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「地価税の法的規定と政策効果」: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

「地価税の法的規定と政策効果」

Author(s)

桜井, 良治

Citation

沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 15(2): 33-103

Issue Date

1991-03-30

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6791

(2)

「地価税の法的規定と政策効果」

桜井良治 はしがき 序論一土地保有の概観一 第1章地価税審議過程における理念

第2章地価税の法的規定と計算過程

第3章地価税の経済効果 一地価下落の理論構造一 第4章税負担の実態

I税率0.3%の場合(政府実施案)

Ⅱ税率1%とした場合の仮定計算 まとめ-地価税の政策効果一 はしがき

平成4年1月1日から地価税を導入するための地価税法案が、平成3年4月24

日の参院本会議で、賛成多数で可決・成立した。続いて5月21日に地価税法施行

令・同施行規則と租税特別措置法施行令・同施行規則の地価税関係の一部改正が

公布された。地価税は、土地の資産価値に'恒常的に課税する国税としては初めて

のもので、税率は相続税評価額の0.3%(初年度は0.2%)である。基礎控除(課

税最低限)は、①10億円(中小企業。個人は15億円)②面積に1平方メートル当

たり3万円(単価控除)をかけた額のどちらか有利な方を納税者が選べるしくみ

になっている。また、千平方メートル以下の居住用地が原則非課税のほか、国や

地方公共団体の学校や宗教法人など公益法人、病院、社会福祉施設などの土地、

農地・山林が非課税扱いとなっている。新土地保有税(地価税の前身)を提唱し

た国土庁は、当初税率1%程度は必要としていたが、固定資産税評価額の引き上

-33-

(3)

げ、譲渡所得税や特別土地保有税の強化なども含めろと税率0.3%でも土地対策 1) 上の効果は+分であるとしている。 地価税の税率は、当初案の0.5~1%から0.3%(平成4年度は0.2%)に、基 礎控除も総額5億円から10億円(中小企業・個人は15億円)へと大きく後退して いる。このため、企業を含む納税者数は、当初の20万人から5万人へと四分の一 に減少するとみられている。基礎控除に1平方メートル当たり3万円の単価控除 を併設したことも、大きな問題を生み出している。この制度は、業種の性格から 広大な土地を必要とする素材産業などを救済する目的で設けられたと考えられる が、同時に、値上がり期待で利用度の低い安価な土地を大量に抱える業者も、税 負担が大幅に軽減されるとみられている。これに対して大蔵省は、平成3年3月 末に可決した租税特別措置法の改正における市街化区域内農地の宅地並み課税や 2) 譲渡・取得課税の強イヒを合わせれば、政策効果力i発揮できるとしている。 地価税の税収について、大蔵省は平年度ベースで3,000億円から4,000億円と 試算している。税収の使途については、所得税。法人税の減税の財源とする案と 社会資本整備など公共事業の財源とする案がある。政府税政調査会(加藤寛会長) は、平成3年6月の総会で当面の課題を確認したうえで、10月以降に平成4年度

税制改正を見通した本格協議に入る予定となっている。3)

本論文では、地価税の法的規定と経済効果について、論じることとしたい。地 価税の制定以前の審議過程については、土地税制小委員会の答申を中心として、 その理念について論じたい。地価税導人後の税負担の実態や経済効果については、 現時点で正確に予測することは困難であろう。特に、地価の下落に及ぼす社会的 影響については、実施後の金利の動向や経済諸指標のゆくえにも左右されよう。 本論文では、最も負担が重いと予測される企業負担について、経済団体や研究所 等の資料に基づいて、可能な限り論じることとしたい。地価高騰が波及しつつあ る都市近郊の素材供給型産業や製造業については、高負担が予測されるところで ある。都心の大規模小売店舗や銀行、保険・証券会社等の第三次産業については、 地価水準の高さという別の面で、高負担が予測される。 住宅地域については、1,000平方メートル以下の「居住用資産」については課 税されないということもあり、一部の例外を除けば、高負担をまぬがれている。 資料の制約もあり、本論文の対象からは除外することとしたい。 -34-

(4)

企業の税負担については、土地税制小委員会答申を中心として審議過程にうた われた税率1%に基づいて計測された資料とそれ以後の自民党税制調査会の答申 を契機として最終的に法制化された税率0.3%に基づく資料がある。本論文では、 これら二種類の推計について、併記して比較することとしたい。 「地価税」の名称については、小論文に掲載された資料の範囲内では、成立し

た法案及び法案成立直前に出された税制調査会答申(平成2年12月)より、この

名称が用いられている。しかし、正式な名称が決まる以前の自民党税制調査会の

大綱までの資料では、「新土地保有税」もしくは、「土地税制(仮称)」という

名称が、多く用いられている。本論文では、これらの名称はすべて同一の土地保

有に関する新税を指すものとして、それぞれの時点における名称をそのまま用い

ることとしたい。 -35-

(5)

序論一土地保有の概観 図-1には、我が国の長期的な地価の動向について示されている。市街地価格 指数(全用途平均)によると、昭和30年代の高度成長期には全国的に地価が上昇 し、特に30年代半ばには全国平均で年間30%以上の上昇を示すなど著しく地価が 高騰し、全国平均で約7.7倍、六大都市で約10.8倍となっている。昭和50年代に は、中頃に大都市圏を中心に上昇がみられたほかは、おおむね安定的な推移を示

し、全国で約1.6倍、六大都市で約1.8倍となっている。4)

図-1 長期的な地価の動向 全国市街地価格指数(用途的地域別 の対前年同期(1年間)変動率) 変動率豹卯

11

'JiJjil,

住宅地 商粟地 工粟地 40 37.8 Ⅷ脚帆卿MM綱州洲川、州ⅢⅡⅡ11 30 20

'18 /'5

1/”

p30 ■● 13.613.7

1二二,A鯉

0 0

ぱ鉤

3132羽弧3536W狙3940414243444546474014950515253郭弱56575859606162②厄2年 一●●●●●●●●●●●●●●DB●●●●●●●●■■●①■●●●●●、●●●●●●●●●●●●□●●●●G●■●●●●●●●●●●●●●●● 39393939393939393939コ93939393939393939コ939393939393939393939393939コ93911 00

曲1.資料:財日本不動産研究所「市街地価格指数」Iこよる。

2.国土庁『平成2年度土地に関する年次報告』による。 36

(6)

昭和60年代に入ってから、土地資産価値は大幅な上昇を示している。昭和60年 末から62年末の2年間に1,015兆7,021億円から1,637兆6,817億円へと、61.2%も 5) の増カロを示している。このような資産価値の急激な増大は、土地保有に対する適 切なコストの負担という論点を軸にして、新しい資産課税の導入に向けての議 論と法制化への動きを生み出す原因になったものと考えられる。 ここでは、以上のような長期トレンドでみた地価の上昇傾向及び近年の急激な 地価の上昇をふまえたうえで、近年の土地保有状況の変化についての概観を示し ておきたい。 表-1によって、私有地に関する土地所有状況について個人・法人別にみると、 平成2年1月1曰現在において、個人所有地と法人所有地の面積割合は、それぞ れ87.1%、12.9%となっている。宅地については、個人所有地76.7%、法人所有

地233%となっており、宅地についての法人所有割合が高いことが注目される:)

大都市における法人所有地は、全地目で27.9%、宅地で30.6%を占めている。

全体の87.1%を占める個人所有土地のかなりの部分が、自己所有・貸宅地を含

めた「居住用資産」と考'えることができよう。これらの土地については、後述す

るように、地価税は非課税とされている。

表-1地域別個人及び法人の所有地面積の構成比(平成2年)

(単位:%) 大都市 資料:自治省「固定資産の価格等の概要調書」による。 注1.構成比は、免税点以上の土地面積の割合による。 2.国土庁『平成2年度土地に関する年次報告』による。 表-1には、平成2年度における大都市・都市・町村別の個人・法人の所有地

面積の構成比について、示されている。これをみると、とりわけ大都市では全地

目の27.9%を法人所有地が占めている。宅地についてもその30.6%を法人所有地

-37- 計 個人 法人 大都市 個人 法人 都市 個人 法人 町村 個人 法人 全地目 宅地 87.1 76.7 12.9 23.3 72.1 69.4 27.9 30.6 85.6 74.7 14.4 25.3 88.3 81.9 11.7 18.1

(7)

が占めていることがわかる。「居住用資産」を非課税としたことは.法人所有宅

地の社宅等としての有効利用を促進することになると考えられる。

東京都における個人・法人別の民有地面積は、全体で個人76.1%に対して法人

は23.9%である。法人の占める割合は、多摩地区(21.1%)よりも、区部(289

%)の方が高い。とくに、千代田区、中央区、港区及び江東区では、法人所有比

率が65%以上と際立って高くなっている。また、多摩地区では、ゴルフ場面積の

広い多摩市や稲城市で法人が40%以上を占めている:)

表-3には、平成元年中の民有地及び宅地の面積の増減について、個人・法人

別に示されている。宅地の面積についてみると、区部ではオフィス需要の増大な

表-2個人及び法人の所有地面積の地目別構成比の推移

資料 笥省l固定資産の価格等の概要調書 注:(1) (2) (3) (4) 構成比は、免税点以上の土地面積の割合による。 田畑には、牧場を含んでいる。 暦年1月1日現在の数値である。 前掲国土庁資料による。 表-3個人法人別宅地面積の増減

個人法人

279245071715 438569869 四1.課 2.『「東京の土地1990(土地関係資料集)』による。 ・-38- :目治省「固定資産の価格等の概要調書」による。 (単位:%) 昭和45年 個人 法人 50 個人 法人 55 個人 法人 60 個人 法人 平成2年 個人 法人 宅地 田畑 山林・原野 雑種地等 小計 28044 ●●、●● 47901 34 9 14566 ●●●●● 10608 10473 ●●●●● 5妬妬0郎 77497 ●●●●● 10801 1 80581 ●●●●● 56508 348 88129 ●●●●● 10811 1 46190 ●●●●● 65508 348 97130 ●●●●● 10812 1 80301 ●●●●● 6弱“1師 18379 ●●●●● 20812 1 合計 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0

(8)

どによって減少しているが、市部ではそれを上回る増加を示している。民有地に ついては、区部・市部ともに法人所有面積が増大しており、全体で171万平方メ ートルの増大をみている。とりわけ宅地については、法人所有面積は86万平方メ トルの増大を示している。区部の宅地についての法人所有面積の増大は、地価税 の課税にとって、様々な問題を投げかけているように思える。 表-4には、戸達住宅等の戸

当たりの敷地面積の推移につい表-4戸建住宅等の戸当たりの敷地面積

の推移 て、示されている。昭和53年度 (単位:㎡/戸) 京浜大都市圏 には全国平均で317㎡であった 戸建住宅等の戸当たり敷地面積 が、昭和58年には311㎡、63年 には298㎡としだいに小規模化 している。一般に、戸当たりの 敷地面積が戸建住宅等よりも狭 小である共同住宅の割合が増加 する傾向にあることと考えあわ せると、宅地に関する個人の土 192 184 176 資料:総務庁「住宅統計調査報告」による。 注:(1)敷地を自ら所有している-戸建及び 長屋建の持ち家に関するデータ (2)昭和53年の東京都のデータは推計値 (3)前掲国土庁資料による。 地保有面積は年々狭小化していく傾向にある。京浜大都市圏、なかでも東京都に8) おいては、全国平均以上のペースで狭小化カゴ進行していることが、明らかである。 全国的にみても、後述する地価税の居住用宅地についての免税点とされる1,000 ㎡以上の宅地を所有するケースはまれであり、またしだいに減少傾向にあること をうかがわせているものと思われる。 表-5には、現住居以外の宅地を所有している世帯数について、収入別に示さ れている。これをみると、当然のことながら年間収入の多い世帯ほど現住居以外 の宅地を所有している割合が高い。年間収入1,000万円以上の世帯については、 31.9%の世帯が現住居以外の宅地を所有していることが、示されている。総世帯 の平均でみると、10.7%の世帯が現住居以外の宅地を所有していることになる。 これらの宅地のかなりの部分が貸宅地であると考えられる。 後述の地価税法においては、自己の居住用宅地のみでなく貸宅地についても地 価税が課税されないこととされている。土地の有効利用という点からは理解でき -39- 年 全国 京浜大都市圏 東京都 53 317 262 192 58 311 251 184 63 298 242 176

(9)

表-5 世帯の年間収入別に見た現住居以外の宅地を 所有している世帯数(昭和63年10月) (単位:世帯,%) 注:前掲国土庁資料による。 るが、土地資産格差の是正という観点からは、問題の多い規定と思われる。 表-6には、東京都の平成2年度における面積規模別の個人宅地所有状況につ いて、示されている。区部では、100㎡未満の小規模宅地所有者が、所有者数全 体の45.1%を占めている。これらの人々が所有する宅地面積は全宅地面積の11.6 %に相当し、-人当たり平均所有面積は、62㎡しかない。1,000㎡未満の宅地所 有者は、全体の97%を占めている。これに対応する面積の構成比をみると、62.6 %を占めている。 市部では、1,000㎡未満の宅地所有者数は、構成比で95.1%を占めており、こ れに対応する土地面積は、全体の59.9%を占めている。 以上のように、東京都においては、極端に大規模な土地を所有する少人数を別 にすれば、地価税が課税されない1,000㎡未満の宅地を所有する所有者がほとん どであり、課税対象者は極めて少ないものと考えられる。ただし、少人数の大規 模な宅地所有者に対しては、厳しく課税されることになろう。 この他に、課税対象とされている土地のうちで、大法人10億円、個人・中小法 人15億円の基礎控除枠を超えている土地の面積及び評価額を明らかにすることに ついては、資料の制約上今後の課題としたい。 -40- 総世帯数 (A) 現住居以外の宅 地を所有してい ろ世帯数(B) 300万円未満 12,893,200 727,300 5.6 300-500万円未満 11,246,200 1、005,800 8.9 500~700万円未満 6,306,200 839,000 13.3 700~1,000万円未満 4,007,800 772,700 19.3 1,000万円以上 2,070,400 659,700 31.9 不詳 1,032,000 16,600 1.6 計 37,555,800 4,021,200 10.7

(10)

表-6面積規模別個人宅地所有状況(平成2年) 40706545.12529911.662 803506100.0218879100.0242 ㈱1. 2. 3. 4. 課税資料から作成 免税点未満を含む 区部は区分所有土地に係る分を除く 『東京の土地1990(土地関係資料集)』による。 -41- (区部)(蛍付:人.%、千回P_ザ) (市部)(箪付:人.%千fM2) 区分 所有者数 槽成屯 面積 楢成I『 一人当り ’0~5M未満 5M~10M未満 100㎡未問 128,271 2780794 407,065 29 00 40 18 45.1 4,689 20,610 25,299 2.1 9.4 11.6 74 37 62 200㎡未満 30M未満

500㎡未満

1,000㎡未満

2,00M未満

5,000,f未満 10,000Ef未満 10,00M以上 9578330 1200108 2160546 0000000 0486492 79631 2 6 8 8 94606031 ●00●●00D 9074ll00 21 28950025 92768434 47386821 00000000 82540984 32222211 54922336 ●00●●●●● 70118386 11111 142 243 379 682 1,385 3,089 6,803 16,412 #●ロ 903,506 100.0 2180879 100.0 242 区分 所有者数 |構成比 面積 [横ldiJT 一人当り 10M未満 200㎡未満 3000f未満 50M未満 1,00M未満 2,000㎡未満 5,000㎡未満 10,00M未満 10,000㎡以上 927750379 679467543 337035443 00000900 17434381 108421 12 581797731 ●00●●00●● 217842100 241 012303576 083150238 604385228 00000,000 800679596 321112 272716744 ●0000●●00 593012664 111111 26 74 1 9903869 3702122 2374077 0000 1369 1 計● 494,759 100.0 153,038 100.0 309

(11)

第1章地価税審議過程における理念 『土地税制見直しの基本課題一税制調査会土地税制小委員長とりまとめ-」

(平成2年5月29日)には、土地税制小委員会発足まぎわの時点での基本課題に

ついて、示されている。土地税制小委員会は、平成2年4月13日の第1回会合以

来、当時まで9回にわたり関係省庁や学界等からのヒアリングを行いながら審議

を重ねている。 9)

同基本課題では、「土地問題の所在」について、以下の二点に集約している。

(1)「地価高騰による資産格差の拡大」サラリーマンの住宅取得を困難にしている

だけでなく、大都市圏と地方圏の格差を拡大させ、地方企業や外国企業の大都市

への新規参入を困難にし、国内の資産価額の膨張を背景とした海外投資による国

際摩擦を引き起こしたり、土地の法人所有を増大させたりしている。

(2)「土地利用の不均衡・非効率」大都市圏において、本来居住・業務・公共的

基盤整備のため有効に活用されるべき土地が、低未利用地あるいは資産保全目的

の農地として保有され.投機の対象となっている。更に、集中に伴う大都市圏の

居住環境等の悪化や大都市圏と地方圏の経済力格差を招いているという点が、注

目されている。

さらに、「土地問題の原因」として、(1)大都市集中、(2)土地の資産としての有

利性と土地神話、(3)土地投機、(4)土地の利用に関する国民的コンセンサスの欠如、

(5)総合性を欠く局所的対応があげられている。(4)の「国民的コンセンサスの欠如」

とは、土地の有効利用か居住・営業の安定か、開発の促進か既存の住環境等の維

持か、東京の効率化か多極分散か、利用可能面積の供給拡大か地価自体の抑制か

などの目標について十分な国民的コンセンサスが形成されていないことを指して

いる。(5)の「総合性を欠く局所的対応」は、都市計画や多極分散策、住宅・宅地

供給策、土地税制等の諸施策が、局所的に用いられ総合性を欠いているため、十

分な成果をあげていないことを意味している。

「土地問題に対処する際の優先的目標」としては、次の2点が挙げられている。

①資産格差の拡大に適切に対処していくこと。②国士全体及び大都市圏の中で、

それぞれ投機的取引の抑制を図りながら土地の有効利用を促進していくことの二 点である。 -42-

(12)

資産格差の拡大への対処に当たっては、利益に応じた適切な負担という土地基 本法の理念を踏まえる必要があるとしている。また、有効利用の促進に関しては、 基本的には市場メカニズムによりつつも、土地基本法に示された公共の福祉優先 の基本理念にのっとった利用の促進が、考えられている。土地の有効利用の進展 は、土地需給の緩和による地価の抑制を通じて、資産格差への対処にも資するも のと期待されている。 特に大都市圏内での有効利用促進を図る場合、以下のような留意点があるとし ている。(1)既存の居住権や営業権などについては一定の配慮をしつつ、全体と して、長期的な視点に立った住環境の向上、経済活動の活性化が望ましい。(2)「地 価抑制と有効利用」、土地の高度利用により短期的には地価が上昇するという意見 もある。しかし、利用可能面積の供給拡大策により単位当たりの地価や家賃を抑 制しながら、長期的な地価の抑制を図っていくべきだとしている。(3)「多極分散 と有効利用」、東京をはじめとする大都市圏の土地の有効利用を促進することは、 大都市集中を更に助長するのではないかとの懸念もある。しかし、多極分散策は 強力に進めつつも、土地の有効利用により大都市圏の土地問題自体の緩和を図る 10) 必要カゴあるとしている。 土地の有効利用による地価の上昇などの指摘は、明らかに短期的な視野に立っ たものであり、有効利用の促進は、長期的にみれば、供給の促進により地価を抑 制するための有効な手段と考えられる。同様に、「多極分散」は推進すべき課題 だが、このことによって大都市の土地の有効利用の促進を通じての宅地供給や交 通網の効率化などの緊急の課題から目をそらすとすれば、本末転倒である。これ らの点において、以上の主旨は、的を射たものと思われる。 「土地税制見直しの視点」として、以下の二つの点から進められるべきだとし ている。(1)「資産に対する適正な課税」、経済・社会の健全で均衡ある発展、税 制への信頼感の確保のためには、国・地方公共団体の活動の費用を国民に分担し てもらうに当たって、課税の公平の観点から土地という資産に対し適正な税負担 を求めることが重要である。開発利益を吸収するという観点からも適正な課税が 11) 求められるとしている。 (2)「土地政策の一環としての土地税制」、「土地政策の一環としての土地税制 の主たる狙いは、土地の資産としての有利性を減殺することを中心に、投機的土 -43-

(13)

地取引を抑制しながら土地の有効利用の促進を図ることにある。この結果、地価

の抑制が図られ、土地神話が打破されることを期待したい」と結ばれている。土

地政策の主要な課題として、土地の資産としての有利性を減殺するという視点が

明確にうち出されている。

税制調査会土地税制小委員会『土地税制の見直しに当たって-これまでの審

議の論点整理』(平成2年6月22日)には、平成2年4月13日の第1回会合以来

今回までの13回にわたる審議をふまえて、それまでの審議の論点整理がなされて

いる。

「土地税制見直しの視点」として、①第一に、課税の公平の観点から、資産格

差の拡大が問題となる中で、勤労所得などに対する税負担とのバランスをとるよ

うな適正な課税が重要とされている。開発利益の吸収という観点からも適正な課

税を考えるべきであると主張されている。税制本来の公平性や中立性の立場から、

譲渡、保有、取得の各段階で相応の税負担を求め、土地を利用した節税策など税

制が土地需給を歪めている点に対処していくことが、結果として土地の有利性を

減殺し、有効利用に資するとしている。税制が土地需給を歪めている事を明確に

示している点において、税制改革の方向は鮮明になっている。

②第二に、「土地税制は土地政策の中の極めて重要な手段の一つとして適切な

12)

役害Iを果たすべきである」と、明確に主張されている。また、「土地税制のみで

土地問題を解決することは困難である」としながらも、「大都市圏を中心に土地

の利用価値と交換価値があまりにもかけ離れている状況にあって、土地税制は、

土地の資産としての有利性を減殺し、投機的土地取引を抑制しながら土地の有効

13)

flI用を図る点で、重要な役割を果たし得る」と考えられている.従来ややもすれ

ば、「土地税制のみで土地問題を解決することは困難である」という面を強調す

ることによって、土地政策の重要な一環としての土地税制の意義を過少評価する

といった風潮がみられた。ここでは、土地税制の意義について、明確に述べられ

ている。また、土地の有効利用・高度利用を図り、資産保全目的の土地需要を抑

制することや、短期的な土地転がしを抑制するような税制も必要であるとしてい

る。

「保有課税」については、「主な論点」として、以下のように述べられている。

①現行の土地の保有に係る税負担水準は低すぎるとの意見や、土地の資産として

-44-

(14)

の有利性を減殺し、値上がり期待や資産保全目的の需要を抑制しながら土地の有 効利用を促進する意見があった。②国民生活や企業活動に過重な税負担を求める ことになるとの懸念に対し、開発利益の吸収や土地が受益する公共サービスの費 用負担という観点、限られた公共的な資源を占有することへの対価という観点か ら、土地の保有には相応の負担が伴うべきであるとの意見があった。③土地保有 課税の根拠や目的、税の性格といった基本的な点を十分に整理する必要があると の意見があった。④土地保有の税負担を考える際には、賃貸料や製品価格への転

嫁などの経済効果について、今後更に検討する必要があるとの意見があった。⑤

居住用財産などに対しては、現行制度と同様の配慮の必要があるとの意見とこれ

らの配慮が資産への適正な課税や有効利用の促進といった目標を妨げないよう留

意すべきであるとの意見があった。居住用財産に対する特例的措置は、譲渡所得

税を中心として、現行税制においてすでに様々な問題を投げかけている。保有課

税においても、居住用財産として認定しうる地域毎の土地の規模などを定めなけ

れば、大都市などにおける土地の有効利用に限界が生じるであろう。⑥法人が個

人に比べ強い経済力を背景に土地の取得を進め、地価高謄を招いているという点

に対処する税制が必要であるとの考え方、低未利用地のみに一層の税負担を求め

るという考え方、大規模土地所有だけを対象とする考え方、地価高騰の著しい一

定の地域だけを対象とせる考え方、保有そのものではなく土地の含み益に課税す

るという考え方、あるいは譲渡課税の強化を図るとともにこれによる供給抑制効

果を打ち消す見地から含み益の譲渡課税が繰り延べられることにつき利子相当の

負担を求めるという考え方があった。結果として、法人大規模所有土地を中心と

した限定された課税となったことは、これらの意見の反映であろう。⑦固定資産

税は.本来資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在する受益に着目し、

土地の使用収益し得る価値に応じた負担を求めるものなので、土地の取引価額を

課税標準とすることは適当ではなく、土地政策の一環として固定資産税を考える

ことには自ら限界があるとの意見があった。固定資産税の役割を市町村の行政サ

ービスとの受益に対する負担に限定するのは一面的すぎよう。土地保有に関する

普遍性のある税目である固定資産税との関係を明確にすることは、新しい土地

保有税の意義を論じる際に、最も重要な点の一つであろう。③大都市地域の市街

化区域内農地については、昭和63年6月の「総合土地対策要綱」及び平成元年12

-45-

(15)

月の「今後の土地対策の重点実施方針」において既に政府の方針が示されている。

「保全することとされないもの」については、資産に対する適正な課税の観点か

ら固定資産税の課税の適正化を行う必要があるとの意見があった。この場合、生

産緑地地区制度などにより都市計画上保全すべきものとして区分された農地につ

いては、「総合土地対策要綱」に示されたように、転用制限の強化、転用する場

合に地方公共団体が優先的に先買いできる制度の整備など、所有者の都合に基づ

く転用を制限することにより保全の実を上げる方策が不可欠であるとの意見があ

った。⑨特別土地保有税については、実効ある遊休地の利用促進制度の創設など

土地利用計画上の制度の整備を前提に遊休地に対する課税を強化すべきであると

の意見や土地政策を推進する幅広い角度からその活用・拡充を検討していくべき

であるとの意見があった。固定資産税に対してと同様に、土地保有税についても、

その拡充による政策効果について十分な吟味が必要であったと思われる。

税制調査会『土地税制のあり方についての基本答申」(平成2年10月)には、

地価税を中心とする土地税制の審議課程について、まとめられている。

平成元年12月の土地基本法の制定によって、「土地についての基本理念」が定

められた。税制面でも、資産としての土地に対する適正な課税が、求められてい

14)

た。税制調査会は、平成2年4月6曰の第34回総合において、土地税制小委員会

を設置し、土地税制見直しのための審議を行ってきた。

土地税制小委員会においては、平成2年4月13曰の第1回会合以来10月30日ま

でに21回にわたり審議が行われた。税制調査会は、同小委員会報告に基づき、本

基本答申を決定した。

本基本答申では、「土地税制見直しに求められているもの」として、以下の二

15)

点を掲げている。(1)近年の地価高騰は、土地を保有する者と保有しない者との間

の資産格差を極めて大きくするとともに、土地を保有しない者にとって、この格

差の縮少を不可能なものにした。個人間格差・企業間格差のみならず、企業の保

有する土地資産が増大する傾向がみられる。また、公共投資における用地費増の

16)

圧迫により社会資本整備カゴ遅れるなどの問題も、指摘されている。さらに、近年

の地価高騰に伴う勤労の価値の相対的低下、社会の繁栄を支えてきた「公平」や

「機会の平等」に対する信頼を動揺させ、勤労意欲や事業意欲の減退を招きかね

ない点が、懸念されている。(2)本格的な高齢化社会の進展の下で、消費税導入を

-46-

(16)

中心としたそれ以前の税制改革が目指した所得・消費・資産等の間で均衡のとれ た税体系を確立するためにも、土地税制の総合的見直しが急務である。 「土地基本法の制定と土地税制」についても、述べられている。①平成元年12 月に土地基本法が制定されたことによって、土地についての公共の福祉優先、適 正かつ計画に従った利用、投機的取引の抑制、利益に応じた適切な負担という 土地についての基本理念が定められた。土地基本法の下で、総合的な施策が可能 になったとしている。②望ましい土地利用に関する詳細な都市計画等、土地基本 法を踏まえた税制以外の諸施策が伴わなければ、土地税制の実効も期待できない 17) と述べられている。 かくて、「土地施策の総合的推進についての要望」として、以下のような税制 以外の諸施策を含めた土地政策の総合的推進が、指摘されている。(1)大都市地域 からの都市機能、産業機能の分散を図るための総合的な国土利用政策の推進。(2) 用途地域毎の用途の厳正化を図りつつ、必要な地域においては用途・容積率など 詳細な土地利用計画を設定する等を含めた都市計画上の土地利用規制等の活用。 (3)国土利用計画法に基づく監視区域制度の実効を上げるための先行的な区域指定 や開発利益の発生するプロジェクトの予定地等における地価高騰等を未然に防ぐ ための規制区域制度の活用。(4)土地政策の的確な実施のために、土地取引や所有 の状況、土地の評価や地価の動向等に関する情報の整備が、うたわれている。特 に公的評価については、公示価格、相続税評価、固定資産税評価等について、相 互の均衡化と適正化に努めるべきであるとしている。(5)「その他の政策の推進」 として、公共的基盤整備の促進のための用地の先行取得制度の充実、土地収用制 度の積極的な活用の他、借地・借家法の改正による土地の有効利用の促進が、望 18) ましいとしている。 基本答申には、「土地税制のあり方についての基本的考え方」についても、述 べられている。まず第一に、「資産としての土地の特性と税制」について、指摘 されている。(1)「土地の公共性」については、土地基本法の考え方が重要な指針 となるとしている。土地基本法において、土地は、①国民のための限られた貴重な 資源であり、②国民の諸活動にとって不可欠の基盤であり、③その利用が他の土 地利用と密接な関係を有するものであり、④その価値が主として人口及び産業の 動向、土地利用の動向、社会資本の整備状況その他の社会的経済的条件により変 -47-

(17)

19) 動するなど、「公共のポリ害に関係する特性」を有するものと規定されている。以

上のような土地の公共性に照らせば、「土地を私的に保有、譲渡又は取得するこ

とを通じて土地の便益を享受する場合には、他の資産ないし所得との均衡上、-

.20) 層の税負担を求めることカゴ必要である」としている。

(2)「資産としての有利性」については、①土地は有利な資産であるとの認識が

浸透していることをあげている。土地神話の背景となっている土地の有利性に関

し、次のような点があげられるとしている。(イ)土地の稀少性のため、人口の増加

や経済の急速な発展を背景として、地価上昇は、経済的に土地の生産性の伸びや

国民所得の伸びをかなり上回ってきた。(ロ)このような地価の経験的な上昇傾向は、

株式等に比べてリスクが小さく値上がり期待の大きな資産として保有する需要を

高め、一層の地価上昇を招いている。(ハ)土地に関する情報の流通が他の資産に比

べて十分でないことが、土地の個別性を増幅しており、地価を高騰しやすくして いる。(二)土地の価格は、主として周辺の人口・産業動向、社会資本の整備状況等

の外部的条件により上昇する。このため、事業や他の資産への投資に比べ、長期

的な地域発展のもたらす地価上昇を期待できる土地への投資を有利なものにして いる。(ホ)この他、税制がむしろ土地の有利性を助長しているとして、以下の点が

指摘されている。(A)各種の特別控除、買換え特例等により税負担軽減の余地が大

きい点で、他の資産より有利である。(B)地価下落のリスクは極めて小さいことか

ら、売却時点を容易に選択でき、値上がり益に対する譲渡益課税を先延ばししや すい。含み益について金融上の担保価値として、実質的に便益を享受できる。(C) 相続税において、土地の評価が実勢価額より低くなっており、また、事業用及び

居住用の小規模宅地等の評価額から一定割合を減額する特例がある。(D)土地保有

に固定資産税が課されるが、著しい地価上昇の中で、土地の使用収益しうる価値

を大きく上回る水準で取引されており、保有コストが次第に低下してきている。

②土地の利用の非効率や土地投機をなくすためには、このような土地の資産とし

ての有利性をもたらす諸要因を除去することが必要であり、税制によって土地に 21) 適正な負担を求め、禾U用の効率イヒを図る合理的行動を促すことも、重要である。 ③「資産としての土地と税制」については、土地という資産は、株式、公社債、 預貯金、絵画、貴金属といった他の資産と異なり、国民のための有限で公共的性 格を有する資産である。稀少でリスクが小さく値上がり期待の大きな資産であり、 -48-

(18)

外部的要因による値上がりが大きく、譲渡益課税、相続税評価等の面で他の資産

よりも有利な点がある。他の資産とは異なる特性を踏まえた対応を検討する必要

があると指摘している。

第二に、「土地税制のあり方についての視点」として、土地の公共性、有利性

という特性を踏まえ、税制の最も重要な原則である負担の公平という理念や政策

手段としての役割という観点から、土地税制の視点は、以下の点に集約されると

している。(1)「土地に関する税負担の適正・公平の確保」は、21世紀に向け公正

で活力ある社会経済を維持するには資産格差の拡大に対処するために、重要であ

る。勤労所得などに対する税負担とのバランスの確保や外部的要因による資産価

値の上昇を公共に還元するという観点からも、適正な課税が求められるとしてい

る。(2)「土地政策の一環としての税制」として、土地の資産としての有利性を減

殺することを中心に、投機的土地取引の抑制と土地の有効利用の促進を図り、土

地神話を打破する必要があるとしている。

同基本答申では、「土地税制の具体的あり方」の中で、保有課税についての基

22) 本的考え方カミ、以下のように述べられている。

(1)保有課税は、継続的に課税する点で、土地税制の中でも重要な役割りを果た

す。(2)有限で公共性を有する土地の保有の有無が資産格差を拡大させていること

に鑑みれば、土地の保有に対してはその資産価値に応じて一層の税負担を求める

ことが、公平の理念にかなう。(3)我が国では、利用価値よりも資産価値に着目し

た土地保有が行われてきた。土地の資産価値に応じた課税を行えば、地価の上昇

に伴い保有コストが増加するので、土地の有利性の縮減という政策効果を発揮す

る。(4)土地保有に関する負担の公平を確保するとともに、土地の資産としての有

利性を政策的に縮減する観点から、固定資産税。特別土地保有税の見直し及び新

税の創設を含め、土地保有に対する税負担をその資産価値に応じて適正な水準に

引き上げるべきである。

「具体案の検討」の中で、既存の固定資産税。特別土地保有税の強化によって

対応できるという意見について、検討されている。土地保有に対する負担の公平

確保、有利性縮減の観点から資産価値に応じた負担を求める必要があり、既存税

制では対応できないという意見が大勢であったとしている。

(1)「既存税制(地方税)の見直し」についての考え方は、時価に応じた税負担

-49-

(19)

を求めるのは適当ではなく、現行の固定資産税を段階的に引き上げ、中長期的に その強化を図り、同時に、投機的土地取引の抑制や土地の有効利用促進を目的と する特別土地保有税を充実強化することにより対応すべしとするものである。 この意見の「検討」をみると、(イ)土地の資産価値に応じた税負担を求めること なくしては、資産格差の拡大への対応及び土地の資産としての有利性縮減という 目的を達成できない。一方、固定資産税は、本来資産の保有と市町村の行政サー ビスとの間に存在する受益関係に着目し、土地の使用収益しうる価値に応じた負

担を求めるものであるとしている。ここでは最初から、固定資産税は、資産価値

に応じた負担を求めるものではなく、受益・負担関係に限定した範囲でしか増徴 しえない税目であると前提されている。確かに固定資産税は、人口の増加や社会 ・経済の発展をも含めた受益による資産価値の増大に対応すべき税目ではないか もしれない。しかし、市町村の受益・負担関係に限定したにしても、受益のかな りの部分は資産価値の増大に反映しているはずである。現状の固定資産税の負担 程度で、この受益が十分に捕捉されているかどうかは、検討の余地が残されてい る。 (ロ)特別土地保有税については、投機的土地取引の抑制と有効利用の促進を目的 としており、一般的な土地保有に対する負担の公平確保を目的とするものではな いとしている。確かにこの税は、区域に応じた土地保有に課税されるものである。 しかし、課税対象の土地の規模を下げる等の改革によって、課税対象範囲を広げ る等の改革によって、この税をより一般化することは、可能であろう。 (2)「新税(国税)の創設」については、以下の三種類の課税方法が、検討され ている。①「低未利用地課税」については、利用度の低い土地に対して、取得時

点を問わず、時価(資産価値)を基準として課税される新たな国税であると考え

られている。これについては、以下の「検討」がなされている。(イ)低未利用地課 税は、土地保有に対する負担の公平確保、土地の有利性の縮減という課題に、応 えられない。(ロ)個々の土地についての地域毎の社会。経済等の状況に応じた利用

のあり方を定めた実効性のある詳細な土地利用計画が存在しない。しり仮に外形的

基準によって利用度の判定をした場合、①地域の産業等の状況から利用への需要

が乏しい場合、外形的な基準では割り切れず、②形式的な基準を満たす建物を建

てて放置したり、最低基準をやや上回る程度の利用が増えるだけで、有効利用に

-50-

(20)

つながらないといった問題が、指摘されている。(二)従がって、国税として新たに 低未利用地課税を導入することは適当ではない。け)「総合土地対策要綱」等にお いて示された方針に鑑み、遊休地に係る都市計画制度が創設されたことを踏まえ、 低未利用地に係る特別土地保有税の強化を図ることが考えられるとしている。 詳細な土地利用計画が存在しないことが、低未利用地課税のネックになってい る。この点に関しては、課税を断念するよりも土地利用計画を促進すべきであろ う。 ②「含み益課税」についての考え方も示されている。土地の値上がりによる含 み益については、これを見合いとして借入れを行ったり、資本市場で有利に資金 調達を行うといった実質的な利益を享受しうる。含み益課税は、このような経済 力に対して一定の負担を求めるものである。「基本的仕組みとしては、土地の含 み益(時価と帳簿価額の差額)を基準として課税することとなるが、この場合、 含み益自体に着目して一回限りで課税する方式と含み益が売却により実現するま での間の利子相当の負担を求める観点から毎年課税する方式(いわゆる含み益利 子税)との二通りの方法が考えられる」としている。 含み益課税については、以下のように「検討」がなされている。(イ)地価高騰に 伴う膨大な土地の含み益が生み出す経済力の格差を鑑みれば、含み益課税は理解 できる。(ロ)しかしながら、含み益課税は、最近取得された含み益のない土地に対 しては負担を求めることができず、土地保有に対する負担の公平性・中立性の点 から難点がある。(ハ)未実現の値上がり益に対しては、支払い能力等の点から、課 税に限界がある。そこで、含み益に対して売却時点までの利息相当分の負担を求 めるという考え方もあるが、保有土地に対し低い税率水準で毎年負担を求める一 般的な保有課税によって実質的には代替できるとの指摘があったことが、記され ている。(二)含み益課税と譲渡益課税との重複課税を避けるための調整が問題にな る。他方、含み益への課税に応じ土地の帳簿価額を引き上げる(再評価を行う) ことにより調整を図る場合は、含み益課税の税率水準が低ければ土地保有の有利 性を拡大しかねず、高ければ未実現の値上がり益に対して重い負担を求めること になるという問題が指摘されている。(ホ)以上の点で、含み益課税の導入には問題 があるとしている。 ③「一般的な土地保有課税」の考え方については、「有限で公共的性格を有す -51-

(21)

ろ資産の保有に対する負担の公平を確保するとともに、土地の資産としての有利 性を縮減する観点から、土地の資産価値に応じた保有税負担を求めようとするも のである」と説明されている。基本的仕組みとしては、土地の利用状況等を問わ ず、資産価値(時価)に応じて新たな国税を課税することが考えられている。 その「検討」については、(イ)新たな土地保有課税は、土地の利用状況等を問わ ず、その資産価値に応じ負担を求める点において、土地保有に対する負担の公平 確保及び土地の資産としての有利性縮減という要請に最も適合した課税方式であ るとしている。(ロ)また、保有コストを考慮したより効率的な利用を促進すると考 えられている。また、土地の資産価値に応じた負担を求める点で、古くから保有 されて含み益のある土地のみでなく、最近取得された土地についても、その経済 力に応じた負担を求めることができると考えられている。 第三に、「土地保有税(仮称)の創設」について詳細に述べられている。 (1)「具体的仕組み」として、①土地保有税(仮称)の趣旨等について、述べら れている。(イ)「土地保有に対する負担の公平を確保し、土地の有利性を縮減する ことが、土地保有税(仮称)創設の趣旨であり、この点から、基本的に土地の利 用状況等により区別せず、また、地域を限定せずにその資産価値に応じて負担を 23) 求めることカゴ適当である」と述べられている。また、全国の土地に対し資産価値 (時価)に応じた統一的な評価水準に基づいて負担を求め、税収の地域的偏在を 避けるため、国税とするのが適当であるとしている。(ロ)また新税は、土地の資産 価値に担税力を求め税負担を求めるものであり、長期的にその土地から生ずる総 合的な収益により負担されるものであると考えられている。 土地保有税は、資産価値に応じて普偏的に課税される税目として立案されてい たことが、明らかである。国税としたことについては、「統一的な評価水準」を 求めるだけなら、固定資産税のように地方税とすることも可能であろう。「税収 の地域的偏在」については、その後の地方への地価の波及を考慮すると、充分な 説明とは思われない。全国一律の統一的評価が存在すれば、地方税としても課税 の中立性は損なわれないであろう。さらに言えば、地価の高い地域で重課される ことは、有効利用の促進等の点で、意義があるものと思われる。 ②「課税の対象から除かれる土地」としては、(イ)「居住用の土地」を非課税と することが、主張されている。「この場合、持家の敷地のほか、戸建ての貸家や -52-

(22)

アパート等の敷地も、入居者の居住の用に供されていることから非課税とするこ とが適当である」と述べられている。ここでの「居住用」という概念は、譲渡所 得税等における自らの生活の拠点とは異なっている。土地の有効利用を主眼とし たものであろうが、遊休地などの限定された土地への課税という色彩を強めてい ることは、否めない。その他、(ロ)「公共的、公益的な用途に供される土地」に対 して非課税とされていることは、納得しうるところであろう。 ('9「課税最低限」については、「土地の資産価値に応じた負担という趣旨に照 らして、小規模な店舗の用地等一定の資産規模以下の土地保有については課税対 象から除く」としている。控除の基準については、土地の金額と面積の二つの基 準を併用することが考えられるが、土地の資産価値に着目する新税の趣旨からは、 金額基準が重視されるとしている。「小規模な店舗の用地等を除く」という主旨 は、零細な事業用資産には課税しないという内容であろう。後に法制化された地 価税法にみられるような10億円、15億円の課税最低限と結びつく内容であるとは 考えられない。 ③「納税義務者」については、非課税とされる土地を除いた上で課税最低限を 超える土地を保有する者(個人及び法人)と考えられている。借地権者や地上権 者についても、資産価値に応じて負担を求めるとしている。 ④「土地の評価」については、全国の土地を対象としてその資産価値について 毎年、売買実例等に基づいた評価替えを行っている相続税評価を活用すべきだと している。 ⑤「税率」については、「土地保有そのものに担税力を認めつつ毎年保有土地 の資産価値に応じて負担を求める観点、土地の資産としての有利性を政策的に縮 減する観点等を総合的に勘案して適切な水準に設定すべきである」と考えられて いる。なお、土地保有税(仮称)の税額は、所得課税において法人所得や個人の 事業・不動産所得の計算上、損金算入の対象とすることが適当であると考えられ ている。 ⑥「申告納税」については、他の国税における一般的な納税方式の例にならう としている。 ⑦「土地保有税(仮称)の性格等」については、「居住用の土地の原則非課税、 一定の資産規模(課税最低限)以下の土地の非課税等により、課税対象は一定規 -53-

(23)

模以上の事業用地を中心とするものとなり、納税義務者の数は相当限定されたも

のとなる31)と考えられている。当初から法人大規模所有地等の限定された範囲の

土地への課税を目ざしていたことがわかる。資産価値に応じた普遍的な課税とい う理念とはほど遠い内容である。 ③「土地保有税(仮称)と固定資産税の関係」については、以下のような理由 で両税は性格を異にするものであり、負担の調整は必要ないとしている。(イ)「新 税は、公共的性格を有する土地の保有に対する負担の公平確保及び土地の有利性 縮減を目的としており、固定資産の保有と市町村行政サービスとの間の受益関係 に着目して資産の使用収益しうる価値に応じて負担を求める固定資産税とは税の趣 25) 旨.性格を異にすること」。(ロ)新税の課税標準は土地の資産価値であり、固定資 産税の課税標準である土地の使用収益しうる価値と異なる。(ハ)新税は、居住用地 を原則として非課税とし、控除により小規模事業用地等を非課税とすること等か ら、課税対象とされる土地の範囲が固定資産税より大幅に限定されている。H同 一の課税物件について複数の税が課される例としては所得税、法人税と住民税な どの例があり、固定資産税があることから土地の資産価値に応じた担税力が否定 されるものではない。 固定資産税の性格については、従来の歩みをみれば、収益税ととらえることは 可能であろう。しかしながら、資産価値と収益率の乖離が進み様々な問題を引き 起こしている今日、固定資産税を資産価値に対する負担に近づけて行くことは、 負担の公平確保や土地保有の有利性縮減という点で、政策効果は大きいと考えら れる。基本答申では、土地保有税(仮耐の課税範囲を居住用地や小規模事業用 地を除く法人大土地所有等に限定している。「土地の資産価値に応じた担税力」 を求めるのであれば、大・小の資産に応じた各々の担税力に広く課税されるべき ではないかと思われる。基本的に固定資産税の方がこの役割に適していると考え られるが、居住用地や小規模宅地の減免税などの様々な控除制度を作りすぎたこ とによって、現行の固定資産税も同様の問題を抱えていると言わざるをえない。 「土地保有税(仮称)の実施時期」については、申告納税方式とすることによ る納税者の申告準備、税務執行上の準備等を勘案して、平成4年度からの実施と することが適当とされている。 (2)「土地保有税(仮称)の税収と所得課税の減税等」についても、述べられて -54-

(24)

いる。土地保有税(仮称)は増税を目的とするものではないので、所得課税の減

税を合わせて検討することが適当だとしている。

税制調査会は、平成2年12月4日の第1回総会で内閣総理大臣から「審議を求

める」旨の諮問を受け、平成3年度税制改正についての審議を行い、平成2年12

月19日の第4回総会において、その結果を「平成3年度の税制改正に関する答申」

26) としてとりまとめ、これを即日、内閣総理大臣に提出している。

本答申の「基本的考え方」をみると、本格的な高齢化社会の進展を考慮して、

「勤労所得に対する負担を大幅に軽減し、所得・消費・資産等に対する課税の間

で均衡のとれた税体系を構築すること」が、うたわれている。とりわけ、土地税

制の見直しが必要であるとしている。土地税制の総合的見直しについての検討結

果は、前述の「土地税制のあり方についての基本答申」(平成2年10月30日)と

してまとめられ、すでに内閣総理大臣に提出されている。

本答申をみると、土地税制の見直しは増収を目的とするものではないとしてい

る。土地保有税(仮称)による純増収分の使途については、基本答申に示した考

え方に沿って、平成4年度の税制改正・予算編成時までに検討すべきであると述

べられている。

税制調査会の審議過程において、土地保有税(仮称)の税率が低いことに加え

て、基礎控除の額が高い等、その負担水準が土地の資産としての有利性を縮減す

る上で不十分ではないかとの強い指摘がなされたことが、記されている。一方、

個々の納税者に対する負担や実体経済に与える影響等を総合的に考慮すれば、新

税の導入当初において、ある程度納税者の負担に配慮することは、やむをえない

面もあるとしている。

本答申には、地価税の意義について、「新たな土地保有税(仮称)は、固定資産

税及び特別土地保有税の見直しとあいまって公共的性格を有する資産である土地

の保有に対する税負担を引き上げるとともに、土地の保有コストに対する意識を

高める上で必要不可欠であり、資産価値(時価)に応じて毎年税負担を求める新

税の創設意義は極めて大き(?【,〕と述べられている。また、「土地保有税(仮称)」

については、その創設の趣旨に照らし、今後の地価の動向、固定資産税の評価の

適正化等を勘案しつつ、機動的、弾力的に見直しを行っていくことが必要であり、

再び地価の高騰の窺える事態が生ずれば、総合的土地対策とあいまって果断に税

-55-

(25)

率・控除等を見直し、本税に期待されている役割をまっとうさせるべきである」

と記されている。税率や控除等の見直しを機動的・弾力的に行っていくとしてい ることは、地価税の今後の政策効果の発揮にとって、重要な意義を有するものと

思われる。しかしながら、前述のような実体経済に与える影響や納税者の負担に

対する配慮が優先され、政策決定において支配的な要因となる可能性についても、

否定し得ないものと思われる。

自由民主党『土地税制改革大綱』(平成2年12月6日)には、土地保有税(仮

称)の創設についての具体的施策について、規定されている。この内容が、ほぼ

最終的な法案として結実したものと思われる。 「基本的考え方」として、「健全な勤労意欲に支えられた活力ある日本社会を

維持していくため、内政の最重要課題として土地問題・住宅問題の解決に取り組

28) む必要カゴある」と述べられている。土地税制については、土地基本法第15条の規29) 定に従って実効ある改革を図ろ必要があるとしている。土地税制には、地価高騰 の再発を防止しうるように、長期的、構造的、体質改善的な観点からの役割が期

待されている。「税負担の公平の観点からも、また、土地選好を弱めていく観点

からも、土地の資産としての有利性を縮減することが必要である」と述べられて いる。「土地選好を弱めるためには、土地の資産価値が高まれば保有コストも高 まる仕組みが有効であり、このような考え方から保有課税の在り方を見直す」と して、国税としての「土地保有税」(仮称)の創設をうたっている。その際、国 民経済及び国民生活への影響に配慮して、居住用土地、小規模事業用土地等につ いて極力負担を転減するための措置を講ずるとしている。 土地保有税(仮称)の創設についての具体的施策についても規定されている。 国内にある土地の所有権者、借地権者である個人又は法人に相続税評価額によっ て課税するとしている。「非課税とされる土地等」については、公益的用途に使 用されている土地以外にも、「自己の居住の用に供されている建物の敷地(1,000 ㎡以下の部分に限る)」及び「他人の居住の用に供されるものとして賃貸されて

いる建物(会社役員の社宅を除く)の敷地(1,000㎡以下の部分に限る)」など

について、規定されている。 「基礎控除(課税最低限)及び課税対象額」についても規定されている。「そ の者が毎年1月1日において保有するすべての土地(非課税とされる土地及び居 -56-

(26)

住の用に供されている土地のうち非課税対象分を除く)の価額の合計額から、 30) 基礎控除の金額を差し引いた残額を課税対象額とする。」と規定されている。 「基礎控除の金額」としては、「10億円(但し、個人及び中小法人については 15億円)」と「1㎡当たりの評価額が3万円を超える土地排課税分を除く。) の面積×3万円」のいずれか大きい方の金額と規定されている。3万円の控除は、 地価水準の低い地域における製造業などの大規模な土地所有に対する税負担の軽 減を意図したものと解することができる。定期控除の10億円・15億円については、 大都市の中心部などにおいて小規模であっても資産価値の著しく高い土地など について、非課税の幅をかなり広げる結果を生じるものであろう。 「税額」についても、規定されている。税率は0.3%(初年度02%)とされ ている。税額は、所得税(事業所得等)、法人税の計算上、損金に算入すること とされている。これは、土地保有税が増税を目的とするものではないという点と 関連しているものと思われるが、政策効果を弱めるという面も否定できない。 「申告納税」については、「毎年10月31日までに申告し、同日及び翌年3月31 日に分割納付する」ことが、規定されている。 「土地保有税(仮称)の負担のあり方については、少なくとも5年毎に、固定 資産税の評価の適正化等を勘案しつつ土地保有に対する税負担全体の状況等を踏 まえて検討するものとし、必要があると認めるときは、課税対象及び税率等1こつ 31) いて所要の措置を講ずるものとする。」と期定されている。土地保有税は、固定 資産税と密接な関係を持っており、それを補完する役割りを担っていることが、 明確に示されている。これらの「所要の措置」が将来順調に実施されるかどうか によって、今回の法制化の意義は左右されることになろう。 「税収の使途」については、「減税、土地対策、地方財源の充実等に配慮しつつ、 その具体的内容について、平成4年度の税制改正・予算編成時に検討することと する。」と規定されている。 自由民主党『平成3年度税制改革大綱」(平成2年12月19日)には、平成3年 度税制改正についての「基本的考え方」が、示されている。平成3年度税制改正 においては、去る12月6日にとりまとめられた「土地税制改革大綱」に沿って、 土地税制の具体的な改正を行うとともに、個人住民税の大幅な減税を行うほか、 32) 住宅取得の促進等に資するため、所要の措置を讃ずることカゴ、記されている。 -57-

(27)

自民党が平成3年12月6曰に決定した「土地税制大綱」において、土地保有税 の税率が0.3%と低く抑えられたことについて、野党各党は、「地価対策の効果 は全く期待できない」(社会党)として批判している。社公民連四野党の政審会 長は、同日夕方に会談して、税率アップなどを柱とした共同修正要求によって政 33) 府・自民党に対抗していくことを確認している。 自民党税制調査会がまとめた「土地税制改革大綱」について、財界や主要業界 団体は相次いで反発するコメントを発表している。斉藤英四郎経団連会長が「課 税対象に大企業をねらい打ちにした第二法人税の性格をもつもので、筋の通らな い、納得しがたい税だ」と批判している。石川六郎曰商会頭も、「企業活力を削 ぐような新税」として、反対を表明している。これに対して、鈴木日経連会長は、 「国税での導入は実効のある統一的な政策を実施していく意味からやむをえない」 34) としている。 税制調査会「平成3年度の税制改正に関する答申』(平成2年12月)では、去 る平成2年10月30日に提出された「土地税制のあり方についての基本答申」やそ の後に出された自民党の土地税制見直しの具体案をふまえて、その影響を色濃く 受けた土地税制の展望が、示されている。 本答申をみると、税制調査会の審議の過程において、土地保有税(仮称)に関 し、税率が低いことに加え、基礎控除の額が高い等、その負担水準が土地の資産 としての有利性を縮減する上で不十分ではないかとの強い指摘があったことが、 記されている。 「土地税制については、今回の措置を改革の第一歩と捉え、今後、土地に関す る各種の情報の収集や新税等の実施状況の把握に努め、その効果や影響を見極め つつ、保有・譲渡・取得の各段階における適正な負担水準等を追求し、より望ま 35) しい土地税制の姿を求めるための不断の努力を続ける必要カゴある。」と記されて いる。また、「とりわけ、土地保有税(仮称)については、その創設の趣旨に照 らし、今後の地価の動向、固定資産税の評価の適正化等を勘案しつつ、機動的、 弾力的に見直しを行っていくことが必要であり、再び地価の高騰の窺える事態が 生ずれば、総合的土地対策とあいまって果断に税率・控除等を見直し、本税に期 待されている役割をまっとうさせるべきである。」と記されている。今後、税率 や控除等の見直しによってこの税の強化がなされるかどうかに成否がかかってい -58-

(28)

るように思われる。むしろ、個々の納税者に対する負担や実体経済に与える影響

等の考慮が重視され、様々な特例的減免税措置が増幅されて行く可能性の方が、

危倶されるところである。

大蔵省「平成3年度税制改正の大綱」(平成2年12月23日)には、「土地税制

の見直し」の一環として「地価税(仮称)の創設」がうたわれていき!〕ここで規

。。◎

定されている地価税の内容1こついては、地価税法案の中身と同様と考えられるの

で、説明は割愛したい。明確に「地価税」として規定されている点は、注目され

るところである。内容的には、自民党の「土地税制改革大綱」(平成2年12月6

日)の影響を色濃く受けたため、税率が0.3%(平成4年度は0.2%)になる等、

負担の低いものになっていることは、前出の税制調査会答申と同様である。

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