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ジージェックの統計単位論について

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1

ジ ー ジ土ックの 統 計 単 位 論 に つ い て

有   ・

正    三

'       「1                 くの   「統 計 単 位 の概 念 は 統 計 学 の 基 本 概 念 に 属 す る」。  ドイ ツ社 会統 計 学 は,第 」 次 世 界 大 戦 後 ,統 計的認識を量的認識 として 自覚 し,こ の 自覚 に もとづい て 統 計 的認 識 の方 法 的 構 造 を 規 定 す るな か で,統 計 単位 の概 念 を方 法 論 的 範 疇 と して成 熟 させ る。 こ の過 程 は,結 局.統 計 的 集 団 の概 念 の方 法 論 的範 疇 と して の確 立 と重 な りあ い,統 計 単 位 を 統 計 的 集 団 の対 概念 と して 「統 計 的 集 団 の構 成 要 素 」 ・集 団 単 位(Masseneinheit)と す る今 日の 一般 的 見 解 の 原 型 的規 定 を形 成 す る の であ るが,こ れ に い た る過 程 は い か な る もの で あ った か,そ れ を 明 ら か にす る こと は,ド イ ツ社 会 統 計 学 の統 計 的 単 位 概 念 の本 質 を 明 らか に す るた め に必 要 であ るば か りで な く,統 計 単 位論 の 今 後 の理 論 的展 開 のた め に 重 要 な 意 義 を もつ と考 え られ る。   後 期 ドイ ツ社 会 統 計 学 の 定 礎 者 の うち 最 も重 要 な 意 義 を もつ ジ ー ジ ェ ック (F.Zizek)は 統 計単 位論 の展 開 に おい て も重 要 な 役 割 を え ん じた 。しゅ もそ れ は 統 計 方 法 の 論 理 的 構 造 の 解 明 とい う,ジ ー ジ ェ ック の最 大 の 学 問 的 課 題 の 一 環 と して 進 め られ た の で あ る。   まず 第 一 に,ジ ー ジ ェ ッ クは統 計 調 査 一 統 計 数 獲 得 過 程一 の方 法 的 構造         の な か に 統計 数 の 意 味 を規 定 す る方 法 的 結 節 を求 め,こ の な か で 最 も基 礎 的 一 般 的 な もの と して 調査 単 位 を見 出 した 。 さて,調 査 単 位 は,一 ジ ー ジ ェ ッ ク

(1)  H.Schorer:Statistik.  Grundlegung  and  Einfuhrung  in die  statistische]Methode,

  1946.,S.33.

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  2       く ひ の 所 説 に よ る と一 一 般 統 計 方 法 論 に お い て は これ ま で 技 術 的 範 晴 と し て し か 問 題 に さ れ な か っ た 。 論 理 的 範 疇 と し て の 取 扱 い は 統 計 の 若 干 の 個 別 部 門 の統 計 実 務 お よ び 特 殊 統 計 方 法 論 に お い て た だ 自生 的 に 進 ん で い た に す ぎ な い 。 い ま や 意 識 的 に 論 理 的 範 疇 と し て 取 り上 げ,一 般 化 す る こ と に よ っ て 一 般 統 計 方 計 論 の 範 疇 に ま で 高 め る こ とが 必 要 で あ る 。 こ の 方 向 の 努 力 が 調 査 単 位 論 と し て 結 実 す る 。 主 著 『統 計 学 綱 要 』 《Grundriss der Statistik,1, Aufl.,1921,2.  Aufl.       くゆ 1923.〉 は,こ の 成 果 を も る。1929年 ジ ー ジ ェ ッ クは,調 査 単 位 の 概 念 と は 別 個 に 統 計 単 位 の 概 念 を 設 定 す る こ と を 無 意 義 とす る 従 前 の 見 解 を 変 え,調 査 単 位 お よ び これ 以 外 の 若 干 の 概 念 を 包 摂 し て 統 計 単 位 の 概 念 を 独 立 的 に 設 定 し, そ の 種 類 の 体 系 的 概 観 を お こ な う。  r統 計 単 位 論 』<Die  statistischen Einheiten, Jb. f. Nat. u. St.,131. Bd.(3.  F.76.  Bd.),1929》,こ れ で あ る 。 統 計 単 位 論 の 成 熟 と い うべ き で あ る 。

  本 稿 は 『統 計 単 位 論 』 を 中 心 と す る 諸 労 作 に お け る ジ ー ジ ェ ッ ク の 統 計 単 位 に 関 す る 所 説 の 要 点 と 特 徴 を 明 ら か に し,ド イ ツ社 会 統 計 学 の 統 計 単 位 論 の 展 開 過 程 の 理 解 に 役 立 て る こ と を 課 題 と す る 。

  本 文 中 お よ び 註 記 に お い て,典 拠 を 『統 計 単 位 論 』<Die  statistischen  Einhe?ten>に 求 め る 場 合 に は,括 弧 内 に 所 載 誌Jahr聴cher  f面r Nationa!δkonomie  und  Statistik, 131.Bd.,(3.  Folge),1929.の 頁 数 の み を 示 す こ と に す る

(3)F・Zizek:Meinen  Kritikern,  Allg・St.  Arch.,16.  Bd.1924.,  S.190-1.前 掲 拙   著 ・139頁 。

(4)同 様 の 努 力 が 調 査 標 識 群 お よび 表 示 に つ い て お こ な わ れ,統 計 調 査 の 方 法 的 構 造   を と くに 論 理 的 系 統 を 主 軸 に し て 規 定 し,ド イ ツ 社 会 統 計 学 の 統 計 調 査 論 の 最 高 め 展   開 形 態 を つ く り出 す の で あ る が,そ の 成 果 を な す 「四 基 本 概 念 の 理 論 」(Theorie  von

den  vier entscheidenden  Begriffen)は ,統 計 数 が そ れ の 獲 得 に あ た っ て 基 礎 と さ れ   た 調 査 単 位,調 査 標 識 群 お よび 表 示 に よ っ て 意 味 が 規 定 さ れ て い る こ と を 明 確 に   し,統 計 方 法 論 体 系 の 統 一 的 基 礎 とす る 。Vgl.  Zizek,  Funf  Hauptprobleme 

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ジ ー ジ ェ ックの統 計 単 位 論 につ い て    3       2   ジ ー ジ ェ ッ ク は 『統 計 単 位 論 』 に お い て,統 計 単 位 の 種 類 と し て,次 の 四 者 を あ げ る 。(1)調 査 単 位,(2)「 調 査 単 位:の部 分 集 団 」(部 分 集 団 の 構 成 要 素),㈲ 調 査 単 位 の 下 位 単 位,(4)整 理 単 位,こ れ で あ る 。 以 下,各 個 の 種 類 に つ い て, 順 を お い つ つ,方 法 論 的 な 性 質 お よ び 意 義 に つ き ジ ー ジ ェ ッ.クが 述 べ る ど こ ろ を 要 約 的 に 示 そ う。   第1カ テ ゴ リー 〈調 査 単 位(Erhebungseinheit)〉   調 査 単 位 は,統 計 調 査 に あ た っ て 実 際 に と ら え られ る,形 式 的 に 同 種 的 な 個         別 事 例 で あ る(S.51.)。 こ こに い.う形 式 的 同種 性(f・rmale Gleichartigkeit)とは 一 定 の概 念 の共 通 的 妥 当性 に ほ か な らな い。 第 一 義 統 計 調 査 に 当 っ ては .あ ら か じめ調 査 単 位 の 概 念 が 定 め られ,こ れ の妥 当す る個 別 事 例 が 調 査 の な か に ひ き入 れ られ る。 第 二 義 統 計 調査 で は,統 計 に 転 用 され る非 統 計 的 記 載が 行政 的 要 求 に した が って定 義 され た一 定 の概 念 に 照 応 す る個 別 事 例 を と らえ て い る。 い ず れ に せ よ一定 の概 念が 共 通 的 に妥 当 す る個 別 事 例 が と らえ られ,そ れ らの 個 別 事 例 の 総 体 に統 計 数 が か か わ る。 調 査 単 位,こ れ で あ り,こ こに統 計 単 位 の第1の カ テ ゴ リー を見 る(S.51)。   「調査 単 位 は研 究 され るべ き集 団 現 象 の要 素 で あ る」(S.51.)。 要 素 を 調 査 に ひ き入 れ る ことに よ って 当 該 集 団現 象全 体 を と らえ る のが 統 計 独 得 の現 実 把 握 形 式 で あ る。 調 査 単 位 の 概 念 の 妥 当す る個 別 事 例 のす べ て が,ま た,そ れ の み が 調 査 に ひ き入 れ られ る。 この こ とか ら,研 究 し よ うとす る集 団 を と らえ る こ         とが で き る よ うに 調査 単位 の概 念 を 定 あ る こ との 必 要 性 が強 調 され る(S.52.)。 (1)形 式 的 同 様 性 は,ジ ー ジ ェ ッ ク に お い て は,概 念 的 同 種 性(begriffliche  Gleich-  artigkeit)と も方 法 的 同 種 性(methodische  Gleichartigkeit)と も よぼ れ て お り,同 種   性 概 念 の 第1の カ テ ゴ リー を 形 成 す る 。(Gleichartigkeit,  Homogenitat  und  Gleich-  wertigkeitGleich-  inGleich- derGleich- Statistik,Gleich-  Allg.Gleich-  St.Gleich- Arch.,18.Gleich-  Bd.,1929.,  S.394.)。

(2)ジ ー ジ ェ ッ ク は 後 年 『統 計 数 は い か に し て 成 立 す る か 』(Wie  statistische  Zahlen entstehen,1937.)に お い て,調 査 単 位:の概 念 を 二 重 化 す る。 一 つ は 黙抽 象 的 な 調 査 単 位"(の 概 念),い ま一 つ は 具 体 的 な 個 々 の 調 査 単 位,こ れ で あ る 。 前 者 は,調 査 に お

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し '4   調 査 単 位 の概 念 に よ って調 査 に ひ き入 れ られ る個 別 事 例 の総 体 が 定 ま る とす れ ば,統 計 数 の語 る と ころ は先 ず 何 よ りも調 査 単 位 の概 念 に 依 存 す る こ と とな る。 調査 単 位 の概 念 が 相 異 な れ ば,統 計 数 の 語 る と ころ も相 異 な って くる。 統 計 調査 の結 果=統 計 数 を理 解 す るた め に ぽ,そ の統 計 数 の基 礎 を な して い る調         査 単 位 の概 念 を 先 ず 第 一 に 明 らか に しなけ れ ば な らない(S.51.)。   調 査 単 位 の概 念 の 規 定 に あ た「って は,統 計 家 に は広 範 な裁 量 の余 地 が 与 え ら れ て お り,い わ ゆ る統 計 的 、悠 意"か ら調 査 単 位 の概 念 も まぬ が れ る こ とが で きな い。 具 体 的 な統 計 調 査 の 目標 に 関 す る見 解 の相 異 か ら,ま た,調 査 の 技 術 的 可 能 性 に対 す る意 見 の違 いか ら相 異 な った 調 査 単 位 の 概 念 が 生 ず る。 同 じ現

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対 応 して結 果=統 計 数 も相 異 な らざ るを え な い の で あ る。   統 計 調査 は た だ 一 種 類 の 調 査 単 位 を と るの が通 常 で あ るが,複 数 種 類 の調 査 単 位 を とる こ と、も しば しば あ る。   第2カ テ ゴ リー 〈「調 査 単 位 の 部 分 集 団」(部 分 集 団 の 構 成 要 素)〉   調 査 単 位 は,整 理 の 段 階 に お い て,調 査 標 識 に した が って 同 等 また は 親 近 の もの ご とに ま とめ られ,統 計 的集 団 の枠 内 に おい て,よ り同 質 的 な 部 分 集 団 を 形 成 す る。 この部 分 集 団 の なか に 統 計 単 位 の第3の カテ ゴ リーを 見 る。   部 分 集 団 を構 成 す る単 位 は,た が い に 形 式 的 に 同 種 で あ り,概 念 的 に 一致 す   い て い か な る個 別 事 例 が調 査 単 位 と して と らえ られ るべ きか の 規 定一 「概 念 と して   の 調 査 単位 」。 指 導 的統 計 家 に よ って 調 査 の 前 に確 定 され,こ れ を基 準 に して 調 査単   位 の実 際 の把 握 が 行 われ る。 後 者 は上 述 の,調 査 機 関 に よ って実 際 に と らえ られ る,   調 査単 位 の概 念 の意 味 にお い て 同 種 で あ る具 体的 な個 々の 調 査単 位 。 (3)ジ ー ジ ェ ッ クは いわ ゆ る 「人 と事 件 」(Personen  and Falle)の 問題 を 重 視 す る。   これ につ い て は別 稿 にゆ ず りた い。 (4)例 え ば,工 業 生 産 の調 査 を見 る に,(1)個 々 に生 産 され る生 産 物 の継 続 的記 載,② 経   営 を被 調 査者 と して1年 間 の生 産 物 を 問 う事 後 的 総 体 的把 握,(3)工 業 経 営 を調 査 単 位   とし,最 近 の一 年 間 の 生 産 を調 査 標 識 とす る調 査(調 査標 識 と して,さ らに,使 用 原   動 力 数 や従 業 者 数 を と るこ と もあ り得 る)。 以 上3種 類 の道 が 可 能 で あ る(S.52.な   お,Grundriss  der Statistik,2. Aufl.1923,  S,362.)。

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      ジ ー ジ ェ ックの統 計 単 位 論 に つ い て    5 る 。 しか し 「調 査 単 位 と は 一 致 し な い 」。 調 査 単 位 の 概 念 に 対 し て 「部 分 集 団 に 属 す る 単 位 の 概 念 は 内 包 的 に よ り 特 殊 的 で あ り,外 延 的 に は よ り狭 い 」(s. ・54.)。 部 分 集 団 お よ び そ れ の 構 成 要 素 に は 上 記 の 関 係 に お い て 「分 類 原 理 の 意 味 に お け る 同 質 性 」(Homogenitat  im Sinne eines bestimmten  Gruppierungsprinzips)           が成 立 す る。   第3カ テ ゴ リー 〈調 査 単 位 の下 位 単 位(Untereinheit)〉   統 計 的 集 団 一 お よび そ れ の 部 分 集 団一 は所 属す る調 査 単 位 の数 に よ って 特 徴 づ け られ る。 しか し,し ば しば 当 該 集 団 に所 属 す る単 位 の事 物 的 量 的 調 査 標 識 の一 厳 密 に は そ れ の 現 象 形態 の一 総 和 に よ って特 徴 づ け られ る。 事 物 的 量 的 調 査 標 識 に は 「計 数(Z盗hlen)に よ る も の」 と 「計 量(Messen)に よ る も の 」 とが あ る。 前 者,す な わ ち,「 計 数 に よ る量 的 標 識 」 の一 厳 密 に は これ の 現 象 形 態 の一 総 和 の ほ か に ジー ジ ェ ック は統 計 単 位 の 第 三 ゐ カテ ゴ リー を 見 出 す(S.55.)。 例 えば 産 業 経 営 調 査 に お け る従 業 員 数,こ れ で あ る。 この 調 査 は産 業 経 営 を調 査 単 位 と し,個 々 の産 業 経 営 に おけ る従 業 員 数 を 調査 標 識 と す るが,表 示 で は 産 業 経 営 の 総 数 と と もに従 業 員 数 の 総 和(全 産業お よび各産 業 部門 の)を 示す 。 従 業 員 は この 場 合調 査 単 位(=産 業経 営)の 下 位 単 位 を 構 成 す る。 この よ うに 計 数 に よ る量 的 調 査 標 識 に お い て 調査 単 位 の下 位 単 位 が 統 計 単 位 と して現 れ る ので あ る(S.55.)。   第4カ テ ゴ リー 〈整 理 単 位(Bearbeitungseinheit)〉   整 理 単 位 とは,あ らか じめそ れ を構 成 す る こと を予 定 して 獲 得 され た 調 査 材 料 に よ り,調 査 単 位 を 基礎 と して,整 理 段 階 に おい て 事 後 的 に 構 成 され る単 位 で あ る(S.57.)。 国 勢 調 査 に お け る 世 帯 は整 理 単 位 の最 も 典 型 的 な 例 で あ る。 国 勢 調 査 は個 人 を 調 査 単 位 と し て,人 口総 数 お よび そ れ の 性 ・年 令 ・配 偶 関

(5)F.Zizek:Gleichartigkeit,  usw.,  Allg.  St.  Arch.,18.  Bd.,1929,  S.395.'「 分 類

  原 理 の 意 味 に お け る 同 質 性 」 は の ち に 概 念 が 拡 張 さ れ て,「 特 定 の 目 標 設 定 の 意 味 に   お け る 実 質 的 同 種 性 」(materielle  Gleichartigkeit  im  Sinne  einer  bestimmten 

Ziel-setzung)と 改 め ら れ た(Vgl.  Der  Begriff  der  Gleichartigkeit  in  der  Statistik , Allg.  St.  Arch.,20.  Bd.1930.  S.9一 ユ0.)

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  6 係 ・職 業 な どの別 に よ る数 を表 示 す るが,整 理 段 階 に お い て被 調 査者(申 告 者) の同 一 性 や 調 査標 識 く世 帯 に お け る地 位 〉 な どに も とづ き整 理 単 位 〈世 帯 〉 を つ く り,世 帯 数 お よび そ れ の諸 種 の 区分 を示 す 。 ここに ジ ー ジ ェ ックは 新 しい       くの 統 計 単 位 の存 在 を 指 摘 す る(S.57-58.)。   整 理 単 位 は 調 査 単 位 と方 法論 的 性 格 を異 にす る とはい え,両 者 は 著 し く親 近 な関 係 に あ る。 整 理 単 位 は 調 査 単 位 に対 して 「上 位単 位 」 で あ り,調 査 単 位 は 整 理 単位 に対 して 「下 位 単 位 」 で あ る。 整 理 単 位 は調 査 単 位 と同様 に総 数 お よ びそ れ の諸 種 標 識 に よる辨 別 が 問 題 に な り,統 計 表 示 と して単 位 数 お よび 下 位 単 位 の計 数 に よる和 が 現 わ れ る。 た だ し,こ の カテ ゴ リー に お け る下 位 単 位 の あ らわ れ方 は,同 じ く下 位 単 位 が あ らわ れ る量 的 標 識 の場 合 とは,相 異 な る。 :量的 標 識 の場 合 に は,は じめ か ら下 位 単 位 が,し か も調 査 単 位 の下 位単 位 が 問 題 に な るの に対 して,整 理 単 位 の場 合 に は,上 位 単 位一 整 理 単 位一 の 事 後 的 設 定 に よ り調 査 単 位 の 位階 が 引下 げ られ て 下 位 単 位 に な るの で あ る(S.58-59.)。 3   統 計 単 位 の 種 類 と して,ジ ー ジ ェ ッ クは,上 述 の よ うに 調 査 単 位,「 調 査 単 位 の部 分 集 団 」(部 分集 団 の構 成 要 素),調 査 単位 の下 位 単 位,整 理 単 位 をあ げ た。 これ らの うち で どれ が 方 法 論 的 に 最 も重 要 で あ るか とい うに,所 説 に よれ ば,そ れ は調 査 単 位 で あ る。 そ の理 由は,調 査 単 位 こそ 他 の統 計単 位 の前 提 条 (6)下 位 単 位の 計 数 に よ る調 査 標 識 の総 和 は,往 々,人 か ら事 件 へ の下 位 単 位 の 性 格 の   転 換 を ふ くむ 。 協 同 組 合統 計 にお い て,組 合 総 数 とな らんで 組 合 員 総 数 として 個 々の   組 合 の 組 合員 数 を 合 算 した も のが 表 示 され る とき,二 つ 以上 の協 同 組 合 に加 入 して い   る者 が 重 複計 算 され るか ら,組 合 員 総 数 は も はや 人 の 数 で は な くして,加 入 件 数 で あ   る。 人 が 同時 に 多数 の調 査 単位 にお い て下 位 単 位 を な す とき 盛人"か ら 感事 件"へ の   転 換 が 起 るの で あ る(S.56.) (7)ジ ー ジ ェ ックは,整 理 単 位 と して,国 勢 調 査 に おけ る世 帯 の ほか に,市 町村(人 口   集 落)を あ げ る。 ま た,1907年 産業 経 営 調 査 に お け る調 査 単 位=、 技 術 的 単位"の 分   成 に よる 嚥場 所 的 単 位"の 形 成 。1925年 の 調 査 単 位=、 場 所 的 単 位"の 合成 に よる   感経済 的 単 位"の 形 成 をあ げ て い る(S.58.)。

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      ジ ー ジ ェ ックの統 計 単 位 論 につ い て    7 件 を な し,他 の 統 計 単 位 は す べ て 調 査 単 位 か ら誘 導 さ れ る こ と に よ る(S.59.)。   調 査 単 位 の 決 定 的 基 本 的 な 意 義 と と も に,ジ ー ジ ェ ッ ク は,調 査 単 位 の 欠 陥 を 指 摘 す る。 欠 陥 は 統 計 単 位 の 他 の 種 類 に よ る 補 完 を 通 じ て,そ れ ら と の 間 に 新 し い 関 係 を つ く り だ す 。 こ の 点 を も ふ くめ て,ジ ー ジ ェ ッ クが 調 査 単 位 の 欠 陥 と し て 指 摘 す る と こ ろ を み よ う。   ジ ー ジ ェ ッ ク が 調 査 単 位 の 欠 陥 と し て あ げ る の は,同 質 性 の 欠 如,.お よ び, 等 価 性 の 欠 如,こ れ で あ る(S.60.)。   第1の 欠 陥 一 同 質 性(Homogenit百t)の 欠 如   ジ ー ジ ェ ッ ク は,一 定 の 現 象 を ひ き お こ す こ と,お よ び,そ れ を 規 定 す る 一 般 的 原 因 を 念 頭 に お き つ つ,統 一 的 な 一 般 的 原 因 を も つ 集 団 を 同 質 集 団 と い   う。と ころで 一 ジ ー ジ ェ ッ クの所 説 に よる と一 同質 集 団 とい うもの の,「絶 対 的 に 同質 的 な集 団 」・「そ れ 自体 にお い て 同 質 的 な 集 団」 とい う ものは 存 在 し な い。 存 在 す る のは,特 定 の 現 象 に つ い て,ま た,そ れ に影 響 す る特 定 の 因 果         的 因子(単 数 また は 複 数)に つ い て 同 質 的 な集 団 で しか ない 。   総 人 ロー 「国勢 調 査 の 調 査 単 位 の 総 体 集 団」 一 は大 抵 の現 象 に つ い て, また,い ろい ろ な因 果 的 因 子 に つ い て 同質 的 で な い か ら注 意 を要 す る(S.60.)。         第1に,現 象 に 関 与 せ ぬ 部 分 が存 在す る。 例 え ば ま だ結 婚 をゆ る され な い 年 令 階 層 。 この階 層 に は 婚 姻 率 を 規 定 す る一般 的原 因 は働 い てい ない 。 第2に,死

(1)こ こ に い う同 質 性 は,所 説 の 内 容,お よ び,文 言(S.60.〈 … …im  Hinblick  auf   gewisse  Erscheinungen  in ihrer Verursachung  nicht homogen,… … 〉)よ り 明 ら か   に,一 般 的 原 因 に つ い て の 同 質 性,現 象 を ひ き お こ す こ と に つ い て ゐ 同 質 性 で あ る 。   ち な み に,1929年 の 同 種 性 論 文 で は 一 般 的 原 因 に つ い て の 同 質 性 の 称 呼 が 主 と して 用   い られ,1930年 の 同 種 性 論 文 で は,現 象 を ひ き お こ す こ と に つ い て の 同 種 性 の 称 呼 が   主 と し て 用 い ら れ た 。 『統 計 単 位 論 』 は 時 期 的 に は 両 論 文 の 中 間 に 位 す る 。Gleich-  artigkeit,。Gleich-  usw.。Gleich-  in。Gleich- der。Gleich-  Statistik,。Gleich- AIlg.。Gleich-  St。 Arch.,18.  Bd.1929.;Der  Begriff  der   Gleichartigkeit  in der  Statistik,20.  Bd.1930。

(2)  F.Zizek,  a. a.0.,  S.398.

(3)以 下 の 一 同 質 性 に 関 す る 一 叙 述 は 主 と して 前 掲Gleichartigkeit,  Homogenit巨t   and  Gleichwertigkeit  in der Statistik, AIIg. St. Arch.,18.  Bd.,1929.  S.393-420.   に よ る 。

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  .8 亡 率 を 例 に と る と,そ れ は性 ・年 令 ・職 業 に よっ て相 異 な るか ら,こ れ らの 要 因'(性 ・年 令,職 業)は 死 亡 率 に対 して因 果 的 因 子 と して あ らわ れ る。 さて, 総 人 口は これ らの 因果 的 因 子か らみ て相 異 な った 部 分 人 口,す な わ ち,死 亡 率 に 対'して 相 異 な った規 定 関 係 に あ る部 分 人 口 よ り形 成 され て逼 るか ら,同 質 的 で な い。 そ こで総 人 口を 男女 別 に分 け る と,同 質 的 な 部 分 人 口が 一 男 の 人 口 お よび 女 の人 口 と して一 え られ る。 た だ し この 場 合 これ らの 部 分 人 口は いず れ も性 とい う因果 的 因 子 か らみ て同 質 的 で あ るに す ぎず,他 の 因 果 的 因 子 た と え ば 年 令 ・職 業 か らみ る と同質 的で ない 。 換 言 す れ ば,'死 亡 率 に 対 して相 異 っ た 制 約 を す る相 異 な った年 令 階 層 ・職 業 群 か ら成 って い る。 そ こで これ らの 因 果 的 因 子 か ら見 て も 同 質 的 な 人 口を え よ うと す る な らば,さ らに 年 令 別 に 分 け,さ らに職 業 別 に分 け る こと一 因 果 的 因 子 に よ る分 割 の 組 合 せ一 が 必要 で あ る。 要 す る に,一 つ の因 果 的 因 子 か らみ て 同 質 的 な 集 団 も他 の 因果 的 因 子 .か らみ る と同質 的 で な く,他 の因 果 的 因 子 か らみ て 同 質 的 な 部 分 集 団 の混 成 か らな る。 同質 性 は 因果 的 因子 に よる集 団 分 割 に よ って 確 保 され,分 割 の組 合 せ 噂 よ って 高度 化 す る こ とが で き る。   こり よ うな特 徴 的 な事 態 を基 礎 に して,た とえ ば 総 人 口の よ うな 調査 単 位 の .総体(全 体集 団)に 対 す る統 計 表 示 一 統 計 比 率 お よび 統 計 的 代 表 値一 を み る ζ,、そ れは,〈 より伺 質 的な部分集団に対す る表示〉 と くよ り同質的な部 分 集 団 か らの 全 体 集 団 の組 成 〉 とい う2要 因 に よ って 規 定 され る。 た とえ ぽ,全 体 人 口の 相対 的死 亡 頻 度 を示 す 一 般 死 亡 率 は,よ り同 質 的 な 部 分 人 口の特 殊 死 亡 率 の,:全 体 人 口に お け る 当該 部 分 人 口の割 合 を 重 み とす る算 術 平 均 で あ る。 よ り同 質 的 な部 分 集 団 か らの混 成 関 係 が 変 動 す る と因 果 的 因 子 の 作用 に変 動 が な くと も,全 体 集 団 に対 す る統 計 表 示 は 変 って くる。 い まや,よ り同 質 的 な部 分 集 団 か らの混 成 関 係 は比 較 阻 害 因 子 と して あ らわ れ,全 体 集 団 に対 す る統 計 表 示 は比 較 尺 度 と して は価 値 が 低 い 。   同 質性 の欠 如 に対 す る救 治 策 は,よ り同 質 的 部 分 集 団 へ め 集 団 の 分割,す な わ ち,第2カ テ ゴ リー の統 計 単 位 の 獲 得,そ れ を 特 徴 づ け る統 計 表示 の獲 得 に ほ か な:らな い(S.61.)o

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       ジ ー ジ ェ ックの統 計 単 位 論 に つ い て    9   第2の 欠 陥 一 等 価 性(Gleichwertigkeit)の 欠 如       くり   等 価 性 とは,特 定 の 問 題 設 定 か らい っ て 同 等 の'意義 を 事物 が もっ こ とを い い,そ れ が 欠 如 す る こ とを 非 等 価 性(Nichtgleichwertigkeit)と い う。 調 査 単 位 は,た が い に 形 式 的 に 同 種 で あ って,調 査単 位 の概 念 の徴 表 につ い て相 互 に 一 致 す るが,そ れ 以 外 の徴 表 に お い て は 相 異 な る。 この相 異 が 具 体 的 統 計 に お い て 意 味 を もち,調 査 単 位 を 相互 に 同 等 の意 義 を もつ も の と して 取 扱 うこ とが で きな い場 合 に,そ の事 態 を調 査 単 位 に お け る等 価 性 の欠 如,あ るい は,非 等 価 性 とい う(S.61.)。   ジー ジ ェ ックは,産 業 経 営 調 査 に お い て 調 査 単 位 を形 成 した 産 業 経 営 を例 に 1と っ て説 明 し てい る。 産 業 経 営 は 形 式 的 に 同 種 で あ るが,経 営 の規 模 に おい て はた が い に 非 常 に 相 異 な り,し た が って非 等 価 で あ る。 単 な る経 営 数 の 語 る と ころ は 大 変 貧 弱 で あ る。 個 々の経 営 の従 業 数 を合 計 す る こ とに よ って得 られ る 全経 営 また は あ る経 営 群 の従 業 員 数 の方 が 有 意 義 で あ り,よ り多 くの証 明力 を も って い る(S.61.)。 』   こ の こ とは 統 計 比 較 に 妥 当 す る。 単 位 の価 値 また は大 き さの 相 異 に よ り,比 較 され る集 団 が そ れ ぞ れ大 きさ の階 級 に分 れ る分 れ 方 は 通 常 相 異 な る。 この こ とは 単 位 の 平 均 的価 値 また は 大 き さの 相 異 と して あ らわ れ の で あ るが 。一 国 に お け る二つ の工 業 を 国民 経 済 的 意 義 に お い て 比 較 し よ うとす る とき,経 営 規 模 別 構成(平 均 規 模)が 相 異 な る ゆ え に,経 営 数 だ け で は 不 十 分 で あ っ て,         従 業 員 数 や 使 用 原 動 力 数 な どが 考 慮 され な けれ ば な らな い。 これ らの合 計 され (4)ジ ー ジ ェ ッ ク は,等 価 性 を 同 種 性 の 一 範 疇 とす る 。1929年 の 同 種 性 論 文 ほ,.注(1)で   示 し た よ うに,等 価 性 を 他 の3つ の 同 種 性 範 疇 と な らべ て 提 示 した(Gleichartigkeit,   usw.  in der  Statistik,1929,  S.415  ff.)が,1930年 の 同 種 性 論 文 は,「 分 類 原 理 の   意 味 に お け る 同 質 性 」 を ひ ろ げ て ・ 「実 質 的 同 種 性 」 と し,そ れ の 一 形 態 と し て 等 価   性 を 位 置 づ け て い る(Der  Begriff  der  Gleichartigkeit  in der  Statistik.1930,  S.   23.)。

⑤   調 査 単 位 数 が 比 較 尺 度 と し て 有 効 な の は,調 査 単 位 の 集 団 が ひ と し い 平 均 値 を も つ   こ と が 確 認 され る 場 合,た と え ば,土 つ の 産 業 に お い て,経 営 が 平 均 的 に 同 じ 大 き さ   で あ る と き で あ る 。 二 つ の 都 市 に お い て,観 光 外 客 の 平 均 滞 在 日 数 が ひ と し い 場 合,

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 10 た 量 的 標 識 は,つ ね に 同種 で あ るば か りで な く,等 価 また は 等 価 に近 い 単 位 の 上 に 成 立 して お り,調 査 単 位 の 非 等 価 関 係 を等 価 の単 位 の数 で 示 す 。 調 査 単 位         数 よ り合 計 され た 量 的 調 査標 識 が よ り よい 比 較 尺 度 とし て 現 れ るので あ る(S. 62.)。   最 後 に,同 質性 の欠 如 と等 価 性 の欠 如 とを 比 較 して.事 態 の 特 徴 を見 て お こ う(S.62-3.)o   (1)等 価 性 の 欠 如 は,統 計 計 表 示 と して の 調 査 単 位 数 の価 値 を減 殺 し,合 計 され た 量 的 調 査 標 識 の価 値 を 高 め る。 二 種 の 表示 の この比 較 評 価 は,全 集 団 が 問 題 に な ろ うと,部 分 集 団が 問 題 に な ろ うと,相 異 る と ころ な く妥 当す る。   ②'非 同質 性 は,調 査単 位 の 全 集 団 に か か わ る か ぎ り,す べ て の 統 計表 示 一 そ れ が いか な る種 類 の表 示 で あ ろ うと一 の 価 値 を そ こな う欠 陥 で あ る。 この 欠 陥 を 救 うた め に よ り同質 の部 分 集 団 に対 す る表 示 の獲 得 が 要 請 され る。   調 査 単 位 の もつ 欠 陥(同 質 性 お よび等 価 性 の欠 如)お よび これ の 救 治 策 か ら 帰 結 され る方 法 論 的 問 題 と して は,調 査単 位 数 は,比 較 尺 度 として は,価 値 が 少 い こ と,よ り よい 比 較 尺 度 と して は,よ り同 質 的 な部 分集 団 に関 す る表 示 で あ り,ま た.調 査 単 位 数 では な くして 合 計 され た 量 的 調 査標 識 で あ る こ と,こ れ で あ る。 『統 計 方 法 論 の 五 つ の 主 要 問題 』<Funf Hauptprobleme der statistischen Methodenlehre,1923.〉 に お い て,「 比 較 尺度 のみ せ か け の矛 盾 」 の 問題 を 通 して 比 較 尺 度 の 一 般 形 式 理 論 の基 礎 を お い た ジー ジ ェ ッ クは,上 記 の よ うな,比 較 尺 度 とし て の統 計 表 示 の 意 義 と証 明 力 の定 式 化 を通 して比 較 尺度 の一 般 形 式 理         論 の新 しい展 開 にふ み だ す ので あ る。   統 計 単 位論 の成 果 はr統 計 単 位 論 』 で は一 上 述 の よ うに一 比較 尺 度 論 の ⑥   ジ ー ジ ェ ッ ク は,調 査 単 位 の 非 等 価 性 に よ る 調 査 単 位 数 の 表 示 と し て も つ 有 効 性 が   減 殺 さ れ る と こ ろ が ら,・多 く の 具 体 的 統 計 に お い て 表 示 と し て 調 査 単 位 数 が 用 い られ   ず,量 的 標 識 の 和 が 用 い られ る こ とを 指 摘 し て い る 。 た と え ば 外 国 貿 易 統 計 を み よ。   固 有 の 調 査 単 位 で あ る 商 品 発 送 の 件 数 は 完 全 に 無 視 さ れ,調 査 標 識(商 品 の 数 量 お よ   び 価 額)が 表 示 さ れ る ・(Grudriss  der Statistik,2.  Aufl.,1923.  S.108.  u.403.)

(7)Zizek:Funf  Hauptprobleme  der statistischen  Methodenlehre,1922,§.5,  S.42-  53.

(11)

      ジージ ェックの統計単位論について  11 展 開 の た め に 利 用 す る こ とに重 点 が お かれ た が,そ れ 以 外 の 分 野 に お け る利 用 もお こな お れ て お り,影 響 もみ られ る。 こ こで は 一 つ 一 つ あ げ る こ とを しな い が,と くに 重要 な もの を示 す と,次 の ご と くで あ る。

  『統 計 数 は い か に して成 立 す るか 』 〈Wie statistische Zahlen entstehen,1937.〉 は,統 計 表 示 と し て の 絶 対 的 数 を2種 類 に 分 け,調 査 単 位 数 と 調 査 標 識 和 (Merkmalssumme)を あ げ る。 この こ とは 調 査 標 識 の 意 義 の 規 定 を大 き く左 右 す るば か りで な く,統 計 数 獲 得 過 程 の方 法 的 構 造 に 二 面 的 構 成 を 提 案す る もの と して 重 視 しな けれ ば な らない 。 い うまで もな く,表 示 と して の 絶対 数 が論 理 的 に 何 を語 るか とい う こ との 方 法 論 的 規 定 へ の 影 響 も必至 で あ る。  r成 立』 は 絶 対 数 が媒 介す る説 明 の規 定 因 子 と して,表 示 の 論 理 的 性 格一 調査 単 位 数 お         よび標 識和 一 を あ げ る。  「四 基 本 概 念 の 理 論 」 は これ に よ って ゆ たか さ を加 え るの で あ る。 4   以上 の よ うに 要 約 され る 『統 計 単 位 論』 に お け る ジー ジ ェ ック の所 説 は,い くつ か の重 要 な問 題 をふ くん で お り,そ れ らは個 々 に立 入 った 吟 味 と検 討 を 必 要 とす る も ので あ るが,こ こで は そ の うち の若 干 の問 題 に限 定 して 補 説 と検 討 を加 え て:おきた い 。   第1に,統 計 単 位 の 質 料 的担 手 に つ い て で あ る。r綱 要 』 に おけ る調 査 単 位 に 関 す る規 定 を 統 計 単 位 に も及 ぼ し,人 ・社 会 的構 成 物 ・客 体 ・事 件 ・行 為 で       この あ る と み て 差 支 え な か ろ う。 「実 体 性 」(real)お よ び 「独 立 性 」(selbstまndig) が 基 本 的 な 要 件 を な す こ と は 『統 計 単 位 論 』 に お け る 所 説 の 片 鱗 お よ び 用 語 法         か ら も うか が う こ と が で き る 。 の ち シ ョ ー ラ ー が 統 計 的 単 位 概 念 の 二 つ の 大 き な 流 れ の 分 岐 点 と し た 測 定 単 位 の 取 扱 い 方 に つ い て は,ジ ー ジ ェ ッ ク は 明 快 で あ る 。 ウ ィ ン ク ラ ー(W.Winkler)が マ ル ク ・ ツ エ ソ トナ ー ・キ ロ メ ー トル ・

(8)Zrzek:Wie  statistische  Zahlen  entstehen,1937,  S.56-64. (1)  Grundriss  der  Statistik,2,  Aufl.,1923.  S.64.

(12)

  12         馬 力 な どの 貨幣 単 位 ・測 定 単 位 ・計 算 単 位 に も統 計 単 位 を み る こ とに,ジ ー ジ         エ ッ クは,1925年 書 評 に お い て もr統 計 単 位 論 』 に おい て も 一 貫 して 反 対す る。所 説 に よれ ば,賃 金 ・重 量 ・距 離 ・面 積 は 計 量 に よ る量 的 標 識 で あ る。 個 々の 調 査 単 位 の 賃 金 や 重:量を あ らわす 個 別 的調 査 標 識 〔標 識 現 象 形 態 〕 表 示 は 一 般 に 用 い られ る測 定 単 位や 計 算 単位 であ らわ され る連 続 的 大 き さに 関 係 す る が,こ れ らの 測定 単 位 や 計 算 単 位 の な か に 統 計 単 位 を み る こ とは ゆ る され な い 。  「これ らの 測 定 単 位 や 計 算 単 位 は 当該 調査 標 識 の合 算 に よっ て統 計 単 位 と な る こと もな い 。 当 該 数 は或 る統 計単 位 の 数 を表 現 す る の で は な くし て,通 常 の測 定 単 位 お よび 計 算 単 位 で あ らわ され る総量 で あ る」,と(S.56.)。   第2に,統 計 単 位 一 般 の 概 念 に つ い て。 ジー ジ ェ ッ クは 『統 計 単 位 論 』 に お い て,上 述 の よ うに 統 計 単 位 の 種 類 を あ げ た が,さ て,基 礎 とな る統 計 単 位 一 般 の規 定 は,こ れ を与 え てい な い の で あ る。 わ れ わ れ は 以下 に お い て ジ ー ジ ェ ッ クの所 説 を 内容 的 に検 討 しな が ら,ジ ー ジ ェ ッ クの統 計単 位 の概 念 を推 定 す る こ とにつ と め よ う。   社 会 的 集 団現 象 は一 ジ ー ジ ェ ックの 所 説 に よ る と一 「概 観 す る こ とが で きな い雑 多性 」 を示 し,直 接 に 総 体 と して と らえ る こ とは不 可 能 で あ る。 そ こ で,要 素 に分 解 し,要 素 か ら全 体 を 再 構 成 す る とい う媒 介 的 手順 に よっ て 「概 観 す る こ とが で き ない 雑 多 性 」 が 取 除 か れ て,社 会 的 集 団 現 象 は わ れ われ の認         識 に 近 づ け られ る。 社 会 的 集 団現 象 を構 成 す る要 素 は 「概 念 的 に 一?の 総 体 に         合 体 され る個別 事 例」 で あ り,こ れ を 数 え上 げ,標 識 に よ って 分 類 す る こ と (3)W.Winkler:Statistik,1.  Aufl.,1925,  S.22.な お,す で にVon  den  statistischen   Massen  and  ihrer  Einteilung,  Jb.  f. Nat.  u.  St.,116.  Bd.(3.  F.61.  Bd;),1921,

.S.311.に こ の 見 解 の 片 鱗 が あ ら わ れ て い や 。

(4)Weltwirtschaftliches  Archiv,22.  Bd.,1925,,  S。181*一3*.

(5)Fiinf  Hauptprobleme  der  statistischen  Methodenlehre,1922,  S.6.ジ ー ジ ェ ッ ク   は い っ て い る 一 「統 計 は 社 会 現 象 を い き は り 全 体 と し て と ら え る こ と が で き な い   し,ま た,ぞ う し よ う と は し な い 。 社 会 生 活 現 象 を 要 素 一 こ れ な ら ば 観 察 す る こ   と が で き る 一 に 分 解 し て か ら,こ の 要 素 よ り,な る ほ ど 経 験 的 現 実 と は 一 致 し な い   け れ ど も 認 識 の た め に は ま さ に 本 質 的 な も の を 表 現 す る 一 つ の 像 を 組 立 て る の で あ   る 」(a.a.0.,  S-6.)。

(13)

       ジージェヅクの統 計単位論 について   13 に,統 計方 法 の本 質 が 見 出 され る。 社 会 的 集 団 現 象 の 要 素 が 調 査 単位 と して と らえ られ,〈 調査 単位 一 調 査 標 識 一 群 一 表 示 〉 とい う方 法 的 関連 が統 計 方 法 の基 本構 造 を なす 。 調 査単 位 と ともに の ちに 統 計 単 位 の 個 々の種 類 と され る方 法 的 結節 を,ジ ー ジ 土 ッ クは,は じめ,こ の 基 本 構造 の な か に の み位 置 づ け,統 計 単 位 と して一 括 す る こ とは しな か った。 各方 法 的結 節 の相 対 性 を十 分 に認 識 しなが ら一 。 『綱 要 』 は 調 査 単位 と調 査標 識 の 「交 互 関 係」 を 強 調 し, 次 の よ うに記 し て い る一 「種 々な る種 類 の 調査 に お い て,何 が調 査 単 位 とさ れ るべ きか,何 が 調 査 標 識 と され るべ きか,は しば しば あ らか じめ 必 然 的 論 理 的 に,あ るい は,事 物 の本 性 に よ って 与 え られ る もの で は な い。 そ れ は しば し         ば 合 目的 性 の 問 題 で あ る」 と。 例 え ば 計 数 に よ る 量 的 調 査 標 識 に お け る下 位 単 位 の 調 査 単 位 と な る 場 合,或 い は 私 統 計 の 上 位 官 庁 統 計 に よ る 総 括 に も と つ く 調 査 基 礎(調 査 単 位 と 調 査 標 識)の 変 更,失 業 の 調 査 に お け る よ うに,特 別 の 調 査 一 失 業 者 を 調 査 単 位 に と る一 を 実 施 しな い で,事 物 的 に よ り広 範 囲 な 調 査 一 国 勢 調 査 一 の 際 に 調 査 標 識 と し て 調 査 を す る,等 々 。   ジ ー ジ ェ ッ ク は,1925年,ウ ィ ン ク ラ ー の 著 書r統 計 学 』<Statistik,1. Aufl., 1925》 の 書 評 に お い て,ウ ィソ ク ラ ー が,調 査 単 位 と は 別 個 に 統 計 単 位 の 概 念 を 設 定 し た こ と に 「意 義 を み と め る こ と が で き な い 」 と し て こ れ を 斥 け た 。 と こ ろ が,い ま や 事 態 は 変 化 し,r統 計 単 位 論 』 は,ウ ィ ン ク ラ ー の 見 解 へ の 接 近 を 公 言 す る と と も に,ウ ィ ン ク ラ ー が 例 示 的 限 定 的 に し か 示 さ な か った 統 計 単 位 の 種 類 を 体 系 的 に 示 す こ と を 課 題 と し た 。 見 解 転 換 の 理 由 は 明 示 さ れ て い な い 。 た だ し,1920年 代 後 半 か ら統 計 比 較 論 ・統 計 的 原 因 研 究 論 な ど の 統 計 利 用 論 の 新 し い 展 開 の た め の ジ ー ジ ェ ッ ク の 努 力 が 背 景 に あ る こ と は 想 像 に か た く な い 。1828年 の 『統 計 学 に お け る 原 因 概 念 お よ び 原 因 研 究 』(Ursachenbegriffe and  Ursachenforschung  in der Statistik, Allg. St. Arch.,17.  Bd.,1928.)に お い て

(7)Weltwirtschaftliches  Archiv,22.  Bd,,1925.,  S.181*一3*.な お,こ こ で 序 で 指 摘   し て お く が,ウ ィ ソ ク ラ ー は ジ ー ジ ェ ッ ク の 『綱 要 』 の 書 評 に お い て シ ー ジ ェ ヅ ク の 統 計 単 位 論 の 展 開 の 不 十 分 性 を 指 摘 し て い る(Zeitschrift  fur  Volkswirtschaft  and Sozialpolitik,  N.  F.,2.  Bd。,1922,  S.350一 一351.)。

(14)

  14 ジ ー ジ ェ ッ ク は 「統 計 学 の ス トカ ス テ ≧ ッ シ ュ な 解 釈 を 原 基 的 統 計 手 続 の 本 質       くの へ よ り深 く入 る」 こ と に よ っ て 進 め よ う と し た 。r統 計 単 位 論 』 は,既 述 の よ う に,統 計 単 位 の 種 類 が 比 較 尺 度 と し て の 統 計 数 の 意 義 と 証 明 力 に 及 ぼ す 影 響 の 問 題 の 解 決 に 寄 与 し よ う とす る も の で あ っ た 。 『統 計 単 位 論 』 に 先 行 す る 論 文 と し て ジ ー ジ ェ ッ ク は 同 種 性 の 体 系 的 な 取 扱 い を 課 題 と し た 『統 計 学 に お け る 同 種 性 ・同 質 性 お よ び 等 価 性 』(Gleichartigkeit, Homogenitat  and Gleichwertigkeit in der Statistik. Allg. St. Arch.,18.  Bd.,1929.)を 発 表 し て お り,わ れ わ れ の 関 心 を ひ く。   こ れ ら一 連 の 問 題 は,統 計 表 示 に つ い て 一 こ こ で は 統 計 系 列 で も な く,ま た こ れ よ り形 成 さ れ る 統 計 系 列 体 系 で も な く,統 計 数,し か も,こ れ の 最 も原 基 的 な 形 態 で あ る 絶 対 数 が 前 提 さ れ る一 表 示 内 容 が,い か な る要 素 の い か な る 相 互 関 係 に よ る結 び つ き を 通 じ て 成 立 す る か に 関 す る反 省 ・検 討 を 余 儀 な く さ せ る。   統 計 に お い て は,形 式 的 に 同 種 の 個 別 事 例 だ け が と ら え られ ね ば な らず,と       くの らえ られ る個 別 事 例 に は 形 式 的 同 種 性 が要 求 され る。 形 式 的 同 種 性 とは一 既 述 の よ うに一 個 別 事 例 に 一定 の 概 念 が 共 通 的 に 妥 当 す る こ とを い う。 そ れ は,個 別 事 例 が 同 じ概 念 の外 延 を形 成 す る一 同 じ類 に属 す る一 とい う共 通 性 で あ り,概 念 を構 成 す る徴 表 を共 有 す る こ とで あ り,こ の 意 味 に お い て等 質 性 で あ る。 と ころ で,等 質 性 は共 有 徴 表 の 範 囲 内 に 限 られ,そ れ 以 外 の徴 表 に お い て は 個 別 事例 は:たが い に差 異 を もつ 。 統 計 は,個 別 事 例 を 総括 し数 に よ っ て特 徴 づ け るに あ た り,形 式 的 同種 性 に も とづ き,個 別 事 例 を相 互 に代 替 可 能       タの な もの と して取 扱 い,個 々の 個 別 事 例 が もつ 差 異 を無 視す る。 こ こにみ られ る (8)  Zizek,:Ursachenbegriffe  and  Ursachenforschung  in  der  Statistik,  Allg.  St.   Arch.,17.  Bd.,1928,  S.401.

(9)ジ ー ジ ェ ッ ク の 形 式 的 同 種 性 の 概 念 に つ い て はGleichartigkeit,  Homogenit5t  und

  Gleichwertigkeit  in  der  Statistik,  a. a.0.,  S.394.;Der  Begriff  der Gleichartigkeit   in der  Statistik,  a. a.0.,  S.8.を 参 照 。

(10)Der  Begriff  der  Gleichartigkeit  in  der  Statistik,  a. a.0.,  S。12-3.ジ ー ジ ェ

(15)

      ジー ジ ェ ックの統 計 単 位 論 に つ い て    15         もの は,シ ョ ッ ト(S.Sch・tt)の い う 「任意 に 交 換 す る こ とが で き る 一考 」.で あ る。 そ れ は 数 的規 定 を可 能 に す る。   形 式 的 同種 性 に よ って 統 計 数 の 成 立 す る た め の一 般 的 形 式 的 前 提 が と との え られ るが,こ の こ とは 実 体 的 目標 に 合 致 した 統 計 数 の成 立 を た だ ち に は 保 証す る も ので は な い 。 そ れ は 実 体 的 同 種性 の問 題 で あ る。 実 体 的 同 種 性,と くに 同 質 性 お よび 等 価 性 に 関 す る ジー ジ ェ ックの 見 解 の 大 要 は さ きに記 した 通 りで あ るか ら こ こで は繰 返 さ な い。 ジ ー ジ ェ ックは,形 式 的 同種 性 の否 定 に おい てで は な く,そ れ との 併 存 の 関 係 に お い て,さ らに,そ れ を 利 用 す る こ とに よ っ て,具 体 的 には,「 現 象 をひ きお こす こ とにつ い て の同 質 性 ⊥ に つ い て は 因果 的 因 子 に よ る集 団 分 割一 調 査標 識 に よる調 査 単 位 の 類 別 の利 用 一 に よ り, 等 価 性 に つ い て は量:的調 査標 識 の合 卸 に よ り,実 体 的 同 種性 を確 保 す る こ とに         つ とめ る。   さて,形 式 的 に同 種 の もの を統 計表 示 で あ る絶 対 数 の 表 示 内 容 と して 確 保 す る方 法 的 結 節 を,ジ ー ジ ェ ック は,統 計 数 獲 得 過 程 の 方 法 的 構 造 の な か に 求 め,4範 疇 を摘 出 した。 個 々 の範 疇 が 統 計 表 示 と して の 絶 対 数 に対 して もつ 方 法 的 連 関 を示 す と次 の とお りで あ る。  (1)調 査 単 位 一 統 計 数(調 査 単 位 の 数)  ②   調 査 単 位一 調 査 標 識一 群 一 統 計 数(部 分 集 団 の 構 成 要 素 の 数)  ㈲   調 査 単 位一 計 数 に よる量 的 調査 標 識 一 統 計 数(調 査 単 位 の下 位 単 位 ・    の 数)   し,「 形 式的 に同 種 の 単 位 の 非等 価性 に 対 す る上 述(『 統 計単 位 論 』 が示 す と同 様 の   一 本 稿 が さ きに示 した一 括 弧 内筆 者 一)の 配 慮 は 本来 か らい え ば 統計 方 法 に お   い て は或 る非 正常 的 な も のは の で あ る」 と記 してい る(a.a.0.,  S.12-3,)。 (ユ1) S.Schott=Statistik,1.  Aufl.,1913,  S.8. 働   ウ ィン ク ラーは 形 式 的 同 種性 を 外 的 同 種性 と し,実 質的 同 種 性 を 内 的 同種 性一 と   くに現 象 を ひ きお こす こ とにつ い て の 同 質性 を 念 頭 に お く一 とす る。 調 査 単 位 は外   胸 回 極 性 を保 証 す るが,内 的 同 種 性 を保 証 しな い。 この対 抗 関 係 か ら調 査 単 位 とは 別   個 に統 計 単位 を と らえ,こ れ に おい て 内 的 同 種 性 を 実 現 させ よ うとす る。Winkler   Statistik,1. Aufl., S.23-24.参 照 。「ウ ィン ク ラー的 見 解 へ の 接近 」 とは い うもの   の ジー ジ ェ ック と ウ ィソ ク ラー の 相異 は著 しい 。

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  16 ∫4)調 査 単 位一 調 査 標 識一 整 理 単 位一 統 計数(整 理 単 位 の数)     〔(3)および(4)は,(2)・(3)と同様の分化形態を もつが,こ こでは煩 をさけて省略す る〕   これ ら諸 範 疇 を,そ れ ぞ れ の統 計 作成 過 程 に お け る特 殊 な地 位 を 捨 象 して と らえ う こと に よ って,統 計 単 位 の 概 念 が え られ る。 統 計 単 位 は,ジ ー ジ ェ ック に お い て に,統 計 数=絶 対 数 に お け る数 的 規 定 の基 礎 をな す く形 式 的 に 同 種 の .もの〉 を 確 保 す る方 法 的 結 節 に ほ か な らな い。   以 上 の吟 味 を 前 提 と して 若 干 の 問 題 点 を指 摘 す る と,第 一 に,統 計 単 位 が 方 法 構 造 範 疇 で あ る とす るな らば,ジ ー ジ ェ ックが 統 計 作 成 過 程 に おい て'〈形 式 的 に 同 種 の もの〉 塗表 示 内 容 とし て確 保 す る方 法 的 結 節 に 着 眼 した こ とは,無 意 味 で はな い 。 しか し,対 象 との 関 係 に お い て で は な く,統 計 表 示=統 計 数 と の関 係 にお い て,そ うした こ とは 転 倒 的 で あ った とい わ な けれ ば な らな い。 し か も形 式 的 同 種 性 は,量 的 規 定 性 の 基 礎 で は あ るが,た だ ち に は一 量 の大 き さ を規 定 す る一 数 的 規 定 性 の 基 礎 とは な りえ な い。 に もか か わ らず 数 的規 定 性 の基 礎 と して と らえ る こ とに よ って,量:の うち不 連 続量 のみ を視 野 の なか に 入 れ て,そ れ の 数 的 規 定 を可 能 に す る生 得 的 単 位 を前 面 に浮 び上 が らせ る こ と と な った 。 第 二 に,絶 対 数:をそ れ に よ って構 成 され る統 計 系 列 や統 計 系 列 体 系 に お い て で はな く独 立 的 に 取 り上 げ る こ とに よ って,次 の よ うな帰 結 を もた ら した 。 す なわ ち,計 量 に よ る量 的 標 識 の和 以 外 の絶 対 数 はす べ てそ れ ぞ れ 独 自 な,特 殊 な統 計 単 位 を もつ,と い うこ と,こ れ で あ る。 例 えば,総 人 口 を形 成 す る男 人 口お よび 女 人 口は そ れ ぞ れ 「男 の人 」 また は 「女 の人 」 とい う統 計 単 位 を もつ,と い うわ け で あ る。 果 してそ うで あ ろ うか 。 総 人 口を 形 成 す る 「人 」 が 男 の 部 類 に い くば く入 り,女 の 部 類 に い くば く入 るか,と い う こ とで あ っ て,統 計 単 位 は 「人 」 で な け れ ば な らな い。 第 三 に,以 上 の よ うな 諸 事 情 は, 同 時 に,計 数 に よる量 的 標 識 に お け る調 査 単 位 の下 位 単位 に統 計単 位 をみ る, とい う過 剰 分 解 をひ き お こした の で あ る。   『統 計単 位 論 』 に おい ては,統 計 単 位 は方 法 構 造 的 節 略 と して取 扱 わ れ て い る けれ ど も,『 統 計 単 位 論 』 直 前 の前 掲 同 種 性 論 文 に お い て は,相 異 な った 相 貌 を も って あ らわれ る。 統 計 単 位 は こ こで は 統 計 的 集 団 の構 成 要 素 で あ る。 同

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      .             ジージェ ックの統計単位論につ いて  17 種 性 論 文 は,形 式 的 同種 性 の 概 念 が 先 ず 第1に 統 計単 位 に つ い て問 題 に な る こ とを 指 摘 した の ち,次 の よ うに の べ て い る一 「統 計 調 査 に よ っ て と ら え られ る統 計 単 位 は,そ れ が 調 査 単 位 の 同 じ概 念 に一 致 す る とき,同 種 で あ る。 そ れ は調 査 単 位 の す べ て の 概 念 標 識 に つ い て一 致 す る。 か よ うな 同種 の単 位 だ け が 一 居 合 せ た 人 が 問 題 に な ろ うと,失 業者 あ るい は経 営 あ るい は商 品 輸 送 あ る い は ス トライ キ 等 々が 問 題 に な ろ う と一 統 計 的 集 団 を構 成 し,こ の 集 団 は 統         一 的 に整 理 され 数 的 に 特 徴 づ け られ る こ とが 可 能 とな る」 と。 わ れ わ れ は,こ の 所 説 か ら,統 計 単位 が形 式 的 同種 性 を基 礎 に して統 計 的 集 団 の構 成要 素 とな る こ とを 知 る。 統 計 的 集 団 の構 成 要 素 と して の統 計 単 位一 い まや統 計 単 位 の 概 念 は対 象 構造 範 疇 と して あ らわれ てい るの で あ る。   統 計単 位 の概 念 が方 法構 造 範 疇 と して あ らわ れ る と同 時 に対 象 構造 範 疇 と し て あ らわ れ る とい う こ とは一 つ の矛 盾 で あ る。 この 矛 盾 は,ジ ー ジ ェ ッ クの統 計 単 位 の概 念 を正 し くつか む 上 に お い て重 要 な 意 味 を もつ。   1920年 代 の後 半 期 に おけ る ジ ー ジ ェ ックに お い て は,統 計 的 集 団概 念 は,ま す ます 明 確 に認 識 内在 化 され て あ らわ れ る。 統 計 的 集 団 は,「 概 観す る こ とが で きな い 雑多 性 」 を示 す 現 実 事 態 の 認 識 の た め に,一 定 の条 件 に したが って現 実 事態 よ り分 離 した 個 別 事 例 の 総 体 に ほ か な らな い。 こ こに一 定 の条 件 とは, 一 般 的形 式 的 には ,形 式的同種性であ る。 この よ うな統計 的集 団概念の もとに お い て,形 式 的 同 種 性 は集 団 構 成 の 規 則 と して あ らわれ,統 計 単 位 は こ の規 則         に した が って 構 成 され る統 計 的 集 団 の構 成 要 素 と してあ らわ れ る。   統 計 的 集 団 概 念 の 認 識 内 在化 は統 計方 法 の基 本 形 式 を可 能 に す る対 象 の 構 成 を意 味 す る。 統 計 方 法 の 本 質形 式 の基 本 を形 成 した 形 式 的 同 種 性 が 集 団 構 成 の 規 則 とな るの で あ る。 この よ うな統 計 的集 団 概 念 の認 識 内 在 化 を 背 景 に お い て み る と き,統 計 単 位 の 概 念 の上 述 の ご とき方 法 構 造 範 疇 お よび 対 象 構 造 範 疇 と して の 二 重 性 は,こ の 概 念 の方 法構 造 範 疇 よ り対 象 構 造 範 疇 へ の 転 化 過 程 に お

⑬   Gleichartigkeit,  Homogenitat  and  Gleichwertigkeit  in der  Statistik,  a.  a.0.,   S.394.

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  18          響

け る一 つ の 様 相 と も い うべ き で あ る か 。 そ れ は,ま た,統 計 単 位 の 概 念 の 現 代 的 形 態 成 立 の た め の 必 然 的 契 機 を な す の で あ ろ うか 。

㈲   拙 稿 『ドイ ツ社 会 統 計学 と統 計 的 集 団概 念 』・彦 根論 叢 ・第122∼3号 ・.6-8頁 。   前 掲 拙 著 ・119-20頁 。

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