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第62回東海小児循環器談話会

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日本小児循環器学会雑誌 13巻1号 98〜100頁(1997年)

第62回東海小児循環器談話会

日時 平成8年/0月12日 場所 社会保険中京病院

世話人 松島 正気(社会保険中京病院小児循環器科)

 1.肺高血圧及び大動脈瘤,冠動脈瘤などの血管病

変を合併した慢性活動性EBウイルス感染症

(CAEBV)の1例

    名古屋大学小児科

      倉石 健治,長野 美子,安田東始哲       生駒 雅信,拓植 郁哉,森島 恒雄       長嶋 正實

 9歳女.H4.5.蚊刺部水庖・潰瘍,発熱.肝機能障 害とIgE高値あり. H8.6.心音,胸部X線で肺高血 圧疑われ入院.リンパ節腫脹,貧血,血小板減少,肝 機能障害あり.EBV VCA IgG 1,280, IgM〈10;EA IgG 2,560, IA 160;EBNA l60(倍),末梢血PCR EBV(+)からCAEBVと診断.心臓カテーテル検査 でPA圧97/43(66)(同時Ao圧117/65(83))0,投与 後63/20(41)へ低下.バルサルバ洞拡大,大動脈壁解 離,左冠動脈瘤を合併した.

 2.ダブルマスターにてST低下を認めた川崎病後 遺症の1例

    名古屋第二赤十字病院小児科

      武田  紹,矢守 信昭,岩佐 充二  発症後4年経過した6歳の川崎病後遺症(Anl Seg 6〜11,SS Seg 1〜4CL from CX, OC Seg 6側副血行 路あり.)を経験した.患児は負荷心筋シンチに異常所 見があるものの,日常生活に関しては無症状であった.

この病変に対し内科療法のみとCABGが治療戦略に 考えられたが,若者に対するCABGの遠隔成績がまだ 不満足なことから,出席者の意見は内科的治療のみが 大多数であった.

 3.肺高血圧を合併した胎児性アルコール症候群

(FAS)の1例

    名古屋第一赤十字病院小児医療センター循環     器科

      鈴木 淑子,瀧本 洋一       中村 重男,羽田野為夫

別刷請求先:(〒466)名古屋市昭和区鶴舞65      名古屋大学医学部小児科  長嶋 正實

 FASでは呼吸障害や肺高血圧合併報告が少ないが,

今回PFCで発症,高度肺高血圧合併例を経験した.症 例は37wOd,996gで出産, m−VSDの合併があり,血 流方向の変化により右室圧の推移を評価しやすかっ た.PFC軽快後, BPDとなり,心エコーでVSD短絡 血流は右左になったが,ステロイド吸入で軽快した.

生後120口目頃より再び多呼吸,頻脈となり心エコーで 強い右心負荷所見(TR流速5.2m/sec)を認め,生後 127日目に死亡した.剖検にて心構造異常なく,肺組織 所見はHeath−Edwards分類II度だった.

 4.重症乳児端息をともなった心室中隔欠損の1例     岐阜大学小児科 加藤 義弘,伊上 良輔       寺本 貴英,近藤 直実  症例は7カ月男児.1カ月時,4カ月時に呼吸困難

にて人工呼吸管理を受けた.今回入院前r]より喘鳴が 出現し,呼吸困難増強し人工呼吸管理となった.アレ ルギー検査では卵白,卵黄,牛乳,大豆,ハウスダス ト等で陽性であり,気道収縮作用をもつトロンボキサ ンはB2(TXB2)は2,700pg/mlと異常高値であった.

他の先天性心疾患でもTXB2値は呼吸状態不良群で 上昇しており,本症例の重症化の一因と考えられた.

肺動脈平均圧は32mrnhg, Qp/Qsは3.32であり,手術 後の経過は良好である.

 5.BWG症候群2例のカラードップラー所見

    愛知医科大学小児科     杉本 和優     社会保険中京病院小児循環器科

      小川 貴久,後藤 雅彦,松島 正氣     同心臓血管外科

      石田 英樹,竹村 春起,櫻井  一       岩瀬 仁一,佐井  昇,前田 正信     安城更生病院小児科     小川 昭正     磐南市民病院小児科     辻  明人  僧帽弁逆流を機に発見された左冠動脈肺動脈起始症

(BWG症候群)2例において,右冠動脈から発達する 側副血行路を,カラードップラー法を用いて観察し,

心室中隔内に異常血流シグナルを認めた.2例とも大 動脈短軸像では大動脈から分岐しているように見えた

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口小循誌 13(1),1997

が,症例1は右冠動脈の拡大と肺動脈に環流する血流 シグナルを認め,症例2は右冠動脈の拡大は認めな かったが,肺動脈に環流する血流シグナルを認めた.

 6.VSDを伴う右室低形成(肺動脈閉鎖)

    大坦市民病院小児循環器科

      大橋 直樹,西端 健司,田内 宣生     同 胸部外科

      成田 裕司,加藤 紀之,村山 弘臣       原  修二,玉木 修治

 今回我々はPA with VSDでhypoplastic RVを示 した症例を経験した.Thine Andersonらは,三尖弁組 織によって閉塞されたVSDを伴うPAが,臨床像や,

解剖学的形態は純型肺動脈閉鎖によく類似し,その中 にhypoplastic RVを示す症例があることを報告して いる.本症例も,PA with VSDにも関わらず, hypo−

plastic RVを示した背景には,何らかの理由でVSD がrestrictiveであったと考えられた.

 7.心不全にて発症した単純型大動脈縮窄症の乳児     聖隷浜松病院小児科

      瀬[ 正史,山守かずみ,西尾 公男       横山 岳彦,鬼頭 秀行

    聖隷浜松病院心臓血管外科

      小出 昌秋,酒井  章  症例は日齢43(在胎39週,出生体重3,242g)の男児.

体重増加不良にて紹介された.多呼吸(63/分),皮膚 色蒼白であったが,ギャロップで心雑音はLevine I/

VIであった.下肢の脈拍微弱のため,大動脈縮窄を考 慮して,心エコー検査を行い,単純型大動脈縮窄症,

僧帽弁閉鎖不全症,心不全と診断.入院当日にsub−

clavian flap法にて,大動脈弓再建を行った.術後も左 室はEFE様に収縮不良が持続していた.心雑音のな い重症先天性心疾患の早期発見の努力が今後も望まれ

る.

 8.AS, PSを合併したNoonan症候群の1例

    名古屋市立大学小児科

      渡部 珠生,佐野 洋史       早川  聡,水野寛太郎  症例は22歳女児.特異的顔貌,翼状頸からNoonan 症候群と診断されている.出生時から心雑音あり,3 カ月時当院初診,val. AS and val PSと診断.9カ月

時BVP施行,圧差はそれぞれ60から30mmHgへ,50

から40mmHgへ減少した.2年後再度カテーテル検査 施行,AS, PSとも圧差は消失していた. AS, PSを 合併したNoonan症候群は現在まで報告がなく,また

99−(99)

遠隔期において良好な結果を得ることができたBVP であったので報告した.

 9.バルーン拡大術後にエコーにてIEを疑われ,

準緊急手術となったcongenital ASの1治験例     市立岡崎病院心臓血管外科,小児科*

      梶山  真,関   章,佐々木通雄       増本  弘,浅岡 峰雄,大森 京子*

      長井 典子*,小倉 良介*

 症例:16歳,男.身長:168cm,体重:61.3kg.

 現病歴:平成2年よりASとして他院にてフォロー され,平成5年より症状が進行したため当院心臓血管 外科に紹介,圧差が]OOmmHgのASと診断し,当院小 児科で翌平成6年3月バルーンによる狭窄解除術を 行った.ARはIlr〜IV となったが,心機能は良好なた め経過観察していた.平成7年12月には異常エコーは 無かったが平成8年8月の検診でi無冠尖と左冠尖の交 連部に涜贅を思わせる異常エコーが検出されたため,

IEを疑い,抗生剤の投与をしつつ,準緊急で手術と なった.弁は,LCCとRCCが癒合しており,その無冠 尖よりの弁が一部裂けており,これが疵贅と見えたと

思われる.OMNICARBON#23にてAVRを行い,そ

の後は経過良好である.

 結語:バルーンによる弁切開は侵襲も少なく比較的 安全な手技であるが,術後にARの増強等合併症もあ るため,慎重な術中術後の管理,フォローが必要であ

る.

 10.肺動脈絞拒術にて待機しJatene手術を行った 大血管転位症(II型)2例の遠隔期評価について     名城病院小児循環器科

      木村 隆,牧 貴子     同 心臓血管外科

      近藤 正文,平井 雅也       安田 敬志,牧  棟雄  心室中隔欠損を伴った大血管転位症の2症例につい て,4カ月時に肺動脈絞拒術を行い,成長を伴って1 歳7カ月と1歳9カ月時にJatene手術を行った.それ

ぞれ6歳1カ月時と7歳3カ月時に遠隔評価を行っ

た.肺動脈圧はほぼ正常であったが,共に弁輪拡大に よると思われる大動脈弁逆流と手術操作によると思わ れる三尖弁逆流が認められ,心胸郭比の拡大を残した.

現時点では,ジキタリス剤を内服のもとに元気に学校 生活を送っている.

 11.特異な形態を示した両大血管右室起始の1例     名古屋大学胸部外科,小児科*

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100−(100)

      酒井 喜正,渡辺  孝,宋  敏鏑       下村  毅,長嶋 正実*,村瀬 允也  症例は16歳,男性.生直後より心雑音認めた.1カ 月検診にてVSDと診断され,以後外来経過観察、6歳

頃よりAR認め,16歳時AR増強したため手術とな

る.チアノーゼの既往なし.

 手術所見:心臓外観はTGA様.心内所見はVSD

と三尖弁,肺動脈弁間に筋組織あり.バルサルバ洞が 著明に拡大している.心室中隔はバルサルバ洞の拡大 に伴いVSDの頭側部が前方に偏位した形態. VSD越 しにわずかに大動脈弁が観察できる.冠動脈走行は正 常.径1.5cmのパッチにてVSD閉鎖. ICU帰室後3時 間で抜管.

 12.右室二腔症の一治験例     岐阜大学医学部第1外科

      吉田 直優,古沢 泰伸,熊田 佳孝       安田 博之,久保 清景,高木 寿人       佐々木栄作,森  義雄,村川 真司       廣瀬  一

 症例は,3歳8カ月児.2歳10カ月時の心臓カテー テル検査にてDCRV, VSDの並存と診断され,左室内

圧較差30mmHg,左右短絡も8%であった.3歳6カ

月時の心エコーにて右室内圧較差の増大が疑われ心臓 カテーテル検査施行され,右室内流入部と流出部の間 に,72mmHgの圧較差を認めた.手術は経右房的に右 室内異常筋索切除,VSD直接閉鎖を施行した.術後,

右室内圧較差は20mrnHgにまで低下した.右室二腔症 の症例を経験したので報告した.

 13.VSD閉鎖術後,遠隔期に肺動脈狭窄を来たした 2例の経験

    社会保険中京病院心臓血管外科,小児循環器     科*,名古屋大学小児科**

      竹村 春起,前田 正信,佐井  昇       岩瀬 仁一,櫻井  一,石田 英樹       松島 正氣*,後藤 雅彦*,小川 貴久*

      長嶋 正實**

 2症例共VSD, PHの診断で1歳時にPA切開から

日本小児循環器学会雑誌第13巻第]号 VSD閉鎖術を受けた.術後心臓カテーテル検査にて

PAP, RVPの低下を確認後退院,症例1はminor

leakageを,症例2はRV内圧較差を残した.外来観察 中進行性PSを認め,それぞれ14歳,15歳時に体外循環 下右室流出路形成,PS解除術を行った. PA弁交連3 つのうち2つがVSD閉鎖そのものと,PA切開線が交 通に向かったことにより縫合時に固定され,弁輪成長 の妨げとなりPSを来したと考えられた.

 14.Single RV, non−confluent PA, bilateral

PDAの1例

    大垣市民病院胸部外科

      加藤 紀之,玉木 修治,原  修二       村山 弘臣,成田 裕司,小川 敦司       森  俊治

    同 小児循環器科

      田内 宣生,西端 健司,大橋 直樹  non−confiuent PA, bilateral PDAを伴ったRV typeのsingle ventricleに対し,生後2カ月半にrt、

modified BT shunt(PTEE 4rnm)を行った.術後PA のhigh flowのためLOSとなりPA bandir]g(φ3.l mm)を行ったが,その後PaO、が保てずbandingを解 除するなど肺血流のコントロールに難渋した.

 15.肺動脈絞拒術後のextracardiac fenestrated Fontan operationの1例

    名古屋市立大学第1外科

      鵜飼 知彦,三島  昇,浅野 實樹       山本 茂樹,斉藤 隆之,柳橋 理子       真辺 忠夫

 生後3カ月時に肺動脈絞拒術を施行された右室型単 心室,僧帽弁閉鎖,三尖弁閉鎖不全症の8歳男児に対

し,extracardiac fenestrated Fontan operationを施 行した.PARIは2.25u・M2, PA indexは333mm2/M2,

mPAPは18rnmHgであった.手術はDe Vega法にて

三尖弁縫縮術後,20mm人工血管で心外導管作成し8 mm Gore−Texでajustable communicationをつけ た.術後,心不全を伴うことなくチアノーゼ,運動能 力の改善がみられた.

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参照

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