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東日本大震災における政府機関の 情報システムに対する被害状況

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(1)

東日本大震災における政府機関の 情報システムに対する被害状況

調査及び分析

(最終報告書)

平成 24 年 3 月

内閣官房情報セキュリティセンター

(2)

目次

1. 本調査・分析の概要 ... 1

1.1. 調査・分析の目的 ... 1

1.2. 調査・分析の流れと全体像 ... 2

2. 調査の実施 ... 4

2.1. 調査の対象範囲 ... 4

2.2. 調査方法 ... 4

2.2.1. アンケート調査方法 ... 4

2.2.2. ヒアリング調査方法 ... 5

3. 調査結果の分類・集計 ... 6

3.1. 政府機関における被災状況分類結果 ... 6

3.2. 政府機関における IT 被害概況 ... 7

4. 政府機関の実施対策分析 ... 9

4.1. 実施対策分析手法 ... 9

4.2. 政府機関における実施対策と被害の傾向 ... 10

4.2.1. 建屋に関する被害の傾向と対策の分析 ... 10

4.2.2. 電源に関する被害の傾向と対策の分析 ... 14

4.2.3. 空調に関する被害の傾向と対策の分析 ... 20

4.2.4. ネットワーク(LAN)に関する被害の傾向と対策の分析 ... 23

4.2.5. ネットワーク(ネットワーク機器)の被害の傾向と対策の分析 ... 26

4.2.6. ネットワーク(ネットワーク設定データ)に関する被害の傾向と対策の分析 ... 29

4.2.7. ネットワーク(バックボーン回線)に関する被害の傾向と対策の分析 ... 32

4.2.8. ネットワーク(アクセス回線)に関する被害の傾向と対策の分析 ... 35

4.2.9. 周辺機器に関する被害の傾向と対策の分析 ... 40

4.2.10. ハードウェアに関する被害の傾向対策の分析 ... 43

4.2.11. データ(システム領域・データ領域)に関する被害の傾向と対策の分析 ... 47

4.2.12. システム担当者に関する被害の傾向と対策の分析 ... 51

4.2.13. 外部ベンダに関する対策の分析 ... 53

4.2.14. 緊急時対応計画とシステム復旧手順に関する対策の分析 ... 55

4.3. 文献等から抽出した対策と留意事項について ... 57

5. 対策の整理 ... 61

5.1. 対策の整理方法(概要) ... 61

5.2. 対策の整理内容 ... 62

5.2.1. 対策一覧の作成 ... 62

5.2.2. 各対策の効果の度合いの評価 ... 62

5.2.3. 脅威(地震・津波・計画停電)への有効性の評価 ... 62

6. 緊急対策及び中長期対策 ... 63

6.1. 対策の導出に当たって ... 63

6.2. 緊急対策 ... 64

6.3. 中長期対策 ... 68

※ 本調査及び分析は、株式会社富士通総研に委託して実施した。

(3)

1

1. 本調査・分析の概要

1.1. 調査・分析の目的

平成 23 年 3 月 11 日に東北地方の太平洋沖を震源として発生した東日本大震災は、大きな爪痕を残し た。その脅威は、世界最大級 M9.0 の海溝型巨大地震(宮城県栗原市で震度 7、東京都区部でも震度 5 強)

を始め、東北地方を中心とした太平洋岸各地の津波、福島第一原子力発電所の炉心溶解と建屋の爆発等 による放射能汚染等、従来の想定を超えるものであった。

被害については、死者行方不明者負傷者 2 万 5 千人超・避難者 33 万 4 千人超(「首相官邸 HP」緊急災 害対策本部、平成 24 年 1 月 10 日)、建物設備の倒壊・流失・浸水、社会インフラ(交通機関、電力、ガ ス、上下水道、通信)の大規模停止、大気・水・土壌の放射能汚染と広範囲かつ甚大であった。

東日本大震災以来、政府機関や民間企業の多くは、震災の教訓を生かした BCP 又は情報システム運用 継続計画の見直し、あるいは策定の必要性を感じている。

こうした状況を受け、本調査・分析は政府機関における情報システムに係る運用継続計画への反映を 狙いとし、以下を実施するものである。

東日本大震災における地震や津波、計画停電等のインフラの麻痺による政府機関(地方支分部局、

施設等機関含む)の情報システムや情報セキュリティ上の被害・影響の実態を調査し、把握する。

調査結果から、以下 2 つの視点を中心とする分析を行い、政府機関の情報システム運用継続計画 にフィードバックすべき事項を導き出す。

・これまで想定された脅威(地震)に対しては、対策を実施していたにも関わらず被害のあった 事例から、対策時の留意事項を導出する。

・これまで想定されなかった脅威(津波・計画停電)に対しては、被害状況から、新たに必要と される対策を導出する。

上記の分析結果を取りまとめ、政府機関の情報システム運用継続計画に資する対策を取りまとめ る。

従来、多くの政府機関や民間企業で想定してきた脅威は地震であったが、東日本大震災では津波や計 画停電等、従来あまり想定されていなかった脅威による被害が明らかになってきた。本調査ではこれを 踏まえ、地震だけでなく津波及び計画停電についても、被害状況や復旧対応上の反省等を情報収集し、

それぞれの被害の軽減・防止に有効な対策や留意事項等の知見を整理することで政府機関の情報システ ムの運用継続性強化に資することを目的に実施する。

(4)

2

1.2. 調査・分析の流れと全体像

本調査・分析の流れを以下に示す。

調査・分析の流れ

(5)

3

No 項目 説明 インプット

1 調査の実施 調査目的から調査対象を特定し、アンケート調 査、インタビュー調査及び文献調査を実施す る。

各種ガイドライン等

2 調査結果の 分類・集計

アンケートやインタビュー結果、文献調査結果 を集計し、被害状況や対策実施状況の概要を整 理する。

・アンケート

・インタビュー結果

・文献調査結果 3 政府機関の

実施対策分 析

システム構成要素ごとに、それぞれの脅威(地 震・津波・計画停電)に対し有効だった対策・

有効でなかった対策を分析する。

これまで想定された脅威に対する被害状況か らは、

・従前からの対策の有効性評価

・対策をより効果的にするための留意事項

・新たに必要とされる対策の導出 想定外の脅威に対する被害状況からは、

・新たに必要とされる対策の導出 を整理する。

・アンケート

・インタビュー結果

・各種文献等

・民間事業事例

4 対策の整理

「3.政府機関の実施対策分析」や文献等から 導出された対策それぞれについて、その効果の 度合いを3段階で評価し、優先的に取り組むべ き対策とそうでない対策に分類する。また併せ て、対策をより効果的にするための留意事項を 取りまとめる。

・アンケート

・インタビュー結果

・各種文献等

・民間事業事例

5 緊急対策1

「4.対策の整理」で、特に効果の度合いが高 い対策を、政府機関が取り組むべき緊急対策と して取りまとめる。

・「4.対策の整理」結果 6 中長期対策 「5.緊急対策」以外の対策について、政府機

関が取り組むべき中長期対策として取りまと める。

・「3.政府機関の実施対策 分析」結果

7 有識者によ る検討の整 理

分析結果、各対策を政府機関にフィードバック するに当たり、その効果が最大化する展開や公 開の在り方を有識者による検討会で検討し、結 果を取りまとめる。

上記全て

8 最終報告 緊急対策、中長期対策及び有識者による検討の 整理結果を踏まえ、最終報告として取りまとめ る。

上記全て

1 ここでいう緊急対策とは、早期に備えるべき度合いの高い対策を指す。

(6)

4

2. 調査の実施

2.1. 調査の対象範囲

本調査は、本府省庁、地震又は津波による被害が大きかった東北 3 県(岩手、宮城、福島)並びに地 震による被害のほか、計画停電等インフラによる影響が生じた首都圏の一部(東京、埼玉、千葉、神奈 川、茨城、栃木、群馬)に所在する各府省庁の地方支分部局及び施設等機関とした(サンプル調査)

2.2. 調査方法

2.2.1. アンケート調査方法

アンケート調査は、拠点編・システム編の 2 部構成からなり、情報システムの事業継続における主な 構成要素について回答する内容とした。なお、アンケート回答先の負荷軽減のため、アンケート項目を

「図 1.ネットワークサンプル構成図」により 3 つのケースに分け、回答必須項目を限定した。

【第一回アンケート】 有効回答数 207 件(平成 23 年 11 月 4 日回収分まで)

【第二回アンケート】 有効回答数 37 件(平成 23 年 12 月 20 日回収分まで)

図 1.ネットワークサンプル構成図

(7)

5 2.2.2. ヒアリング調査方法

ヒアリング調査は、アンケート調査結果の中から、一定の基準(比較的規模大、被害影響度大)から 抽出した拠点に対し、アンケート調査の内容を深耕することにより、状況の明確化や新たな知見の抽出 を狙いとして実施した。

ヒアリング方法としては、対象拠点のシステム担当者(アンケート回答者の同席の下)に対して対面 等で実施し、ヒアリング内容については、事前に「質問票」を提出した。

【ヒアリング実施期間】平成 23 年 10~12 月

(8)

6

3. 調査結果の分類・集計

3.1. 政府機関における被災状況分類結果

本調査対象の拠点が、地震・津波・計画停電のうち、どの脅威に見舞われ、どのような被害を受けた かに関する概要を「システムが設置されている拠点」と「システムが設置されておらず、ネットワーク 経由でシステムを利用している拠点」の 2 つに分け、下表に示す。

表 1.システムが設置されている拠点

建屋 電源 空調 ネットワーク 周辺機器 ハードウェア システム領域 データ領域 システム 担当者

緊急時 対応計画

9 4 9 3 5 2 1 0 0 1 0

44% 100% 33% 56% 22% 11% 0% 0% 11% 0%

73 22 14 9 47 11 2 0 0 5 0

30% 19% 12% 64% 15% 3% 0% 0% 7% 0%

17 5 5 2 10 3 1 0 0 1 0

29% 29% 12% 59% 18% 6% 0% 0% 6% 0%

4 4 4 2 4 2 1 1 0 0 0

100% 100% 50% 100% 50% 25% 25% 0% 0% 0%

27 1

4%

脅威に 見舞われた

件数

各脅威により、何らかの被害が発生した件数(全体における割合)

脅威

津波 計画停電 地震

地震(大)・・・震度 6 強以上、地震(中)・・・震度 5 強~6 弱、地震(小)・・・震度 5 弱 表 2.システムが設置されておらず、ネットワーク経由でシステムを利用している拠点

建屋 電源 空調 ネットワーク 周辺機器 ハードウェア システム領域 データ領域 システム 担当者

緊急時 対応計画

9 3 5 0 5 0

33% 56% 0% 56% 0%

61 32 18 0 51 8

52% 30% 0% 84% 13%

17 5 7 0 11 2

29% 41% 0% 65% 12%

17 12 14 0 14 8

71% 82% 0% 82% 47%

21 5

24%

各脅威により、何らかの被害が発生した件数(全体における割合)

脅威

脅威に 見舞われた

件数

地震 津波 計画停電

地震(大)・・・震度 6 強以上、地震(中)・・・震度 5 強~6 弱、地震(小)・・・震度 5 弱

上記表に示すとおり、システムが設置されている拠点のうち、震度 6 強以上の地震(地震大)に見舞 われた拠点は 9 件、震度 5 強~6 弱の地震(地震中)に見舞われた拠点は 73 件、震度 5 弱の地震(地震 小)に見舞われた拠点は 17 件、津波に見舞われた拠点が 4 件、計画停電の影響を受けた拠点は 27 件で あった。また、システムが設置されておらず、ネットワーク経由でシステムを利用している拠点のうち、

震度 6 強以上の地震(地震大)に見舞われた拠点は 9 件、震度 5 強~6 弱の地震(地震中)に見舞われ た拠点は 61 件、震度 5 弱の地震(地震小)に見舞われた拠点は 17 件、津波に見舞われた拠点が 17 件、

計画停電の影響を受けた拠点は 21 件であった。

(9)

7

3.2. 政府機関における IT 被害概況

本調査・分析により明らかになった政府機関の IT 被害状況を、地震・津波・計画停電それぞれの脅威 から、概括する。

地震による被害は、電力喪失とネットワーク障害による影響が大きかった。

地震による IT 被害については、システムが旧耐震基準の建屋内に設置された場合についても、シス テムラックが倒壊する等、ハードウェアの再調達を必要とするような被害はほとんどなかった。これは 今回の地震がハードウェアへの影響が比較的少ない海溝型地震特有の横揺れであったことや、ラック固 定措置等の基礎的な対策の効果であったと考えられる。しかし、首都直下型地震で想定される揺れは、

ハードウェアへの影響が大きい縦揺れであるため、今回の結果に安心することなく、備えが必要と考え る。

一方で、広域な電力喪失や、これに起因するネットワーク障害については、通信回線の遮断や輻輳に より、システム停止・縮退運用を余儀なくされる等の影響が大きかった。これは前頁の P6 表 1・2 に示す とおり、建物の被害件数は全体の 3~5 割程度であるのに対し、ネットワークの被害件数がこれを上回る 5~8 割という結果であったことや、ハードウェア(サーバ類)・システム領域・データ領域の被害が僅 少(ハードウェアで 1 割程度)であったことからも推定できる。

また、アンケート及びヒアリングから得た主な地震の被害状況をまとめると、

・被災直後に庁舎から退避命令があり、数時間入館できない状態があった。

・被害の傾向としては、躯体自体への影響はなく、壁のヒビやタイルの剥がれ、エレベータの故障など であった。

・システムラック損壊等による、ハードウェアに対する甚大な被害報告は確認できなかった。

・大規模な停電が発生し通信回線も使用不能となり、2 日程度システムが使用できない状態が続いた。

・電力回復後、通信回線も復旧し、システムについても問題なく使用することができた。

といった状況を多数確認することができたことからも、電力喪失とネットワーク障害による影響が大き かったことが分かる。

津波による被害は、建物損壊やネットワーク寸断に対する影響が甚大であった。

津波による被害については土砂や浸水により、建物や設備(電源等)の損壊・流失や、交通網・通信 回線の途絶を引き起こし、復旧の長期化や代替拠点への移転を余儀なくさせる等、甚大な被害を与えた 想定外の脅威であった。これは前頁の P6 表 1・2 に示すとおり、建物や電源の被害件数は全体の 7~10 割、ネットワークの被害件数についても 8~10 割という結果であったことで、建物や設備、ネットワー クに対する被害を避けることは、その立地特性(調査拠点の全てが海岸から 1~2Km に立地している)上、

大変困難であったと推定できる。

しかし、本調査における IT 被害については、ハードウェア(サーバ類)を設置している拠点が僅少で あったことから、システム領域・データ領域の完全消失により復旧不可な事例は確認できていない。

また、アンケート及びヒアリングから得た主な津波の被害状況をまとめると、

・被害の大半は建物の 1F 部分が水没、中には 3F 天井付近まで浸水した拠点もあった。

・被害の大半は、浸水による PC 周辺機器やネットワーク機器類の被害、通信回線の断絶等。

・一方でハードウェア(サーバ類)やシステム領域、データ領域の被害は僅少であった。

・拠点によっては、周辺の浸水により外部から孤立した状態が数日間続いた。

・業務再開までの時間が数週間~数か月と長期化し、代替地への移転を余儀なくされた拠点もあった。

(10)

8

といった状況を多数確認することができたことからも、建物設備・ネットワーク・人的被害の影響が甚 大であったことが分かる。

計画停電による被害は、人的リソースに対する負荷が大きかった。

計画停電は、震災後の 3 月 14 日から1か月強の期間に渡り、関東 1 都 8 県(*1)において、各地域の市 町村単位でグループを設定し、各日 3 時間程度ずつ順にグループ内の一部の地域で電力の供給が断たれ るというものである。

IT は電気の連続的安定供給が自明であり、長時間の停電による影響は大きいが、本調査においては、

稼働中の強制シャットダウンによるシステム障害等の物理的な IT 被害は確認できていない。

しかし、停電事前のシステム停止作業等に代表される度重なる計画停電対応や、通常 IT を使用して行 う業務を、手作業で代替する等の人的リソースに対する負荷は大きい。これは下図 2 に示すとおり、計 画停電予定地域に対し、実際に停電が実施された拠点が 5 割(24 件)であったことからも推定できる。

また、アンケート及びヒアリングから得た主な計画停電の被害状況をまとめると、

・計画停電実施の情報が曖昧であった(直前の変更等)ため、システム停止作業に苦慮した。

・計画停電に備え、夜間も含め複数回ベンダに待機を要請したが、実際に停電はされなかった。

・計画停電の予定時刻にシステムを停止していたが、実際に停電は実施されなかった。

・計画停電に備え、注意事項の周知徹底(データ保存、システム停止等)に多大な労力を費やした。

といった状況を確認することができたことからも「計画停電による被害」では、物理的な被害報告だけ では読み取れない、人的リソースへの負荷が大きかったと思料される。

不明 2%

予定されていた にも関わらず

計画停電が 実施されなかった

件数 48%

勤務時間内 31%(15)

勤務時間外 6%(3件) 両方 13%(6) 実施された

件数 50%

「計画停電実施状況」の内訳( n=48

図 2.「計画停電実施状況」の内訳(*2)

(*1) 栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県(富士川以東)

ただし計画停電対象外地域あり。

(*2)計画停電実施拠点の調査については、東京電力HP「計画停電情報」を基に、本調査拠点の中で計画 停電予定地域に指定されている48拠点を対象に追加アンケートを実施している。

(11)

9

4. 政府機関の実施対策分析

4.1. 実施対策分析手法

東日本大震災において地震や津波等の脅威が発生した拠点に対し、被災時に IT を復旧するために必要 となる IT 資源(建屋、ハードウェア、データなど)それぞれについて、

・事前にどのような対策を実施していたか(事前対策の状況)

・それぞれの対策を実施していたことにより、どの程度システムへの被害発生を抑えられたか (被害状況)

に関するアンケートを行い、その相関関係から、該当対策の効果のあり/なしを分析した。

すなわち、何も対策を実施していなかった場合の被害状況に比べ、対策を実施していた場合の「被害 なし」の割合が高ければ、その対策は該当する脅威に対して、被害を抑える効果があったと言える。(例:

免震ラックを設置していた拠点では、10 件中 9 件で被害の発生がなかったが、何もしていなかった拠点 では全ての拠点で被害があった等)

さらに、上記分析の結果、効果なしと判断された対策については、なぜ効果がなかったのかを考察し、

また効果があった対策についても、追加アンケートにより災害発生時にその効果を確実なものにするた めの留意事項を取りまとめた。

これらの評価分析は、アンケートでの回答結果に加え、現地へ直接訪問しヒアリングした結果や、文 献事例や民間企業の事例調査結果に基づき実施した。

なお、IT 資源のうち、システム担当者、外部ベンダ及び緊急時対応計画とシステム復旧手順について は、事前対策と被害状況の相関分析は行わず、アンケートの自由記入欄から、それぞれの対策の有効性 の判断及び留意事項の取りまとめを行った。

以上の分析結果を次頁以降に示す。

(12)

10

4.2. 政府機関における実施対策と被害の傾向

4.2.1. 建屋に関する被害の傾向と対策の分析

政府機関が建屋に対して実施していた対策とその実施割合を以下に示す。

4%

2%

53%

38%

10%

9件

4件

109件

79件

21件

0 20 40 60 80 100 120

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

同時被災しない遠隔地に バックアップサイト確保

堅牢なデータセンタに サーバを設置

新耐震基準を満たす 建物にサーバを設置

旧耐震設計の 建物にサーバを設置

無回答

有効回答数207件における対 策内容別の実施割合

実施していた対策で最も多いのは「新耐震基準を満たす建物にサーバ設置」で 53%(109 件)「同時被 災しない遠隔地にバックアップサイト確保」は 4%(9 件)「堅牢なデータセンタにサーバ設置」につい ては 2%(4 件)の実施にとどまっている。

(13)

11

政府機関が建屋に対して実施していた対策と、東日本大震災における被害有無を以下に示す。

Ⅰ-a.地震(大:震度 6 強以上)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

0

0

5

4

0 0

0

4

1

4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

同時被災しない遠隔地に バックアップサイト確保

堅牢なデータセンタに サーバを設置

新耐震基準を満たす 建物にサーバを設置

旧耐震設計の 建物にサーバを設置

無回答

被害あり 被害なし

Ⅰ-b.地震(中:6 弱~5 強)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

1

1

18

34

5

7

2

52

18

8

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

同時被災しない遠隔地に バックアップサイト確保

堅牢なデータセンタに サーバを設置

新耐震基準を満たす 建物にサーバを設置

旧耐震設計の 建物にサーバを設置

無回答

被害あり 被害なし

Ⅰ-c.地震(小:5 弱以下)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

0

0

4

7

0

1

1

14

7

3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

同時被災しない遠隔地に バックアップサイト確保

堅牢なデータセンタに サーバを設置

新耐震基準を満たす 建物にサーバを設置

旧耐震設計の 建物にサーバを設置

無回答

被害あり 被害なし

(14)

12

「同時被災しない遠隔地にバックアップサイトを確保」「外部の堅牢なデータセンタにサーバを設置」

については、地震(中)(小)において、その他の対策を実施していた場合と比較し、被害なしの比率が 高く、対策による効果があったと推定できる。

「新耐震基準を満たす建物にサーバを設置」については、地震(中)(小)において、「旧耐震設計の 建物にサーバを設置」していた場合と比較し、被害なしの比率が高く、効果による一定の効果があった と推定されるが、地震(大)においては当該対策を講じていたにも関わらず期待した効果が得られてい ない。しかし、自由記入欄から、これらの大半は、被害はあったが躯体に影響はない軽微な損傷であっ たことが確認できた。これらより、「新耐震基準を満たす建物にサーバを設置」については、対策による 一定の効果があったと推定できる。

一部拠点でのアンケート及びヒアリング結果によると、「同時被災しない遠隔地にバックアップサイト を確保」「外部の堅牢なデータセンタにサーバを設置」について、その対策効果の高いものとするための 留意事項として、以下が示された。この点については今後の対策実施時に留意すべきである。

・費用対効果の観点から、まずは復旧優先度の高いシステムを明確化した上で、該当システムをバック アップサイト及びデータセンタに設置することが望ましい。

・バックアップサイト及びデータセンタの立地については、地震や津波などのリスクが低い地域、かつ、

本番センタと同時被災しない地域が望ましい。(なお、災害発生時にバックアップセンタへシステム 担当者が駆けつける必要がある場合は、本番サイトから駆けつけ可能な距離であることが求められ る。

・バックアップサイトを採用する場合、平時の有効活用(メールやストレージのデータの保存先として 利用する等)も考慮することが望ましい。

(15)

13

Ⅱ.津波に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

0

0

12

6

1 0

0

0

2

0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

同時被災しない遠隔地に バックアップサイト確保

堅牢なデータセンタに サーバを設置

新耐震基準を満たす 建物にサーバを設置

旧耐震設計の 建物にサーバを設置

無回答

被害あり 被害なし

「同時被災しない遠隔地にバックアップサイトを確保していた」「外部の堅牢なデータセンタにサーバ を設置していた」対策については、本調査で津波脅威が発生した拠点において、当該対策を実施してい た事例がなかったため、直接有意なデータを得るには至っていない。ただし、自由記入欄から、拠点の 一部では、建物自体は被害を被ったものの、サーバを遠隔地に設置していたため被害を免れたという回 答もあった。これらより、「同時被災しない遠隔地にバックアップサイトを確保していた」対策について は、対策による効果があったと推定できる。

「新耐震基準を満たす建物にサーバを設置」については、「旧耐震設計の建物にサーバを設置」してい た場合と比較し、逆に被害ありの比率が高くなっている。また、自由記入欄から、津波に見舞われた拠 点が水没し、入館不可・立入制限措置がなされた(3F 執務エリアまで海水が及んだケースもあり)とい う回答も複数存在し、旧新耐震基準を問わず水損による被害が大きいことが確認できた。

これらより、「新耐震基準を満たす建物にサーバを設置していた」「旧耐震設計の建物にサーバを設置 していた」といった津波対策については、対策による効果がなかったと推定できる。

アンケート及びヒアリング結果によると、津波の被害があったと回答した拠点は 21 拠点存在し、その 全ての拠点が海岸から 2Km 以内に立地していることを確認した。

これらより津波脅威に対する留意事項として、以下を読み取ることができた。この点については今後 の対策実施時に留意すべきである。

・津波の脅威を新たな想定とし、リスクの高い地域(及び海抜高)を把握しておくことが望ましい。

・津波リスクの高い地域から優先的に、バックアップサイトやデータセンタへの移行を検討すること が望ましい。

(16)

14 4.2.2. 電源に関する被害の傾向と対策の分析

政府機関が電源に対し実施していた対策とその実施割合を以下に示す。

48%

15%

9%

43%

51%

100件

32件

18件

88件

106件

0 20 40 60 80 100 120

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

受電2系統化無し/

自家発電装置未準備

外部から電力供給の 受電を2系統化

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:有り

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:無し/不明

自家発電装置の準備

有効回答数207件における 対策内容別の実施割合

対策の実施で最も多いのは「自家発電装置の準備」で 51%(106 件)「外部からの電力供給の受電 2 系統」は 15%(32 件)の実施となっている。

(17)

15

政府機関が電源設備に対して実施していた対策と、東日本大震災における被害有無(IT機器への電 源供給が停止したかた否か)を以下に示す。

Ⅰ-a.地震(大:震度 6 強以上)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

10

1

0

3

1

0

0

3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

受電2系統化無し/

自家発電装置未準備

外部から電力供給の 受電を2系統化

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:有り

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:無し/不明

被害あり 被害なし

Ⅰ-b.地震(中:6 弱~5 強)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

20

0

1

9

44

26

15

45

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

受電2系統化無し/

自家発電装置未準備

外部から電力供給の 受電を2系統化

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:有り

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:無し/不明

被害あり 被害なし

Ⅰ-c.地震(小:5 弱以下)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

10

0

0

4

5

2

1

14

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

受電2系統化無し/

自家発電装置未準備

外部から電力供給の 受電を2系統化

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:有り

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:無し/不明

被害あり 被害なし

(18)

16

「外部から電力供給の受電2系統化」については、地震(中)において、何も対策を実施していない 場合と比較し、被害なしの比率が高い。一方で、一部拠点の自由記入欄では、東日本大震災の電源喪失 が広域なものであったことから、効果がなかったとの回答も複数存在した。このことから、「外部から電 力供給の受電2系統化」については、比較的狭い範囲での電源喪失には効果があるが、複数の変電所か らの電力供給が同時に停止するような広域での電源喪失に対しては効果がなかったと推定できる。

「自家発電装置設置」については、地震(中)(小)において、何も対策を実施していない場合と比較 し、被害なしの比率が高く、対策による一定の効果があったと推定できる。

一方で、地震(大)においては、自家発電設備を設置していても電源供給が停止したとの回答が3 存在している。このうち2件は、燃料不足により自家発電装置を連続稼働できなかった事象であり、残 りの1件については、水道供給停止により、自家発電装置内冷却機能が作動せず、結果として自家発電 装置を連続稼働させることが出来なかった事象であると確認することができた。

これらより、地震(大)においても、対策により一定の効果があったと推定できるが、同時に有効に 機能させるための課題も浮き彫りとなっている。

なお、「燃料の優先調達契約」については、本調査でその権利を行使している事例が確認できなかった ため、有意なデータを得るには至っていない。民間企業の事例から、燃料優先調達契約を複数社と締結 し、その効果を享受していた事例も存在したが、非常時の燃料供給は政府機関・救援物資輸送・病院等 が最優先となるため、「燃料の優先調達契約」は必ずしも有効であるとは言い切れない。東日本大震災か ら得られた教訓を踏まえた現実的な対策としては、複数日分(少なくとも72時間分)の燃料を確保し ておくことが有効であると考えられる。

一部拠点のアンケート及びヒアリング結果によると、「自家発電装置設置」について、その対策効果を より効果の高いものとするための留意事項として、以下が示された。この点については今後の対策実施 時に留意すべきである。

・自家発電装置の電力容量と連続稼働可能時間を把握する。

(特に停止が許されないシステムについては)自家発電装置が稼働する間の電力供給を考慮すると、

自家発電装置と大型の無停電電源装置(UPS)の併用が望ましい。

・非常時運用を継続すべき重要なシステム(メールなどのコミュニケーションシステム、LANなど)

を明確化した上で、該当システムの運用を継続できるよう、自家発電の運用計画に盛り込むこと。

・上記重要システム以外については、自家発電稼働時は運用を停止する。

・非常時に確実に自家発電を稼働できるよう、普段から稼働訓練(機器の点検、実負荷運転試験等)を 実施する。

・自家発電装置の導入検討時には、断水時にも問題なく稼働できるように、冷却水が不要なモデル(ガ スタービン型など)を考慮することが望ましい。

(19)

17

Ⅱ.津波に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

10

2

1

10

0

0

0

0

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

受電2系統化無し/

自家発電装置未準備

外部から電力供給の 受電を2系統化

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:有り

自家発電装置設置 燃料優先調達契約:無し/不明

被害あり 被害なし

「外部からの電力共有の受電 2 系統化」「自家発電装置設置」については、両者とも被害ありが全回答 を占めている。また、自由記入欄から、受電装置・自家発電装置は、その多くが 1F 又は地下スペースに 設置されており、水損による被害が大きいことが確認できた。

これらにより、「外部からの電力共有の受電 2 系統化」「自家発電装置設置」といった津波対策につい ては、対策による効果がなかったと推定できる。

一部拠点のアンケート及びヒアリング結果によると、「自家発電装置設置」について、その対策効果を より効果の高いものとするための留意事項として、以下が示された。この点については今後の対策実施 時に留意すべきである。

・受電設備や自家発電機器が、津波の被害を受けないように、扉からの浸水防止等の措置を行う。

(20)

18

Ⅲ.計画停電が実施された拠点における実施対策と被害有無

政府機関が計画停電に関連し、電源に対して実施していた対策とその実施割合を以下に示す。

71%

33%

45%

29%

16%

29%

39件

18件

25件

16件

9件

16件

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

無停電電源装置(UPS)

導入

十分なバッテリー容量の UPSを導入

UPSから適切なシャット ダウンの設定を実施

UPSに接続する機器と しない機器を明確化

バッチジョブの所要時間を把握

(計画停電の時間帯にバ ッチジョブが行われないよう調整)

無回答

有効回答数55件に おける対策内容別 の実施割合

実施していた対策で最も多いのは、「無停電電源装置(UPS)導入」で 71%(39 件)、続いて「UPS から 適切なシャットダウン設定を実施」が 45%(25 件)「十分なバッテリー容量の UPS を導入」が 33%(18 件)となっている。

5

0

5

0

0

1

34

18

20

16

9

15

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

無停電電源装置(UPS)

導入

十分なバッテリー容量の UPSを導入

UPSから適切なシャット ダウンの設定を実施

UPSに接続する機器と しない機器を明確化

バッチジョブの所要時間を把握

(計画停電の時間帯にバ ッチジョブが行われないよう調整)

無回答

被害あり 被害なし

「無停電電源装置(UPS)導入」「十分なバッテリー容量の UPS を導入」「UPS に接続する機器としない 機器を明確化」「バッチジョブの所要時間を把握」については、被害あり・なしの違いが顕著に現れてい ることから、対策による効果があったと推定できる。

追加アンケートから、無停電電源装置(UPS)の導入を行っていた拠点において、「自家発電装置との 併用により、業務に支障なく運用継続することができた。「複数名がサーバ停止処理を実施できるよう に、手順書を準備した」「事前に掲示板や庁内放送でシステム停止の案内や、バックアップ保存の注意喚 起を繰り返し行った」という回答が確認できた。「IT 機器への被害は回避できたが、長時間の停電では 業務に滞りが発生するため、自家発電装置による対策が必要」との今後の課題についても確認できた。

これらより、数時間及び複数回発生する計画停電については、無停電電源装置(UPS)だけでなく、自 家発電装置との併用が、より効果的であると推定できる。

また、対策を行っていなかった拠点からは、「事前に業務を継続するための代替手段(紙媒体を使った 代替)を準備していた」「長時間のバッテリーを有するモバイルパソコンを使用した最低限の運用を行っ た」といった回答も確認することができた。

(21)

19

まとめとして、計画停電については、準備に対する時間的な猶予があったことから、様々な対策(設 備投資によるもの、人的対応によるもの等)と、それを実行する現場努力により IT 被害を回避できてい たことが推定できる。

一部拠点でのアンケート及びヒアリング結果によると、「無停電電源装置(UPS)導入」について、そ の対策効果をより高いものとするための留意事項として、以下が示された。この点については、今後の 対策実施時に留意すべきである。

・無停電電源装置(UPS)が稼働したものの、当該装置の特徴及び設定を正しく理解していないために、

バッテリー消費後にシステムが異常終了したというケースも存在したため、ユーティリティソフトの 設定は必須である。

(特に停止が許されないシステムについては)自家発電装置が稼働する間の電力供給を考慮すると、

自家発電装置と無停電電源装置(UPS)の併用が望ましい。

・無停電電源装置(UPS)のバッテリー寿命や、100%放電することによるバッテリーの性能劣化に注意 する必要がある。

・自拠点の環境における、無停電電源装置(UPS)のバッテリー駆動時間を把握しておく必要がある。

・実施時間が前後することも考慮し、停電に伴うデータ消失を回避すべく、庁内放送や電子掲示板を使 った事前の広報により、データバックアップの実施等についての周知徹底を行うことが望ましい。

・システム運用をベンダに委託しているケースについても、サーバの起動やシャットダウン等、基本的 な処理については、拠点担当者が習得していることが望ましい。

(22)

20 4.2.3. 空調に関する被害の傾向と対策の分析

政府機関が空調に対して実施していた対策とその実施割合を以下に示す。

31%

11%

3%

56%

65件

23件

7件

115件

0 20 40 60 80 100 120 140

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

空冷式の空調設備利用

水冷式の空調設備

空調設備を利用していない

無回答

有効回答数207件におけ る対策内容別の実施割合

実施していた対策で最も多いのは「空冷式の空調設備利用」で 31%(65 件)、続いて「水冷式の空調設 備」が 11%(23 件)「空調設備を利用していない」が 3%(7 件)の順となっている。

(23)

21

政府機関が空調設備に対して実施していた対策と、東日本大震災における被害の有無(空調の運用が 停止したか否か)を以下に示す。

Ⅰ-a.地震(大:震度 6 強以上)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

3

0

0

0

4

1

1

9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

空冷式の空調設備利用

水冷式の空調設備

空調設備を利用していない

無回答

被害あり 被害なし

Ⅰ-b.地震(中:6 弱~5 強)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

8

3

0

0

37

15

3

71

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

空冷式の空調設備利用

水冷式の空調設備

空調設備を利用していない

無回答

被害あり 被害なし

Ⅰ-c.地震(小:5 弱以下)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

1

1

0

0

9

3

2

18

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

空冷式の空調設備利用

水冷式の空調設備

空調設備を利用していない

無回答

被害あり 被害なし

(24)

22

地震を想定した空調設備への対策については、上水道より電力の回復の方が早いことと、水冷式は電 力と上水道の 2 つのライフライン回復を必要とすることから、一般に、水冷式より空冷式の方が空調の 停止リスクは低いと考えられるが、上記結果からは、その点を裏付ける結果は得られなかった。

一部アンケート及びヒアリング結果によると、地震脅威に対する空調対策について、その対策効果を より高いものとするための留意事項として、以下が示された。この点については今後の対策実施時に留 意すべきである。

・電力喪失時には自家発電を前提とした最低限の電力使用とするため、扇風機をサーバ熱源付近に設置 し、空気を攪拌するなどの措置も有効である。

・執務エリアの空調を切っても、サーバ温度が上昇しないよう、サーバ室を個別空調とすることが望ま しい。

・電源回復後に、個別空調の稼動は自動で行われないため、手動での稼動措置が必要である。

・空調本体の落下による二次被害のリスクを低減するため、構造躯体への適切な固定設置が望ましい。

Ⅱ.津波に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

2

0

0

0

1

0

1

17

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

空冷式の空調設備利用

水冷式の空調設備

空調設備を利用していない

無回答

被害あり 被害なし

津波を想定した空調設備への対策については、上記結果からは有意なデータを得るには至っていない が、自由記入欄から、津波被害に見舞われた拠点が水没し、空調設備自体に被害はなかったものの、電 源設備が水没したため長期間空調が使用できなかったという回答が確認できた。このことから、津波を 想定した場合は、水冷式を空冷式に変更するといった空調対策は効果がないと推定できる。

(25)

23

4.2.4. ネットワーク(LAN)に関する被害の傾向と対策の分析

政府機関がネットワーク(LAN)に対して実施していた対策とその実施割合を以下に示す。

15%

1%

84%

32件

3件

174件

0 50 100 150 200

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

LAN回線の冗長化実施

LANの経路考慮を実施

(建物内の東廻りと 西廻りでLANを施設等)

冗長化なし

有効回答数207件における 対策内容別の実施割合

実施していた対策で最も多いのは「LAN 回線の冗長化」で 15%(32 件)「LAN の経路考慮」は 1%(3 件)にとどまっている。なお、「冗長化なし」については 84%(174 件)になっている。

(26)

24

政府機関がネットワーク(LAN)回線に対して実施していた対策と、東日本大震災における被害の有 無を以下に示す。

Ⅰ-a.地震(大:震度 6 強以上)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

0

0

2 0

0

0

1

0

15

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

LAN回線の冗長化実施

LANの経路考慮を実施

(建物内の東廻りと 西廻りでLANを施設等)

冗長化なし

被害あり 被害なし

Ⅰ-b.地震(中:6 弱~5 強)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

0

0

8

28

3

96

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

LAN回線の冗長化実施

LANの経路考慮を実施

(建物内の東廻りと 西廻りでLANを施設等)

冗長化なし

被害あり 被害なし

Ⅰ-c.地震(小:5 弱以下)に見舞われた拠点における実施対策と被害有無

0

0

3 0

0

0

1

0

30

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

LAN回線の冗長化実施

LANの経路考慮を実施

(建物内の東廻りと 西廻りでLANを施設等)

冗長化なし

被害あり 被害なし

参照

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