東京電力福島第1原子力発電所事故から5年
復興目的で取り組んだ環境の放射性セシウムを対象とした研究
Five years has passed after TEPCO Fukushima Daiichi NPP accident Research of Environmental Radioactive Cesium for Reconstruction
原子力研究所 山西弘城 東京電力福島第1原子力発電所事故後の2011年4月から環境の放射性セシウムを対象として卒業研究等で取 り組んできた。福島第1原発から大量に放出された放射性セシウムは表土に沈着し、外部被ばく源、内部被 ばく源となった。復興に向けて除染ということで放射性セシウムの回収が行われている。被ばく源としての 放射性セシウムの現状と挙動の把握、放射性セシウムの回収と処理が課題である。原子力研究所第3研究室 を中心として、土壌における沈着状況、土壌と植物等との間の循環、土壌からの除去方法、空間線量率への 寄与などの観点から検討を進めてきた。
総 説
1.はじめに 東北地方太平洋沖地震によって津波が起き、その 影響で東京電力福島第1原子力発電所(以下、福島 第1原発)において事故が発生し、大量の放射性物 質が環境中に放出された。 原子炉には、核分裂反応による生成物があった が、その中の揮発性の高い元素であるヨウ素やセシ ウム、クリプトンやキセノンが放出された。不活性 ガスのクリプトンやキセノンは物質に吸着すること なく拡散していったが、ヨウ素とセシウムは乾性沈 着もしくは湿性沈着によって地表面やそこに在った 物の表面に沈着した。その代表的な核種は、I-131、 Cs-134、Cs-137であり、それぞれの半減期は8日、 2年、30年である。これらの放射性核種は、外部被 ばく源であり、農作物等を通じての内部被ばく源で ある。1年を超える長期的な影響としては、放射性 セシウムが主要因となる。セシウムは、土壌、特に 粘土鉱物に強く吸着していて、容易に水に溶け出さ ない。放射性セシウムの環境中での挙動は、土壌と 有機物がキーである。「除染」は環境中にばらまか れた放射性セシウムを回収することであった。「除 染」として、表土除去、草刈り、木の皮や屋根や樋 や側溝の洗浄が実施された。 放射線影響や環境放射線を研究分野とする近畿大 学原子力研究所第3研究室では、この未曽有の大参 事にあって、卒業研究に取り組む学部4年生も大学 で学んだことを活かして自らの手で事象を確かめよ うと考え、研究テーマとしてきた。本報告では、卒 業研究の成果も交えながら、研究室で取り組んでき た研究について記す。 本報告で記すほとんどの研究には、福島県伊達郡 川俣町で採取した土壌や落葉、植物などを用いた。 川俣町は、浪江町の北西、飯舘村の西に位置し、福 島第1原発からは北西に30 kmを越えた距離にある。 福島第1原発から高濃度の放射性物質が放出された 際に風に乗って北西方向に広がり、雨や雪が降った ことで空気中を漂っていた放射性物質が地表に沈 着した。放射性セシウム沈着量の多い領域は福島第 1原発から北西方向に伸びていて、浪江町や飯舘村 はその軸の中心に位置している。川俣町山木屋地区 は浪江町の北西に隣接していて、Cs-137沈着量は 100k ∼ 3000k Bq/m2 で、300k ∼ 600k Bq/m2 の 占める割合が大きい。川俣町内のそれ以外の地区のほ とんどでは60k ∼ 300k Bq/m2であり、川俣町の西 に位置する福島市と同レベルであった[1]。 2.放射性セシウム濃度の定量 放射性セシウムはベータ線とガンマ線を放出す る。放出するガンマ線のエネルギーの主なものは、 Cs-134の場合0.605 MeV、0.796 MeV、Cs-137の場 合0.662 MeVである。測定試料から放出されるガン マ線を計数することによって測定試料中の放射性セ シウム濃度を定量することができる。ガンマ線の 測定には、高純度ゲルマニウム半導体検出器(以 下、HPGe検出器)を用いた。測定に用いたHPGe 検出器は相対効率16.3%と46.0%の2機種で、検出 器を囲む鉛遮へいの厚みはそれぞれ 5 cmと10 cmで ある。この鉛遮へいで天然のガンマ線源からのガ ンマ線入射を防ぐ。HPGe検出器のうち、相対効率 46.0%、鉛遮へい厚10 cmのシステムは、福島第1原 発事故起因の環境試料測定に用いるために近畿大学 が購入してくれたものである。測定対象として採取 した土壌や植物などの試料測定は、文部科学省のマ ニュアルに準拠して実施した。採取試料は、試料ご とに重量測定し、乾燥させて、乾燥重量を測定した 後、U8容器に封入した。U8容器(プラ壺3-20, 馬野化学容器株式会社)は、ポリスチレン製の円筒 形容器で、内径約4.8 cm、容量約100mLである。検 出器はU8容器形状の標準体積線源で校正済みであ る。ガンマ線分析プログラムには、SEIKO EG&G 社製のガンマスタジオを用いて、自己吸収補正とサ ムピーク補正を行った。計数時間は試料の濃度の高 低によって設定を変え600秒∼ 40000秒とした。測 定値は採取時の濃度を示すように半減期補正した。 本研究では、Cs-137について議論する。放射性 セシウムはCs-134とCs-137があるが、挙動は同じ である。一方で、Cs-134は半減期が2年と短いため、 同じ試料でも測定時期によって変化する。他方で、 Cs-137は半減期が30年と長いため、測定時期によ る値の変化は小さい。 3.土壌中での分布 福島第1原発から放出された放射性物質は風に 乗って移動し、雨もしくは雪によって地表面に沈 着した。放射性セシウムの土壌中での挙動につい ては、1960年代にさかんに行われた大気中核実験に 起因したフォールアウトの研究や、1986年のチェル ノブイリ原子力発電所事故の環境影響研究によって 明らかにされてきた。地表面に降下したということ と、セシウムが土壌、特に粘土鉱物に強く吸着する ことから、放射性セシウムのほとんどは地表の浅い 層に存在していることは容易に推定できた。この推 定の正しさを採取と測定によって確認した[1-4]。 土壌中放射性セシウム濃度の深さ分布は、土質に よって異なると考えられる。学校の校庭、砂場、畑 について、それぞれ採取して測定した。採取は土壌 採取器で行った。校庭と砂場、畑では、深さ分布が 異なっていた。当初の予想どおりに地表に放射性セ シウムがあり、校庭では、採取した土壌の放射性セ シウムのうちの約90%が地表から1 cmにあった。 空間線量率をサーベイメータ等で測定して回った 際に、局地的に線量率の高い場所が見つかることが あった。そのような場所はホットスポットと呼ばれ ていた。ホットスポットはガンマ線源である放射性 セシウムが集積された場所である。表土のうちの粒 径の小さな粒子は、表流水によって高さの低いとこ ろに運ばれる。流路に落ち葉や草があると、そこで 流れが滞り、小粒子が集積される。粒径の小さな土 壌粒子の方が比表面積が大きいので、降下した放射 性セシウムが表面に吸着した際に、結果として重量 当たりの放射能が大きくなる傾向がありそうであ る。このようにして、ホットスポットが形成された と考えられる。 林と稲垣らは、それぞれ採取した表土を粒径別に 分級し放射性セシウム濃度を測定することに2011年 7月に着手した[5-6]。その結果、以下のことがわ
かった。⑴粒径が小さいほどCs-137濃度が高かっ た。⑵表土を除去する場合、「水による洗浄を行い、 細かい粒子を回収する」ことが除染効果を高める。 ⑶異なる土質(校庭・砂場・畑)でも、粒径が小 さいほどCs-137濃度が高く、同じ傾向を示す。⑷ Cs-137濃度と平均粒径との関係は、平均粒径の逆 数と直線関係になり、面積あたりの吸着量が同じで あると考えられる。この結果から、表土除去する場 合は粒径の小さな粒子を逃さずに回収することが重 要であることがわかる。また、除染廃棄物を減容化 選別する場合に、水洗して分級することが効果的で あることが言える。 酒井は、川俣町山木屋小学校体験農園の畑で深さ 別に採取した土壌をそれぞれ分級して、放射性セシ ウム濃度を測定した。これを採取年別に比較して、 放射性セシウムの土壌中での移動状況の考察を試み た[7]。 4.土壌からの除去 除染として表土が除去され廃棄物となるが、その 保管スペースは無制限にあるわけではないので、土 壌廃棄物の減容が課題として挙げられる。放射性セ シウムは粘土鉱物など土壌の細かな粒子に吸着して いる。そのため、粒径別に分級して組成や放射能レ ベルに適した処理を施していくことが適切と考えら れる。放射能濃度が低い土壌は、放射性セシウムを 溶出させることで、土壌そのものを再利用できるよ うになる。再利用を考えた場合、溶出に使用する化 学物質として環境負荷の小さなものを選択すること が望ましい。林と石渡らは、種々の化学物質につい て検討し、環境負荷が小さく実現可能な土壌再生手 法の開発に挑戦した[1,5]。具体的には、特殊な有 機酸試薬やキレート試薬などを用いて、緩和な条件 で土壌からセシウムを競合的に溶出する条件を検討 した。校庭表土を105 ℃で乾燥し、分級によって粒 径1 mm以下を選び出した。50 mlの遠沈管に土壌5 gと溶液30 gを加えて、ローテータを用いて24時間 回転撹拌させた。3日間放置した後、測定試料への 土壌粒子混入を防ぐために、遠心分離機にて3000 rpmで2分間遠心し、上澄み液を孔径0.2μmのフィ ルターでろ過した。ろ過後の液体をU8容器に入 れ、計数時間40000秒でHPGe検出器にて放射性セ シウム濃度を定量した。溶出前の土壌5 gに含まれ る放射性セシウムに対する、溶出後の溶液に含まれ る放射性セシウムから溶出率を算出した。Cs-134 とCs-137の溶出率は誤差内で一致した。溶出率の 大きいものは、リン酸(1M)36%、フィチン酸 (0.1M)17 %、 ク エ ン 酸(10.4M)16%で あ っ た。 それに続くのは、酢酸アンモニウム(1M)10%、 炭酸アンモニウム(1M)10%であった。CsやK, Naとの置換効果を期待した硝酸セシウム、塩化カ リウム、塩化ナトリウムはそれぞれ8%、6%、1% にとどまった。ギ酸と酢酸リチウムも試みたが、溶 出した放射性セシウムは検出下限未満であった。 この結果を受けて、石渡は、クエン酸アンモニウ ムによる溶出を選択するとともに、それに続いてイ オン液体を用いる逐次溶出方法を開発した[8]。土 壌をクエン酸アンモニウム水溶液、イオン液体の順 番で処理することにより、効率よく放射性セシウム を溶出できることを見出した。順番が反対あるいは 両者の混液の場合には溶出率は大きく低下した。ま た、クエン酸アンモニウム水溶液処理後にイオン液 体を繰り返し処理することによって、溶出率は相加 的に上昇した。さらに、処理時間を増加させること で溶出率を上昇させることができた。安田は、この 手法を分級した土壌に適用した。その結果、粒度 や土壌の質によって効果が異なることが分かった [9]。 5.ため池等汚染拡散防止 ため池は、農業用用水として使われる。事故時に は、湖面に放射性セシウムが降下し、それが沈んで 底土に保持されている。さらに、山林への雨によっ て表土の一部がため池に流入し、底土表層に堆積し
ている。流入しやすい土は粒径の小さいものであ る。粒径の小さい土や粘土鉱物には放射性セシウム が強く沈着していて、その濃度は高い。また、落葉 などがため池に入り沈殿しているが、それらにも放 射性セシウムが沈着している[10]。 2014年4月下旬に川俣町原子力災害対策課からの 要請に基づいて、福島県の「ため池等汚染拡散防止 の実証事業」に応募した。実証事業を開始するべく 関係者と粘り強く話し合いを重ね、事業体制を組織 し、11月末の実施へと漕ぎ着けた。施工は、川俣町 小神地区の笠松池で11月29日から12月12日まで行っ た。除染の前後で、ため池の底質を採取し、そこに 含まれる放射性セシウムの定量をすることで、除染 効率を評価した。 この実証事業では、ため池の水に微細気泡発生装 置で発生させた微細気泡を継続的に注入し、微細気 泡によってため池の水中や底質表層に存在している 汚れ成分である有機物や土壌微粒子を水面に浮き上 がらせ、その浮上物を回収した。微細気泡は、従前 からダムやため池の水質と底質の浄化のために用い られてきた。微細気泡が、水中や底質表層にある有 機物や粘土鉱物に吸着し、その浮力によって浮上さ せる。微細気泡は通常の気泡とは異なりすぐに浮か び上がることはなく寿命が長い。そのため、底質と の接触時間が長く、底質の浮上させるべき成分に吸 着できる。浮上物は、アクのようなものであり、そ れを水面から回収することによって、ダムやため池 の浄化ができる。 福島県が施工前後でPSF測定(プラスチックシ ンチレーションファイバーを用いた放射線分布測 定)と土壌採取を行った。PSF測定によって施工 後は高濃度の領域が縮小するとともに、全体的に濃 度レベルが低下したことがわかった。土壌濃度は試 料によって異なり、施工後は施工前の0.40倍∼ 0.70 倍の濃度であった。また、近畿大学が採取した試料 の測定からは、底質の放射性セシウム濃度は全体と して大きく減少した。浮上物の放射性セシウム濃度 は高く平均で21.8 Bq/g乾重であった。気温・水温 の低い中での微細気泡技術の適用となった。そのよ うな厳しく困難な状況の下で結果として、除染効率 20%∼ 60%を得ることができた。今後、ため池に ついて除染の要望が出されてくると思われるけれど も、実施体制を見直して、除染効率評価や事業管理 を適正に行える体制にする必要がある。 6.ひまわりや農作物等による吸収 植物は根を介して土壌中の放射性セシウムを吸収 する。植物による土壌中放射性セシウムの除去が考 えられる。事故後の早い時期に、ひまわりによる放 射性セシウム除染に期待が寄せられた。 中山は、ひまわりの放射性セシウム吸収がその成 長段階によって変化することを把握しようと試み た[11]。ミニひまわりを播種し、21日後を成長段 階1、42日後を成長段階2、開花時を成長段階3と して収穫し、部位別に放射性セシウム濃度を測定し た。移行係数は成長段階1の葉と根で、それぞれ 0.28、0.18と大きかった。成長段階3の葉と根では、 それぞれ0.13、0.10であった。これら以外は0.04か ら0.09の範囲にあった。成長段階1で移行係数が大 きかったが、成長段階1では重量が小さいため、回 収できる放射性セシウムの量は大きくない。このこ とから、ひまわりを除染に用いても効率的ではない ことがわかる。また、中山は、ホウレン草の栽培に おいて、与える肥料によって放射性セシウムの吸収 量に差異が生じるのではないかと考えた。窒素、リ ン、カリウムをそれぞれ多く含む肥料を用いて栽培 し、収穫後に測定した。カリウムを多く含む肥料を 与えた場合は、根の放射性セシウム濃度が他の肥料 の場合の約4倍と約20倍と高かったが、葉の放射性 セシウム濃度は他と同等もしくは低かった[11]。 藤川は、深さ分布がなく均一に放射性セシウムを 含む土壌と、表層5mmのみに放射性セシウムを含 む土壌とでは、ハツカダイコンの成長において部位 別の放射性セシウム吸収が異なるのではないかと考
えた[12]。播種して7日ごとに収穫し、それぞれ成 長段階1∼4とした。均一混合土で収穫したもの は、葉の放射性セシウム濃度が成長段階によらずほ ぼ同レベルで推移した。これに対して、側根は成長 につれて濃度が上昇した。一方、表層5mmのみ放 射性セシウム土壌では、成長段階に応じて葉の放射 性セシウム濃度が上昇し、側根の濃度はあまり変化 がなかった。このように、土壌中の放射性セシウム の分布が異なると植物への吸収のされ方が異なるこ とがわかる。 植物が放射性セシウムを吸収する際のパラメータ として、土壌中のカリウムが挙げられる。また、カ リウムを多く含有する作物が、他の作物に比べて放 射性セシウムの移行係数が大きいことが期待され る。吉田と山口は、カリウム濃度の高い農作物であ るさつまいもとパセリに注目して、栽培土に添加す るカリウム量の多少による放射性セシウム移行の差 異を部位別(葉、茎、根)に測定した[13-14]。カ リウムの添加は液体肥料のみの場合を少とし、これ に塩化カリウムを加えるものを多とした。結果とし て、放射性セシウム濃度は根、茎、葉の順に高く、 さつまいもではカリウムの多少による差異は大きく なかった。パセリの場合は、カリウム少で収穫した ものの放射性セシウム濃度がカリウム多の約2倍で あった。100gあたりのカリウム含有量がさつまいも 470mgに対して、パセリ1000mgと多いことが、こ の結果と関係があるかもしれない。 吉田は、カイワレ大根の水耕栽培において、カリ ウム添加量の違いによる放射性セシウム吸収量の変 化を実験によって得た[13]。放射性セシウムを含 む溶液は、川俣町山木屋地区で採取した落葉を水に 1週間浸け込んだ後、超音波洗浄機で30分間洗浄し、 さらに、ろ過後に蒸発皿に入れ加熱により濃縮した ものである。各プランターにはカリウムを添加した 溶液200 mLを入れ、100個の種を蒔いた。種まきの 翌日に発芽し、発芽率は95 ∼ 100%であった。発 芽から12日後に収穫した。カリウム濃度7.5 g/Lと9 g/Lとでは、成長不良で収穫量が少なかった。収穫 したカイワレ大根は洗浄後に乾燥しU8容器に詰め てHPGe検出器にて測定した。結果を図1に示す。 Cs-137濃度は乾燥前の濃度として示す。カリウム 添加量3 g/Lまでに、Cs-137濃度は単調に減少し約 70%になった。この結果から、カリウム添加によっ てセシウム吸収が阻害されることがわかる。 0.07 0.08 0.09 0.10 0.11 0.12 0.13 0.14 0 2 4 6 8 10 C s-137 Ớ ᐲ (B q/ g) 䉦䊥䉡䊛Ớᐲ䋨㪾㪆㪣䋩 図1 カイワレ大根水耕栽培におけるカリウム濃度と 放射性セシウム吸収との関係 村嶋は、土壌中にゼオライト等を混合することに よる植物への放射性セシウム移行阻害について研究 した[15]。土壌を粒径1mm以上の粗い土壌と粒径 1mm未満の細かい土壌に分けて、それぞれにゼオ ライト、竹炭を混ぜたものを用意した。そこで生育 したオヒシバとタカサブロウを採取して放射性セシ ウム濃度を測定し移行係数を評価した。オヒシバの 場合、土壌の粗細で移行係数の違いはなく、竹炭に よって約60%、ゼオライトによって約130%となっ た。タカサブロウの場合、土壌の粗細で移行係数は 30∼ 70%異なり、竹炭によって3∼4倍に、ゼオ ライトによって0.5 ∼1倍となった。このように、 植物の種類によって放射性セシウムの吸収阻害に用 いることができる吸着材が異なるものと示唆され た。 7.植物や落ち葉からの溶出 植物は根を介して土壌中の放射性セシウムを吸収 する。事故によって放出された放射性セシウムは、
降雨や降雪によって地上にもたらされた。その際、 山林では木の葉や落葉の表面への沈着もあった。ま たその後は、木や草が根を介して土壌中の放射性セ シウムを吸収している。土壌を水に浸した場合、放 射性セシウムの粘土鉱物への強い吸着のためほとん ど溶出しないことは知られている。いま除染が進ん でいて、枯れ草や落葉も除染廃棄物として集められ ている。土壌に吸着されている状態であると水に溶 出しない放射性セシウムであるが、植物に吸収され た後は植物の細胞内あるいは細胞間に取り込まれ、 水に溶出しやすくなると考えられる。そのような状 況で、草や落葉を水に浸けた場合の放射性セシウム の溶出量を評価することは重要であると考える。著 者らは、山木屋小学校で植物や落ち葉を採取し、そ れらの水への溶け出しについて実験を行った[16]。 2013年5月に、川俣町の山木屋小学校でクロー バー、たんぽぽ、よもぎを、小学校に隣接する林で 落葉を採取した。採取した試料を風乾し約15gをそ れぞれU8容器に入れて、HPGe検出器を用いて放 射性セシウム濃度を定量した。濃度を定量した試料 を不織布製の袋に入れて、500ccの水に長期間浸け た。浸け込み開始は2013年7月2日で、室温で放置し た。浸け込んだ後の水をろ過後、重量測定して、マ ントルヒータで乾固させた。さらに、少量の水を用 いて回収し、それをU8容器に移した後、赤外線 オーブンで水分を蒸発させた。そして、作成した試 料に含まれる放射性セシウムをHPGe検出器にて定 量した。 初期のCs-137放射能は、クローバー、たんぽぽ、 よもぎ、落葉(広葉)、落葉(針葉)でそれぞれ、 5.9Bq, 3.0Bq, 18.6Bq, 102Bq, 369Bqで あ っ た。8 ∼ 10日間の浸け込みで溶出したCs-137はそれぞれ 1.87Bq, 0.45Bq, 3.65Bq, 5.52Bq, 4.83Bqで、500ccの 水に含まれる濃度には10倍の差はなかった。結果と して溶出率は、0.32, 0.15, 0.19, 0.05, 0.01であった。 草は0.15 ∼ 0.32であったのに対して、落葉は0.01 ∼ 0.05と小さかった。 水を回収した後に再び500ccの水を入れて室温で 50日間放置した。この2回目で水へ溶出したCs-137 を、1回目で水へ溶出した分を差し引いたCs-137で 除した結果を溶出率とするとクローバー、たんぽ ぽ、よもぎ、落葉(広葉)、落葉(針葉)でそれぞ れ0.24, 0.18, 0.15, 0.02, 0.006であった。1回目より も溶出率が低下した。この実験を400日間継続した 結果を図2に示す。図より、水浸けの10 ∼ 60日間 で溶出されるものの大半が溶出されたといえる。 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 100 200 300 400 䉪䊨䊷䊋䊷 ᧻⪲ 䊣䊝䉩 䉺䊮䊘䊘 ᳓ 䈻 䈱ṁ ₸ ⚻ㆊᣣᢙ䋨ᣣ䋩 図2 草葉を水に浸けた場合の放射性セシウム溶出の変化 落葉の表面には、2011年3月に放出された放射性 セシウムが沈着している可能性が高い。一方で、草 に含まれる放射性セシウムは、土壌から根を介して 取り込まれたものであり、可溶性が異なると考えら れる。可溶性の差異に関する検討は今後の課題であ る。本研究では、草や落葉を水に浸けたときの放射 性セシウムの溶出量を測定した。自然界では土壌が あるため、溶出した放射性セシウムはすぐに土壌に 沈着し長距離輸送することはないと思われる。 8.きのこによる吸収 土壌中の放射性セシウム濃度が高い地域では、野 生きのこの放射性セシウム濃度も高い傾向がある。 植物に比べると移行係数が高いことが知られてい る[17-18]。きのこはその菌糸を地中の広範囲に張 り巡らせるため、実際の移行係数は、野生きのこの 調査では明らかにならない。そこで、吉村、田河、 西村は、エリンギを栽培して移行係数を実験的に求
めた[19-21]。きのこを栽培する培地はスギオガと フスマを2対1に配合し、含水率を約65%とする。ス ギオガを基材、フスマを栄養材とするが、スギオガ の一部を福島県川俣町で採取してきた落葉に置換し て、放射性セシウムを含む培地を作成した。この研 究は、近畿大学農学部の種坂先生、白坂先生、福田 先生に協力いただいた。 作成した培地を850ccのポリビンに入れて蓋をし、 高圧滅菌器にて121℃、60分間で滅菌を行った。滅 菌終了後、一晩冷却した後にクリーンベンチにて、 培地にエリンギの種菌を植えた。恒温槽にて気温 18℃、湿度85%以上で約2 ヶ月間保管した。菌がポ リビンの底まで蔓延したところで菌かきを行い気温 15℃に変更し再び保管した。培地作成から収穫ま で約4 ヶ月間を要した。収穫したエリンギを乾燥し た後にU8容器に入れてHPGe検出器にて測定し、 放射性セシウム濃度を定量した。エリンギ栽培は、 2013年、2014年、2015年に行った。2013年と2014年は、 スギオガの重量の10%分もしくは30%分を落葉に置 換したものを用いた。2015年は、落葉を針葉と広葉 を分けて用いた。さらに移行係数が大きくなると期 待して落葉の腐植を用いた。図3に培地のCs-137 濃度と移行係数の関係を示す。 0 1 2 0.1 1 10 ⪭⪲2013 ⪭⪲2014 ㊎⪲2015 ᐢ⪲2015 ⣣ᬀ2015 ⒖ⴕଥ ᢙ ၭ䈱㪚s-137Ớᐲ䋨Bq/g䋩 図3 培地のCs-137濃度と移行係数の関係 図中の誤差棒は、同一条件で複数の結果を得た 場合の標準偏差を表す。図から、培地のCs-137濃 度が高くなると移行係数が低くなる傾向が見られ る。広葉と腐植のデータは、落葉のプロットの間に 見られる。針葉の場合は、他と比べて移行係数が低 い。なお、本研究での移行係数は収穫時のエリンギ のCs-137濃度を培地作成直後の培地本体のCs-137 濃度で除した値とした。エリンギ栽培の結果から培 地に混ぜる落葉の種類の違いで移行係数に差異があ ることがわかった。移行係数は一定ではなく、きの こへの放射性セシウム移行量は培地の濃度に比例せ ず、ある程度のところで横ばいになると考えられ る。その他、培地にカリウムを添加してカリウムに よるセシウム移行阻害の効果を調べたが、きのこの Cs-137濃度に差異はなかった[20]。 きのこをゆでることによる放射性セシウムの溶出 についても検討した[21]。川俣町山木屋地区で採 取したクリタケ、コウタケ、ナラタケについて20分 間煮出した結果、4割∼ 8割が溶出した。このこと から、調理方法によって内部被ばく量を低減できる ことがわかる。 9.ガンマ線スペクトルから放射性セシウム寄与分 を推定 除染の目安として、空間線量率0.23μSv/hを超 えた場合に除染するとしている。これは、自然放射 線の線量率を0.04μSv/hと仮定して、年間の追加 被ばく線量が1mSvを下回るようにしたいという値 である。自然放射線の線量率0.04μSv/hは低めの 値なので、除染が行き過ぎるように目安が設定され ている。しかし、除染によって線量率を低減させる のは容易ではない。なぜなら、ガンマ線源である 放射性セシウムは広く地表に分布しており、約200 m離れた場所からも線量率を上昇させる寄与がある からである。空間線量率が0.23μSv/hを少し上回 る時、追加の除染をするか否かの判断に使えるよう に、線量率への自然放射線の寄与分を放射性セシウ
ムによる寄与分と弁別する技術の開発が必要であ る。 空間線量率はNaI(Tl)シンチレーションサーベ イメータ(例;日立アロカ製 TCS-171B)で測定さ れることが多い。この測定器では自然由来の線量と 放射性セシウムによる線量とを弁別することはでき ない。その一方で、ガンマ線スペクトルデータを取 得できる検出器を用いれば、ガンマ線スペクトルを 分析することで、放射性セシウムによる寄与を評価 することができる。 川俣町山木屋小学校の体験農園にガンマ線ス ペクトルを取得できるNaI(Tl)検出器を地上1 mに設置しデータを取得した。高島、三川、中西 は、測定で得たガンマ線スペクトルを用いて、空 間線量率における放射性セシウムの寄与分の評価 を行った[22-24]。図4にガンマ線スペクトルを 示す。Cs-137による0.662MeVガンマ線によるピー クがもっとも大きく、その左側にCs-134による 0.605MeVガンマ線によるピークが重なっている。 そして、0.796MeVを中心にCs-134ガンマ線による ピークがある。図に自然放射線によるガンマ線スペ クトルの推定値を合わせて示す。分析の結果、自然 放射線による線量率は、0.034 ∼ 0.036 μSv/h、放 射性セシウムによる線量率の寄与は0.362 ∼ 0.364 μSv/hと推定された。この自然放射線による線 量率は、事故前の福島県内の線量率0.035 ∼ 0.046 μSv/hの範囲内にあった。LaBr3検出器を用いても 同様の測定と分析を行った。ここに示した方法は、 線量率における放射性セシウム寄与分を推定するの に有効な方法であることが確認できた。 10- 1 100 101 102 103 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 ፉ⋵Ꮉୀ↸ጊᧁደ ⥄ὼ✢䈮䉋䉎㩿ផቯ㪀 10 ke V 䈅 䈢 䉍 䈱 ⸘ ᢙ 㩿c pm 㪀 䉣 䊈 䊦 䉩 䊷 㩿 k e V 㪀 図4 ガンマ線エネルギースペクトルにおける 自然放射線起因分の推定 10.おわりに 本報告では、東電福島第1原発事故による環境の 放射性セシウムを対象とした研究について紹介し た。紹介したもの以外にも、食品モニタの校正方法 の検討、放射線遮へいベストの開発、放射性セシウ ム吸着回収材の開発、除染廃棄物をバイオコークス 技術で減容した際の安全性評価、バイオアッセイ法 による内部被ばく線量の評価など、学内外との共同 で関連する幅広い研究に取り組んできた[25-31]。 謝辞 本報告は、原子力研究所第3研究室で卒業研究に 励んだ学部4年生が作成した卒業論文を多く引用し ている。大参事を目の当たりにした同時代人として 復興のために役に立ちたいと研究テーマに選んだ学 生一人ひとりの若い感性とあきらめない気持ちが詰 まっている。皆さんの努力の賜物である。 近畿大学は、研究・調査を進めることを承認して くれて、HPGe検出器を購入してくれた。この検出 器によって迅速で正確な測定ができるようになっ た。 本報告には、近畿大学が全学を挙げて取り組んで いる オール近大 川俣町復興支援プロジェクトの 成果を一部含んでいる。専門分野の異なる研究者が 共同することで成果を上げることができた。 古川道郎町長をはじめとする川俣町の皆さんに
は、実験試料としての土壌や植物の提供や測定の機 会を与えていただいた。 関係していただいた方々に心から感謝の意を申し 上げる。 参考文献 [1] 山西弘城,稲垣昌代,若林源一郎,芳原新也,伊藤哲 夫,田中尚道,石渡俊二,多賀淳,緒方文彦,堀端章,鈴 木高広,古川道郎; 東電福島第1原子力発電所事故 に起因する環境中放射性Csの福島県川俣町にお ける調査, スマートプロセス学会誌, Vol. 4, No. 6, pp. 268-274 (2015). [2] 伊藤哲夫,山西弘城,杉浦紳之,若林源一郎,堀口哲 男,芳原新也,稲垣昌代,小島清,村田祥之,古川道郎; 福島県川俣町における環境放射線調査(1)調査 の概要と土壌中の放射性物質, 日本原子力学会 2011年秋の大会, 北九州, 2011年9月 K48. [3] 伊藤哲夫,古川道郎,杉浦紳之,山西弘城,堀口哲 男,芳原新也,若林源一郎,稲垣昌代,小島清,村田祥 之,野間宏, 福島県川俣町における環境放射線調 査, 近畿大学原子力研究所年報, 48, 3-9 (2011). [4] 山西弘城,芳原新也,若林源一郎,稲垣昌代,堀口哲 男,小島清,野間宏,杉浦紳之,古川道郎,伊藤哲夫;福 島県川俣町における環境放射線調査―土壌中放射 性セシウム濃度―, Radioisotopes, 62, pp. 259-268 (2013). [5] 林一聡;土壌における放射性セシウムの沈着状 況分析および脱着方法の研究, 近畿大学理工学部 電気電子工学科卒業論文, 平成24年2月. [6] 稲垣昌代,山西弘城,若林源一郎,芳原新也,伊藤哲 夫,古川道郎;福島第一原発事故に起因する放射性 セシウムの表土における粒度別濃度,近畿大学原 子力研究所年報,52,7-18 (2015). [7] 酒井俊祐;土壌中放射性セシウムの深さ分布経 年変化に関する研究, 近畿大学理工学部電気電子 工学科卒業論文, 平成28年2月. [8] 石 渡 俊 二,多 賀 淳,緒 方 文 彦,北 小 路 学,大 内 秀 一,山 西 弘 城,稲 垣 昌 代;ク エ ン 酸 ア ン モ ニ ウ ム 水溶液とイオン液体を用いた放射性セシウム 汚 染 土 壌 の 除 染 方 法,ス マ ー ト プ ロ セ ス 学 会 誌,Vol.4,No.6,pp.294-297 (2015). [9] 安田峻;環境負荷の小さな化学物質を用いた土 壌中放射性Csの溶出方法, 近畿大学理工学部電気 電子工学科卒業論文, 平成28年2月. [10] 奥村博司,山本純之,稲垣昌代,山西弘城,伊藤哲 夫; 福島における小規模農業用ため池の放射性Cs 汚染とその除去, スマートプロセス学会誌, Vol. 4, No. 6, pp. 280-286 (2015). [11] 中山鋭彦;土壌中の放射性Csのヒマワリへの 移行と分布に関する研究, 近畿大学理工学部電気 電子工学科卒業論文, 平成24年2月. [12] 前川英輝;ハツカダイコンにおける放射性Cs の移行と分布, 近畿大学理工学部生命科学科卒業 論文, 平成24年2月. [13] 吉田太輔;農作物の栄養吸収におけるKとCs の拮抗, 近畿大学理工学部生命科学科卒業論文, 平成26年2月. [14] 山口祥英;さつまいもとパセリによる土壌か らの放射性セシウムの吸収, 近畿大学理工学部電 気電子工学科卒業論文, 平成26年2月. [15] 村嶋優;土壌中放射性Csの植物への移行およ び阻害, 近畿大学理工学部生命科学科卒業論文, 平成25年2月.
[16] H.Yamanishi, M.Inagaki, G.Wakabayashi, S.Hohara, T.Itoh, M.Furukawa, Migration of Radioactive Cesium to Water from Grass and Fallen Leaves, Radiological Issues for Fukushima s Revitalized Future , (T. Takahashi editor), pp. 47-55, Springer (2015). [17] 稲垣昌代,山西弘城,若林源一郎,芳原新也,伊藤
哲夫,白坂憲章,種坂英次,奥村博司,古川道郎;福島 県川俣町における環境放射線調査[2]∼野生き のこに含まれる放射性セシウム濃度∼ , 近畿大学 原子力研究所年報, 49, 7-17 (2012).
[18] 稲垣昌代,山西弘城,若林源一郎,芳原新也,伊 藤哲夫,白坂憲章,種坂英次,古川道郎; 野生きの こに含まれる放射性セシウムに関する研究, ス マートプロセス学会誌, Vol. 4, No. 6, pp. 275-279 (2015). [19] 吉村忠;キノコへの放射性Csの移行, 近畿大 学理工学部生命科学科卒業論文, 平成26年2月. [20] 田河善隆;キノコの放射性Cs吸収におけるK 添加の影響, 近畿大学理工学部電気電子工学科卒 業論文, 平成27年2月. [21] 西村陸;キノコの放射性Cs吸収と溶出に関す る研究, 近畿大学理工学部電気電子工学科卒業論 文, 平成28年2月. [22] 高島直貴;空間γ線測定における放射性Cs寄 与分を除いた自然放射線量率の評価, 近畿大学理 工学部生命科学科卒業論文, 平成27年2月. [23] 三川俊彦;NaI(Tl)検出器を用いた空間ガン マ線スペクトル測定における放射性セシウム寄与 分の評価, 近畿大学理工学部電気電子工学科卒業 論文, 平成27年2月. [24] 中西悠貴;空間γ線線量率における放射性セ シウム寄与分の推定, 近畿大学理工学部電気電子 工学科卒業論文, 平成28年2月. [25] 実積佑季;NaI検出器を用いた試料測定にお ける検出下限評価, 近畿大学理工学部電気電子工 学科卒業論文, 平成24年2月.
[26] T.Itoh, H.Yamanishi, T.Yamamoto, T.Yamamoto, K.Yamamoto; Development and utilization of gamma-ray shielding suit excellent easy-to-wear, 13th Intern. Congress of the International Radiation Protection Association, Glasgow, May 13-18, 2012. P9-15 [27] 山本純之,吉田繁,奥村博司,稲垣昌代,古川道郎, 山西弘城,伊藤哲夫;福島県川俣町産シアノバクテ リアを用いた水田の放射性セシウム除染法, ス マートプロセス学会誌, Vol. 4, No. 6, pp. 287-293 (2015). [28] 井原辰彦,田中尚道,山西弘城,野間宏;多孔質ア ルミニウム電極への電気吸蔵による水溶液中セシ ウムイオンの回収, スマートプロセス学会誌, Vol. 4, No. 6, pp. 298-302 (2015). [29] 荒川剛,山西弘城,伊藤哲夫;放射性セシウム吸 着ブロックの開発と性能評価, スマートプロセス 学会誌, Vol. 4, No. 6, pp. 303-306 (2015). [30] 大橋憲,笹内謙一,水野諭,井田民男,山西弘城;高 密度減容化技術による放射性物質の保管安全性 の一考察, スマートプロセス学会誌, Vol. 4, No. 6, pp. 307-311 (2015). [31] 山西弘城, 伊藤哲夫, 杉浦紳之, 稲垣昌代, 松原 昌平, 荻原清, 吉村共之, 窪谷英明,加藤結花;尿を 対象にしたバイオアッセイ法による内部被ばく線 量の評価, 原子力学会2012秋の大会, 東広島, 2012 年9月