ISSN 2189-3101
JSRT, Medical Informatics
日本放射線技術学会 医 療 情 報 部 会 誌
Vol. 18 , No1 , 34 巻 Apr. 2020
特集
「放射線部門からの医療経営を考える」公益社団法人日本放射線技術学会 医療情報部会
JSRT, Medical Informatics
目次
巻頭言 「現場で学習する AI 機器にどう向き合うか」
京都医療科学大学 名誉教授 細羽 実 1
伝言板 医療情報部会からのお知らせ
研究発表における研究倫理審査の徹底について 2
第 76 回総会学術大会(WEB) 第 35 回医療情報部会 抄録
シンポジウム 「データの質を担保するための放射線システムを考える」
「医用画像の統合管理 ~データ正確性とシステム利便性の両立~」
広島市立舟入市民病院 今井康介 3
「標準マスターで構築する放射線システム ~正確なデータ活用のために~」
北海道大学病院 濱口裕行 4
「リアルワールドデータの利活用における現状と課題~医療情報部の立場より解決方法を考える~」
国立がん研究センター中央病院 三原直樹 5
第 47 回秋季学術大会(大阪) 第 34 回医療情報部会 報告
教育講演 「医療経営学入門 -放射線部門をケースとして」 北海道大学大学院 小笠原克彦 6
シンポジウム 「放射線部門からの医療経営を考える」
「医療機器の導入・更新の考え方」 東北大学病院 坂本博 --
「放射線部門における DWH の利活用」 近畿大学奈良病院 山下順也 33
「病院経営における診療放射線技師に求められる役割」 JCHO 下関医療センター 中尾哲 48
医療情報部会活動報告
第 11 回 PACS Basic セミナー(大阪) 近畿大学奈良病院 安田満夫 80 第 26 回 PACS Specialistセミナー(名古屋) 福井大学病院 大谷友梨子 82
編集後記 83
巻頭言
現場で学習する AI 機器にどう向き合うか
京都医療科学大学 名誉教授 細羽 実
筆者が医療情報部会(前身の委員会も含めて)に関わり始めて、17年になる。早いものである。過 去の歴史を振り返ることも大事であるが、ここでは、2026年には26兆円の世界市場となるとい われ、急速な進展をみせているAIについて触れてみたい。
多くのAIデバイス(AI-based medical care device、AIによって自動化された機器)が次々と 医療現場に入って来ている。特に、医用画像診断の分野は、読影支援だけではなく、撮影の自動 化など、AIの進歩における最前線といわれている。2019年のRSNAでは、123のベンダが展示 を行った。その1/4弱はFDA-510Kを通っているとの報告もある。今後のAIは現場で学習する ものがスコープに入ってくる(FDAもガイドラインを準備している)。今や現場の担当者、機器 の開発者は、AIとどう向かい合えばよいかが問われる状況となった。米国放射線技師協会は、企 業関係者も含めたラウンドテーブルを設置し、このテーマについて、技術者(技師)の意識調を 行い、検討結果をホワイトペーパーにまとめた。(The Artificial Intelligence Era: The Role of Radiologic Technologists and Radiation Therapists. 2020/1/22) 以下、レポートにあるいくつ かの課題を挙げる。
AIは、このレポートでは診断そのものではなく、予測であり、アクションではなく、リコメン デーションであると位置付けている。従って、決定するのは現場の技術者であり、アクションの 際には AI の出すリコメンデーションに従うとは限らないため、そのプロセスは透明にする必要 がある。患者にAIのリコメンデーションについて十分に説明できなければならないとしている。
医療情報に関与する立場で気になることは、AIにどこまで個人情報を渡し、リコメンデーション をさせるのかという点である。機械はデータを次々と記憶蓄積しており、これらの個人情報の保 護が問題となる。AIには個人の情報を用いて学習を行わせる必要もある。個人に特化した画像診 断(あるいはポジショニングなど)を学習できるからである。そのためにはAIは個人の様々な情 報が必要であり、健康情報も対象となる。個人が集めたデータを利用する場合は、医療機関のデー タとは異なる取り扱いが生じる。AIシステムには現在のソフトウェアによる医療情報を中心とし た個人情報の取得ポリシーを超えた透明性、プライバシー、セキュリティ、データの管理権限な どを検討することが求められる。特にポリシーについてはシステムの処理の透明性の確保が求め られ、人の判断がAIと乖離した場合の対応ルールを決めなければならない(倫理コードなど)。
これらはAI機器を作る側、放射線科学の研究者、研究者に対する課題である。日々学習するAI に対しては、提供するデータの信頼性を確保し、データを精選することが必要である。データの 質、的確なラベリング(何が正解かを教える)をどう確保するかが問われる。学習させるデータ セットの選び方では思わぬバイアスが生じる可能性がある。学習するための最も信頼性のある データは、現場の専門家から得ることになる。結果、それらのデータで学習したAIの動作に責任 が生じる可能性さえある。AI が正しく動いていることの確認を日々誰がどう行うのかが問題と なってくる。
AIの進化は激しい。現場にはbutton pusherになってしまうのではないかといった不安もある かもしれない。これらの課題の議論を少しずつ、遅れることなく進めていくことが必要である。
今後も、医療情報部会はこれらの議論の中心的役割を果たす存在として益々重要なものになって くるものと思われる。
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伝言板
研究発表における研究倫理審査の徹底について
医療情報部会
日本放射線技術学会では学術研究ならびに学会活動における行動規範として「倫理規定」
を制定しており、その運用ならびに具体的な活用方法について「倫理規定の適切な取り扱い のためのガイドライン」を公開しています。
医療情報学に関連する研究では、HIS・RIS・PACSから取得したデータを用いた分析や、ア ンケート調査などは医学研究に分類され、事前に倫理委員会への医学研究倫理審査の手続き が必要になります。審査には医学研究倫理審査申請書、研究計画書などの提出が必要であり、
特に個人情報保護やインフォームド・コンセントに関する内容に関して重点的に審査が行わ れます。承認までに時間が掛かることもありますので、余裕を持って申請手続きを行うよう にご注意ください。なお、倫理委員会への申請において審査不要と判断された場合には、本 学会では「倫理承認を得た」と同様に扱われます。自分の研究について倫理審査が必要かど うか不明な場合には、まずは各施設の倫理委員会へ審査が必要であるかをあらかじめ確認す るようにしてください。
医療情報分野の研究発表においても、学会で定める倫理審査に関する基準を通していない ため、不採択となった演題があります。研究発表における研究倫理審査について、ご不明な 点がありましたら、医療情報部会委員までお気軽にご相談下さい。
出典:日本放射線技術学会「倫理規定の適切な取り扱いのためのガイドライン」 (ver.7.0) , 2019.
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第 76 回総会学術大会(Web)第 35回医療情報部会シンポジウム データの質を担保するための放射線システムを考える
「医用画像の統合管理 ~データ正確性とシステム利便性の両立~」
広島市立舟入市民病院 今井 康介
近年、医用画像情報、検査情報、文書等を統合管理するシステムを導入する施設が増えている。この統合管 理においては、全ての情報を俯瞰的に参照できる一方で、診療の過程で発生する全ての医用画像や文章等 のデータがきちんと検索可能な状態で保存、管理されているかが重要である。特に、診察室や病室等で行わ れる自科検査では、オーダの未発行による付帯情報の欠損等の問題が生じやすく、データ正確性の確保が求 められるが、一方で自科検査時は時間的に余裕のない場合が多く、手間のかかる作業を行うことは困難である ため、システム利便性の確保も同時に求められる。また、統合管理システムの利用者は全職種であるため、あ らゆる職種に対して視認性、操作性の良いシステム構築が求められる。
本講演では、データ正確性とシステム利便性の両立のためのシステム構築について話させていただくととも に、市立病院機構内のサーバ・患者 ID の統合に向けた将来的なビジョンについても紹介させていただく。
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第 76 回総会学術大会(Web)第 35回医療情報部会シンポジウム データの質を担保するための放射線システムを考える
「標準マスターで構築する放射線システム
~正確なデータ活用のために」
北海道大学病院 濱口 裕行
「HIS、RIS、PACS、モダリティ間予約、会計、照射録情報連携 指針(JJ1017)」は、放射線部門で取り扱われ ている検査情報マスタコード(検査マスタ)を標準化したものである。医療機関にとって期待される導入効果の ひとつは、HIS や RIS などのシステム更新によって導入ベンダが代わった場合においても、標準マスタをもとに できることである。これにより、最初から新しい検査マスタを作成することなく、システム更新後も長期的に整合 のとれた情報の蓄積を行うことができる。また、装置から出力される画像情報には JJ1017 コードを DICOM タグ のなかに埋めることによって、このたび義務化された線量情報の記録とともに活用できる可能性がある。本講演 では線量情報の管理を行っていくことなど、将来的に標準マスタが活用できる場面を想定し、正確なデータ活 用を行うために JJ1017 に期待されることについて考察する。
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第 76 回総会学術大会(Web)第 35回医療情報部会シンポジウム データの質を担保するための放射線システムを考える
「リアルワールドデータの利活用における現状と課題
~医療情報部の立場より解決方法を考える~」
国立がん研究センター 三原 直樹
病院情報システムの利用者は、ある一人の患者の状況を把握するために、電子カルテの記事記載、初診時 の記録、生化学検査結果、PACS の画像 Viewer、病理のレポート Viewer など複数の画面を都度表示、情報を 収集してから診療にあたっている。必要な情報を迅速に収集し効率的な診療を行うために、その場面(イベン ト)に応じて、これらの記事記載や看護記録、各種検査レポート、文書などのコンテンツを一元管理し統合的に 閲覧する事が可能な Viewer 機能への現場のニーズは大きい。
また臨床研究や疾患レジストリなどにデータセットを提供する場面でも、一般的には必要な項目を収集する 労力が多大であり、これを支援するシステムへのニーズは大きい。
診療および研究に資する情報、データが一元管理され、統合的に参照可能かつ必要なデータセットを簡便 に抽出できるシステムが実現すれば、いわゆるリアルワールドデータの利活用において非常に有用であると考 える。
本発表では、キャノンメディカルシステムズ(株)と共同で開発している統合 Viewer を参考にこの考え方につ いて考察する。
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第 47 回秋季学術⼤会(⼤阪)第 34回医療情報部会
医療経営学入門~放射線部門をケースとして~
北海道大学大学院保健科学研究院 小笠原 克彦
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第 47 回秋季学術⼤会(⼤阪) 第 34 回医療情報部会 シンポジウム
「放射線部門からの医療経営を考える」
放射線部門における DWH の利活用
近畿大学奈良病院 山下 順也
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第 47 回秋季学術⼤会(⼤阪) 第 34 回医療情報部会 シンポジウム
「放射線部門からの医療経営を考える」
病院経営における診療放射線技師に求められる役割
JCHO 下関医療センター 中尾 哲
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医療情報部会報告
第 11 回 PACS ベーシックセミナー (大阪)
近畿大学奈良病院 安田 満夫
2019 年 11 月 16 日(土)に第 11 回 PACS ベーシック セミナーを開催しました。医療情報に関わる基本的な知 識の習得の場として、近畿支部の協力の下、部会主催 のセミナーを開催するとともに、支部所属の医療情報業 務を担当されている方を講師陣に迎え、支部の人材育 成も同時に行っています。
【セミナー概要】
日時:2019年11月16日(土)
9時30分〜17時00分 会場:大阪市立大学 医学部学舎 主催:日本放射線技術学会 教育委員会 医療情報部会 共催:日本放射線技術学会 近畿支部 後援:一般社団法人 日本医療情報学会
一般社団法人 日本医用画像情報専門技師 共同認定育成機構
【プログラム】
◯講義 1 医療情報って何なのだ?
「知っておきたい基礎知識」
大阪国際がんセンター 正岡 祥 近畿大学奈良病院 安田 満夫
◯講義 2 医療情報管理とは?
「知っておきたい PACS の構成とネットワークの知識」
県立広島病院 須藤 優
◯講義 3 業務に使える標準規格とは?
「知っておきたい DICOM,PDI,JJ1017」
福井大学病院 大谷 友梨子 国立循環器病センター 山本 剛
◯講義 4 基礎から学ぶ困ったときの知恵袋
「知っておきたいガイドラインの紹介」
大阪医科大学附属病院 五孝 大 豊橋市民病院 原瀬 正敏
◯セミナー総括
大阪国際がんセンター 川眞田 実
【参加者状況】
53名
(医療情報技師 33名,医用画像情報専門技師5 名)
【総評】
ベーシックセミナーは、これから医療情報に関わろうと する初学者向けのセミナーでありますが、参加者数は定 員を超える申し込みをいただき、医療情報を学ぶ人材が 増えていることを実感いたしました。
講義内容は、医療情報の幅広い基礎知識に加え、実 例を交えながら参加者が実際の運用や役割をイメージ できるように講義していただきました。また、標準規格や ガイドライン等の講義では、現時点の内容とテキストであ る叢書との間に乖離する部分があるため、参加者に間違 った内容が伝わらないよう、補足資料を作成・追加し、セ ミナーを進めました。セミナー総括では、線量管理にお ける医療情報について、基礎から今後の動向について 補足説明をいただきました。
アンケート結果では本セミナーの継続的な開催の要 望があり、参加者が求める情報を継続的に調査し、医療 情報の動向に即した講義となるよう、今後も部会として検 討を図っていく予定です。
本セミナーの開催にあたって、多大なるご協力を賜り ました近畿支部の皆様に深謝いたします。
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【アンケート結果】 回答率92%(49/53)
1.年齢層
2.勤務先
3.経験年数
4.情報業務経験年数
5.参加目的
6.セミナー情報源 医療施設
67%
企業 29%
研究施設 2%
その他 2%
10年以下 47%
11〜
20年 29%
21〜30年 12%
31年以上
4% 経験なし 8%
10年以下 41%
11〜20年 4%
21〜30年 4%
経験な し 51%
20代 24%
30代 33%
40代 27%
50代 16%
業務で必要 35%
自己研鑽 51%
認定ポイント 14%
技術学会雑誌 12%
ホームページ 47%
メーリングリスト 29%
知人の紹介 10%
その他 2%
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医療情報部会報告
第 26 回 PACS Specialist セミナー(名古屋)
福井大学医学部附属病院 大谷 友梨子
2020 年 1 月 18 日(土)に第 26 回 PACS Specialist セミナーを開催しました.医療情報システムが普及 するなか,厚生労働省標準規格である「HIS,RIS,PACS,
モ ダ リ テ ィ 間 予 約 , 会 計 , 照 射 録 情 報 連 携 指 針
(JJ1017)」は放射線領域における標準マスタの役割,
大規模災害を想定した事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)の考え方,さらには電子的な線量 管理の必要な知識を整理するため,システム構築や データ活用事例等を行っています.
【セミナー概要】
日時:2019 年 1 月 18 日(土)
9 時 20 分〜17 時 45 分
会場:キヤノンメディカルシステムズ株式会社 中部支社 主催:日本放射線技術学会 教育委員会
医療情報部会 共催:日本放射線技術学会 中部支部 後援:一般社団法人 日本医療情報学会
一般社団法人 日本医用画像情報専門技師 共同認定育成機構
【プログラム】
◯講義 1 -解決!コード作成の問題点-
「これならできる JJ1017」
豊橋市民病院 原瀬 正敏
◯講義 2 -頻用に無いコードを作成してみよう-
「実践 JJ1017(実習形式)」
大阪国際がんセンター 川眞田 実
◯講義 3
「線量情報の収集と活用について」
福岡大学病院 上野 登喜生
◯講義 4 -医用画像部門システムを中心に-
「はじめてみませんか BCP」
みやぎ県南中核病院 坂野 隆明
◯講義 5 -グループ討論と BCP の作成-
「実践 BCP(実習形式)」
福井大学医学部附属病院 大谷 友梨子
◯特別講義・セミナー総括
「東北大学病院における BCM」
東北大学病院 坂本 博
【参加者状況】
17 名
(医療情報技師 10 名,医用画像情報専門技師 0 名)
【総評】
Specialist セミナー開催後のアンケート調査によ り,参加者の多くは 30,40 代の医療情報分野を 5 年 程度行われている方でした.
現時点では JJ1017 をオーダマスタとして利用して いる施設は少なく,利用方法がわかりづらいなどの 意見をいただいています.本セミナーでは座学と実 習を組み合わせることで,参加者の方には理解しや すかったと回答をいただいております.
また、参加者の方はご自身の職場環境において BCP 策定に関与することが少ないかもしれませんが,グ ループ実習では, システム障害発生時の課題に対し て,グループでどのような対策を行うか話し合うこ とで新たな発見ができ,非常に有用であったとの意 見をいただきました.
本セミナーの開催にあたって,多大なるご協力を 賜りました中部支部の皆様に深謝いたします.
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Network [編集後記]
医療情報部会誌 34 号をお届けいたしました.
この度の新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い,第 76 回総会学術大会(横 浜)は,WEB 等を活用した学会および展示会で実施する事となりました.第 35 回医療情報部 会企画として大会長である奥田保男先生に「医療情報のむかし,いま,これから〜医療情報 領域の振り返りと課題の棚卸し〜」というタイトルにて教育講演を予定しておりました が,Web 開催に伴い,今回の講演を割愛させていただく事になりました.医療情報部会として 苦渋の決断であり,事前に頂いていた前抄録の一部をせめてもの思いとして掲載をさせて いただきます.
福沢諭吉が「活用なき学問は無学に等しい」と説いています.これは「実学」に繋がる言 葉ではありますが,「実学」は決して「今」だけではなく,「過去」を振り返り学ぶと共に,
「新たな視点」を取り入れることです.そしてここで重要なことは「アウトプットを前提に インプットを行う」という姿勢が重要ではないでしょうか.
この抄録の一文が,これまで経験されてきた研究・学問との向き合い方の極意であると感 じられます.私たちも日々の実務の中で,行動の目的を理解し,その目的を意識しながら検 討課題や問題解決に挑み続けたいものです.
シンポジウムでは「データの質を担保するための放射線システムを考える」と題して, データの正確性とシステム利便性をどのようにして両立させるか,データの利活用の現状 と課題についてシステムのあるべき姿をさまざまな立場の演者の方々にご登壇いただき, 活発な議論をしていただきます.今回は Web配信という「新たな視点」から聴講すること になります.裏を返せば,会場の収容人数を制限されず,時間の制約を受けない環境で聴講 できるというメリットもあります.皆様,是非とも Web参加登録をしていただき,これから のアウトプットを前提にした活用できるインプットをしていただければ幸いです.
また,第 47 回秋季学術大会(大阪)の報告として,教育講演では「医療経営学入門 -放射 線部門をケースとして」,シンポジウムでは,「放射線診療部門からの医療経営を考える」と 題したシンポジウムのスライドを掲載しております.診療放射線技師に求められる医療経 営の視点からの医療機器の導入・更新のアプローチ,データの利活用の方法,これからの地 域連携のあり方についてご講演いただきました.
今回も多くの執筆者に支えていただき,会誌を発行することができましたことをこの場 をお借りして御礼申し上げます.今後も学術大会やセミナー開催を通して,医療情報分野の 最新知見や臨床現場での活用について情報を発信していきます.会員の皆様からもご意見 などお寄せください.(編集委員一同)
公益社団法人 日本放射線技術学会 医療情報分部会誌 2020.Apr. (第 34 号) 令和 2 年 4 月 1 日発行
発行所 公益社団法人 日本放射線技術学会 医療情報部会
〒600-8107 京都府京都市下京区五条通新町東入東錺屋町 167 ビューフォート五条烏丸 3F
Tel 075-354-8989 Fax 075-352-2556 発行者 川眞田 実(部会長)
編集者 大谷友梨子、須藤優、谷川原綾子、安田満夫、谷川琢海 ISSN 2189-3101
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