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厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 難治性炎症性腸管障害に関する調査研究
分担研究報告書総括(平成 29 年度)
6. 新たな IBD 診断の開発
研究分担者 緒方晴彦 慶應義塾大学医学部内視鏡センター 教授
研究要旨:
1潰瘍性大腸炎の組織学的治癒予測のための内視鏡自動診断システムの開発
2潰瘍性大腸炎に対する大腸カプセル内視鏡アトラス作成および炎症判定スコアの作成 3クローン病粘膜病変に対するバルーン小腸内視鏡と MRE の比較試験 Progress Study
共同研究者
1木村加代子、緒方晴彦(慶應義塾大学医学部内 視鏡センター)他
2細江直樹、緒方晴彦(慶應義塾大学医学部内視 鏡センター)他
3渡辺憲治(兵庫医科大学腸管病態解析学)他
A. 研究目的
1 超拡大内視鏡(Endocytoscope; EC)は約 500 倍の拡大能力を有する次世代内視鏡である。EC と AI 機能としてのコンピューター診断支援(CAD;
computer‑assisted diagnosis)システムを構築 し疾患活動性をリアルタイムで生検組織を要さ ず自動診断し、医療従事者・患者双方の負担の低 減と医療削減を目指す。
2 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis, UC) の 炎症粘膜病変に対する大腸内視鏡と 大腸用カプ セル内視鏡(colon capsule endoscopy; CCE) の 画像比較による内視鏡アトラスと重症度評価ス コアを作成し、その評価を行う。
3 小腸内視鏡所見と MRE 所見の比較検討を行い、
相補的検査法である両検査法を組み合わせた CD 小腸病変診断ストラテジーを構築し、至適治療方 針につなげていく。
B. 研究方法
1 UC における EC 診断の組織学的治癒予測をリ
アルタイムに行える内視鏡診断 CAD システム
(EC‑UC‑CAD)の開発
先行研究で使用したアルゴリズムを基に、研究 分担者である名古屋大学 森健策教授の研究室 にて作成されたアルゴリズムを使用する。EC 画 像と組織学的活動評価結果を上記アルゴリズ ム上に学習させることにより、EC 画像を用いた コンピューター診断システムを完成させる。
EC‑UC‑CAD の組織学的治癒予測診断能の評価 作成された UC‑EC‑CAD を用い、臨床的寛解患者 を対象とした EC 画像の組織学的治癒予測を行 う。その結果と、生検による組織学的活動度を 比較し、CAD システムの予測診断能評価を行う。
(倫理面への配慮)
本研究は各施設の倫理委員会の承認の後に研 究を行う。個人情報の保護にも十分に配慮し、各 施設間のデータのやり取りには匿名化情報を用 いる。
2 本研究は、北里大学北里研究所病院炎症性腸 疾患先進治療センター、東京医科歯科大学消化器 内科、東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科、
大船中央病院で行われる多施設共同研究である。
UC 患者を対象に CCE‑2 及び CS を実施し、画像を 収集する。検査当日は CCE‑2 を先行して実施し、
同日に CS を実施するが、CS では可能な限り全大 腸を観察する。40 例の CCE‑2 画像および CS 画像 からアトラス作成に必要な画像所見をピックア
153 ップし、アトラスを作成する。さらに CCE‑2 によ る炎症度評価スコアを作成する。
(倫理面への配慮)
本研究は各施設の倫理委員会の承認の後に研 究を行う。個人情報の保護にも十分に配慮し、各 施設間のデータのやり取りには匿名化情報を用 いる。
3 小腸造影や内視鏡、CT、MRI、超音波検査な どにより小腸病変を有すると診断されたクロー ン病患者 132 例を目標とし、MRE+ICS 群と MRE+BAE 群の回腸終末部を含む小腸活動性粘膜病変有所 見率を主要評価項目とする。
(倫理面への配慮)
本研究は各研究参加施設の倫理委員会の承認 を得て、参加者にインフォームド・コンセントを 得て施行する。
C. 研究結果
1 平成 29 年度にシステム開発(約 2 万画像)
を行い、平成 30 年度に組織学的治癒予測診断能 の評価を行う予定である。
2 平成 28 年度に、第一段階 40 例の画像収集が 終了、CCE‑2 ビデオから判定した重症度スコアの 項目の重みづけ、採用項目の統計学的な解析が終 了し、スコアが完成した。平成 29 年度には、本 スコアを論文化し、現在英文誌に投稿中である。
カプセル内視鏡アトラスについては、「大腸カプ セル内視鏡を用いた潰瘍性大腸炎内視鏡画像ア トラス」が完成し、平成 30 年 3 月に発刊する。
3 上記、多施設共同前向きランダム化比較試験の プロトコールを確定し、倫理委員会の承認を得た。
D. 考察
1 本年 3 月までに各施設における倫理申請を予 定しており、解析結果を待つ。
2 平成 29 年度は、大腸カプセル内視鏡によ る潰瘍性大腸炎重症度評価スコアを論文化した。
さらにカプセル内視鏡アトラスについては、「大 腸カプセル内視鏡を用いた潰瘍性大腸炎内視鏡 画像アトラス」が完成した。今後はこのスコアの
再現性、病勢評価の正確性をみるための Validation study を検討する。
3 本研究によって欧米が主張するクローン病 画像診断法の有用性と問題点を検証し、CD 画像診 断モニタリング strategy の適正化に寄与するも のと考える。
E. 結論
1 平成 30 年 4 月より研究開始を予定する。
2 平成 29 年度は、大腸カプセル内視鏡による 潰瘍性大腸炎重症度評価スコアを論文化した。さ らにカプセル内視鏡アトラスについては、「大腸 カプセル内視鏡を用いた潰瘍性大腸炎内視鏡画 像アトラス」が完成した。
3 本邦でしか実施できない Progress study 2 で、世界の CD 小腸モニタリング strategy を改革 するとともに、臨床現場に有用な CD 新内視鏡ス コアを開発して参りたい。
F. 健康危険情報 1 なし。
2 なし。本研究に起因する有害事象を認めず。
3 なし。
G. 研究発表
1 論文発表、学会発表ともになし。
2 細江 直樹, 緒方 晴彦、他。拡大シングルバ ルーン小腸内視鏡、プローブ型共焦点レーザー内 視鏡を使用した小腸観察, 第 103 回日本消化器病 学会総会, 2017 年 4 月, 東京
3 論文発表、学会発表ともになし。
H. 知的財産権の出願・登録状況
(予定を含む)
1.特許取得 すべて無し。
2.実用新案登録 すべて無し。
3.その他 すべて無し。