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第2章 必修教科等の研究 03 数学科 実験や操作を基にした教材開発と授業設計 : 生徒が試行錯誤ができる実験を目指して-

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Academic year: 2021

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数学科

実験や操作を基にした教材開発と授業設計

~生徒が試行錯誤ができる実験を目指して~ 池田 宏 北村 俊 本論の要旨 本校の生徒の学習の様子を見ると,覚えることは得意だが,自ら調べて判断したり,自 分なりの考えを持ち,それをうまく表現する力が育っていないと感じられることがある。 また,正答さえ求められればそれで満足してしまう傾向にあり,多角的なものの見方や考 え方も十分育っていない。 新学習指導要領にもある数学的活動を取り入れ,自分の考えを表現する力や,多角的な ものの見方を育てたい。そこで,実際に活動をし,試行錯誤ができる学習を多く取り入れ, 多面的なものの見方を大切にし,教師と生徒,そして生徒どうしがやり取りする場面をよ り多くつくり出すようにしている。 このような学習は,生徒から多くの発想を引き出すとともに,ものごとの本質をより深 く理解することにもつながるなど,よりよい学習効果が得られるものであった。 キーワード 実験・操作,数学的活動,試行錯誤 1.研究主題によせて (1)はじめに 数学は,課題解決に向けて公式やコツを教え,早 く解けるようにすることが学習の目的ではない。あ あでもない,こうでもないと,自分で試行錯誤して コツをつかんだり,「なぜそうなのか」「他に解決方 法はないのか」と考えたりすることが目的である。 学習の目的が「こうすれば良い」と教え込むことで あれば,生徒は自分自身で苦労して考えるチャンス を失い,楽な方向へと流れ,考えることを面倒がり, すぐに答えを欲しがるようになる。それでは,課題 解決を何となくしているだけで,自分のスキルには なっていない。生徒が自分で取り組んで,何かをつ かむまで待てる余裕が欲しい。その何かを生徒自身 の手によってつかむことができれば,自ずと探究す ることができるであろう。しかし,個人差や時間の 制限もあって,難しいのが現状である。 本研究では,生徒が試行錯誤できる実験や操作, それに基づく授業設計を考えることにする。 (2)研究のねらい 今回の学習指導要領の改訂では,目標に「数学的 活動を通して」と「表現する能力」が加えられた。 このことからも数学的活動がより一層重視されてい ることが分かる。その数学的活動を通して,数量や 図形などについて実感を伴って理解させたり,思考 力,判断力,表現力等を高めさせたりできるように するとともに,数学を学ぶことの楽しさや意義を実 感させるためには,生徒が目的意識をもって主体的 に取り組む活動を仕組まねばならない。 しかし,通常の授業では,とかく知識の習得や技 能の習熟に重点が置かれ,教師主導の教え込み的な 授業を行いがちである。その結果が,自ら考えよう としない,受け身な生徒の姿となって現れているの であろう。 このような現状を打破するために, ① 教師と生徒,生徒どうしがやりとりする場面 を多く設定する。このような学習によって,生 徒の発想を授業の中に引き出すとともに,互い に刺激し合うことによって,ものごとの本質を 深く理解することにもつながるなど,よりよい 学習効果が得られるであろう。 ② これまで本校が取り組んできた教科学習につ いて,その内容と指導法について見直すととも に,新しい教材開発とその実践を試みる。 以上の2点に取り組む。 (3)研究仮説 「この問題ならこう」と,形式的に捉えて課題解 決をしていては,条件が異なったり,現実のような 複雑な課題に対応することができない。そのために 必要な情報を整理して,具体的にイメージさせるよ うにしたい。基礎的・基本的な知識を確実に定着さ せるとともに,授業の中で教師と生徒,生徒と生徒 のやり取りする場面を多く設ける機会を与える。そ れがきっかけとなって,互いが刺激し合い,より多 くの発想を引き出すことが期待でき,よりよい学習 効果が得られるであろう。

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2.授業実践1(2次方程式 第3学年) ① ねらい 数学でいう習得とは,ベースとなる知識を得る こととである。全く説明がない0からのスタート は,何をもって考えるのかが分からない。考える 元になるものが必要である。それは定義であった り,それらから徐々に示されていく定理である。 何事においてもそのルールを知らなければスター トできないのと同じで,数学でも四則演算などの 基本ルールを生徒自身の中に定着させる必要があ る。 そして活用とは,習得した内容で問題解決に取 り組むことである。自分なりに考え,自分なりに コツをつかみ,自分なりの解き方を見つけるので ある。試行錯誤して見つけたことは,生徒自身の スキルとなり,身につくはずである。 探究は,「なぜ」「他の方法は」と考えることで ある。解答できればそれでいい,で終わるのでは なく,本当にすべてが解決しているのか,疑問点 はないのかを意識できるようにさせたい。そこか ら発展して,「じゃあ,この場合は」と他の検討 を自身でするようになるのではないだろうか。 本時は,今までに習得した2次方程式の解き方 を活用し,探究する時間と考えた。課題に対して 「こんな解き方ができる」と自分自身で,もしく は助言があっても良いのだが,考え,解決に向か うことが活用であり,正しいのかを検討したり, 他の場合をやってみるのが探究である。ただ生徒 による個人差があるので,授業全体として,どの 部分が活用でどの部分が探究であるのかは区別し にくい。それは生徒自身の意識によるところが大 きいためであり,同じ時間帯であっても,ある生 徒は活用をしていて,ある生徒は探究しているよ 生徒の学習意欲を喚起 し,生徒の認識を深め るために,発展的な学 習内容を積極的に取り 入れ,生徒から多くの 発想を引き出す。 数学的な思考力を高める 的確な指示,考える観 点を絞らせるような具 体的な発問をして,生 徒の興味や関心を高 め,継続させる。 生徒どうしが,互いに 考えを聞き合い,反問 し合う場面を設定する ことによって,学習を 自律的に展開させる。

x

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うな状態でも良いと考える。 ② 単元の学習目標 ア.2次方程式の必要性に関心をもち,問題解 決のために進んで活用しようとする。 イ.問題を解決するための考え方を見いだし, 方程式を作ることができる。 ウ.2次方程式を解き,その問題にあった適切 な答え方ができる。 エ.2次方程式を使って,課題を解決するため の手順を理解している。 ③ 単元の学習計画 (2次方程式の利用 全4時間) 第1次 数の問題 (1時間) 第2次 図形の問題 (1時間 本時) 第3次 まとめ,演習 (1時間) 第4次 2次方程式の解の公式 (1時間) ④ 第2次の学習目標 ・多様な見方で図形をとらえ,自分なりの解決 方法を見つける。 【数学的な見方・考え方】 ・自分の考えを分かりやすく他の人へ伝える。 【表現・処理】 ⑤ 学習過程 学習内容・活動 1. 本時の学習目標を知る。 2. 2次方程式を解く方法や,その利用について確認 する。(確認問題) 3. 方程式を利用できる課題について,立式するうえ で,ポイントとなる部分を見つける。 ・どんな情報をもとに,何を とおいて解くのか, 解法を考える。 4. 工夫しない解法を提示し,なんとか工夫できない か,よりスマートな解法を探る。 ・1辺を (m),図左上の長方形の土地で,縦を (m),横を (m)とおく。 (左上)= (右上)= (左下)= (右下)= 2m 【課題】正方形の土地に,右の 図のような幅2mの道を作った ら,道を除いた面積がちょうど 50㎡になった。 もとの正方形の1辺の長さ を求めよう。

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2 5 2± = x (左上)+(右上)+(左下)+(右下)=50 より, を得る。 ・出てきた解が,問題の答えとして適しているの かをチェックする。 5. よりスマートな解法を考える。 6. 方程式を利用する課題について,今までにしたこ とと関連を見つけ,解法を探る。 ・グループごとに4種類の課題を考える。 ・画用紙等を使い,説明の準備をする。 ※この段階では,三平方の定理を 学んでいないので,右端のパターン については,右の図のように 縦と横の長さを考える。 7. 席を移動して,自分の解法についての解説を,違 うグループの人にする。 聞いている者は,評価をする。 ・とても分かりやすく,解説ができた。→○ ・答えは合っているのだろうけれど,解説があま り分からなかった。→△ ・解説する者が見当もついていない。 →グループの他のメンバーが教える。 8. グループを解散し,グループで評判の良かった者 を立候補(もしくは推薦)で選び,前で解説をする。 9. 自分の理解できたところ,そうでないところを整 理し,次の時間で復習,再確認する。 ⑥ まとめ 本授業は,今年度8月の本校の研究発表大会で 公開授業として行ったものであり,教科書にも登 場する2次方程式の図形の問題を取り扱ったもの である。 ア.成果について 2次方程式の解法については,ある程度の理解 【課題】縦8m,横6mの長方形の庭に,面積が庭の半分に なるような道を作ります。道幅をどこも同じにするとき, その道幅を何mにすればよいだろうか。 次の4パターンについて,どのような方程式をたてるこ とができ,答えを導けるだろうか。 があり,分からない生徒についても,教師や近く の生徒に聞くなどして,分かる努力をしており, 積極的な様子の中で授業が始まった。最初に例と して紹介した土地の面積について,道をスライド させれば簡単に考えられることを知り,それと同 じようにして課題を考えられないか,取り組んで いた。グループでの活動においては,互いが「何 でそうなるの?」「分かった」「こうしよう」と話 し合いを持って取り組んでおり,生徒同士の高ま りが見られた。 イ.課題・改善点について 今回の学習では,考え方がやや簡単であったこ とから,頭の中で操作するだけで済ませてしまう 生徒が目立った。今回のメインと考えていた「伝 え合う」ことについても,生徒同士が自分の意見 をしっかり持っていることまで意識ができていな かった分,「伝える」という一方的な方向だけに なったチームもあった。授業研究会に参加した先 生方からは「分かる生徒はうまく伝える,分から ない生徒はうまく聞く(私は○○が分からない。) という授業を目指したい」「クロスしている道幅の 問題について,①本当にぴったりと長方形になるの か②幅の誤解を与えてしまわないか」などのご意 見をいただいた。 数学的活動として「自分の意見を持って人に解 説する」ということに意識して今年度取り組んで いるのだが,多くの意見をいただいて,手法や評 価など,改善すべき点がまだまだあることに気づ かされた。 3.授業実践2(選択授業 第2学年) ① 学習目標 ア.基礎的・基本的な知識を活用し,実験や操作 で説明できる課題や根拠を明らかにしながら,筋 道を立てて証明できる課題を自己探究し,よりよ く問題解決する資質や能力を高めることができ る。

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イ.自己探求したい課題に,自主的,自発的に学 習に取り組むことができる。 ウ.一人ひとりが探究した課題をレポートにまと め発表することを通して,その成果を共有し,伝 え合う力を高めることができる。 ② 授業設計について 選択教科ガイダンス(1時間) 第1次(5時間) 根拠を明らかにしながら,筋道を立てて証明で きる課題を全体で学習しつつ,いろいろな見方・ 考え方があることに気づく。また,レポート作成 に向けての見通しをもつ。 第2次(4時間) 自ら課題を見つけ,言葉,式,図などを使って 論理的に考え,主体的に判断し,行動し,より よく問題を解決し,レポートにまとめる。 第3次(1時間) 自らが解決した課題を発表することで,伝え合 い,解決方法を共有する。 第4次(5時間) 発表会で共有したことをもとに,レポートの完成 に向けて,まとめの取り組みをする。 第5次(2時間) まとめの発表会 ○また,全体学習の場面では,生徒の興味・関心 に応じた課題を提示し,生徒一人ひとりが学習の 見通しを立てたり,学習したことを振り返ったり する場面を計画的に取り入れ,指導の充実を図る こと。また,「なぜそのような結論になるのか」「他 の解決方法はないのか」など試行錯誤できる場面 を十分に確保すること。 ③ 平行線と面積に関する授業設計 図1,図2については,等積変形の基礎的・基 本的な内容(底辺が共通であること,平行線間の 距離は等しく,その距離は三角形の高さに等しい, 2つの等しい面積である図形から共通する部分の 図形を取り除いた残りの図形の面積は等しい)の 定着とさまざまな方向から図形をとらえる力を養 うことを重点とした授業設計とし,図3について は,基礎的・基本的な知識を活用し,試行錯誤し ながら課題解決する力がはぐくめるような授業設 計を行った。 そして,選択教科数学科においては,さまざま な問題に積極的に対応し,よりよく問題を解決す る力をさらにはぐくむ課題として,凹四角形の等 積変形(図4)について全体で学習に取り組んだ。 図1 P A l m B C l//mだから, △ABC=△PBC 底辺BCが共通であり,三角形の高さは,平行 線間の距離に等しい。 点Pの位置は,無数に存在する。 図1において「一定方向からだけ図形をとらえ るのではなく,さまざまな方向から図形がとらえ られる力」をはぐくむために,面積が等しい三角 形として,△PBA=△PCAの存在にも気づけ るような授業設計とした。 このことは,基礎・基本を確実に身に付けるに とどまらず,さまざまな方向から図形をとらえる 力をはぐくむことにつながったと考えられる。 図2 A D O B C 四角形ABCDはAD//BCの台形だから, △ABC=△DBC また, △AOB=△ABC-△OBC △DOC=△DBC-△OBC よって,△AOB=△DOC 図1における基礎的・基本的な知識を活用し, 「他に解決方法はないのか探究する力」を養い, 2つの等しい面積である図形から共通する部分の 図形を取り除いた残りの図形の面積は等しいこと を論理的に考え,根拠を明らかにしながら説明で きる力をさらに高めるために, △ABD=△ACD また, △AOB=△ABD-△AOD △DOC=△ACD-△AOD よって,△AOB=△DOC という他の解決方法に気づける場面を設定した。 このことは,一定方向からだけ図形をとらえる のではなく,さまざまな方向から図形をとらえ, 試行錯誤し,論理的に考察しながら,説明,証明 できる能力を養うことにつながったと考えられ る。

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図3 対角線ACに対する平行線DE,対角線BDに 対する平行線GAを活用することにより, 四角形ABCD=△ABE 四角形ABCD=△DGC であることを作図し,課題解決する生徒が多かっ た。 しかし,図1,図2における学習の成果として, 一定方向からだけ図形をとらえるのではなく,さ まざまな方向から図形をとらえようとしたり,こ こまでの解決方法を生徒どうしが振り返り,共有 するなかで,他の位置に面積が等しい三角形が存 在しないかどうかということを探究する姿が多く 見られた。そして,辺をさまざまな方向に延長し たり,平行線を延長しながら平行線上のさまざま な位置に点をとり,四角形の一部分である三角形 と等しい面積の三角形をみつけようと試行錯誤 し,平行線DEを点D方向,平行線GAを点A方 向に延長することによって, 四角形ABCD=△FBC 四角形ABCD=△HBC が成り立つという解決方法に気付きはじめる生徒 が現れた。さらに,その考え方の根拠を明らかに して意見交流し,伝え合い,考え方を共有してい くなかで,生徒同士が,筋道を立てて課題解決で きることにつながったと考えられる。 ④ 選択教科数学科の課題解決を通して 図4 面積の等しい三角形へ変形する課題(発展) D A C B 基礎的・基本的な知識を習得した場面におい て,見慣れた位置や方向に辺の延長線,平行線を 作図しながら,三角形への等積変形を考え,課題 解決(解決場面1)している生徒が多かった。次に, さまざまな方向から図形をとらえようとする生徒 の考え方が共有され,他の解決方法である(解決 場面2→解決場面3)に至った。 解決場面1 点A,Cを直線で結び,点Dを通る平行線をひ く。BCを延長し平行線との交点をEとする。 凹四角形ABCD=△ABE また,辺ABを延長し平行線との交点をFとする。 凹四角形ABCD=△BCF 点A,Cを直線で結び,点Bを通る平行線をひ く。CDを延長し平行線との交点をGとする。 凹四角形ABCD=△AGD また,辺DAを延長し平行線との交点をHとする。 凹四角形ABCD=△DHC 平行線を左右にひくことから課題解決を進める 生徒が多かった。ただ,図3の学習で習得した知 識・考え方を活用または共有するなかで,1本の 平行線上に2点ずつ,等積変形するために必要な 点を探しだすことができていた。 F E D A C H G B 解決場面2 点B,Dを直線で結び,点Cを通る平行線をひ く。DAと平行線との交点をIとする。 凹四角形ABCD=△ABI また,ABと平行線との交点をJとする。 凹四角形ABCD=△AJD 「一定方向からだけ図形をとらえるのではなく, さまざまな方向から図形をとらえる」という見方 に気づき,その考え方が共有されるなかで,解決 場面1と同様に,1本の平行線上に2点,等積変 形するために必要な点を探しだすことができてい た。 D A C B

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解決場面3 さらに「他の解決方法はないのか」をじっくり と考えようとする生徒が多く,凹四角形の一部分 の変形による等積変形ではなく,図2のように, 2つの等しい面積である図形から共通する部分の 図形を取り除いた残りの図形の面積は等しいとい う考え方を活用できないのかということを生徒ど うしで意見交流しながら課題解決に至ることがで きた。 点B,Dを直線で結び,点Aを通る平行線をひ く。BCを延長し平行線との交点をKとする。 △ABD=△KBD 凹四角形ABCD=△ABD-△CBD △CDK=△KBD-△CBD よって,凹四角形ABCD=△CDK また,CDを延長し平行線との交点をLとする。 △ABD=△LBD 凹四角形ABCD=△ABD-△CBD △CLB=△LBD-△CBD よって,凹四角形ABCD=△CLB 結論を導くため,学習した内容をじっくりと振 り返り,他の考え方はないのだろうか,と意見交 流がさらに深まるなかで,次のような考え方につ ながった。 ADとBKの交点をMとする。 △DKA=△BKA △DKM=△DKA-△MKA △MAB=△BKA-△MKA よって,△DKM=△MAB 凹四角形ABCD=△DMC+△MAB =△DMC+△DKM =△CDK 同様にして, ABとDLの交点をNとする。 △LBN=△NDA 凹四角形ABCD=△NBC+△NDA =△NBC+△LBN =△CLB 一定方向からだけ図形をとらえるのではなく, さまざまな方向から図形をとらえながら,かつ, 基礎的・基本的な知識や学習した課題の解決方法 をどのように活用していくか,他の解決方法はな いのかを深く考える大切な場面となった。また, さまざまな問題に積極的に対応し,論理的に考え, 判断し,表現しながら,根拠を明らかにして,筋 道を立てて考察する能力を養う絶好の機会となっ た。 K D A C L B ⑤ 凹四角形の等積変形学習後の生徒の声 ・意見を交流しながら,見方や考え方をうまく活 用すれば「ああ,そういうことか」と考えられ るようになった。 ・いろいろな方向から図形を見ることで考え方が 広がり,多くの解決方法につながることがわかっ た。1つの方向にとらわれずに図形をみることが 大切だと思った。 ・自分で活用する場面を見つけて,自力で証明す る力がさらに身につけば,さらに楽しくなると思 う。 ・筋道を立ててから,「必要な図形を作図するた めにはこのような補助線をひくこと」という発想 ができるようになった。 ・意見交流していくなかで,おもしろい発想に気 づくと,自分の考え方に膨らみがうまれて,よい 刺激になった。 ・意見交流して,課題解決に向けての見方や考え 方を共有することで理解が深まった。 ・意見を交流して,見方や考え方を共有すると新 しい発想力が身につき,今までの学習内容と関連 づけて考えていく力が身についた。 ・普段,何気なく活用している定理や公式などを もう一度振り返って「本当にそれで証明や作図が できているのか。」「本当は何が起こっているの か。」を調べたり,深く考えたりできた。 4.おわりに 今年度は,教師と生徒,生徒どうしがやりとりす る場面を積極的に取り入れることに重点を置いた が,授業の中で気軽に相談できる環境ができた。そ の中で,「なんで?」と分からない生徒に対して分 かる生徒が考え方やヒントを伝えたり,自分たちの 考えを互いに出すことで,新たな発想を知る機会に もなった。今後,これら活動から生徒が感じた学習 効果などを追究していきたい。

参照

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