高等学校
平 成10年 度
教 育 研 究 員 研 究 報 告 書
國
東 京 都 教 育 委 員 会
平 成10年 度
教 育 研 究 員(高 校 ・地 理歴 史)名 簿
科 目 所 属 氏 名
都 立 八 潮 高 等 学 校 千 葉 由 美 子 世界 史 都 立 大 山 高 等 学 校 福 嶋 滋 嗣 都 立 八 王 子 北 高 等 学 校 松 崎 賢 一
都 立 南 高 等 学 校 谷 口 靖
都 立 桜 町 高 等 学 校 佐 藤 文 泰 日 本 史
都 立 松 原 高 等 学 校 岡 田 明
都 立 水 元 高 等 学 校 高 嶋 薫
都 立 大 泉 北 高 等 学 校 宇 治 川 秀 都 立 城 北 高 等 学 校 藤 本 佳 司 地 理
都 立 秋 川 高 等 学 校 柴 田 祥 彦 都 立 第 五 商 業 高 等 学 校 山 田 和 利
担 当 東京都教育庁指導部高等学校教育指導課 指導主事 宮 本 久 也
研 究 主 題
国 際 社 会 に 生 き る 人 間 と して 自 ら考 え 行 動 で き る 資 質 を育 成 す る授 業 展 開 の 工 夫 一 生 徒 の 学 習 意 欲 を 引 き 出 す 授 業 を め ざ して 一
目 次
1
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主 題 設 定 の 理 由 と研 究 の 経 過 科 学 技 術 の 発 展 か ら派 生 す る 問 題
西 洋 医 学 の 導 入 が もた ら した もの
原 子 爆 弾 を 生 ん だ 科 学 者 た ち の 反 核 運 動 へ の 取 り組 み ペ ッ トボ ト ル か ら 見 る ゴ ミ 問 題
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ll経 済 の 発 展 か ら派 生 す る 問 題 1足 尾 鉱 毒 事 件 は 今
足 尾 と 谷 中 村 は ど う な っ た!
9
2「 南 北 問 題 」 と 開 発 援 助 3国 境 を 越 え た 労 働 力 移 動
外 国 で 働 く こ と と は 4王 安 石 の 財 政 改 革 と 宋 代 の 国 際 関 係
9 11
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皿 人 と 文 化 の 接 触 ・交 流 ・共 生
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3
4
岩瀬忠震 と日米修好 通商条約
大 正 デ モ ク ラ シ ー が 生 み 出 し た も の
一 「人 間 に 光 あ れ 」 叫 び は 続 く 一
新 し い パ ー ト ナ ー シ ッ プ を 求 め て
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一 世 界 と 日 本 の 先 住 民 族
「地 球 市 民 」 の 育 成 を め ざ し て
19
ク ロ ア チ ア ナ イ ー ブ ア ー トの 体 験 を 通 し て 学 ぶ 文 化 と 心 一
21
23
研 究 主 題
国 際 社 会 に 生 き る 人 間 と し て 自 ら 考 え 行 動 で き る 資 質 を 育 成 す る 授 業 展 開 の 工 夫 一 生 徒 の 学 習 意 欲 を 引 き 出 す 授 業 を め ざ して 一
主 題 設 定 の 理 由 と研 究 経 過
科 学 技 術 の 進 歩 や 経 済 の 発 展 は 、 国 際 化 や 世 界 の 一 体 化 な ど 社 会 の 各 方 面 に 大 き な 変 化 を も た ら し て い る 。 こ の よ う な 社 会 の 変 化 は 、 高 校 生 に 対 して も 通 学 す る こ と や 学 習 す る こ と に 対 す る 意 識 の 多 様 化 、 命 や 人 間 関 係 、 労 働 な ど に 対 す る 価 値 観 の 揺 ら ぎ を生 み 、 自 ら の 生
き 方 在 り方 を 見 出 せ な い 状 況 を も た ら して い る 。 社 会 の 変 化 に 主 体 的 に 対 応 で き る 青 少 年 の 育 成 は 、 今 日の 教 育 の 重 要 な 課 題 で あ る 。 そ こ で 本 部 会 で は 、 現 代 社 会 の 諸 課 題 に つ い て 地 理 的 ・歴 史 的 な 見 方 ・考 え 方 を 培 う授 業 を 通 し て 、 生 徒 に 主 体 的 に 学 習 に 取 り組 ま せ 、 問 題 意 識 を も っ て 自 ら 考 え 行 動 す る 力 を育 む こ と を 目的 と して 、 以 下 の 視 点 か ら研 究 に 取 り組 ん だ 。 研 究 を 進 め る に あ た っ て は 、 特 に 生 徒 が 意 欲 的 に学 習 に 取 り組 め る よ う な 指 導 計 画 の 作 成 に 留 意 した 。
1科 学 技 術 の 発 展 か ら派 生 す る 問 題
科 学 技 術 の 発 展 は 、 「空 を 飛 び た い 」 「遠 くの 人 と話 が し た い 」 「伝 染 病 を な く し た い 」 な ど の 人 々 の 夢 や 願 い を 実 現 させ 、 便 利 で 快 適 な 生 活 を可 能 に し た 。 し か し 一 方 で 、 全 人 類 を 瞬 時 に 滅 ぼ す こ と が 可 能 な 核 兵 器 の 開 発 や 、 大 量 消 費 に よ っ て 発 生 し た ゴ ミ な ど の 廃 棄 物 に よ る 大 気 汚 染 や 水 質 汚 濁 に み ら れ る 環 境 破 壊 な どの 地 球 的 な 課 題 を も た ら し た 。21世 紀 に 向 け て 、 科 学 技 術 の 発 展 の 現 状 と 課 題 を認 識 し 、 課 題 の 解 決 に 向 け て 取 り組 む こ と が 求 め ら れ て い る 。 そ こ で こ の グ ル ー プ で は 、 科 学 技 術 の 発 展 か ら 派 生 す る 問 題 を 認 識 し 、 「明 る い 未 来 」 の 実 現 に 向 け て 生 徒 自 ら が 考 え 、 行 動 で き る 資 質 を 育 成 す る 授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。 嚢 経 済 の 発 展 か ら 派 生 す る問 題
現 代 社 会 に お け る 経 済 の 発 展 は 、 国 家 や 民 族 、 イ デ オ ロ ギ ー と い っ た 枠 を 越 え て 、 様 々 な 人 々 や 地 域 に 大 き な 影 響 を与 え て い る 。 経 済 の 発 展 と グ ロ ー バ ル 化 は 、 人 々 の 生 活 に 豊 か さ を も た らす 一 方 で 、 環 境 保 護 や 地 域 開 発 、 南 北 問 題 、 労 働 力 の 流 動 化 、 国 家 財 政 の 破 綻 な ど の 様 々 な 課 題 を も た ら した.こ れ らの 諸 課 題 の 解 決 の た め に は 、 基 本 的 な 知 識 と深 い 洞 察 力 、 人 権 尊 重 の 精 神 に 基 づ い た 一 人 一 人 の 主 体 的 な 行 動 が 求 め られ て い る 。 特 に 、 経 済 分 野 で 世 界 的 に 大 き な 影 響 力 を 持 つ に 至 っ たa本 は 、 今 後 の 国 際 社 会 の 安 定 に 責 任 を 果 た す こ と が 期 待 さ れ て い る 。 そ こ で こ の グ ル ー プ で は 、 国 際 社 会 の 未 来 を 担 う 入 間 と して 生 徒 が 自 ら 考 え 、 行 動 で き る 資 質 を 育 成 す る 授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。
墨 人 と文 化 の 接 触 ・交 流 ・共 生
国 際 化 や 世 界 の 一 体 化 が 進 み 、 人 や 文 化 の 接 触 や 交 流 の 機 会 が 増 加 す る 中 で 、 多 く の 複 雑 な 問 題 が 生 じて い る 。 そ の 背 景 に は 、 人 々 の 意 識 、 倫 理 観 、 価 値 観 や そ れ ら を 生 み 出 し た 文 化 ・社 会 の 多 様 性 が あ る こ と を 忘 れ て は な ら な い 。 こ の こ と を 踏 ま え 、 社 会 の 様 々 な 矛 盾 ・ 問 題 を 認 識 しつ つ 、 自 己 理 解 を 深 め 、 異 文 化 を 理 解 か つ 尊 重 し 、 他 者 と の 共 生 を 図 る 生 徒 を 育 成 す る こ と が 求 め ら れ て い る 。 そ こ で こ の グ ル ー プ で は 、 人 や 文 化 が 交 流 す る 際 に 必 要 な こ と と し て 、 多 様 な 文 化 の 存 在 、 入 権 尊 重 の 精 神 、 自 ら行 動 す る 姿 勢 に 着 目 し 、 国 際 社 会 に 生 き る 「地 球 市 民 」 と して の 資 質 を 育 成 す る 授 業 展 開 の 工 夫 を 試 み た 。
1科 学 技 術 の 発 展 か ら派 生 す る 問 題
1.西 洋 医 学 の 導 入 が も た ら し た も の
(1)教 材 と して 取 り 上 げ た理 由 医 学 の 進 歩 に よ り、 多 く の 難 病 が 克 服 さ れ る よ う に な り 、 ま た 、 衛 生 や 病 気 の 予 防 に 対 す る 人 々 の 認 識 が 高 ま っ た 。 そ の 結 果 、 日 本 で は 乳 幼 児 の 死 亡 率 が 大 幅 に 減 少 し、 平 均 寿 命 も80歳 を超 え る よ う に な っ た 。 現 在 の 日 本 の 医 学 は 、 西 洋 医 学 が 主 流 で あ る が 、5世 紀 頃 に は す で に 中 国 か ら 東 洋 医 学 が 伝 来 し次 第 に 普 及 して い っ た 。16 世 紀 中 頃 か ら は ヨ ー ロ ッパ と の 接 触 が 始 ま り、 最 新 の 西 洋 医 学 が も た ら さ れ た が,そ の 後 の 鎖 国 政 策 に よ っ て 西 洋 医 学 は 沈 滞 した 。 し か し、18世 紀 前 半 以 降 、 西 洋 の 学 問 に 接 す る 機 会 が 増 加 し 、 西 洋 医 学 な ど の 学 問 は 、 知 的 好 奇 心 や 向 学 心 、 人 命 を救 う とい う使 命 感 を もつ 人 々 の 間 で 広 が っ て い っ た 。 西 洋 医 学 が 伝 わ り普 及 して い く過 程 を 学 習 す る な か で 、 ヨ ー ロ ッ パ の 学 問 が 日 本 に 与 え た 影 響 を 生 徒 自 身 に 考 え させ る こ と を 目的 と し て 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 で は 、 蘭 学 者(洋 学 者)の 多 くが 単 に 西 洋 の 知 識 や 技 術 を 身 に つ け た だ け で な く学 ぶ 課 程 で 幕 藩 体 制 の 矛 盾 に 気 づ き 、 そ の こ とが 身 分 制 の 崩 壊 と倒 幕 へ の 流 れ に つ な が っ た こ と を 理 解 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で の 関 連 分 野 は 、 「日 本 史A」 の 「(3)日本 の 近 代 化 へ の 未 知 と19世 紀 の 世 界 」 の 「イ 新 思 想 の 展 開 と教 育 の 普 及 」、 「日本 史B」 の 「(4) 幕 藩 体 制 の 推 移 と文 化 の 動 向 」 の 「工 国 際 環 境 の 変 化 と 幕 藩 体 制 の 動 揺 」 で あ る 。
(3)展 開 例
学 習 項 目 学 習 活 動 備 考
○ 東 洋 医 学 に ○ 具 体 的 な 例 と し て 各 自 、 ま た は 互 い に ツ ボ を 押 し 「ッ ボ 図 」、
導 つ い て 「五 臓 六 腔 図 」 を 見 る 。 「五 臓 六 脇 図 」
入 ○ 東 洋 医 学 の 基 本 は 投 薬 と鍼 灸 で あ る こ と を 知 り 、 西 洋 医 学 と の 違 い を 理 解 す る 。
○ 西 洋 医 学 の 016世 紀 中 頃 、 イ エ ズ ス 会 宣 教 師 に よ っ て 西 洋 医 学 資 料 「出 島 図 」 流 入 に つ い て が 伝 え ら れ た こ と 、 鎖 国 以 後 、 オ ラ ン ダ 商 館 の 医 者
展 か ら 医 学 が 伝 え ら れ 続 け た こ と を 理 解 す る 。
○ 西 洋 医 学 の ○ 徳 川 吉 宗 の 漢 訳 洋 書 輸 入 解 禁 、 青 木 昆 陽 の オ ラ ン 発 展 発 展 に つ ダ 語 入 門 書 に よ り 蘭 学 が 盛 ん に な っ た こ と を 知 る 。
い て ○ 杉 田 玄 白 ら の 騎 分 け に つ い て 知 り 、 『解 体 新 書 』 史 料 『解 体 新 書 』 と して 出 版 す る 際 の 苦 心 を理 解 す る 。 ・ 『蘭 学 事 始 』
○ シ ー ボ ル ト 019世 紀 初 め に シ ー ボ ル トが 来 日 し 、 オ ラ ン ダ 医 学 開
に つ い て の み で は な く 、 物 理 ・化 学 ・政 治 形 態 ・西 洋 思 想 な 資 料 「鳴 滝 塾 図 」
i ど も 伝 え た こ と を 理 解 し 、 弟 子 た ち が そ れ を ど の よ i う に 受 け 止 め た か を 当 時 の 状 況 な どか ら 考 え る 。
○ 幕 藩 体 制 と ○ 江 戸 時 代 の 封 建 社 会 の 厳 重 な 身 分 制 に つ い て 知 り、
蘭 学(洋 学) そ の 中 で も最 新 の 学 問(技 術 ・医 学 ・語 学 な ど)を に つ い て 学 ん だ 人 が 幕 府 や 諸 藩 に 登 用 さ れ た こ と を 知 る 。
○ 「シ ー ボ ル ト事 件 」 や 「蛮 社 の 獄 」 で 幕 府 が 蘭 学 資 料 「シ ー ボ ル ト
展 の 存 在 を 危 険 視 す る よ う に な っ た 背 景 を 考 え る 。 事 件 」、 「蛮 社 の 獄 」
○西 洋医学 の ○ 幕 府 は 西 洋 医 学 の 優 秀 さ を 認 め 以 下 の こ と を 実 施 定 着 と 蘭 学 し 、 西 洋 医 学 が 主 流 と な っ て い っ た こ と を 理 解 す る 。
(洋 学)の 発 ①14代 将 軍 徳 川 家 定 の 死 の 直 前 に 蘭 方 医 の 伊 東 玄 種 痘 に つ い て の
展 朴 が 奥 医 師 に 就 任 した こ と 。 瓦版
② 種 痘 所(後 の 西 洋 医 学 所)の 開 設 。
○ ア ヘ ン戦 争 や ペ リ ー 来 航 の 結 果 、 諸 藩 に 蘭 学 塾 資 料 「洋 学 塾 の (洋 学 塾)が 設 立 さ れ 、 蘭 語 だ け で は な く 英 語 ・仏 分 布 図 」
語 ・兵 学 も 学 ば れ 、 そ の 結 果 、 反 射 炉 や 工 場 も 作 ら 「福 翁 自伝 』 開 れ た 。 ま た 民 間 で も 蘭 学 塾(洋 学 塾)が 各 地 に つ く
ら れ た こ と を 知 る 。
○ 蘭 学(洋 学) ○ 蘭 学(洋 学)を 学 ん だ 人 々 に よ り欧 米 の 国 家 の 仕 の 発 展 の 影 響 組 み が 伝 え ら れ 、 こ れ が 薩 摩 藩 や 長 州 藩 の 倒 幕 運 動 に つ い て の 一 因 と な っ た こ と を 知 り 、 そ の 理 由 を 考 え る 。
○ 蘭 学(洋 学) ○ 幕 藩 体 制 の 中 で 西 洋 医 学 が ど の よ う に 定 着 し て っ ま
と近 代 国 家 へ の 道
た か を 理 解 す る 。
○ 蘭 学 の 基 礎 の 上 に よ り積 極 的 に 西 洋 文 化 を 取 り入 と
れ 、 幕 藩 体 制 の 矛 盾 を 感 じ た 人 々 が 倒 幕 や 、 近 代 国 家 の 形 成 に 大 き な 役 割 を 果 た した こ と を 理 解 し 、 文 化 の 受 容 が もつ 意 味 に つ い て 考 え る 。
め ○ 他 の 文 化 を 受 容 す る 上 で 大 切 な こ と は 何 で あ る か を 話 し 合 う 。
(4)評 価 の 観 点 ① 西 洋 医 学 の 伝 来 と普 及 の 過 程 が 理 解 で きた か 。 ② 蘭 学(洋 学)の 果 た し た 歴 史 的 役 割 を 理 解 す る こ と を 通 して 、 文 化 の 受 容 の も つ 意 味 を 考 え る こ と が で き た か 。 ③ 蘭 学(洋 学)の 普 及 が 、 倒 幕 運 動 推 進 の 一 因 と な っ て い た こ と を 理 解 で き た か 。④ 新 しい 文 化 を受 容 す る 際 に 必 要 な 姿 勢 に つ い て 考 え る こ と が で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 難 解 な 資 料 に 対 して は 現 代 語 訳 し た 資 料 を 提 示 す る
。 ② 資 料 の 読 み 取 り は 内 容 を 理 解 しや す い よ う に わ か りや す い 解 説 を 加 え る 。 ③ 授 業 で は プ リ ン ト を用 い て 作 業 学 習 を さ せ る 。 ④ 明 治 維 新 後 は オ ラ ン ダ医 学 の 根 本 が ドイ ッ 医 学 で あ る こ とが 判 明 し、
日 本 の 医 学 は ドイ ツ に 傾 い た こ と を指 摘 し 、 事 後 の 学 習 に つ な げ る 。
2.原 子 爆 弾 を生 ん だ 科 学 者 た ち の 反 核 運 動 へ の 取 り組 み
(1)教 材 と し て 取 り上 げ た 理 由 核 兵 器 は 核 分 裂 反 応 を利 用 し た も の で あ り、20世 紀 に 入 っ て の 急 速 な 科 学 技 術 の 進 歩 の 中 で 誕 生 し 、 人 類 の 生 存 に 関 わ る 脅 威 を 生 ん だ 。 最 初 の 原 子 爆 弾 の 作 成 は 、 ナ チ ス ド イ ツ の 核 兵 器 開 発 へ の 危 惧 か ら 、 自 ら も原 子 爆 弾 を 開 発 し 、 抑 止 兵 器 と し て の 役 割 を担 わ せ よ う と し た ドイ ツ な ど か らの 亡 命 科 学 者 の ア メ リ カ 大 統 領 へ の 提 言 か ら 始 ま っ た 。 原 爆 開 発 は 、 戦 時 と い う特 殊 状 況 下 で 経 済 性 を 無 視 し政 府 資 金 に よ る 国 家 的 事 業 と して 開 発 が 進 め ら れ 、 そ の 成 果 が 科 学 者 の 手 に で は な く政 府 や 軍 部 の 手 に 渡 っ た こ と で 科 学 者 の 苦 悩 が 生 ま れ た 。 一 部 の 科 学 者 は 自分 た ち の 科 学 に お け る 研 究 の 結 果 が も ら し た 社 会 的 影 響 に 対 して 、 責 任 を 担 お う と 尽 力 し 、 そ の 成 果 は 国 際 的 な 反 核 ・平 和 運 動 に結 実 し た 。 核 兵 器 の 開 発 や 反 核 運 動 の 背 景 を 考 察 す る こ と に よ り 、 現 代 社 会 の 課 題 の 一 つ で あ る 核 の 問 題 に 対 す る 認 識 を 深 め 、 世 界 平 和 の た め に と る べ き姿 勢 を育 成 す る こ と を 目 的 と し て 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は2時 間 構 成 の 第1時 限 に あ た る 。 本 時 で は 、 巨 大 な 破 壊 力 を も ち 現 在 も世 界 の 各 地 に 拡 散 す る 原 子 爆 弾 の 開 発 の き っ か け と そ の 推 移 を 理 解 さ せ る 。 そ し て 原 爆 開 発 に 携 わ っ た 科 学 者 が 戦 後 の 核 軍 拡 を 危 惧 し原 爆 の 対 日 使 用 へ の 反 対 を 強 硬 に 提 言 し た こ と 、 ま た 戦 後 は 東 西 冷 戦 下 で 国 際 的 な 反 核 ・平 和 運 動 に 尽 力 した こ と を 理 解 さ せ 、 世 界 平 和 の た め に 必 要 な 姿 勢 や 取 り組 み に つ い て 考 え さ せ る 。 第2時 限 で は 冷 戦 の 終 結 と 軍 縮 ・核 管 理 へ の 歩 み を 扱 う 。 学 習 指 導 要 領 で の 関 連 分 野 は 、 「世 界 史A」 の 「(4)現代 世 界 と 日 本 」 の 「力 二 つ の 世 界 大 戦 と平 和 」、 「世 界 史B」 の 「(7)現代 の 課 題 」 の 「ア 国 際 対 立 と 国 際 協 調 」 で あ る 。
(3)展 開 例
学 習 項 目 学 習 活 動 備 考
○ 原 爆 が もつ ○ 広 島 ・長 崎 の 被 爆 状 況 の 凄 惨 さか ら 原 爆 の 巨 大 な VTR「 核 の 時 導 巨大 な破壊 力 破 壊 力 と 、 日 本 が 唯 一 の 被 爆 国 で あ る 事 実 を 再 確 認 代 ① 原 水 爆 の 登 場 」
の 確 認 す る 。
○現 在 も継続 ○ 最 近 の イ ン ド ・パ キ ス タ ン の 核 実 験 と 民 衆 の 反 応 VTR「 印 パ 核 入 す る 核 兵 器 の を 通 じて 、 核 兵 器 が 大 国 の 象 徴 と さ れ る 現 実 と 、 核 実 験 後 の 両 国 民 の
開 発 と拡 散 抑 止 力 に 対 す る 期 待 が 存 在 す る 現 実 を 理 解 す る 。 反 応 」
○ 原 爆 開 発 の ○ 独 の 科 学 者 に よ る核 分 裂 の 発 見 を き っ か け に 反 フ ァ 年 表 「原 爆 開 発 き っ か け シ ズ ム の 亡 命 科 学 者 た ち に 危 機 感 が 生 ま れ 、 独 が 開 の 歴 史 」
展 発 す る 原 爆 へ の 自衛 手 段 ・抑 止 効 果 と し て の 原 爆 開 資 料 「ア イ ン シ ュ 発 の 必 要 性 が 彼 ら か ら米 大 統 領 に 熱 心 に 説 か れ 、 米 タ イ ン の 手 紙 国 を 原 爆 開 発 へ 取 り組 ませ た こ と を 理 解 す る 。 1939.10」
開 0原 爆 開 発 の ○ 原 爆 開 発 は 巨 額 の 資 金 と大 量 の 人 員 を 必 要 と し た 資 料 「ロ ス ア ラ
経緯 た め 、 次 第 に 米 政 府 ・軍 部 主 導 下 で 進 め ら れ た 点 を モ ス 研 究 所 」
資 料 ・年 表 で 確 認 す る 。 VTR「 核 の 時
○ 原 爆 開 発 が 政 府 ・軍 部 主 導 に 移 っ た こ とが ど の よ 代 ① 原 水 爆 の 登 場 」 う な 意 味 を 持 つ の か を 考 え る 。 資 料 「ボ ー ア の
○亡 命科 学者 ○ 当 初 の 目的 と異 な り、 独 の 降 伏 後 も原 爆 の 開 発 は 進 言 」、 「ア イ ン シ ュ
展 た ち を 中 心 と 続 い た こ と 、 日 本 へ の 投 下 も 決 定 さ れ 、 つ い に 米 は タ イ ン の 手 紙1945.
した 原 爆 の 対 史 上 初 の 原 爆 実 験 に 成 功 し た こ と 、 こ の よ う な 動 き 3」
日 使 用 に 対 す に 対 して 原 爆 開 発 の き っ か け を つ く っ た 亡 命 科 学 者 資 料 「フ ラ ン ク る 抵 抗 を 中 心 と した 科 学 者 の 抵 抗 が あ っ た こ と を理 解 す る 。 リ ポ ー ト 」、 「ク
○ 原 爆 の 日本 へ の 投 下 決 定 理 由 は 戦 争 の 早 期 終 結 の リ ン ト ン 研 究 施 設 た め と さ れ て い る が 、 別 に ソ 連 の 東 ア ジ ア 進 出 阻 止 の 科 学 者 の 署 名 入 開 の 目 的 が あ っ た こ と 、 ま た 亡 命 科 学 者 た ち が 戦 後 の り嘆 願 書 」
無 制 限 な 核 軍 拡 競 争 を 予 言 して い た こ と を 資 料 か ら 資料 「大統 領 教
理 解 す る 。 書1945.10」 「 ト
○ 原 爆 の 対 日使 用 の 意 味 に つ い て 考 え る 。 ル ー マ ン の 日 記 」
○大戦 後 の科 ○ 原 爆 開 発 に 関 わ っ た 科 学 者 の な か に は 戦 後 の 核 兵 ワ ー ク シ ー ト
学者達 の 平和 器 国 際 管 理 に期 待 を寄 せ た 者 も い た が 、 冷 戦 が 進 行 資 料 「ラ ッ セ ル 、 ま 運 動 へ の 取 り し国 際 政 治 に期 待 は で き な い と み て 世 界 に 直 接 核 戦 ア イ ン シ ュ タ イ ン
組 み と 反 核 運 争 の 危 険 を 警 告 す る よ う に な っ た 。 こ の 経 緯 と 、 国 宣 言 」 と 動 の 広 が り 際 的 な 反 核 ・平 和 運 動 へ の 結 実 を ワ ー ク シ ー ト で ま
とめ 、 蹟 罪 を 負 っ た 科 学 者 た ち が 核 の 脅 威 を 訴 え 、 め 核 兵 器 の 管 理 に 尽 力 した こ と を 理 解 す る 。
○ 現 在 も 存 在 す る 核 兵 器 に 関 す る 問 題 に ど の よ う な 取 り 組 み ・姿 勢 が 必 要 な の か を 話 し合 う 。
(4)評 価 の 観 点 ① 独 の 原 爆 開 発 に 対 す る 危 惧 か ら 、 自衛 手 段 ・抑 止 効 果 と して 反 フ ァ シ ズ ム の 亡 命 科 学 者 よ り核 分 裂 を兵 器 と し て 用 い る 事 が 米 大 統 領 に 提 言 さ れ 、 米 で の 原 爆 開 発 が 始 ま っ た こ と が 理 解 で き た か 。 ② 原 爆 開 発 が 国 家 的 事 業 と して 進 め ら れ た 結 果 、 原 爆 開 発 を 提 言 した 亡 命 科 学 者 の 主 旨 と は 異 な り 、 米 国 の 国 益 を優 先 した 形 で 原 爆 の 対 日 使 用 が 決 定 し た こ と が 理 解 で き た か 。 ③ 戦 中 か ら戦 後 に か け て 、 科 学 者 た ち が 自分 た ち の 研 究 が 生 み 出 し た 核 兵 器 の 管 理 に 尽 力 した こ と 、 そ し て こ れ が 国 際 的 な 反 核 ・平 和 運 動 に 結 実 した こ と を 理 解 す る こ と が で き た か 。 ④ 核 の 問 題 に 対 す る 認 識 を 深 め 、 世 界 平 和 の 実 現 に む け て 取 る べ き 態 度 に つ い て 考 え る こ と が で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ①VTR・ 年 表 ・写 真 ・資 料 な ど を 活 用 し 、 原 爆 の 巨 大 な 破 壊 力 お よ び 、 原 爆 開 発 の 推 移 と 対 日使 用 決 定 の 経 緯 を実 感 的 に捉 え させ る よ う配 慮 す る 。② ワ ー ク シ ー
トを 用 い 冷 戦 下 で の 核 軍 拡 と 、 科 学 者 を 中 心 と し た 反 核 ・平 和 運 動 の 展 開 を 整 理 す る 。
3.ペ ッ トボ トル か ら 見 る ゴ ミ 問 題
(1)教 材 と し て 取 り 上 げ た 理 由 軽 く て 丈 夫 で 変 質 し に く い ペ ッ ト ボ ト ル は 、 そ の 特 長 を 生 か し て 清 涼 飲 料 水 や 調 味 料 の 容 器 な ど 様 々 な と こ ろ で 使 用 さ れ て お り 、 近 年 そ の 利 用 範 囲 は 拡 大 し つ つ あ る 。 し か し 、 ビ ン の よ う に リ サ イ ク ル を 前 提 と し た 流 通 シ ス テ ム が 十 分 確 立 さ れ て お ら ず 、 使 い 捨 て が 原 則 と な っ て い る た め 、 大 部 分 は ゴ ミ と し て 捨 て ら れ て い る 。 ペ ッ ト ボ ト ル は ゴ ミ に な る と 、 「変 質 し に く い 」 と い う 長 所 が そ の ま ま 「腐 ら な い の で 自 然 に 戻 ら な い 」 と い う 短 所 と な る た め 、 ゴ ミ の 埋 立 処 分 場 の 寿 命 を 縮 め る 要 因 の ひ と つ と な り 、 ま た 、 誤 っ て 焼 却 処 理 さ れ た 場 合 、 適 切 な 条 件 の も と で 燃 焼 し な い と 、 猛 毒 の ダ イ オ キ シ ン が 発 生 し て し ま う 場 合 が あ る 。 こ の よ う な ペ ッ ト ボ ト ル を め ぐ る 諸 問 題 が 存 在 す る に も か か わ ら ず 、 高 校 生 の ゴ ミ に 対 す る 意 識 は 高 い と は い え な い よ う に 感 じ ら れ る 。 そ こ で 、 生 徒 た ち に ペ ッ ト ボ ト ル を め ぐ る 諸 問 題 を 認 識 さ せ 、 ペ ッ トボ トル を 捨 て る 際 に 分 別 し 、 店 頭 回 収 な ど の リ サ イ ク ル を 心 が け る こ と や コ ス トが か か っ て も リ サ イ ク ル の シ ス テ ム も 確 立 す る こ と が 、 こ れ ら の 問 題 を 解 決 し 、 地 球 環 境 の 保 全 に 対 し て も 有 効 で あ る こ と を 理 解 さ せ 、 身 近 な
と こ ろ か ら 取 り 組 む 姿 勢 を 育 成 す る こ と を 目 的 と し て 本 教 材 を 取 り 上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は3時 間 構 成 の 第2時 限 に 当 た る 。 第1時 限 で は ゴ ミ が 増 加 し て い る 現 状 と 理 由 を 理 解 さ せ 、 ゴ ミ の 増 加 が 環 境 を 破 壊 し て い る こ と を 把 握 さ せ る 。 本 時 で は 、 地 球 環 境 の 保 全 は 、 遠 く の 砂 漠 に 木 を 植 え に 行 く な ど と い っ た 特 別 な 事 だ け で は な く 、 日 常 生 活 の 中 で ゴ ミ を 捨 て る 際 に 気 を 配 る こ と で も 十 分 貢 献 で き る こ と を 理 解 さ せ 、 そ の こ と を 自 分 な り の 手 法 で 表 現 さ せ る こ と を ね ら い と す る 。 第3時 限 で は 日 本 や 外 国 の ゴ ミ 減 量 化 と リ サ イ ク ル へ の 取 り 組 み を 把 握 さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で の 関 連 分 野 は 、 「地 理A」 の 「(3>現 代 社 会 の 課 題 と 国 際 協 力 」 の 「イ 諸 地 域 か ら 見 た 地 球 的 課 題 」 で 、 ま た は 「地 理B」 の
「(2)人間 と 環 境 」 の 「オ 世 界 の 環 境 問 題 」 で あ る 。 (3)展 開 例
学 習 項 目 学 習 活 動 備 考
○ 様 々 な 用 途 ○ ペ ッ ト ボ ト ル が 、 軽 く て 丈 夫 で 変 質 し に く い と い 様 々 な ペ ッ ト ボ に 使 わ れ て い う特 性 と 、 商 品 と し て の 優 位 性 を 生 か して 、 清 涼 飲 ト ル を 見 せ る
導 る ペ ッ ト ボ ト 料 水 や 調 味 料 の 容 器 な ど様 々 な 用 途 に 使 わ れ て い る
ル こ と を 確 認 す る 。
入 ○長所 と短所 ○ 「ペ ッ ト ボ ト ル は ゴ ミ に な っ た 途 端 、 長 所 が そ っ 実 際 に 小 さ な ボ が なぜ 逆転 す く り そ の ま ま 短 所 に な る 」 と い う 言 葉 の 意 味 を 考 え トル を 飲 み 干 し ゴ
る の か る 。 ミ を 作 る
○ ペ ッ ト ボ ト ○ ペ ッ ト ボ ト ル は 、 原 料 が 石 油 で あ る の で 火 を つ け ル を 焼 却 処 理 れ ば 燃 え る が 、 そ の 場 合 、 適 切 な 条 件 の も と で 燃 や
した 場 合 の 問 さ な い と 、 猛 毒 の ダ イ オ キ シ ン な ど の 有 害 物 質 が 発 新 聞 記 事 「北 極 題点 生 す る 場 合 が あ る こ と を 理 解 す る 。 の ア ザ ラ シ な ど か
○ 発 生 し た ダ イ オ キ シ ンが 国 境 の な い 大 気 に拡 散 し、 ら ダ イ オ キ シ ン を
地 球 全 体 を 汚 染 しつ つ あ る こ と を 理 解 す る 。 検 出 」
○ ペ ッ ト ボ ト ○ 埋 立 処 理 し た 場 合 の 問 題 点 を 、 ペ ッ トボ トル の 長 写真 「埋 立処 分
ル を 埋 立 処 理 所 に 着 目 し て 考 え る 。 場 の ペ ッ トボ トル 」
した 場 合 の 問 (長 所 で あ る 点 が 、 「自 然 に 戻 ら な い 」 と い う 短 所
題点 に な り 、 原 形 の ま ま で 永 久 に 地 球 上 に 残 る 。)
展 ○ 不 燃 ゴ ミの 増 加 が 、 ゴ ミ埋 立 処 分 場 の 寿 命 を 短 く
し て い る 要 因 の ひ と つ で あ る こ と を 理 解 す る 。 「東 京 ス リ ム 」 キ ャ
○ ペ ッ ト ボ ト ○ ビ ン の よ う な リ サ イ ク ル を 前 提 と し た 流 通 シ ス テ ン ペ ー ン の 紹 介 ル の リ サ イ ク ム が 不 十 分 で あ る こ と 、 そ の 理 由 の ひ と つ と し て リ
ル シ ス テ ム の サ イ ク ル の コ ス トや 再 生 品 の 販 売 状 況 な ど か ら現 状
、
問題点 で は 採 算 が 取 れ な い こ と が 多 い こ と を 理 解 す る 。
○ 諸 外 国 と の ○ 日 本 の ペ ッ トボ トル の リ サ イ ク ル は 始 ま っ た ば か 資 料 「世 界 の ペ ッ 比較 り な の で 回 収 率 も低 い が 、 外 国 で は 日本 よ り回 収 率 ト ボ ト ル リ サ イ ク
が 高 い 国 も あ る こ と を 理 解 す る 。 ル 回 収 率 」
○ そ れ で は 私 ○ ダ イ オ キ シ ン な ど の 有 害 物 質 を 出 さ な い よ う に す た ち は ど う す る に は 、 ペ ッ ト ボ ト ル を 捨 て る と き に き ち ん と 分 別 れ ば よ い の か す れ ば よ い こ と を 理 解 す る 。
開 ○ 自分 た ち の 教 室 の ゴ ミ箱 の 分 別 が き ち ん と で き て い る か ど う か 調 べ て み る 。
○ ゴ ミ の 量 を 減 ら す た め に は 、 何 が 必 要 か を 考 え 、
話 し 合 う 。 VTR「 ペ ッ ト
(店 頭 回 収 へ の 協 力 、 リ サ イ ク ル を 前 提 と し た 流 通 ボ トル の 店 頭 回 収
シ ス テ ム の 確 立 な ど)。 の 様 子 」
○ 実 践 し て い ○ 環 境 保 全 に対 して 有 効 な 手 段 は 、 個 人 個 人 の 日 々 ま く に は の 生 活 の 中 で の 心 が け で あ る こ と を 確 認 す る 。
と ○授 業 の 内容 ○ 今 日 の 学 ん だ こ と や 、 そ の な か で 自 分 が も っ と も 適 当 な 用 紙 を 配 め を 表 現 す る 訴 え た い こ と 、 ま た は 印 象 に 残 っ た こ と な ど を 漫 画 布 し 、 自 由 に 描 か
や 絵 、 キ ャ ッ チ コ ピ ー な ど の 方 法 で 表 現 し て み る 。 せ る 。
(4)評 価 の 観 点 ① 学 ん だ こ と 、 訴 え た い こ と な ど を 漫 画 や 絵 、 キ ャ ッ チ コ ピ ー な ど を 通 じ て 表 現 す る こ と が で き た か 。 ② ペ ッ ト ボ ト ル を め ぐ る 環 境 問 題 に 対 し て 、 当 事 者 意 識 を も つ 事 が で き た か 。 ③ ペ ッ トボ ト ル の 長 所 が 、 ゴ ミ に な っ た 途 端 に 短 所 に な る こ と を 理 解 で き た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 地 域 に よ っ て 、 ペ ッ トボ ト ル の ゴ ミ 分 別 上 の 扱 い が 異 な る の で 、 事 前 の 確 認 が 必 要 で あ る 。 ② 「ま と め 」で 取 り扱 う 、 自 分 な り の 手 法 で 行 う 表 現 は 生 徒 の 多 様 な 個 性 を 引 き 出 せ る よ う に 、 表 現 の 手 段 に は こ だ わ ら な い よ う に す る 。 ま た 、 優 秀 な 作 品 は 校 内 に 掲 示 し て 、 生 徒 の 励 み に な る よ う に す る 。 ③ 授 業 で 使 用 す るVTRは 教 員 自 身 が 撮 影 、 編 集 し た も の を 使 用 す る 。
ll経 済 の 発 展 か ら派 生 す る 問 題
1.足 尾 鉱 毒 事 件 は今 〜 足 尾 と谷 中 村 は ど う な っ た1〜
(1)教 材 と して 取 り 上 げ た 理 由 足 尾 銅 山 事 件 は 明 治 期 の 急 速 な 近 代 化 の 過 程 で 発 生 し た 公 害 問 題 と して 有 名 で あ る が 、 そ の 後 足 尾(銅 山)や 谷 中 村(渡 良 瀬 遊 水 池)が ど う な っ た か に つ い て は あ ま り知 ら れ て い な い 。 現 実 に は 、 鉱 毒 問 題 は 完 全 に 終 わ っ た と は 言 え ず 、 こ の 2つ の 地 域 は 鉱 毒 事 件 以 後 も時 代 や 経 済 情 勢 の 変 化 の 中 で 大 き な 影 響 を 受 け て き た 。 足 尾 銅 山 は 大 正 期 に 繁 栄 の 頂 点 を 極 め た が 、 戦 後 閉 山 に 追 い 込 ま れ て い る 。 栄 枯 盛 衰 を 乗 り越 え 、 足 尾 は 今 、 新 しい 地 域 づ く り を 模 索 して い る 。 一 方 、 渡 良 瀬 遊 水 池 は 土 砂 が 堆 積 し 、 戦 後 は 広 大 な 葦 原 と 化 して い た 。 そ して こ の 広 大 な 国 有 地 の 再 開 発 を 巡 っ て は 様 々 な 政 策 が 出 さ れ 、 遊 水 池 は 少 しず つ そ の 姿 を 変 え て い っ た 。 こ の よ う に 時 代 や 経 済 情 勢 の 変 化 が 人 々 の 暮 ら し や 環 境 に 与 え る 影 響 を 学 ぶ う え で も 、 地 域 開 発 の 問 題 を 理 解 す る う え で も 足 尾 と 谷 中 村 の そ の 後 の 歴 史 は 適 切 な 題 材 で あ る と考 え 、 ま た 、 こ の 学 習 を 通 し、 生 徒 た ち が 自 分 た ち の 住 ん で い る 地 域 に も 関 心 を も ち 、 地 域 の 歩 み に 主 体 的 に 関 わ っ て い こ う と い う 意 識 を 育 む こ と を
目 的 と して 、 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は5時 間 構 成 の 第5時 限 に 当 た る 。 第1時 限 は 繊 維 産 業 を 中 心 と し た 日本 の 資 本 主 義 の 成 立 に つ い て 、 第2、3時 限 は 重 工 業 の 発 展 と財 閥 の 形 成 及 び 足 尾 鉱 毒 事 件 に つ い て 、 第4時 限 は 農 業 ・農 民 の 動 向 及 び 社 会 運 動 の 発 生 に つ い て 扱 う 。 本 時 は テ ー マ 学 習 と し て 足 尾 鉱 毒 事 件 の そ の 後 を学 ぶ 。 足 尾 と渡 良 瀬 遊 水 池 と い う2つ の 地 域 の 歴 史 を 対 比 しつ つ 、 政 府 ・企 業 ・住 民 ・自然 の 営 み を 浮 か び 上 が らせ 、 足 尾 鉱 毒 事 件 が 現 代 に 問 い か け る 問 題 を 理 解 させ 、 考 え さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で の 関 連 分 野 は 、 「日 本 史B」 の 「(5)近 代 日本 の 形 成 と ア ジ ア 」 の 「ウ 国 際 関 係 の 推 移 と 近 代 産 業 の 発 展 」 で あ る 。
(3)展 開 例
学 習 項 目 学 習 活 動 備 考
導 ○戦 後 の足 尾 01960年 頃 の 足 尾(松 木 村 跡 及 び 足 尾 銅 山 内 部)の VTR『 人 間 の の 風 景 映 像 を 見 て 、 戦 後 の 足 尾 の 自然 や 鉱 山 の 労 働 環 境 に 條 件 』(原 作 五 味
入 つ い て 考 え る 。 川 純 平)
○ 大 正 〜 昭 和 ○ 足 尾 町 と渡 良 瀬 遊 水 池 の 位 置 を 地 図 で 確 認 し 、 足 地 図 「関 東 の 河 前 期 の 足 尾 銅 尾 鉱 毒 事 件 に つ い て 概 略 を 復 習 す る 。 川 」
展 山 ○ 大 正 期 〜 昭 和 前 期 の 足 尾 に つ い て 理 解 す る 。 年 表 「大 正 か ら
① 大 正 期 に お け る 足 尾 町 と古 河 鉱 業 の 繁 栄 。 現 在 まで の 足 尾 町 」
② 鉱 山 労 働 者 の 動 向 。 強 制 連 行 問 題 。
○ 戦 後 の 足 尾 ○ 戦 後 の 足 尾 町 の 歩 み に つ い て 理 解 す る 。 グ ラ フ 「足 尾 の に つ い て ① 自 然 環 境 回 復 の た め に 始 ま っ た 砂 防 と緑 化 の 公 産 銅 量 と 人 口 推 移 」
開 共 事 業 。 効 果 と 投 入 さ れ た 税 金 。
②1973年 の 銅 山 閉 山 と古 河 の 鉱 毒 問 題 へ の 責 任 の 地 図 「現 在 の 足
取 り 方 。 尾 町 」
l
I ③ 古 河 鉱 業 な ど の 海 外 進 出 。 フ ィ リ ピ ン ・ レ イ テ 島 パ サ ー ル 精 錬 所 建 設 と 公 害 発 生 。
資 料 「精 錬 所 前 で 拾 っ た 石 」
④ 古 河 の 社 名 変 更 と 事 業 整 理 。 「足 字 銭 」
⑤ 足 尾 町 の 過 疎 化 と 観 光 に よ る 町 お こ し 。 「砂 防 ダ ム の ペ ー
⑥ ゼ ネ コ ン 各 社 が 合 同 で 提 案 した 地 域 地 開 発 案 パ ー ク ラ フ ト 」
展 「ガ イ ア 計 画 」(松 木 村 跡 に 廃 棄 物 処 理 場 建 設)。
○戦 後の渡 良 ○ 戦 後 の 渡 良 瀬 遊 水 池 の 歩 み に つ い て 理 解 す る 。 地 図 「渡 良 瀬 遊 瀬 遊 水 池 に つ ① 自 然 回 復!鉱 毒 は 埋 ま り、 広 大 な 葦 の 生 い 茂 水 池 」
い て る 湿 原 に は 多 くの 貴 重 な 動 植 物 が 戻 っ て き た 。 年 表 「戦 後 の 渡
② 渡 良 瀬 遊 水 池 再 開 発 を巡 る 激 し い 争 奪 戦 。 米 軍 良 瀬 遊 水 池 」 飛 行 場 ・貯 水 池 建 設 ・国 際 空 港 案 ・ レ ジ ャ ー 利 地 図 「ア ク リ メ ー 用 ・ア ク リ メ ー シ ョ ン 計 画(遊 水 池 の レ ジ ャ ー シ ョ ン 計 画 図 」
ラ ン ド 化)
③ 川 と 遊 水 池 を 守 る 住 民 運 動 と 田 中 正 造 の 遺 志 を
開 受 け 継 ぐ諸 団 体 。
○ 地 域 開 発 と 第3セ ク タ ー 方 式 に つ い て 理 解 し 、 話 し 合 う 。
① 第3セ ク タ ー 方 式 で あ る 「ガ イ ア 計 画 」 と 「ア ク リ メ ー シ ョ ン 計 画 」 の 概 要 。
② 住 民 、 地 域 経 済 、 環 境 へ の 影 響 と 利 権 構 造 。
○ 終 わ っ て い ○ 足 尾 鉱 毒 事 件 は 終 わ っ て い な い こ と を 確 認 す る 。 な い 足 尾 鉱 毒 ① 足 尾 町 に 今 も残 る 鉱 山 の 堆 積 場 の 危 険 性 。 ま 事 件 と 私 た ち ② 再 開 発 に よ る 渡 良 瀬 遊 水 池 の 鉱 毒 の 流 出 問 題 。
の 生 き方 ③ 日本 企 業 の 海 外 進 出 を め ぐる 問 題 。 と ④ 東 京 の 水 道 水 と 渡 良 瀬 貯 水 池 の 関 係 。
⑤ 遊 水 池 再 開 発 を 巡 る 問 題 点 。
資 料 「一 杯 の 水 道 水 」
○ 学 習 内 容 を ふ ま え 、 私 た ち の 生 活 は 何 か の 犠 牲 の め 上 に 成 り 立 っ て い な い か 。 地 域 に 意 味 の な い 開 発 や 公 共 事 業 は 行 わ れ て い な い か 。 利 潤 追 求 の 現 実 の 中 で 私 た ち は ど う 生 き る べ き か を 話 し 合 う 。
(4)評 価 の 観 点 ① 鉱 毒 問 題 は ま だ 解 決 し て お らず 、 新 た な 問 題 を 起 こ し続 け て い る こ と が 理 解 で き た か 。 ② 経 済 の 発 達 や 情 勢 の 変 化 の 中 で 翻 弄 さ れ た2つ の 地 域 の 課 題 を 理 解 で き た か 。 ③ 生 徒 た ち が 地 域 開 発 や 公 共 事 業 な ど に 関 心 を も ち 、 自 分 た ち の 生 き方 と 関 連 づ け て 話
し合 っ た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 映 像 や 銅 銭 、 渡 良 瀬 川 の 石 、 水 道 水 な ど 具 体 的 事 物 を 効 果 的 な タ イ ミ ン グ で 使 い 、 生 徒 を 飽 き させ ず 、 興 味 や 関 心 を 高 め る 。 ② 先 に 学 ん だ 足 尾 銅 山 事 件 と 関 連 づ け て 内 容 を 深 め る 。 そ の と き使 用 し た プ リ ン ト も再 利 用 す る 。
2.「 南 北 問 題 」 と 開 発 援 助
(1)教 材 と して 取 り 上 げ た 理 由 戦 後 の 国 際 社 会 が 抱 え て い る 「南 北 問 題 」 は 、 様 々 な 分 野 の 地 球 的 課 題 に 深 刻 な 影 響 を 与 え て い る 。 経 済 、 政 治 、 環 境 な ど の マ ク ロ 的 な 事 象 に と ど ま らず 、 就 業 や 個 人 の 幸 福 追 求 の 権 利 、 子 ど も や 女 性 の 諸 権 利 な ど 、 人 権 と い っ た ミ ク ロ 的 な 側 面 に お い て も そ れ ぞ れ の 課 題 解 決 の 妨 げ と な っ て い る 。 つ ま り、 現 代 の 先 進 諸 国 と 発 展 途 上 国 と の 間 に は 、 修 復 の 難 しい 較 差 が し っ か り根 を 下 ろ して い る と考 え ら れ る 。 地 球 と い う
限 ら れ た 空 間 で 同 じ時 間 を 共 有 して い る 、 本 来 「平 等 」 で あ る は ず の 人 間 が 、 生 ま れ た 国 家 や 地 域 に よ っ て 、 人 生 そ の も の に 大 き な 較 差 を抱 え て 生 き て い か ね ば な ら な い 。 こ れ は 人 類 の 生 存 に 関 わ る 根 幹 的 な 課 題 で あ る と 言 え る 。 様 々 な 情 報 や 物 品 が 氾 濫 し 、 表 面 的 に は 「豊 か な 」 社 会 に 生 き る 日 本 の 高 校 生 に 、 時 に は 生 命 の 維 持 す ら厳 し い 生 活 を 強 い ら れ て い る 地 域 の 現 状 を 認 識 さ せ 、 国 際 社 会 が 実 行 して い る 「南 北 問 題 」 の 解 決 を 目 的 と した 「開 発 援 助 」
に つ い て の 基 本 的 な 理 解 を 与 え 、 日本 と い う 国 家 や 個 々 の 日 本 人 が 今 後 ど の よ う な 行 動 を と る べ き か 、 生 徒 自 身 に 考 え さ せ る こ と を ね ら い と して 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は3時 間 構 成 の 第2時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 先 進 国 と 発 展 途 上 国 と の 経 済 的 な較 差 か ら 発 生 す る 諸 問 題 の 事 例 を 複 数 取 り上 げ る 。 本 時 で は 、 国 際 社 会 が
「南 北 問 題 」 の 解 決 の た め に 採 用 す る 方 策 の 事 例 を 紹 介 し、 先 進 諸 国 を 中 心 と し た 政 府 援 助 の あ り方 に つ い て 学 習 す る 。 第3時 限 で は 、 日 本 の 政 府 援 助 の 現 状 と 問 題 点 に つ い て 前 時 限 の 内 容 よ り も 具 体 的 な事 例 を あ げ 、 今 後 の 国 際 援 助 に つ い て 考 察 さ せ る 。 な お 、 学 習 指 導 要 領 で の 関 連 分 野 は 、 「地 理A」 の 「(3)現代 世 界 の 課 題 と 国 際 協 力 」 の 「ウ 地 球 的 課 題 へ の 国 際 協 力 と 日 本 」 や 、 「地 理B」 の 「(4)世界 と 日本 」 の 「ウ 国 際 化 の 進 展 と 日本 」 で あ る 。
(3)展 開 イ列
学 習 項 目 学 習 活 動 備 考
○発 展途 上 国 ○ 内 戦 や 飢 餓 な ど様 々 な 貧 困 に 苦 し む 地 域 で の 人 々 写 真 資 料 「各 国 導 に お け る 様 々 の 暮 ら し に つ い て 、 自 己 の 日 常 生 活 を 比 較 し て 、 南 の 暮 ら し 」
入 な 「貧 困 」 北 問 題 を理 解 す る
○ 写 真 資 料 で の 国 家 の 位 置 を 地 図 帳 で 確 認 す る 。
○ 貧 困 の 定 義 ○ 人 間 の も つ 欲 求 は 個 人 差 や 社 会 集 団 差 、 地 域 差 な 板 書 「貧 困 ラ イ ど が あ る こ と か ら 、 絶 対 的 な 「貧 困 」 の 定 義 は 難 し ン 」
展 い こ と を 知 っ た う え で 、 一 例 と し て 「貧 困 ラ イ ン 」
(世 界 銀 行)の 考 え 方 を 理 解 す る 。 資 料 「主 要 援 助
○途上 国援助 ○ 資 料 な ど か ら 、 発 展 途 上 国 へ の 援 助 に は ど の よ う 国 のODA分 野 別 開 な 方 法 が 現 在 実 施 さ れ て い る か を 理 解 す る 。 比 較 」
○ 先 進 諸 国 に ○ 資 料 を も と に 、 発 展 途 上 国 に 対 す る 開 発 援 助(0 板 書 「日 本 の0 よ る 開 発 援 助 DA)の 実 態 を 整 理 し 、 あ わ せ て 、 円 借 款 の 対 象 分 DAの 現 状 」
野 が 経 済 イ ン フ ラ に 偏 っ て い る こ とや 、 無 償 資 金 協 力 な ど の 実 態 が タ イ ド(ひ もつ き)援 助 で あ る と 指 摘 さ れ て い る 日本 のODAの 現 状 に つ い て も 理 解 す
展 る 。
○ 日 本 や そ の 他 先 進 諸 国 のODAが 実 際 に ど の よ う 資 料 「大 カ ラ ジ ャ な か た ち で 融 資 ・提 供 さ れ て い る の か を 、 ブ ラ ジ ル ス 計 画 」
の カ ラ ジ ャ ス 鉄 鉱 業 へ の 融 資 や イ ン ドの ナ ル マ ダ= 「ナ ル マ ダ=ダ ム
ダ ム 計 画 を 通 して 理 解 す る 。 計 画 」
○ 開発 援 助 の ○ 文 献 資 料 の 国 家 や 地 域 を 地 図 帳 で 確 認 す る 。 地 図帳
方法論 ○ 先 進 諸 国 が 実 施 す る 開 発 援 助 に は3つ の ア プ ロ ー 板書 「開発 援 助 開 チ が 考 え ら れ て き た こ と を 理 解 す る 。 ま た 、 開 発 援 の ア プ ロ ー チ 」
助 の 各 ア プ ロ ー チ が 実 際 に 活 用 さ れ て い る 発 展 途 上 国 の 事 例 も理 解 す る 。
○ 日 本 の 開 発 ○ODAに 関 す る 建 設 的 な 議 論 が 日 本 国 内 で 発 展 し 資 料 「日 本 の0 援助 の問題 点 な い 理 由 と して 、 政 治 的 側 面 やODAに 対 す る 国 民 DAの お も な 供 与
の 認 識 不 足 な ど を 通 し て 理 解 す る と と も に 、 日 本 が 国 と そ の 供 与 額 」
ま 行 っ て い るODAの 問 題 点 を 理 解 す る 。
○ 国 家 単 位 の ○ 多 数 の 発 展 か 、 少 数 の 権 利 保 護 か の 議 論 が 続 く な 新 聞 「ODA不 開 発 援 助 の あ か で 、 経 済 イ ン フ ラ へ の 建 設 援 助 が 中 心 と な っ て い 正 事 件 」
と り方 る 日 本 のODAへ の 批 判 論 と 肯 定 論 を も と に 、 「南 板 書 「大 型 開 発 北 問 題 」 の 解 決 の た め に 何 が 必 要 で あ る の か を 考 え 援 助 へ の 批 判 と 肯
ONGOの 活 る 。 定 」
動 と 発 展 途 上 ○ 「南 北 問 題 」 解 決 の た め に 、 個 々 の 日 本 人 レ ベ ル 資 料 「サ ヘ ル の め
諸 国 援 助 の 基 で は ど の よ う な 方 法 論 と 行 動 を と っ て い く べ き か 、 会 」 本姿勢 ま た 開 発 援 助 の 本 質 に つ い て 、NGOの 活 動 実 践 を
参 考 に し て 話 し合 う 。
(4)評 価 の 観 点 ① 「南 北 問 題 」 に お け る 先 進 諸 国 と発 展 途 上 国 と の 経 済 的 な 較 差 が 認 識 で き た か 。 ② 大 型 開 発 計 画 を 中 心 と す る 政 府 援 助 と 、 「貧 困 層 」 の 日 常 生 活 の 向 上 を 重 視 す る 政 府 援 助 に つ い て 、 そ れ ぞ れ の 問 題 点 が 理 解 で き た か 。 ③ 開 発 援 助 の 本 質 や そ の 在 り方 に つ い て 考 え る 場 と な り得 た か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 参 考 文 献 か らの 引 用 は 、 生 徒 自 身 で 問 題 意 識 が 形 成 さ れ る よ う な 内 容 を 精 選 す る 。 ② 教 材 で 取 り上 げ た 地 域 は 地 図 帳 を用 い て 確 認 させ 、 地 理 学 習 に 必 要 な 位 置 や 距 離 関 係 を 把 握 さ せ る 。 ③ 現 在NGOが 果 た して い る 役 割 に つ い て も触 れ 、 次 の 時 限 へ の 学 習 に つ な げ る 。 ④ 英 語 な ど の 専 門 的 な 略 語 は 可 能 な 限 り略 語 の 元 の 表 記 も紹 介 す る 。
3.国 境 を 越 え た 労 働 力 移 動 一 外 国 で 働 く こ と と は 一
(1)教 材 と して 取 り 上 げ た 理 由 国 際 経 済 の 発 展 と グ ロ ー バ ル 化 の 進 行 は 、 多 くの 人 々 が 自 国 を 離 れ 他 国 で 働 く こ と を 促 進 し た 。 現 在 こ の よ う な 国 境 を越 え た 労 働 力 移 動 は 、 モ ノ(製 品)や カ ネ(資 本)の 移 動 と と も に 、 よ り ダ イ ナ ミ ッ ク か つ 複 雑 な 動 き を み せ て い る 。 しか
し な が ら 、 こ う し た 労 働 力 移 動 の 増 加 は 、 移 動 先 の 国 々 で 民 族 対 立 や 人 権 問 題 等 の 深 刻 な 社 会 問 題 を 生 じ さ せ て き た 。 我 が 国 で も、1980年 代 以 降 に 多 くの 外 国 人 労 働 者 が 来 日 した こ と に よ っ て 、 新 た な 地 域 問 題 や 社 会 問 題 が 発 生 して い る 。 そ の 一 方 で 、 日 本 企 業 の 海 外 進 出 の 増 加 や 、 若 者 の 海 外 就 職 志 向 の 拡 大 に よ り、 こ れ ま で 国 内 で 生 活 し て き た 人 々 が 外 国 人 労 働 者 と して 異 国 の 社 会 で 生 活 し 、 現 地 の 社 会 問 題 に 直 面 す る 機 会 も増 加 し て い る 。 そ こ で 、 こ う した 国 境 を 越 え た 労 働 力 移 動 に よ っ て 生 じる 問 題 に つ い て 、 日本 に き た 外 国 人 労 働 者 が も た ら した 社 会 問 題 と い う視 点 で 考 察 す る こ と に加 え 、 生 徒 自 らが 「外 国 人 労 働 者 と し て 外 国 へ 行 っ て 働 く」 と い う前 提 に た っ て 考 察 さ せ る 。 こ れ に よ っ て 経 済 の グ ロ ー バ ル 化 か ら 生 じ た 今 日の 課 題 に 対 し 、 よ り主 体 的 に 解 決 して い く資 質 を育 成 す る こ と を ね ら い と して 本 教 材 を 取 り上 げ た 。
(2)本 時 の ね ら い 本 時 は5時 間 構 成 の 第4時 限 に あ た る 。 第1時 限 で は 、 日 本 に お け る 外 国 人 労 働 者 問 題 を 、 第2時 限 で は 、 世 界 の 労 働 力 移 動 の 歴 史 や 要 因 、 問 題 点 を扱 い 、 主 と し て 二 国 間 の 経 済 格 差 の 拡 大 に よ っ て 労 働 力 移 動 が 生 じ、 そ れ に よ っ て 様 々 な 社 会 問 題 が 引 き 起 こ さ れ て い る こ と を 理 解 さ せ る 。 第3時 限 で は 、 日 本 か ら外 国 へ の 労 働 力 移 動 の 歴 史 と 現 状 に つ い て 扱 い 、 世 界 の 労 働 力 移 動 との 相 違 点 を理 解 させ る 。 本 時 で は 、 海 外 就 職 希 望 者 の 人 気 が 高 く在 留 邦 人 の 一 番 多 い ア メ リ カ 合 衆 国 で 働 く計 画 を 立 て させ る 中 で 、 日 本 に 住 む 者 が 外 国 で 働 く こ と の 意 義 や 問 題 点 、 働 くた め に 必 要 な 資 質 に つ い て 考 察 す る 。 第5時 限 で は 、 異 文 化 社 会 の 中 で 外 国 人 と し て 働 く こ との 難 し さ に つ い て 理 解 させ 、 最 後 に こ れ ま で の 授 業 を ふ ま え て 、 外 国 で 働 く 自 分 の 姿 と外 国 人 労 働 者 に対 す る 感 想 を作 文 に ま と め さ せ る 。 学 習 指 導 要 領 で の 関 連 分 野 は 、 「地 理A」 の 「(2)世界 の さ ま ざ ま な 人 々 の 生 活 ・文 化 と 交 流 」 の
「ウ 諸 地 域 の 人 々 の 交 流 と 日 本 の 課 題 」 で あ る 。
(3)展 開 例
学 習 項 目 学 習 活 動 備 考
○ ア メ リ カ 合 ○ ア メ リ カ 大 リ ー グ で 活 躍 して い る 日本 人 選 手 の 記 新聞記事 衆 国 で 働 く 日 事 を 読 み 、 なぜ 彼 ら は ア メ リ カ 合 衆 国 で 野 球 を や る
導 本人 こ と を 選 択 し た の か を 考 え る 。
○ ア メ リ カ 合 衆 国 で 働 く 人 の 体 験 記 を 読 み 、 ア メ リ 資 料 「ア メ リ カ カ で 働 く こ と の 意 義 に つ い て 考 え る 。 で 働 く 人 々 」
入 ○ 外 国 で 働 く 日本 人 の 中 で 、 ア メ リ カ合 衆 国 で 働 く 資 料 「海 外 で 働 人 の 数 が 一 番 多 い こ と を 理 解 す る 。 く 日 本 人 数 」
○ ア メ リ カ 合 ○ 自 分 が ア メ リ カ 合 衆 国 で 働 く と 想 定 した 場 合 、 ど ワ ー ク シ ー ト
衆 国 で 働 く 自 ん な 目 標 を 持 ち 、 ど の よ う な 仕 事 に 就 き た い か 、 自
分 ら の 考 え を ま と め 、 発 表 す る 。
○ ア メ リ カ 合 ○ 資 料 や 書 籍 等 か ら ア メ リ カ合 衆 国 で 働 く た め の 方 ワ ー ク シ ー ト
衆 国 で 働 く た 法 や 必 要 な 事 項 を 理 解 し、 自 分 の 計 画 づ く り を 具 体 め の 計 画 化 す る 。 そ の た め に 特 に 次 の 点 に つ い て 理 解 す る 。
① 労 働 ビ ザ(査 証)と ビザ 発 給 ま で の 過 程 資 料 「ア メ リ カ の ビ ザ ー 覧 表
展 ② 外 国 で 働 くた め の 方 法 資 料 「ア メ リ カ
・現 地 就 職 先 を 探 し た 後
、 労 働 ビ ザ の 取 得 で 働 くた め の フ ロ ー
・留 学 後
、 就 職 先 を 探 し 、 労 働 ビ ザ の 取 得 チ ャ ー ト 」 「人 そ
・イ ン タ ー ン シ ッ プ 制 度 の 利 用 れ そ れ の キ ャ リ ア 」
・ワ ー キ ン グ ホ リ デ ー 制 度 の 利 用
③ 日 系 新 聞 や 邦 人 紙 、 イ ン タ ー ネ ッ ト等 を 利 用 資 料 「邦 人 紙 上 し た 現 地 就 職 先 を 探 す 方 法 や 、 就 職 先 決 定 ま で の 求 人 広 告 」
の 過 程 「イ ン タ ー ネ ッ
トの 求 人 広 告 」
○ ア メ リ カ 合 ○ 失 敗 例 の 報 告 か ら 、 多 くの 人 々 が ア メ リ カ 合 衆 国 ワ ー ク シ ー ト
衆 国 で 働 く こ で 働 く こ と に 挫 折 し た り 失 敗 し た り し て い る こ と を 資 料 「ア メ リ カ 開 と の 難 し さ 理 解 し 、 そ の 原 因 に つ い て 考 え る 。 で の 失 敗 例 」
○ 働 く人 自 身 の 姿 勢 の 甘 さ や 日 本 と ア メ リ カ 合 衆 国 と の 社 会 の 違 い が あ る こ と を 理 解 す る 。
○ 現 地 の 人 材 斡 旋 会 社 社 員 の イ ン タ ビ ュ ー 記 事 か ら 資料 「斡 旋 会社 ど の よ う な 日 本 人 が 仕 事 で 成 功 し た り失 敗 し た り す Q&A」
る か を 理 解 す る 。
○ 外 国 で 働 く ○ 自 分 が こ れ か ら外 国 で 働 く た め に 必 要 だ と 考 え る ワ ー ク シ ー ト ま
と
意 義 と 必 要 な こ と
事 項 を ま と め る 。
○ 外 国 で 働 く こ と の 意 義 と 難 し さ に つ い て 考 え 、 自
め 分 の 意 見 を ま と め る 。
(4)評 価 の 観 点 ① 外 国 で 働 く方 法 を 理 解 で き た か 。 ② 外 国 で 働 く こ と の 意 義 や 難 し さ に つ い て 考 え る こ と が で き た か 。 ③ 外 国 で 働 くた め に 必 要 な 事 項 を 自分 の 視 点 で 考 え 、働 くこ と に 対 す る 考 え 方 を 深 め る こ とが で きた か 。
(5)指 導 上 の 留 意 点 ① 生 徒 が 「外 国(ア メ リ カ 合 衆 国)で 働 く こ と」 を 自 分 の 問 題 と し て 考 え る 姿 勢 を 引 き 出 す 配 慮 を す る 。 ② 地 図 帳 を 利 用 し 、 地 名 の 確 認 に 心 掛 け る 。 ③ 資 料 が 多 い た め 、 提 示 の 際 に は そ の 精 選 を心 掛 け 、分 か りやす い資 料 提 示 を行 う。 ④ 体 験 者 や体 験 を
ま と め た 書 物 の 活 用 に よ る 体 験 的 な 学 習 の 工 夫 を 行 う こ と に 留 意 す る 。