A Challenge for Mutation Specific Risk
Stratification in Long QT Syndrome Type 1.
その他の言語のタイ
トル
QT延長症候群タイプ1患者における変異固有のリス
ク層別化についての検討
QTエンチョウ ショウコウグン タイプ1カンジャ ニ
オケル ヘンイ コユウ ノ リスク ソウベツカ ニツ
イテ ノ ケントウ
著者
八木 典章
発行年
2018-03-09
URL
http://hdl.handle.net/10422/00012389
氏
名 八木 典章
学
位
の
種
類 博士(医学)
学
位
記
番
号 博士甲第811号
学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項
学 位 授 与 年 月 日 平成30年 3月 9日
学 位 論 文 題 目 A Challenge for Mutation Specific Risk Stratification
in Long QT Syndrome Type 1
(QT 延長症候群タイプ1患者における変異固有のリスク層別
化についての検討)
審
査
委
員 主査 教授 三浦 克之
副査 教授 前川 聡
副査 教授 醍醐弥太郎
別 紙 様 式
3
(課程博士 •論文博士共用)論 文 内 容 要 旨
X
整理番号8 1
4 tL
氏 (ふ り が な )名 八 木 典 章f
学位論文題目
A Challenge for Mutation Specific Risk Stratification in Long
QT Syndrome T y p e 1 (QT
延 長 症 候 群 タ イ プ1
患者における度異固有の リスク層別化についての検討) 【目的】 先 天 性Q T
延 長 症 候 群(LQTS)
は重症心室性不整脈を生じ、心 臓 突 然 死 や め ま い •失 神 な どの脳 虚 血症状を き た し う る 遺 伝 性 の 疾 患 で あ る 。L Q T S
の原因遺伝 子の うち 、 KCNQl\tLQTS1
型(LQT1)
の原因遺伝子でありヽK C N Q 1変 異 の 中 でcytoplasmic-loop (C-
100p )
部 位 の 変 異 は 、transmembrane (TM)
など他部位の変異に比べて心イベントを起 こす確率が高いと報告されている。 しかし、我 々 はこ れまでの症例の解析から、LQT1
の表現型の重症度が変異を起こす部位によって決まるのか疑問を生じたため、LQT1
患 者 でC-loop
とT M
に変異を持つ患者を対象に、表現型の重症度が依存するのは変異部 位か変異固有であるのかについて検討を行った。 【方 法 】 本 研 究の対 象 者は本学および京都大学で遺伝子解析を実施し、対 象 と す る 変 異 を 持 つ3 6
家系。対 象 者 の 詳 細 は6 7
例の変異キ ャリ アと 、家族内で突然死や失神など か らLQT1
を 強 く 疑 う13
例 の 計8 0
例。対 象 と す る K C N Q 1 変 異 は 、我 々 のLQTS
コホー 卜の中で3
家 系 以 上 に 認 め た 頻 度 の 多 い 変 異 (セ グ メ ン ト4
と5
を 結 ぶC-loop
からL250H
、V254M
、H258P
、R259C
、TM
からセグメント5
のG269S
、S277L)
を選択した。そ して、対 象 と し た 患 者 の 性 別 •診 断 時 の 年 齢 •診 断 時 の 安 静 時 心 電 図(
QTc •
心拍数) • 心 イ ベ ン ト (心臓 突然死 、心室 細動/心停止、Torsades de Pointes (TdP)
、失神 ) •イ ベ ン ト の 誘 引 •LQTS
ス コ ア(
Schwartz score)
について検討した。 ・ 考 ) 1 . 論文内容要旨は、研究の目的• 方 法 • 結 果 • 考 察 • 結論の順に記載し、 2 千字 程度でタイプ等を用いて印字すること。 2 . ※印の欄には記入しないこと。8 1 6
別 紙 様 式3
の2
(課程博士 • 論文博士共用) (続紙) 【結 果 】V254M
とS277L
を 持 つ6
割 以 上 の 患 者(
70%
と6 4 % )
に突然死か失神という心イベント があり 、他 の4
つの変異と比べて有意に重症であった。特に 突 然 死 に 関 し て は 、V254M
とS277L
と も に 有 症 状 患 者 の2
割 以 上(
25%
と3 6%)
を占めた。また患者の性差にも違 いがあり、V254M
で は2 3
例 中14
例 が 男 性(
61%)
であったのに対し、S277L
で は2 2
例 中19
例 が 女 性(
8 6 % )
であった。心イベント発症年齢にも特徴があり、V254M
は12
例 中1 1
例 が1 5
歳 未 満(
9 2 % )
でイベントを認めたのに対して、S277L
は12
例 中5
例が1 6
歳 以 降(
4 2 % )
にイベントを認めた。 【考 察 】 これまでの報告で は、L Q T 1
の臨床的なリスク層別化は変異のタイプもしくは変異の 部位に依存するとされていた。 しかし、今回の我々の研究では重症の変異であると報 告 の あ っ たV254M (C-loop)
と同様 の 悪 性 度 をT M
に 位 置 す るS277L
が示した。 また、L Q T 1
は思春期以前の男児と 思春期 以 降 の 女 性 で 心イベ ン ト発症 率 が高い と いう報 告 があるが、変異の場所によるものか変異固有によるものかまでの言及はなかった。今 回の研究 では、V254M
患者のイベントは思春期以前の男児に多く、S277L
患者は思春 期以 降 の女性 に 多 い こ と か ら 、イベント発症率は変異毎に依存する可能性が示唆され た。ま たS277L
患 者 に 女 性 が 多 く 、表 現 型 が 重 症 で あ る 理 由 と し て はS277L
が女性優 位 の 遺 伝 形 式(
predominance)
をとることや機能異常としてドミナントネガティブ効 果を 有 していることが考えられた。 【結 論 】L Q T 1
患 者 に お け る 臨 床 的 な リ ス ク 層 別 化 は 変 異 の 部 位 で は な く 、変 異 固有による可 能 性 が 高 く 、将来の心臓突然死などの心イベントを回避するために変異毎のリスク評 価 が必 要で ある。別 紙 様 式8 (課 程 博 士 •論 文 博 士 共 用 )