃焼速度特性

まず、 乱流火炎面の局所における伝ぱ速度及び火炎曲率を算出し、 局所的な形状と燃 焼速度特性の相関関係を調べた.

6.3.2. 1. 解析手法

本研究で開発した解析ソフトウェアは、 撮影された連続断層写真のうちある時間間隔 の2枚の写真を取り込み、 火炎面を検出することによってその形状特性と伝ぱ特性を解 析できる(連続断層写真解析モード). そこでは、 まず各断層写真から火炎面を離散点と して検出し、 各点における火炎曲率を算出した. 火炎曲率の算出は、 5. 3. 3. 1.に示した 手法に基づく .

次に、 着目している火炎面lと、 その数フレーム後の画像より検出される火炎面2と の問から火炎伝ぱ速度VFを算出した. 図6. 1にその概念図を示す. 図中には、 連続写真 から検出された火炎面のうち、 解析対象とするいくつかの組、 及びそれらの火炎面にお ける各解析点(5章を参照)での火炎伝ぱベクトルを示しである.赤いベクトルは曲率正の 解析点、 青いベクトルは曲率負の解析点を表している. ここで、 本研究では2枚の画像 の時間間隔が短いことから、 火炎面l上の検出点からその点での法線ベクトル方向に火 炎が伝ばしたと仮定し、 法線ベクトルと火炎面2が交わる点までの距離から伝ぱ速度を 算出した. 火炎面間隔は短すぎるとその間に定量的な差異が生じず、 長すぎると相関が 少なくなる. そこで、 本研究では試行錯誤の上、 いずれの混合気においてもほぼ11llS程 度となるようにフレーム間隔数を決定した. ここで、 本研究で対象とした条件における 化学反応の特性時間TJO/SLOはlms程度、 乱れの特性時間LJがは8ms程度である.

(8)

E E

o

守一 :Positive Curvature

骨一一 :Negative Curvature

Fig.

6.

1 Flame Front and Movement Vector Map

(H2/021N2, u'/SLO=2.36)

乱流火炎は点火直後はほぼ球形であるものの、 伝ばするにしたがい火炎面が成長し、

乱れの影響を受けて複雑化していく. したがって、 種々の混合気条件において火炎形状 特性、 伝ぱ特性を比較検討する際、 また、 同じ混合気でも統計処理を行う場合、 同程度 の火炎発達状況にて比較する必要がある. これらの影響を検討するため、 5章で提案し た火炎進行度(ん/RC)3、 及び火炎複雑度(RdRA)2を用いた. 5章で説明したように、 火炎 進行度は燃焼室内混合気の体積消費割合に対応し、 火炎複雑度はある一定の混合気を消 費したときの火炎面積増加度合いに対応する. したがって、 これらの値を各フレームに おいて算出し、 指標とすることによって火炎の発達状況を知ることができる.

得られたデータからは、 火炎曲率の確率密度関数、 全領域、 火炎曲率正領域、 負領域 での曲率半径平均値、 火炎速度SF、 全領域、 火炎曲率正領域、 負領域での火炎速度平均 値などを算出した ここで、 火炎速度とは局所的な燃焼速度に対応する値であり、 解析

ソフトウェアより得られた火炎伝ぱ速度外から次の連続の式を用いて算出した.

F=去作 (6. 1)

ここで、 向、 Puはそれぞれ燃焼ガス、 未燃ガスの密度であり、 以下の手順により算出し た

理想気体の方程式より、 向、 ρuに対して次の式が成立する. ただし、 火炎前後での圧 力勾配は無いとした.

Pb= -SJiT p��

Mb u

98

(6.2)

(9)

1)

ρu= D

m (6.3)

二jL_. T.

MlI “

ここで、Pmは定圧断熱燃焼圧力、 Roは一般ガス定数、九 は断熱燃焼温度、 Tuは初期温 度である. また、Mb、 M戸はそれぞれ燃焼ガス、未燃ガスの平均分子量であり、初期組 成及び平衡計算結果から算出した. 九、 九は火炎の局所において変化している可能性が あるが、それぞれ定圧断熱燃焼温度及び未燃ガス温度で代表値とした.

(6. 2)、(6. 3)式を(6. 1)式に代入することにより、次式が得られる.

S c: = M b .Tu

F = -i . 4.y F (6 . 4)

Mu Tb

本研究ではこの式より求められるSFを火炎速度として用い、伝ぱ特性の評価を行った.

計算に必要な各値を、表6. 2 に示す. なお、Tuは298Kとした.

実際の燃焼速度を算出するには、伝ぱ速度ベクトルに対応するものから混合気の瞬間 流速ベクトルを減算する必要がある. しかしながら、断層写真撮影と同時に局所解析点 毎の流速を計測することは難しいこと、本研究では乱れの特性時間に比べて非常に小さ い時間間隔で、の解析を行っていることから流速減算は行わず、SFを火炎燃焼速度の代表 値とした. また、本来速度ベクトルは三次元的なものであり、二次元平面で伝ぱベクト ルを算出した場合、 対象断面に対して垂直方向のベクトルを考慮していないことになる.

しかしながら、本研究での実験条件が比較的乱れが弱し、領域であることから、幾何学的 に考えられる程の差異はないと考え、 特に補正は行わなかった.

写真撮影は各条件において、層流火炎では3セット、舌L流火炎では約10セット行い、

解析結果に対する統計処理を行い評価を行った. なお、 撮影された断層写真のうち下半 分の領域においては、2章で述べたように燃焼室内の多孔板配置の影響によって火炎が 若干噴流の影響を受けている可能性がある. そこで、 火炎形状特性及び伝ぱ特性の解析 には2章で説明した解

析処理用ハーフサイズ 画像を用い、火炎上半 分に対して評価を行っ た. ただし、 火炎進行 度及び火炎複雑度の計 算においてはフルサイ ズ画像を用いた. 火炎 をカットする位置は、

画像高さの半分に統ー した.

Mixture H09-15N M098-15N

P07-15N P114-15N

P15-15N M07-15N M07-15A M07・15C M09-15N M09-15A M09-15C

Table 6. 2 Properties of Mixtures

T u [K] T b [K] Mu [g/mol] M b [g/mol]

298.150 1237.240 25.099 26.793

298.150 1935.780 27.730 27.705

298.150 1806.230 29.211 28.440

298.150 1873.690 29.163 27.637

298.150 1893.330 29.641 27.361 I

298.150 1804.330 27.974 27.969

298.150 1797.290 37.784 37.777

298.150 1884.080 37.870 37.834

298.150 1891.770 27.791 27.710

298.150 1865.760 37.944 37.935

298.150 2023.460 37.862 37.700

(10)

6.3.2.2. 解析結果

前述したように、 中心点火による予混合 火炎は時間と共に成長しながら伝ばしてい く. そのため、 求める局所形状や燃焼速度 特性がその影響を受けている可能性がある.

そこで本研究ではまず、 前述した火炎進行 度及び火炎複雑度の関係について調べた.

図6. 2 にその一例を示す. 図に示すよう に、 火炎進行度 (RA/Rc

i

及び火炎 複雑度

(RJん)2を各フレームに対して計算した結 果、 火炎がある程度発達したのち、 火炎進 行度に対する複雑度はほぼ一定値となり、

緩和状態に達することがわかった. このよ

弘、旬、同)

1.0r-':'----一一一一一一一一一一一一一 ↓

一一一

|

(引け3= 0.018

0.00 0.01 0.02

(RJRc)3[一]

0.03

うな現象は他の混合気においても確認でき、

Fig.

6. 2 Variation of (Rd RA)2 with (RA/ RC)3 また、5章で火炎進行度及び圧力の影響を補

正するために設定した(ん/RC)3の基準値 0 .0175付近においては、 どの混合気においても 本実験範囲ではこの緩和領域に含まれていることがわかった. そこで、 5章で得られた 形状特性解析結果と比較するためにも、 本解析ではこの(ん/RC)3が約

0.018のフレーム近

辺を基準点とし、 局所燃焼特性の評価、 及び相互比較を行った. また、 火炎の成長に伴 う影響についても検討するため、 燃料ー酸素-窒素混合気に対して撮影した連続写真では 基準点前後においても解析を行い、 火炎がほぼ緩和状態に達した領域、 比較的火炎が発 達段階にある領域、 火炎後期領域の三領域について燃焼特性の評価を行った. 各領域に おける火炎進行度は、 それぞれ 0.018、 0 .007、 0.030 程度とした.

(1)燃料ー酸素ー窒素混合気

まず基礎的な検討を行うため、 燃料・酸素・窒素混合気における解析結果の比較を行う . 図6. 3、

6. 4に、 それぞれ火炎緩和領域の層流火炎及び乱流火炎の解析結果から得ら

れた火炎伝ぱベクトル分布を示す. 図中、 赤色のベクトノレで、表される検出点は正の曲率 を、 青色のベクトルで表される検出点は負の曲率を有する. また、 図6. 5及び6. 6に、

火炎面上での曲率 1/rの確率密度関数、 及び各点での局所火炎速度SFを曲率に対して示 した火炎曲率は予熱帯厚さηoで、 局所火炎速度は層流燃焼速度SLOで無次元化してあ る. 図6.

5及び6.6には、 上述した火炎進行度及び火炎複雑度にしたがい、

火炎発達が ほぼ緩和状態に達した領域、 火炎が比較的発達段階にある領域、 火炎後期領域の三領域 における結果を示した. 各図の下に対応する火炎進行度を示しである. また、 図6. 3及 び6. 5はPl14-15N混合気における解析結果であり、 図6. 4及び6. 6の(a)�(e)はそれぞ れ、 当量比0.9の水素混合気、 当量比0 .98のメタン混合気、 当量比0.7、 1.14、 1.5のプ

ハUハU咽EEA

(11)

ロノミン混合気における解析結果である.

以下ではまず、 基本となる火炎緩和領域における解析結果について検討する. 他の二 領域での特性に対しては後の節で検討を行う. 表6. 3には、 乱流火炎面における正負曲 率領域比Z)みを示す.

aeli--lilia--lil--­ 戸戸口。一

Fig. 6. 3 Flame Front and Movement

Vector Map (C3H8/02川2,砂=1.14, u'lSLO二0)

1Omm

(b) M098-15N

企守il--11111111合V

ロ同戸』o-

(d) Pl14-15N

A-1-BIt--llite--­ E52

(a) H09-15N

(c) P07・15N

411titil--申 ag o-

(e) P15-15N

Fig. 6. 4 Flame Front and Movement Vector Map (Fuel/02/N2ヲu'ISLO=2.36)

(12)

0.0 0.5

0.5 0.0

1700r卜1 �[一] η'oIr[ー]

(i)

(RA/Rc)3=O.007

(ii)

(RA/Rci=o.018

(iii)

(RA/Rci=o.030

Fig.

6.5 Pdf ofLocal Flame Curvature and Distribution ofLocal Flame Velocity

[;:;ljffrz

見上二二二二型 さ二二二二

0

4

5

ヴ'oIr[一]

(i)

(RA/Rc)3=O.007

??[;出YJz j

;

瓦:::が;;仁 [;ごご=二136三二:LL三三:二:串串串:壬士仁仁全乞仁仁仁仁 :二二 二二:二二二:二二:二:

:: |弘之2

5

"&. 0.2

0

4

5

0.0

1700r[一]

(i)

(RA/Rci=o.007

5.0 4.0

;�Hr/f.rl !

'1 3.0t ;1'lSLO

0

て2.0ト i

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一1.0ト !

-2.0 04

l

fffg;J57

"R 0.2

OQt

(C3H8/021N2,砂=1.14, U'/SLO=O)

η'oIrト]

(ii) (RA/Rci=o.OI8 (a) H09-15N

0.5

721j仇 ム。

。.0ト一一一一_._o_;_è!_君"暫一一一一一一一一

04

l ZZ

1お

Z 03

l f f Z i;;91 05

"R 0.2

0

4

5 00

1700r[ー]

(ii) (RA/ RC)3=O.O 18

(b)

M098・15N

T;;ljzr2 i

0' 1.0ト…一一一一..."・‘A一一一一一一­

vプ0.0ト一一一一一一一一一→一一一一一一一一一

04

l

rsU57

0

4

5 0.5

P、Jnu

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ハリ

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J

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w

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0.0ト一一一一一一一三

:司寧三

一一一一一

04

.-. V • f

i5μi50=-J�Õ5

↓0.3 Le =

0.89

"R 0.2

(iii)

(RA/ RC)3=O.030

Fig.

6. 6 Pdf of Local Flame Curvature and Distribution of Local Flame Velocity (Fuel/021N2,μ'/SLO=2.36)

102

(13)

5.0 4.0t

��i?州

,":-,3.0卜í/l5.ωz2 34 :

τ2.0t �ω&鋭い 1.0卜一一一-õ8一一一一 好 0.0卜一一一一一ーも明瞭断+一一一一一一

一1.0ト [v

_2.0L 0.5 t 'lclムι 0.05

a ・

0.4ト'l;;X.f D.〆ぜ)0

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= 057 0.07

工0.3� Le=159

、.

-g_ 0.2 0.1

'701r[一]

(i) (RA/Rc)3=O.007

.0一。一

のlz 削山i口 H叶伐 F・、Auvu 「卜トト1「トL1トi「rLAUAUnunvAUAUnunU FコAU守今J今L・inu--フ- [ l ] ご. Z 1 ・ ( f a --

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(i)

(RA/ RC)3=O.007

∞h w 一 一 3u e o- 一 O θ崎 L-N a f 〈人 ン 『旬、 ] 1 { l 吋i a u AH El 4 4句、J吋 J ハUハununununUハUnuc ・炉lrLtpt炉lトirfト』←4ド F‘、Av,u um--伐 。3-- 一 f2 一一 む�

-g_ 0.2

0.0 0.5

'7Jr[一]

(i)

(RA/Rc)3=O.007

? ?; 3fd?州2

寸�3.Uト,,'15.血も234

iti二五蝉 :二二

工::l器禁7 0.1

'701r[一]

(ii) (RA/ RC)3=O.O 18

(c)

P07・15N

5.0 4.0�

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ァ3.0ト �'/SIJJ �228 L

E1.0ト一一一一ーも2

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0.4ト1h!.l.>007

_

I DplDo=On

ム 0.3�μ=0 89

匂d

-g_ 0.2

0.5

0.1

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o

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R

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o

J

1

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i;;i 二三二 二二二:

0.5 0.1

'701r[一]

(ii) (RA/ RC)3二0.018 (d) Pl14-15N

JlZJ2 2; 必 Q

ち 2.?�

。 週圃齢 ou

;号ô:õ� Tヨ寝室昼二一

、4

-g_ 0.2

ヴ'oIr[一]

(ii) (RA/Rc)3=0.018 (e) P15-15N

、­

-g_ 0.2 0.1

'701r[一]

(iii) (RA/ Rc

i

=0.030 0.5

OI3j o 除草・・・・・・・園陸002 l腎官s--副aoo J

換 )

M M

e

0

0ロ

山川203= HU内C20 . u トート』卜ートhトtトートlpiトlト'トL

nunUAUnunununUAU ミJAq1J?』'lnula吋正 { l }三〈

\ e 人fa 一 -

-g_ 0.2

0.0 05

ヴ'C!r[一]

(iii) (RA/Rc)3=0.030

Fig. 6. 6 Pdf of Local Flame Curvature and Distribution of Local Flame Velocity (Fuel102冷-J2, u'/SLo=2.36)

(14)

図6.3及び6. 5には、 Pl14-15N 混合気の層流火 炎に対する解析結果が示しである. 図から、 層流燃 焼時の火炎曲率分布はある一点近くにほぼ集中し、

その分散はかなり小さいことがわかる. また、 局所 火炎速度も各解析点においでほぼ等しい値を示し ており、 その値は層流燃焼速度程度であることがわ かる.本実験では容器内中心点火を行っていること、

レーザシートは燃焼器内中心線上に照射されてい

Table 6. 3 Zu/Zb

Mixture

u'

/S

L 0

H09 -15N 2.343 M098-15N 2.335

P07-15N 2.2 82 Pl14 -15N 2.35 8 P15 -15N 2.335

Z u /Z b 1.40 6

1.363 1.26 9 1.620 1.5 79

ることから、 層流火炎においては火炎速度むが三次元的な影響をほとんど受けていない.

また、 曲率も二次元曲率がほぼ三次元曲率に対応する. したがって、 層流火炎において このような結果が得られ ていることは本研究で開発した解析ソフトウェアの有効性を 示している.

次に、 乱流火炎についての比較を行う. 図6. 4及び6. 6 に各解析結果を示しである.

ここで、 すでに述べたように、 M098・15N及びP114-15N混合気は燃焼速度計測実験から 推定された平均局所燃焼速度SLが層流燃焼速度SLOとほぼ等しい値を示した混合気であ

る[城戸他,1994,1995ラ1997a,KIDOetal., 1 994 a, b, 199 8 a].

まず、 当量比を変化させたプロパン混合気(p07・15N、 P114-15N、

PI5-15N)について着

目する. 図6.

6及び表6.3に示すように、 いずれの条件においても正の曲率を有する領

域の割合が多いことがわかる. これは、 5章で得られた、 異なる希釈剤を含む水素及び メタン混合気に対する火炎形状解析結果と一致し、 領域比 Z)Zbは当量比0. 7の場合で 1.3程度、 当量比1.5の場合で1.6 程度で、あった. ここで、 当量比0.7の場合にみ/みが小 さな値を示すことは、 舌し流火炎断層写真の観察から確認された火炎面平滑化の傾向と一 致する. しかしなが ら、 このような若干の差異があるものの、 いずれの混合気において も領域比み/みは1 より大きな値を示し、 乱流燃焼場において未燃ガス側に突出した領 域が支配的な領域に なっていると考えられる. ただし一方で、 各当量比において未燃ガ ス側に突出した領域の支配度の大きさには差異があることもわかる.

次に、 図6.

6

の火炎速度分布図 から、 当量比、 局所的な火炎形状、及び 局所火炎速度 の聞には相関関係、があることがわかる. 過濃混合気では正の曲率を持つ領域で高い局所 火炎速度SFを示し、 特に当量比1.5の混合気においてはその領域で非常に高い火炎速度 を示している. 一方、 当量比0.7の混合気においては各領域においでほぼ変わらない値 を示している. これら乱流火炎面上における局所的な燃焼速度変化の原因として、 本論 文では選択拡散効果から説明した. すなわち、 プロパン混合気においては酸素分子の拡 散特性が燃料分子の拡散特性よりも大きいため、 未燃ガス側に突出した領域には酸素 分 子が多く拡散する. したがって、 過濃混合気においては酸素が不足していることから、

この領域の燃焼速度は増加することがわかり、 上記の現象を定性的に説明することがで きる.

10 4

(15)

次に、 使用する燃料を変化させた場合について検討する. ここで、 比較対象とする混 合気は層流燃焼速度が15cm/sで、従来の実験から推定される平均局所燃焼速度が層流燃 焼速度と等しい混合気とした. これらはメタン混合気ではM098・15N、 プロパン混合気 ではP11 4・15N に対応する. しかしながら、水素混合気では局所燃焼速度と層流燃焼速 度が等しくなる混合気はかなり過濃側に存在する. このような条件での平均局所燃焼速 度推定は難しく、また燃焼が若干不安定であり画像撮影も困難で、あった. そこで、 比較 的質の良い断層写真撮影が可能であった、 当量比 0.9の水素混合気を用いて解析、 比較 を行った. ここで、 水素混合気においても当量比 1.13付近からは平均局所燃焼速度と層 流燃焼速度の比は1 �こ漸近していくことが明らかにされている[城戸他,1997 a].

図6.

6

の(a)、

(b)、(d)に、 H09・15N、M098・15N、 P114 -15N

混合気での火炎速度解析結 果を示しである. 各図から、 炭化水素系混合気においては曲率分布、 火炎速度共に大き な差異が無いことがわかる. すなわち、 基準となるこれらの混合気においてはほぼ類似 した火炎構造、 局所燃焼特性を有していると考えられる. そこでは、 曲率正の領域でや や高い火炎速度を示しており、 燃焼場全体としては平均的に層流燃焼速度程度の火炎速 度を示していることがわかる. 一方、 水素混合気で、は炭化 水素系混合気と比べて曲率分 布の分散が大きくなっている. したがって、水素は比較的小さなたわみを誘発しやすく、

複雑化しやすい傾向があると考えられる. これは、 5章で得られた結果と一致する. さ らに水素混合気では、 上述した理由からSdSLOが1でない混合気であることからもわか るように、 全体的に高い火炎速度を示している. ただし、 曲率正の領域と負の領域での 速度差はかなり大きい. これは、 水素の拡散特性に起因すると考えられ、 局所的な形状 特性に基づく選択拡散などの効果が顕著に現れているためと考えられる.

(2)燃料ー酸素ー希釈剤混合気

次に、希釈剤の種類が局所燃焼速度特性に及ぼす 影響について検討を行った. これらの混合気では、

火炎緩和領域においてのみ画像解析を行つである.

図6. 7に火炎伝ぱベクトル分布、図 6 . 8に火炎面上 での曲率l/rの確率密度関数、 及び各点での局所火 炎速度SFを示す. 解析を行った混合気は、 それぞ れ当量比を0.7及び0.9とし、 メタンー酸素に異なる 希釈剤を添 加 す る こ と に より 層 流 燃 焼 速度 を 15cm/s に揃えた混合気である. 添加する希釈剤と しては、窒素、 アノレゴン、二酸化炭素を用いた. 表 6.4には、乱流火炎面における領域比Zulみを示す.

Table 6 . 4 ZjZb

Mixture u'

/S L

0

Z u lZl

MO下15N

2.28 1 1.3 6 5

M07-1 5A 2.41 2 1.4 40

M07-15C 2.308 1.3 99

M09-15N 2.3 53 1. 522 I

M09-15A 2.412 1. 530

M09- 15C 2. 282 1.606

(16)

(a) M07・15N (b) M07-15A (c) M07・15C

(d) M09-15N (e) M09-15A

(f)

M09・15C

Fig. 6. 7 Flame Front and Movement Vector Map (C:f--4/02/Inert Gas, U浴'LQ=2.36)

0.0

ηrfrH

(a) M07-15N

0.0

'lcJr H

(d) M09-15N

0.5

0.5

0.0

'lrfr [ ]

(b) M07・15A

0.0

'7cJr [ [

(e) M09-15A

0.5 0.0

'lljr [ 1

(c) M07・15C

0.5 。 。

ηIcJr卜l

(ηM09-15C

Fig. 6. 8 Pdf ofLocal Flame Curvature and Distribution ofLocal Flame Velocity (C:f--4/02/Inert Gas, u'/Sw=2.36)

106

0.5

0.5

(17)

図6. 8及び表6.4に示すように、 希釈剤の種類を変化させた混合気においても正の曲 率を有する領域が多い ことがわかる. また、 当量比0.7においては領域Zu/Zbは同程度の 値を示しているものの、 当量比が増加すると差異が生じ始め、 二酸化炭素添加混合気に おける領域比が他の希釈剤を添加した場合に比べて比較的大きい値を示している こと がわかる. これは、 5 章で、行った火炎形状解析より得られた結果と定量的には異なるも

希釈剤の違いによる定性的な 傾 向は致する.

次に、 図6. 8の火炎速度分布図から、 これらの混合気においても局所的な火炎形状、

及び局所燃焼特性の間には相関関係がある ことがわかる. いずれの混合気においても、

正の曲率を持つ領域で高い局所火炎速度を示している. また、 希釈剤をアルゴンとした 場合には、 正の曲率を持つ領域で、窒素添加混合気と比べて高い火炎速度を持つ点が見ら れるものの、 曲率負の領域では窒素添加混合気に比べて低い火炎速度を持つ解析点も多 い. そのため、 平均的な燃焼特性は窒素添加混合気の場合と同程度になっている可能性 がある. ここで、 3章で示したように、 窒素添加混合気とアルゴン添加混合気において 燃料分子の拡散特性はほぼ同程度であると考えられる. しかしながら5章で得られた火 炎形状特性の解析結果から、 アルゴン添加混合気においてはその乱流火炎面における平 均形状スケールは窒素添加混合気の場合より若干小さくなっていた. そのため、 物質拡 散などの効果が顕著になり、 両領域での燃焼特性が大きく変化したと考えられる.

一方、 二酸化炭素を添加した混合気では、 その最大局所火炎速度はアルゴ、ン添加の場 合とほぼ変わらなし、かやや大きい程度であるものの、 解析点の多くが曲率正で燃焼特性 が向上している領域に集中している ことがわかる. これは、

5

章で示したように、 二酸 化炭素は房状の火炎形状になりやすい ことから、 曲率正の領域が多く、 またその平均局 所スケールが小さい ことにより拡散の効果が強められていることによると考えられる.

以上より、 乱流火炎面の局所的な領域において、 その形状により異なる燃焼速度特性 を有していることを直接的に確認でき、 その相関関係を見いだす ことができた. また、

その形状による燃焼特性の変化度合いは、 当量比や燃料に依存している ことが分かつた.

さらに5章でも述べたように、 乱流燃焼場においては未燃ガス側に突出した火炎面が支 配的であり、 その領域での燃焼特性変化が重要な要素となっている可能性がある ことが わかった. また、 メタンー酸素に異なる不活性ガスを添加することにより混合気の希釈を 行た場合、 添加するガスの特性により異なる火炎形状特性を示し その影響により局 所燃焼速度特性に差異が生じることが確認できた.

(18)

6.3.3. 火炎伸張の影響

速度勾配のある流れ場の中に形成される予混合火炎は、 火炎方向の流れの速度勾配に よって伸張される. また、 本研究で用いているような中心点火伝ぱ火炎においては、 火 炎面が基本的に球状であることからも、 本質的に伸張を受けた火炎であるといえる. 緒 論で述べたように、 従来この火炎伸張が火炎面における燃焼特性の低下、 さらには消炎 を招いており、 乱流燃焼特性に影響を与えていると考えられ多くの研究がなされてきた [LAW, 1985, 1988, GOULDIN, 1987,城戸他, 1991 a, 1992 a, MATTHEWS and HALL, 1996J.

また、 このようなKARLOV ITZの火炎伸張理論[1951,195 3Jに基づく考えに対し、 マーク スタイン数を考慮した実験的検討から、 条件によっては伸張を受けた火炎でも層流燃焼 速度より大きな燃焼速度になる可能性を示唆する研究もある[ KWON et al., 1992, TSENG

et al., 1993, AUNG et al., 1995, LIPÄη�IKOV, 1996, BRADLEY et al., 1996, KARPOV et al.,

1997]. しかしながら、 それらは基本的に層流火炎を対象とした実験的研究や、 理論的考 察であることが多い.

そこで、 本論文では乱流火炎に対して局所的な火炎伸長と局所燃焼特性の評価を行う ことを試み、 基礎的な検討を行った.

6. 3. 3. 1. 解析手法

本解析で用いた局所火炎伸張算出手法の概念図を、 図 6.9に示す. 乱流火炎は本来三 次元形状であり、 その表面積を二次元断層写真から直接求めることは難しい. しかしな がら、 本実験で用いた乱れ場の条件はほぼWrinkled Laminar Flameが存在する領域であ ることからも、 三次元的な火炎の影響は無視できると考え、 いくつかの仮定に基づいて 局所火炎伸張の算出を行った. 以下にその手順を示す.

図6. 9に示す火炎面lは現在解析対象としている火炎面であり、 火炎面2は火炎面 1 撮影時点からある一定時間伝ぱ後の火炎である. 前節で、 これら二つの検出された火炎 面から伝ぱ速度ベクトルP1.1P1.2、

P2.

jP2. 2 を求めた. ここで、 P1.J 、 P2.1は対象としてい る火炎面上での解析点、PI.2、P2.2はそれぞれ各解析点から法線ベクトル方向に探査して いき、 火炎面2上で検出された交点である. これらの図から、 この断面において火炎面 l上の二つの解析点間距離は、 火炎面2上に伝ばする聞に変化していることがわかる.

本研究ではこの変化量51=/2-/1を、 この二つの解析点近傍で三次元火炎に接する局所平面 のこの断面方向におけるサイズ変化量と仮定した. さらに、 上述したような理由から、

断層写真の断面に垂直な方向に対してもこの局所平面は同程度のサイズ変化量を示し ていると考えた. 図

6. 10

にその概念、図を示す. 以上より、 乱流火炎の局所における微 小火炎面積変化量必は次式で表される.

δ4 =

A2 - AI

=

1/ -1/

=

(11

+

51)2 _/12

=

2

1

1 8

1

+

512 (6. 5)

ここで、

Al、 んはそれぞれ火炎面l、 火炎面2上での局所面積、lいんはそれぞれP

1. 1 '"'-'

108

(19)

Flarre 1

Fig. 6. 9 I

llustraton

i

of Analysis on Local Flame Stretch

、、、、‘ --__­

---___

一一一一ー一一一一-----�- -

h

Fig. 6. 10

Schematic

View

of

an Element on the Flame Surface

P2.

I、 Pl. 2,,-,P2. 2間距離、 3は12・ltである. また、 51?は微小項として省略可能であるが、

ソフトウェア上ではそのまま残してある.

本解析ではこうして求められるMに基づき、KLIMOVとWILLIAMS件BDEL-GAYED

and BRADLEY, 1985, MATALON, 1983]の一般火炎伸張率の式にしたがって局所火炎伸張

率KaAを算出した. 次式に、 一般火炎伸張率の定義を示す.

170

1 δ4

a

A = ___'__!jL ・-・-=.:.

(6. 6)

SLO A

ot

この式は、 火炎面上の微小要素が火炎面に沿って変形するとし、 その微小面積Aの変化 を考慮、したものであり、 乱れ場の速度勾配を測定するのではなく火炎面積変化率を測定 することにより火炎伸張を評価することができる. ここで、 次は対象とした二つの断層 写真の撮影時間間隔であり、 高速度カメラの撮影速度から算出できる.

6.3.3. 2. 解析結果

図6. 11及び6.

12に、 それぞれ燃料ー酸素ー窒素混合気、 及び添加する希釈剤の種類を

変化させた混合気における局所火炎伸張率解析結果を示す. 横軸には局所火炎伸張率、

縦軸にはその確率密度関数と、各解析点における局所火炎速度SFを層流燃焼速度で無次 元化した値を示しである.

各図から、 いずれの混合気においても局所的な火炎伸張率と局所火炎速度の聞には大 きな相関は見られないことがわかる. 伸張率が大きい領域においても特に燃焼特性の低 下、上昇は見られず、ほぼ横這い状態の分布を示している. この傾向は、燃料、当量比、

添加する希釈剤の種類が変化しでも変わらない. 球形伝ぱ火炎では前述したように本質 的に曲率を有し火炎伸張を受けているため、 層流燃焼速度自体はなんらかの影響を受け ている可能性がある. しかしながら、 火炎曲率と局所火炎速度の聞に見られた相関に比 べると、 これらの図から、 本実験条件の範囲においては乱流燃焼場における局所的な燃

(20)

焼特性に、 火炎伸張率に基づいて説明できる傾向は見られない.

。 。

訓/Iit/AX '7JSLO [一]

(a) H09-15N 5.0 4.0口�{r?,fN,

i 0

T 3.0ト;1'lSLO= 2.34

_

� ぬ皿.CJ

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6.3.4. 局所燃焼速度特性の与える乱流燃焼速度への影響

0.5

0.5

本章及び5章における予混合火炎への火炎形状、 局所燃焼特性の解析結果より、 それ らの与える乱流燃焼速度特性への影響について考察する .

図6.13に、 層流燃焼速度を15cmJsに揃え、 当量比を変化させたプロパン混合気にお ける乱流燃焼速度計測結果を示す. 図から、 層流燃焼速度を揃えた混合気であるにも関 わらず、 当量比によって乱流燃焼速度に差異があることがわかる. 同一乱れ強さにおい ては過濃な 混合気ほど高く、 希薄な混合気ほど低い燃焼速度を示している.

上述したように、 局所的な火炎形状と燃焼特性には相関関係があり、 曲率正の領域と 負の領域では逆の傾向を持ち、 異なる燃焼特性を示していた. 図6.

6に、

図6. 13中の 当量比を変化させたプロパン混合気における解析結果が示しである. 一方、 局所燃焼特 性の与える乱流燃焼場全体での影響を検討するため、局所火炎速度SFの火炎面全体にお ける平均値を計算した結果、 両領域の効果が相殺され、 基準とされる層流燃焼速度程度 の値を示すので、はなく、 混合気によって異なった値を示すことがわかった.

図6. 14に、 局所火炎速度平均値SF mを黒丸で示す

.

また、 乱流燃焼速度計測実験結

(22)

果から推定した平均局所燃焼速度SL[城戸他,1995]も白丸で示す. ただし相対比較を行う ため、

SLは層流燃焼速度SLOで、 SF.

mはSLがSLOと等しかった混合気のSF. mで無次元化

しである. 5章における火炎形状特性解析結果から、 乱流火炎面においてはいずれの混 合気でも未燃ガス側に突出した領域の割合が多く、 支配的となっていることがわかった.

そのため、 各混合気とも未燃ガス側に突出した領域の影響を主に受け、 当量比1.5の混 合気ではその平均火炎速度は層流燃焼時の値から大きくなり、

0.7で、は若干小さくなっ

ていることがわかる. したがって、 平均局所火炎速度の大きくなる過濃混合気では大き な乱流燃焼速度を示していると考えられる. また、 希薄側では過濃側に比べて局所燃焼 速度の変化率(希薄側で、は低下率)が小さいことがわかる. そのため、 図6. 13に示すよう に、 希薄側では乱流燃焼速度が低下し始めるものの、 その低下率は過濃側での変化率に 比べて小さいと考えられる. この理由のーっとしては、 選択拡散により変化した組成に 対する層流燃焼速度特性の相違が考えられる. さらに、 火炎が平滑化の方向に向かって いることから、 上述したように希薄側では領域比Zjみはlよりは大きいものの、 過濃 側よりも若干低い値を示していた. したがって、 未燃側に突出した領域での燃焼速度減 少効果と、 既燃側に突出した領域での増加効果の差異が少なくなり、 変化率が小さくな っていると考えられる. このことから、 領域比 ZjZbは局所的な燃焼特性が乱流燃焼速 度に及ぼす影響に関する一つの重要なパラメータであるといえる.

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14 Variation of

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Fig. 6. 13 Turbulent Burning

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112

参照

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