「希少元素代替材料と代替技術の創製に 関する調査研究」
委託調査報告書・調査報告書
2010年3月
社団法人新化学発展協会
The Association for the Progress of New Chemistry
(財)JKA 補助事業
「希少元素代替材料と代替技術の創製に関する調査研究」
平成21年度報告書
第Ⅰ部 「希少元素の産業利用動向と代替材料技術に関する調査」
委託者:
新化学発展協会新素材技術部会・希少元素代替材料と 代替技術の創製に関する調査研究推進委員会
(委員長 柳田祥三)
受託者(報告者):
株式会社東レリサーチ
目 次
Ⅰ.調査テーマ... 1
Ⅱ.調査目的... 1
Ⅲ.実施方針... 1
Ⅳ.調査内容... 1
Ⅴ.調査方法... 2
Ⅵ.調査期間... 2
○本調査における重点希少元素と、各調査項目の定義について... 3
Ⅶ.調査結果... 5
1.リチウム... 5
2.チタン... 12
3.バナジウム... 19
4.コバルト... 24
5.ニッケル... 28
6.マグネシウム... 32
7.銅... 36
8.鉄... 40
9.亜鉛... 45
10.砒素(高純度)... 48
11.ガリウム... 51
12.ゲルマニウム... 55
13.ニオブ... 58
14.モリブデン... 62
15.ロジウム... 67
16.パラジウム... 69
17.アルミニウム... 71
18.銀... 76
19.インジウム... 80
20.錫... 86
21.白金... 89
22.金... 94
23.セシウム... 99
24.レアアース... 101
25.高純度のケイ素(高純度シリコン)... 109
26.自動車用電池における希少元素の使用状況... 111
27.太陽電池関連部材における希少元素の使用状況... 117
28.半導体デバイス部材における希少元素の使用状況... 122
29.まとめ... 127
Ⅰ.調査テーマ
希少元素の産業利用動向と代替技術に関する調査
Ⅱ.調査目的
委託者殿は、「希少元素代替材料と代替技術の創製に関する調査研究」推進委員会において、
我が国が世界をリードしている産業分野における希少元素の利用や再生、代替等について技術 的な側面から調査研究を行っておられる。委託者殿のこれまでの活動を通じて、単に技術戦略の 検討に止まらず、経済的見地からの議論・検討も必要であることが示唆されている。
本調査は、我が国に輸入され消費される希少元素の量や用途の推移や、国別の希少元素の 生産・埋蔵量の推移等を調査・整理し、今後の元素戦略について議論・検討に資する資料を作成 する。
Ⅲ.実施方針
調査スケジュールを遵守し、効率的な調査を行う。出所の明確な公開情報から必要な情報を収 集し、表などを用いてわかりやすく整理する。
Ⅳ.調査内容
希少元素の産業利用とそれらの代替技術の研究開発動向に関して、各元素の過去10年間分
(主に1997~2007年)のデータのうち情報が得られるものについて収集し、整理する。元素の種類
および収集項目は以下の通りである。
1.調査対象元素
リチウム、チタン、バナジウム、コバルト、ニッケル、マグネシウム、銅、鉄、亜鉛、砒素(高 純度)、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、アル ミニウム、銀、インジウム、錫、白金(ルテニウムを含む)1、金、セシウム、レアアース(ランタン、
イットリウム、スカンジウム、テルビウム、プラセオジム、サマリウム、ジスプロシウム)2、高純度 のケイ素
2.収集項目
日本への輸入量、日本での使用量、世界での生産量(国明示)、世界での使用量(国明 示)、価格(世界および日本)、用途別(太陽電池関連部材・半導体デバイス部材・自動車用 電池(リチウムイオン電池および燃料電池)部材)における希少元素の使用状況3、国別埋蔵
1 白金単独のデータに併せ、ルテニウム等を含む白金族としてのデータも収集した。
2 使用した引用文献では大半が「レアアース」としてまとめられていたため、本調査でも同様にとりまとめ た。
3 調査開始時点での委託者殿との打合せの結果、企画書で提案した項目(用途別使用割合)の代わり にこれらに重点を置くこととなった。
量4および、採掘可能量
Ⅴ.調査方法
公的な統計資料や関係機関作成の報告書を中心とした公開情報を収集し、整理する。また、
Web検索などにより情報を補足する。
Ⅵ.調査期間
2009年11月17日~2010年1月29日
4 仕様書では「推定埋蔵量」とあったが、調査の結果、引用した米国地質調査所発行のMineral Commodity
Summariesでは埋蔵量のデータが数字で把握されている鉱産物のみを対象としていたため、「確認された埋蔵
量(資源量)」として示した。
○本調査における重点希少元素と、各調査項目の定義について
本調査の対象となる26の希少元素およびレアアースのうち、将来的に用途が期待されている が、資源分布および供給に偏在性がある元素、および代替材料の開発が行われている元素とし て、リチウム、チタン、バナジウム、ニオブ、モリブデン、インジウム、白金の7元素とレアアースに 重点を置き、特に情報収集に務めた。
本調査における調査項目と、各図表の定義は以下に示す通りである。
(1)日本への輸入量
元素毎の原料(鉱石、金属、中間原料および化合物(酸化物、水酸化物、炭化物等))につ いて輸入推移を整理した。元素純分換算が可能であったものは換算%と純分データを記載し た。重点7元素およびレアアースについては主要な輸入相手国を示した。
(2)日本での使用量5
各種統計から日本の需要動向(生産量・出荷量・需要量・消費量)を整理した。供給量およ び使用用途(分野および製品名)が収集出来た場合は併せて示した。
(3)世界での生産量
元素毎の鉱石生産量を整理した。地金生産量が収集できた場合は併せて示した。
ほとんどの元素の引用文献として、米国地質調査所(USGS)の「World Metal Statistic Yearbook」および「Mineral Commodity Summaries」を使用した。(独)石油天然ガス・金属鉱 物資源機構(JOGMEC)によると、「World Metal Statistic Yearbook」の中で「Mine Production」
と記載されているデータについては、「鉱山で採掘された鉱石に含まれる金属の量」であり、
「Refined Production」と記載されているデータは「地金」とのことである6。本調査においてもこ の定義を踏襲した。なお、「Mineral Commodity Summaries」のデータについても同様の定義 とみなした。
(4)世界での使用量
各種資料・統計から世界の需要動向を整理した。
(5)価格
元素毎の原料および化合物について日本の輸入単価を整理した。元素によっては、参考情 報として市場価格を掲載した。金額「$」はすべて米ドルである。
(6)国別埋蔵量
元素毎の確認された埋蔵量(資源量)を整理した。米国地質調査所発行の「Mineral
5 使用量:希少元素の使用量、生産量・出荷量:希少元素を使用した製品の生産量・国内出荷量(両者 の差異は輸出量および在庫分である。)、需要・消費量:製品製造に使用された元素(元素純分重 量あるいは製品重量で表示した)
6 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構HP(http://www.jogmec.go.jp/mric_web/minetopics/data.html)
Commodity Summaries(MCS)」のうち、1997~2008年の発行物に記載されたデータを使用し た。JOGMECによると、これらのデータはMCSに記載されている鉱産物のうち、金属資源を対 象とし、さらに埋蔵量のデータが数字で把握されている鉱産物のみを対象としているとのこと である。
埋蔵量のデータは、「Reserve Base」のデータを用いた6。
(7)採掘可能量
元素毎の採掘可能量を整理した。米国地質調査所が発行した「Mineral Commodity
Summaries(MCS)のうち、1997~2008年の発行物に記載されたデータを使用した。(6)国別埋
蔵量と同様に、金属資源を対象とし、埋蔵量のデータが数字で把握されている鉱産物のみを 対象としているとみなした。
採掘可能量のデータは、「Reserves」のデータを用いた。
なお、資源の耐用年数として紹介される数値に「既存埋蔵量可採年数」がある。
本報告書では、原田らが算出した既存埋蔵量可採年数7を参考値として示した。
(8)その他注記事項
収集できなかったデータおよび「Not Available」表記のものは表中に「-」と記載した。
7 原田 幸明「材料と全面代替戦略」第1章「全面代替に向けた材料戦略の視点」より「2.6既存埋蔵量 可採年」((独)物質・材料研究機構)
Ⅶ.調査結果
1.リチウム
(1) 日本への輸入量
リチウムは、金属リチウム、水酸化物、炭酸物の形で輸入されている。
リチウムの輸入動向は表1に示す通りである。
国内ではリチウムの原料となる資源がないため全量を輸入に依存しており、その大部分をチ リ、米国、ロシア、アルゼンチンおよび中国等から輸入している。
表 1 リチウムの輸入(単位:純分 t)8
輸入品目 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
金属リチウム(t) 80 72 91 131 140 135 168 185 162 153 142
水酸化物リチウム(t) 1,360 1,343 1,572 1,558 1,312 1,019 1,458 1,497 1,503 2,138 2,747
純分換算(29.0%)1) 394 389 456 452 380 296 423 434 436 620 797
炭酸リチウム(t) 5,927 4,722 6,655 7,194 6,843 7,721 9,978 11,971 10,001 14,521 13,553 純分換算(18.8%)2) 1114 888 1,251 1,352 1,287 1,451 1,876 2,251 1,880 2,730 2,548
1)水酸化リチウム純分換算率(リチウム含有率):29.0%
2)炭酸リチウム純分換算率(リチウム含有率):18.8%
表 2 に金属リチウムの輸入推移を示す。2008 年は前年にくらべ、ロシアが急減した一方、米 国と中国が大幅に増大している。
表 2 金属リチウムの輸入9
((単位:輸入量(t)、輸入価格単価(円/kg))
国/年 2005 2006 2007 2008
中国
輸入量 37 47 29 43
輸入価格 4,551 6,762 6,713 7,135
ロシア
輸入量 20 31 49 15
輸入価格 5,267 5,626 6,525 6,428
米国
輸入量 97 72 56 72
輸入価格 5,296 5,970 7,780 7,180
輸入量合計(その他含む) 162 153 142 134
・輸入価格は CIF 価格(保険料、運賃込み)である。
8 財務省貿易統計から引用。純分換算値は(独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構「鉱物資源マテリア ルフロー2008」P225~234(2009.8)から引用した。
9 財務省貿易統計
表3に水酸化リチウムの輸入推移を示す。米国からの輸入(FMC Lithium社、Chemetall社) は減少傾向にある。世界シェアはこの2社で占めてきたが、チリのSQM社が2007年に水酸化 リチウムに新規参入した。チリからの輸入量は2007年の23tから87tと3.8培に拡大している。
表 3 水酸化リチウムの輸入9
((単位:輸入量(t)、輸入価格単価(円/kg))
国/年 2005 2006 2007 2008
中国
輸入量 133 294 268 117
輸入価格 426 756 855 687
ロシア
輸入量 45 15 0.12 -
輸入価格 518 1,244 102,741 -
米国
輸入量 1,318 1,829 2,455 2,204
輸入価格 467 651 871 806
チリ
輸入量 - - 23 87
輸入価格 - - 881 822
輸入量合計(その他含む) 1,503 2,138 2,747 2,408
・輸入価格は CIF 価格(保険料、運賃込み)である。
表4に炭酸リチウムの輸入推移を示す。
表 4 炭酸リチウムの輸入9
((単位:輸入量(t)、輸入価格単価(円/kg))
国/年 2005 2006 2007 2008
中国
輸入量 52 1,558 743 637
輸入価格 443 674 865 833
米国
輸入量 1,538 1,415 875 1,253
輸入価格 245 419 687 689
カナダ
輸入量 233 246 284 138
輸入価格 828 1,092 1,564 1,410
チリ
輸入量 7,361 10,359 10,725 10,920
輸入価格 292 472 714 658
アルゼンチン
輸入量 779 914 894 212
輸入価格 266 464 747 695
輸入量合計(その他含む) 10,001 14,521 13,553 13,194
・輸入価格は CIF 価格(保険料、運賃込み)である。
炭酸リチウムの2008年輸入量合計は2007年から2年連続減少している。輸入先はチリ品
(SQM社、Chemetall社)が3年連続で1万トン規模を維持している。アルゼンチン品(FMC
Lithium社)は212tで同比76%減となっているが、「工業レアメタル2009」(アルム出版社)によ ると、米国(FMC Lithium社、Chemetall社)からの輸入が増加していることから、日本向けの出 荷地が米国に移動したことが原因とされている10。中国品は637tで2年連続減少である。
(2) 日本での使用量
リチウムの国内需給(生産と消費)の状況を表5に示す。リチウムイオン電池、ガラス(HDD 基板、電磁調理器耐熱ガラス)用途の伸びが大きい。
表 5 リチウムの国内需給(単位:純分 t)11
輸入品目/年 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
供給 輸入-輸出 1,202 1,693 1,803 1,707 1,642 2,282 2,709 2,322 3,326 3,293
需要 Li イオン電池 291 338 376 348 376 498 658 846 1,316 1,316
一次電池 120 130 160 140 150 118 120 97 100 100
ガラス 498 639 752 743 790 1,137 1,034 1,072 1,316 1,316
大型冷凍機 296 240 264 240 240 216 216 216 216 216
グリース、電解質 222 260 257 216 168 241 247 248 353 453
除湿剤、フラックス 126 115 82 107 54 33 25 25 25 25
触媒 70 65 65 85 75 50 65 65 53 42
1,623 1,787 1,956 1,878 1,853 2,293 2,365 2,568 3,378 3,468
合計
種類別のリチウムの国内需要を示す。
・金属リチウム
表6に金属リチウムの国内需要推移を示す。金属リチウムの用途は、1次電池の負極材として の箔および合成ゴム触媒用のブチルリチウム向け原料である。
金属リチウムの2008年の国内需要(輸入量と同じ)は134tで、このうち1次電池の負極材向け は100tと、3年ほど横ばいが続いている。その他の用途は触媒などで製品の輸入が増え、減少 傾向にある。
表 6 金属リチウムの国内需要推移(単位:t)10
需要/年 2006 2007 2008
金属リチウム(輸入量)(①+②) 153 142 134
①電池用(負極材) 100 100 100
②その他用途(触媒等) 53 42 34
・水酸化リチウム
表7に水酸化リチウムの国内需要推移を示す。水酸化リチウムの用途は、リチウム電池(1次、
2次)向けおよび自動車向けに使用されるグリースの原料である。
2008年の水酸化リチウムの国内需要は2,408tで前年比減となった。このうちリチウムイオン電 池(LIB)正極材向けの需要は1,200tと急増した。
グリース(潤滑油に増ちょう材を加えた、半固形の潤滑材)向けは、2008年の需要が700~
800tと前半から横ばいである。水酸化リチウムが値上がりしたことで(後述の「(5)価格」参照)、リチ
10 アルム出版社「工業レアメタル2009(リチウム)」、No.125,P42-45(2009)
11 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構「鉱物資源マテリアルフロー2008」P225~234(2009.8)
ウム系グリース(リチウムを増ちょう材に使用)は高価となり、グリース製品でのシェアが低下した。
表 7 水酸化リチウムの国内需要推移(単位:t)10
需要/年 2006 2007 2008
水酸化リチウム(輸入量と同じ) 2,138 2,747 2,408
自動車用グリース(増ちょう材用) 700~800 700~800 700~800 LIB 正極材(主に Co レス正極材) 500 900 1,200
・炭酸リチウム
表8に炭酸リチウムの国内需要推移を示す。炭酸リチウムの主要用途はリチウムイオン二次 電池(LIB)の電極材と耐熱ガラス添加向け需要である。その他の用途としては、鉄鋼の連鋳用 フラックス、弾性表面波フィルター用に使われている。特に高純度のものは、携帯電話、PHS、
カーナビ等フィルターおよび発信器として使用される。
表 8 炭酸リチウムの国内需要推移(単位:t)10
需要/年 2006 2007 2008
炭酸リチウムの国内需要 14,000 14,000 13,000
LIB 正極材 6,500~7,000 6,500~7,000 8,500~9,000 LIB 電解質 500~700 400~700 400~700 窯業添加(耐熱ガラス等) 3,500~4,000 3,000~4,000 2,000~2,500
その他用途(連鋳用フラックス等) 2,500 2,500 2,000
SAW フィルタ素子(LT,LN) 14~15 14~15 20~30
2008年の炭酸リチウムの国内需要は13,000tで前年より減少した。このうち、LIB正極材は前
年比30%増加した。「工業レアメタル2009」(アルム出版社)によると、2009年のLIB国内生産見
通しは世界生産が10%弱伸び、年後半には回復し横ばいか、やや増加するという見方を示して いる。
2008年の窯業用(主にIHクッキング用の耐熱ガラスの添加材)の需要は2,000~2,500tで前
年比35%減となった。その他の用途では、連続鋳造用のフラックス(スラグの特性調整材)が
2,000tと20%程度減少した。
(3) 世界での生産量
リチウムはチリやアルゼンチンなど南米の塩湖から濃縮・抽出するかん水方式と、豪州等で 採掘されたスポジュメン鉱石等を精錬して得る鉱石方式と主に2つある。これらを供給源に製造 される炭酸リチウムの主要生産国はアルゼンチン、チリ、中国、米国である。
リチウム大手3社はそれぞれ、チリのアタカマ塩湖(SQM 社、Chemetall 社)、米国 Silverpeak 塩湖(Chemetall 社)、アルゼンチンの Homble Muerto 塩湖(FMC Lithium 社)にある生産拠点 で、かん水方式によるリチウム製造を行っている12。
世界のリチウムの生産動向を表 9 に示す。上述の通り、アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナ ダ、チリ、中国、ポルトガル、ジンバブエ等の生産量が多い13。
12 (独)石油天然ガス・金属資源機構「JOGMEC金属技術トピックス」09-02号(2009.3)
表 9 世界のリチウム生産推移(単位:t)13
国 鉱物・化合物 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
アルゼンチン炭酸リチウム 697 6,000 1,592 2,161 - 906 2,850 4,970 7,300 8,240 8,500
塩化リチウム - 2,500 2,794 5,182 4,512 4,729 4,700 6,303 8,400 8,320 8,500
豪州 リシア輝石 88,399 63,190 75,824 81,891 63,443 100,000 124,410 118,451 173,635 222,101 220,000
ブラジル 精錬物 6,948 9,485 11,122 10,875 11,000 11,200 9,755 9,084 8,924 8,950 9,000
カナダ リシア輝石 22,500 22,500 22,500 22,500 22,500 22,500 22,500 22,500 22,500 22,500 22,500
チリ 塩湖表面由来炭酸リチウム 24,246 28,377 30,231 35,869 31,320 31,500 41,667 43,971 43,595 50,035 55,500
塩化リチウム - - - - - - - 494 681 1,166 4,200
中国 炭酸リチウム 15,500 13,000 12,500 13,000 13,000 13,000 13,500 14,000 15,000 15,000 16,000
ナミビア 主に葉長石の精錬物 1,019 500 - - - - - - - - -
ポルトガル レピドライト鉱物 6,883 7,000 14,862 9,352 10,000 9,500 24,606 28,696 26,185 28,497 28,500
ロシア 鉱物指定無し 2,000 2,000 2,000 2,000 2,000 2,000 - - - - -
米国 リシア輝石と塩湖表面由来 - - - - - - - - - - -
ジンバブエ アンブリゴナイト鉱物、ユーク
リプタイト鉱物、レピドライト
鉱物、葉長石、リシア輝石 49,833 28,055 36,671 37,914 36,103 32,000 12,131 13,710 37,499 30,000 15,000
合計 218,025 182,607 210,096 220,744 193,878 227,335 256,119 262,179 343,719 394,809 387,700
注)・かん水方式と鉱石方式の生産量(化合物量、あるいは鉱石量)を示している。
・一部データに USGS の推定有り。
・米国は炭酸リチウムの主要生産国であるが、データ公表していない。
(4) 世界での使用量
最大の需要であるリチウムイオン電池(LIB)はモバイル機器のほか、ハイブリッド車(HEV)・電 気自動車(EV)への搭載が始まるということで、2008年初頭には需要拡大が予想されていた。こ
のためSQM社やChemetall社はそれぞれ1万t、3千tの設備増強に踏み切った。しかし、世
界的金融危機の影響でLIB需要も2008年11月頃から低迷した。大手3社は供給を絞ること で国際相場を維持している10。
2009年1月にチリで開かれた「Lithium Supply & Markets 2009」(主催者:Metal Bulletin)に おいて発表された、リチウムメーカー大手3社の世界のリチウム需要量試算は以下の通りである
14。
・SQM社(肥料、ヨウ素、リチウムの生産・販売等を実施する世界企業。リチウム生産シェア は30%)
世界のリチウム需要は、2004~2008年の過去5年間で5~7%の成長(化合物全体)。
2008年の全リチウム需要は11.5~11.8万t(LCE15)で、2007年比1~2%程度の低い伸 び(炭酸リチウム46%、リチウム精鉱21%、水酸化リチウム13%等)。このうち、二次電池 用リチウム需要は20~22%増加し、2008年の1次および2次電池用需要は全需要の
23%(ガラス14%、ガラス原料17%)。
・Chemetall社(本社フランクフルト(独)。金属リチウムのシェア50%以上、炭酸リチウムは 30%。)
現在のリチウム需要は、8.4万t(LCE)(Roskill Information Services, Ltd.社試算)
13 U.S.Geological Survey「Minerals Yearbook-LITHIUM(2002,2007)」
14 (独)石油天然ガス・金属資源機構「JOGMEC金属技術トピックス」09-02号(2009.3)
15 LCE:Lithium Carbonate Equivalentの略で、炭酸リチウム換算のこと。
・FMC Lithium社(本社米国)
リチウム需要は毎年5%の成長率で、2007 年のリチウム需要は9.3万t(LCE)、そのうち 電池向け23%、ガラス・セラミックス用20%、グリース・ゴム添加用で13%等。地域別需要は、
日本・中国等で53%、南北アメリカ21%、欧州26%。
将来のHEV用やEV用のLIB需要(プラグインEVを含む)について、大手3社は2020年 のリチウム総需要は14.5万~30.9万tであり、HEVやEV用のLIB需要は6.5~8.6万tと総 需要のほぼ1/2~1/3と考えているという16。
(5) 価格
表 10、11 にリチウムの輸入価格を示す。炭酸リチウムの国際相場は、2007 年下半期から高 止まりを続ける。全量を海外からの輸入に依存する日本の 2008 年の輸入単価(CIF 価格、円 /kg)は、急激な円高の影響から 684 円で前年比 8%安と 4 年ぶりにマイナスとなった(表 10)。
しかし、ドル換算では値上がり傾向にある(表 11)。表 10の 2008 年輸入価格データからドル換 算すると、金属リチウム:$69/kg、水酸化リチウム:$8/kg、炭酸リチウム:$7/kg であり17、2008 年 もやや上昇傾向にあった。
表 10 リチウムの輸入価格(CIF 価格、単位:円/kg)18
輸入品/年 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
金属リチウム 9,465 9,749 8,014 7,196 7,454 7,238 6,206 5,378 5,182 6,219 7,159 7,179
水酸化リチウム 599 698 588 547 563 555 479 424 466 671 874 801
炭酸リチウム 309 273 227 228 254 267 260 252 302 502 746 684
注)CIF 価格:保険料、運賃込み
表 11 リチウムの輸出入価格(参考)(単位:$/kg)11
輸入品/年 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
金属リチウム 74 70 67 62 58 53 50 47 53 61
リチウム水酸化物 5 5 5 5 4 4 4 4 6 7
リチウム炭酸塩 2 2 2 2 2 2 2 3 4 6
(6) 国別埋蔵量
表12にリチウムの国別資源量(確認された埋蔵量)を示す。資源国第1位はボリビアで、第2 位がチリ、第3位が中国である。
16 アルム出版社「工業レアメタル2009(リチウム資源開発」)」、No.125,P4-5(2009) JOGMEC阿部氏が
「Lithium Supply & Markets 2009」における各社の予測を独自に集計している。
17 為替レートはfxtop.com(http://fxtop.com/en/historates.)より2008年平均値(103.35円/$)を用いた。
18 財務省貿易統計
表 12 リチウムの国別資源量(単位:千 t)13
国 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
米国 410 410 410 410 410 410 410 410 410 410 410 410
豪州 160 160 160 160 160 160 260 260 260 260 260 260
ボリビア 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400 5,400
カナダ 360 360 360 360 360 360 360 360 360 360 360 360
チリ 1,400 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000
中国 - - - - - - 1,100 1,100 1,100 1,100 1,100 1,100
ジンバブエ 27 27 27 27 27 27 27 27 27 27 27 27
合計(千t) 7,757 9,357 9,357 9,357 9,357 9,357 10,557 10,557 10,557 10,557 10,557 10,557
(7) 採掘可能量
表13にリチウムの可採鉱量(採掘可能量)を示す。可採埋蔵国第1位はチリで、第2位が中 国、第3位がブラジルである。
表 13 リチウムの国別可採埋蔵量(採掘可能量)(単位:千 t)13
国 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
米国 340 340 38 38 38 38 38 38 38 38 38 38
豪州 150 150 150 150 150 150 160 160 160 160 160 160
ボリビア - - - - - - - - - - - -
ブラジル 1 1 1 1 1 1 190 190 190 190 190 190
カナダ 180 180 180 180 180 180 180 180 180 180 180 180
チリ 1,300 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000 3,000
中国 - - - - - - 540 540 540 540 540 540
ジンバブエ 23 23 23 23 23 23 23 23 23 23 23 23
合計(千t) 1,994 3,694 3,392 3,392 3,392 3,392 4,131 4,131 4,131 4,131 4,131 4,131
(注)ボリビアの可採埋蔵量は公表されていない。
リチウムの既存埋蔵量可採年数は 47 年である7。
2.チタン
(1) 日本への輸入量
自然界には純粋なチタンの単体は存在せず、化合物として主に鉱石の中に含まれる。日 本はチタン原料を全量輸入しており、チタン鉱石(イルメナイト鉱石、ルチル鉱石、UGI(Up Graded Illmenite:イルメナイトを濃縮処理したもの))、スポンジチタン(中間原料)の形態で輸 入している。輸入されたチタン鉱石から酸化チタンが製造されている。また、中間原料であるス ポンジチタンを経てインゴットフェロチタン、チタン鋳造品、チタン粉末等に加工され、多くの分 野で利用されている19。加工済みの酸化チタン製品も海外から輸入されている(日本酸化チタ ン工業会ヒアリングによる)。表14にチタン原料の輸入推移を示す。なお、表14での「チタン 鉱」の欄では、ルチル鉱石とUGIは「イルメナイト以外」に分類されている。
表 14 チタンの輸入20
輸入品/年 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
チタン鉱 408,705 468,445 461,267 416,718 485,829 385,223 457,124 450,287 509,797 345,517 417,000 415,228 イルメナイト鉱石 341,751 371,369 365,117 336,326 373,027 290,755 369,020 360,302 382,867 240,908 275,345 289,495 イルメナイト以外 66,954 97,076 96,150 80,392 112,802 94,468 88,104 89,985 126,930 104,609 141,655 125,733
スポンジチタン 10,922 8,869 3,289 6,264 9,100 9,209 5,715 5,570 3,930 3,397 6,461 8,509
酸化チタン 83,113 66,302 60,702 72,673 68,629 60,976 64,249 71,530 65,887 68,463 71,224 70,738
チタン酸化物 881 510 691 15,303 14,298 9,106 11,560 15,211 13,091 15,128 16,024 13,979
二酸化チタン 82,232 65,792 60,011 57,369 54,332 51,870 52,689 56,319 52,795 53,335 55,199 56,760
関税番号(HS Cord):
・チタン鉱:2614.00-010(チタン鉱(精鉱を含む))、2614.00-090;チタン鉱(イルメナイト以外)
・スポンジチタン(金属チタン):
1997~1999 年;8108.10(チタンの塊。チタンニオブ化合物を含む)、
2000~2001 年;8108.10-090(チタンの塊、くず及び粉)、
2002 年~;8108.20-090 (チタンの塊及び粉 チタンニオブ合金以外)
・酸化チタン:2823.00(チタンの酸化物)、3206.11(二酸化チタンをもととした顔料及び調製品。二酸化 チタンの含有量が乾燥状態において全重量の 80%以上のもの)
表 15、16 にチタン鉱の国別輸入推移を示す。イルメナイト鉱石はベトナムから大半が輸入 されている。その他のチタン鉱石は豪州、インド、カナダ等から多く輸入されている。
表 15 チタン鉱(イルメナイト鉱)の輸入推移(単位:t)20
国/年 2004 2005 2006 2007 2008 ベトナム 152,394 156,352 148,007 105,632 145,624 豪州 84,755 82,391 44,358 104,241 83,133 エジプト 27,592 54,374 27,438 11,062 0
カナダ 53,505 44,416 0 0 24,812
その他 42,056 45,334 21,105 54,410 35,926 合計 360,302 382,867 240,908 275,345 289,495
19 (独)放射線医学総合研究所「自然起源放射性物質データベース」
(http://www.nirs.go.jp/db/anzendb/NORMDB/1_zendata.php# )
20 財務省貿易統計
表 16 チタン鉱(イルメナイト鉱以外)の輸入推移(単位:t)20 国/年 2004 2005 2006 2007 2008 豪州 51,011 65,754 40,691 59,993 59,883 インド 27,562 42,969 39,962 42,040 42,283 カナダ 4,600 9,320 15,716 19,180 11,915 その他 6,812 8,887 8,240 20,442 11,652 合計 89,985 126,930 104,609 141,655 125,733
表 17 にスポンジチタンの国別輸入推移を示す。2008 年のスポンジ輸入は 8,509t と前年比 33%の増加である。内訳としては、半分がスポンジチタン、インゴット、スラブが半分と予想され る。
表 17 スポンジチタンの国別輸入推移(単位:t)20
国/年 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 カザフスタン 1,379 2,429 3,420 1,560 1,170 1,455 540 370 1,350 ロシア 2,575 3,756 3,232 2,597 2,495 1,141 1,549 2,209 1,207 ウクライナ 441 185 460 350 587 322 285 903 1,924 米国 1,058 2,489 2,059 1,112 1,248 725 572 532 449 その他 811 241 39 96 70 286 450 2,394 3,579 合計 6,264 9,100 9,210 5,715 5,570 3,929 3,396 6,408 8,509
表 18、19 に酸化チタン(チタン酸化物および二酸化チタン)の国別輸入推移を示す。
表 19 の二酸化チタンはインキ・顔料および塗料に使用されている。
表 18 チタン酸化物の国別輸入推移(単位:t)20
国/年 2004 2005 2006 2007 2008
韓国 3,567 4,326 7,471 8,764 7,749
中国 8,620 6,435 5,974 6,083 4,777
フランス 1,632 679 832 731 825
その他 1,392 1,652 850 447 627
合計 15,211 13,091 15,128 16,024 13,979 表 19 二酸化チタン(顔料)の国別輸入推移(単位:t)20
国/年 2004 2005 2006 2007 2008 米国 20,859 20,499 22,007 23,537 24,818 台湾 12,126 12,567 11,528 12,256 13,610 豪州 10,475 7,850 7,873 7,878 6,258 その他 12,859 118,80 11,928 11,529 12,074 合計 56,319 52,795 53,335 55,199 56,760 (2) 日本での使用量
表20に日本のチタン需給(生産と消費)の状況を示す。スポンジチタンはチタンスクラップと 共に溶解され、インゴットとなる(他にはチタン鍛造品、フェロチタン、チタン粉末などにも加工さ れる)。チタンインゴットから板、条、棒、管の展伸材や、鋳造品および粉末冶金製品などの素
形材が製造されるが、展伸材とその加工品が大部分を占める19,21。
2008年のスポンジ出荷は38,826tと前年比微増となった。インゴットの生産は前年比6.7%の 増加となった。展伸材も前年比3.4%の増加となった。
表 20 スポンジチタン生産・出荷、インゴット、展伸材出荷推移(単位:t)22
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
スポンジチタン生産 24,461 24,180 18,928 19,457 24,906 25,199 18,923 23,110 30,786 37,809 38,865 40,946
出荷 内需 11,091 15,188 12,398 11,475 14,328 16,801 12,908 18,013 21,346 24,328 27,108 27,184
輸出 13,486 8,630 7,095 7,712 10,779 5,851 5,709 8,220 9,203 12,667 11,425 11,642
合計 24,577 23,819 19,493 19,187 25,107 22,652 18,617 26,233 30,549 36,995 38,533 38,826
インゴット 生産 16,630 17,639 13,897 13,111 16,343 17,756 13,624 18,622 20,925 24,241 25,292 26,999
展伸材 内需 7,171 6,146 5,479 6,049 7,307 7,256 6,812 8,573 10,086 9,577 10,984 10,164
輸出 6,115 6,594 6,183 5,897 7,127 7,225 7,026 8,814 8,061 7,740 8,103 9,563
表 21 にチタン展伸材の用途別出荷推移を示した。2008 年国内向け出荷のうち、電解、プレ ート熱交換器が好調だったものの、電力は前年比 58%減、自動車も 9%の減少で、航空機や 民生品も減少となった。一方、輸出は過去最高の額となった。
表 21 チタン展伸材出荷推移(単位:t)23
需要 用途 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 国内向
出荷 化学工業 491 680 916 877 951 811 691
電力 886 601 757 881 568 1,016 422
造水 0 0 49 10 16 4 9
電解 675 416 957 1,120 1,155 1,519 1,961
造船向けプレ ート式熱交換 器
1,033 910 1,037 1,326 1,403 1,708 1,953
航空機 447 491 409 603 592 500 397
自動車 571 767 1,098 1,382 1,503 1,408 1,285
船舶海洋 162 149 145 280 193 231 113
エネルギー 32 0 0 0 0 0 0
建築土木 43 166 36 26 98 263 690
スポーツ・レジ
ャー 527 262 303 317 368 379 396
民生品 808 783 668 771 762 720 515
医療 30 33 37 47 62 51 52
販売業者 1,135 1,257 1,733 2,011 1,475 1,767 1,289
その他 416 297 428 435 431 607 391
内需計 7,256 6,812 8,573 10,086 9,577 10,984 10,164 輸出 7,225 7,026 8,814 8,061 7,740 8,103 9,563 合計 14,481 13,838 17,387 18,147 17,317 19,087 19,727 表 22 に酸化チタンの国内需給を示す。国内向けは主用途の塗料が 6.9 万 t で前年比
21 (独)石油天然ガス・金属鉱物資源機構「鉱物資源マテリアルフロー2008」P202~207(2009.8)
22 (社)日本チタン協会「スポンジチタン生産・出荷、インゴット、展伸材出荷推移」
23 アルム出版社「工業レアメタル2009(チタンスポンジ)」No.125,P57-63(2009)
7%減、インキ・顔料が 3.4 万 t で前年比 3%減となったため、14.9 万 t と 3 年連続の減少。
輸出は 6.9 万tで国内よりも激しく落ち込んでいる。
表 22 酸化チタンの国内需給(単位:t)24
需給/年 2005 2006 2007 2008
生産 259,588 239,296 245,473 224,503 出荷合計 251,621 245,973 244,335 218,371 国内 168,282 164,487 160,486 149,778 輸出 83,339 81,486 83,849 68,593
生産-出荷 7,967 -6,677 1,138 6,132
生産者年末在庫 33,818 27,141 28,279 34,411 (3) 世界での生産量
世界のチタン鉱石(イルメナイト鉱石およびルチル鉱石)の生産動向を表 23 に示す。生産国 第 1 位は豪州で第 2 位が南アフリカである。
表 23 世界のチタン鉱石生産推移(単位:純分千 t)25
国/年 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
1.イルメナイト鉱石(千t)
米国 - - 300 300 300 300 300 300 300 300 300 200
豪州 1,270 1,355 1,140 1,230 1,150 1,170 1,170 1,110 1,180 1,330 1,400 1,250
ブラジル 54 - - - - - 82 130 130 130 127 130
カナダ 680 760 760 760 950 720 765 735 731 791 816 900
中国 85 - - - - - 400 400 450 500 550 550
インド 162 162 204 205 232 248 270 281 297 313 378 378
モザンビーク - - - - - - - - - - 14 133
マレーシア 92 - - - - - - - - - - -
ノルウエイ 338 266 266 275 338 338 360 381 381 380 377 380
南アフリカ 842 935 935 935 960 978 1080 865 867 1050 1100 1,090
スリランカ 10 - - - - - - - - - - -
ウクライナ 133 133 225 242 252 281 290 217 218 273 290 302
ベトナム - - - - - - 97 98 95 230 254 215
その他 5 248 283 331 391 382 91 120 136 108 115 109
1.合計 3,671 3,859 4,113 4,278 4,573 4,417 4,905 4,637 4,785 5,405 5,721 5,637
2.ルチル鉱石(千t)
豪州 171 225 181 225 225 207 164 154 163 207 297 309
ブラジル 2 - - - - - 2 3 3 3 3 3
インド 13 13 15 16 16 17 17 18 18 18 20 20
モザンビーク - - - - - - - - - - - 3
シエラレオネ - - - - - - - - - 13 79 95
南アフリカ 108 112 122 94 110 94 143 105 105 117 108 121
スリランカ 3 - - - - - - - - - - -
タイ 3 - - - - - - - - - - -
ウクライナ 95 48 45 56 56 67 57 57 57 57 57 57
その他 - 8 8 4 4 2 - - - - - -
2.合計 395 398 371 395 407 385 383 337 346 415 564 608
注)TiO2を含む (3) 世界での使用量
表 24 に 2003~2007 年の世界のチタン展伸材の需要(消費)推移を示す。需要は航空機・
軍需向けと一般工業向けおよび新規用途向けと大きく二分されている。2007 年は航空・軍需向 けが需要を伸ばしている。一般工業向けは、熱交換器、化学・発電電解プラント向けなどで 3.5 万tである。新規分野は自動車向けが中心であり、1.2 万tと増加傾向であった。
24 アルム出版社「工業レアメタル2009(酸化チタン)」No.125,P39(2009)
25 USGS(U.S.Geological Survey)「Mineral Commodity Summaries-TITANIUM MINERAL CONCENTRATES」より
表 24 世界のチタン展伸材需要(消費)推移(推定)(単位:千 t)26
需要/年 2003 2004 2005 2006 2007
新規ほか 9 10 11 11 12
一般工業 21 25 27 32 35
航空・軍需 30 33 36 40 46
合計 60 68 74 83 93
2008 年のチタン展伸材需要は、前半までは好調であったが、年後半の世界的金融危機の 影響から航空機、化学プラント、海水淡水化装置向けや民生用途は計画の見直しが相次いだ ようである。
チタンスポンジ需要については、中国がスポンジ工場の大増設を行い、ウクライナやロシア が中国市場に供給してきた流通ルートに影響が及んだ。中国スポンジの対外輸出の増加およ びリーマンショックの影響で鉄鋼添加チタン市場は価格が急落した模様である。
表 25 に 2008 年および 2007 年の世界の地域別チタン需要を示す。この表は世界のチタン の需給動向を概念的に把握するための推定値であり、在庫要因、スクラップの回収などは考慮 されていない。
2007 年のスポンジ生産量(153,700t)は 2008 年(173,958t)には前年比 13.2%の増加となった。
その中で中国の生産量は 45,200t から 49,632t に増加している。日本のスポンジ生産はほぼ横 ばいであるが、世界シェアは 25%から 22.3%に減少した。ロシアの生産シェアが全体の 20.8%から 20.4%に微減し、カザフスタンとウクライナは 16.3%から 19%に増加し、米国は 8.5%から 9.8%に増 加した。
2008 年のスポンジチタンの需要は 2007 年の 152,750t((注)表中データ無し)から 162,347t と前年比 6.3%の増加となった。日本の需要の世界構成比も 17.7%から 22%に増加している。
2008 年のチタン展伸材の生産量は前年比 3.8%の増加だが、需要は前年比 33.7%の減少と なった23。
26 アルム出版社「工業レアメタル2007(チタン展伸材)」No.123,P55-58(2007)
表 25 世界の地域別チタン生産・需要(特に記載がない場合、2008 年推定)23
需要/国・地域 米国 日本 ロシア カザフ
ウクライナ 中国他 合計
スポンジチタン生産(t)
(構成比%)
2007 年 13,065
(8.5)
38,425 (25)
31,970 (20.8)
25,053 (16.3)
45,188 (29.4)
153,700 (100)
2008 年 17,000
(9.8)
38,826 (22.3)
35,500 (20.4)
33,000 (19.0)
49,632 (28.5)
173,958 (100)
米国 日本 ヨーロッパ CIS* 中国 合計
スポンジチタン需要(t) 40,900 35,693 6,000 40,000 39,754 162,347
(構成比%) (25.2) (22) (3.7) (24.6) (24.5) (100)
米国 日本 ヨーロッパ CIS* 中国 合計
チタン展伸材生産(t) 39,700 19,727 4,500 25,650 27,737 117,314
(構成比%) (33.8) (16.8) (3.8) (21.9) (23.6) (100) チタン展伸材需要(t) 20,720 10,164 13,000 5,690 19,728 69,302
(構成比%) (29.9) (14.7) (18.8) (8.2) (28.4) (100)
*CIS:ソ連邦崩壊に伴い、バルト三国を除く旧ソ連構成12共和国で創設された独立国家共同体。
(5) 価格
表26にチタンの輸入価格を示す。
表 26 チタンの輸入価格(CIF 価格)20
輸入品 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008
スポンジチタン 輸入量(t) 10,922 8,869 3,289 6,264 9,100 9,209 5,715 5,570 3,930 3,397 6,461 8,509
金額(千円) 9,374,622 9,236,847 2,770,156 4,263,862 7,742,846 9,061,068 4,840,963 4,796,450 4,865,838 7,736,776 15,258,653 16,444,539 輸入金額(円/t) 858,341 1,041,486 842,157 680,693 850,838 983,886 847,077 861,123 1,238,199 2,277,561 2,361,797 1,932,583 チタン鉱 輸入量(t) 341,751 371,369 365,117 336,326 373,027 290,755 369,020 360,302 382,867 240,908 275,345 289,495
(イルメナイト) 金額(千円) 6,954,790 6,672,180 5,340,409 4,480,309 4,944,109 3,781,091 3,799,506 4,228,546 4,834,194 3,524,128 4,743,717 5,820,865 輸入金額(円/t) 20,350 17,966 14,627 13,321 13,254 13,004 10,296 11,736 12,626 14,629 17,228 20,107 チタン鉱 輸入量(t) 66,954 97,076 96,150 80,392 112,802 94,468 88,104 89,985 126,930 104,609 141,655 125,733
(イルメナイト以外金額(千円) 4,675,675 5,662,937 5,033,905 3,788,321 6,148,028 5,396,601 4,782,824 4,780,421 7,143,416 7,007,617 10,020,463 8,747,739 輸入金額(円/t) 69,834 58,335 52,355 47,123 54,503 57,126 54,286 53,125 56,278 66,989 70,739 69,574
チタン酸化物 輸入量(t) 881 510 691 15,303 14,298 9,106 11,560 15,211 13,091 15,128 16,024 13,979
金額(千円) 180,377 114,457 131,624 2,301,602 2,386,435 1,493,208 1,759,528 2,341,122 2,171,096 2,593,593 2,972,078 3,109,889 輸入金額(円/t) 204,694 224,526 190,535 150,398 166,908 163,986 152,204 153,910 165,843 171,444 185,471 222,476
二酸化チタン 輸入量(t) 82,232 65,792 60,011 57,369 54,332 51,870 52,689 56,319 52,795 53,335 55,199 56,760
金額(千円) 13,482,228 11,587,797 11,326,155 12,039,780 11,072,601 9,597,858 10,047,370 10,440,739 10,175,104 10,301,508 11,061,046 11,948,515 輸入金額(円/t) 163,954 176,127 188,734 209,864 203,797 185,037 190,692 185,387 192,727 193,146 200,384 210,510
注)CIF 価格:保険料、運賃込み (6) 国別埋蔵量
表27にチタンの国別資源量(確認された埋蔵量)を示す。イルメナイト鉱石の資源国第1位 はカナダで、第2位が南アフリカ、第3位がインドであり、ルチル鉱石は資源国第1位の豪州、
第2位南アフリカ、第3位インドでほとんどを占める。