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「特集 環境リスクと統計解析 データ基盤構築と解析 」について

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統計数理(

2013

61

巻 第

2

179–179 2013 c

統計数理研究所

特集「環境リスクと統計解析―データ基盤構築と解析―」

「特集 環境リスクと統計解析 データ基盤構築と解析 」について

金藤 浩司 ・吉本 敦

(オーガナイザー)

気候変動,大気汚染,放射能汚染など環境分野の複雑化した諸課題の解決には,適切な科学 的根拠に基づいた解析,評価が必要となります.また,環境データの収集やその解析,評価の 各段階では,手順や方法が適正に示され,その内容が検証可能でなければなりません.これら の事項が諸課題に関する解決策の提示後において最終的な問題解決に向けた合意形成の手助け となります.幅広い環境分野での諸課題に対して適切な統計科学的情報基盤(環境情報データ ベースの構築,新たな統計的方法論の開発,各種の問題に対する応用事例の提示など)を提供 するために,統計数理研究所はリスク解析戦略研究センターにおいて,環境統計学に関連する 複数のプロジェクトを実施しています.本特集号は,それらのプロジェクトの関係者を中心に,

環境リスクをキーワードとして,環境情報の整備,これらの情報を適切に解析するための統計 的方法論の開発,そして具体的な事例の解析までも含めた論文で構成しました.

まず,加茂憲一(札幌医科大学)らは森林の冠雪害に関するリスク解析をロジスティック回帰 モデルや多項ロジット回帰モデルを用いて報告しています.光田靖(宮崎大学)らは,長期間継 続調査がなされている試験地のスギ成長データに基づいて林分成長モデルのパラメータ推定を 行っています.尾張敏章(東京大学)は東大の演習林で長期間収集されたデータに基づく林分成 長に関するモデル化とその管理に伴う定量的リスク評価を行っています.光田靖(宮崎大学)ら は,森林炭素動態シミュレーションを用いて気候変動リスクを評価しています.竹下潤一(産 総研),蒲生昌志(産総研)は,化学物質の代替におけるリスクトレードオフ評価において化学 物質のリスク評価を行っています.大瀧慈(広島大学)らの論文では,土壌放射能汚染の地理分 布の現状分析と土壌放射能汚染と空間放射線量との相関について分析しています.環境情報の 整備について,大澤剛士(農環研),神保宇嗣(国立科学博物館)は大規模な環境データに対する メタデータフォーマットの標準化の方法論を提示し,大規模データを利用した環境科学研究の 課題を論じています.新たな統計的方法論の構築では,清水邦夫(慶應義塾大学),王敏真(慶 應義塾大学)は,環境データに散見される角度データの解析の基盤となる方向統計の方法論を 提示し,角度変数間の回帰モデルや構造モデルに関する最近の結果を紹介しています.また,

南美穂子(慶應義塾大学),

Lennert-Cody Cleridy

IATTC

)は,生産資源評価に有効な計数デー タ解析の方法として負の2項回帰モデルを用いて考察しています.長尾大道(東京大学),樋口 知之(統数研)は,地震音波伝播の数値シミュレーションと微気圧観測データの融合による地震 音波データ同化システムを開発しています.

今回の特集号が更なる環境分野への統計科学の貢献に寄与し,相互の学問分野のさらなる発 展につながることを願っております.

統計数理研究所:〒

190–8562

東京都立川市緑町

10–3

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