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ひずみ集中帯の重点的調査観測・研究

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3.1.5 ひずみ集中帯発生にかかわる地殻構造の研究 目 次 (1) 業務の内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・145 (a) 業務題目 (b) 担当者 (c) 業務の目的 (d) 6か年の年次実施計画(過去年度は、実施業務の要約) 1) 平成19年度 2) 平成20年度 3) 平成21年度 4) 平成22年度 5) 平成23年度 6) 平成24年度 (e) 平成24年度業務目的 (2) 平成24年度の成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146 (a) 業務の要約 (b) 業務の実施方法及び成果 1) 石狩低地東縁断層周辺での自然地震観測 a) 自然地震観測の継続 b) 自然地震観測データ処理 c) P 波地震波速度構造解析 2) 石狩低地東縁断層帯周辺での比抵抗構造探査 3) 樽前山での地震観測 a) 自然地震観測の継続 b) 自然地震観測データ処理・解析 4) 樽前山・十勝岳での地殻変動観測 a)繰り返し GPS 観測 b)干渉 SAR 解析 c)検出能力の評価 d)検出能力向上のための GPS 観測点配置 (c) 結論ならびに今後の課題 (d) 引用文献 (e) 成果の論文発表・口頭発表等 (f) 特許出願、ソフトウエア開発、仕様・標準等の策定

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(1) 業務の内容 (a) 業務題目 ひずみ集中帯発生にかかわる地殻構造の研究 (b) 担当者 所属機関 役職 氏名 メールアドレス 国立大学法人北海道大学 大学院理学研究院 教授 茂木 透 [email protected] 同 教授 村上 亮 [email protected] 同 教授 谷岡 勇市郎 [email protected] 同 准教授 高橋 浩晃 [email protected] 同 准教授 橋本 武志 [email protected] 同 准教授 大島 弘光 [email protected] 同 准教授 勝俣 啓 [email protected] 同 助教 森 済 [email protected] 同 技術専門職員 一柳 昌義 [email protected] 同 技術専門職員 高田 真秀 [email protected] 同 技術専門職員 鈴木 敦生 [email protected] 同 技術職員 山口 照寛 [email protected] 同 嘱託職員 前川 徳光 [email protected] 同 博士研究員 奥山 哲 [email protected] 同 補佐員 黒井 和典 [email protected] (c) 業務の目的 北海道中軸帯では、島弧衝突の影響による活断層が分布しており、そこでのひずみ集中 が測地学的に観測されている。その発生機構を解明するため、稠密な自然地震観測や地磁 気地電流法(MT)観測を実施し、詳細な震源分布や地殻比抵抗構造等を把握する。それらの 関連性を調査することで、地震活動と地殻不均質構造との関係や、地震発生に大きくかか わっていると考えられている地殻流体分布等を調査し、ひずみ集中発生機構に関する新た な知見を得る。 (d) 6か年の年次実施計画(過去年度は、実施業務の要約) 1) 平成19年度:ひずみ集中帯にかかわる地殻構造の研究に用いる自然地震観測システム を整備するとともに、ターゲットである石狩東縁断層帯においてそれを効果的に運用でき るような地震観測点配置等の検討を行った。 2) 平成20年度:ひずみの集中が観測されている石狩低地帯周辺での地震活動を把握する ため自然地震観測を開始した。地殻構造や流体の分布を調査するために、同地域で比抵抗 構造探査を実施した。 3) 平成21年度:自然地震観測を継続し、地震観測データの蓄積を図った。火山での地震、 地殻変動観測を継続した。比抵抗構造の空間密度を上げるための電磁気観測を実施した。

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4) 平成22年度:自然地震観測を継続し、地震観測データの蓄積を図った。火山での地震、 地殻変動観測を継続した。比抵抗構造の空間密度を上げるための電磁気観測を実施した。 5) 平成23年度:自然地震観測を継続し、地震観測データの蓄積を図るとともに、予備解 析を実施し、最適な震源決定手法について検討した。火山での地震、地殻変動観測を継続 した。比抵抗構造の空間密度を上げるための電磁気観測を実施するとともに、予備的な解 析を実施し、初期構造モデルを得た。 6) 平成24年度:自然地震観測を継続し、かつ、比抵抗構造の空間密度を上げる電磁気 観測を実施するとともに、地震データ・電磁気データの解析を実施し、詳細な震源分布や 比抵抗構造等を得る。火山での地震、地殻変動観測データを総合的に解析する。これらの データを総合的に検討し、ひずみ集中機構に関する知見を得る。 (e) 平成24年度業務目的 ひ ず み の 集 中 が 観 測 さ れ て い る 石 狩 低 地 帯 周 辺 で の 地 震 活 動 を 把 握 す る た め 、 自 然 地 震 観 測 を 継 続 す る と と も に 、得 ら れ た 読 み 取 り 値 を 用 い て 地 震 波 速 度 構 造 解 析 を 実 施 し 、そ れ を 用 い た 高 精 度 震 源 決 定 を 行 う こ と に よ り ひ ず み 集 中 帯 で の 地 震 活 動 特 性 を 明 ら か に す る 。 ま た 、 ひ ず み 集 中 と 火 山 活 動 と の 関 連 性 を 明 ら か に す る こ と を め ざ し 、 ひ ず み 集 中 帯 の 西 縁 部 に 位 置 す る 樽 前 火 山 に お い て 、 活 動 を 把 握 す る た め 地 震 観 測 を 継 続 す る と と も に 、 G P S の 繰 り 返 し 測 量 を 実 施 し 、 こ れ ま で の 地 殻 変 動 観 測 デ ー タ を 総 合 的 に 解 析 す る 。ひ ず み 集 中 帯 の 東 端 に 位 置 す る 十 勝 岳 に お い て 、地 殻 変 動 源 の 深 さ 分 解 能 向 上 に 影 響 を 与 え る 観 測 網 の 空 間 配 置 を 最 適 化 す る た め 、 G PS 、 合 成 開 口 レ ー ダ ー 、 そ の 他 の 地 殻 変 動 観 測 等 を 総 合 的 に 組 み 合 わ せ た 地 殻 変 動 観 測 手 法 を 開 発 し 、火 山 を 含 む 他 の ひ ず み 集 中 帯 へ の 適 用 法 を 示 す 。地 殻 構 造 や 流 体 の 分 布 を 調 査 す る た め に 石 狩 地 域 で 行 っ た 電 磁 気 観 測 ( マ グ ネ ト テ ル リ ク 法 探 査 等 ) デ ー タ を 解 析 し 、 三 次 元 比 抵 抗 構 造 を 求 め た 上 で 、 ひ ず み 集 中 の 地 下 構 造 の 特 徴 を 明 ら か に す る 。 (2) 平成24年度の成果 (a) 業務の要約 自 然 地 震 観 測 デ ー タ の 解 析 に よ り 、 石狩低地東縁断層南部の断層ラインよりも東側 で地震活動は活発であることが分かった。ま た 、 P 波 速 度 構 造 に よ り 石狩低地ひずみ集 中帯は、西部の高速度域と東部の低速度域との間の明瞭な構造境界に位置しており、この ような構造境界がひずみを集中させる機構の背景であると考えられる。M T 法 に よ る 比 抵 抗 構 造 探 査 の 結 果 、 西〜北側の高比抵抗域と南東部の低比抵抗域との間に広域的な構造 境界が存在し、その付近には局所的に比抵抗の低い流体の豊富な領域があり、弱部を形成 していると推定される。ひ ず み 集 中 と 火 山 活 動 と の 関 連 性 を 明 ら か に す る こ と を め ざ し 、 樽 前 山 及 び 十 勝 岳 地 域 に お い て 、 地 殻 変 動 を 調 べ る た め 繰 り 返 し G P S 繰 り 返 し 観 測 及 び 干 渉 S A R 解 析 を 行 っ た と こ ろ 、 目 立 っ た マグマ蓄積のパターンが得ら れなかったことから、現在両火山は静穏期にありマグマ活動による地殻変動は検出限界以 下であると考えられる。検出能力の評価を行ったところ、マグマ貫入のステージにおいて

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は干渉 SAR 解析と繰り返し GPS 観測の検出能力は同程度であるが、ダイク貫入ステージで は干渉 SAR 解析の方が検出能力に優れることがわかった。 (b) 業務の実施方法及び成果 1) 石狩低地東縁断層帯周辺での自然地震観測 a) 自然地震観測の継続 平成 20 年度に石狩低地帯南部に新たに設置、及び機器の高度化を行った 10 か所の自然 地震観測点において地震観測を継続してきた。観測点には、高感度短周期微小地震計及び 広帯域強震計が併設されており、これらのデータはサンプリング周波数 100Hz、AD 分解能 24bit でデジタルサンプリングされた後、NTT 東日本フレッツ網を用いた IP 回線網を経由 して北海道大学へリアルタイムで連続的に伝送されハードディスクへ格納されている。今 年度も特に大きなトラブルもなく順調にデータが取得された。 b) 自然地震観測データ処理 本研究で新たに設置・整備された 10 か所の地震観測点から伝送されてくる地震波形デー タに加え、北海道大学の運用する既設の地震観測点、札幌市の運用する地震観測点、全国 地震観測データ流通ネットワークを介してリアルタイムデータ交換を実施している気象庁、 独立行政法人防災科学技術研究所の運用する地震観測点の波形データを併合し同一ファイ ルに統合したうえで、振幅の長時間平均と短時間平均の比からトリガーをかけてイベント の検出を行っている。トリガーされたイベント波形に対して、ノイズによる誤判定データ を目視で除去するとともに、地震による波形データについては P 相及び S 相を同定する会 話検測作業を随時実施した。地震の同定には、気象庁の検測値も利用している。 データの取得が始まった 2008 年 12 月 1 日から 2012 年 3 月 31 日までに読み取りが行わ れ震源が求まった地震の数は 1541 個であった。震源決定の初期 P 波速度構造には北海道大 学がルーチンの震源決定作業で用いている構造 1)を基本としたが、当該地域では厚い堆積 層が発達しているために、その影響を考慮するため表層部には 3.8 km/s の層を設定してい る。また、Vp/Vs 比は 1.73 と仮定した。 この構造を用いて予備震源を決定し、その結果得られる各観測点での走時残差を観測点補 正値として各観測点の走時に与えて震源の再計算を行うことにより初期震源を決定した。 表層の堆積層に相当する遅い速度をもつ層を与えることで、すべての地震において地中に 収束した震源を得ることができた。図 1 には、震源決定がされたすべての震源を示してい る。図 2 には、石狩低地帯の浅発地震の活動を見るために、深さ 40km 以浅の地震のみを示 した。地震活動は、従前と同じく石狩低地東縁断層南部の断層ラインよりも東側で活発で ある。図 2 の東西方向断面における深度分布を図 3 に示したが、この場所での震源の深さ は 10km よりも深く 30km を超える場所でも地震の発生が見られることが特徴的である。 c) P 波地震波速度構造解析 これまで得られた地震波到着時データを用いて P 波地震波速度構造の解析を実施した。 図 1 で示した初期震源のうち、深さ 40km 以浅で北緯 42 度から 43 度 38 分、東経 141 度か ら 143 度 38 分の範囲に発生した地震 836 個から得られたP波走時 9638 個を用いた。P 波

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図 1 自然地震観測により得られた震央分布。2012 年 3 月 31 日までの検測結果による。

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図 3 図 2 の東西方向断面における地震の深度分布。 速度構造推定には Thurber(1983)の手法 2)を適用し、P 波地震波速度構造と震源を同時に決 定した。また、得られた速度構造の解像度を確認するために、5%の速度コントラストを人 工的に与えてチェッカーボードレゾリューションテストを行った(図 4)。その結果、深さ 5 km から 15km にかけては解の再現性が認められるが、深さ 20km 以深では再現性が低いこ とが明らかになった。 図 5-1 にはそれぞれの深さにおける P 波速度構造のマップビューを、図 5-2 にはその東 西断面を、図 5-3 には南北断面を示した。これらによると、石狩低地帯は高速度で特徴付 けられる新第三系の火山岩類からなる西部と、低速度の特徴を示す新第三系堆積岩類から なる東部との境界に位置しており、大局的な特徴は表層地質とよい一致を示す 3) 札幌市付近では深さ 5km 付近に堆積層に対応する低速度が認められ、その下には西部の 高速度域からつながる高速度層が北傾斜で入りこんでいる。地震は表層の低速度とその下 に入り込んでいる高速度の境界付近で発生しているように見える。この場所では深さ 15 km 以深での地震活動は認められない。 石狩低地帯東縁断層以東の夕張鵡川地域では、表層より深さ 20km 付近まで新第三系堆積 岩類に対比されると考えられる低速度層が広がっている。やや不鮮明ではあるが、この低 速度層は緩やかな東傾斜をもっているように見え、地震活動は低速度層下部の深さ 10km から 20km にかけての場所で多く発生している。一方、石狩低地帯より西側の高速度地帯で の地震活動は低調である。苫小牧市西部の深さ 10km 付近には高速度異常が認められるが、 深層ボーリングで認められる基盤岩の高まりである苫小牧リッジ構造を反映している可能 性がある 4) 以上のことから、以下のようなモデルが考えられる。石狩低地ひずみ集中帯は、広域的 な地震波速度構造モデルによると西部の高速度域と東部の低速度域の間の明瞭な構造境界 に位置している。地震波速度構造の相違は、表層地質においても西部の新第三系火山岩類 と東部の新第三系堆積岩類として認められ、このような構造境界がひずみを集中させる機 構の大局的な地学的背景であると考えることができる。東部にみられる低速度域は舟状の 形状を呈しており、日高山脈下への東北日本弧の押し下げにより形成された厚い新第三紀

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堆積層に相当するものと考えられる。この地域の地震活動は、この低速度層の下部で活発 であり、深さ 20km 以深でも地震が発生している。Iwasaki et al (2004) 5)によると、こ の低速度層の下部は東北日本弧の地殻に相当する部分と考えられており、低速度層に比べ P 波速度が 10%以上早く推定されていて、明瞭な構造境界をなしていることが推定される。 札幌市付近では、2010 年 12 月 2 日の M4.6 の地震をはじめ浅い地震活動が周辺部と比較 して活発である。地震波速度構造モデルによると、札幌市の平野部付近では低速度で特徴 付けられる堆積層が深さ約 5km まで認められ、その下部には西部から伸びている高速度域 が認められる。2010 年の地震は低速度域と高速度域の境界付近で発生した。なお、この高 速度帯が認められるのは札幌市東部から江別市付近までで、それ以東まで伸びているよう には見えず、この付近が明瞭な構造境界になっている可能性がある。この境界付近には伏 在断層が推定されており 6)、地震波速度構造で認められた構造境界がひずみを集中させる 要因として機能している可能性がある。一部の図の作成に SEIS-PC7)、GMT8)を使用した。 図 4 チェッカーボードリゾリューションテストの結果。

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図 5-1 深さ 5、10、15、20、25km における P 波地震波速度構造と震央分布。白抜き三角 は地震観測点を示す。

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図 5-2 図 5-1 の東西断面における P 波速度構造と震源分布。逆三角形は各断面における 石狩低地東縁断層帯の位置を示す。

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図 5-3 図 5-1 の南北断面における P 波速度構造と震源分布。 2) 石狩低地東縁断層帯周辺での比抵抗構造探査 石狩低地東縁断層帯周辺の地殻構造、及び流体の分布の把握を目的として、MT 法による 比抵抗構造探査を行った。図 6 のように、石狩低地東縁断層帯(以下、ITFZ)をほぼ東西 に横切る 4 本の測線に沿って広帯域及び長周期 MT 観測を行った。平成 20〜22 年度に観測 を実施し、新規の 39 観測点(図 6 中の ISK)においてデータを取得した。測定器は広帯域 MT 法では Phoenix Geophysics 社製 MTU-5 及び MTU-5A、長周期 MT 法ではテラテクニカ社製 U-43 を使用し、電場 2 成分、磁場 3 成分の測定を行った。時系列データは、国土地理院江 刺観測場の MT 連続観測テータとのリモートリファレンス処理 9)を行い、さらに手動による エディット処理を経て MT インピーダンスを算出した。 平成 23 年度までに、これらと既存の観測点のうち 4 本の測線上に属するデータを使用し て、2 次元インバージョンによる比抵抗断面の推定を行った。しかしながら、周辺の海と 石狩低地帯に厚く分布する堆積層の低比抵抗による、MT データへの影響が懸念され、2 次 元解析では偽像を引き起こす可能性が指摘されていた。そこで、この影響を評価するため に、海の分布と堆積層の低比抵抗を仮定した 3 次元モデル計算を行った。図 7(左)に示 すように海水の比抵抗として 0.3Ωm、堆積層には先の 2 次元構造を参考にして 3 及び 30Ωm を与え、Fomenko and Mogi(2002)13) のコードにより、見かけ比抵抗、位相及びインダクシ

ョ ン ベ ク ト ル の レ ス ポ ン ス を 計 算 し た 。 そ の 結 果 、 イ ン ダ ク シ ョ ン ベ ク ト ル に つ い ては 0.01Hz 以下で観測値と同様の傾向を示し、構造の仮定が十分現実的であることが確認され た(図 7 中・右)。このとき、見かけ比抵抗及び位相については、2 次元構造の TE モード に相当する成分において、仮定した低比抵抗構造の影響が大きく現れた。海が存在する場 合と無い場合で比較すると、0.03Hz 以下の周波数帯で、見かけ比抵抗は対数の 30%、位相 は 20º の最大変化が見られた(図 8)。したがって、堆積層の低比抵抗と周辺に 3 次元的に 分布する海の低比抵抗が MT データに影響していることが明らかとなった。したがって、こ

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の地域の正確な比抵抗構造を推定するには、既知の海の比抵抗を固定した 3 次元インバー ジョン解析が適当である。 本プロジェクトで得られた観測データ及び既存のデータを使用して、WSINV3DMT14)による 3 次元インバージョン解析を行った。50 観測点の広帯域データ及びそのうち 20 観測点の長 周期データから、40 ~0.00012 Hz (0.025~8197 sec.) 間の 16 周波数を使用した。入力 データ成分は、インピーダンス 4 成分及び磁場変換関数 2 成分であり、それぞれが複素数 であるので全部で 12 成分である。計算に使用したグリッドは、(X, Y, Z)=(62, 62, 38) のセルからなり、モデルサイズは 593×593×340 km3 である。初期構造として、陸の領域 に 100Ωm、海の領域に 0.3Ωm を与え、海水にあたるセルの比抵抗は、インバージョン解 析 に お い て 固 定 し た 。5%の エ ラ ー フ ロ ア を与 え た と き の 初 期 構 造 の レ ス ポ ン ス に 対 する RMS 残差は 16.0 であったが、3 回のイタレーションの後に RMS は 2.88 に減少した。さらに、 RMS を下げるための第 2 段階目の解析として、第1段階の最適モデルを初期構造においた インバージョンを再度行い、3 回のイタレーションで RMS 2.15 を得た。このときのモデル を最終モデルとする(図 9、10)。 深さ 7km 程度までは低地帯の堆積層に対応して 10Ωm 以下の低比抵抗層が広がる。低比 抵抗層の下は、10~100Ωm 程度の比抵抗となり、白亜系の基盤に相当すると考えられる。 観測地域南側では、断層帯の東側で基盤が深くなる傾向があり速度構造(たとえば Iwasaki et al.5)など)と調和的である。石狩低地帯では、スラスト運動が始まる前の第三紀~前 期中新世にホルストやリッジが形成され、そのような場所に衝上断層を形成している。衝 上断層下では浅部の低抵抗層が途切れている(図 10 左:X=-9 及び X=15 断面)ことに対応 し、この地域のひずみ集中は、このような比較的浅部の不均質構造によって引き起こされ ているという可能性がある。 7 km 以深は、観測地域西側及び北側では 100~1000Ωm 程度、南東部で 10~100Ωm とな っており、大規模な構造境界をなしていることが推察される。この境界及び断層帯直下(C1)、 また南西部の支笏カルデラ付近(C2)に局所的に低比抵抗の箇所が見られる。C2 は数 Ωm 以下の比抵抗で、支笏カルデラの直下 10~30km に位置する。支笏カルデラは第四紀の火山 で、3 つの後カルデラ火山は現在でも活動的である。C2 はモホ面付近の地下深部からのマ グマ性流体(水、メルト)の移動経路を示していると考えられる。 C1 は 10Ωm 程度で、断層帯の直下 10km 程度の深さに帯状に分布している。低比抵抗の 原因として、高温領域、水、メルトの存在が考えられる。乾燥岩石の温度による比抵抗変 化の範囲は 10Ωm 以上であり 15)、高温では説明出来ない。また、メルトが火山・地熱地帯 ではない場所の比較的浅い地殻内に分布するのは考え難い。したがって、水の存在による 低比抵抗であると考えるのが現実的である。茂野(2011)16)によれば、断層帯中央部の温泉 のうち高塩濃度のものは海水~化石海水を源とする深部熱水と見られ、断層帯に規制され て温泉の上昇があると考えている。このような温泉水の起源が C1 にあるとすれば、C1 は 連結した水が豊富に存在する領域と考えられ、周囲の地殻に比較して力学的に弱く、弱部 としてはたらいている可能性がある。さらにこの場合、温泉水の上昇経路は断層帯に規制 されるので、変質等によって断層の弱面が形成されている可能性も考えられる。 したがって、この地域のひずみ集中の形成要因は、次のように考えられる。まず、西~ 北側の高比抵抗領域と南東部のやや比抵抗の低い領域がなす広域的な構造境界が存在する

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ことが背景にあり、その境界付近には局所的に比抵抗の低い流体の豊富な領域が 10~20 km の深さにあり、弱部を形成している。浅部では、堆積層〜基盤境界が断層帯付近で不均質 になっており、これが西に進むスラスト運動の妨げとなってスラスト断層を生じさせてい る。これらの広域的構造境界、局所的な流体の存在、堆積層〜基盤境界の不均質が石狩低 地帯のひずみ集中帯形成に複合的に寄与していると考えられる。 図 6 MT 観測点の分布。ISK が平成 20〜22 年度に行った観測点を示す。茂木・日高 2000MT グループ(2002)10)による観測点(HDK)及び Yamaya(2008)11) による観測点(TRM)も含む。 □は広帯域のみ、△は広帯域及び長周期 MT 観測点を示す。活断層線(桃色線)は中田・今 泉編(2002)12)による。

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図 7 (左)3 次元モデル計算で仮定した海及び堆積層の深さ、比抵抗分布。(中・右)0.01Hz 及び 0.001Hz のインダクションベクトル(実部)。赤が観測値、黒が計算値を示す。

図 8 海の存在を仮定した場合と仮定しない場合のレスポンスの比較。上は見かけ比抵抗 の対数の変化率(%)。下はインピーダンス位相の差(度)。

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図 9 各深さにおける比抵抗構造の平面図。白線は断層トレース、青丸は震源分布を示す。 C1 は石狩東縁断層帯直下の低比抵抗域を C2 は支笏カルデラ直下の低比抵抗域を示す。

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図 10 (左)比抵抗構造の東西断面図、(右)南北断面図。C1 は石狩東縁断層帯直下の低比 抵抗域を C2 は支笏カルデラ直下の低比抵抗域を示す。

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3) 樽前山での地震観測 a) 自然地震観測の継続 樽前山南東域の自然地震観測点(図 11 の NSK 及び KRS)において、平成 20 年度に、本 研究プロジェクトによる機器の高度化(短周期地震計から広帯域地震計への置き換え)を 行った。データは 400 MHz 帯の無線通信及び NTT フレッツサービスを利用した IP 回線網を 経由して北海道大学へリアルタイムで伝送された。これらの観測点では、5 年間にわたり ほぼ欠測なくデータを取得することができた。 b) 自然地震観測データ処理・解析 伝送された地震波形データについて、北海道大学の運用する既存地震観測点のデータと あわせて検測を行った。2008 年~2012 年にかけて樽前山周辺で発生した地震の震源分布を 図 12 に示す。樽前山の山頂溶岩ドーム付近の地下 1km 深を中心として、火山性の微小地震 が発生している。また、頻度は低いものの、樽前山の北西約 3 km に位置する風不死岳の地 下 6 km 深付近でも、時々M1~2 クラスの地震が発生していることが明らかになった。これ 以外にも、樽前山の南西域で深さ 6~8km 程度の地震活動がほぼ定常的に見られた。2011 年 3 月 11 日の東北地方太平洋沖地震の前後で、樽前山の微小地震活動には顕著な変化は見 られなかった。なお、2011 年 6 月以後、地震の頻度が高まったように見えるが、これは山 頂付近の観測点の復旧を行ったことで、より多くの微小地震について震源決定が可能にな ったためである。 図 11 北海道大学による樽前山周辺の地震観測点分布。

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図 12 樽前山周辺の微小地震活動。 4) 樽前山・十勝岳での地殻変動 a) 繰り返し GPS 観測 2009-2012 年度に樽前山周辺、十勝岳周辺で繰り返し GPS 観測を行った。得られた水平 ベクトル図を図 13 に示す。変位方向及び変位量にはマグマ蓄積のパターンは表れておらず、 また、各年で変位方向が大きく変化することから、得られた変位が地下のマグマ活動によ るものだとは考えられない。変位量の特に大きな点は樹高が 5m を超える林の中に位置して おり、上空の視界が確保できないために誤差が大きいと考えられる。 b) 干渉 SAR 解析

ALOS/PALSAR デ ー タ を 用 い 、 PS-InSAR に よ る 時 系 列 解 析 を 行 っ た 。 PS (Permanent /Persistent Scatter)-InSAR とは、植生などの観測時期によって変化するターゲットから の後方散乱を排除し、常に後方散乱パターンが一定であるターゲットのみを用いて干渉処 理を行う技術である。解析には StaMPS17)を利用した。図 14 に得られた視線方向変位量の

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図 13 繰り返し GPS 観測から得られた水平ベクトル図。■は解析に用いた基準点を示す。 a) 樽前山。b) 十勝岳。

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c) 検出能力の評価。 繰り返し GPS 観測、干渉 SAR 解析共にマグマ蓄積のパターンが得られなかったことから、 現在両火山は静穏期にありマグマ活動による地殻変動は検出限界以下であると考えられる。 従って観測された変位を全て誤差として扱い、それを基に検出能力の評価を行った。 火 山 活 動 の ス テ ー ジ と し て マ グ マ 蓄 積 ス テ ー ジ と ダ イ ク 貫 入 ス テ ー ジ を 想 定 し 、 干渉 SAR 解析では計算された変位量が解析結果から計算した標準偏差を超えた場合、また繰り 返し GPS 観測では観測数が少ないため観測された最大変位量を超えた場合に検出可能とす る。 マグマ蓄積ステージでは、マグマだまりの深さを 10km とし、水平位置は火口直下とした。 樽前山では支笏カルデラ中央にマグマだまりが存在するという結果があるため 18)、その場 合についても評価を行った。またダイク貫入ステージでは、火口から地下 10km まで鉛直に 伸びる長さ 1km のダイクを考え、ダイクの走向は広域応力場の圧縮方向とした。 計算された変位量に各 GPS 観測点の位置をプロットしたものを図 15 に、干渉 SAR 解析の 場合を図 16 に示す。変位が検出可能な観測点(干渉 SAR 解析は面的データが得られるため、 グリッド状に観測点を配置した)を緑で示した。また表1に現在検出可能な体積変化量/ ダイク開口量を示す。 表 1 現在の観測網で検出可能な体積変化量/ダイク開口量 ステージ(観測手段) 検出可能な体積変化 /ダイク開口量 樽前山 マグマ蓄積(SAR) 3x107m3 マグマ蓄積(火口直下、GPS) 2x107m3 マグマ蓄積(支笏湖下、GPS) 3x107m3 ダイク貫入(SAR) 0.5m ダイク貫入(GPS) 1m 十勝岳 マグマ蓄積(SAR) 3x107m3 マグマ蓄積(GPS) 3x107m3 ダイク貫入(SAR) 1m ダイク貫入(GPS) 0.8m 評価結果から、マグマ貫入のステージにおいては干渉 SAR 解析と繰り返し GPS 観測の検 出能力は同程度であるが、ダイク貫入ステージでは干渉 SAR 解析の方が検出能力に優れる ことがわかる。これはダイク貫入による地殻変動は局所的であり、GPS 観測網は観測点密 度において劣ることが理由である。また樽前山のマグマ蓄積ステージにおいて支笏湖下に マグマだまりを仮定した場合、火口直下に仮定した場合よりも検出能力が低い理由は、観 測点配置の偏りによるものである。

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図 14 StaMPS を用いた SAR 時系列解析の結果。▲は山頂の位置を示す。a) 樽前山。b) 十 勝岳。

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図 15 繰り返し GPS 観測網の火山活動に対する検出能力評価。■は計算された変位が検出 可 能 な 観 測 点 を 、■は 検 出 不 可 能 な 観 測 点 を 示 す 。 a) 樽 前 山 頂 直 下 10km に 体 積 変 化 2x107m3のポイントソースを置いた場合。b) 支笏湖下 10km に体積変化 3x107m3のポイント ソースを置いた場合。c) 樽前山山頂に地下 10km まで鉛直に伸びる長さ 1km、走向 N54°W のダイクを置いた場合。d) 十勝岳 62-II 火口直下 10km に体積変化 2x107m3のポイントソ ースを置いた場合。e) 十勝岳 62-II 火口に地下 10km まで鉛直に伸びる長さ 1km、走向 N52°W のダイクを置いた場合。

(22)

図 16 ALOS/PALSAR データを用いた干渉 SAR 解析の火山活動に対する検出能力評価。■は 計算された変位が検出可能な領域を示す。a) 樽前山頂直下 10km に体積変化 2x107m3のポ イントソースを置いた場合。b) 樽前山山頂に地下 10km まで鉛直に伸びる長さ 1km、走向 N54°W のダイクを置いた場合。c) 十勝岳 62-II 火口直下 10km に体積変化 2x107m3のポイ ントソースを置いた場合。d) 十勝岳 62-II 火口に地下 10km まで鉛直に伸びる長さ 1km、 走向 N52°W のダイクを置いた場合。

(23)

今後の火山活動のステージがどのように進行するかはデータも無く不明であるが、仮に 2011 年の新燃岳同様、ある時点からマグマの蓄積が開始し、その蓄積レートが新燃岳のケ ース(800 万 m3/yr. (国土地理院、2011))と同等だとした場合、3~4 年の蓄積で検出可 能レベルを超えると考えられる。 d) 検出能力向上のための GPS 観測点配置 面的観測である干渉 SAR 解析においては問題にならないものの、繰り返し GPS 観測によ りマグマ活動を捉えようとする場合、検出能力は観測点配置に影響を受ける。仮に新規観 測点を 1 つ構築する場合、どこに配置するのがよいかについて議論する。 繰り返し GPS 観測では鉛直成分は誤差が大きいため、通常は水平成分のみを用いる。従 って期待される水平変位が最大の位置に新規観測点を配置するのが望ましい。深さ D にあ るポイントソースの場合、ソース直上から水平距離が 0.7D の点で水平変位は最大となる。 また、上端が地表面にあるダイクの場合、ダイクと直交する方向でダイクに近いほど水平 変位は大きくなる。以上が測地学的な要求であるが、観測の品質の面から上空の視界が確 保できること、及びアクセスの容易さも重要な評価項目となる。 樽前山については、火口直下のソース及びダイクに対しては既に十分な観測網が築かれ ているが、支笏湖下にソースを仮定すると北側の観測点が不足している(図 17)。しかし、 この領域はアクセスできない地域も多く、支笏湖北西のオコタンペ湖周辺が第 1 の候補で あろう。 十勝岳では状況はさらに悪く、北東-東-南にかけてほとんどの領域がアクセス不能で ある(図 18)。アクセスを考える場合、道道 291 号線沿い(図中 A)が唯一の候補である。 しかし、原始が原(図中 B)は登山道によるアクセスは可能であり、マグマ蓄積ステージ、 ダイク貫入ステージ共に地殻変動の検出が期待できるため、観測を行う価値は十分あると 考えられる。

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図 17 樽前山周辺の観測点充実度。

(25)

(c) 結論ならびに今後の課題 石狩地域の白亜紀以降のテクトニクスは、国安、山田(2004)19)によると、白亜紀~古第 三紀初期における前弧盆地のセッティングから始まったと考えられており、その後の後期 漸新世には、右横ずれトランステンションによるプルアパート盆地の形成と堆積盆埋積が 行われ、中期中新世には日高帯が隆起を開始し本地域は右横ずれのトランスプレッション 場に転換し、再び前縁盆地のセッティングに転換した後、さらに後期中新世~鮮新世以降 には千島前弧地塊(スリバー)西進活発化による強烈な東西圧縮場が提供されたものと考え られている。本研究により得られたP波速度や比抵抗構造によると、石狩低地帯は西部の高 速度域かつ高比抵抗域と東部の低速度域かつ低比抵抗域の間の明瞭な構造境界に位置して いる。これらの構造の相違は、表層地質においても西部の新第三系火山岩類と東部の新第 三系堆積岩類として認められ、このような構造境界がひずみを集中させる機構の大局的な 地学的背景であると考えることができる。このような基盤構造は上記の複雑な地殻の変動 を通して、形成されたものと考えられる。 このような大局的な境界及び石狩低地東縁断層帯直下や南西部の支笏カルデラ付近に は、局所的に低比抵抗域が見られる。前者は断層帯の直下10km 程度の深さに帯状に分布し ており低速度域とも一致する。低比抵抗の原因として、断層帯中央部の温泉のうち高塩濃 度のものは海水~化石海水を源とする深部熱水と見られ、断層帯に規制されて深部の熱水 が上昇してきていると考えられる。このような、断層直下の低速度域、低比抵抗域は地殻 の変形を不均一にしてひずみ集中を助長することがあり20)、また、深部水の断層への注入 が地震発生の引金になる可能性も指摘されている21)。一方、後者は数Ωm以下の比抵抗で、 支笏カルデラの直下10~30kmに位置している。支笏カルデラは第四紀の火山で、3つの後カ ルデラ火山は現在でも活動的であることから、この低比抵抗域はモホ面付近の地下深部か らのマグマ性流体(水、メルト)の移動経路を示していると考えられる。 石狩低地帯を中心に広がるひずみ集中帯は、白亜紀以降の地殻発達過程において形成さ れた不均質構造が、その後の千島弧の西進による東西方向の応力を受け、低地中央部の基 盤岩の起伏や低地東縁に活断層帯が生じた。このような変動の中で、本研究により明らか にされた西側の高速度、高比抵抗域と東側の低速度、低比抵抗域との間に構造境界が生じ、 そこがひずみの集中域になっていると考えることができる。また、東縁断層帯の下に局所 的な低速度、低比抵抗域が見られ、そこは深部流体が上昇してきている可能性があり、そ れが活断層の活動に影響する可能性も指摘できる。この活断層の活動性と地下不均質との 関連については、さらに詳細な観測研究が必要であろう。 ひ ず み 集 中 と 火 山 活 動 と の 関 連 性 を 明 ら か に す る こ と を め ざ し 、樽 前 山 及 び 十 勝 岳 地 域 に お い て 、地 殻 変 動 を 調 べ る た め 繰 り 返 し G P S 繰 り 返 し 観 測 及 び 干 渉 S A R 解 析 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、 本 研 究 期 間 中 に は 目 立 っ た マグマ蓄積のパターンが得ら れなかったことから、現在両火山は静穏期にありマグマ活動による地殻変動は検出限界以 下であると考えられる。検出能力の評価を行ったところ、マグマ貫入のステージにおいて は干渉SAR解析と繰り返しGPS観測の検出能力は同程度であるが、ダイク貫入ステージでは 干渉SAR解析の方が検出能力に優れることがわかった。

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(d) 引用文献

1) 笠原稔,小平秀一,本谷義信,高波鉄夫,前田亟,岡山宗夫,一柳昌義:1993 年北海 道南西沖地震の余震活動とその分布,平成 5 年度文部省科学研究費突発災害調査研究成果 報告,pp.13-20, 1994.

2) Thurber, C. H.: Earthquake locations and three-dimensional crustal structure in the Coyote Lake area, central California Detail Only Available, J. Geophys. Res., Vol.88, pp.8226-36, 1983.

3) 国安稔:日高勇払地域,日本地方地質誌,北海道地方,631pp, 2010.

4) Hanagata, S.: Eocene shallow marine foraminifera from subsurface sections in the Yufutsu-Umaoi district, Hokkaido, Japan, Paleontol. Res., 6, 147-178, 2002. 5) Iwasaki, T., K. Adachia, T. Moriya, H. Miyamachi, T. Matsushima, K. Miyashita, T. Takeda, T. Taira, T. Yamada, K. Ohtake : Upper and middle crustal deformation of an arc–arc collision across Hokkaido, Japan, inferred from seismic refraction / wide-angle reflection experiments, Tectonophys, Vol.388, pp.59-73, 2004.

6) 札幌市:第3次地震被害想定,2008.

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12) 中田高,今泉俊文編:「活断層詳細デジタルマップ」,東京大学出版会,DVD-ROM2 枚・ 60p・付図 1 葉,2002.

13) Fomenko, E.Y. and T. Mogi : A new computation method for a staggered grid of 3D EM field conservative modeling, Earth Planets Space, 54, 499-509, 2002.

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17) Hooper, A., P. Segall, and H. Zebker : Persistent scatterer InSAR for crustal deformation analysis, with application to Volcan Alcedo, Galapagos, J. Geophys. Res., 112(B07407), doi:10.1029/2006JB004763, 2007

(27)

18) Yamaya, Y., T. Mogi, R. Honda, H. Hase, A. Suzuki, T. Hashimoto and M. Uyeshima : 3-D Resistivity Imaging beneath the Ishikari-Teichi-Toen Fault Zone, Hokkaido, NE Japan, Extended Abstract, 21st EM Induction Workshop, Darwin, Australia, July, 2012. 19) 国安稔,山田泰広:中央北海道南部地域の深部構造,石油技術協会誌,Vol.69,p.131-144, 2004. 20) 飯尾能久:内陸地震の発生過程の解明,自然災害科学,Vol.28,pp.284-298, 2010 21) 長谷川昭,中島淳一,内田直希,梁田高広,岡田知己,趙大鵬,松澤暢,海野徳仁: 沈み込み帯の地震の発生機構― 地殻流体に規定されて発生する沈み込み帯の地震―,地学 雑誌,Vol.121, pp.128–160, 2012 (e) 成果の論文発表・口頭発表等 著者 題名 発表先 発表年月日 山谷祐介,茂木透,本多亮, 長谷英彰,鈴木敦生,橋本武 志,上嶋誠 石狩低地東縁断層帯周 辺の比抵抗構造(3) 日 本 地 球 惑 星 科 学 連 合 2012 年 大会 平成 24 年 5 月 23 日

Yamaya, Y., T. Mogi, R. Honda, H. Hase, A. Suzuki, T. Hashimoto and M. Uyeshima

3-D Resistivity Imaging beneath the Ishikari-Teichi-Toen Fault Zone, Hokkaido, NE Japan 21st EM Induction Workshop. 平成 24 年 7 月 29 日 山谷祐介,本多亮,茂木透, 長谷英彰,市原寛,橋本武志, 上嶋誠 カルデラ直下・地殻中 深部の低比抵抗異常― 支笏カルデラ・屈斜路 カルデラの例― 日 本 火 山 学 会 2012 年秋季大会 平成 24 年度 10 月 14 日 一 柳 昌 義 , 高 橋 浩 晃 , 高 田 真 秀 , 山 口 照 寛 , 前 田 宜 浩 , 本 多 亮 , 河 野 裕 希 , 岡 山 宗 夫 , 橋本武志,青山裕,笠原稔 石狩低地東縁断層帯と その周辺における地震 活動及び浅部地下構造 日 本 地 震 学 会 2012 年秋季大会 平 成 24 年 10 月 17 日 山谷祐介,茂木透,本多亮, 長谷英彰,橋本武志,上嶋誠 石狩低地東縁断層帯付 近の 3 次元比抵抗構造 からみるひずみ集中 日 本 地 震 学 会 2012 年秋季大会 平 成 24 年 10 月 18 日 一柳昌義,山口照寛,東龍介, 高田真秀,高橋浩晃,岡崎紀 俊,大園真子,高橋良,黒井 和典,眞城亮成,山田卓司, 勝俣啓,谷岡勇市郎,笠原稔

2011 年東北地方太平 洋沖地震以後に発生し た北海道の内陸の地震 活動 日 本 地 震 学 会 2012 年秋季大会 平 成 24 年 10 月 19 日 山谷祐介,茂木透,本多亮, 長谷英彰,橋本武志,上嶋誠 3 次元比抵抗構造から みる石狩低地東縁断層 帯周辺におけるひずみ 2012 年地球電磁 気 ・ 地 球 惑 星 圏 学会 平 成 24 年 10 月 22 日

(28)

集中 奥山哲, 森済, 村上亮 雌阿寒岳および十勝岳 における GPS 準連続観 測の試み 日本測地学会第 118 回講演会 平 成 24 年 10 月 31 日 (f) 特許出願、ソフトウエア開発、仕様・標準等の策定 1) 特許出願 なし 2) ソフトウエア開発 なし 3) 仕様・標準等の策定 なし

図 1  自然地震観測により得られた震央分布。2012 年 3 月 31 日までの検測結果による。
図 3  図 2 の東西方向断面における地震の深度分布。  速度構造推定には Thurber(1983)の手法 2) を適用し、P 波地震波速度構造と震源を同時に決 定した。また、得られた速度構造の解像度を確認するために、5%の速度コントラストを人 工的に与えてチェッカーボードレゾリューションテストを行った(図 4)。その結果、深さ 5 km から 15km にかけては解の再現性が認められるが、深さ 20km 以深では再現性が低いこ とが明らかになった。    図 5-1 にはそれぞれの深さにおける P 波
図 5-1  深さ 5、10、15、20、25km における P 波地震波速度構造と震央分布。白抜き三角 は地震観測点を示す。
図 5-2  図 5-1 の東西断面における P 波速度構造と震源分布。逆三角形は各断面における 石狩低地東縁断層帯の位置を示す。
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参照

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